JP3774026B2 - マツムシの養殖方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマツムシの養殖方法、特に産卵に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昆虫のマツムシはバッタ目マツムシ科に属し淡褐色で、チンチロリンと高音の鋭い声で鳴き、秋鳴く虫の代表的なものである。今までマツムシの養殖は、難しいものとされ、マツムシの養殖方法が明らかではなく、また養殖方法に関する文献も少ないために、マツムシの養殖がほとんど実施されていなかったのが実状であった。そして、マツムシの養殖を難しいものとしていた最大の理由としては、産卵場所が植物のため養殖による産卵が難しかったためと考えられる。従来、知られているマツムシの産卵方法は、代表的なイネ科植物のススキの茎の中に産卵するものである。
【0003】
尚、産卵の次の段階のマツムシの幼虫の養殖方法に関しては、マツムシの生態が十分に明らかにされていないためか、幼虫が餌として植物質のクワの葉、ナスを食するという程度のことしか知られていなかった。この従来の養殖方法では、幼虫がうまく育たず、多くの幼虫が成虫にならないで途中で死亡してしまうのが実状であった。
【0004】
参考文献
グリーンブックス1 「増補 鳴く虫の飼い方」 小野公男・小笠原英明 ニュー・サイエンス社
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、従来の知られているイネ科植物のススキを使用する方法の効果と問題点を明らかにするための実験を行なった。実験は、飼育容器に土を入れ、ススキを密に植え込んだ状態において実施した。マツムシの産卵は、ススキの堅い下部の茎にはほとんど産卵せず、上部の何枚かの葉鞘によって包まれている柔らかい茎の部分に産卵しているのが多く見られた。しかし、産卵場所は湿り気を保たせておく必要があるが、今回、多くの産卵があったススキの上部は、水分の吸収が難しく、また乾燥が早いために卵の孵化率が悪かった。
【0006】
このような実験結果であったため、本発明は、産卵ができるようにすることと、特に産卵後の卵を死亡させないようにして孵化率を高めようとすることを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記の実験例結果よりイネ科植物に替わる植物を探すこととなり、新しくマツムシに産卵させるための植物を探すために海岸沿いに生息しているマツムシに着目して、生態の調査を実施し、マツムシが浜辺に生えているコウボウムギの植物に産卵していることを見出したのである。そこで、産卵させる植物として、従来知られているイネ科植物ではなく、上記によるところのカヤツリグサ科のコウボウムギを使用する。すると、マツムシがコウボウムギの外側の枯れた葉鞘によって包まれている下部の茎の一部に傷を付けて産卵する。このコウボウムギの外側の枯れた葉鞘は暗褐色で繊維状をしており、産卵場所である枯れた葉鞘で包まれている下部の茎の部分は、水分を吸収し易く、また乾燥しにくい形態であるために卵の保護環境として適している
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図1〜3を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
先ず、9月上旬頃から9月中旬にかけてマツムシの成虫を野外から採取する。又、飼育容器として、網を張った容器に焼いて熱消毒した赤土を例えば4cm位の深さに入れ、その土床に根つきのコウボウムギを密に植えたものを用意する。そして、雌、雄のマツムシを飼育容器に放す。すると、図1に示すようなコウボウムギの葉鞘によって包まれている下部の茎(産卵場所)2の葉鞘の部分が外側から枯れ始めた頃にマツムシが産卵する。その際、図2に示すように産卵場所2の一部に傷を付けて産卵する。
【0009】
このコウボウムギ1の外側の枯れた葉鞘4は暗褐色で繊維状をしており、産卵場所2である枯れた葉鞘で包まれている下部の茎の部分は、水分を吸収し易く、また乾燥しにくい形態であるために卵の保護環境として適しているそれ故、野外の海岸に生息するマツムシの場合の産卵場所等の産卵実態とほぼ同じになり、野外のマツムシの場合と同じような産卵状態が得られ、卵の死亡を少なくさせ、卵の孵化率を高めることができる。
【0010】
産卵されたコウボウムギに毎日、噴霧器で水分を与える。但し、冬の時期は、少なめにし、3日〜5日に一度の割合でよい。そして、翌年の6月上旬頃から孵化が始まる。孵化した第1幼虫から第3幼虫位迄の初期の幼虫の成育には、薄い布で覆った飼育容器を使用する。そして、植物質の餌として葉の柔らかい葉菜類野菜のハクサイ、またはコマツナとナス等を1日〜2日おきに与える。すると、水分、栄養分を摂取し易く生存率る。なお、従来発生した初期の幼虫の死亡原因は、餌として与えていたクワの葉が堅いために水分、栄養分を十分に摂取できなかったことによるものと考えられる。
【0011】
第4幼虫から成虫になる迄の幼虫については、マツムシの幼虫を少量飼育する場合では、余り問題にならないが、養殖のように高い密度にて飼育する場合、マツムシの幼虫が4以降において次々と赤くなって死亡してしまうといる問題がある。このように第4以降のマツムシの幼虫が多量に死亡することの対策として、マツムシが野外において、同じ鳴く虫の仲間のスズムシの生息環境と比較して乾燥している環境を好み、乾いた草地に生息していることを手がかりに、そのような生息環境に養殖環境を近付けることによって解決を図
【0012】
そこで、マツムシの幼虫が4になったら、マツムシが直接、外の空気に触れるようにするため、水槽のような密閉した容器ではなく、図3に示すような防虫用のビニール網、金網等の網を前後面、左右面、及び上面の内4面以上に張った箱状の飼育容器に移す。そして、飼育容器を置く室内は、自然状態においては、養殖室の窓を開け、外気と換気させる等して、通風を良くした状態の中に置くことにより、幼虫が死亡しないように予防する。その場合、飼育容器同士の間隙間を設ける等工夫をする。また人工的方法では、エアコンディショナーを使用し、暖房、除湿または冷房における送風により養殖室内の空気が流れるようにして、同時に湿度を低くした状態にすることにより、上記と同様な効果を得ることができ、大量飼育に適する。尚、後者の場合には吹き出し口からの風をマツムシに直接当てないように注意する。
【0013】
また、この頃の幼虫になると体が大きくなり、植物質の餌として、クワの葉を食しても初期の幼虫のような成育上の問題もほとんど生じないことから、餌の購入費用の低減も図れるので、ハクサイ、コマツナの替わりにクワの葉を与えるようにする。
【0014】
このようにして、マツムシの幼虫を植物質の餌だけでも成虫に成育することができるが、良いマツムシに育てるには、動物質の餌が必要であり、常時煮干粉等の魚粉が含まれて いる餌を乾燥した状態で与えると良い。室内の自然状態において8月中旬頃から成虫になる。成虫になると、餌はリンゴまたはナスの切ったものを与えれば良く、手軽に飼育できるようになる。それ故上記したマツムシの養殖方法により、マツムシの幼虫の成育上の問題の解決を図って、難しかったとされていたマツムシの養殖実施でき、この養殖方法をマツムシの鳴声鑑賞、また自然保護における増殖法として役立てることができる
【0015】
【発明の効果】
以上説明した本発明によるマツムシの養殖方法によれば、マツムシの成虫に産卵させるための植物として、コウボウムギを使用することにより、マツムシ産卵する場所であるコウボウムギの枯れた葉鞘で包まれている下部の茎の部分は、水分を吸収し易く、また乾燥しにくい形態であるために卵の保護環境として適している。それ故、野外の海岸に生息するマツムシの場合の産卵場所等の産卵実態とほぼ同じになり、野外のマツムシの場合と同じような産卵状態が得られ、卵の死亡を少なくさせ、卵の孵化率を高めることができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 マツムシの産卵対象となるコウボウムギの雌株のほぼ全体を示す図である。
【図2】 コウボウムギのマツムシが産卵した下部の茎の部分を主に図である。
【図3】 第4齢以降に用いるマツムシの飼育容器を示図である。
【符号の説明】
1…コウボウムギ 2…枯れた葉鞘によって包まれている下部の茎(産卵場所) 3… 4…外側の枯れた葉鞘 5…網 6…飼育容器

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  1. マツムシの成虫に産卵させるための植物として、カヤツリグサ科のコウボウムギを使用することを特徴とするマツムシの養殖方法。
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