JP3776172B2 - 真空濾過装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として有機・無機化学、食品、医薬工業の分野に使用され、混合物から固液分離した被処理物を濾過、洗浄するための真空濾過装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の真空濾過装置としては、例えば本発明の発明者等が特開昭62−125806号公報において提案したようなものが知られている。
この公報に記載された真空濾過装置では、無端状に巻回された濾布の上側部分が水平方向に一定速度で連続して走行可能とされているとともに、この濾布の下には、脱水域を形成する真空箱(真空トレイ)と非脱水域とされる非真空箱(板状体)とが濾布の走行方向に沿って往復移動可能に交互に設けられており、これら真空箱および非真空箱が濾布の走行に伴って移動する間は、真空箱による被処理物の吸引濾過および脱水がなされる一方、これらが濾布の走行方向とは逆方向に移動するときには真空吸引が解除されるようになされている。そして、上記濾布の上には、非真空箱の移動範囲内に、回転軸の周りに掻き上げ具が取り付けられてなる攪拌装置と給水装置とが固定して設けられており、またこの非真空箱に上記濾布を介して被処理物に圧空を供給する圧空部を設けることもできる。さらに、上記脱水域は真空濾過部と洗浄部とに分けられている。
【0003】
このように構成された真空濾過装置では、上記濾布上に供給された被処理物は、第1の脱水域の真空濾過部において真空吸引されることにより、ある程度まで脱水されてゲル化し、次いで上記非真空箱上において攪拌装置による攪拌操作を受けるとともに、必要に応じて給水装置から水を供給され、リパルプされる。すると、上記脱水操作により被処理物内に形成、固定された濾過抵抗を増大させる律速層がこの攪拌、給水操作によって破壊され、かつ被処理物のポーラスな構造体内に取り込まれていた内包水が外部に取り出されやすい状態となるので、その後の第2の脱水域においてこの被処理物をさらに洗浄して脱水することにより、難濾過性の被処理物やポーラスな構造の物質を含む被処理物に対しても、その洗浄脱水を図ることが可能となる。また、非真空箱に上記圧空部を設けて被処理物に圧空を供給すれば、一層の攪拌効果の向上を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような回転軸の周りに掻き上げ具が設けられた攪拌装置により被処理物を攪拌しようとした場合には、回転する掻き上げ具によって濾布を損傷させないように、この掻き上げ具と濾布との間に若干の間隙(約3mm程度)を設ける必要がある。しかしながら、このように掻き上げ具と濾布との間に間隙を設けた場合には、掻き上げられないままの被処理物が濾布上に層状に残されてしまい、この層状に残された被処理物によってその後の第2の脱水域における真空吸引が阻害されて、洗浄脱水効果の低下を招くおそれがあった。また、掻き上げ具の形状や配置間隔によっては濾布上に残される被処理物の層に極端な厚さの違いが生じ、均一な洗浄脱水が阻害されるおそれもある。
【0005】
さらに、このように濾布上に層状に被処理物が残されていると、非真空箱に圧空部を設けて濾布を介して被処理物に圧空を供給しようとしても、この層状に残された被処理物によって圧空の供給が阻まれるため、通気性の高い濾布、すなわち布目の粗い濾布でなければ、被処理物を十分に攪拌させるだけの圧空を供給することができなくなる。ところが、そのような目の粗い濾布を用いると、上記脱水域において固液分離された濾液中に固形物が多く混入してしまうおそれがあった。
【0006】
本発明は、このような背景の下になされたもので、濾布上に被処理物が層状に残されるのを防いで、脱水された被処理物を満遍なくリパルプして脱水洗浄効率の向上を図るとともに、たとえ非真空箱から圧空を供給して被処理物を攪拌する場合でも、濾液中に固形物が混入するのを抑えることが可能な真空濾過装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、略水平な一方向に連続的に走行可能とされた濾布の下に、この濾布上に供給された被処理物を真空吸引する真空箱と、真空吸引を行わない非真空箱とが、上記濾布の走行方向に沿って往復移動可能に設けられ、このうち上記非真空箱の移動範囲の上には、上記濾布と被処理物との間に介在して被処理物を濾布から剥離せしめる剥離装置が設けられ、上記剥離装置に対する上記濾布の走行方向側には、この剥離装置によって剥離された被処理物中に埋没して圧空を供給することにより該被処理物を攪拌する攪拌装置が設けられていることを特徴とする。従って、この濾布と被処理物との間に介在する剥離装置によって被処理物を濾布から剥離せしめることにより、濾布上に被処理物が層状に残されるのを防ぐことができ、真空箱によってある程度脱水された被処理物を満遍なくリパルプして脱水洗浄効率の向上を図ることができる。
【0008】
また、この剥離装置によって濾布から剥離された被処理物を上記撹拌装置によって攪拌してリパルプするので、被処理物中に直接圧空を供給して被処理物の攪拌をさらに促すことが可能となるとともに、圧空の乾燥能力が被処理物の分子の付着水の表面張力を弱化させるので、一層の脱水効果の向上を図ることができる。
【0009】
また、上記非真空箱に圧空を供給可能として、この圧空により濾布を介して被処理物を攪拌するようにしても良く、この場合、上記剥離装置によって濾布上から被処理物が剥離されているので、さほど通気性の高い濾布、すなわち布目の粗い濾布を用いずとも被処理物に十分に圧空を供給することができ、従って濾液中への固形物の混入を防ぎつつ、より効率的な被処理物の攪拌を促すことが可能となる。
一方、このように非真空箱から圧空を供給可能とすることなく、逆に非真空箱に上記濾布に密着する非真空板を設けるようにすれば、この非真空箱に隣接する真空箱において、その真空吸引における気密性を高めてより効率的な脱水を促すことが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1ないし図4は、本発明の第1の実施形態を示すものである。
これらの図において符号1で示すのは、複数のリターンロール2…に順次巻き掛けられた無端ベルト状の濾布であり、この濾布1の上側部分は水平方向に延びるように配置されるとともに、この濾布1の水平部分1Aの一端側(図1において右側)が巻き掛けられるロール2Aは図示しない駆動装置に連結されており、この駆動装置によって濾布1は図中時計回り方向に連続的に周回駆動され、これに伴い濾布1の上記水平部分1Aも図中に符号Fで示す走行方向に連続的に走行させられる。なお、濾布1の上記水平部分1Aの他端側(図1において左側)の上方には、この濾布1上に被処理物Pを供給するスラリー注入口3が設けられており、また濾布1を駆動する上記ロール2Aには、洗浄、脱水が終了した被処理物Pを濾布1から掻き落として排出するためのナイフ4が設けられている。さらに、このロール2Aの下側には、このナイフ4によって被処理物Pが掻き落とされた後の濾布1の表面を洗浄する洗浄装置5が設けられている。
【0011】
そして、濾布1の上記水平部分1Aの下には、この水平部分1Aの上記他端側から濾布1の上記走行方向F側に向かって順に、第1の脱水域A1を形成する2つの真空箱6A,6Bと、非脱水域B…を形成する3つの非真空箱7A,7B,7Cと、第2の脱水域A2を形成する1つの真空箱6Cとが配列されている。
ここで、これらの真空箱6A〜6Cと非真空箱7A〜7Cとは、本実施形態では略同形同大の扁平したトレイ状をなすものであって、互いに隣り合うもの同士が連結され、濾布1の上記水平部分1Aの下に上記走行方向Fに敷設されたレール8上に車輪9…を介して一体に移動可能に設置されている。さらに、このうち最も上記他端側に位置する真空箱6Aには駆動シリンダー10が連結されており、この駆動シリンダー10により真空箱6A〜6Cおよび非真空箱7A〜7Cは、それぞれその1つ分の上記走行方向Fのスパンと等しいストロークでこの走行方向Fに一体に往復移動可能とされている。
【0012】
また、これら真空箱6A〜6Cおよび非真空箱7A〜7Cの上面には図示されない多数の開口部が形成される一方、上記真空箱6A〜6Cには真空遮断弁11Aおよび真空解除弁11Bを備えて真空源11Cに連結される吸引管11…がそれぞれ接続されて、上記開口部から濾布1を介して濾液が真空吸引されるとともに、非真空箱7A〜7Cには圧空調整弁12Aを備えて圧空源12Bから圧空ヘッダー12Cにおいて分岐する圧空管12…がそれぞれ接続されて、この圧空管12…から供給された圧空が上記開口部を介して濾布1上の被処理物Pに供給されるようになされている。なお、これらの吸引管11…および圧空管12…は、真空箱6A〜6Cおよび非真空箱7A〜7Cの往復移動に支障を来さないようフレキシブル管とされている。また、上記非真空箱7A〜7C内にはスノコ状の板材13が内蔵されている。
さらにまた、これら真空箱6A〜6Cおよび非真空箱7A〜7Cの上面は、その両側縁部が図3および図4に示すように上方に向かうに従い両側方に広がるように傾斜した樋状に形成されており、これに合わせて濾布1の両側縁部も上方に向けて傾斜して、供給された被処理物Pを保持するようになされている。
【0013】
そして、上記濾布1の水平部分1Aの上には、上記駆動シリンダー10による非真空箱7A〜7Cの往復移動範囲のうち、各非真空箱7A〜7Cが上記走行方向Fの後方側に最も後退した状態において、中央の非真空箱7Bの略直上に位置するように、第1の脱水域A1において脱水された被処理物Pを濾布1から剥離する剥離装置14と、この剥離された被処理物Pを攪拌する攪拌装置15と、さらにこの被処理物Pに水または溶媒等の洗浄液を供給する洗浄液供給装置16とが設けられており、これら剥離装置14、攪拌装置15、および洗浄液供給装置16によってリパルプ装置17が構成されている。また、このリパルプ装置17の上記走行方向F側には、ゴム板等による隔壁18が上記走行方向Fに対向して該走行方向Fを横切るように、かつ図2に示すように濾布1との間に間隙を開けて垂下するように設けられており、上記洗浄液供給装置16から供給された洗浄液のうち被処理物Pの上に溜まった洗浄液が、この隔壁18によって堰止められて非脱水域B内に滞留するようになされている。
【0014】
ここで、上記剥離装置14においては、濾布1の上方から垂下するブラケット19に、長板状の剥離部材20が、濾布1の走行方向Fを直角に横切るように取り付けられて、連続的に走行する濾布1および被処理物Pに対して固定され、これら濾布1と被処理物Pとの間に介在せしめられている。
この剥離部材20は、図3に示すように上方に広がった濾布1の両側縁部の間の平坦部分の全域に亙って延びるように配設されており、また図2に示すようにその断面が濾布1の走行方向Fの後方側に向かうに従い先細りとなる直角三角形のエッジ状に形成されていて、下面が濾布3に略密着するように取り付けられ、従ってその上面は濾布1の走行方向F側に向かうに従い漸次上方に傾斜して配置される。なお、この剥離部材20の濾布1に対する上下方向の位置は調整可能とされている。
【0015】
一方、上記攪拌装置15においては、上記剥離装置14の剥離部材20に対する走行方向F側に、複数(本実施形態では4本)の攪拌パイプ21…がブラケット22によって固定的に取り付けられており、これらの攪拌パイプ21…は、それぞれ濾布1との間に僅かに間隙を開けて走行方向Fを横切るように、かつこの走行方向Fに互いに間隔をおいて平行に配設されている。また、これらの攪拌パイプ21…の一端には、圧空源23Aから圧空ヘッダー23Bにおいて分岐した圧空調整弁23Cを備える圧空供給管23がそれぞれ接続されるとともに、他端は盲栓21Aにより閉塞され、さらに各攪拌パイプ21の下側には多数の噴出孔21B…が該攪拌パイプ21の長手方向に間隔をおいて形成されている。
なお、これらの攪拌パイプ21…は、樋状に形成された上記非真空箱7Bの上面形状に合わせて、その両端部が上方に広がるように形成されている。また、この攪拌パイプ21の濾布1に対する上下方向の位置も調整可能とされている。
【0016】
さらに、上記洗浄液供給装置16においては、上記攪拌装置15の上方に、やはり上記走行方向Fを横切るように洗浄パイプ24が固定的に設けられており、この洗浄パイプ24の一端には図示されない洗浄液の供給管が接続されるとともに、該洗浄パイプ24の外周部には複数のスプレーノズル25…が、洗浄パイプ24の長手方向に間隔を開けて、かつ上記剥離装置14の剥離部材20に向けて開口するように斜め下向きに設けられている。なお、この洗浄パイプ24も濾布1に対する上下方向の位置が調整可能とされているとともに、上記スプレーノズル25…の角度も調整可能とされている。
【0017】
このように構成された真空濾過装置では、上記スラリー注入口3から濾布1の上記水平部分1A上に供給された被処理物Pは、第1の脱水域A1において、駆動シリンダー10によって濾布1と同期して走行方向Fにそれぞれその1つ分のスパンで前進する真空箱6A,6Bにより真空吸引され、ある程度まで脱水されてゲル化する。なお、駆動シリンダー10がそのストロークエンドに達すると、上記真空解除弁11Bにより真空箱6A,6Bによる真空吸引は解除され、濾布1は被処理物Pを載せたまま走行方向Fに前進する一方、真空箱6A〜6Cおよび非真空箱7A〜7Cは駆動シリンダー10により急速に走行方向Fの後方側に後退し、以下この動作を繰り返す。
そして、この濾布1の走行により第1の脱水域A1から非脱水域Bに移行した被処理物Pは、非真空箱7A〜7Cの移動範囲に設けられたリパルプ装置17に至り、このリパルプ装置17の上記剥離装置14によって濾布1から剥離され、次いで上記洗浄液供給装置16によって洗浄液が供給されるとともに、攪拌装置15により攪拌され、リパルプされる。
【0018】
ここで、上記被処理物Pは、上記第1の脱水域A1において上述のようにある程度脱水されてゲル化しているため、剥離装置14のエッジ状の剥離部材20に乗り上げて濾布1から剥離される際に、図2に示されるように幅方向および厚さ方向にクラックが入って上記走行方向Fに分断される。従って、このクラックにより、上記第1の脱水域A1から被処理物P内を通って非脱水域Bに至る真空箱6A,6Bの真空吸引によるガスの流れを遮断することができ、その後に洗浄液供給装置16から供給される洗浄液が、このガスの流れによる負圧の影響により被処理物P中に吸収され、リパルプ効果が損なわれるような事態を防止することができる。
そして、この剥離部材20は、その下面が濾布1に密着して、走行方向Fに移動する濾布1と被処理物Pとの間に介在せしめられており、従って被処理物Pは従来のように濾布1上に層状に残されることなく、満遍なく濾布1から剥離されてリパルプされる。
【0019】
さらに、こうして濾布1から剥離された被処理物Pには、上述の通り洗浄液供給装置16の洗浄パイプ24からスプレーノズル25…により水または溶媒等の洗浄液が供給されるとともに、攪拌装置15の攪拌パイプ21…から噴出口21B…を介して圧空が噴出され、この圧空の泡立ち効果により被処理物Pは攪拌される。ここで、これらの攪拌パイプ21…は、濾布1に密着する上記剥離部材20の走行方向F側に設けられており、すなわち濾布1に近接した位置にあって、剥離された被処理物Pと供給された洗浄液との混合物中に埋没するように配設されているので、上記噴出口21Bから噴出した圧空の泡は、満遍なく被処理物P中を通過して被処理物P全体を攪拌することとなる。しかも、本実施形態では、非真空箱7A〜7Cにも圧空管12が連結されていて、これらの非真空箱7A〜7Cから被処理物Pに圧空が供給可能とされており、従って一層満遍なく被処理物Pのリパルプを促すことが可能となる。
【0020】
しかるに、こうしてリパルプされた被処理物Pは、第1の脱水域A1における脱水操作によりその内部に形成、固定された濾過抵抗を増大させる律速層が破壊されるとともに、ポーラスな構造体内に取り込まれていた内包水が外部に取り出されやすい状態となる。
従って、濾布1の連続走行に伴い、このリパルプされた被処理物Pが第2の脱水域A2に移行して真空箱6Cにより真空吸引される際には、たとえこの被処理物Pが難濾過性であったりポーラスな構造の物質を含むものであったとしても、効果的にその洗浄、脱水を図ることが可能となる。なお、こうして第2の脱水域A2において脱水された被処理物Pは、上述のようにロール2Aに備えられたナイフ4により濾布1から掻き落とされ、一方こうして被処理物Pが掻き落とされた濾布1は、洗浄装置5によって洗浄された後、再び上記水平部分1Aに周回して被処理物Pの洗浄、脱水に供される。
【0021】
このように、上記構成の真空濾過装置によれば、連続走行する濾布1の水平部分1Aにおける非真空箱7Bの移動範囲に、剥離装置14の剥離部材20がこの濾布1と被処理物Pとの間に介在するように設けられており、この剥離部材20によって被処理物Pが層状に残されることなく濾布1から確実に剥離されるので、その後にリパルプ操作を行う場合でも、真空箱6A,6Bにより脱水された被処理物Pに対して満遍なくリパルプ操作を施すことが可能となり、従って難濾過性の被処理物やポーラス状の物質に対しても、より効率的な脱水、洗浄を連続的に行うことが可能となる。また、従来の回転軸に掻き上げ具が取り付けられた攪拌装置の場合のように、濾布上に残された被処理物の層に厚さの不均一が生じることもないので、被処理物に均一なリパルプ操作を施すことが可能となり、さらに効率的な脱水、洗浄を促すことが可能となる。
【0022】
しかも、本実施形態では、このリパルプを行うリパルプ装置17の攪拌装置15が、上述のように剥離された被処理物P中に埋没する攪拌パイプ21から圧空を供給することにより、その泡立ち効果によって被処理物Pを攪拌するものであるので、この圧空による泡立ち効果を直接的に被処理物Pに及ぼして効率的な攪拌を促すことができる。また、この圧空が有する乾燥能力が被処理物Pの分子の付着水に作用してその表面張力を弱化させることにより、被処理物P中の内包水が一層取り出されやすい状態となるので、その後の真空箱6Cによる真空吸引の際に、一層効果的な脱水を図ることが可能となる。さらに、上記回転する掻き上げ具による攪拌に比べても、被処理物Pの全体に均等に攪拌を加えることができるので、リパルプ効果の向上を図ることも可能となる。
なお、本実施形態では、上記リパルプ装置17において攪拌パイプ21による攪拌装置17しか設けていないが、これに合わせて従来の回転軸の周りに掻き上げ具が取り付けられた攪拌装置を併用するようにしても、勿論構わない。
【0023】
また、本実施形態では、この攪拌装置15における攪拌パイプ21からの圧空の供給に加えて、非真空箱7A〜7Cにも圧空管12が接続されており、この非真空箱7A〜7Cから供給される圧空によっても、被処理物Pに泡立ち効果を与えてその攪拌を図ることが可能である。
しかも、本実施形態では上述のように剥離装置14によって被処理物Pが濾布1から剥離され、従って特に非真空箱7Bから濾布1を介しての圧空の供給を阻害する層が残されることがないため、さらに効果的に被処理物Pの攪拌を促すことができるという利点も得られる。他方、このように非真空箱7A〜7Cからの圧空の供給を阻害する被処理物Pの層が残されないことにより、同じ濾布1を介して圧空を供給するにしても、本実施形態によればそれほど布目の粗い濾布を用いずとも、十分な量の圧空を被処理物Pに供給することができ、従って布目の粗い濾布を用いた場合のように脱水域A1,A2において吸引された濾液中に固形物が混入するのを抑えることも可能となる。
【0024】
ところで、本実施形態では、このように非真空箱7A〜7Cに圧空管12…を接続して、濾布1を介して被処理物Pに圧空を供給可能としている一方、これら非真空箱7A〜7Cに隣接する真空箱6A,6Bおよび6Cには吸引管11が接続されて、濾布1を介して被処理物Pの真空吸引がなされている。このため、被処理物Pの性状等によっては、非真空箱7Aや7Cに供給される圧空により隣接する真空箱6Bや6Cの真空吸引が影響を受けたり、逆に真空箱6B,6Cにおける負圧力により非真空箱7A,7Cの圧空供給量が影響されることがある。
しかるに、これに対して本実施形態では、上記非脱水域Bが3つの非真空箱7A,7B,7Cにより形成されており、それぞれに接続される圧空管12が各々圧空調整弁12Aを備えて、各非真空箱7A,7B,7Cごとにその圧空供給量が調整可能とされている。従って、本実施形態によれば、真空箱6B,6Cに隣接する非真空箱7A,7Cにおいてはその圧空供給量を抑えるとともに、リパルプ装置17が移動範囲に位置する非真空箱7Bにおいては内圧が大気圧またはそれ以上となるように圧空供給量を調整することにより、上記非真空箱7A,7Cを緩衝域として脱水域A1,A2における真空吸引への影響を防ぎつつ、リパルプされる被処理物Pに濾布1を介して十分に圧空を供給することが可能となる。
【0025】
ただし、上述したように本実施形態では、リパルプ装置17の攪拌装置15自体が、被処理物P中に埋没する攪拌パイプ21から圧空を供給して被処理物Pを攪拌するものであるため、この攪拌装置15による圧空供給量が被処理物Pを攪拌するに十分であるなら、敢えて真空吸引への影響がある非真空箱7A〜7Cからの圧空の供給を行なう必要はない。
そこで、そのような場合には、図5および図6に示す本発明の第2の実施形態のように、上記非真空箱7A〜7Cに圧空管12を接続して圧空を供給可能とする代わりに、非脱水域Bにおいて少なくとも一の非真空箱7Dを設けて、この非真空箱7Dの上面に、濾布1に密着してその下面を閉塞する非真空板31を設けるようにしてもよい。ただし、これら図5および図6に示す第2の実施形態において、図1ないし図4に示した第1実施形態と共通する構成要素には、同一の符号を配して説明を省略する。
【0026】
しかるに、このような構成の第2の実施形態によれば、上記非真空箱7Dに隣接する真空箱6B,6Cにおいて、その真空吸引に影響が生じることはなく、これら真空箱6B,6Cにおける気密性を高めてより効率的な脱水を促すことが可能となる。しかも、非真空箱7Dにおいて圧空が作用することがないため、濾布1は被処理物Pの自重により上記非真空板31に密着した状態となり、これにより隣接する真空箱6B,6Cの気密性もさらに増すので、一層効果的な真空吸引が図られるという利点も得られる。
また、上記第2の実施形態によれば、このように圧空管12を非真空箱に接続する必要がなくなることから、装置構造の簡略化を図ることができるとともに、駆動シリンダー10により往復移動される部分の重量が軽減されるので、この駆動シリンダー10の駆動力を低減することもできる。さらに、圧空の供給量を低減することもできるので、ランニングコストの削減を図ることも可能となる。
【0027】
なお、上記実施形態では剥離装置14の剥離部材20を濾布1の走行方向Fに直角に設けたが、例えばこの走行方向Fに対して傾斜させたり、走行方向Fに対して凸曲あるいは凹曲させたりしても良い。
一方、上記第1の実施形態では2つの真空箱6A,6Bおよび1つの真空箱6Cによってそれぞれ第1、第2の脱水域A1,A2を形成するとともに、3つの非真空箱7A〜7Cによって非脱水域Bを形成し、また上記第2の実施形態では1つの非真空箱7Dによって非脱水域Bを形成しているが、これら脱水域A1,A2および非脱水域Bを構成する真空箱6および非真空箱7の数は、被処理物Pの性状等により適宜に設定することができる。また、上記実施形態では1の非脱水域Bの前後に第1、第2の脱水域A1,A2を配置しているが、これら脱水域Aおよび非脱水域Bの数についても、被処理物Pの性状等に合わせて適宜に設定することができる。ただし、これら脱水域Aと非脱水域Bとは、通常最初と最後が脱水域Aとなるように交互に配設される。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、連続走行する濾布上に供給されて真空箱により脱水された被処理物を、非真空箱の移動範囲に設けられた剥離装置によって濾布から剥離することができるので、濾布上に被処理物の層が残されることがなく、従ってその後にリパルプ操作を行う場合でも、被処理物を満遍なく均一にリパルプして、効率的な脱水、洗浄を連続的に行うことができる。
また、上記非真空箱から濾布を介して被処理物に圧空を供給する場合でも、上記層が形成されることがないため、布目のさほど粗くない濾布でも十分な圧空供給量を確保することができ、従って真空箱における真空吸引の際に濾液中に固形物が混入するような事態を未然に防止することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す概略図である。
【図2】 図1に示す実施形態の非真空箱7B周辺の側断面図である。
【図3】 図2におけるXX断面図である。
【図4】 図2におけるYY断面図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態を示す非真空箱7D周辺の側断面図である。
【図6】 図5におけるZZ断面図である。
【符号の説明】
1 濾布
6A,6B,6C 真空箱
7A,7B,7C,7D 非真空箱
10 駆動シリンダー
11 吸引管
12 圧空管
14 剥離装置
15 攪拌装置
16 洗浄液供給装置
17 リパルプ装置
18 隔壁
20 剥離部材
21 攪拌パイプ
23 圧空供給管
24 洗浄パイプ
25 スプレーノズル
31 非真空板
A1,A2 脱水域
B 非脱水域
F 濾布1の走行方向
Claims (3)
- 略水平な一方向に連続的に走行可能とされた濾布の下に、この濾布上に供給された被処理物を真空吸引する真空箱と、真空吸引を行わない非真空箱とが、上記濾布の走行方向に沿って往復移動可能に設けられ、このうち上記非真空箱の移動範囲の上には、上記濾布と被処理物との間に介在して被処理物を濾布から剥離せしめる剥離装置が設けられ、上記剥離装置に対する上記濾布の走行方向側には、この剥離装置によって剥離された被処理物中に埋没して圧空を供給することにより該被処理物を攪拌する攪拌装置が設けられていることを特徴とする真空濾過装置。
- 上記非真空箱には、圧空が供給可能とされていることを特徴とする請求項1に記載の真空濾過装置。
- 上記非真空箱には、上記濾布に密着する非真空板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の真空濾過装置。
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1996
- 1996-08-09 JP JP21174796A patent/JP3776172B2/ja not_active Expired - Fee Related
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