JP3772780B2 - マイクロフルーイッドチップ及びマイクロフルーイッドチップアレイ - Google Patents

マイクロフルーイッドチップ及びマイクロフルーイッドチップアレイ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学物質を含んだ液体を様々に処理したり、分析したりするマイクロフルーイッドチップ及びマイクロフルーイッドチップアレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
基板に形成された微細な流路を用いて化学反応や分析を行うマイクロフルーイッドチップが知られている。水質の分析、特定の疾病の診断、生体物質の検査、特定の化学物質の合成などにこのマイクロフルーイッドチップを応用することが期待されている。
【0003】
図5は典型的なマイクロフルーイッドチップの構成を示す概略的な斜視図である。基板101にはエッチングなどを用いて形成された溝状の微細な流路が形成されている。流路では毛細管現象が起こり、流体が流路に沿って流れる。流路の区間121,122には注入部121a,122aから薬液A,Bが注入される。薬液A,Bは区間123で混合され、区間124,125に分配される。分配された薬液A,Bは排出部124a,125aから取り出される。
【0004】
図6は、図5で示したようなチップを複数有するマイクロフルーイッドチップアレイの構成を示す概略的な斜視図である。マイクロフルーイッドチップアレイは、上下方向に積み重ねられた基板201,202,203を有している。基板201,202,203のそれぞれの流路221,222,223が形成されている。隣接する基板の流路、例えば流路221と流路222は上下に延びている流路、例えば流路234を介して接続されている。これにより、薬液を基板間で受け渡すことができる。基板201,202,203の水平方向には別の基板が隣接している。薬液は基板201,202,203の端面に形成された流路の端部、例えば端部222aを介して別の基板と基板201,202,203の間で受け渡される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記マイクロフルーイッドチップは、薬剤をこのチップに受け渡す所定の装置に取り付けられる。流路は基板101上で2次元的に延びているので、薬剤を受け渡す位置が2次元平面上に制限される。特に、流路を立体的に交差させることは困難である。また、薬剤を反応させるために流路に励起光を照射する場合には、基板101の表面にほぼ垂直な方向から光を照射する必要がある。このため、この装置に光を照射する照射器を配置する場合、照射器の配置が制限される。このように、この装置の設計自由度が制限される。
【0006】
上記マイクロフルーイッドチップアレイでは、流路が基板の表面に沿って延びているので、基板の表面を介してこの基板で扱う全ての種類の薬剤を比較的容易に受け渡すことができる。例えば、図5のマイクロフルーイッドチップのように混合を行う場合、混合される前の薬剤と混合された後の薬剤とを受け渡すことができる。しかし、基板の端面を介して薬剤を受け渡す場合には、受け渡すための複雑な流路を別に設ける必要がある。この流路は薬剤を処理するための流路を回避する必要があるなど、設計に際して特別な配慮をする必要がある。
【0007】
本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、流路の設計自由度が高いマイクロフルーイッドチップを提供することである。本発明のもう1つの目的は、互いに隣接する任意のマイクロフルーイッドチップ間で流体を容易に受け渡すことができることにより、3次元的に延びる、より複雑な流路を形成できるとともに、より複雑で様々な反応を行うことができるマイクロフルーイッドチップアレイを提供することである。本発明のさらにもう1つの目的は、弾性表面波を利用した分析感度の高いマイクロフルーイッドチップと、このマイクロフルーイッドチップを有するマイクロフルーイッドチップアレイを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した本発明の最初の目的を達成するために、本の請求項1に記載のマイクロフルーイッドチップは基材と前記基材の表面を3次元的に延びていて流体を流し毛細管現象を生じさせる流路とを備えていることを特徴としている
【0009】
上述した本発明のもう1つの目的を達成するために、本願の請求項14に記載のマイクロフルーイッドチップアレイは:複数の基材と;前記複数の基材の各々の表面を3次元的に延びていて流体を流し毛細管現象を生じさせる流路と;を備えており、これらの基材は配列されており、互いに隣接する基材中の所定の基材の夫々の流路は互いに接続されている、ことを特徴としている。
【0010】
上述した本発明のさらにもう1つの目的を達成するために、本願の請求項7に記載のマイクロフルーイッドチップは:基材と;前記基材の表面を3次元的に延びていて流体を流し毛細管現象を生じさせる流路と;を備えていて、前記基材の表面は、前記流路と接続され弾性表面波が励起され励起された弾性表面波が伝搬し周回する円環状表面を含んでいる、ことを特徴としている。
【0011】
上述した本発明のさらにもう1つの目的を達成するために、本願の請求項15に記載のマイクロフルーイッドチップアレイは:複数の基材と;前記複数の基材の各々の表面を3次元的に延びていて流体を流し毛細管現象を生じさせる流路と;を備えており、これらの基材は配列されており、互いに隣接する基材中の所定の基材の夫々の流路は互いに接続されていて;前記少なくとも1つの基材の表面は、前記流路と接続され弾性表面波が励起され励起された弾性表面波が伝搬し周回する円環状表面を含んでおり;前記円環状表面には、前記円環状表面に前記弾性表面波を励起する弾性表面波励起手段が設けられており;前記少なくとも1つの基材は圧電特性を有する材料により形成されており;前記円環状表面に沿って延び前記流路から前記円環状表面に流体を導くガイド部材を使用しており;前記ガイド部材は、前記円環状表面を覆い前記円環状表面に対向する部分に溝状のガイドが設けられていて、前記ガイドは前記流路と連通し前記流路から進入する流体に毛細管現象を生じさせる、ことを特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1〜図4を参照して、本発明の実施の形態に係わるマイクロフルーイッドチップ及びマイクロフルーイッドチップアレイを説明する。先ず、図1を参照して本発明の第1の実施の形態のマイクロフルーイッドチップを説明する。図1はマイクロフルーイッドチップの斜視図である。ガラスで形成された球状の基材1の表面には、溝状の3つの流路21,22,23が設けられている。流路21,22,23はエッチングなどにより形成される。流路21,22,23は1点で交わっている。シリコンガラスで形成された球状の部材を容易に製造する技術が知られている。このような部材への加工、例えば溝の形成、成膜などは容易に行うことができる。このような技術を用いれば、本実施の形態のマイクロフルーイッドチップを容易に製造できる。
【0017】
流路21,22の一端には窪み11,12がそれぞれ設けられている。窪み11,12に流体をそれぞれ注ぐと流体は流路21,22に進入する。流路21,22,23の幅は、流路21,22,23に流体が進入したときに毛細管現象が起こる程度に設定されている。好ましくは、流路21,22,23の幅は10μmから500μmの範囲に設定される。
【0018】
これらの流体はそれぞれ流路21,22に沿って進み、流路23で混合される。流路23の一端には窪み13が設けられている。混合されたこれらの流体は窪み13に溜まる。溜まった流体は微小ポンプなどで取り出すことができる。
【0019】
窪み11,12にそれぞれ所望の化学物質を注げば、これらの混合物が得られる。本実施の形態では2種類の流体を混合しているが、本発明はこれに限定されない。混合に限らず、従来のマイクロフルーイッドチップにて提案されている化学反応を行うための手段を設けても良い。
【0020】
流路21,22,23は3次元的に配置されている。流体は上方向から供給される。流路を適切に配置すれば、流体を所望の方向から供給し、所望の方向から取り出すことができる。
【0021】
マイクロフルーイッドチップは、流体をマイクロフルーイッドチップに受け渡す所定の装置に取り付けられても良い。流路が2次元的に延びている従来のマイクロフルーイッドチップでは、流体を受け渡す位置が2次元平面上に制限されたり、所定の励起光を照射する照射器の配置が制限されたりするので、この装置の設計自由度が制限される。本実施の形態では、流路は3次元的に延びており、流体を所望の方向から受け渡すことができるので、設計自由度を比較的大きくすることができる。さらに異なる数種の標準的な使用のものを作成しておき目的に応じて組み上げることができる。
【0022】
本実施の形態では流路21,22,23は溝状に形成されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、基材1の表面に平行に延びる2つの土手を設けることにより、流路を形成しても良い。また、溝状の流路にカバーを施しても良い。この場合、流路の幅と流路の深さの少なくとも一方は、流路にて毛細管現象を生じさせるよう、設定される。好ましくは、これらの少なくとも一方は10μmから500μmの範囲に設定される。
【0023】
本実施の形態では基材1の形状は球であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、基材を、多面体、角錐、円錐、角柱、円柱を含む形状に形作っても良い。特に、ここで挙げた多面体は直方体を含む。これらの一部を切り欠いた形状であっても良い。流路はこれらの形状の基材の表面に形成される。また、基材は内部に空間を有しており、基材の内部の表面に流路が形成されていても良い。特に、基材の形状は球殻状であっても良い。
【0024】
次に、図2(A)及び図2(B)を参照して本発明の第2の実施の形態のマイクロフルーイッドチップを説明する。図2(A)はマイクロフルーイッドチップの斜視図である。水晶で形成された球状の基材1の表面には、溝状の流路25,26が設けられている。基材1の表面は、円環状に連続している円環状表面10を含んでいる。円環状表面10は溝状の流路25,26とそれぞれ接続されている。円環状表面10は、これに沿って延びているガイド部材30で覆われている。円環状表面10には、円環状表面10に沿って伝搬する弾性表面波を励起する櫛形電極40が設けられている。櫛形電極40は弾性表面波励起手段として用いられている。水晶で形成された基材1は圧電性を有しているので、櫛形電極40に電圧を印加すると円環状表面10で圧電効果が起こり、弾性表面波が励起される。
【0025】
説明の便宜上、結晶軸であるZ軸は基材1の中心を通るものとする。Z軸を基材1の地軸と考えると、円環状表面10は赤道に沿って延びる。このように配置された円環状表面10に沿って伝搬する弾性表面波を励起すると、ほとんど減衰せずに周回することが知られている。櫛形電極40は周回した弾性表面波を電気信号に変換する、即ち受信することができる。弾性表面波を受信するために、櫛形電極40の代わりにべつの受信手段を円環状表面10に設けても良い。
【0026】
図2(B)は図2(A)の2B−2B線で切断した断面図である。流路25の一端と流路26の一端の間には円環状表面10が広がっている。円環状表面10と対向するガイド部材30の部分には溝状のガイド31が設けられている。ガイド31は円環状表面10に沿って延びている。ガイド31の幅は円環状表面10の幅よりも大きい。このため、ガイド31は流路25,26とそれぞれ連通している。ガイド31の深さは、ガイド31に流体が進入したときに毛細管現象が起こる程度に設定されている。好ましくは、この深さは10μmから500μmの範囲に設定される。ガイド部材30には、ガイド31と外部を連通させる空気孔32が設けられている。
【0027】
本実施の形態のマイクロフルーイッドチップは様々な用途に使用することができる。先ず、マイクロフルーイッドチップの第1の使用例を説明する。流路25に流体を流す。流体が流路25の一端に達すると、流体はガイド31に進入し、ガイド31に沿って広がる。この結果、流体は円環状表面10に導かれて円環状表面10に接触する。この状態で、弾性表面波を周回させ、周回した弾性表面波を受信する。流体の特性、例えば密度、粘度、体積弾性率等に応じて弾性表面波の伝搬の様子は変化する。受信された弾性表面波の波形は、流体の特性の違いに応じて変化する。ここで、波形の変化は、周回する時間の変化や減衰率の変化を含む。波形を解析することで流体の特性を決定することができる。弾性表面波の波形の変化は流体の特性の違いを鋭敏に反映することが知られている。これは、弾性表面波を用いると極めて感度良く流体を分析できることを意味する。また、円環状表面10に流体が接触しているか否かで弾性表面波の波形は異なるので、ガイド31での流体の有無を検出できる。円環状表面10に導いた流体を流動させれば、弾性表面波の波形は流速に応じた形をとるので、流体の流速も決定することができる。このような弾性表面波の応用は、公知の弾性表面波素子の弾性表面波技術で明らかである。
【0028】
次に、第2の使用例を説明する。この例では流体に含まれたタンパク質の種類と濃度の検出を行う。先ず、円環状表面10の表面に、特定のタンパク質、例えば抗体に結合する物質を取り付ける。次に、流路25に流体を流し、円環状表面10に流体を接触させ、弾性表面波の波形を受信する。流体が円環状表面10に接していないと、弾性表面波の波形の強度が大きくなる。感度を確保するために、好ましくは、円環状表面10に流体を接触させた後に、流体を流路26から排出する。流体に含まれたタンパク質が円環状表面10の物質に結合すると、弾性表面波の波形は流体中のタンパク質の濃度に応じた形になる。波形を解析すれば、タンパク質の濃度を決定できる。濃度が0である場合は、流体中には円環状表面10の物質に結合するタンパク質が存在しないと判断できる。円環状表面10の表面に、特定の遺伝子物質に結合する物質を取り付ければ、流体に含まれた遺伝子物質の種類と濃度を検出できる。
【0029】
本実施の形態では、弾性表面波励起手段として櫛形電極40が用いられているが、櫛形電極を用いずに、円環状表面10にレーザ光を照射して弾性表面波を励起しても良い。この場合、円環状表面10にはレーザ光を吸収するレーザ光吸収膜が形成される。円環状表面10にレーザ光照射装置を用いてレーザ光を照射すると、ここで熱が発生し、熱弾性効果により弾性表面波が励起される。レーザ光照射装置は弾性表面波励起手段を形成する。レーザ光を用いて弾性表面波を励起する技術は公知である。
【0030】
本実施の形態では、円環状表面10は、Z軸を地軸と考えたとき、水晶の基材1の赤道に沿って延びているが、本発明はこれに限定されない。円環状表面は経線に沿って延びていても良い。弾性表面波が赤道だけでなく特定の方向の経線に沿って伝搬するときにも、周回することが知られている。また、基材1は、圧電効果を生じさせるために水晶で形成されているが、圧電性を有する別の材料LiNbO、LiTaOで形成されていても良い。特に、圧電性を有しかつ三方晶系の結晶であるLiNbO、LiTaOで球状の基材を形成すれば、櫛形電極を用いて弾性表面波を励起でき、励起された弾性表面波は赤道に沿って周回する。
【0031】
本実施の形態では、流体を流路25から円環状表面10に導くために、ガイド部材30を用いているが、円環状表面10に沿って延び、これの両側又は片側だけを囲む土手を用いても良い。
【0032】
基材1の形状は球の一部を切り欠いた形状であっても良い。但し、基材1の表面において、球面である球面領域には、円環状表面が含まれる。基材を保持する場合、この切り欠きにフィットする保持部材を用いれば、確実に基材を保持できる。切欠きは基材の位置決めに利用することもできる。
【0033】
次に、図3を参照して本発明の第3の実施の形態のマイクロフルーイッドチップを説明する。図3は基材1の表面の一部の平面図である。基材1の表面には溝状の流路27,28が設けられている。流路27,28はそれぞれ窪み29に接続されている。基材1の表面には櫛形電極43が窪み29に対向するように設けられている。櫛形電極43は弾性表面波励起手段として用いられている。櫛形電極43の電極片は窪み29を中心にして同心的に延びている。櫛形電極43により励起された弾性表面波は窪み29に集束するように伝搬する。櫛形電極43は配線43aを介して図示しない高周波電源に接続されている。窪み29からは平面形状が扇形である、溝状の扇状流路50が延びている。扇状流路50の幅は、窪み29から遠ざかるにつれて大きくなる。扇状流路50と櫛形電極43の間に窪み29が位置するよう、扇状流路50は配置されている。扇状流路50の窪み29とは反対側の端からは溝状の流路51が延びている。
【0034】
マイクロフルーイッドチップの動作を説明する。初め、流路27,28及び窪み29は流体で満たされている。櫛形電極43を用いて弾性表面波を励起すると、弾性表面波は窪み29に収束し、扇状流路50にて広がりながら放射状に伝搬する。広がるとき、伝搬方向に沿って強度の勾配が現れる。強度の勾配は流体を弾性表面波の伝搬方向に移動させる力を発生する。この結果、窪み29に溜まっていた流体が扇状流路50に移動し、流体は流路51に導かれる。流体が窪み29から扇状流路50に移動すると、流路27,28から窪み29に流体が供給される。この動作を利用すれば、流路27,28にある流体を流路51に分配することができる。
【0035】
次に、図4を参照して本発明の実施の形態のマイクロフルーイッドチップアレイを説明する。図4はマイクロフルーイッドチップアレイの斜視図である。基板60の上には複数のマイクロフルーイッドチップが配置されている。これらのマイクロフルーイッドチップにはマイクロフルーイッドチップ1a,1b,1c,1d,1eが含まれている。基板60上のチップはそれぞれ球状の基材を有している。それぞれの基材の大きさはほぼ等しい。それぞれの基材には溝状の流路が設けられている。基板60上のチップは、六方最密構造をなすように配列されている。あるチップは最大で12個のチップと隣接している。
【0036】
互いに隣接する所定の基材のそれぞれの流路は互いに接続されている。例えば、基板60の上に位置しているチップ1bの基材はチップ1a,1c,1d,1eの基材等と隣接しており、チップ1a,1d,1eのそれぞれの流路21a,21d,21eはチップ1bの流路21b,22b,23bとそれぞれ接続されている。チップ1bの基材とチップ1cの基材とは隣接しているが、接続されている流路はない。上述したように、1つのチップに比較的多くのチップを隣接させることができる。この1つのチップと他のチップとの間で流体を受け渡すために、他のチップと隣接するこの1つのチップの部分に流路を設ける場合、平坦な基板を用いた従来のマイクロフルーイッドチップのような特別な配慮は必要ない。従って、本実施の形態のマイクロフルーイッドチップアレイを用いれば、互いに隣接する任意のマイクロフルーイッドチップ間で流体を容易に受け渡すことができる。尚、互いに隣接する基材のそれぞれの流路を接続する場合、それぞれの流路を対向させ、流路間に樹脂製の弾力性のあるOリングを挟めば、より確実に流体を受け渡すことができる。
【0037】
基板60上のチップは所定の機能を有している。チップ1bは、チップ1e,1dから流路22b,23bを介して流体を受ける。これらの流体を流路22b,23bにそれぞれ接続された流路24bで混合する。混合した流体の一部を流路24bに接続された流路21bを介してチップ1aに分配する。混合した流体の残りは、流路24bに接続された流路25bに分配される。流路25bは基板60上に設けられた流路62bの一端に接続されている。流路62bの他端には窪み61bが設けられている。流路25bに分配された流体は、流路62bを介して窪み61bに導かれ、ここに溜まる。このように処理された流体は窪み61から取り出すことができる。
【0038】
チップ1cは、上記第2の実施の形態のマイクロフルーイッドチップと同様の流路25c,26c、ガイド部材30c及び櫛形電極40とを有している。チップ1cを用いれば、流体の特性を決定したり、遺伝子物質やタンパク質の種類と濃度を検出したりすることができる。基板60上のチップには、その他様々な機能を有するものを含ませても良い。様々な機能を有したこのようなチップが適切に配列されており、複数の種類の処理が行われる。チップの配列を変更すれば、別の種類の処理を行うことができる。
【0039】
基板60には、これに接するマイクロフルーイッドチップのそれぞれの流路に接続された流路、例えば流路62a,62b,62cが設けられている。これらの流路の端には窪み、例えば窪み61a,61b,61cが設けられている。様々に処理された流体はこれらの窪みに導かれ、ここから取り出される。
【0040】
配列されたマイクロフルーイッドチップに外部から流体を渡すために、配列されたマイクロフルーイッドチップの上に基板60と同様の基板を配置しても良い。この基板には流体を注ぐための複数の窪みが設けられており、これらの窪みはそれぞれこの基板に接するチップの流路に接続されている。
【0041】
このように3次元的に構成された各チップに対して電気的なコントロールを外部から行う目的で、各々のマイクロフルーイッドチップに流体の処理を指示するためのICや配線を設けても良い。各々のマイクロフルーイッドチップのICにはチップを識別するためのチップ指標、例えば番号が割り当てられる。ICは電波信号を介して指示を受ける。電波信号は複数用意されており、これらの電波信号にはチップ指標がそれぞれ割り当てられている。あるチップ指標が割り当てられたICがこれに符合した同じチップ指標の電波信号を受けると、ICは指示を認識する。その他のICは指示を認識しない。この指示に従って、このICが設けられたマイクロフルーイッドチップは流体を処理する。例えば、上記第3の実施の形態のマイクロフルーイッドチップにこのICが設けられている場合には、流体の分配を行ったり、止めたりする。このようなICを用いれば、任意のマイクロフルーイッドチップを所望に制御できる。
【0042】
本実施の形態では、基板60上のチップはそれぞれ球状の基材を有しており、それぞれの基材の大きさはほぼ等しいが、本発明はこれに限定されない。例えば、基材の内の少なくとも1つは球の一部が切り欠かれた形状を有していても良い。基材を基板60に固定する場合に、切り欠きを基板60に当接させれば、基材は確実に固定される。互いに隣り合う基材の、互いに対向する部分にそれぞれ切欠きを形成すれば、隣り合う基材を安定して固定できる。また、基材の形状は多面体、角錐、円錐、角柱、円柱を含む形状であっても良い。基材の長手方向の長さは、短手方向の長さの3倍以下であり、短手方向の1倍以上であることが好ましい。
【0043】
尚、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることは勿論である。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したことから明らかなように、本発明に従ったマイクロフルーイッドチップに用いられる流路の設計自由度は高い。本発明に従ったマイクロフルーイッドチップアレイを用いれば、互いに隣接する任意のマイクロフルーイッドチップ間で流体を容易に受け渡すことができる。これにより、3次元的に延びる、より複雑な流路を形成できるとともに、より複雑で様々な反応を行うことができる。本発明に従ったマイクロフルーイッドチップ及びマイクロフルーイッドチップアレイは、弾性表面波を利用しているので、感度良く流体を分析できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるマイクロフルーイッドチップの斜視図。
【図2】(A)は本発明の第2の実施の形態におけるマイクロフルーイッドチップの斜視図。(B)は(A)の2B−2B線で切断した断面図。
【図3】本発明の第3の実施の形態におけるマイクロフルーイッドチップに用いられる基材の表面の一部の平面図。
【図4】本発明の実施の形態におけるマイクロフルーイッドチップアレイの斜視図。
【図5】従来のマイクロフルーイッドチップの斜視図。
【図6】従来のマイクロフルーイッドチップアレイの斜視図。
【符号の説明】
1 基材
1a,1b,1c,1d,1e マイクロフルーイッドチップ
11 円環状表面
21,22,23 流路
25,26 流路
27,28 流路
21a 流路
21b,22b,23b,24b,25b 流路
25c,26c 流路
21d,22d 流路
21e 流路
30 ガイド部材
30c ガイド部材
31 ガイド
40 櫛形電極(弾性表面波励起手段)
43 櫛形電極(弾性表面波励起手段)
50 扇状流路
51 流路
60 基板
62a,62b,62c 流路

Claims (16)

  1. 基材と
    前記基材の表面を3次元的に延びていて流体を流し毛細管現象を生じさせる流路と
    を備えていることを特徴とするマイクロフルーイッドチップ。
  2. 前記流路は前記基材の表面にエッチングにより形成された溝である、ことを特徴とする請求項1に記載のマイクロフルーイッドチップ。
  3. 前記流路は前記基材の表面に平行に延びる2つの土手を設けることにより形成されている、ことを特徴とする請求項に記載のマイクロフルーイッドチップ。
  4. 前記基材は多面体である、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマイクロフルーイッドチップ。
  5. 前記基材は球形状をしている、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマイクロフルーイッドチップ。
  6. 前記流路は分岐しており、前記基材の表面には分岐位置に対向して弾性表面波励起手段が設けられていて、弾性表面波励起手段は前記分岐位置から分岐した流路に弾性表面波を伝搬し、この弾性表面波により前記分岐位置から分岐した流路に流体を移動させる、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のマイクロフルーイッドチップ。
  7. 基材と;
    前記基材の表面を3次元的に延びていて流体を流し毛細管現象を生じさせる流路と;
    を備えていて、
    前記基材の表面は、前記流路と接続され弾性表面波が励起され励起された弾性表面波が伝搬し周回する円環状表面を含んでいる、ことを特徴とするマイクロフルーイッドチップ。
  8. 前記流路は前記基材の表面にエッチングにより形成された溝である、ことを特徴とする請求項7に記載のマイクロフルーイッドチップ。
  9. 前記円環状表面には、前記円環状表面に前記弾性表面波を励起する弾性表面波励起手段が設けられている、ことを特徴とする請求項7又は8に記載のマイクロフルーイッドチップ。
  10. 前記基材は球形状をしている、ことを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のマイクロフルーイッドチップ。
  11. 前記基材は圧電特性を有する材料により形成されている、ことを特徴とする請求項7乃至10のいずれか1項に記載のマイクロフルーイッドチップ。
  12. 前記円環状表面に沿って延び前記流路から前記円環状表面に流体を導くガイド部材を使用している、ことを特徴とする請求項7乃至11のいずれか1項に記載のマイクロフルーイッドチップ。
  13. 前記ガイド部材は、前記円環状表面を覆い前記円環状表面に対向する部分に溝状のガイドが設けられていて、前記ガイドは前記流路と連通し前記流路から進入する流体に毛細管現象を生じさせる、ことを特徴とする請求項12に記載のマイクロフルーイッドチップ。
  14. 複数の基材と;
    前記複数の基材の各々の表面を3次元的に延びていて流体を流し毛細管現象を生じさせる流路と;
    を備えており、
    これらの基材は配列されており、互いに隣接する基材中の所定の基材の夫々の流路は互いに接続されている、ことを特徴とするマイクロフルーイッドチップアレイ。
  15. 複数の基材と;
    前記複数の基材の各々の表面を3次元的に延びていて流体を流し毛細管現象を生じさせる流路と;
    を備えており、
    これらの基材は配列されており、互いに隣接する基材中の所定の基材の夫々の流路は互いに接続されていて、
    前記少なくとも1つの基材の表面は、前記流路と接続され弾性表面波が励起され励起された弾性表面波が伝搬し周回する円環状表面を含んでおり、
    前記円環状表面には、前記円環状表面に前記弾性表面波を励起する弾性表面波励起手段が設けられており、
    前記少なくとも1つの基材は圧電特性を有する材料により形成されており、
    前記円環状表面に沿って延び前記流路から前記円環状表面に流体を導くガイド部材を使用しており、
    前記ガイド部材は、前記円環状表面を覆い前記円環状表面に対向する部分に溝状のガイドが設けられていて、前記ガイドは前記流路と連通し前記流路から進入する流体に毛細管現象を生じさせる、ことを特徴とするマイクロフルーイッドチップアレイ。
  16. 前記複数の基材の中の少なくとも1つの表面は球面である、ことを特徴とする請求項14又は15に記載のマイクロフルーイッドチップアレイ。
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