JP3774416B2 - Method for molding multilayer hollow body made of synthetic resin having blow molded inner layer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、固定金型とスライド金型とを使用して一対の半中空体を射出成形する1次成形と、この1次成形で得られた一対の半中空体の突合部に溶融樹脂を射出して一対の半中空体から中空体を成形する2次成形と、この2次成形により得られた中空体の内部に内層を成形する3次成形とから中空体を成形する、ブロー成形された内層を有する合成樹脂製の多層中空体の成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
合成樹脂製の中空体例えばタンクは、液体用あるいは気体用さらには粉体用としてあらゆる分野で広く利用されている。このようなタンクの、例えば自動車の燃料タンク、オイルタンク、ステアリングオイルタンク、ブレーキオイルタンク等は、板金から曲げ加工、絞り加工、溶接、防錆塗装等の諸加工により形成されていたが、車両の軽量化と共に、より軽量な合成樹脂製のタンクも提案されるようになっている。
【0003】
このような合成樹脂製タンクは、本出願人が例えば特開2000−43100、特開2000−167885等により多数提案している射出成形方法により成形することができる。この成形方法の実施には、固定金型とスライド金型とが使用される。この固定金型には、パーティングラインから外方へ突き出たコアと、内方へ窪んだ凹部とが形成され、またスライド金型には固定金型のコアと共働する凹部と、固定金型の凹部と共働するコアとが設けられている。したがって、所定位置でスライド金型を固定金型に対して型締すると、固定金型のコアとスライド金型の凹部とにより第1のキャビテイが、また固定金型の凹部とスライド金型のコアとで第2のキャビテイが構成される。1次成形で、これらの第1、2のキャビテイに溶融樹脂を射出すると、一対の半中空体が成形される。スライド金型に1次成形品が残っている状態で、第2の位置へスライドさせ、そして型締めする。そうすると、一対の半中空体は接合部で突き合わされる。2次成形により、接合部に溶融樹脂を射出する。そうすると、一対の半中空体が一体化された中空体が得られる。
【0004】
本出願人が提案している上記射出成形法によると、密封された中空体を製造あるいは成形することができると共に、均一な肉厚の中空体を作ることもでき、また複雑な形状にも対処できる等の利点もある。さらには、ABS樹脂,AS樹脂、ポリアミド等から成形すると、耐衝撃性の中空体が得られ、またポリプロピレン等から成形すると耐薬品性の中空体が得られる等の数々の利点も得られる。しかしながら、耐衝撃性に重きを置くと耐薬品性に劣るようになり、これに対し耐薬品性に重きを置くと衝撃に弱い中空体になってしまう。また、従来の単層からなる中空体は、内容物の蒸発という点から見ると、必ずしも万全とはいえない。そこで、外層と内層にそれぞれの機能を持たせた2層からなる中空体も望まれている。このような2層からなる合成樹脂製タンクは、ブロー成形により成形することができる。2層成形用のブロー成形機のヘッドは、主材層を押し出すメインノズル、接着層を押し出す第1の副ノズル、内層を押し出す第2の副ノズル等からなっている。したがって、これらのノズルからそれぞれの樹脂材料を押し出すことにより、外層と内層とが接着された2層からなる半成形品が得られる。この半成形品を適宜仕上げることにより、内層を有する合成樹脂製タンクを得ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにブロー成形によっても、内層と外層とからなる合成樹脂製のタンクすなわち中空体を成形することはできる。しかしながら、ヘッドが上記のように多層構造になっているので、ブロー成形装置が高価で、したがってブロー成形により得られる合成樹脂製の中空体が高価になるという欠点がある。また、中空体に仕上げる工程を格別に必要とし、コスト高にもなっている。さらには、仕上げの痕跡が残り、外観形状も損なっている。
本発明は、上記したような従来の欠点を解消した合成樹脂製の中空体の成形方法を提供しようとするもので、具体的には、内部に入れられる液体等の流体を気密的に収容できることは勿論のこと、肉厚が均一で品質的にも、また外観形状にも優れ、しかも安価な合成樹脂製の中空体が得られる成形方法すなわちブロー成形された内層を有する合成樹脂製の多層中空体の成形方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、射出成形方法が適用される。射出成形法によると、金型により賦形されるので、肉厚は均一になり、また外観形状も落ちるようなことはない。さらには、ブロー成形方法も適用される。このとき、本発明によると、単層ヘッド構造のブロー成形機を適用できる。したがって、多層構造の中空体を安価に成形することができるようにもなる。かくして、請求項1に記載の発明は、固定金型とスライド金型とを使用して一対の半中空体を突合部を有するように射出成形する1次成形と、前記1次成形で得られた一対の半中空体の突合部を溶融樹脂により接合して一対の半中空体から中空体を成形する2次成形と、前記2次成形で得られた中空体の内表面に接着剤を塗布あるいは噴霧して、その内部に、先端部が封鎖されているパリソンを押し出しながら、該パリソン内に圧縮空気を吹き込み、これによって押し出されるパリソンが中空体の内表面に密着された形状にブロー成形される3次成形とから構成される。請求項2に記載の発明は、固定金型とスライド金型とを使用して一対の半中空体を突合部を有するように成形する1次成形と、前記1次成形で得られた一対の半中空体の突合部を溶融樹脂により接合して一対の半中空体から中空体を成形する2次成形と、前記2次成形で得られた中空体の内表面に接着剤を塗布あるいは噴霧して、その内部に、ブロー成形用ノズルを挿入し先端部が封鎖されているパリソンを押し出すと共に前記ブロー成形用ノズルを引き出しながら、該パリソン内に圧縮空気を吹き込み、これによって押し出されるパリソンが中空体の内表面に密着された形状にブロー成形される3次成形とから構成される。請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の成形方法において、1次成形時に、一方の半中空体にブロー成形用の透孔を成形するように構成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
初めに、本発明の1次成形と2次成形の実施に使用される金型の実施の形態を説明し、次いでブロー成形用のノズルの実施の形態を説明し、そしてこれらの金型とブロー成形用のノズルとを使用した成形例について説明する。図1の(イ)は、スライド金型20を第1の位置で型閉した状態で示す断面図であるが、同図に示されているように、本実施の形態に係わる金型は、図1の(イ)において右方に位置する固定金型1と、この固定金型1に対して型開閉および図1の(イ)において上下方向にスライド的に駆動されるようになっているスライド金型20とから概略構成されている。なお、固定金型1が固定的に取り付けられている固定盤、スライド金型20を型開閉方向に駆動する可動盤、スライド金型20を図1の(イ)において上下方向にスライド的に駆動する駆動装置、スライド金型20に設けられるエジェクタ装置、型締装置等は図1の(イ)には示されていない。
【0008】
固定金型1の略中心部には、図1の(イ)に示されているように、この固定金型1を横切るようにして1次成形用の第1のスプル2が設けられている。この1次成形用の第1のスプル2は、ランナ3により上下方向に延び、そして1次成形用の第2、3のスプル4、5に連なっている。この第2のスプル4は、後述する固定金型1の固定側コアの頂部に、そして第3のスプル5は固定側凹部にそれぞれ開口している。また、1次成形用スプル2の下方には、この1次成形用スプル2と所定の間隔をおいて2次成形用のスプル6が設けられている。この2次成形用のスプル6は、パーテイングラインP側に開口していると共に、スライド金型20のパーテイングラインP側に形成されている凹溝7に連通している。この凹溝7は、後述するスライド金型20のスライド側環状コア27の側面に達している。
【0009】
固定金型1の、1次成形用の第1のスプル2よりも上方位置には、パーティングラインPから外方に突き出た側面形状が方形を呈する所定大きさの固定側コア11が形成されている。この固定側コア11の周囲には、この固定側コア11と所定の間隔をおいて、小さな固定側環状コア12が形成されている。固定側コア11は、後述するスライド金型20のスライド側凹部21と共働して、第2の半中空体を成形するための第2のキャビティCbを構成するもので、スライド側凹部21よりも半中空体の肉厚分だけ小さい。
【0010】
固定金型1の下方位置には、パーティングラインP側から窪んだ側面形状が概略方形を呈する所定深さの固定側凹部15が形成されている。この固定側凹部15は、比較的小さい面積の円形の第1の底壁16すなわち凹部と、この第1の底壁16の周囲から立ち上がり、そして外方へ広がっている第2の底壁17と、この第2の底壁17の周囲から立ち上がっている周壁18とから構成されている。そして、この周壁18の外側には、パーティングラインP側から所定深さの段部19が形成されている。また、第2の底壁17には、1次成形用の第3のスプル5が開口している。このように形成されている固定側凹部15により、後述するスライド金型20のスライド側コア25と共働して第1の半中空体を成形するための第1のキャビティCaが構成される。
【0011】
スライド金型20の上方位置には、パーティングラインP側に開口した側面形状が略方形のスライド側凹部21が形成されている。このスライド側凹部21は、底壁22と、この底壁22の周囲から立ち上がっている周壁23とから構成され、この周壁23の外側に、パーティングラインP側から所定深さの段部24が形成されている。このスライド側凹部21は、前述した固定金型1の固定側コア11よりも第2の半中空体の肉厚分だけ大きい。これにより、所定肉厚の第2の半中空体を成形するための第2のキャビティCbが構成される。また、段部24と固定金型1の固定側環状コア12とにより、1次成形時に第2の半中空体に接合空間部の半分が成形されるキャビテイCsが構成される。
【0012】
スライド金型20の下方の所定位置には、パーティングラインPから外方に突き出たスライド側コア25が形成されている。このスライド側コア25は、固定金型1の固定側凹部15と共働して第1の半中空体を成形するための第1のキャビティCaを構成するもので、固定側凹部15よりも第1の半中空体の肉厚分だけ小さい。また、スライド側コア25の頂部には比較的小径の円柱状の突起26が形成されている。この円柱状の突起26は、固定金型10の第1の底壁16すなわち凹部と共働して、第1の半中空体にブロー成形用の透孔を形成するためのキャビテイを構成するもので、第2の底壁16よりも小さい。また、スライド側コア25の付け根の周囲には、スライド側コア25と所定の間隔をおいて、該スライド側コア25を取り囲むようにしてスライド側環状コア27が形成されている。このスライド側環状コア27により、固定金型1の固定側段部19と共働して、第1の半中空体に接合空間部の半分が成形される。
【0013】
ブロー成形用ノズル30は、図2の(イ)に示されているように、縦長のヘッドダイ31を備えている。そして、このヘッドダイ31の中に同心的に外部ダイ32と内部ダイ33とが設けられている。外部ダイ32と内部ダイ33との間に樹脂通路が形成され、その下端部にマンドレル34が高さ調節自在に設けられている。このように構成されている内部ダイ33の内部には、マンドレル34の下方まで延びている空気管35が設けられている。なお、図2の(イ)における参照数字36は押出機を示している。
【0014】
次に、上記の固定金型1とスライド金型20とを使用した1次成形により、一対の半中空体を成形し、次いで2次成形により一対の半中空体を接合して中空体を成形し、そしてブロー成形用ノズル30を使用した3次成形により、中空体の内表面に内層をブロー成形する成形方法について説明する。
【0015】
スライド金型20を、図1の(イ)に示されている第1の位置で、固定金型1に対して型締めする。そうすると、固定金型1の固定側コア11とスライド金型20のスライド側凹部21とにより、第2の半中空体を成形するための第2のキャビテイCbが構成される。また、固定金型1の固定側凹部15とスライド金型20のスライド側コア25とにより、第1の半中空体を成形するための第1のキャビテイCaが構成される。このとき、固定金型1の固定側環状コア12とスライド金型20のスライド側段部24とにより、第2の半中空体の開口部に接合部空間を成形するためのキャビテイCsが、また固定金型1の固定側段部19とスライド金型20のスライド側環状コア27とにより第1の半中空体の開口部に接合部空間を成形するためのキャビテイCs’が構成される。さらには、固定金型1の第1の底壁16すなわち凹部とスライド金型20の円柱状の突起26とにより、第1の半中空体にブロー成形用の透孔を形成するためのキャビテイCtが構成される。
【0016】
固定金型1の1次成形用スプル2から従来周知のようにして、1次成形用の溶融樹脂を射出する。溶融樹脂は、1次成形用スプル2からランナ3および1次成形用の第2、3のスプル4、5を通って第2、1のキャビティCb、Caに射出充填される。この1次成形により、一対の第1、2の半中空体A、Bが同時に成形される。このとき、図1の(ロ)に示されているように、第1、2の半中空体A、Bの突合部には、断面形状が略台形を呈する接合空間部Sの半分を構成する半接合空間部Sa、Sbが成形される。また、第1の半中空体Aには、外方へ突き出たブロー成形用の透孔Bsが成形される。
【0017】
ある程度の冷却固化を待って、スライド金型20を所定間隔だけ開く。そうして、スライド金型20を、第2の半中空体Bがスライド金型20に着いた状態で、第1の半中空体Aの開口部に、第2の半中空体Bの開口部が整合する第2の位置へスライドさせる。そして、型締めする。そうすると、第1、2の半中空体A、Bの開口部が当接し、半接合空間部Sa、Sbにより閉鎖された環状の接合空間部Sが構成される。このようにして型締めし、接合空間部Sが構成された状態が、図1の(ロ)に示されている。
【0018】
射出機から2次成形用の溶融樹脂を射出する。溶融樹脂は、固定金型1の2次成形用スプル6から凹溝7を通って接合空間部Sに射出される。これにより、第1、2の半中空体A、Bが一体化され、合成樹脂製の中空体S’が得られる。冷却固化を待ってスライド金型20を開く。エジェクタピンにより中空体S’が突き出される。以下、上記操作を繰り返して中空体S’を成形する。
【0019】
次に、3次成形を実施する。すなわち、図2の(ロ)に示されているように、中空体S’を、ブロー成形用透孔Bsを上側にして、別途用意されているホルダHにセットする。押出機36からブロー成形用ノズル30(溶融樹脂をパイプ状にする機能と圧縮空気を吹き出す機能をもったもの)に溶融樹脂を射出する。ブロー成形用ノズル30から押し出されるパリソンPRの先端部を封鎖して、パリソンPRをブロー成形用透孔Bsから中空体S’の内部へ挿入し、ブロー成形用ノズル30の下端部をブロー成形用透孔Bsの上端部に着座させる。パリソンPRの先端部を封鎖した状態が図2の(イ)に示され、ブロー成形用ノズル30の下端部をブロー成形用透孔Bsの上端部に着座させた状態が図2の(ハ)に示されている。パリソンPRを押出ながら空気管35から圧縮空気を吹き込む。これにより、押し出されるパリソンPRは膨張し、中空体S’の内表面に密着される。ブロー成形用ノズル30を、図2の(ニ)に示されているように、所定高さまで引き上げ、そしてパリソンカッタ・ピンチ37、37(パリソンを切断する機能と切断部を接合する機能をもったもの)によりパリソンPRを切断する。これにより、内部にブロー成形された内層を有する合成樹脂製の多層中空体SHが得られる。切断するときに、パリソンPRの下端部は接合あるいは封鎖される。多層中空体SHのブロー成形用透孔Bs内面とパリソンPRの外面とは接着剤、融着等により接合、ブロー成形用透孔Bsより切断後飛び出しているパリソンPRはバリ取り処理工程で端面加工除去する。図2の(ニ)に示されている孔Bkはタンクとして使用するときには注入口となる部分で、この部分の外側部Skにはキャップ等が装着可能なように1次成形の半中空体成形時又はパリソンのバリ取り処理工程時にネジ、溝等を設けることも可能である。多層中空体SHを取り出す。以下、同様にしてブロー成形された内層を有する合成樹脂製の多層中空体SHを成形する。
【0020】
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な形で実施できる。例えば、上記実施の形態ではブロー成形された内層が1層の例で説明したが、多層のブロー成形用ノズルを使用することにより、内層が多層の多層中空体SHも成型可能なことは明らかである。また、ブロー成形用ノズル30を中空体S’の内部に挿入し、ブロー成形用ノズル30を引き上げながら、上記したようにして内層すなわちパリソンPRをブロー成形することもできる。さらには、3次成形する前に中空体S’の内表面に接着剤を塗布あるいは噴霧するように実施することもできる。例えば、接着剤を中空体S’に入れて、ブロー成形用透孔Bsを仮封鎖し、中空体S’を振れば接着剤を内表面に塗布することができる。このように、中空体S’の内表面に接着剤を塗布あるいは噴霧すると、接着強度の大きい多層中空体SHが得られる。また、上記実施の形態では、ブロー成形用ノズル30を上下方向に駆動するように説明したが、ブロー成形用ノズル30とホルダHの動きは、相対的であるので、ホルダHの方を駆動するように実施できることは明らかである。したがって、特許請求の範囲の「ブロー成形用ノズル」を引き上げる旨の記載の中には「ホルダ」の方を駆動することも含まれることになる。さらには、3次成形を繰り返すことにより、多層構造の中空体を成形できることは明らかである。
【0021】
また、上記実施の形態では、1次成形時にブロー成形用透孔Bsが成形されているが、このブロー成形用透孔は、中空体を成形した後にホルダHにセットしてからドリル等で開けることもできる。また、一対の第1、2の半中空体A,Bは、2次成形時に射出溶融樹脂で接合されているが、特許第2729900号(特開平7−16945号)に記載されているように2次成形にヒータを使用して融着できることも明らかである。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、本発明によると、1次成形と2次成形とにより中空体を成形し、3次成形により中空体の内表面に接着剤を塗布あるいは噴霧して、その内部に、先端部が封鎖されているパリソンを押し出しながら、該パリソン内に圧縮空気を吹き込み、内層を成形するので、あるいはブロー成形用ノズルを挿入し先端部が封鎖されているパリソンを押し出すと共にブロー成形用ノズルを引き出しながら、該パリソン内に圧縮空気を吹き込み、内層を成形するので、すなわち外層と内層とを異なる成形法で成形するので、外層と内層がそれぞれ異なった機能を持った合成樹脂製の中空体を成形することができる。例えば、肉厚が均一で品質的にも、耐衝撃性においても、さらには外観形状にも優れ、また内部に入れられる液体等の流体を液密的にあるいは化学的に安定して収容できる合成樹脂製の多層中空体を成形できるという、本発明に特有の効果が得られる。また、中空体の内表面に接着剤を塗布あるいは噴霧するので、ブロー成形される内層を中空体の内表面に接着できる効果がさらに得られる。さらには、3次成形用のパリソンは、単層のブロー成形用ノズルで成形できるので、3次成形を安価に実施できる。したがって、合成樹脂製の多層中空体を安価に成形できる効果も得られる。それよりも多少コストアップにはなるが、必要に応じて多層のブロー成形用ノズルで成形し、より強度向上を可能にすることができると共に、異種材料の多層の成形ができるため、用途に合わせた成形品の提供が可能となる。
請求項3に記載の発明によると、1次成形時に一方の半中空体にブロー成形用の透孔を成形するので、上記のような効果に加えて、3次成形のコストをさらに低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の、1、2次成形に使用される金型の実施の形態を示す図で、その(イ)はスライド金型を第1の位置で閉じた状態で金型を示す断面図、その(ロ)は2次成形をしている状態で要部のみを示す断面図である。
【図2】 本発明の、3次成形の状態を示す図で、その(イ)はブロー成形用ノズルの実施の形態を示す断面図、その(ロ)は中空体をホルダにセットした状態で示す断面図、その(ハ)はブロー成形している途中の状態を模式的に示す断面図、その(ニ)は、ブロー成形が終了し、ブロー成形用ノズルを引き上げた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1 固定金型 11 固定側コア
15 固定側凹部 20 スライド金型
21 スライド側凹部 25 スライド側コア
30 ブロー成形用ノズル
A 第1の半中空体 B 第2の半中空体
Bs ブロー成形用透孔
S’ 中空体 SH 多層中空体[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to primary molding in which a pair of semi-hollow bodies are injection-molded using a fixed mold and a slide mold, and a molten resin is applied to the abutting portions of the pair of semi-hollow bodies obtained by the primary molding. Blow molding, in which a hollow body is formed from a secondary molding that forms a hollow body from a pair of semi-hollow bodies by injection and a tertiary molding that forms an inner layer inside the hollow body obtained by the secondary molding. The present invention also relates to a method for forming a multilayer hollow body made of a synthetic resin having an inner layer.
[0002]
[Prior art]
Synthetic resin hollow bodies such as tanks are widely used in various fields for liquids, gases, and powders. Such tanks, such as automobile fuel tanks, oil tanks, steering oil tanks, brake oil tanks, etc., were formed from sheet metal by bending, drawing, welding, rust-proof coating, etc. A lighter synthetic resin tank has been proposed along with the weight reduction.
[0003]
Such a synthetic resin tank can be molded by an injection molding method proposed by the present applicant, for example, in JP-A 2000-43100 and JP-A 2000-167885. A fixed mold and a slide mold are used for carrying out this molding method. This fixed mold is formed with a core protruding outward from the parting line and a recess recessed inward, and the slide mold has a recess cooperating with the core of the fixed mold and a fixed mold. A core cooperating with the recess of the mold is provided. Therefore, when the slide mold is clamped with respect to the fixed mold at a predetermined position, the first cavity is formed by the core of the fixed mold and the recess of the slide mold, and the concave of the fixed mold and the core of the slide mold And the second cavity is formed. When the molten resin is injected into the first and second cavities in the primary molding, a pair of semi-hollow bodies are molded. With the primary molded product remaining in the slide mold, the slide mold is slid to the second position and clamped. If it does so, a pair of semi-hollow bodies will face | match at a junction part. Molten resin is injected into the joint by secondary molding. Then, a hollow body in which a pair of semi-hollow bodies is integrated is obtained.
[0004]
According to the above injection molding method proposed by the present applicant, a sealed hollow body can be manufactured or molded, a hollow body with a uniform wall thickness can be made, and even complicated shapes can be dealt with. There are also advantages such as being able to. Further, when molded from ABS resin, AS resin, polyamide, or the like, an impact-resistant hollow body can be obtained, and when molded from polypropylene or the like, a number of advantages such as a chemical-resistant hollow body can be obtained. However, placing a heavy emphasis on impact resistance results in inferior chemical resistance. On the other hand, placing emphasis on chemical resistance results in a hollow body that is vulnerable to impact. Further, a conventional hollow body made of a single layer is not always perfect in terms of evaporation of contents. Therefore, a hollow body composed of two layers in which the outer layer and the inner layer have their respective functions is also desired. Such a two-layer synthetic resin tank can be molded by blow molding. The head of the blow molding machine for two-layer molding includes a main nozzle that pushes out the main material layer, a first sub nozzle that pushes out the adhesive layer, a second sub nozzle that pushes out the inner layer, and the like. Therefore, by extruding the respective resin materials from these nozzles, a semi-molded product having two layers in which the outer layer and the inner layer are bonded can be obtained. By appropriately finishing the semi-molded product, a synthetic resin tank having an inner layer can be obtained.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, a synthetic resin tank consisting of an inner layer and an outer layer, that is, a hollow body can also be formed by blow molding. However, since the head has a multi-layer structure as described above, there is a disadvantage that the blow molding apparatus is expensive, and therefore the synthetic resin hollow body obtained by blow molding is expensive. Moreover, the process of finishing into a hollow body is specially required, resulting in high costs. Furthermore, the trace of finishing remains and the appearance shape is also damaged.
The present invention is intended to provide a method for forming a hollow body made of a synthetic resin that eliminates the above-described conventional drawbacks. Specifically, the present invention is capable of airtightly containing a fluid such as a liquid contained therein. of course is also the wall thickness is uniform qualitative and excellent in external shape, moreover made of inexpensive synthetic resin hollow body is made of synthetic resin having an inner layer that is blow molded Chi molding method Sunawa obtained It aims at providing the shaping | molding method of a multilayer hollow body.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In the present invention, an injection molding method is applied to achieve the above object. According to the injection molding method, since it is shaped by the mold, the wall thickness becomes uniform and the appearance shape does not fall. Furthermore, a blow molding method is also applied. At this time, according to the present invention, a blow molding machine having a single-layer head structure can be applied. Therefore, it becomes possible to form a hollow body having a multilayer structure at low cost. Thus, the invention described in claim 1 is obtained by primary molding in which a pair of semi-hollow bodies are injection-molded so as to have a butt portion using a fixed mold and a slide mold, and the primary molding. Secondary molding in which the butted portions of the pair of semi-hollow bodies are joined by a molten resin to form a hollow body from the pair of semi-hollow bodies, and an adhesive is applied to the inner surface of the hollow body obtained by the secondary molding Alternatively, spraying and extruding a parison whose tip is sealed into the inside of the parison, while blowing compressed air into the parison, the blown parison is blown into a shape in close contact with the inner surface of the hollow body. And tertiary molding. The invention according to
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
First, an embodiment of a mold used for carrying out the primary molding and the secondary molding of the present invention will be described, then an embodiment of a nozzle for blow molding will be described, and these mold and blow A molding example using a molding nozzle will be described. 1A is a cross-sectional view showing the
[0008]
As shown in FIG. 1A, a
[0009]
At a position above the
[0010]
A fixed-
[0011]
At the upper position of the
[0012]
A slide-
[0013]
The
[0014]
Next, a pair of semi-hollow bodies are formed by primary molding using the fixed mold 1 and the
[0015]
The
[0016]
The primary molding molten resin is injected from the
[0017]
Waiting for a certain amount of cooling and solidification, the
[0018]
A molten resin for secondary molding is injected from the injection machine. The molten resin is injected from the
[0019]
Next, tertiary molding is performed. That is, as shown in FIG. 2B, the hollow body S ′ is set in a separately prepared holder H with the blow molding through hole Bs on the upper side. The molten resin is injected from the
[0020]
The present invention is not limited to the above embodiment and can be implemented in various forms. For example, in the above embodiment, the example in which the blow-molded inner layer is one layer has been described. However, it is obvious that a multilayer hollow body SH having a multilayer inner layer can be molded by using a multilayer blow molding nozzle. is there. Further, the inner layer, that is, the parison PR can be blow-molded as described above while inserting the blow-
[0021]
In the above embodiment, the blow-molding through hole Bs is formed at the time of primary molding. The blow-molded through hole is set in the holder H after the hollow body is molded, and then opened with a drill or the like. You can also. Further, the pair of first and second semi-hollow bodies A and B are joined by injection molten resin at the time of secondary molding, but as described in Japanese Patent No. 2729900 (Japanese Patent Laid-Open No. 7-16945). It is also clear that a secondary molding can be fused using a heater.
[0022]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the hollow body is formed by the primary molding and the secondary molding, and the adhesive is applied or sprayed on the inner surface of the hollow body by the tertiary molding. While extruding the sealed parison, blow compressed air into the parison to form the inner layer, or insert a blow molding nozzle to push out the parison whose tip is blocked and pull out the blow molding nozzle However, since compressed air is blown into the parison to mold the inner layer, that is, the outer layer and the inner layer are molded by different molding methods, the outer layer and the inner layer are molded with synthetic resin hollow bodies having different functions. can do. For example, it has a uniform wall thickness, quality, impact resistance, and appearance, and a composition that can hold fluids such as liquids contained inside in a liquid-tight or chemically stable manner. An effect peculiar to the present invention is obtained that a multilayer hollow body made of resin can be formed. Further, since the adhesive is applied or sprayed on the inner surface of the hollow body, the effect of adhering the blow molded inner layer to the inner surface of the hollow body can be further obtained. Furthermore, since the parison for tertiary molding can be molded with a single-layer blow molding nozzle, tertiary molding can be performed at low cost. Therefore, the effect that the synthetic resin multilayer hollow body can be molded at low cost is also obtained. Although it is slightly more costly than that, it can be molded with a multilayer blow molding nozzle if necessary, and it is possible to improve the strength, and multilayer molding of different materials can be performed. It is possible to provide a molded product.
According to the invention described in
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a view showing an embodiment of a mold used for primary and secondary molding according to the present invention, in which (a) shows the mold with the slide mold closed at a first position. Sectional drawing, (b) is a sectional view showing only the main part in a state where secondary molding is performed.
FIG. 2 is a diagram showing a state of tertiary molding according to the present invention, in which (a) is a sectional view showing an embodiment of a blow molding nozzle, and (b) is a state in which a hollow body is set in a holder. Sectional view showing, (C) is a sectional view schematically showing a state in the middle of blow molding, (D) is a sectional view showing a state in which blow molding is finished and the blow molding nozzle is pulled up is there.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Fixed mold 11
Claims (3)
前記2次成形で得られた中空体の内表面に接着剤を塗布あるいは噴霧して、その内部に、先端部が封鎖されているパリソンを押し出しながら、該パリソン内に圧縮空気を吹き込み、これによって押し出されるパリソンが中空体の内表面に密着された形状にブロー成形される3次成形とから成形することを特徴とする、ブロー成形された内層を有する合成樹脂製の多層中空体の成形方法。Primary molding that uses a fixed mold and a slide mold to injection-mold a pair of semi-hollow bodies so as to have a mating part, and melts the mating parts of the pair of semi-hollow bodies obtained by the primary molding Secondary molding in which a hollow body is molded from a pair of semi-hollow bodies by bonding with a resin;
Applying or spraying an adhesive on the inner surface of the hollow body obtained by the secondary molding, while extruding a parison whose tip is sealed inside, blows compressed air into the parison, thereby A method for forming a multilayer hollow body made of a synthetic resin having a blow-molded inner layer, wherein the extruded parison is molded from a tertiary molding in which the parison to be extruded is blow-molded into a shape in close contact with the inner surface of the hollow body.
前記2次成形で得られた中空体の内表面に接着剤を塗布あるいは噴霧して、その内部に、ブロー成形用ノズルを挿入し先端部が封鎖されているパリソンを押し出すと共に前記ブロー成形用ノズルを引き出しながら、該パリソン内に圧縮空気を吹き込み、これによって押し出されるパリソンが中空体の内表面に密着された形状にブロー成形される3次成形とから成形することを特徴とする、ブロー成形された内層を有する合成樹脂製の多層中空体の成形方法。Primary molding that forms a pair of semi-hollow bodies using a fixed mold and a slide mold so as to have a mating portion, and a mating portion of the pair of semi-hollow bodies obtained by the primary molding is a molten resin. Secondary molding in which a hollow body is formed from a pair of semi-hollow bodies by joining together,
An adhesive is applied or sprayed on the inner surface of the hollow body obtained by the secondary molding, and a blow molding nozzle is inserted into the hollow body to extrude a parison whose tip is sealed and the blow molding nozzle. The blow molding is characterized in that compressed air is blown into the parison while pulling out, and the parison to be extruded is molded from a tertiary molding in which the parison is in close contact with the inner surface of the hollow body. A method for forming a multilayer hollow body made of a synthetic resin having an inner layer.
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