JP3769754B2 - スターリングサイクル機関 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フリーピストン型のスターリングサイクル機関に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のスターリングサイクル機関としては、ケーシング内に設けられたシリンダの内部に、ピストン及びディスプレイサーが摺動可能に挿入されると共に、前記ピストンを駆動機構によって往復駆動させるものがあった。前記ピストンを往復駆動する駆動機構は、ピストンの基端に接続される短筒状の枠の一端に固定される永久磁石と、この永久磁石の内周側に位置して磁気的空隙を介して対向配置される導磁部と、前記枠の外周側に位置して磁気的空隙を介して対向配置される電磁コアに巻装する電磁コイルとで構成されている。そして、前記ピストンが前記駆動機構によって駆動されて前記シリンダ内で前記ディスプレイサーに近づく方向に移動すると、前記ピストンとディスプレイサーの間に形成された圧縮室内の気体が圧縮されて、放熱フィン、再生器、吸熱フィンを通り、前記ディスプレイサーの先端と前記ケーシングの先端部との間に形成された膨張室に至ることで、前記ディスプレイサーが前記ピストンに対して所定の位相差をもって押し下げられる。一方、前記ピストンが前記ディスプレイサーから遠ざかる方向に移動すると、前記圧縮室の内部が負圧となり、前記膨張室内の気体が前記吸熱フィン、再生器、放熱フィンを通って前記圧縮室に還流することで、前記ディスプレイサーが前記ピストンに対して所定の位相差をもって押し上げられる。このような工程中において二つの等温変化と等体積変化とからなる可逆サイクルが行われることによって、前記膨張室近傍は低温となり、一方、前記圧縮室近傍は高温となるというものである。そして、前記駆動機構を構成する電磁コアは、前記シリンダの外周側に設けられたマウントと樹脂製のホルダとの間に挟持され、これらマウントとホルダとをビスで締め付けることによって、前記シリンダに対して保持されている。(例えば特許文献1)
【0003】
【特許文献1】
特開2001−355513号公報(段落0002,0018)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記スターリングサイクル機関においては、前述したように、前記駆動装置を構成する電磁コアを固定するために、前記マウントとホルダとで前記電磁コアを挟持してビス等で締め付けているが、前記ホルダが樹脂製であるため、前記駆動装置が発する熱がこの駆動装置から逃げずに籠もってしまい、この籠もった熱によって様々な不具合(例えば、高熱によって前記ホルダが軟化してしまうことで前記電磁コアを固定し続けることができなくなる等)が生じてしまうという問題があった。また、前記ピストンの往復動によって生じる振動によって、前記電磁コアが前記マウントとホルダとの間で軸直方向にずれてしまい、前記駆動機構とシリンダとピストンの同軸性を保てなくなってしまう虞もあった。
【0005】
そこで、本発明は、駆動装置に熱が籠もらないようにすることで、熱による悪影響を減ずることができるスターリングサイクル機関を提供することを目的とする。また、本発明は、前記電磁コアを強固に且つ高精度に保持することができるスターリングサイクル機関を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、略円筒状に形成された円筒部を有するケーシングと、このケーシングの円筒部内に同軸状に挿入されるシリンダと、このシリンダの先端側内部に摺動可能に挿入されるディスプレイサーと、前記シリンダの基端側内部に摺動可能に挿入されるピストンと、前記シリンダの基端側外部に配置されて前記ピストンの基端に枠を介して固定される永久磁石を有する可動子及び前記永久磁石の外周側に対向配置される電磁コイルと電磁コアを有する固定子とを有する駆動装置と、前記シリンダの中間位置から外周側に延出するフランジ状のマウントと、このマウントとの間で前記駆動装置の電磁コアを挟持すると共に配線保護用の保護ガイドを一体に形成した固定リングとを備え、前記マウントを前記ケーシング内部に固定することで前記シリンダを前記ケーシング内部に固定し、前記マウントと前記固定リングとで挟持することで前記駆動装置を前記シリンダに固定すると共に、前記固定リングを前記電磁コアよりも熱伝導性の良好な材質で形成したものである。
【0007】
この請求項1の構成によれば、前記電磁コアを挟持するための固定リングを、前記電磁コアよりも熱伝導性の良好な材質で形成することにより、前記駆動装置が発する熱がこの駆動装置から前記固定リングに移動して前記ケーシング内で放熱される。また、前記保護ガイドによって配線が保護されると共に、前記固定リングに移動した熱が前記保護ガイドからも放熱される。
【0010】
また、請求項2の発明は、請求項1において、前記ケーシング内に、前記ディスプレイサー及び/又はピストンと連結されたバネを設けると共に、このバネの振動から前記配線を保護するための保護カバーを前記保護ガイドの端部に取り付けたものである。
【0011】
この請求項2の構成によれば、前記保護カバーによって、振動する前記バネに前記配線が接触することが防止される。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項2において、前記保護カバーが前記保護ガイドと熱的に接すると共に、前記保護カバーを熱伝導性の良好な材質で形成したものである。
【0013】
この請求項3の構成によれば、前記固定リングから保護ガイドに移動した熱が、前記保護カバーからも放熱される。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3において、前記固定リング及び/又は保護ガイドの表面に凹凸を形成したものである。
【0015】
この請求項4の構成によれば、前記固定リング及び/又は保護ガイドの表面積が増大することで、前記電磁コアから固定リングに移動した熱が良好に放熱される。
【0016】
更に、請求項5の発明は、請求項1において、前記電磁コアと、前記マウント及び/又は前記固定リングとを硬度の異なる材質によって形成すると共に、前記電磁コアとマウントのうち高硬度の材質で形成された一方、及び/又は前記電磁コアと固定リングのうち高硬度の材質で形成された一方に、低硬度の材質で形成された他方に食い込ませる先鋭状の突起部を一体形成したものである。
【0017】
この請求項5の構成によれば、前記先鋭状の突起部が低硬度の材質で形成された他方に食い込むことで、電磁コアとマウント及び/又は電磁コアと固定リングとが、軸直方向にずれない。
【0018】
【発明の実施形態】
以下、本発明の一実施形態について、添付図を参照して説明する。図1〜図4において、1は略円筒状に形成された円筒部2と胴部3とで構成されるケーシングである。前記円筒部2はステンレス鋼などからなり、基部4と中間部5と先端部6が一体に構成されている。
【0019】
前記円筒部2の内部には、前記胴部3の内部まで延びるシリンダ7が、前記円筒部2に対して同軸的に挿入されて設けられている。このシリンダ7の先端部6側には、このシリンダ7とは別体の延長シリンダ部7Aが同軸状に接続されている。そして、前記胴部3側となる前記シリンダ7は、アルミニウム等の金属を用いてダイカスト等の鋳造を行うことによって、後述するマウント26,27及び接続用腕部30と一体に成形されたものであり、鋳造後にシリンダ7の内外周などを切削加工したものである。そして、前記シリンダ7の先端側及び延長シリンダ部7Aの内側には、ディスプレイサー8が軸方向に摺動可能に収容されている。また、このディスプレイサー8の先端と前記円筒部2の先端部6の間には膨張室Eが形成されており、隙間9によって前記延長シリンダ部7Aの内外が連通されている。また、前記中間部5において、前記円筒部2の内周と前記シリンダ7の外周との間に再生器10が設けられていると共に、前記基部4において、前記シリンダ7の内外を連通する連通孔11が前記シリンダ7自体に形成されている。また、前記円筒部2の先端部6の内周と前記延長シリンダ部7Aの先端外周との間には、吸熱フィン12が設けられると共に、前記再生器10と連通孔11の間において、前記円筒部2の内周と前記シリンダ7の外周との間に放熱フィン13が設けられている。そして、前記延長シリンダ部7Aの内部先端から隙間9、吸熱フィン12、再生器10、放熱フィン13、連通孔11を通って前記シリンダ7内の圧縮室Cに至る経路14が形成されている。更に、前記胴部3内において、前記シリンダ7の基部側の内側には、ピストン15が軸方向に摺動可能に収容されている。そして、このピストン15の基端部は、駆動装置16に対して同軸的に連結されている。この駆動装置16は、ピストン15の基端側外周に位置して前記ピストン15の基端に接続体15Aを介して接続される短筒状の枠17と、この枠17の内周面に固定される永久磁石17Aを有する可動子18と、前記永久磁石17Aの外周に近接して設けられた環状の電磁コイル19と電磁コア20を有する固定子21と、磁石17Aの内周に近接して設けられた導磁部22とで構成されている。
【0020】
また前記ピストン15に枠17を接続させる接続体15Aには、前記ピストン15の動作を制御するための第一の板バネ23が接続されている。さらに、前記ディスプレイサー8の基端側には、このディスプレイサー8の動作を制御するためのロッド24の一端が接続されていると共に、このロッド24の他端には第二の板バネ25が接続されている。尚、前記ロッド24は前記ピストン15を貫通して延びている。また、前記一対の板バネ23,25は、前記胴部3内において前記シリンダ7の基端側の外部に配置されていると共に、前記第一の板バネ23よりも第二の板バネ25が前記シリンダ7の基端側から離れた位置に配置されている。尚、前記電磁コイル19は、鋼鉄などの強磁性金属材料からなる上下一対の電磁コア20に囲まれるように設けられていると共に、この電磁コア20は電磁コイル19等と共に一体化されている。また、各電磁コア20の軸方向両端には0.1〜0.2mm程度の突起部20 Aが環状に一体形成されている。
【0021】
また、前記シリンダ7の中間部の外周面には、該シリンダ7と同軸状に突出するマウント26が一体に形成されていると共に、このマウント26よりも基端側の位置に、フランジ状のマウント27が前記シリンダ7と一体に成形されている。これら一対のマウント26,27は間隔をおいて形成されていると共に、前記マウント26は、前記円筒部2の基部4にO−リング26Aを介して当接してシリンダ7をケーシング1の円筒部2に固定する。一方、前記マウント27は、その一側面27Aが前記胴部3内部の取付部3Aに当接してこの取付部3Aに対して螺子止めされるように構成されていると共に、その他側面27Bに前記駆動装置16を構成する電磁コア20の一端が当接するように形成されている。また、前記電磁コア20の他端には固定リング28が当接している。この固定リング28は、前記電磁コア20より熱伝導性の良好な、例えばアルミニウム等の金属を用いてダイカスト等の鋳造によって成形されている。この固定リング28と前記マウント27とで前記電磁コア20を挟持してビス29によって締め付けることによって、前記電磁コア20、ひいてはこの電磁コア20と一体化している前記電磁コイル19が前記マウント27に固定される。この際、鋼鉄製の各電磁コア20の軸方向両端に形成された突起部20Aが、鋼鉄よりも軟らかいアルミニウム製のマウント27及び固定リング28にそれぞれ食い込み、これらマウント27、固定リング28、電磁コア20の三者が強固に一体化される。更に、前記マウント27の他側面27Bから、複数の接続用腕部30が前記シリンダ7の軸方向と略平行に突設されている。なお、前記接続用腕部30は、基端30Aにおいて前記マウント27と一体に形成されている。そして、接続用腕部30の先端部に、前記第一の板バネ23がスペーサー31によって取り付けられていると共に、このスペーサー31に対して、前記第二の板バネ25がビス32によって取り付けられている。さらに、図2に示すように、固定リング28にはケーシング1の底部に装着したコネクタ33から延びる配線34を保護する複数の保護ガイド35が、前記接続用腕部30と略平行に突設され、この保護ガイド35の先端部に、熱伝導性に優れたアルミニウム等の金属を用いてダイカスト等の鋳造によって成形された保護カバー36が熱的に接触した状態でビス37によって固定されている。この保護カバー36により、振動する前記第一及び第二の板バネ23,25と前記配線34との接触を防止するようにしている。また、前記固定リング28の表面にはリブ状の凹凸38が形成されており、前記電磁コア20から固定リング28に移動した熱が良好に放熱されるようになっていると共に、前記凹凸38がリブ状に形成されていることによって、前記固定リング28の強度も向上している。
【0022】
尚、図中39はケーシング1の他端に設けた振動吸収ユニットであり、前記シリンダ7の軸線上に配置された連結部40を介して、複数の板バネ41とバランスウエイト42が同軸状に重なるように配置されている。
【0023】
従って、前記シリンダ7は、前記マウント26を円筒部2の基部4の内側にO−リング26Aを介して当接させると共に、前記マウント27の一側面27Aを前記胴部3内部の取付部3Aに当接させてこの取付部3Aに対してビス27Cによって螺子止めすることで、前記ケーシング1に対して固定される。この際、前記マウント26が円筒部2の内面にO−リング26Aを介して当接することで、前記シリンダ7を円筒部2に対して同軸に配置することができる。また、前記シリンダ7は、このシリンダ7の基端側の外周に導磁部22を取り付けると共に、前記シリンダ7と一体に形成されたマウント27に対して、前記固定リング28及びビス29によって、前記駆動装置16を構成する電磁コイル19及び電磁コア20を固定する。これにより、マウント27と固定リング28とで前記電磁コア20が挟持される。この際、硬度の高い鋼鉄製の電磁コア20の軸方向両端に形成される先鋭状の突起部20Aが、硬度の低いアルミニウム製のマウント27及び固定リング28に食い込み、これらマウント27、固定リング28、電磁コア20が強固に一体化される。更に、前記シリンダ7内に前記ディスプレイサー8、ピストン15等を組み込み、このピストン15の基端の接続体15Aに取り付けられた第一の板バネ23を前記腕部30とスペーサー31との間で挟持して固定すると共に、前記ディスプレイサー8に接続されたロッド24の他端に接続された第二の板バネ25を前記スペーサー31の他端にビス32によって固定する。さらに、固定リング28に形成された保護ガイド35の先端部に保護カバー36を熱的に接触した状態でビス37によって固定した後、前記胴部3と円筒部2を接続し、予め組み立てられた振動吸収ユニット39を前記胴部3に取り付ける。
【0024】
そして、前記構成により、前記電磁コイル19に交流電流を流すと、この電磁コイル19から交番磁界が発生して電磁コア20で集中し、この交番磁界によって、前記永久磁石17Aを軸方向に往復動させる力が生じる。この力によって、前記永久磁石17Aを固定した支持体17に接続されたピストン15がシリンダ7内を軸方向に往復動する。そして、前記ピストン15が前記ディスプレイサー8に近づく方向に移動すると、前記ピストン15とディスプレイサー8との間に形成された圧縮室C内の気体が圧縮されて、前記連通孔11、放熱フィン13、再生器10、吸熱フィン12、隙間9を通り、前記ディスプレイサー8の先端と円筒部2の先端部6の間に形成された膨張室Eに至ることで、前記ディスプレイサー8が前記ピストン15に対して所定の位相差をもって押し下げられる。一方、前記ピストン15が前記ディスプレイサー8から遠ざかる方向に移動すると、前記圧縮室Cの内部が負圧となり、前記膨張室E内の気体がこの膨張室Eから前記隙間9、吸熱フィン12、再生器10、放熱フィン13、連通孔11を通って前記圧縮室Cに還流することで、前記ディスプレイサー8が前記ピストン15に対して所定の位相差をもって押し上げられる。このような工程中において二つの等温変化と等体積変化とからなる可逆サイクルが行われることによって、前記膨張室Eの近傍は低温となり、一方、前記圧縮室Cの近傍は高温となる。
【0025】
このように、圧縮室Cの近傍は高温となり、また、駆動装置16からも発熱されるが、マウント27と固定リング28が前記電磁コア20よりも熱伝導性の良好な材質で形成されているため、圧縮室Cから発する熱がマウント27に移動すると共に、駆動装置16から発する熱が、この駆動装置16の熱源である前記電磁コイル19から前記電磁コア20を経て前記固定リング28に移動して、前記ケーシング1内で放熱され、前記電磁コア20、ひいては前記駆動装置16の温度が過度に高くならないように保つことで、熱による悪影響を減ずることができる。さらに、固定リング28の表面には凹凸38が形成されると共に、固定リング28には、配線34を保護するための保護ガイド35が一体に形成されているので、凹凸38により固定リング28の表面積が増大することで、電磁コア20から固定リング28に移動した熱が良好に放熱され、さらに、前記固定リング28に移動した熱が前記保護ガイド35からも放熱されるので、駆動装置16の発する熱を効率的に放熱することができる。また、前記凹凸38がリブ状に形成されていることによって、前記固定リング28の強度を高めることができる。さらに、前記保護ガイド35によって前記配線34が保護されると共に、前記保護ガイド35の先端部に保護カバー36が熱的に接触した状態でビス37によって固定されるので、前記固定リング28から保護ガイド35に移動した熱が、この保護カバー36からも放熱されることで、一層、前記駆動装置16の発する熱を効率的に放熱することができると共に、前記保護カバー36によって、振動する第一及び第二の板バネ23,25と配線34とが接触することが防止されるので、配線34の損傷を防止することができる。
【0026】
また、マウント27と固定リング28とで前記電磁コア20を挟持して固定する際、硬度の高い鋼鉄製の電磁コア20の軸方向両端に形成された先鋭状の突起部20Aが、硬度の低いアルミニウム製のマウント27及び固定リング28に食い込むことで、前記電磁コア20とマウント27及び固定リング28とが軸直方向にずれることなく強固に固定されるので、前記ピストン15の往復動によって振動が生じたとしても、前記駆動装置16とシリンダ7とピストン15の同軸性を保つことができる。
【0027】
尚、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において、種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態においては、鋼鉄製の電磁コア20を用い、これを組み付ける前記マウント27及び固定リング28をアルミニウム等でダイカスト等の鋳造をすることによって成形した例を示したが、これらの材料は適宜選定すればよく、要は、前記固定リング28を構成する材質の熱伝導率が前記電磁コア20を構成する材質の熱伝導率よりも高く、且つ、前記マウント27を構成する材質と前記電磁コア20を構成する材質の硬度、及び/又は前記固定リング28を構成する材質と前記電磁コア20を構成する材質の硬度が異なっていればよい。さらに、前記実施例では、前記電磁コア20に突起部20Aを形成し、これをマウント27と固定リング28に食い込ませた例を示したが、マウント27と固定リング28に突起部を形成して電磁コア20に食い込ませるようにしてもよく、また、前記電磁コア20の軸方向一端に形成された突起部20Aを前記マウント27と固定リング28の一方に食い込ませると共に、前記マウント27と固定リング28の他方に形成された突起部を前記電磁コア20の軸方向他端に食い込ませるようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
請求項1の発明は、略円筒状に形成された円筒部を有するケーシングと、このケーシングの円筒部内に同軸状に挿入されるシリンダと、このシリンダの先端側内部に摺動可能に挿入されるディスプレイサーと、前記シリンダの基端側内部に摺動可能に挿入されるピストンと、前記シリンダの基端側外部に配置されて前記ピストンの基端に枠を介して固定される永久磁石を有する可動子及び前記永久磁石の外周側に対向配置される電磁コイルと電磁コアを有する固定子とを有する駆動装置と、前記シリンダの中間位置から外周側に延出するフランジ状のマウントと、このマウントとの間で前記駆動装置の電磁コアを挟持すると共に配線保護用の保護ガイドを一体に形成した固定リングとを備え、前記マウントを前記ケーシング内部に固定することで前記シリンダを前記ケーシング内部に固定し、前記マウントと前記固定リングとで挟持することで前記駆動装置を前記シリンダに固定すると共に、前記固定リングを前記電磁コアよりも熱伝導性の良好な材質で形成したものであり、前記駆動装置が発する熱がこの駆動装置から前記固定リングに移動して前記ケーシング内で放熱されるので、前記電磁コア、ひいては前記駆動装置の温度が過度に高くならないように保ち、熱による悪影響を減ずることができるばかりでなく、前記保護ガイドによって配線が保護されると共に、前記固定リングに移動した熱が前記保護ガイドからも放熱されるので、配線が傷つくことを防止することができるばかりでなく、放熱面積が増大することで駆動装置の発する熱を効率的に放熱することができる。
【0030】
また、請求項2の発明は、請求項1において、前記ケーシング内に、前記ディスプレイサー及び/又はピストンと連結されたバネを設けると共に、このバネの振動から前記配線を保護するための保護カバーを前記保護ガイドの端部に取り付けたものであり、前記保護カバーによって、振動する前記バネに前記配線が接触することが防止されるので、配線が傷つくことを防止することができる。
【0031】
また、請求項3の発明は、請求項2において、前記保護カバーが前記保護ガイドと熱的に接すると共に、前記保護カバーを熱伝導性の良好な材質で形成したものであり、前記固定リングから保護ガイドに移動した熱が、前記保護カバーからも放熱されるので、放熱面積がより増大することで駆動装置の発する熱をより効率的に放熱することができる。
【0032】
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3において、前記固定リング及び/又は保護ガイドの表面に凹凸を形成したものであり、前記固定リング及び/又は保護ガイドの表面積が増大することで、前記電磁コアから固定リングに移動した熱をより効率的に放熱することができる。
【0033】
更に、請求項5の発明は、請求項1において、前記電磁コアと、前記マウント及び/又は前記固定リングとを硬度の異なる材質によって形成すると共に、前記電磁コアとマウントのうち高硬度の材質で形成された一方、及び/又は前記電磁コアと固定リングのうち高硬度の材質で形成された一方に、低硬度の材質で形成された他方に食い込ませる先鋭状の突起部を一体形成したものであり、前記先鋭状の突起部が低硬度の材質で形成された他方に食い込むことで、電磁コアとマウント及び/又は電磁コアと固定リングとが、軸直方向にずれないので、前記ピストンの往復動によって振動が生じたとしても、前記駆動機構とシリンダとピストンの同軸性を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体断面図である。
【図2】本発明の一実施形態を示す、図1とは切断方向が異なる、一部を省略した断面図である。
【図3】本発明の一実施形態を示す、電磁コアの固定状態を示す要部の拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施形態を示す固定リングの底面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
2 円筒部
7 シリンダ
8 ディスプレイサー
15 ピストン
16 駆動機構
17 枠
17A 永久磁石
18 可動子
19 電磁コイル
20 電磁コア
20A 突起部
21 固定子
23 第一の板バネ
25 第二の板バネ
26,27 マウント
28 固定リング
34 配線
35 保護ガイド
36 保護カバー
38 凹凸
Claims (5)
- 略円筒状に形成された円筒部を有するケーシングと、このケーシングの円筒部内に同軸状に挿入されるシリンダと、このシリンダの先端側内部に摺動可能に挿入されるディスプレイサーと、前記シリンダの基端側内部に摺動可能に挿入されるピストンと、前記シリンダの基端側外部に配置されて前記ピストンの基端に枠を介して固定される永久磁石を有する可動子及び前記永久磁石の外周側に対向配置される電磁コイルと電磁コアを有する固定子とを有する駆動装置と、前記シリンダの中間位置から外周側に延出するフランジ状のマウントと、このマウントとの間で前記駆動装置の電磁コアを挟持すると共に配線保護用の保護ガイドを一体に形成した固定リングとを備え、前記マウントを前記ケーシング内部に固定することで前記シリンダを前記ケーシング内部に固定し、前記マウントと前記固定リングとで挟持することで前記駆動装置を前記シリンダに固定すると共に、前記固定リングを前記電磁コアよりも熱伝導性の良好な材質で形成したことを特徴とするスターリングサイクル機関。
- 前記ケーシング内に、前記ディスプレイサー及び/又はピストンと連結されたバネを設けると共に、このバネの振動から前記配線を保護するための保護カバーを前記保護ガイドの端部に取り付けたことを特徴とする請求項1記載のスターリングサイクル機関。
- 前記保護カバーが前記保護ガイドと熱的に接すると共に、前記保護カバーを熱伝導性の良好な材質で形成したことを特徴とする請求項2記載のスターリングサイクル機関。
- 前記固定リング及び/又は保護ガイドの表面に凹凸を形成したことを特徴とする請求項1乃至3記載のスターリングサイクル機関。
- 前記電磁コアと、前記マウント及び/又は前記固定リングとを硬度の異なる材質によって形成すると共に、前記電磁コアとマウントのうち高硬度の材質で形成された一方、及び/又は前記電磁コアと固定リングのうち高硬度の材質で形成された一方に、低硬度の材質で形成された他方に食い込ませる先鋭状の突起部を一体形成したことを特徴とする請求項1記載のスターリングサイクル機関用駆動装置。
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- 2003-07-25 JP JP2003202113A patent/JP3769754B2/ja not_active Expired - Lifetime
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