JPH11252784A - 熱保護回路 - Google Patents

熱保護回路

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JPH11252784A
JPH11252784A JP10071256A JP7125698A JPH11252784A JP H11252784 A JPH11252784 A JP H11252784A JP 10071256 A JP10071256 A JP 10071256A JP 7125698 A JP7125698 A JP 7125698A JP H11252784 A JPH11252784 A JP H11252784A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いわゆるCMOS製造プロセスによって製造
することができ、消費電力が少なく、比較的簡易な回路
構成で、大きな面積を要しないものとする。 【解決手段】 所定の検出温度以下では、pチャンネル
のMOS FET2のゲート電圧は、pチャンネルのMOS FET1の
ゲート電圧より高く、MOS FET2が非導通となるため、n
チャンネルのMOS FET7は、非導通状態となり出力電圧V
Cは、ハイレベルとなる。一方、所定の検出温度を越
え、MOS FET2のゲート電圧が低下すると、予め定められ
たMOS FET1,2の面積サイズの比のため、MOS FET2の電流
がMOS FET1に比して大となり、MOS FET2が導通状態とな
るため、出力電圧VCは、ローレベルとなり、回路が熱
保護の必要な状態であることを知らしめることができる
ようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路における
いわゆる熱保護回路に係り、特に、半導体集積回路、と
りわけ、CMOS集積回路に適する熱保護回路に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の熱保護回路として知られ
ているものには、例えば、図3に示されたような構成を
有するものがある。以下、図3を参照しつつこの熱保護
回路について概括的に説明すれば、まず、この熱保護回
路は、バイポーラトランジスタを用いてなるもので、コ
ンパレータ部30と、ヒステリシス発生部31と、温度
検出部32と、出力部33と、基準電源部34とに大別
されて構成されたものとなっている。かかる構成におい
て、コンパレータ部30は、温度検出部32のダイオー
ド39によって発生されたいわゆるバンドギャップ電圧
と、基準電源部34により発生された所定の基準電圧と
を比較し、その比較結果に応じた信号を出力するように
なっているものである。
【0003】すなわち、回路の雰囲気温度が異常と判定
するに至らない状態にある場合において、温度検出部3
2からは、所定以上のバンドギャップ電圧が出力される
一方、この場合において、コンパレータ部30を構成す
る第1のpnp型トランジスタ35のベースに印加され
る基準電源部34による基準電圧は、先のバンドギャッ
プ電圧より低い値に設定されている。このため、第1の
pnp型トランジスタ35が導通状態となる一方、この
第1のpnp型トランジスタ35と差動増幅回路を構成
する第2のpnp型トランジスタ36は、非導通状態と
なる。その結果、出力部33の第3のnpn型トランジ
スタ37が非導通状態とされる一方、出力部33の第4
のnpn型トランジスタ38は導通状態とされ、正常状
態における出力は、いわゆるローレベルとされるように
なっている。
【0004】そして、回路温度が上昇し、温度検出部3
2から出力されるバンドギャップ電圧が所定値以下とな
ると、先とは逆に、コンパレータ部30の第1のpnp
型トランジスタ35が非導通状態となり、第2のpnp
型トランジスタ36が導通状態となる。その結果、出力
部33の第3のnpn型トランジスタ37が導通状態と
されることで、第4のnpn型トランジスタ38が非導
通状態となり、回路が所定の高温に晒されていることを
示す信号としての出力は、いわゆるハイレベルとなるよ
うになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の熱保
護回路は、一緒に組み込まれる他の回路の半導体の種類
に関係なく使用できるものではない。すなわち、例え
ば、いわゆるCMOS集積回路においては、使用する半
導体基板が上述のバイポーラ半導体と異なるだけでな
く、その製造プロセスも異なるため、一緒に製造するこ
とはできず、結局、上述のバイポーラトランジスタによ
る回路を、CMOS集積回路において、そのまま用いる
ことはできない。そのため、バイポーラトランジスタを
CMOSトランジスタに置き換えることが考えられる
が、この場合、上述したバイポーラトランジスタを用い
た熱保護回路において用いられていたと同様に、バイア
ス等の設定の抵抗を残すとすると、CMOSトランジス
タによる消費電力の低減という利点が損なわれるだけで
なく、集積回路では抵抗値が高くなる程大きな面積を必
要とするため、集積回路化による小型化という集積回路
本来の利点も損なわれてしまうという問題が生ずる。
【0006】本発明は、上記実情に鑑みてなされたもの
で、いわゆるCMOS製造プロセスによって製造するこ
とができ、消費電力が少なく、比較的簡易な回路構成
で、大きな面積を要することのない熱保護回路を提供す
るものである。本発明の他の目的は、安定動作が確保さ
れ信頼性の高い熱保護回路を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る熱保護回路は、雰囲気温度に応じた電圧を出力する熱
検出部と、前記熱検出部による出力電圧と、基準電圧と
を比較し、その比較結果に応じた信号を出力する比較部
と、前記比較部に応じた出力信号を出力する出力部とを
具備してなる熱保護回路であって、前記比較部は、二つ
のトランジスタを用いてなる差動増幅回路を有し、当該
差動増幅回路は、二つのトランジスタの一方の入力端
に、電源電圧またはアース電圧が、他方のトランジスタ
の入力端に、前記熱検出部の出力電圧が、それぞれ印加
されるよう構成され、かつ、前記二つのトランジスタの
それぞれの面積サイズの比が、所定の温度においてそれ
ぞれ等しい電流が流れるように設定されたものである。
【0008】かかる構成においては、比較部を構成する
差動増幅回路の2つのトランジスタの面積サイズの比
を、所定の温度、すなわち、回路を熱保護しようとする
温度において、それぞれに流れる電流が同一となるよう
にし、しかも、一方のトランジスタの入力端に電源電圧
またはアース電圧とした点に特徴を有するものである。
このような構成とすることで、所定温度よりも低い温
度、すなわち、正常時には、差動増幅回路を構成する一
方のトランジスタを動作状態、他方のトランジスタを非
動作状態とでき、所定温度を僅かに越えたところで、そ
れとは逆に、一方のトランジスタを非動作状態、他方の
トランジスタを動作状態とすることが、特別な基準電圧
回路を設けることなく可能となり、集積回路化に適した
熱保護回路が提供できるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1及び図2を参照しつつ説明する。なお、以下に
説明する部材、配置等は本発明を限定するものではな
く、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができる
ものである。最初に、第1の実施例について図1を参照
しつつ説明する。この第1の実施例における熱保護回路
は、比較部20と、ヒステリシス部21と、熱検出部2
2と、出力部23とに大別されて構成されたものとなっ
ており、いわゆるP基板をベースにしてCMOS集積回
路化する場合に適するものである。
【0010】比較部20は、熱検出部22により出力さ
れた回路の雰囲気温度に対応する電圧と、基準電圧とを
比較し、その比較結果に応じた信号を出力部23へ出力
するもので、pチャンネルの第1及び第2のMOS F
ET(図1においては、それぞれ「M1」、「M2」と表
記)1,2を主たる構成要素としてなる差動増幅回路を
用いて構成されたものとなっている。すなわち、第1の
MOS(Metal Oxide Semiconductor) FET1と第2の
MOS FET2は、ドレイン同士が接続されると共
に、第1の電流源10に接続されている。一方、第1及
び第2のMOS FET1,2のソース側には、nチャン
ネルの第3及び第4のMOS FET(図1において
は、それぞれ「M3」、「M4」と表記)3,4によるいわ
ゆるカレントミラー負荷が接続された構成となってい
る。また、第1のMOS FET1のゲートは、アース
に接続される一方、第2のMOS FET2のゲート
は、後述する熱検出部22のダイオード8のアノードに
接続されている。
【0011】いわゆるカレントミラー負荷となる第3及
び第4のMOS FET3,4は、相互にゲートが接続さ
れると共に、第3のMOS FET3のドレインに接続
され、さらに、第1のMOS FET1のソースに接続
されている。第3のMOS FET3は、いわゆるダイ
オード接続状態とされて、第1のMOS FET1に直
列接続された構成となっている。そして、これら第1の
MOS FET1のソースと、第3のMOS FET3の
ドレイン及びゲートと、第4のMOS FET4のゲー
トの接続点は、後述するヒステリシス部21の第6のM
OS FET(図1においては「M6」と表記)6のゲー
トに接続されている。
【0012】一方、第4のMOS FET4のドレイン
は、第2のMOS FET2のソースと共に、後述する
ヒステリシス部21の第5のMOS FET(図1にお
いては「M5」と表記)5のドレイン及び出力部23の第
7のMOS FET(図1においては「M7」と表記)7
のゲートに接続されている。そして、第3及び第4のM
OS FET3,4のそれぞれのソースは、共にアースに
接続されている。
【0013】ヒステリシス部21は、比較部20の比較
動作にいわゆるヒステリシス特性を与えるためのもので
(詳細は後述)、nチャンネルの第5及び第6のMOS
FET5,6を用いて構成されたものとなっている。す
なわち、第5のMOS FET5のドレインは、先に述
べたように、比較部20の第2のMOS FET2のソ
ース及び第4のMOS FET4のドレインに接続され
ると共に、出力部23の第7のMOS FET7のゲー
トに接続される一方、ソースは、第6のMOS FET
6のドレインに接続され、この第6のMOS FET6
のソースは、アースに接続されたものとなっている。こ
れにより、第5及び第6のMOS FET5,6は、直列
接続された構成とされている。
【0014】熱検出部22は、この熱保護回路がおかれ
ている雰囲気温度に応じた電圧を発生するためのもの
で、ダイオード(図1においては「D1」と表記)8を用
いて構成されたものとなっている。すなわち、ダイオー
ド8は、そのカソードがアースに接続される一方、アノ
ードが第2の電流源11に接続されて、常時所定の電流
が流されるようになっている。このため、ダイオード8
のアノード側には、雰囲気温度に応じたいわゆるバンド
ギャップ電圧が得られるようになっている。
【0015】出力部23は、比較部20による比較結果
に応じた出力信号を出力するためのもので、nチャンネ
ルの第7のMOS FET7を用いて構成されたものと
なっている。すなわち、第7のMOS FET7は、ソ
ースがアースに接続される一方、ドレインは、第3の電
流源12に接続され、この相互の接続点から出力が得ら
れるようになっている。さらに、この第7のMOS F
ET7のドレインと第3の電流源12との接続点は、ヒ
ステリシス部21の第5のMOS FET5のゲートに
接続されており、出力信号がヒステリシス部21へいわ
ゆるフィードバックされるようになっている。なお、第
7のMOS FET7のゲートは、既に述べたように比
較部20及びヒステリシス部21に接続されている。
【0016】次に、かかる構成における動作について説
明する。まず、回路の雰囲気温度が比較的低い状態にあ
る場合、ダイオード8のアノード側に得られる電圧VA
(図1参照)は、いわゆるバンドギャップ電圧であるた
め、回路の雰囲気温度が高い状態にある場合に比して、
比較的高いレベルとなる。したがって、比較部20の第
1及び第2のMOS FET1,2のゲート電位について
みれば、第1のMOS FET1のゲート電位がアース
電位であるのに対して、第2のMOS FET2のゲー
ト電位は、それより高い状態であるため、そのため、第
1のMOS FET1は導通状態となる一方、第2のM
OS FET2は、非導通状態となる。
【0017】これにより、第1のMOS FET1に
は、第1の電流源10からの電流が流れ込み、さらに、
第3のMOS FET3へ流れ込む。そして、この第3
のMOS FET3に対して第4のMOS FET4と第
6のMOS FET6は、共にそのゲートが並列接続さ
れたものとなっており、後述するように、第5のMOS
FET5が導通状態であるため、いわゆるカレントミ
ラー動作により、第4及び第6のMOS FET4,6に
は、第3のMOS FET3に流れた電流と同じ大きさ
の電流が、それぞれの大きさに応じて分流されることと
なる。これに対して、第2のMOS FET2には殆ど
電流が流れないために、この第2のMOS FET2の
ソースと第4のMOS FET4のドレインとの接続点
の電位VB(図1参照)は低下し、略零vに近いいわゆ
るローレベルの状態となる。
【0018】そして、出力部23の第7のMOS FE
T7のゲート電位もローレベルとされることで、第7の
MOS FET7は、非導通状態となり、そのため、出
力電圧VC(図1参照)は、略電源電圧Vccに近い状
態、すなわち、いわゆるハイレベルの状態となる。この
出力電圧VCのハイレベル状態は、第5のMOS FET
5のゲートにフィードバックされるため、この場合、第
5のMOS FET5は、導通状態となる。
【0019】ここで、この第5のMOS FET5と直
列接続されている第6のMOS FET6に流れる電流
I6と、この第6のMOS FET6と共に、第3のMO
S FET3に対して並列接続状態にある第4のMOS
FET4を流れる電流I4の和は、第1のMOS FET
1及び第3のMOS FET3を流れる電流I1,I3と等
しく設定されること、すなわち、I1=I3=I4+I6の
関係が成立することが必要となる。これは、(I4+I
6)の電流が、いわば参照電流となり、第2のMOS F
ET2に流れる電流と比較される結果、第1及び第2の
MOS FET1,2は、先に述べたように通常の差動増
幅回路としての動作が確保されることとなるからであ
る。
【0020】次に、回路の雰囲気温度が上昇し、高温と
なった場合について説明すれば、まず、雰囲気温度の上
昇と共に、電圧VAは、徐々に低下して接地電位へ近づ
いてゆくこととなる。そして、電圧VAが予め設定され
た電圧まで低下すると、第1のMOS FET1が非導
通状態となる一方、第2のMOS FET2が導通状態
となる。ここで、第1のMOS FET1に代わって、
第2のMOS FET2が導通状態となるための所定電
圧は、次のようにして決定されるものである。
【0021】すなわち、第1のMOS FET1の面積
サイズをS1、第2のMOS FET2のそれをS2とす
ると、(S1/S2)=(|Vgsm1|−VA2/(|V
gsm2|)2を満足するように、第1のMOS FET1の
面積サイズと第2のMOS FET2の面積サイズを、
非対称の大きさに設定すればよい。ここで、|Vgsm1
−VA=|Vgsm2|を満たすようにする。これは、第1
のMOS FET1に流れる電流に比して、第2のMO
S FET2に流れる電流が多くなったときに、比較部
20の出力としての電圧VBがそれまでのローレベルか
らハイレベルへ変化し、かつ、出力部23の出力電圧V
Cがハイレベルからローレベルへ変化するようにするた
めである。換言すれば、第1及び第2のMOS FET
1,2のそれぞれの面積サイズの比は、所定の温度、す
なわち、回路が熱保護を図る必要のあるとして出力部2
3からローレベル信号を出力させる際の回路の雰囲気温
度において、第1及び第2のMOS FET1,2にそれ
ぞれ等しい電流が流れるように設定されたものであると
いうことができるものである。なお、上記式中、Vgsm1
は、第1のMOS FET1のゲート・ソース間電圧
を、Vgsm2は、第2のMOS FET2のゲート・ソー
ス間電圧を、それぞれ表し、、また、VAは、先に述べ
たように、ダイオード8のアノード側における電圧であ
る。
【0022】電圧VAが上述のようにして設定された所
定の電圧を下回ると、第2のMOSFET2に流れる電
流が増大し、第1のMOS FET1に流れる電流より
大となり、第1のMOS FET1は、非導通状態とな
る一方、第2のMOS FET2が導通状態となり、電
圧VBは、略電源電圧Vccに近い状態、換言すれば、ハ
イレベルの状態となる。それによって、出力部23の第
7のMOS FET7は、導通状態となるため、出力電
圧VCは、ローレベル状態となる。これによって、例え
ば、この信号を図示されない外部回路において利用する
ことで、回路が熱のために暴走することがないよう、例
えば、電源供給を、一旦停止する等の対策を講ずること
ができるものとなる。
【0023】出力部23の電圧VC上述のように、ロ
ーレベルとなると、その電圧は、ヒステリシス部21の
第5のMOS FET5のゲートにも印加されるため、
このとき、第5のMOS FET5は、それまでの導通
状態から非導通状態へ切り替わることとなる。このた
め、第5のMOS FET5が導通状態の際に第6のM
OS FET6に流れていた電流は流れなくなり、第2
のMOS FET2が非導通状態へ切り替わる際の、参
照電流が先の(I4+I6)からI4へ減少することとな
る。
【0024】したがって、上述のように出力電圧VC
ローレベルとなる検出温度よりも、回路の雰囲気温度が
低下しても、第2のMOS FET2は即座に導通状態
から非導通状態に変わるのではなく、第2のMOS F
ET2の電流が参照電流I4よりも少なくなった際に、
第2のMOS FET2は、導通状態から非導通状態へ
変化する(換言すれば、いわば正常状態へ復帰する)こ
ととなり、いわゆるヒステリシス動作が実現されること
となる。
【0025】なお、ここで、第4のMOS FET4の
面積サイズと第6のMOS FET6の面積サイズの和
が一定であることは、I4+I6=一定を意味する。した
がって、第4のMOS FET4の面積サイズと第6の
MOS FET6の面積サイズの和が一定であれば、各
々の面積サイズを違えても、出力電圧VCがローレベル
となる検出温度は同一である。但し、この場合、それぞ
れの面積サイズを違えることは、それぞれに流れる電流
I4,I6の大きさを違えることとなるため、上述したヒ
ステリシス動作におけるいわゆるヒステリシス幅を変え
ることとなる。
【0026】一方、第4のMOS FET4の面積サイ
ズと第6のMOS FET6の面積サイズの和を上述し
たように一定とすることなく、それぞれ任意の大きさと
する場合には、熱保護を図る所定の温度と解除温度(回
路の雰囲気温度が正常となり、出力電圧VCがローレベ
ルの状態からハイレベル状態となる際の温度)とを違え
ることができる。
【0027】次に、図2を参照しつつ第2の実施例につ
いて説明する。先の第1の実施例が、いわゆるP型半導
体基板をベースに、いわゆるPN接合部分についてはP
型拡散層及びNウェル層を用いるようにした場合に適す
る回路構成であったのに対し、この第2の実施例は、い
わゆるN型半導体基板をベースにする場合に適する回路
構成のものである。そして、この場合、Pウェル層を電
源電圧Vccのレベルに保持し、N拡散層を出力電圧VA
のレベルとなるようにすると好適である。なお、図2に
おいては、先の図1に示された構成要素に対応する構成
要素については、図1で用いた符号の後に「A」を付す
こととする。また、図1の構成要素と同一の構成要素に
ついては、同一符号を付すこととする。
【0028】この第2の実施例における回路は、使用す
る半導体素子が、図1に示された回路例の場合と基本的
に逆特性のものとした点が異なるもので、基本的な回路
構成は、図1に示されたものと同一のものである。した
がって、図1に示された回路と、この第2の実施例にお
ける回路における各回路素子の接続の違いは、使用した
半導体素子の特性の違いに応じて当然に生ずるものであ
り、図1で説明した基本的な回路構成を異ならしめるも
のではないので、以下の説明においては、各回路素子の
接続についてはその説明を省略し、動作について概括的
に説明することとする。
【0029】まず、回路の雰囲気温度が比較的低い場
合、ダイオード8のいわゆるバンドギャップ電圧は、回
路の雰囲気温度が高い状態にある場合に比して比較的高
いレベルとなる。そのため、ダイオード8のカソード側
の電圧VAは、アノード側の電源電圧Vccからこのバン
ドギャップ電圧分だけやや低い電圧となり、nチャンネ
ルの第2のMOS FET2Aのゲートに印加される。
一方、nチャンネルの第1のMOS FET1Aのゲー
トは、電源電圧Vccが常時印加されているため、この場
合、第1のMOS FET1Aが導通状態となり、第2
のMOS FET2Aは、非導通状態となる。
【0030】したがって、第2のMOS FET2Aに
は電流は流れず、そのドレイン電位、すなわち、pチャ
ンネルの第4のMOS FET4Aのソースとの接続点
の電位VBは、略電源電圧Vcc付近となり、この電圧VB
が出力部23を構成するpチャンネルの第7のMOS
FET7Aのゲートに印加されるため、第7のMOSF
ET7Aは非導通状態となり、出力電圧VCは、ローレ
ベルとなる。すなわち、この第2の実施例の場合、正常
時における出力レベルは、先の図1の実施例とは逆とな
る。次に、回路の雰囲気温度が上昇し、所定の検出温度
を越え、ダイオード8のバンドギャップ電圧が無視でき
る程度に小さくなると、熱検出部22の電圧VA、略
電源電圧Vccに近くなり、第1のMOS FET1Aに
代わり、第2のMOS FET2Aが導通状態となる。
【0031】したがって、第2のMOS FET2Aの
ドレイン側の電位VBは、先とは逆に略接地電位に近づ
き、そのため、第7のMOS FET7Aは導通状態と
なり、出力電圧VCは、略電源電圧Vccまでに上昇し、
ハイレベル状態となる。このとき、この出力電圧VC
ハイレベル状態は、第5のMOS FET5Aのゲート
に印加されるため、第5のMOS FET5Aは、非導
通状態となり、第6のMOS FET6Aの電流が流れ
なくなる。これは、先の図1に示された第1の実施例の
場合と同様である。このため、第2のMOS FET2
Aが、導通状態から再び非導通状態へ復帰する際の参照
電流は、第4のMOS FET4Aを流れる電流I4だけ
となり、第2のMOS FET2Aを流れる電流がこの
電流I4より少なくなった際に、第2のMOS FET2
Aは、非導通状態となる。このように、回路の雰囲気温
度が正常に戻り、それに伴い、出力電圧VCが正常時の
レベルに復帰する際の比較部20の動作に対して、ヒス
テリシス部21によるヒステリシスが生ずる点も図1に
示された第1の実施例の場合と基本的に同様である。
【0032】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明によれ
ば、比較部の差動増幅回路を構成する二つのトランジス
タの面積サイズを比対称とすると共に、その一方のトラ
ンジスタの入力に電源電圧またはアース電圧を印加する
一方、他方のトランジスタの入力には温度に対応した電
圧を印加するような構成とすることで、従来と異なり、
基準電圧を生成する回路を用いることなく、所定の温度
で熱保護のための所定の出力信号を出力を得ることがき
るので、回路構成が簡易となり、しかも、従来のように
基準電圧の精度維持に特別な方策を必要とせず、特性の
安定した熱保護回路が提供されるものである。
【0033】特に、トランジスタにMOS FETを用
いて集積回路化する場合には、上述したような回路構成
が簡易で、基準電圧を生成する回路を必要としないとい
うことが、集積回路化によるより一層の小型化を可能と
するものである。また、一般にいわゆるCMOS回路の
消費電力は、スイッチング時の消費電力の平均であるた
め、実際には、その動作モードや駆動周波数によって変
動し、正確な予測が困難である。そのため、CMOS集
積回路においては、いわゆるパッケージ容量を不用意に
越える虞があり、加熱によるICの損傷、焼損が発生す
る可能性が高いといういわゆるシステム安全上の問題が
生じている。これに対して、本発明に係る熱保護回路
は、CMOS集積回路化に適するものであるため、この
ような問題解決の有効な手段として用いることができ、
本発明に係る熱保護回路を組み込んだ集積回路の信頼性
向上に寄与することができるという効果を奏するもので
ある。
【0034】さらに、請求項6記載の発明においては、
上述した効果に加えて、ヒステリシス部が、出力部の出
力信号により、比較部の差動増幅回路の電流を直接変化
させるように構成されているため、従来と異なり、出力
信号を変換するような中間の回路を設ける必要がなくな
り、回路構成が簡素となると共に、消費電力のより一層
の低減を図ることができるという効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態における第1の実施
例の回路構成例を示す回路図である。
【図2】図2は本発明の実施の形態における第2の実施
例の回路構成例を示す回路図である。
【図3】図3は従来のバイポーラトランジスタを用いた
熱保護回路の一構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
1…pチャンネルの第1のMOS FET 2…pチャンネルの第2のMOS FET 3…nチャンネルの第3のMOS FET 4…nチャンネルの第4のMOS FET 5…nチャンネルの第5のMOS FET 6…nチャンネルの第6のMOS FET 7…nチャンネルの第7のMOS FET 1A…nチャンネルの第1のMOS FET 2A…nチャンネルの第2のMOS FET 3A…pチャンネルの第3のMOS FET 4A…pチャンネルの第4のMOS FET 5A…pチャンネルの第5のMOS FET 6A…pチャンネルの第6のMOS FET 7A…pチャンネルの第7のMOS FET 8…ダイオード 10…第1の電流源 11…第2の電流源 12…第3の電流源 20…比較部 21…ヒステリシス部 22…熱検出部 23…出力部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雰囲気温度に応じた電圧を出力する熱検
    出部と、 前記熱検出部による出力電圧と、基準電圧とを比較し、
    その比較結果に応じた信号を出力する比較部と、 前記比較部に応じた出力信号を出力する出力部とを具備
    してなる熱保護回路であって、 前記比較部は、二つのトランジスタを用いてなる差動増
    幅回路を有し、当該差動増幅回路は、二つのトランジス
    タの一方の入力端に、電源電圧またはアース電圧が、他
    方のトランジスタの入力端に、前記熱検出部の出力電圧
    が、それぞれ印加されるよう構成され、かつ、前記二つ
    のトランジスタのそれぞれの面積サイズの比が、所定の
    温度においてそれぞれ等しい電流が流れるように設定さ
    れたものであることを特徴とする熱保護回路。
  2. 【請求項2】 差動増幅回路を構成する二つのトランジ
    スタは、pチャンネル型のMOS FETであり、一方
    のMOS FETのゲートが、アースに接続されてなる
    ことを特徴とする請求項1記載の熱保護回路。
  3. 【請求項3】 差動増幅回路を構成する二つのトランジ
    スタは、nチャンネル型のMOS FETであり、一方
    のMOS FETのゲートが、電源に接続されてなるこ
    とを特徴とする請求項1記載の熱保護回路。
  4. 【請求項4】 比較部の差動増幅回路には、二つのトラ
    ンジスタからなるカレントミラー負荷が接続され、前記
    二つのトランジスタの内、ダイオード接続状態とされる
    トランジスタが、前記差動増幅回路を構成する二つのト
    ランジスタの内、入力端子に電源電圧またはアース電圧
    が印加される一方のトランジスタと直列接続されること
    を特徴とする請求項2または3記載の熱保護回路。
  5. 【請求項5】 出力部の出力状態に応じて、比較部の差
    動増幅回路における差動増幅動作にヒステリシスを生じ
    させるヒステリシス部を設けたことを特徴とする請求項
    4記載の熱保護回路。
  6. 【請求項6】 ヒステリシス部は、直列接続された二つ
    のトランジスタを有してなり、前記二つのトランジスタ
    の内、一方のトランジスタは、出力部の出力状態に応じ
    て導通または非導通状態とされるよう設けられ、他方の
    トランジスタは、その入力端がカレントミラー負荷を構
    成する二つのトランジスタの入力端に共通に接続される
    よう構成されてなるものであることを特徴とする請求項
    5記載の熱保護回路。
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