JP3771981B2 - 釣り用リールの回転支持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転支持構造、特に、釣り用リールの回転部材を支持部材に対して回転自在に支持するための釣り用リールの回転支持構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に釣り用リールのスプールやハンドル等を回転支持する回転支持構造には、回転を滑らかにするためにボールベアリングが用いられている。釣り用リールに用いられるボールベアリング、特に、外部に対して露出する回転支持構造には、通常、水の侵入による腐食等を防止するために内外輪の間にシール構造を有するシールドベアリングが用いられている。たとえば、両軸受リールでは、ハンドルの把手軸内に配置されたボールベアリングやスプール軸を支持するボールベアリングにシールドベアリングが用いられている。また、スピニングリールでは、ハンドル軸の両端に配置されたボールベアリングにシールドベアリングが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の回転支持構造では、淡水に対しては充分な耐蝕性が得られる。しかし、船釣りや磯釣り等の海釣りにより付着する塩分が多い海水に対しての耐蝕性が充分とは言えない。このため、海釣りに頻繁に使用すると、シールドベアリングといえども内外輪の間から海水が侵入し、鋼球や内外輪が腐食して回転が重くなることがある。
【0004】
本発明の課題は、釣り用リールの回転支持構造に用いられる軸受の耐蝕性を向上させることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
発明1に係る釣り用リールの回転支持構造は、釣り用リールの回転部材を支持部材に対して回転自在に支持するための構造であって、軸受と、シールリングとを備えている。軸受は、回転部材と支持部材との間に配置され、外輪、内輪、及び内輪と外輪との間に転動自在に配置された転動体を有している。シールリングは、軸受の外部に対して露出する側面に外輪と内輪とに接触可能に配置され、外径が外輪の外径と同径かつ内径が内輪の内径と同径となるように形成された合成樹脂製のリングである。
【0006】
この構造では、軸受の外輪と内輪の外部に対して露出する側面にシールリングが接触可能に配置されているので、外部から海水が侵入しても、軸受側に海水が入りにくくなり、軸受の耐蝕性が向上する。
【0007】
発明2に係る釣り用リールの回転支持構造は、発明1に記載の構造において、シールリングは、摩擦係数が小さいナイロン樹脂製である。この場合には、シールリングの摩擦係数が小さくなるので、シールリングが外輪と内輪とに接触しても回転抵抗が大きく増加しない。
【0008】
発明3に係る釣り用リールの回転支持構造は、発明1又は2に記載の構造において、軸受は、シール構造を有するシールド軸受である。この場合には、軸受自体がシール構造を有しているので、軸受の耐蝕性がさらに向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態による発電装置を採用した両軸受リールの平面図である。
【0010】
図1に示す両軸受リールは、リール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用ハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3と、カウンターケース4とを備えている。
【0011】
カウンターケース4内には、表示制御装置12と、各種のセンサ(図示せず)とが収容されているとともに、上面には液晶ディスプレイ13と、複数の操作スイッチ17とが表面に露出して設けられている。
【0012】
図2に示すように、リール本体1は、フレーム5と、フレーム5の両側方に装着された第1カバー6及び第2カバー7とを有している。フレーム5は、所定の間隔をあけて互いに対向するように配置された1対の側板8,9と、これらの側板8,9を連結する前連結部10及び後連結部11とを有している。第1カバー6と側板8とにより形成される空間及び第2カバー7と側板9とにより形成される空間内は、ほぼ水密に封止されている。
【0013】
フレーム5内には、スプール14と、スプール14に均一に糸を巻くためのレベルワインド機構16が配置されている。フレーム5と第2カバー7との間の空間には、ギア機構18と、クラッチ係脱機構19と、係脱制御機構20と、ドラグ機構21と、キャスティングコントロール機構22とが配置されている。
【0014】
ギア機構18は、ハンドル2からの回転力をスプール14及びレベルワインド機構16に伝える。クラッチ係脱機構19は、クラッチの係脱により、ギア機構18とスプール14との係合状態及び離脱状態を切り換える。係脱制御機構20は、クラッチレバー40の操作に応じてクラッチの係脱を制御する。キャスティングコントロール機構22は、スプール14の回転時の抵抗力を調整する。また、フレーム5と第1カバー6との間の空間には、スプール14とレベルワインド機構16とを連動させる3枚の連動ギア50a,50b,50cからなる連動ギア機構50が配置されている。この両軸受リールでは、スプール14とレベルワインド機構16とが連結されているので、レベルワインド機構16は、スプール14の回転方向に係わらず常にスプール14と連動して動作する。
【0015】
スプール14は、その中心を貫通するスプール軸15に固定されている。スプール軸15の図2左端部には連動ギア50aが固定されている。スプール軸15は軸受23a,23bによってフレーム5に回転自在に支持されている。軸受23bは、図3に示すように、側板9に嵌め込まれた外輪41と、スプール軸15に嵌め込まれた内輪42と、外輪41と内輪42とのあいだで転動する多数の鋼球43とを有している。軸受23aもほぼ同様な構造である。これらの軸受23a,23bは、ステンレス製のシールドボールベアリングである。軸受23a,23bの外部に露出するそれぞれの内側面には、外輪41と内輪42とに接触してシールリング44が配置されている。シールリング44は、たとえばナイロン樹脂等の摩擦係数が小さい合成樹脂製のリング部材であり、露出側から海水等の腐食しやすい液体が軸受側に侵入するのを防止するために設けられている。このシールリング44は摩擦係数が小さいので、外輪41と内輪42とに接触しても軸受15a,15bの回転抵抗はそれほど増加しない。一方、軸受23a,23bの外側面は、カバー6,7と側板8,9により閉鎖された空間内に面しているので、海水が侵入しにくい。このため、この側面にはシールリングは装着されていない。
【0016】
レベルワインド機構16は、1対の側板8,9間に固定されたガイド筒25と、ガイド筒25内に回転自在に支持されたウォームシャフト26と、ラインガイド27とを有している。ウォームシャフト26には螺旋状の溝が形成されており、ラインガイド27の一部がこの溝に噛み合っている。また、ウォームシャフト26の一端には連動ギア50cが固定されている。これにより、スプール14の回転に従ってウォームシャフト26が回転し、ラインガイド27がガイド筒25に沿って往復運動を行う。
【0017】
ギア機構18は、ドラグ機構21によりハンドル軸30と連動するメインギア31と、メインギア31に噛み合うピニオン32とを有している。ピニオン32は、クラッチ係脱機構19によりスプール軸15と係合あるいは離脱が可能である。
【0018】
ハンドル2は、図1に示すように、ハンドル軸30の先端に固定されたハンドルレバー45と、ハンドルレバー45の先端に固定された把手軸46と、把手軸46に回転自在に支持された把手47とを有している。把手軸46は、図4に示すように、ハンドルレバー45の先端にカシメ固定されている。把手軸46のハンドルレバー45側には他の部分より大径の鍔部46aが形成されている。把手47は、丸棒状の握り部47aと、握り部47aとT字形に直交するように握り部47aにねじ込まれた筒状の軸部47bとを有している。握り部47aの軸方向の中心部には凹穴47cが形成されており、この凹穴47cに軸部47bがねじ込まれている。軸部47bは、両端に拡径された大径部47dを有しており、この大径部47dの内部に把手47を回転自在に支持するための軸受48a,48bが装着されている。軸受48a,48bは、軸受15a,15aと同様なステンレス製のシールドボールベアリングである。また、軸受48aは、一側(図3左側)が外部に露出する軸受であり、その一側と把手軸46の鍔部46aとの間には、シールリング49が外輪51と内輪52とに接触して配置されている。シールリング49は、前述したシールリング44と同様な材質のリング部材である。このようなシールリング49を装着することで、軸受48aに外部から海水等が侵入しにくくなる。
【0019】
次に、この両軸受リールの動作を説明する。
【0020】
釣り糸を巻き取るときには、たとえば右手の人差し指と中指の間で軸部47bを挟んだ状態で、握り部47aを人差し指と中指とで握って手を円運動させ、ハンドル2を糸巻き取り方向に回す。すると、把手47がほぼ一定の姿勢を維持して円運動しハンドルレバー45が回転する。このため、軸部47bと把手軸46とが相対回転する。この回転は軸受48a,48bにより受けられる。この相対回転時に、シールリング49は軸受48aの外輪51と内輪52とに接触しているが、摩擦係数が小さいので回転抵抗の増加は少ない。しかも、シールリング49を装着することで外部から海水が侵入しにくくなり、軸受48aの耐蝕性が向上する。
【0021】
ハンドルレバー45の回転はハンドル軸30に伝達され、ドラグ機構21を介してメインギア31及びピニオン32が回転する。ピニオン32の回転は、クラッチ係脱機構19によりピニオン32と係合しているスプール軸15に伝達され、スプール14が回転して釣り糸を巻き取る。このスプール14の回転は連動ギア機構50を介してウォームシャフト26に伝達され、ウォームシャフト26の回転により前述のようにラインガイド27がガイド筒25に沿って往復運動を行う。この往復運動により、スプール14に均一に釣り糸が巻き取られる。このスプール14を支持する軸受23a,23bにもシールリング44が接触しているため、外部から海水が侵入しにくくなり、軸受23a,23bの耐蝕性が向上する。
【0022】
一方、釣り糸を繰り出すときには、クラッチレバー40を操作してクラッチ係脱機構19によりクラッチを離脱する。これにより、スプール軸15とピニオン32との嵌合が解除され、釣り糸は重り等の自重により繰り出され、スプール14が糸繰り出し方向に回転する。このとき、シールリング49により僅かに回転抵抗が発生するが、シールリングが摩擦係数が小さい合成樹脂製であるためその量はわずかであり、糸繰り出しに影響を与えるものではない。
【0023】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、両軸受リールの軸受の側面にシールリングを装着したが、スピニングリールや片軸受リール等の他の釣り用リールに装着してもよい。図5では、スピニングリールのハンドル軸を支持する軸受に装着した実施形態を示している。図5において、スピニングリールのハンドル軸61は、リール本体60に軸受62a,62bにより回転自在に支持されている。ハンドル軸61にはハンドル63から延びる断面正方形の軸部64が回転不能に挿入されている。また、ハンドル軸61にはマスターギア65が一体で形成されている。
【0024】
軸受62a,62bは、前述した軸受と同様のステンレス製のシールドボールベアリングである。この軸受62a,62bの外輪66及び内輪67に接触して外部に露出した外側にシールリング68,68が配置されている。このような実施形態でも前記同様な効果が得られる。
【0025】
(b) 前記実施形態では、軸受としてボールベアリングを用いたが、本発明はこれに限定されるものではなく、コロ軸受や針状軸受等の他の形式の軸受にも本発明を適用できる。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、軸受の外輪と内輪の外部に対して露出する側面にシールリングが接触可能に配置されているので、外部から海水が侵入しても、軸受側に海水が入りにくくなり、軸受の耐蝕性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を採用した両軸受リールの平面図。
【図2】 その横断面図。
【図3】 そのスプールを支持する軸受の断面拡大図。
【図4】 その把手を支持する軸受の断面拡大図。
【図5】 他の実施形態を採用したスピニングリールの背面断面図。
【符号の説明】
23a,23b,46a,62a,62b 軸受
41,51,66 外輪
42,52,67 内輪
43 鋼球
44,49,68 シールリング
Claims (3)
- 釣り用リールの回転部材を支持部材に対して回転自在に支持するための回転支持構造であって、
前記回転部材と支持部材との間に配置され、外輪、内輪、及び前記内輪と外輪との間に転動自在に配置された転動体を有する軸受と、
前記軸受の外部に対して露出する側面に前記外輪と内輪とに接触可能に配置され、外径が前記外輪の外径と同径かつ内径が前記内輪の内径と同径となるように形成された合成樹脂製のシールリングと、
を備えた釣り用リールの回転支持構造。 - 前記シールリングは、摩擦係数が小さいナイロン樹脂製である、請求項1に記載の釣り用リールの回転支持構造。
- 前記軸受は、シール構造を有するシールド軸受である、請求項1又は2に記載の釣り用リールの回転支持構造。
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