JP3774422B2 - 混練スクリュ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融原料を混練する混練スクリュに関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、従来の混練スクリュを示す平面図である。
【0003】
図3に示す従来の混練スクリュは、原料を搬送する貫通内孔が形成されたシリンダ(不図示)内に回転可能に配設されるものであり、原料の搬送方向に関して上流側から下流側にかけて、貫通内孔内に供給された原料を搬送する供給部101と、その供給部101で搬送されてきた原料を溶融する圧縮部102と、その圧縮部102で溶融された原料を均質化する計量部103と、計量部103で均質化された原料を混練するマドック部104と、マドック部104で混練した溶融樹脂を排出する排出部105とが順次構成されている。供給部101から計量部103にかけては、原料を搬送するためのフライト106が設けられている。
【0004】
図4は、図3に示した混練スクリュにおけるマドック部の拡大図である。
【0005】
マドック部104の表面には、混練スクリュの計量部103に繋がる吸引側溝104aと、排出部105に繋がる吐出側溝104bと、吸引側溝104aと排出側溝104bとの間に設けられたギャップ104cとを一組として構成される混練溝が、その周方向に複数設けられている。
【0006】
ギャップ104cはシリンダの内壁面(不図示)との間の隙間が1mm以下であり、吸引側溝104aおよび吐出側溝104bとシリンダの内壁面との間の隙間はこれよりも大きくなっている。そのため、溶融樹脂がギャップ104cを通過するときには溶融原料に高いせん断力が加えられ、これにより溶融原料中の未溶融物や添加材の塊等が細かくなるように溶融原料が混練される。
【0007】
次に、上記に説明した従来の混練スクリュによる混練動作について説明する。
【0008】
シリンダの供給口(不図示)から供給部101に供給されたペレット等の原料は、スクリュが図3中の矢印方向に回転することによって、フライト106により図示右方向に搬送されていく。シリンダにはヒーターが設けられており、原料は搬送されていく過程で徐々に加熱される。
【0009】
供給部101で搬送された原料は、次に圧縮部102に到達する。圧縮部102は、原料の流れ方向下流側に向かうにつれてフライトの溝深さが徐々に浅くなり、したがってスクリュ軸部の外周面とシリンダ内壁面との間の隙間が次第に狭くなっている。そのため、原料が圧縮部102で搬送される間に、原料にせん断力が徐々に強く加えられる。さらに、原料は圧縮部102で搬送される間にもシリンダのヒーターによって加熱される。そのため、原料は、圧縮部102で搬送される間にせん断力とヒーター熱とによって溶融される。
【0010】
圧縮部102で溶融された原料は、計量部103で混練されて均質化される。また、計量部103では液状の油脂等の液状添加材が注入され、原料と混練される。
【0011】
その後、原料はマドック部104の吸引側溝104aに進入してギャップ104cを通過し、排出側溝104bから排出部105へ排出される。ギャップ104cでのシリンダの内壁面(不図示)との隙間は上記のように1mm以下と狭いので、原料は、このギャップ104cを通過するときに加えられる高いせん断力によって、溶融原料中の未溶融物や添加材の塊等が細かくなるようにさらに混練される。
【0012】
マドック部104で混練された原料は、排出部105によって押し出されてシリンダの排出口(不図示)から外部に排出される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように構成された従来の混練スクリュでは、計量部の溶融原料に液状添加材を注入すると、その溶融原料の圧力に変動が生じたり、溶融原料中に液状添加材の液泡や液塊が生じたりすることがある。そのような状態が生じると、計量部やマドック部で原料が十分に混練されないまま排出されてしまうことがある。すると、このような原料で成形される最終製品がフィルムなどの場合には、特に高い率で不良品が発生してしまう。
【0014】
そこで本発明は、溶融原料と液状添加材とを良好に混練することができる混練スクリュを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の混練スクリュは、原料の搬送方向に関して上流側から下流側にかけて、前記原料を搬送する供給部と、該供給部で搬送されてきた前記原料を溶融させる圧縮部と、該圧縮部で溶融された前記原料を均質化する計量部とが順次設けられている混練スクリュにおいて、前記原料に注入される液状添加材を前記原料中に撹拌するクロスソー部と、前記搬送方向に関して前記クロスソー部の下流側に設けられ、前記クロスソー部によって前記液状添加材が撹拌された前記原料を混練するマドック部とからなる複数の撹拌混練手段が、前記原料の搬送方向に関して前記計量部の下流側に設けられていることを特徴とする。
【0016】
上記本発明の混練スクリュによれば、供給部から計量部を経て溶融され、クロスソー部に運ばれてきた原料に対して液状添加材が注入されると、その液状添加材はクロスソー部によって原料中に撹拌される。液状添加材が撹拌された原料は、原料中の未溶融物を細かくし、また原料中に生じた液状添加材の液泡や液塊を無くすように、そのクロスソー部の下流側に設けられたマドック部で混練される。このように、本発明の混練スクリュは、クロスソー部で液状添加材を原料中に撹拌した後に、その原料をマドック部で混練するように構成されているので、液状添加材の注入時に溶融原料に生じる圧力変動を抑え、溶融原料中に液状添加材の液泡や液塊が生じたりすることを防ぐことが可能になる。
【0017】
さらに、混練スクリュが複数の撹拌混練手段を備えていることにより、上流側の撹拌混練手段で原料中に注入された液状添加材の撹拌とその原料の混練とを行った後に、その撹拌混練手段の下流側に設けられた他の撹拌混練手段によって、その原料に注入された液状添加材の撹拌とその原料の混練とをさらに行うことで、原料中の液状添加材の添加率を段階的に高めることができる。したがって、本発明の混練スクリュによれば、結果として得られる原料中の液状添加材の添加率を増加させることが可能である。
【0018】
また、前記クロスソー部は、前記混練スクリュの軸部の外周面に設けられたフライトに複数の切り欠き部を設けることによって構成されていてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は本発明の混練スクリュの一実施形態を示す平面図であり、同図(a)はその後端側半分を示し、同図(b)はその前端側半分を示している。
【0021】
本実施形態の混練スクリュも、原料の搬送方向に関して上流側から下流側にかけて、供給部1、圧縮部2、および計量部3が順次設けられている。これらの構成は、図3に示した従来の混練スクリュにおける供給部101、圧縮部102、および計量部103の構成と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0022】
本実施形態の混練スクリュは、計量部3に続いて、第1のクロスソー部4、第1のマドック部5、第2のクロスソー部6、第2のマドック部7、第3のクロスソー部8、および第3のマドック部9がさらに設けられている。クロスソー部4,6,8は原料に注入される液状添加材を撹拌するためのものであり、マドック部5,7,9は液状添加材が撹拌された原料を混練するためのものである。第1のクロスソー部4と第1のマドック部5とによって第1の撹拌混練手段が構成され、第2のクロスソー部6と第2のマドック部7とによって第2の撹拌混練手段が構成され、第3のクロスソー部8と第3のマドック部9とによって第3の撹拌混練手段が構成されている。
【0023】
ここで、各マドック部5,7,9の構成は図4を参照して説明した従来技術のマドック部と同様であるので、マドック部に関する詳しい説明は省略する。
【0024】
図2は、図1に示した混練スクリュが有するクロスソー部の一例を示す図である。
【0025】
本実施形態の混練スクリュが有する各クロスソー部は、混練スクリュの軸部の外周面に供給部1から計量部3にかけて設けられているフライト10と同じ向きに形成されたフライト20を有しており、そのフライト20には複数の切り欠き部20aがある間隔をおいて設けられている。そのため、フライト20によって搬送される溶融原料の流れは、図2の矢印に示すように、切り欠き部20aを通るものと通らないものとに分割される。溶融原料の流れは複数の切り欠き部20aの各々で分割されるので、溶融原料と液体添加材はクロスソー部を通過するときに撹拌されて均質化される。
【0026】
次に、本実施形態の混練スクリュによる混練動作について説明する。
【0027】
シリンダの供給口(不図示)から供給部1に供給されたペレット等の原料は、従来の混練スクリュの場合と同様にフライト10によって搬送され、圧縮部2で溶融された後に計量部3で混練されて均質化される。その原料は、次に第1のクロスソー部4に搬送される。
【0028】
シリンダには、第1のクロスソー部4に連通する注入穴(不図示)が設けられており、液状添加材がこの注入穴から第1のクロスソー部4に注入されると、その液状添加材は第1のクロスソー部4によって原料中に撹拌される。液状添加材が撹拌された原料は、原料中の未溶融物を細かくし、また原料中に生じた液状添加材の液泡や液塊を無くすように、第1のマドック部5で混練される。その原料は、続いて第2のクロスソー部6に搬送される。
【0029】
シリンダには第2のクロスソー部6に連通する注入穴(不図示)も設けられており、液状添加材がこの注入穴から第2のクロスソー部6に注入されると、その液状添加材は第2のクロスソー部6によって原料と撹拌される。液状添加材が撹拌された原料は、原料中の未溶融物を細かくし、また原料中に生じた液状添加材の液泡や液塊を無くすように、第2のマドック部7で混練される。
【0030】
1つの撹拌混練手段のみでは原料と液状添加材とを撹拌して混練する能力には一定の限界があるため、原料に添加できる液体添加材の量にも一定の限界がある。しかし、本実施形態のように撹拌混練手段を連続して複数設けることにより、原料中に液状添加材を段階的に添加することができるので、結果として原料中の液体添加材の添加量を増加させることが可能になる。
【0031】
第2のマドック部7から搬送されてきた原料は、第3のクロスソー部8と第3のマドック部9とによってさらに混練され、原料と液状添加材との温度差や粘度差が無くなった状態で第3のマドック部9から押し出される。
【0032】
このように、本実施形態の混練スクリュは少なくとも1つの撹拌混練手段4,5;6,7;8,9を有しており、クロスソー部4,6,8において溶融原料と液状添加材とを撹拌し、マドック部5,7,9においてこれを混練することにより、溶融原料と液状添加材とを良好に混練することが可能になっている。
【0033】
【実施例】
次に、上記に説明した混練スクリュの一実施例について説明する。
【0034】
本実施例では、シリンダの内径を90mmとし、スクリュの外径を87mmとし、スクリュの長さLは34Dとした(ここで、「D」はスクリュの外径を意味する。以下同じ)。添加材の注入位置は、スクリュの後端から18Dの位置(第1のクロスソー部4)と24Dの位置(第2のクロスソー部6)とした。
【0035】
原料の樹脂には260℃での粘度が900Pa・sのLDPE(低密度ポリエチレン)を用い、液状添加材には90℃での粘度が0.04Pa・sの液状油脂を用いて、液状添加材を添加した樹脂原料の混練、押出しを行った。
【0036】
これに対する比較例として、図3に示した従来のスクリュを用いて、上記の樹脂原料と液状添加材の混練、押出しを行った。なお、従来のスクリュに関しても、シリンダの内径を90mmとし、スクリュの外径を87mmとした。
【0037】
表1に、本実施例のスクリュと比較例のスクリュとによる混練結果を示す。
【0038】
【表1】
Figure 0003774422
【0039】
表1から分かるように、本実施例のスクリュによれば、従来のスクリュに比べて液状添加材の添加率を約1%増加させることができ、液状添加物を添加する際に生じる原料の圧力変動を約7分の1に抑えることができた。また、混練して得られた原料中に液泡や液塊はなく、液体添加材を注入した原料を良好に混練できた。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の混練スクリュは、原料に注入される液状添加材を原料中に撹拌するクロスソー部と、搬送方向に関してクロスソー部の下流側に設けられ、クロスソー部によって液状添加材が撹拌された原料を混練するマドック部とからなる複数の撹拌混練手段が、原料の搬送方向に関して計量部の下流側に設けられているので、以下の効果を得ることができる。
(1)クロスソー部で液状添加材が原料中に撹拌された後に、その原料がマドック部で混練されることから、液状添加材の注入時に溶融原料に生じる圧力変動を抑え、溶融原料中に液状添加材の液泡や液塊が生じたりすることを防ぐことができる。
(2)撹拌混練手段を複数備えていることにより、原料中の液状添加材の添加率を段階的に高めることができ、結果として得られる原料中の液状添加材の添加率を増加することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の混練スクリュの一実施形態を示す平面図である。
【図2】図1に示した混練スクリュが有するクロスソー部の一例を示す図である。
【図3】従来の混練スクリュを示す平面図である。
【図4】図3に示した混練スクリュにおけるマドック部の拡大図である。
【符号の説明】
1 供給部
2 圧縮部
3 計量部
4 第1のクロスソー部
5 第1のマドック部
6 第2のクロスソー部
7 第2のマドック部
8 第3のクロスソー部
9 第3のマドック部
10,20 フライト
20a 切り欠き部

Claims (2)

  1. 原料の搬送方向に関して上流側から下流側にかけて、前記原料を搬送する供給部(1)と、該供給部(1)で搬送されてきた前記原料を溶融させる圧縮部(2)と、該圧縮部(2)で溶融された前記原料を均質化する計量部(3)とが順次設けられている混練スクリュにおいて、
    前記原料に注入される液状添加材を前記原料中に撹拌するクロスソー部(4,6,8)と、前記搬送方向に関して前記クロスソー部(4,6,8)の下流側に設けられ、前記クロスソー部(4,6,8)によって前記液状添加材が撹拌された前記原料を混練するマドック部(5,7,9)とからなる複数の撹拌混練手段(4,5;6,7;8,9)が、前記原料の搬送方向に関して前記計量部(3)の下流側に設けられていることを特徴とする混練スクリュ。
  2. 前記クロスソー部(4,6,8)は、前記混練スクリュの軸部の外周面に設けられたフライト(20)に複数の切り欠き部(20a)を設けることによって構成されている、請求項1に記載の混練スクリュ。
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