JP3771575B1 - 畜舎及び畜舎内の排泄物処理方法 - Google Patents

畜舎及び畜舎内の排泄物処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】家畜が排泄する糞尿を、微生物によって分解発酵させた発酵床で家畜を飼育し、糞尿から発生する臭気問題等を解決し、浄化槽の不要な畜舎及び畜舎内の排泄物処理方法の提供。
【解決手段】5はショベルカー等により掘削された凹状の直線溝で、敷地内の中央部を分断するように形成され、該溝5及びローダー車等で平坦化した地面GLに厚さ約10cm〜12cmのコンクリートを打って発酵床Hを造成し、該発酵床Hの両側には、分娩豚P1頭が収容される仕切室Rが複数配設され、通路6側には餌箱7が設置されている。Sは発酵床Hの高さよりやや上方にかつ、地面GLと略水平に敷設される敷料で、分娩豚Pの排泄物が発酵床Hの敷料Sに落下するように、臀部を発酵床Hに、頭部を餌箱7に向けて収容される。なお8、9は分娩舎1正面に設けられた開閉戸で、妊豚P、敷料S等の出入時に開閉される。
【選択図】図3

Description

本発明は、豚、牛等の家畜の畜舎及び畜舎内の排泄物処理方法に関する。
本発明は、特に、豚、牛等の家畜の妊娠舎及び妊娠舎内の排泄物処理方法に関する。
本発明は、特に、豚、牛等の家畜の分娩舎及び分娩舎内の排泄物処理方法に関する。
詳しくは、畜舎内の家畜が敷料に排泄する糞尿を、微生物によって分解発酵させた発酵床で家畜を飼育し、排泄物等から発生する臭気問題等を解決すると共に、低コストで、健康な家畜育成と肉質良好な家畜の生産が可能な、畜舎及び畜舎内の排泄物処理方法に関する。
詳しくは、妊娠舎内の妊娠家畜が敷料に排泄する糞尿を、微生物によって分解発酵させた発酵床で妊娠家畜を飼育し、排泄物等から発生する臭気問題等を解決すると共に、低コストで、健康な妊娠家畜育成と肉質良好な妊娠家畜の生産が可能な、妊娠舎及び妊娠舎内の排泄物処理方法に関する。
詳しくは、分娩舎内の分娩家畜が敷料に排泄する糞尿を、微生物によって分解発酵させた発酵床で分娩家畜と誕生した子家畜を飼育し、排泄物等から発生する臭気問題等を解決すると共に、低コストで、健康な分娩家畜育成と肉質良好な分娩家畜の生産が可能な、分娩舎及び分娩舎内の排泄物処理方法に関する。
なお、本願の特許請求の範囲、明細書、図面において、家畜という場合、特に断らない限り、妊娠家畜又は分娩家畜をいうものとする。
本願の特許請求の範囲、明細書、図面において、畜舎という場合、特に断らない限り、妊娠舎又は分娩舎をいうものとする。
従来の畜舎における、家畜の飼育場所は勾配をつけた床面上に設けられ、排泄された糞尿はその水勾配による自然流出を利用し、大量の洗浄放水と共に畜舎外の汚水槽へ排出され、排出された糞尿混在の汚泥状の廃水は、汚水槽での浄化処理後、公共の下水道施設や、河川、海洋等に流して処理されている。
しかしながら、上記の床面は水勾配形成のために傾斜した不安定面となると共に糞尿や清掃時の洗浄水で常に過湿状態となり、家畜の健康を損ない衛生を害する飼育環境として問題であり、また畜舎内の糞尿や汚水槽に貯留した廃水は、嫌気発酵等により周辺に悪臭を放散するという問題もある。さらに廃水を公共施設等に流すときは、排水環境基準を満たす浄化処理を行う必要があるため、大型の浄化プラント、大量の薬剤又は大量の水を必要とするので多大な処理コストがかかり、畜産業の健全な発展を阻害している。
また、豚、牛等の畜産業にあって、家畜が排泄する糞尿処理は、最重要な課題であり、従来からその排泄物等を発酵処理して堆肥や肥料の製造技術及び臭気問題の解決方法等について、多数の提案がなされている。(1)堆肥や肥料の製造技術に関しては、例えば、特開2004−244305「堆肥製造または糞尿の処理方法、装置及び堆肥」は、豚糞尿や人糞尿等をウォラストナイトと硫酸との反応によって固形化または粒状化することを特徴としている。(2)また、特開2003−226590「畜糞堆肥製造方法」は、畜糞原料を水分調整した後発酵させる第1次発酵工程と該第1次発酵工程で発酵させて得た畜糞原料の一部に、破砕及び乾燥処理した野菜くずを混合して発酵させる野菜くず発酵工程と、上記第1次発酵工程を経た残りの畜糞原料をさらに発酵させる第2次発酵工程と、該第2次発酵工程を経た畜糞原料に、上記野菜くず発酵工程を経た野菜くず原料を混合して発酵させる第3次発酵工程とを有することを特徴としている。(3)さらに、臭気問題の解決方法としては、例えば特開2001−259008があり、これは家畜糞尿の堆肥化時などに発生するアンモニア臭気を脱臭塔に供給し、脱臭塔内で活性汚泥液と接触させ、もって、該汚泥の作用によってアンモニア態窒素分を亜硝酸及び硝酸態窒素に変換すると共に脱臭処理後の活性汚泥液を回分式活性汚泥廃水処理施設に返送して脱窒処理を行うことを特徴としている。(4)さらに、特許文献4には、敷地内に凹状溝を造成し、該凹状溝に敷料を敷設した発酵床を形成すると共に、該発酵床の側部には仕切室を複数配設したこ畜舎が開示されている。
特開2004−244305号公報 特開2003−226590号公報 特開2001−259008号公報 特公昭51−48992号公報
しかしながら、上記従来技術にはいくつかの課題があり、(1)特許文献1は、糞尿の移送、混合、搬出等に多大の労力と特別の機械設備、電力設備、化学薬品等を要すると共に、メンテナンスが必要であり、ランニングコストが高額となる。(2)また特許文献2は、糞尿の移送、搬出等の他、糞尿の水分調整、野菜くずの破砕及び乾燥処理さらに1次〜3次までの発酵工程を経るので、製品化まで長期間を要する他、特許文献1と同様に機械設備、電力設備等に高額の投資をしなければならないうえに、かつ常時のメンテナンスも必要となるためにコスト高となり、畜産経営上、採算が合わなくなることが考えられる。(3)臭気問題の解決策としての特許文献3は、脱臭塔、汚泥廃水処理施設及び搬送装置等には広大な敷地と共に、上記の従来例と同様に機械設備、電力設備、化学薬品等を要するのでコストアップとなり、臭気問題解決法の最善策とはならない。(4)また特許文献4は、敷地内に凹状溝を造成し、該凹状溝に敷料を敷設した発酵床を形成すると共に、該発酵床の側部には仕切室を複数配設したこ畜舎が開示されているが、妊娠家畜又は分娩家畜を収納する妊娠舎又は分娩舎を開示こしていない。むしろ、特許文献4記載の発明は、妊娠家畜又は分娩家畜を収納する妊娠舎又は分娩舎には適用できないと考えられてきた。
この理由は、妊娠家畜又は分娩家畜を収納する畜舎は、特に清潔に維持されることが必要であり、人がかかる畜舎に入る場合、消毒が義務つけられる程清潔維持には神経を使っていたからである。
したがって、上記特許文献4記載の発明は、妊娠舎又は分娩舎を除いた畜舎にしか適用できなかった。家畜排せつ物法(家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律)が平成16年11月から施行されることになると、家畜業者は、妊娠舎又は分娩舎に対しては、付属設備として、糞処理のために堆肥処理施設を、尿処理のために浄化槽を設置しなければならなくなった。
発明者が知る現状の「妊娠舎又は分娩舎内の排泄物処理方法」としては、例えば、敷地内の中央部に凹状溝を造成し、該凹状溝に落下した該糞尿をスクレーパーで該凹状溝の一方に集めて、該糞尿を分離して、固形分は堆肥槽に送って堆肥とし、液体分は浄化槽に送って浄化処理をする畜舎内の排泄物処理方法が有った。この理由は、妊娠家畜又は分娩家畜を収納する畜舎は、特に清潔に維持されることが必要であり、人がかかる畜舎に入る場合、消毒が義務つけられる程清潔維持には神経を使っていたからである。
しかし、浄化槽を設置すれば、建設費が馬鹿にならず、小規模な畜産業者は家畜業を継続していくことができなくなるという問題点がクローズアップしている。*********************************** 発明者は、従来技術が記載された特許文献1〜4を種々検討した結果、妊娠舎又は分娩舎に対しては、特許文献には凹状溝に敷料を敷設した発酵床を形成して家畜の糞尿を処理する技術」を適用することは記載示されていないことに鑑みて、下記のような課題が未解決のまま残されていることに気付いて、かかる課題に挑戦して本発明を完成するに至った。
本発明の課題は、妊娠舎又は分娩舎に対しても、畜舎内の家畜が敷料に排泄する糞尿を、微生物によって分解発酵させた発酵床で家畜を飼育することにより、排泄物等から発生する臭気問題等を解決すると共に、低コストで、健康な家畜育成と肉質が良好な家畜生産を可能とし、もって、健全な畜産業を発展させる、畜舎及び畜舎内の排泄物処理方法を提供することを目的としている。
ここに、家畜舎は、生育舎、妊娠舎、分娩舎からなり、単に成育舎のみならず、妊娠舎、分娩舎に対しても糞処理のための堆肥処理施設、尿処理のための浄化槽を設置しなくても済めば、畜産業発展のためにも大きな効果を及ぼすことを強調しておく。
課題を解決するための手段は、特許請求の範囲の各請求項であり、具体的には以下に示す発明である。
ここに、本願(特に、特許請求の範囲、明細書等)において使用する用語の解釈上の疑義を解消すべく、以下説明する。
<用語の説明>○請求項1に記載の発明、請求項2に記載の発明…請求項16に記載の発明を、それぞれ発明1、発明2…発明16ともいう。請求項1に記載の発明、請求項2に記載の発明…請求項16に記載の発明を、それぞれ請求項1の発明、請求項2の発明…請求項16の発明ともいう。○家畜とは、豚、牛等をいう。○成育家畜(特に本願発明では、単に家畜ともいう。)とは、成育した家畜、又は成育途上の家畜をいう。
本願発明では、単に家畜といえば、特に断らない限り、妊娠家畜又は分娩家畜をいう。
妊娠家畜が、妊娠してから分娩するまでの期間を無事妊娠舎で過ごすための技術は、畜産業界にとって必須であり非常に重要である。
分娩家畜が、分娩してから授乳を済ますまでの期間を無事分娩舎で過ごすための技術は、畜産業界にとって必須であり非常に重要である。なお、成家畜に対する反対の概念は、子家畜である。○妊娠家畜とは、妊娠した分娩前の家畜をいう。○分娩家畜とは、分娩を済ませた母親家畜をいう。○子家畜とは、母親家畜から生まれた子家畜で、母親家畜が授乳をする赤ん坊家畜をいう。○畜舎とは、家畜舎ともいい、家畜を飼う建物をいう。家畜が豚の場合は豚舎
、家畜が牛の場合は牛舎などという。○妊娠舎とは、妊娠家畜を飼う建物をいう。妊娠舎は、妊娠家畜1頭分が収納可能な仕切室(妊娠家畜仕切室)を有している。○分娩舎とは、分娩家畜と子家畜を一緒に飼う建物をいう。分娩舎は、分娩家畜1頭分が収納可能な仕切室(分娩家畜仕切室)を有している。○仕切室とは、本願発明においては、家畜(妊娠家畜又は分娩家畜)が、他の家畜(妊娠家畜又は分娩家畜)と仕切られて独立・隔離するための室をいう。
原則として、仕切室は、家畜一頭が収納可能な室であるが、分娩家畜仕切室の場合は、分娩家畜1頭分と子家畜複数頭が収納可能な仕切室である。
仕切室には、妊娠家畜仕切室と分娩家畜仕切室とがある。
なお、成育家畜用の畜舎は、仕切室がなく、自由に動き回れるような畜舎となっている。○妊娠家畜仕切室とは、妊娠家畜1頭分が収納可能な仕切室をいう。○分娩家畜仕切室とは、分娩家畜1頭分と子家畜複数頭が収納可能な仕切室をいう。○敷地とは、畜舎を建てるための土地をいう。○凹状溝とは、畜舎の敷地内の中央部に造成した発酵床を形成するための凹状の溝をいう。一般には、直線状であって、コンクリートを打設して形成する。○敷料とは、畜舎内で家畜を飼うときに、家畜の足元に敷く籾殻、大鋸屑、生菌剤入り米糠(及び家畜の排泄物)等をいう。○発酵とは、酵母や細菌などの微生物がエネルギーを得るために有機化合物を分解して、アルコール類・有機酸類・二酸化炭素などを生成していく過程をいう。狭義には、微生物が酸素の存在しない状態で、糖類を分解してエネルギーを得る過程をいう。酒・味噌・醤油・チーズなどの製造などに古来利用されてきた。○発酵床とは、敷料を敷設した発酵床をいう。より具体的には、該凹状溝に籾殻、大鋸屑、生菌剤入り米糠及び家畜(妊娠家畜又は分娩家畜)の排泄物からなる敷料を敷設した発酵床をいう。○通路とは、餌箱に家畜飼料を与えるため、その他の作業のために人が通るための通路をいう。○仕切室通路側とは、仕切室が凹状溝と面した側の反対側を意味する。仕切室の通路側には餌場が置かれ、その反対側に家畜が糞尿をするように設計されており、糞尿は凹状溝に自然落下するようにするのが望ましい。○餌箱とは、家畜の餌を入れる容器をいう。上位概念では、餌場ともいう。餌場とは、家畜の餌を入れる場所をいう。○生菌剤とは、文字通り生きている細菌のことをいう。通常、ある種の効果がある生菌について生菌剤と呼んでいる。家畜では、生菌剤の効果として、新生仔の下痢の予防、発育促進あるいは腸内菌叢のバランスの改善が報告されており、わが国を始め諸外国の畜産現場で家畜に給与されている。添加されている生菌剤の種類は多数あり、単味あるいは混合製剤として市販されている。○納豆菌とは、納豆製造に用いる、好熱性・好気性の桿(かん)状細菌をいう。枯草菌の一種である。○浄化槽とは、家畜の糞尿等を生物処理によって浄化する装置をいう。○家畜排せつ物法(家畜排せつ物の管理の適正化及び利用の促進に関する法律)とは、家畜排せつ物の適正な管理と、資源として有効利用を図る目的で、平成11年に制定された法律である。家畜排せつ物法では、畜産業者は、国が定めた「管理基準」に従って、家畜排せつ物を適切に管理しなければならない。
「管理基準」のうち、すでに、処理施設の点検や維持管理等の方法については平成11年11月から、発生量や処理方法等の記録については平成14年11月から施行されている。さらに、平成16年11月からは、処理施設の構造設備に関する基準が適用される。この基準では、家畜糞等の固形物の処理施設は、床を不浸透性材料で築造し、適当な覆い及び側壁を設けること、また、液状の家畜排せつ物の処理施設も、不浸透性材料で築造した貯留槽とすること、とされている。
従って、この法律が平成16年11月から施行されることになると、畜産業者は、糞処理のために堆肥処理施設を、尿処理のために浄化槽を設置しなければならなくなった。
発明者が知る現状の「畜舎内の排泄物処理方法」としては、例えば、敷地内の中央部に凹状溝を造成し、該凹状溝に落下した該糞尿をスクレーパーで該凹状溝の一方に集めて、該糞尿を分離して、固形分は堆肥槽に送って堆肥とし、液体分は浄化槽に送って浄化処理をする畜舎内の排泄物処理方法が有った。
しかし、浄化槽を設置すれば、建設費が馬鹿にならず、小規模な畜産業者は家畜業を継続していくことができなくなるという問題点がクローズアップしている。−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−*********************************** 以下、発明1から発明4は、妊娠家畜1頭分が収納可能な仕切室複数配設した妊娠舎に関する発明である。◎発明は、敷地内の中央部に凹状溝を造成し、該凹状溝に敷料を敷設した発酵床を形成すると共に、該発酵床の両側には、妊娠家畜1頭分が収納可能な仕切室複数配設したことを特徴とする妊娠舎である。
凹状溝は、一般には直線状であり、コンクリートを打設して形成する。
本発明の特徴的構成要件は、「妊娠舎」に「該凹状溝に籾殻、大鋸屑、生菌剤入り米糠及び家畜の排泄物からなる敷料を敷設した発酵床を形成したこと」である。
該凹状溝を発酵床とすることにより、該凹状溝に落下した該糞尿を該凹状溝の一方に集めるためのスクレーパーが要らなくなり、該糞尿を分離して、固形分を堆肥とするための堆肥、液体分を浄化処理するための浄化槽が要らなくなり、大幅なコストダウンを達成できた。
◎発明は、該凹状溝側の反対側の仕切室通路側に、餌箱を配設したことを特徴とする発明1に記載の妊娠舎である。発明によれば、仕切室凹状溝側で妊娠家畜に糞尿をさせることができ、反対側の仕切室通路側に顔を向けて妊娠家畜に餌を食べさせることができたことである。
◎発明3は、前記生菌剤が、納豆菌であることを特徴とする発明1〜2のいずれかに記載の妊娠舎である。
発明3は、前記生菌剤が、納豆菌であることを具体的に規定した発明である。
◎発明4は、浄化槽を構成要素としないこと特徴とする発明1〜3のいずれかに記載の妊娠舎である。
発明4は、発明1〜発明3の構成要件に浄化槽を構成要件としないことを明確化した発明である。*********************************** 以下、発明5から発明8は、妊娠家畜1頭分が収納可能な仕切室複数配設した妊娠舎内の排泄物処理方法の発明である。
◎発明5は、発明1に記載の妊娠舎内の排泄物処理方法であって、籾殻、大鋸屑、生菌剤入り米糠及び家畜の排泄物からなる敷料を作成する敷料作成工程と、前記発酵床内において、敷料を発酵させる発酵工程と、 発酵した前記発酵床上で、家畜を飼育する飼育工程と、 前記敷地内で飼育する家畜に前記生菌剤入りの配合飼料を給餌する飼料給餌工程と、 前記発酵床及び畜舎内の温度、湿度及び換気等を管理する発酵床管理工程と、再発酵・再利用工程と、 前記発酵床で発酵熟成した敷料を堆肥として貯蔵する敷料貯蔵工程と、 を有することを特徴とする、妊娠舎内の排泄物処理方法である。
◎発明6は、発明5に記載の妊娠舎内の排泄物処理方法において、前記敷料作成工程における大鋸屑、籾殻、大鋸屑、生菌剤入り米糠及び家畜の排泄物の混合比が、籾殻約25〜35%、大鋸屑約45〜55%、生菌剤入り米糠約3〜8%、家畜の排泄物約10〜20%であることを特徴としている。
上記数値範囲は、例えば、豚の場合では、子豚、成豚及び豚房の形状、表面積、容量によって配合割合は、調整、変更される。
◎発明6は、発明5〜6に記載の畜舎内の排泄物処理方法において、前記配合飼料に添加する生菌剤は、少なくとも飼料全体の0.1〜0.3%であることを特徴としている。
◎発明8は、発明5〜7に記載の畜舎内の排泄物処理方法において、前記生菌剤が、納豆菌であることを特徴としている。*********************************** 以下、発明9から発明12は、分娩家畜1頭分及び子家畜複数頭が収納可能な仕切室を複数配設した分娩舎に関する発明である。◎発明9は、 敷地内の中央部に凹状溝を造成し、該凹状溝に敷料を敷設した発酵床を形成すると共に、該発酵床の両側には、分娩家畜1頭分及び子豚複数頭が収納可能な仕切室を複数配設したことを特徴とする分娩舎である。
本発明の特徴的構成要件は、「分娩舎」に「該凹状溝に籾殻、大鋸屑、生菌剤入り米糠及び家畜の排泄物からなる敷料を敷設した発酵床を形成したこと」である。
該凹状溝を発酵床とすることにより、該凹状溝に落下した該糞尿を該凹状溝の一方に集めるためのスクレーパーが要らなくなり、該糞尿を分離して、固形分を堆肥とするための堆肥、液体分を浄化処理するための浄化槽が要らなくなり、大幅なコストダウンを達成できた。◎発明10とは、該凹状溝側の反対側の仕切室通路側に、餌箱を配設したことを特徴とする発明9に記載の分娩舎である。◎発明11とは、前記生菌剤が、納豆菌であることを特徴とする発明9〜10のいずれかに記載の分娩舎である。◎発明12とは、浄化槽を構成要素としないこと特徴とする発明9〜11のいずれかに記載の分娩舎である。*********************************** 以下、発明13から発明16の発明は、妊娠家畜1頭分が収納可能な仕切室複数配設した妊娠舎内の排泄物処理方法の発明である。◎発明13とは、敷地内の中央部に凹状溝を造成し、該凹状溝に籾殻、大鋸屑、生菌剤入り米糠及び分娩家畜の排泄物からなる敷料を敷設した発酵床を形成すると共に、該発酵床の両側には、分娩家畜1頭分及び子豚複数頭が収納可能な仕切室を複数配設した妊娠舎内の排泄物処理方法であって、籾殻、大鋸屑、生菌剤入り米糠及び分娩家畜の排泄物からなる敷料を作成する敷料作成工程と、前記発酵床内において、敷料を発酵させる発酵工程と、 発酵した前記発酵床上で、分娩家畜を飼育する飼育工程と、 前記敷地内で飼育する分娩家畜に前記生菌剤入りの配合飼料を給餌する飼料給餌工程と、 前記発酵床及び分娩舎内の温度、湿度及び換気等を管理する発酵床管理工程と、再発酵・再利用工程と、 前記発酵床で発酵熟成した敷料を堆肥として貯蔵する敷料貯蔵工程と、 を有することを特徴とする、分娩舎内の排泄物処理方法である。◎発明14とは、前記敷料作成工程における籾殻、大鋸屑、生菌剤入りの配合飼料及び分娩家畜の排泄物の混合比が、籾殻約25〜35%、大鋸屑約45〜55%、生菌剤入りの配合飼料約3〜8%、分娩家畜の排泄物約10〜20%であることを特徴とする発明13に記載の分娩舎内の排泄物処理方法である。◎発明15とは、前記配合飼料に添加する生菌剤は、少なくとも飼料全体の0.1〜0.3%であることを特徴とする発明13〜14のいずれかに記載の分娩舎内の排泄物処理方法である。◎発明16とは、前記生菌剤が、納豆菌であることを特徴とする発明13〜15のいずれかに記載の分娩舎内の排泄物処理方法である。**********************************
本発明に係る、畜舎及び畜舎内の排泄物処理方法は、以下の効果を奏する。◎即ち発明1〜発明3によれば、発酵床の両側に配設した複数の仕切室に入る妊娠家畜が排泄する糞尿は、発酵床の敷料に落下し、糞は敷料内で発酵している生菌剤で処理され、尿は発酵熱で蒸散するので悪臭を放つことがなく、また餌箱は仕切室の通路側に配設されているので、仕切室内は清潔であり、妊娠家畜の食欲は旺盛で、健康な子家畜を出産できる。
発明者は、「妊娠舎」として、例えば、敷地内の中央部に凹状溝を造成し、該凹状溝に落下した該糞尿をスクレーパーで該凹状溝の一
方に集めて、該糞尿を分離して、固形分は堆肥槽に送って堆肥とし、液体分は浄化槽に送って浄化処理をする畜舎内の排泄物処理方法を考え付いたが、しかし、下記の点で心配があった。すなわち、妊娠家畜は、非常に清潔にすることには畜産業者は神経質になるが、一般には、妊娠家畜から糞尿を遠ざけて処理するのが一般的で、畜舎内で搬出せずそのまま糞尿を処理するという発想をすることは難しい事情が有った。かかる場合にあって、発明者は、敢えて、糞尿を畜舎に排出して堆肥槽や浄化槽で糞尿を処理する代わりに、畜舎内の中央部に凹状溝を造成し、凹状溝に発酵床を形成することによって、殆ど糞尿を排出しないクローズドシステムの妊娠舎の発明(発明1〜発明4)を完成させた。これは、常識を打ち破る着想が必要だったので、本発明の構成とすることにより、当業者予測不可能な顕著な効果を奏した。◎発明4によれば、発酵床を用いたクローズドシステムとすることにより、浄化槽を必要としないことを大きな特徴としている。
中小規模の畜産農家の場合、浄化槽設置費用が2千万〜3千万円程必要となるので、これが大きな負担となり、畜産業の発展のネックとなり得るのであるが、本願により、浄化槽を不要としたためにイニシャルコスト低減という顕著な効果を達成することが出来た。
堆肥も従来技術の1/10程度とほぼクローズドシステムを実現することにより、堆肥処理の問題をもなくして環境問題に大きく貢献した。◎発明5によれば、以下の効果を奏することができる。ショベルカー、ローダー車等の重機を使用するのは、主に発酵床造成時と、リサイクル時約3年毎に行う発酵床内の敷料交換時くらいで、第1工程の敷料作成工程から第4工程の飼料給餌工程までには、常時稼働する機械設備はないのでランニングコストは極めて少額であり、また発酵床で使用する敷料の籾殻、大鋸屑、米糠及び家畜の排泄物等は、産業廃棄物の有効な再利用であり、生菌剤を除けば、その費用は安価である。さらに敷料の上に落下させた家畜の糞尿を介して発酵させ、敷料温度を必要に応じ約60℃〜70℃に保温できるので、ガス又は電気ヒーター等は不要であるのみならず、敷料内の病原菌、外部寄生虫等を死滅させるので、妊娠家畜が病害から免れ、健康な妊娠家畜として順調に飼育される。◎発明6によれば、前敷料作成工程における籾殻、大鋸屑、生菌剤及び妊娠家畜の排泄物の混合比を、籾殻約25〜35%、大鋸屑約45〜55%、生菌剤入り米糠約3〜8%、妊娠家畜の排泄物約10〜20%とするので、敷料は容易に発酵し、生菌剤の納豆菌が家畜の糞を栄養源として消化し、尿は発酵熱により蒸散するので、悪臭の発生がない。◎発明7及び発明8によれば、配合飼料に添加する生菌剤は、飼料全体の0.1〜0.3%であり、またその生菌剤は枯れ草菌の一種である納豆菌を選択し、これを飼料に混和して給餌するので、家畜のストレスによる腸内細菌の悪玉菌の発生を抑止し、下痢、軟便を防ぎ、また納豆菌内の酵素と生菌の相乗効果により排泄される糞尿の臭気は分解され、ほぼ無臭状態となり、結果的に家畜の健康と環境浄化、公害防止につながる。さらに生菌の生産代謝物である、抗菌性物質の有効性及び生菌の旺盛な繁殖力により、有害微生物の増殖防止効果も発揮される。***********************************◎即ち発明9〜発明12によれば、発酵床の両側に配設した複数の仕切室に入る分娩家畜が排泄する糞尿は、発酵床の敷料に落下し、糞は敷料内で発酵している生菌剤で処理され、尿は発酵熱で蒸散するので悪臭を放つことがなく、また餌箱は仕切室の通路側に配設されているので、仕切室内は清潔であり、分娩家畜の食欲は旺盛で、分娩家畜と誕生した子家畜を飼育することできる。
発明者は、「分娩舎」として、例えば、敷地内の中央部に凹状溝を造成し、該凹状溝に落下した該糞尿をスクレーパーで該凹状溝の一方に集めて、該糞尿を分離して、固形分は堆肥槽に送って堆肥とし、液体分は浄化槽に送って浄化処理をする分娩舎内の排泄物処理方法を考え付いたが、しかし、下記の点で心配があった。すなわち、分娩家畜は、非常に清潔にすることには畜産業者は神経質になるが、一般には分娩舎内で糞尿を処理するという発想をすることは難しい事情が有った。かかる場合にあって、発明者は敢えて、糞尿を分娩舎に排出して堆肥槽や浄化槽で糞尿を処理する代わりに、分娩舎内の中央部に凹状溝を造成し、凹状溝に発酵床を形成することによって、殆ど糞尿を排出しないクローズドシステムの分娩舎の発明(発明9〜発明12)を完成させた。これは、常識を打ち破る着想が必要だったので、本発明の構成とすることにより、当業者予測不可能な顕著な効果を奏した。◎発明12によれば、発酵床を用いたクローズドシステムとすることにより、浄化槽を必要としないことを大きな特徴としている。
中小規模の畜産農家の場合、浄化槽設置費用が2千万〜3千万円程必要となるので、これが大きな負担となり、畜産業の発展のネックとなり得るのであるが、本願により、浄化槽を不要としたためにイニシャルコスト低減という顕著な効果を達成することが出来た。
堆肥も従来技術の1/10程度とほぼクローズドシステムを実現することにより、堆肥処理の問題をもなくして環境問題に大きく貢献した。◎発明13によれば、以下の効果を奏することができる。ショベルカー、ローダー車等の重機を使用するのは、主に発酵床造成時と、リサイクル時約3年毎に行う発酵床内の敷料交換時くらいで、第1工程の敷料作成工程から第4工程の飼料給餌工程までには、常時稼働する機械設備はないのでランニングコストは極めて少額であり、また発酵床で使用する敷料の籾殻、大鋸屑、米糠及び家畜の排泄物等は、産業廃棄物の有効な再利用であり、生菌剤を除けば、その費用は安価である。さらに敷料の上に落下させた家畜の糞尿を介して発酵させ、敷料温度を必要に応じ約60℃〜70℃に保温できるので、ガス又は電気ヒーター等は不要であるのみならず、敷料内の病原菌、外部寄生虫等を死滅させるので、分娩家畜と誕生した子家畜が病害から免れ、分娩家畜と誕生した子家畜として健康的に順調に飼育される。◎発明14によれば、前敷料作成工程における籾殻、大鋸屑、生菌剤及び妊娠家畜の排泄物の混合比を、籾殻約25〜35%、大鋸屑約45〜55%、生菌剤入り米糠約3〜8%、妊娠家畜の排泄物約10〜20%とするので、敷料は容易に発酵し、生菌剤の納豆菌が家畜の糞を栄養源として消化し、尿は発酵熱により蒸散するので、悪臭の発生がない。◎発明15及び発明16によれば、配合飼料に添加する生菌剤は、飼料全体の0.1〜0.3%であり、またその生菌剤は枯れ草菌の一種である納豆菌を選択し、これを飼料に混和して給餌するので、家畜のストレスによる腸内細菌の悪玉菌の発生を抑止し、下痢、軟便を防ぎ、また納豆菌内の酵素と生菌の相乗効果により排泄される糞尿の臭気は分解され、ほぼ無臭状態となり、結果的に家畜の健康と環境浄化、公害防止につながる。さらに生菌の生産代謝物である、抗菌性物質の有効性及び生菌の旺盛な繁殖力により、有害微生物の増殖防止効果も発揮される。***********************************
発明を実施するための最良の形態を、実施例1と実施例2として以下説明する。実施例1は、分娩舎及び分娩舎内の排泄物処理方法であり、実施例2は、妊娠舎及び妊娠舎内の排泄物処理方法である。
以下、添付の図面に基づいて、その好適な実施形態である実施例1を養豚業について説明する。
図1は、本発明に係る畜舎である分娩舎の一部切欠平面図、図2は図1の2−2線一部切欠断面図、図5は分娩舎内の排泄物処理方法のフロー図、図6(a)、(b)及び(c)は、敷料の作成説明図である。
本発明に係る分娩舎1は、図1及び図2に示すように、屋根2、柱等は簡易なものでもよく、舎内には複数の換気扇3等の換気装置が複数配設され、また上下開閉カーテン4が設けられている。5はショベルカー等により掘削された深さ約1m、巾約3mの凹状の直線溝で、敷地内の中央部を分断するように形成され、該溝5及びローダー車等で平坦化した地面GLに厚さ約10cm〜12cmのコンクリートを打って発酵床Hを造成し、該発酵床Hの両側には、分娩豚P1頭が収容される仕切室Rが複数配設され、通路6側には餌箱7が設置されている。Sは発酵床Hの高さよりやや上方にかつ、地面GLと略水平に敷設される敷料で、分娩豚Pの排泄物が発酵床Hの敷料Sに落下するように、臀部を発酵床Hに、頭部を餌箱7に向けて収容される。なお8、9は分娩舎1正面に設けられた開閉戸で、分娩豚P、敷料S等の出入時に開閉される。
図5は、本発明における処理方法の流れを示し、第1段階は、敷料作成工程で、図6(a)に示すように、敷料Sの原料は、籾殻14、豚糞尿15、生菌剤としてのラクトー納豆菌(商品名:ラクトー酵素社製)を混和させた米糠(以下、ラクトー菌16という)、大鋸屑17で、例えば60平方メートル、高さ40cmの敷料Sを作成するには、籾殻14約12〜15立方メートル、大鋸屑17約7〜9立方メートル、ラクトー菌16約104Kg(米糠100Kgにラクトー納豆菌(商品名)4Kgを混和)、糞尿15混じりの籾殻14、大鋸屑17の合計約7〜9立方メートルを図6(a)に示すように順次、段階的に広げ、その間敷料全体の含水率が45〜55%前後になるように散水した後、図6(b)に示すように、側面視、小高い山のように約1m20cm〜1m30cmの高さになるように、発酵床Hの中心部に集めて積み上げる。図6(c)は、その平面図である。
第2段階は、発酵工程で、発酵床Hの中心部に集めて積み上げられた敷料Sは、直後から発酵を始め、約1週間後にその温度が50℃〜70℃になっていることを確認してから発酵床H全体に少し盛り上がるように敷料Sを広げ、その上面に大鋸屑17を撒布する。
第3段階は、飼育工程で、分娩が近い成豚は、図1及び図2に示す溝2を形成した発酵床Hの両側に1頭毎の仕切室Rがある分娩舎1に入豚させ、豚の習性を利用して、臀部を発酵床Hに向け、頭部を餌箱7に向けるようにして飼育する。
分娩豚が排泄する糞尿は、発酵床H10の敷料S10に直接落下し、糞はラクトー菌16によって消費され、尿は発酵熱によって蒸散し、分娩舎内は清潔さが保持される。また分娩舎1の分娩豚が排泄する糞尿は、発酵床Hの敷料Sに間接的に落下し、糞はラクトー菌16によって消費され、尿は発酵熱によって蒸散し、分娩舎内は清潔さが保持される。
第4段階は、飼料給餌工程で、配合飼料には枯れ草菌の一種であるラクトー菌16を添加して給餌するので、豚の腸内に善玉菌が増えるので、下痢を起こしたり、軟便にならないで、健康状態が継続され成育が早くなる。納豆菌の一部は、胞子のまま糞と一緒に排出されて敷料と混合されることで発芽し悪臭のない好気発酵を促す。
第5段階は、発酵床管理工程で、豚特に子豚は、温度に敏感であるために、発酵床H10の敷料S10の温度を温度計等で絶えず観察し、糞尿は4日〜5日に一度は発酵床Hの中央部にまわし、水分が偏らないように小さく20cm程度の深さで切り返し作業を行い、1ケ月程度に1回全面を30cm程度の深さで天地返えする。また夏期に外気温が高すぎるときは上下開閉カーテン40を解放し換気扇30等により通気性を良くし、豚舎内の温度、湿度等を調整する。
第6段階は、再発酵・再利用工程で分娩豚が子豚への授乳を終了して他の畜舎に引っ越した後の敷料は、再度発酵させて再利用する。第1段階の敷料作成工程から、第6段階の工程の再発酵・再利用工程までを繰り返す(図5を参照のこと)。
第1段階の敷料作成工程から、第6段階の工程の再発酵・再利用工程までの一回当りの工程は、約3ヶ月程度掛かり、1年当たり当該工程を3回程度繰
り返す。そして、3年間経過後に、第7段階の敷料貯蔵工程に移り、敷料を貯蔵して有機肥料に変える。
第7段階は、敷料貯蔵工程で、発酵床H内で発酵熟成した敷料Sは良好な有機堆肥となるので、発酵床Hから搬出して貯蔵所等に保管し、野菜農家等に販売することができる。
敷料貯蔵工程に移ってからは、2、3ヶ月敷料を貯蔵した後、堆肥として出荷する。
現在、堆肥は、バイオマスの有効利用が頻りに唱えられて、大抵は市場では余剰生産気味である。
従って、出来るだけ、堆肥は分娩家畜の排泄物処理工程においても、系外に出さないようにクローズドシステムとして排泄物処理するのが望ましい。
これに沿って、本願の分娩家畜の排泄物処理工程では、従来の排泄物処理工程よりも堆肥の量が1/10以下に減少している。
実施例2は、実施例1が、分娩舎及び分娩舎内の排泄物処理方法であるのに対して、実施例2は、妊娠舎及び妊娠舎内の排泄物処理方法である。実施例1と実施例は殆ど共通するので、実施例2に記載のない事項は、実施例1に記載された事項と同じである。
以下、添付の図面に基づいて、その好適な実施形態である実施例2を養豚業について説明する。
図3は、本発明に係る畜舎である妊娠舎の一部切欠平面図、図4は図1の2−2線一部切欠断面図、図5は妊娠舎内の排泄物処理方法のフロー図、図6(a)、(b)及び(c)は、敷料の作成説明図である。
本発明に係る妊娠舎1は、図1及び図2に示すように、屋根2、柱等は簡易なものでもよく、舎内には複数の換気扇3等の換気装置が複数配設され、また上下開閉カーテン4が設けられている。5はショベルカー等により掘削された深さ約1m、巾約3mの凹状の直線溝で、敷地内の中央部を分断するように形成され、該溝5及びローダー車等で平坦化した地面GLに厚さ約10cm〜12cmのコンクリートを打って発酵床Hを造成し、該発酵床Hの両側には、分娩豚P1頭が収容される仕切室Rが複数配設され、通路6側には餌箱7が設置されている。Sは発酵床Hの高さよりやや上方にかつ、地面GLと略水平に敷設される敷料で、分娩豚Pの排泄物が発酵床Hの敷料Sに落下するように、臀部を発酵床Hに、頭部を餌箱7に向けて収容される。なお8、9は分娩舎1正面に設けられた開閉戸で、妊豚P、敷料S等の出入時に開閉される。
図5は、本発明における処理方法の流れを示し、第1段階は、敷料作成工程で、図6(a)に示すように、敷料Sの原料は、籾殻14、豚糞尿15、生菌剤としてのラクトー納豆菌(商品名:ラクトー酵素社製)を混和させた米糠(以下、ラクトー菌16という)、大鋸屑17で、例えば60平方メートル、高さ40cmの敷料Sを作成するには、籾殻14約12〜15立方メートル、大鋸屑17約7〜9立方メートル、ラクトー菌16約104Kg(米糠100Kgにラクトー納豆菌(商品名)4Kgを混和)、糞尿15混じりの籾殻14、大鋸屑17の合計約7〜9立方メートルを図6(a)に示すように順次、段階的に広げ、その間敷料全体の含水率が45〜55%前後になるように散水した後、図6(b)に示すように、側面視、小高い山のように約1m20cm〜1m30cmの高さになるように、発酵床Hの中心部に集めて積み上げる。図6(c)は、その平面図である。
第2段階は、発酵工程で、発酵床Hの中心部に集めて積み上げられた敷料Sは、直後から発酵を始め、約1週間後にその温度が50℃〜70℃になっていることを確認してから発酵床H全体に少し盛り上がるように敷料Sを広げ、その上面に大鋸屑17を撒布する。
第3段階は、飼育工程で、妊娠豚は、図3及び図4に示す溝2を形成した発酵床Hの両側に1頭毎の仕切室Rがある妊娠舎1に入豚させ、豚の習性を利用して、臀部を発酵床Hに向け、頭部を餌箱7に向けるようにして飼育する。
第4段階は、飼料給餌工程で、配合飼料には枯れ草菌の一種であるラクトー菌16を添加して給餌するので、豚の腸内に善玉菌が増えるので、下痢を起こしたり、軟便にならないで、健康状態が継続され成育が早くなる。納豆菌の一部は、胞子のまま糞と一緒に排出されて敷料と混合されることで発芽し悪臭のない好気発酵を促す。
第5段階は、発酵床管理工程で、発酵床H10の敷料S10の温度を温度計等で絶えず観察し、糞尿は4日〜5日に一度は発酵床Hの中央部にまわし、水分が偏らないように小さく20cm程度の深さで切り返し作業を行い、1ケ月程度に1回全面を30cm程度の深さで天地返えをする。また夏期に外気温が高すぎるときは上下開閉カーテン40を解放し換気扇30等により通気性を良くし、妊娠舎内の温度、湿度等を調整する。
第6段階は、再発酵・再利用工程で、妊娠豚が分娩直前に至り分娩舎に引っ越した後の敷料は、再度発酵させて再利用する。第1段階の敷料作成工程から、第6段階の工程の再発酵・再利用工程までを繰り返す(図5を参照のこと)。
第1段階の敷料作成工程から、第6段階の工程の再発酵・再利用工程までの一回当りの工程は、約3ヶ月程度掛かり、1年当たり当該工程を3回程度繰り返す。そして、3年間経過後に、第7段階の敷料貯蔵工程に移り、敷料を貯蔵して有機肥料に変える。
第7段階は、敷料貯蔵工程で、発酵床H内で発酵熟成した敷料Sは良好な有機堆肥となるので、発酵床Hから搬出して貯蔵所等に保管し、野菜農家等に販売することができる。
敷料貯蔵工程に移ってからは、2、3ヶ月敷料を貯蔵した後、堆肥として出荷する。
現在、堆肥は、バイオマスの有効利用が頻りに唱えられて、大抵は市場では余剰生産気味である。
従って、出来るだけ、堆肥は妊娠家畜の排泄物処理工程においても、系外に出さないようにクローズドシステムとして排泄物処理するのが望ましい。
これに沿って、本願の妊娠家畜の排泄物処理工程では、従来の排泄物処理工程よりも堆肥の量が1/10以下に減少している。
本発明に係る、分娩舎の一部切欠平面図である。 同、図1の2−2線一部切欠断面図である。 本発明に係る、妊娠舎の一部切欠平面図である。 同、図3の2−2線一部切欠断面図である。 同、畜舎内の排泄物処理方法のフロー図である。 (a)、(b)及び(c)は、敷料の作成説明図である。
符号の説明
1 分娩舎又は妊娠舎
2 屋根
H 発酵床
R 仕切室
S 敷料
5 溝
6 通路
7 餌箱
P 分娩豚又は妊娠豚
P1 子家畜

14 籾殻
15 糞尿
16 ラクトー菌
17 大鋸屑
GL 地面

Claims (6)

  1. 敷地内の中央部に凹状溝を造成し、該凹状溝に籾殻、大鋸屑、納豆菌入り米糠及び妊娠家畜の排泄物からなる敷料を敷設した発酵床を形成すると共に、該発酵床の両側には、妊娠家畜1頭分が収納可能な仕切室複数配設し、敷料の上に落下させた家畜の糞尿を介して発酵させ、敷料温度を約60℃〜70℃に保温することを特徴とする妊娠舎。
  2. 該凹状溝側の反対側の仕切室通路側に、餌箱を配設したことを特徴とする請求項1に記載の妊娠舎。
  3. 浄化槽を構成要素としないこと特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の妊娠舎。
  4. 敷地内の中央部に凹状溝を造成し、該凹状溝に籾殻、大鋸屑、納豆菌入り米糠及び妊娠家畜の排泄物からなる敷料を敷設した発酵床を形成すると共に、該発酵床の両側には、分娩家畜1頭分及び子家畜複数頭が収納可能な仕切室を複数配設し、敷料の上に落下させた家畜の糞尿を介して発酵させ、敷料温度を約60℃〜70℃に保温することを特徴とする分娩舎。
  5. 該凹状溝側の反対側の仕切室通路側に、餌箱を配設したことを特徴とする請求項4に記載の分娩舎。
  6. 浄化槽を構成要素としないこと特徴とする請求項4〜5のいずれかに記載の分娩舎。
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