JP3771755B2 - 光自動等化器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超高速・大容量光通信システムの端局または中継局において、伝送特性の劣化要因となる波長分散または波形歪みを自動的に等化し、信号波形を整形する光自動等化器に関する。
【0002】
【従来の技術】
光伝送路の分散等化には、システム導入時に行うプリセット分散等化と、システム運用時に行う適応分散等化がある。
【0003】
プリセット分散等化には、光源波長をチューニングすることにより光ファイバ伝送路の分散を等化する方式や、受信側で可変分散等化器を用いる方式がある。このプリセット分散等化時の光ファイバ分散値の検出方法としては、特殊な信号を用いる方法と、データ主信号そのものを用いる方法が提案されている。
【0004】
特殊な信号を用いる方法には、モニタ信号の受信振幅から零分散波長を推定する方法(参考文献1:M.Tomizawa et al.,"Automatic Dispersion Equalization for Installing High Speed Optical Transmission Systems", J.Lightwave Technol., vol.16, no.2, p.184, 1998)や、位相シフトをモニタする方法(参考文献2:A.Sano et al.,"Adaptive dipersion equalization of 8-ps pulses in 400-km transmission line by monitoring relative phase shift between spacing-fixed WDM signals", Proc.OFC'99, WJ4, p.165, 1999) がある。また、データ主信号を用いる方法には、タイミング抽出回路からのクロック出力を分岐してモニタすることにより、最適動作点を検知する方法(参考文献3:大井 他、「波長可変レーザを用いた40Gbit/s 自動分散等化実験」、1998年電子情報通信学会通信ソサイエティ大会、B-10-96)がある。
【0005】
可変分散等化器には、光スイッチにより複数の分散補償ファイバから最適な分散値を有するものを選択する方法(参考文献4:A.Sano et al.,"Automatic dispersion equalization by monitoring extracted clock power level in a 40-Gbit/s, 200-km transmission line", ECOC'96, TuD.3.5, 1996) や、ファイバグレーティングに張力を与える方法(参考文献5:T.Imai et al.,"Dispersion Tuning of a Linearly Chirped Fiber Bragg Grating without a Center Wavelength Shift by Applying a Strain Gradient", IEEE Photo. Technol. Lett., vol.10, no.6, p.845, 1998) または温度勾配を与える方法(参考文献6:D.Garthe et al.,"Adjustable dispersion equalizer for 10 and 20Gbit/s over distances up to 160km", Electron. Lett.,vol.30, no.25, p.2159, 1994) や、平面型導波路(PLC)を用いる方法(参考文献7:K.Takiguchi et al.,"Dispersion Slope Equalizer for Dispersion Shifted Fiber Using a Lattice-Form Programmable Optical Filter on a Planar Lightwave Circuit", IEEE J.Lightwave Technol., vol.16, no.9, p.1647, 1998) などがある。
【0006】
分散補償ファイバによる可変分散等化器は、分散可変範囲が広い利点があるが、分散値を連続的に変化させることができないので高精度な分散等化が困難である問題点がある。ファイバグレーティングによる可変分散等化器は、逆に連続的に分散値を変化させることができ、高精度な分散等化ができる利点があるが、分散値を大きくすると帯域が狭くなる問題点がある。また、平面型導波路による可変分散等化器は、高精度に分散値を設定できる利点があるが、狭帯域で挿入損失が大きく、また制御が難しい問題点がある。
【0007】
適応分散等化には、連続的に光源波長を変化させる方法があるが、可変分散等化器を用いた方法はこれまでに提案されていない。適応分散等化時には、環境変化による分散値の増加・減少の変動方向を検知する方法が必要になる。これには、モニタ波長を設定する方法(参考文献1,2)や、光源波長を常時揺らすことによって検知する方法(参考文献3)があるが、これらは信号光波長が変化するとともに、特に前者はシステムが複雑になる問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、プリセット分散等化および適応分散等化方法において、光源波長をチューニングする方法では、送信側および受信側の双方に装置が必要になり装置が複雑かつ高コストになる問題がある。また、可変分散等化器を用いる方法では、受信側のみで対応でき、装置の簡略化および低コスト化が図れるが、これまでに有効な適応分散等化用の可変分散等化器はなかった。
【0009】
また、光通信システムにおいて、更なる高速化を目的として信号パルスに波形整形を施す方法がある。特に、ソリトン伝送では「ソリトン制御」と呼ばれる手法が開発されており(参考文献8:H.Kubota et al.,"Soliton Transmission Control in Time and Frequency Domains", IEEE J.Quantum Electron., vol.29, no.7, p.303, 1993)、ソリトン波形の歪み、タイミングジッタの低減が可能になっている。例えば、同期変調を用いると、信号パルスのタイミングジッタを補正することができ、また光フィルタを用いるとソリトンパルスのエネルギーが安定化され、強度揺らぎを減らすことができる。しかし、この方法は光伝送路において提案されたものであり、光等化器の一素子としてエネルギーの安定化などに利用された例はない。
【0010】
本発明は、プリセット分散等化機能と適応分散等化機能を兼ね備え、さらに信号のタイミングジッタと強度揺らぎの両方を同時に補正することができる高性能な光自動等化器を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明の光自動等化器の基本構成を示す。図において、本発明の光自動等化器は、分散等化部1と波形整形部4の2つの機能部から構成される。
【0012】
分散等化部1は、複数の分散媒質を選択する可変分散等化器の分散可変範囲が広い利点を活かして大まかに分散等化を行う粗動部2と、2種類のチャープファイバグレーティングを組み合わせた可変分散等化器の分散値が連続可変でき、高精度な分散等化が可能な利点を活かして細かく分散等化を行う微動部3により構成される。この粗動部2と微動部3を組み合わせることにより、大きなダイナミックレンジの可変分散等化器を構成する。
【0013】
粗動部2では、分散媒質通過後の信号光からクロック信号レベルを検出し、そのクロック信号レベルが最大になる分散値を有する分散媒質を選択する構成である。
【0014】
微動部3では、可変分散等化器通過後の信号光を2つの経路に分岐し、一方の経路には正の分散値を有する光ファイバを配置し、他方の経路には負の分散値を有する光ファイバを配置し、各光ファイバを通過した信号光のクロック信号レベルの差を検出し、その差が最小になるように可変分散等化器をチューニングする構成である。また、クロック信号の高次成分同士を比較して2つの経路のクロック信号レベル差を検出してもよい。
【0015】
微動部3の可変分散等化器のチューニング手段は、2つのチャープファイバグレーティングをピエゾ素子に固定してその伸縮量を制御する構成、またはヒータに固定してその温度勾配を制御する構成である。
【0016】
このような微動部3では、可変分散等化器の等化領域を時間領域で連続的に制御することが可能であるので、環境温度による分散変動、摂動による波形歪みを等化することができる。
【0017】
さらに、波形整形部4は、分散等化部1で分散等化された信号光を入力し、その信号光から抽出したクロック信号に同期した光変調によりパルス幅の狭化およびタイミングジッタの低減を行うタイミングジッタ補正部5と、信号光を基本ソリトンより大きなパワーに増幅し、さらに高非線形な分散媒質に入力して強度揺らぎをスペクトル広がりの揺らぎに変換し、光帯域フィルタを通過させて信号光の強度揺らぎを除去した信号光を出力する強度揺らぎ補正部6により構成される。
【0018】
また、タイミングジッタ補正部5では、同期変調によりパルス幅が狭化されるので、偏波モード分散(Polarization Mode Dispersion:PMD)による波形広がりを抑圧することができる(参考文献9:A.Sahara et al.,"Ultra high speed soliton transmission in the presence of polarization mode dispersion using in-line synchronous modulation", Proc. OFC'99, WC3, p.38, 1999)。
【0019】
【発明の実施の形態】
(分散等化部1の粗動部2の構成例)
図2は、分散等化部1の粗動部2の構成例を示す。図において、粗動部2は、互いに異なる分散値をもつ複数の分散媒質21−1〜21−nを並列に配置し、入力側に接続した光スイッチ22−1と出力側に接続した光スイッチ22−2によりその1つを選択する構成である。クロック抽出回路23は、光スイッチ22−2の出力信号光の一部を光カプラ24を介して入力し、クロック信号レベルを測定する。制御回路25は、クロック抽出回路23で測定されるクロック信号レベルが最大になる分散媒質を選択するように、光スイッチ22−1,22−2を切り替える。
【0020】
(分散等化部1の微動部3の構成例)
図3は、分散等化部1の微動部3の構成例を示す。図において、微動部3は、2種類のチャープファイバグレーティングを組み合わせた可変分散等化器31を用いた構成である。クロック信号レベル差検出回路32は、可変分散等化器31の出力信号光の一部を光カプラ33−1,33−2を介して入力し、後述する構成により2経路のクロック信号レベルの差を測定する。制御回路34は、クロック信号レベル差検出回路32で測定される2経路のクロック信号レベルの差が最小になるように可変分散等化器31を制御する。
【0021】
図4は、分散可変等化器31の構成例を示す。図において、分散可変等化器31は、反射波長の長波長側から光を入射する第1のチャープファイバグレーティング311と、短波長側から光を入射する第2のチャープファイバグレーティング312とを、図4(a) のようにカスケード接続された3ポート型光サーキュレータ313,314の各第2ポートに順不同に接続するか、図4(b) のように4ポート型光サーキュレータ315の第2ポートおよび第3ポートに順不同に接続して透過型フィルタを構成したものである。そして、チューニング手段により、各チャープファイバグレーティングの反射波長域を同一方向に等しく移動させる構成である。
【0022】
図5は、チャープファイバグレーティングのチューニング手段の構成例を示す。図5(a) は、2つのチャープファイバグレーティング311,312をピエゾ素子316に接着固定し、このピエゾ素子316に電圧を印加して伸縮量を制御し、各チャープファイバグレーティングの反射波長域を同一方向にシフトさせる構成である。図5(b) は、2つのチャープファイバグレーティング311,312をヒータ317に接着固定し、このヒータ317に電流を流して温度勾配を制御し、各チャープファイバグレーティングの反射波長域を同一方向にシフトさせる構成である。図5(c) は、2つのチャープファイバグレーティング311,312の両側にピエゾ素子316−1,316−2の配置し、各チャープファイバグレーティングを両側から引っ張る構成により伸縮量を増大させる。
【0023】
第1のチャープファイバグレーティング311の長手方向の反射波長の分布λ(z) は、グレーティング長をL、反射波長の最短波長をλS 、最長波長をλL 、Δλ=λL −λS 、最短波長部分を原点として長手方向にとった座標軸の座標をzとしたときに、
λ(z) =λS+Δλ(z/L)1/2 …(1)
で表される。
【0024】
第2のチャープファイバグレーティング312の長手方向の反射波長の分布λ(z) は、同様に、
λ(z) =λS+Δλ{1−(1−z/L)1/2} …(2)
で表される。
【0025】
図6は、式(1) で表される第1のチャープファイバグレーティング311のモデルおよび群遅延特性を示す。なお、グレーティングのピッチは段階的に変化していくが、ここでは短波長側が細かく、長波長側が粗い状態で模式的に表している。図6(a) に示すように、チャープファイバグレーティングの長波長側から波長λの光を入射すると、図6(b) に示すような群遅延特性が得られる。この場合の群遅延量は、
DelayA(λ)=−(τ0/Δλ2)(λ−λS)2+τ0 …(3)
と表される。ただし、
Δλ=λL−λS …(4)
τ0 =2nL/c …(5)
であり、nはコアの有効屈折率、cは光速である。
【0026】
図7は、式(2) で表される第2のチャープファイバグレーティング312のモデルおよび群遅延特性を示す。ただし、表記法は図6に示す第1のチャープファイバグレーティングと同様である。図7(a) に示すように、チャープファイバグレーティングの短波長側から波長λの光を入射すると、図7(b) に示すような群遅延特性が得られる。この場合の群遅延量は、
DelayB(λ)=−(τ0/Δλ2)(λ−λL)2+τ0 …(6)
と表される。
【0027】
次に、3ポート型光サーキュレータ313,314または4ポート型光サーキュレータ315により結合する両チャープファイバグレーティング311,312の群遅延特性を足し合わせると、図8に示すような上に凸の2次曲線が得られる。この場合の群遅延量は、
【0028】
【数1】
【0029】
と表される。また、式(7) を波長に関して微分して得られる波長分散関数は、
【0030】
【数2】
【0031】
と表され、この波長分散特性は図9のようになる。ここに示す波長分散特性は、波長が長くなるにつれて波長分散が正から負へと線形に変化しており、図10に示すような通常の分散シフトファイバの波長分散特性と逆になっている。なお、図9に示す波長分散の最大値は2τ0 /Δλ、最小値は−2τ0 /Δλであり、図10におけるλ0 は零分散波長である。
【0032】
ところで、図9に示す波長分散特性(等化領域の中心波長)は、図5に示すチューニング手段により各チャープファイバグレーティング311,312の反射波長域を同一方向に等しく移動させることにより、線形にチューニング可能である。このときの波長分散特性は、図11に示すように平行移動する。
【0033】
図11(a) において、破線を初期特性として短波長側にΔλ/2だけチューニングしたときの特性を実線で示す。ある波長λsig に注目すると、λsig の波長分散は初期状態では0であるが、このチューニングによって波長分散は−2τ0 /Δλと変化する。一方、図11(b) において、破線を初期特性として長波長側にΔλ/2だけチューニングしたときの特性を実線で示すと、このチューニングによって波長λsig の波長分散は2τ0 /Δλと変化する。
【0034】
このように、各チャープファイバグレーティング311,312の反射波長域を同一方向に等しくチューニングすることにより、ある波長λsig に対する波長分散を−2τ0 /Δλから2τ0 /Δλまで変化させることができる。したがって、ある光伝送路に対して要求される波長λsig に対する分散補償量が−2τ0 /Δλから2τ0 /Δλまでの間にあれば、チャープファイバグレーティング311,312に対するチューニングにより分散補償が可能である。すなわち、図4に示すような透過型フィルタは、チャープファイバグレーティング311,312の反射波長域のチューニングにより、透過する光の波長分散が変化する可変分散等化器として動作することになる。
【0035】
図12は、微動部3のクロック信号レベル差検出回路32の構成例を示す。クロック信号レベル差検出回路32は、可変分散等化器31を構成するチャープファイバグレーティング311,312の反射波長域の最適点を検知するための構成になっている。
【0036】
図において、光カプラ33−1で分岐した信号光は正の分散を有する光ファイバ321に入力され(経路1)、光カプラ33−2で分岐した信号光は負の分散を有する光ファイバ322に入力される(経路2)。各経路の光ファイバを通過した信号光は、それぞれフォトダイオード(PD)323−1,323−2で電気信号に変換され、帯域フィルタ(BPF)324−1,324−2を介してRFディテクタ325−1,325−2に入力し、クロック信号レベルが検出される。各経路のクロック信号レベルは差分器326で比較され、その差信号が制御回路34に入力される。
【0037】
ここで、微動部3が動作する前は高精度に分散等化が行われていないので、どちらかの経路のクロック信号レベルが大きくなる。その様子を図13(a) に示す。ここで、制御回路34は、各経路のクロック信号レベルが同じ値(差信号が最小)になるように、可変分散等化器31を構成するチャープファイバグレーティング311,312の反射波長域をチューニングする。このとき、高次のクロック信号間の比較を行ってもよい。例えば、10Gbit/s の基本クロックの比較は10GHzで行うが、高次クロックの比較には20GHz、30GHzなどで行うことを意味する。このような方法により、微動部3の出力では、信号光のクロック信号レベルを最大にすることができ、高い精度のプリセット分散等化が可能となる。このときの状態を図13(b) に示す。
【0038】
(分散等化部1のプリセット分散等化時の動作)
以上示した分散等化部1の粗動部2および微動部3により、プリセット分散等化時の群遅延、波長分散の変化を図14を参照して説明する。図14(a) はプリセット等化前の状態を示す。分散シフトファイバ(DSF)の分散値Dおよび相対群遅延τg が信号波長λsig に対して、それぞれDa およびτa になっている。図14(b) は粗動部2による等化処理後の状態を示す。粗動部2で適当な分散媒質(DCF)を選択することにより、信号波長λsig に対する分散値Dおよび相対群遅延τg が、それぞれDb およびτb になる。図14(c) は微動部3による等化処理後の状態を示す。微動部3の可変分散等化器31の等化領域の中心波長を零分散波長λ0 と一致するように制御することにより、等化領域全体で分散量を0にでき、プリセット分散等化が行われる。
【0039】
(分散等化部1の適応分散等化時の動作)
次に、システム運用時に行う適応分散等化について、図15を参照して説明する。システム運用時には、歪みや温度変化などの環境変化により、光ファイバ伝送路(分散シフトファイバDSF)の零分散波長が変化する。この零分散波長の変化に追従するように、チャープファイバグレーティング311,312の反射波長域をチューニングすることにより、零分散波長と可変分散等化器31の等化領域の中心波長を一致させることができる。これにより、分散変動を等化することができる。
【0040】
ここで、この分散変動時に発生する分散値Df を図16に基づいて計算すると次のようになる。まず、分散シフトファイバ(DSF)の群遅延特性を
τg(DSF)=(1/2) D0(λ−λ0)2 …(9)
と表す。ここで、τg は群遅延、D0 は分散スロープ、λは波長、λ0 は零分散波長である。
【0041】
一方、チャープファイバグレーティング311,312を用いた可変分散等化器31の群遅延特性τg(NLCFG)は、
τg(NLCFG)=−(1/2) D0(λ−λ0)2 …(10)
と表される。
【0042】
ここで、環境変化により分散シフトファイバの零分散波長がΔλだけ長波長側に変化したとすると、分散シフトファイバの群遅延特性は、
τg(DSF)=(1/2) D0{λ−(λ0+Δλ)}2 …(11)
となる。この式(10)と式(11)の共通接線の接点AおよびBの座標は、
A(λ0 ,D0Δλ2/2)
B(λ0+Δλ,−D0Δλ2/2)
となる。また、共通接線ABの傾きは、
−(D0Δλ2/2+D0Δλ2/2)/Δλ=−D0Δλ …(12)
と求められ、分散値Df は直線ABの傾きに等しいので
Df =−D0Δλ …(13)
となる。
【0043】
よって、微動部3のクロック抽出回路32で経路1,2を通る信号では、図17に示すように、それぞれ異なる分散値の影響を受ける。この分散を等化するように零分散波長と可変分散等化器31の等化領域の中心波長を一致させる。これにより、分散変動を等化することができる。
【0044】
(波形整形部4のタイミングジッタ補正部5の構成例)
図18は、波形整形部4のタイミングジッタ補正部5の構成例を示す。図において、タイミングジッタ補正部5は、光カプラ51で分岐した信号光を電気信号に変換する光電変換回路52と、電気信号からクロック信号を抽出するクロック抽出回路53と、クロック信号に同期した変調信号を生成する変調信号位相調整回路54と、この変調信号により入力信号光を同期変調する光変調器55により構成される。
【0045】
このような構成のタイミングジッタ補正部5に入力された信号光は、図19に示すように、抽出したクロック信号に同期した変調により、時間領域で信号のパルス幅が強制的に狭くなり、タイミングジッタが抑圧される。また、同期変調により強制的にパルス幅を狭くできるので、PMDによる波形広がりを抑圧する機能もあり、高ビットレート伝送システムで問題となってくるPMDによる波形広がりを補償し、伝送距離を拡張することができる。
【0046】
(波形整形部4の強度揺らぎ補正部6の構成例)
図20は、波形整形部4の強度揺らぎ補正部6の構成例を示す。図において、強度揺らぎ補正部6は、光増幅器61と、高非線形分散シフトファイバ(DSF)62と、光帯域フィルタ(光BPF)63を順に接続した構成である。光増幅器61で基本ソリトンより大きなパワーに増幅された入力信号光は、図21に示すように強度揺らぎをもっている。これを高非線形DSF62に通すと、自己位相変調によって信号パルスの強度揺らぎはスペクトル広がりの揺らぎに変換される。このスペクトル広がりの揺らぎは、光BPF63を通すことにより除去される。これにより、入力信号光の強度揺らぎが補正される。
【0047】
このような強度揺らぎ補正部6は、光ファイバを光等化器用素子として用い、ソリトンによる安定化の機能をソリトン伝送ではなく、エネルギー安定化素子として用いることが特徴である。
【0048】
【実施例】
(分散等化部1の実施例)
図22は、分散等化部1の実施例構成を示す。図において、分散等化部1の粗動部2の基本構成は図2に示すものであり、ここではクロック抽出回路23の構成を具体的に示す。クロック抽出回路23は、光カプラ24で分岐した信号光をフォトダイオード(PD)231で電気信号に変換し、この電気信号を帯域フィルタ(BPF)232を介してRFディテクタ233に入力し、クロック信号レベルを検出し、制御回路25に入力する。分散等化部1の微動部3の基本構成は図3に示すものであり、可変分散等化器31の構成は図4,5に示す通りであり、クロック抽出回路32の構成は図12に示す通りである。
【0049】
(プリセット分散等化)
システム導入時におけるプリセット分散等化方法の実施例を示す。分散等化部1は、80km間隔の線形中継器の部分に配置される。粗動部2の分散媒質21−1〜21−4には、分散補償ファイバと分散スロープ補償ファイバを用いる。分散スロープ補償ファイバを用いるのは、粗動部2での分散をフラットにするためである。分散補償ファイバの代わりに、線形チャープファイバグレーティングを用いてもよい。また、微動部3での可変分散等化器31には、光ファイバ伝送路(分散シフトファイバ)の群遅延プロファイルと全く逆の群遅延プロファイルをもつものを用いる。ここで、分散媒質21−1〜21−4の分散値を信号光波長1550nmにおいて−40ps/nm 〜+40ps/nm とすると、粗動部2で大まかに分散補償することができるので、微動部3の分散値変動可変幅の20ps/nm を考慮し、−30ps/nm 、−10ps/nm 、+10ps/nm 、+30ps/nm の光ファイバを用いる。
【0050】
微動部3の可変分散等化器31の分散スロープは、式(8) から
D0 =−8ngL/(cΔλ2) …(14)
となる。ここで、ng は群屈折率、Lはグレーティング長、cは真空中の光速、Δλは各チャープファイバグレーティングの帯域である。分散シフトファイバの分散スロープは0.07ps/km/nm2 であるので、80kmの分散シフトファイバの分散スロープは5.6ps/nm2 となる。この分散スロープを補償する可変分散等化器31の(L=10mm)の帯域Δλを式(14)により計算すると、
となる。
【0051】
ところで、不要な群遅延リップルを低減させるために、この2つのチャープファイバグレーティングにアポディゼーションを行うと有効帯域は狭くなることが知られている(参考文献10:D.Pastor et al.,"Design of Apodised Linearly Chirped Fiber Grating for Dispersion Compensation", IEEE J.Lightwave Technol., vol.14, no.11, p.2581, 1996)。有効帯域が 8.4nmから 6.7nmに変化したとすると、分散値可変幅は約 38 ps/nm となる。分散値変化の余裕を考慮すると、−10ps/nm 〜+10ps/nm を微動部3の分散値変動可能領域とする。
【0052】
このとき、可変分散等化器31のピエゾ素子316に電圧を印加し、1対のチャープファイバグレーティング(各グレーティング長は10mm)311,312を 0.3%伸ばすと、等化領域の中心波長を 3.5mm変化させることができる。
【0053】
以上の構成において、システム導入時に、信号光のクロック信号レベルが最も大きくなるように、粗動部2の光スイッチ22−1,22−2を切り替え、分散媒質21−1〜21−4の1つを選択する。なお、クロック信号レベルが大きいほど、分散等化されパルス幅が狭くなる。
【0054】
粗動部2で大まかな分散等化を行った後に、微動部3では正の分散(+5ps/nm)を有する光ファイバ321の経路1と、負の分散(−5ps/nm)を有する光ファイバ322の経路2をそれぞれ通過した信号からクロック信号レベルを測定する。このとき、図13に示すように、まだ高精度に分散等化が行われていないので、どちらかの経路のクロック信号レベルが大きくなる。そこで、各経路のクロック信号レベルが同じ値(誤差信号が最小)になるように、可変分散等化器31を構成するチャープファイバグレーティング311,312の反射波長域をチューニングする。これにより、分散等化部1の出力信号光のクロック信号レベルを最も高くすることができ、高い精度をもつ分散等化が可能となる。
【0055】
(適応分散等化)
次に、システム運用時における適応分散等化方法の実施例を示す。これは、分散等化部1の微動部3で行われる。プリセット等化と同様に、正の分散(+5ps/nm)を有する光ファイバ321の経路1と、負の分散(−5ps/nm)を有する光ファイバ322の経路2をそれぞれ通過した信号からクロック信号レベルを測定する。システム運用時には、歪みや温度変化などの環境変化によって光ファイバ伝送路の零分散波長が変化し、図17に示すように分散値Df が発生する。この分散変動により、図13に示すように、どちらかの経路のクロック信号レベルが大きくなる。このクロック信号レベルが同じ値になるように、可変分散等化器31を構成するチャープファイバグレーティング311,312の反射波長域をチューニングする。これにより、等化領域の中心波長と零分散波長を一致させ、高い精度で分散変動を等化することができる。
【0056】
(波形整形部4の実施例)
図23は、波形整形部4の実施例構成を示す。図において、波形整形部4のタイミングジッタ補正部5の基本構成は図18に示すものであり、ここでは各部の実施例構成を示す。光カプラ51で分岐した信号光は、フォトダイオード(PD)521で電気信号に変換され、電気増幅器522−1、帯域フィルタ(BPF)523、電気増幅器522−2を介してデバイダ524で2分岐される。デバイダ524で2分岐された一方の電気信号はRFディテクタ531に入力されてクロック信号が抽出され、他方の電気信号は位相シフタ541に入力される。制御回路532は、RFディテクタ531で抽出されたクロック信号により位相シフタ541を制御し、クロック信号に同期した変調信号を生成する。位相シフタ541から出力される変調信号は電気増幅器542で増幅され、光変調器55を駆動して入力信号光を変調する。これにより、時間領域で信号光のパルス幅を狭くでき、タイミングジッタを抑圧することができる。
【0057】
波形整形部4の強度揺らぎ補正部6の構成は図20に示す通りである。光増幅器61で入力信号光を基本ソリトンより大きなパワー(1.6 基本ソリトンパワー)に増幅する。これを高非線形分散シフトファイバ62(MFD=5.2 μm、D=+3.2ps/km/nm 、L=1.3 Z0 )に通すと、自己位相変調により信号パルスの強度揺らぎはスペクトル広がりの揺らぎに変換される。このスペクトルが広がったパルスを光帯域フィルタ63(帯域幅=1nm)に通すことにより、スペクトル広がりが除去され、強度揺らぎを補正することができる。
【0058】
(他の実施例)
可変分散等化器31のチャープファイバグレーティングの反射波長域が広帯域であるので、その帯域内に複数のチャネルを割り当てることができる。このため、本発明の光自動等化器を波長分割多重(WDM)伝送に適用することが可能である。例えは、中継間隔80kmの分散シフトファイバ伝送路において、40Gbit/s のビットレートを4チャネル設定するものとする。各チャネルの割り当て波長は、1547.6、1549.2、1550.8、1552.4nmとする。可変分散等化器31の等化領域の中心波長を2nmチューニング可能とし、帯域幅を11nm(アポディゼーションなし)とすると、式(14)からグレーティング長17.4mmのチャープファイバグレーティングを用いればよいことがわかる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の光自動等化器は、システム導入時に光ファイバ伝送路の波長分散をプリセット等化することができ、またシステム運用時には、環境変化による光伝送路の分散変動を自動的に適応等化することができる。
【0060】
さらに、波形整形機能を付加することにより、信号パルスのタイミングジッタおよび強度揺らぎを補正し、パルス幅の狭化によりPMDを抑圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光自動等化器の基本構成を示すブロック図。
【図2】分散等化部1の粗動部2の構成例を示すブロック図。
【図3】分散等化部1の微動部3の構成例を示すブロック図。
【図4】可変分散等化器31の構成例を示す図。
【図5】チャープファイバグレーティングのチューニング手段の構成例を示す図。
【図6】式(1) で表されるチャープファイバグレーティング311のモデルおよび群遅延特性を示す図。
【図7】式(2) で表されるチャープファイバグレーティング312のモデルおよび群遅延特性を示す図。
【図8】チャープファイバグレーティング311,312の群遅延特性の和を示す図。
【図9】チャープファイバグレーティング311,312の波長分散特性の和を示す図。
【図10】通常の光ファイバの波長分散特性を示す図。
【図11】可変分散等化器31の波長分散特性のチューニング例を示す図。
【図12】微動部3のクロック信号レベル差検出回路32の構成例を示すブロック図。
【図13】微動部3における分散等化微動方法を説明する図。
【図14】プリセット分散等化時の群遅延、波長分散の変化を示す図。
【図15】環境変化による分散変動に対する適応等化を説明する図。
【図16】分散変動により発生する分散値の計算方法を説明する図。
【図17】微動部3のクロック信号レベル差検出回路32の経路1,2を通る信号が影響を受ける分散値の分散変動による変化を説明する図。
【図18】波形整形部4のタイミングジッタ補正部5の構成例を示すブロック図。
【図19】タイミングジッタの抑圧方法を説明する図。
【図20】波形整形部4の強度揺らぎ補正部6の構成例を示すブロック図。
【図21】強度揺らぎの除去方法を説明する図。
【図22】分散等化部1の実施例構成を示す図。
【図23】波形整形部4の実施例構成を示す図。
【符号の説明】
1 分散等化部
2 粗動部
21 分散媒質
22 光スイッチ
23 クロック抽出回路
231 フォトダイオード(PD)
232 帯域フィルタ(BPF)
233 RFディテクタ
24 光カプラ
25 制御回路
3 微動部
31 可変分散等化器
311,312 チャープファイバグレーティング
313,314 3ポート型光サーキュレータ
315 4ポート型光サーキュレータ
316 ピエゾ素子
317 ヒータ
32 クロック信号レベル差検出回路
321,322 光ファイバ
323 フォトダイオード(PD)
324 帯域フィルタ(BPF)
325 RFディテクタ
326 差分器
33 光カプラ
34 制御回路
4 波形整形部
5 タイミングジッタ補正部
51 光カプラ
52 光電変換回路
521 フォトダイオード(PD)
522 電気増幅器
523 帯域フィルタ(BPF)
524 デバイダ
53 クロック抽出回路
531 RFディタクタ
532 制御回路
54 変調信号位相調整回路
541 位相シフタ
542 電気増幅器
55 光変調器
6 強度揺らぎ補正部
61 光増幅器
62 高非線形分散シフトファイバ(DSF)
63 光帯域フィルタ(光BPF)
Claims (6)
- 光ファイバ伝送路の波長分散などによる波形広がりや歪みなどを自動的に等化する光自動等化器において、
第1の3ポート型光サーキュレータの第1ポートを入力ポートとし、第2の3ポート型光サーキュレータの第3ポートを出力ポートとし、第1の3ポート型光サーキュレータの第3ポートと第2の3ポート型光サーキュレータの第1ポートをカスケード接続し、第1の3ポート型光サーキュレータの第2ポートに反射波長の長波長側から光を入射する第1のチャープファイバグレーティングを接続し、第2の3ポート型光サーキュレータの第2ポートに反射波長の短波長側から光を入射する第2のチャープファイバグレーティングを接続するか、あるいは第1の3ポート型光サーキュレータの第2ポートに前記第2のチャープファイバグレーティングを接続し、第2の3ポート型光サーキュレータの第2ポートに前記第1のチャープファイバグレーティングを接続し、前記光ファイバ伝送路の群遅延プロファイルと逆の群遅延プロファイルを実現する可変分散等化器と、
前記可変分散等化器通過後の信号光を3つの経路に分岐し、第1の経路から信号光を出力するとともに、第2の経路には正の分散値を有する光ファイバを配置し、第3の経路には負の分散値を有する光ファイバを配置し、各光ファイバを通過した信号光のクロック信号レベルの差を検出し、その差が最小になるように前記可変分散等化器のチャープファイバグレーティング対の反射波長域を同一方向に等しく移動するチューニングにより波形広がり・歪みを細かく補正する手段と
を備えたことを特徴とする光自動等化器。 - 光ファイバ伝送路の波長分散などによる波形広がりや歪みなどを自動的に等化する光自動等化器において、
4ポート型光サーキュレータの第1ポートを入力ポートとし、第4ポートを出力ポートとし、第2ポートに反射波長の長波長側から光を入射する第1のチャープファイバグレーティングを接続し、第3ポートに反射波長の短波長側から光を入射する第2のチャープファイバグレーティングを接続するか、あるいは第2ポートに前記第2のチャープファイバグレーティングを接続し、第3ポートに前記第1のチャープファイバグレーティングを接続し、前記光ファイバ伝送路の群遅延プロファイルと逆の群遅延プロファイルを実現する可変分散等化器と、
前記可変分散等化器通過後の信号光を3つの経路に分岐し、第1の経路から信号光を出力するとともに、第2の経路には正の分散値を有する光ファイバを配置し、第3の経路には負の分散値を有する光ファイバを配置し、各光ファイバを通過した信号光のクロック信号レベルの差を検出し、その差が最小になるように前記可変分散等化器のチャープファイバグレーティング対の反射波長域を同一方向に等しく移動するチューニングにより波形広がり・歪みを細かく補正する手段と
を備えたことを特徴とする光自動等化器。 - 光ファイバ伝送路の波長分散などによる波形広がりや歪みなどを自動的に等化する光自動等化器において、
互いに異なる分散値をもつ複数の分散媒質と、その1つを選択して前記光ファイバ伝送路から入力する信号光を通過させる光スイッチとを有し、信号光の波形広がり・歪みを大まかに補正する粗動部と、
第1の3ポート型光サーキュレータの第1ポートを入力ポートとし、第2の3ポート型光サーキュレータの第3ポートを出力ポートとし、第1の3ポート型光サーキュレータの第3ポートと第2の3ポート型光サーキュレータの第1ポートをカスケード接続し、第1の3ポート型光サーキュレータの第2ポートに反射波長の長波長側から光を入射する第1のチャープファイバグレーティングを接続し、第2の3ポート型光サーキュレータの第2ポートに反射波長の短波長側から光を入射する第2のチャープファイバグレーティングを接続するか、あるいは第1の3ポート型光サーキュレータの第2ポートに前記第2のチャープファイバグレーティングを接続し、第2の3ポート型光サーキュレータの第2ポートに前記第1のチャープファイバグレーティングを接続し、前記光ファイバ伝送路の群遅延プロファイルと逆の群遅延プロファイルを実現する可変分散等化器を有し、そのチャープファイバグレーティング対の反射波長域を同一方向に等しく移動するチューニングにより波形広がり・歪みを細かく補正する微動部とを備え、
前記粗動部は、前記分散媒質通過後の信号光を分岐し、帯域フィルタを介してクロック成分を抽出してクロック信号レベルを検出し、そのクロック信号レベルが最大になる分散値を有する分散媒質の1つを選択する構成であり、
前記微動部は、前記粗動部から出力される信号光を入力し、前記可変分散等化器通過後の信号光を3つの経路に分岐し、第1の経路から信号光を出力するとともに、第2の経路には正の分散値を有する光ファイバを配置し、第3の経路には負の分散値を有する光ファイバを配置し、各光ファイバを通過した信号光のクロック信号レベルの差を検出し、その差が最小になるように前記可変分散等化器をチューニングする構成である
ことを特徴とする光自動等化器。 - 光ファイバ伝送路の波長分散などによる波形広がりや歪みなどを自動的に等化する光自動等化器において、
互いに異なる分散値をもつ複数の分散媒質と、その1つを選択して前記光ファイバ伝送路から入力する信号光を通過させる光スイッチとを有し、信号光の波形広がり・歪みを大まかに補正する粗動部と、
4ポート型光サーキュレータの第1ポートを入力ポートとし、第4ポートを出力ポートとし、第2ポートに反射波長の長波長側から光を入射する第1のチャープファイバグレーティングを接続し、第3ポートに反射波長の短波長側から光を入射する第2のチャープファイバグレーティングを接続するか、あるいは第2ポートに前記第2のチャープファイバグレーティングを接続し、第3ポートに前記第1のチャープファイバグレーティングを接続し、前記光ファイバ伝送路の群遅延プロファイルと逆の群遅延プロファイルを実現する可変分散等化器を有し、そのチャープファイバグレーティング対の反射波長域を同一方向に等しく移動するチューニングにより波形広がり・歪みを細かく補正する微動部とを備え、
前記粗動部は、前記分散媒質通過後の信号光を分岐し、帯域フィルタを介してクロック成分を抽出してクロック信号レベルを検出し、そのクロック信号レベルが最大になる分散値を有する分散媒質の1つを選択する構成であり、
前記微動部は、前記粗動部から出力される信号光を入力し、前記可変分散等化器通過後の信号光を3つの経路に分岐し、第1の経路から信号光を出力するとともに、第2の経路には正の分散値を有する光ファイバを配置し、第3の経路には負の分散値を有する光ファイバを配置し、各光ファイバを通過した信号光のクロック信号レベルの差を検出し、その差が最小になるように前記可変分散等化器をチューニングする構成である
ことを特徴とする光自動等化器。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の光自動等化器において、
前記可変分散等化器をチューニングする手段は、2つのチャープファイバグレーティングをピエゾ素子に固定してその伸縮量を制御する構成、またはヒータに固定してその温度勾配を制御する構成であることを特徴とする光自動等化器。 - 請求項3または請求項4に記載の光自動等化器において、
前記粗動部および前記微動部で分散等化された信号光を入力し、その信号光から抽出したクロック信号に同期した光変調によりパルス幅の狭化およびタイミングジッタの低減を行うタイミングジッタ補正部と、
前記信号光を基本ソリトンより大きなパワーに増幅し、さらに高非線形な分散媒質に入力して強度揺らぎをスペクトル広がりの揺らぎに変換し、光帯域フィルタを通過させて前記信号光の強度揺らぎを除去した信号光を出力する強度揺らぎ補正部と
を備えたことを特徴とする光自動等化器。
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