JP3771315B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、特にカラー画像の色調修正に適用して好適な画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
画像の特徴空間上で特徴的な分布を持つ点データ群を移動させることにより、その画像を処理することが行われている。その1つに、カラースキャナ等の色調修正装置で(ハイライト/シャドウ)・ポイント、グラデーション・カーブ、カラー・コレクション等のパラメータを用いて行う色調修正がある。以下、この色調修正の場合を中心に説明する。
【0003】
カラー画像の入出力機器の普及に伴い、異なるメディア間の色のマッチングが取れない、色の修正が簡単にできない等の問題が指摘されるようになり、画像の色再現・色修正が重要な技術的課題として広く認識されるようになってきた。このような課題を解決するために、近年、印刷機用のCMYKやディスプレイ用のRGB等の特定のデバイスに依存した色空間ではなく、測色的に定義されたCIELAB(CIE(国際照明委員会)により1976年に勧告されたL*a*b*均等色空間)のようなデバイス・インディペンデントな色空間に変換した上で、色相/明度/彩度を制御することにより色調修正を行う手法が種々提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、形状等を表現する3次元空間を含む画像の特徴空間上でデータ分布を移動させて行う画像処理は、演算量が膨大で難しいという問題がある。とりわけ、特徴空間として色空間を用いてカラー画像の色調修正を行う従来の色調修正装置には以下の問題がある。
【0005】
色調修正を行う場合、画素毎に修正演算が必要であることから演算量が膨大であるために、複雑なアルゴリズムの実装は難しい。又、画像データを色空間に一旦変換して色調修正を行う場合でも、画像の色調に関する特徴をオペレータが目で見て判断し、色空間の制御を行っているために熟練が必要である。更に、印刷製版現場等で行う色調修正作業では、特定領域のみの色を変えたいという要求があるが、このような領域選択的な色調修正を行う場合には、領域指定を効率的に実行できない。
【0006】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、色空間上の画素値の分布を移動させることにより、色調修正の画像処理を少ない演算量で実行できるようにすると共に、色調修正熟練したオペレータでなくとも、領域選択的な色調修正をも容易に行うことができる画像処理装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、画像の空間上での画素値の分布であるデータ分布をクラスタリングして得られるクラスタ代表点と、色域境界を表わす複数の点を制御点として設定する手段と、設定された制御点を母点として色空間を四面体からなる単体に単体分割する手段と、データ分布中の各点が、単体分割された単体のいずれに属するか判定する判定手段と、空間座標で記述されている各点を、それぞれが属する単体で規定される単体内部座標に変換する手段と、任意の制御点を空間上で移動させる手段と、単体内部座標に変換された各点を元の空間座標に逆変換する手段と、を備えた構成とすることにより、前記課題を解決したものである。
【0008】
即ち、本発明においては、画像データの色空間上での分布特徴に依存した表現に画像を一旦変換し、その分布の特徴を表わす制御点を元に単体分割を行い、画像データをこの分割により作成された単体で規定される単体内部座標に変換することにより、演算量を大幅に低減できると共に、オペレータは制御点を移動させるだけで、容易に色調修正ができるようになるため、熟練を要することなく、領域選択的な色調修正も簡単にできるようになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る一実施の形態の色調修正装置の概略構成を示すブロック図である。この色調修正装置(画像処理装置)は、カラー写真等の原画からカラー画像を入力するためのスキャナ等の画像入力装置10、該画像入力装置10で入力した画像データを保持する画像保持用メモリ12、入力した上記カラー画像を表示するディスプレイ等の画像表示装置14、最終的に修正されたカラー画像を出力するための画像出力装置16を備えている。
【0011】
又、この色調修正装置は、上記画像保持用メモリ12に保持されている画像データを読み出し、以下に詳述するカラー画像に対する色調修正を実行するために、色空間座標で記述されている画像データをドローネ網表現データに変換する変換部20と、該変換部20で作成したデータを保持するドローネ網表現データ保持部30と、該データ保持部30に保持されているドローネ網表現データを元の色空間座標データに逆変換するための画素値データ逆変換部40と、後述する色域境界を表わす点列データ保持用メモリ42と、色を修正する際の指示を入力するための修正指示部44とを備えている。
【0012】
又、上記変換部20には、各機能については後に詳述するが、制御点リスト作成部22、四面体リスト作成部24、画素値データ変換部26が含まれている。又、上記データ保持部30には、画像特徴量データ保持用メモリ32、画素値データ保持用メモリ34が含まれている。
【0013】
更に、要部詳細を図2に示すように、制御点リスト作成部22は、クラスタリング処理部22Aと、点列データ組合せ部22Bを、四面体リスト作成部24は、ドローネ網構成部24Aと、四面体抽出部24Bを、画像特徴量データ保持用メモリ32は、制御点リスト32Aと、四面体リスト32Bを、それぞれ有している。
【0014】
この色調修正装置では、上記変換部20、保持部30、逆変換部40で、以下に詳述する画像の色調修正が実行され、修正後の画像データが前記メモリ12に出力され、保存されると共に、必要に応じて前記出力装置16に出力されるようになっている。
【0015】
この実施の形態では、カラー画像上の、例えば1つの物体である対象領域に存在する画素について、図3に示すような色空間上におけるバナナ形状の分布を求め、該分布を利用して色調修正を行う。
【0016】
即ち、通常、画像は3次元的な広がりを持った物体に照明光を当て、その反射光を適切なレンズ系を通し、2次元平面にマッピングすることによって撮影が行われる。その際、ある1つの物体は同一の分光反射率、つまり同一の色を持っていて、照明光と物体表面の角度と視点の位置の関係により、その色には様々なグラデーションが生じている。
【0017】
従って、カラー画像中で1つの物体に注目すると、その物体に対応する画像領域に属する画素値の色空間上における分布には、ある特徴的な傾向があることが知られている。即ち、物体が同一でも、影になり照明光が届かない部分は黒くなり、物体の表面に対して照明光が入射したときの入射角で決まる出射角に視線が近い物体表面の領域では、鏡面反射に近い状態となるため、照明光と同じ白になり、その中間の部分は物体表面が拡散反射をし、視線角度に対し反射率が分布を持つので、同一領域(同一物体)の画素は、上記図3に色空間がL*a*b*空間の場合を示すように、黒(シャドウ)から物体固有の色(物体色)を通り、白(ハイライト)へ至る曲線に沿った弧状のグラデーションで分布する傾向がある。ここで、L*は明度、a*b*平面内で、L*軸からの距離は彩度、回転角は色相を表わす。
【0018】
この実施の形態では、同一物体を表わす画素値の色空間上における分布のこのような特徴を利用し、該分布を色空間上で移動(変形)させることにより、その物体の色調を修正できるようにし、容易にカラー画像の色調修正を行えるようにした。
【0019】
この実施の形態では、図4に、複数の物体が描写されているカラー画像について求めた色空間上の画素値の分布を示したように、各分布についてその特徴を表わす複数の点(黒丸●で示す)を制御点として、これを矢印で示す方向に移動させることにより、色調修正を行う。その際、制御点以外のデータについては適当な補間演算が必要であるが、補間を効率的に実行するためには、ランダムにばらまかれた点を何等かの手法により構造化する必要がある。そのために、制御点を母点として空間を単体に分割する単体分割を行う。ここで言う単体とは、空間をn次元に拡張した場合、n+1個のアフィン独立な点の凸包である。
【0020】
ここでは、この単体分割の具体的な方法としてドローネ網の作成を採用する。このドローネ網は、計算幾何学における重要な概念であるが、これについて簡単に説明しておく。
【0021】
平面上にn個の、(母点)Pi (xi ,yi )(i=0,・・・,n−1)が与えられたとき、点Pi の勢力圏:V(Pi )を、次の(1)式で定義し、これを点Pi に対するボロノイ(Voronoi)領域、又は、これに基づいた領域分割をボロノイ分割と呼ぶ。
【0022】
【数1】
Figure 0003771315
ここで、d(P,Q)は点Pと点Qのユークリッド距離
【0023】
点Pi と点Pj に対応するボロノイ領域が共有する境界を持つ、即ち隣接しているとき、それらの点を線分で結ぶことによってあるグラフを作ることができる。このグラフは平面の三角形(単体)分割になっており、ドローネ三角形分割あるいはドローネ網と呼ばれている。即ち、ドローネ網とは、各点の集まり(母点)に対してボロノイ分割したとき、隣接したボロノイ領域の母点同士を線で結んでできるグラフである。このドローネ網は、最小角最大の意味で最適な単体分割であり、しかも一意に決まるという特徴を有している。
【0024】
図5に2次元表記したドローネ網の例を概念的に示したが、以上のことは3次元以上の空間においても同様に定義でき、ここで扱う色空間は3次元であるので、ドローネ単体分割は四面体分割となり、ドローネ網の構成単位(単体)は四面体となる。なお、このドローネ網については、伊里:“bit別冊計算幾何学と地理情報処理”共立出版(1986)、今井:“計算幾何学”,共立出版(1994)に詳説されている。
【0025】
ここでは、データを適切に表現するために、図6(A)及び(B)にそれぞれ示すようなクラスタ代表点及び色域境界を表わす点列データを母点(これは制御点となる)として、同図(C)に示すドローネ網を構成する。
【0026】
即ち、この色調修正装置では、まず入力されたカラー画像データが画像保持用メモリ12から前記図4に示したような色空間上での画素値の分布データとして制御点リスト作成部22に入力される。この作成部22では、クラスタリング処理部22Aで、分布の特徴を表わす点列データを、例えばK平均クラスタリング等の通常のクラスタリングによって得られる各クラスタの代表点(例えば、クラスタの重心)として選択する。このクラスタリング処理部22Aで選択された上記点列データは、点列データ組合せ部22Bに入力され、ここで色域境界を表わす点列データ保持用メモリ42から別途入力される色域境界を表わす点列データと組合わされ、実際の修正に使用する制御点として四面体リスト作成部24に出力される。
【0027】
上記点列データ保持用メモリ42に保持されている色域境界を表わす点列データは、実データから予め抽出して作成されている。この点列データは、入力もしくは出力に想定しているデバイスの信号値(RGB、CMYK等)と、L*a*b*色空間との対応を記述するLUT(ルック・アップ・テーブル)を作成しておくことにより、次のようにして抽出することができる。
【0028】
上記LUTに登録されている各値をL*a*b*色空間上にプロットしてみると、図7に示すような点の集合が得られる。但し、実際には3次元空間であるが、ここでは便宜上2次元で表わしてある。この点の集合から、凸包を形成し、且つ凸包内部の点以外の白丸○で示す点だけを抽出すれば、それが色域境界を表わす点の集合(点列)となる。
【0029】
具体例としては、CMYKで表現されている原画像を使用して、CMYKからL*a*b*への変換用LUTとして、CMYKの各値が0、25、50、75、100(%)の25%毎に等分割した54 個の点のデータからなるLUTを使用することができる。このLUTに登録されているL*a*b*値は、印刷されたカラー・パッチを実際に測色した値である。
【0030】
なお、上記のような実測に基づくLUTでなくとも、解析的な式により両者の変換が定義されている場合であれば、その変換式に基づいてLUTを作成しておくことで、同様に色域境界を表わす点列データを抽出できる。
【0031】
前記点列データ組合せ部22Bで点列データを組合せて作成した制御点は、四面体リスト作成部24のドローネ網構成部24Aに入力され、該制御点に基づきドローネ網が作成される。これを概念的に示したのが前記図6(C)である。
【0032】
上記のようにして抽出された点列データとクラスタ代表点とを合わせたものに対して、この図6(C)のようなドローネ網を構成することにより、色域境界の外には原理的に画素値は存在しないため、全ての画素をドローネ網の内側として表現できるようになる。
【0033】
この図6(C)にも、便宜上2次元的に表記してあるが、実際の色空間は3次元であるため、ドローネ網により分割される単体は前記の如く四面体である。このように構成部24Aで作成されたドローネ網は、四面体抽出部24Bに入力され、ここで該ドローネ網から四面体リストを抽出する。抽出された四面体リストは、前記点列データ組合せ部22Bで作成された全制御点を特定した制御点リストと共に、画像の分布特徴を表わすデータ(以下、両者の組合せを画像特徴量データと呼ぶ)として、画像特徴量データ保持用メモリ32に保持される。
【0034】
更に、この画像特徴量データは、画素値データ変換部26に入力され、ここで各画素の画素値を該画像特徴量データに基づく画素値データに変換し、それを画素値データ保持用メモリ34に保持する。この画素値データは、四面体IDと四面体内部座標として表現される。
【0035】
このようにしてドローネ網による表現(以下、ドローネ網表現と呼ぶ)の画像データが得られる。図8は、このようなドローネ網表現された画像データを概念的に示したものである。このデータ構成について詳述すると、前述した如く、図8(A)に示すようなドローネ網(前記図6(C)に当る)は、四面体の集まりとみなせることから、四面体のみを抽出し、同図(B)に示すように、[四面体リスト]+[制御点リスト]としてこれを表現する。
【0036】
図8(C)に、このデータ構造を示すように、制御点を表わすデータの内部構造はL*a*b*の座標値であり、これは3つの実数値からなる。制御点リストはドローネ網を構成する元となった制御点[0]〜[N−1]の集合からなるリストで、リストの要素は上記制御点データ(色空間座標値)である。一方、四面体を表わすデータの内部構造は各頂点に対応した制御点の制御点番号(制御点リスト中のアドレス)であり、これは0〜N−1の中の4つの整数値からなる。四面体リストはドローネ網を構成する四面体[0]〜[M−1]の集合からなるリストで、リストの要素は上記四面体データ(制御点番号)である。以上のようなデータ構造でドローネ網は完全に表現できる。
【0037】
次に、各画素に対応した画素値の表現方法について説明する。図8(A)に×印で示した画素値が含まれる四面体を同図(D)に2次元的に拡大して示したように、該画素値を表現するために、同図(E)に示すように、まず、その画素値の属している四面体の四面体番号(四面体リスト中のアドレス。以下四面体IDと表記する)を各画素毎に記述しておく。更に、その画素値が四面体内部でどのような位置にあるかを四面体内部座標で記述する。これには、四面体の任意の頂点を原点とし、原点から延びる3本の辺の方向に基底ベクトルを取り、各辺の長さを1に正規化した斜交座標系での座標値として表現する。従って、×印の座標値は、(p1 ,p2 ,p3 )の四面体内部座標値で記述できる。
【0038】
上記図8(D)には、この四面体座標値を便宜上2次元で表現してあり、底辺左頂点を原点とする座標で、×印は(p1 ,p2 )で規定できることを表わしている。即ち、四面体内部にある任意の点の座標を、各頂点にある制御点の座標値で補間できることを意味する。
【0039】
実際の演算では、この四面体内部座標値を実数データとして保持しておくのはデータ量の観点から、現実的ではないので、適当に量子化する必要がある。又、四面体IDも、四面体の個数に応じた適切なビット数で記述するようにしなければならない。四面体IDのビット数についてはドローネ網に含まれる四面体の数から、その対数をとることで簡単に計算することができる。四面体内部座標の量子化については、単純な線形量子化を基本とし、p1 、p2 、p3 に存在する拘束条件を利用して、若干圧縮する方式を導入する。
【0040】
具体的には以下のようにする。p1 、p2 、p3 は0以上1以下の実数なので、次の(2)式により、それぞれの数値を(2s −1)倍し、それを四捨五入することでsビットに量子化する。なお、(2)式右辺の左右端に記したL及び逆L字状の記号はその内側の計算値の小数点以下を切捨てることを意味する。
【0041】
【数2】
Figure 0003771315
【0042】
これで四面体内部座標は3s ビットで表される。p1 、p2 、p3 は四面体内部の点の位置を決めるパラメータなので、次の(3)式のような拘束条件が存在する。
【0043】
p1 +p2 +p3 ≦1 …(3)
【0044】
この条件から、量子化されたP1 、P2 、P3 では、それぞれの値の最上位ビットに含まれる1の個数は2以上にならない。2以上になると、P1 、P2 、P3 を足し合わせた結果の桁が一つ上がってしまうため条件を満たさなくなる。従って、最上位ビットに関する可能な状態は、(1)P1 の最上位ビットのみ1、(2)P2 の最上位ビットのみ1、(3)P3 の最上位ビットのみ1、(4)最上位ビットに1がない、の4通りしかなく、これは2ビットで表現できる。結局図9のように、最上位ビット情報Q(2bit)とPi (i=1,2,3)から最上位ビットを除いたものPi ′(i=1,2,3)(各(s-1 )bit)で、四面体内部座標は表現することができ、合計3s-1 ビットとなり、1ビット分節約できる。
【0045】
ところで、四面体内部座標を記述する基底ベクトルが直交していないことから、一つ問題が発生する。(2)式で量子化すれば、直交座標系では、ユークリッド距離最小という意味で最適な量子化ができる。しかし、斜交座標系の座標値でデータの値が設定されている場合、(2)式で最適な量子化はできない。正確には四面体内部に存在する量子化による格子点全てに対して、距離計算をして判定すればよいのだが、実際にはそこまで必要ない。対象となる画素の回りの格子点64(=43 )点程度の距離計算で距離最小となる格子点を決めるようにすれば十分である。
【0046】
実際に作成され、前記データ保持部30に保持されている全体のデータ構造は、図10に示されるように、大きく分けてドローネ網自体を記述する画像特徴量データと、各画素を記述する画素値マップの2つの部分からなる。画像特徴量データの部分は、制御点リストと四面体リストからなり、画像の色空間上での分布特徴を記述し、画素値マップは、四面体内部座標と四面体IDからなる画素値データの集まりで、画像データの本体を形成する。
【0047】
なお、図10では、制御点リストが複数記載されているが、これは、色調修正が制御点を移動させることに当るため、色調修正した場合、その結果を制御点リストの異なるバージョンとして順次登録することもできるということを示している。保存の必要がなければ、元の制御点リストに上書きすればよい。
【0048】
色空間座標で記述された画素値を上述したドローネ網表現へ変換するまでの順変換の処理手順を、図11のフローチャートに示した。まず、色空間上でのクラスタリング(K平均クラスタリング)により、クラスタ代表点を抽出する(ステップS1)。次いで、このクラスタ代表点と色域境界を表わす点列データを合わせて制御点リストを作成する(ステップS2)。作成した制御点リストを元に、ドローネ網を構成する(ステップS3)。そのドローネ網から、四面体リストを作成する(ステップS4)。その後、各画素がどの四面体に属するか判定し、四面体内部座標と四面体IDを得る(ステップS5)。こうして前記画素値マップが作成される。
【0049】
上記ステップS5の最終ステップは、各画素がどの四面体に属するか判定しなければならないため、この判定処理は全画素が終了するまで繰り返し実行される。従って、上記順変換処理で問題になるのは、この判定に全ての四面体について内外判定をする全探索法を採用したのでは、非常に演算コストがかかる。因みに、例えば制御点が200点で四面体数は1000個程度になり、これに対する帰属を1024×1024画素の画像について探索するには数時間かかる。
【0050】
そこで、前記画素値データ変換部26で行う上記判定には、次に示す高速探索法を新たに導入する。この高速探索法は、図12に便宜上2次元で示すように、色空間を16のブロック(実際の色空間では43 個の立方体ブロック)に分割し、各ブロックに少なくとも一部が含まれる関係にある四面体のリストを予め登録しておく。各画素に対して、それがどのブロックに存在しているかは簡単な計算で分かるので、そのブロックに関係あるとして登録されている四面体のみを探索し、内外判定を行えばよいことになる。これにより、全探索法では数時間要した演算を、10分程度に収めることができた。
【0051】
このように変換されたデータに対して色調修正を行う際、ポインティングデバイス等の修正指示部44で制御点を変更するだけで、修正処理は終了する。即ち、制御点が変更された後のデータは、画素値データ逆変換部40に入力され、ここで元の色空間の表現に逆変換され、画像保持用メモリ12に出力される。
【0052】
ここで実行される逆変換について以下に説明する。逆変換には、まず、量子化された四面体内部座標値から、次の(4)式のように元の実数値pi バーを得る。
【0053】
【数3】
Figure 0003771315
【0054】
次に、四面体IDから四面体リスト及び制御点リストを参照し、今注目している画素が属している、四面体の頂点の座標値:ベクトルVi (i=0、1、2、3、)を得る。これにより、元の画素値:ベクトルXは、次の(5)式のように計算することができる。これを全画素に対して実行する。ここでは、V0 が四面体の原点であるとしている。
【0055】
【数4】
Figure 0003771315
【0056】
この逆変換は各画素毎に9回の乗算で実行できるため高速である。ディスプレイ上で修正結果を表示しながらのオペレーションを考えると、逆変換が高速であることは、ほとんど必須条件であるが、この演算方法で実現できる。
【0057】
ここで実行される上記逆変換を、前記図8(D)に相当する2次元表記した四面体内部座標を示す図13に示す概念図を元に、より具体的に説明する。
【0058】
いま、上記内部座標が頂点Aを原点とする三角形ABCで表わされ、×印で示した注目画素の修正前の内部座標値が(p1 ,p2 )であったとする。色調修正の計算を容易にするために、色空間L*a*b*における各頂点(制御点)A、B、Cの座標値をベクトル表記する。図中矢印はベクトルを表わしている。
【0059】
点A、B、Cの位置ベクトルを、それぞれベクトルa、b、cとすると、×印の座標を表わすベクトルxは、次の(6)式で与えられる。×印の座標値は、四面体を規定する4つの制御点の座標値で簡単に補間演算できる。但し、図示しない頂点Dの位置ベクトルをdとし、辺ADに関する内部座標値をp3 として3次元表記してある。
【0060】
【数5】
Figure 0003771315
【0061】
そして、色調修正を行う際に制御点を変更し、B点をB′に、C点をC′に移動させたとすると、変更後の×印の座標であるベクトルx′は、次の(7)式で与えられる。但し、A点もA′点(図示せず)に変更した場合も想定し、ベクトルa′として一般化してある。
【0062】
【数6】
Figure 0003771315
【0063】
この式は、前記(5)式に相当し、各項は次の関係にある。
【0064】
【数7】
Figure 0003771315
【0065】
上記(7)式から分かるように色調修正時には、四面体内部座標値p1 、p2 、p3 は変更する必要がない。又、ベクトルu′、v′、w′は、前記(6)式と同様に、L*a*b*で記述された変更後の制御点B′、C′、D′の各座標値から原点に当る制御点A′の座標値を引くだけで簡単に求めることができる。
【0066】
前記逆変換部40で実行される逆変換は、画素毎の四面体IDと四面体内部座標値から、四面体リスト及び制御点リストを参照しながら、上記(7)式で、ベクトルa′、u′、v′、w′にL*a*b*の具体的な値を入れることにより実行されるが、前記(5)式のところで説明した如く、この処理は1画素当り数回の積和演算のみで済むので、十分高速で実行できる。
【0067】
従って、色調修正を行う場合は、制御点リストだけを変更するだけで、上記(7)式により、任意画素についての画素値の補間演算が実行できるため、四面体リストも、画素値データも全く変える必要はない。従来のほとんどの色調修正アルゴリズムは、画素データそのものを変えるような処理を行っていたため、複雑な色の処理を実行しようとすると、処理が遅くなるという欠点があったが、この実施の形態(本発明)によれば、どんな複雑な色の処理でも、制御点の移動だけで済むため、幅の広い処理が高速でできるという利点がある。
【0068】
以上詳述したこの実施の形態では、オペレータは、次のようにして色調修正の作業を行うことができる。
【0069】
(1)色修正に先立ち、画像データをドローネ網表現に変換しておく。
(2)ドローネ網表現のデータをロードし、ディスプレイ上に表示する。
(3)特定色領域のみを修正したい場合は、適当なユーザ・インターフェイスにより領域指定を行う。即ち、移動させたい制御点を選択する。全体を修正したい場合は、全制御点を選択しておく。
(4)選択された各制御点に対して、それぞれどれだけ移動させるかを指定し、移動させる。
(5)新しい制御点を元にディスプレイ上に修正結果を表示する。結果が良ければ次のステップへ進む。
(6)新しい制御点リストを新しいバージョンとして付け加え、セーブする。
(7)必要があれば、通常の画像表現へ逆変換する。
【0070】
以上のように、この実施の形態によれば、色修正を実行することで、ドローネ網表現での画素値データを全く変えることなく、制御点の移動と通常の画像表現への逆変換だけで色調修正ができるようになる。
【0071】
そのため、複雑な色調修正を行いたい場合でも、複雑な処理を画素数分繰り返す必要はなく、制御点に対してのみ複雑な処理を実行するだけでよい。又、修正結果を制御点リストの異なるバージョンとして記述しておくことで、修正の履歴を保存しておくことができる。更に、画素毎にどの四面体に属しているかの情報が四面体IDとして記述されているので、これを利用して領域指定の処理を効率的に実行できる。
【0072】
以上、本発明を具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に示したものに限られるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0074】
例えば、前記実施の形態では、デバイスに依存しない色空間もL*a*b*に限定されない。更に、単体分割もドローネ網の作成に限定されない。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明によれば、色空間上の画素値の分布を移動させることにより、色調修正の画像処理を少ない演算量で実行することができる。又、カラー画像の色調修正は、熟練したオペレータでなくとも、しかも領域選択的な色調修正をも容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る色調修正装置の概略構成を示すブロック図
【図2】上記色調修正装置の要部詳細を示すブロック図
【図3】色空間上の画素値の分布特徴を示す説明図
【図4】複数の物体に関する色空間上の画素値の分布特徴を示す説明図
【図5】ドローネ網を概念的に示す線図
【図6】色域境界を表わす点列データの抽出を示す線図
【図7】色空間上で構成するドローネ網を概念的に示す説明図
【図8】ドローネ網表現された画像データを概念的に示す説明図
【図9】四面体内部座標のデータ圧縮を示す説明図
【図10】ドローネ網表現された画像データの構造を概念的に示す説明図
【図11】色空間上の画素値をドローネ網表現に変換する手順を示すフローチャート
【図12】画素値の属する四面体の高速探索法を説明する線図
【図13】ドローネ網表現から色空間座標への逆変換の演算を説明する線図
【符号の説明】
10…画像入力装置
12…画像保持用メモリ
14…画像表示装置
16…画像出力装置
20…ドローネ網表現データへの変換部
22…制御点リスト作成部
22A…クラスタリング処理部
22B…点列データ組合せ部
24…四面体リスト作成部
24A…ドローネ網構成部
24B…四面体抽出部
26…画素値データ変換部
30…ドローネ網表現データ保持部
32…画像特徴量データ保持用メモリ
32A…制御点リスト
32B…四面体リスト
34…画素値データ保持用メモリ
40…画素値データ逆変換部
42…色域境界を表わす点列データ保持用メモリ
44…修正指示部

Claims (3)

  1. 画像の空間上での画素値の分布であるデータ分布をクラスタリングして得られるクラスタ代表点と、色域境界を表わす複数の点を制御点として設定する手段と、
    設定された制御点を母点として色空間を四面体からなる単体に単体分割する手段と、
    データ分布中の各点が、単体分割された単体のいずれに属するか判定する判定手段と、
    空間座標で記述されている各点を、それぞれが属する単体で規定される単体内部座標に変換する手段と、
    任意の制御点を空間上で移動させる手段と、
    単体内部座標に変換された各点を元の空間座標に逆変換する手段と、を備えていることを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記判定手段が、空間を複数のブロックに分割する手段と、注目点が属するブロックを判定する手段と、該ブロックに少なくとも一部が含まれる単体の中から該注目点が属する単体を探索する手段とを備えていることを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1において、
    単体内部座標に変換された点のデータを、該単体内部座標に存在する拘束条件を利用して圧縮することを特徴とする画像処理装置。
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