JP3769012B2 - 穀物の自動評価方法および装置 - Google Patents
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Description
穀粉の生産量は、与えられた穀物(corn)の総重量、例えば1トンから得られる穀粉の総量として定義されており、重量パーセントとして表現される。製粉用の穀物を購入する場合は、委託する穀物毎に穀粉の生産量の予告が可能であり、それによって、最大の穀粉生産量をもたらす穀物を委託し、製粉工業に最大の利益をもたらすことが望ましい。
今日では、穀粉の生産量は、委託した穀物から採取した試料から得られる膨隆密度(bulk density)(容積重量voumetric weightとも呼ばれる)を決定することによって予告される。一般的には、関係する1リットルの穀物粒子の重量が単純に測定される。膨隆密度は事実上は穀粉生産量のおよその尺度であると考えられている。
しかしながら、1986年のAust.J.Agric.Res.37号第340ページに載っているD.R.Marshall,D.J.Mares,H.J.MossおよびF.W.Elison等による「小麦粉製造産業における小麦の穀物粒子の形状と大きさの関係」と題された論文においては、膨隆密度と穀粉の生産量との相関関係が、穀物の産地と品種の両方に依存しており、また、膨隆密度は、したがって生産量を信頼できる程度に予告する尺度には使用できないとされている。
特許文献中には、膨隆密度以外の手段によって穀粉の生産量を決定する実験例が挙がっている。
例えば、FR 2,416,465号には、光を穀物粒子の試料に透過して、光の透過量によって穀粉の生産量を決定する装置が開示されている。
この装置によって得られた結果は知られていない。しかしながら、もし、穀粉の生産量が決定されるべきものとすれば、膨隆密度の使用に代わるべき、商業的に有用で、実際に利用可能な代替指標が存在していないことがはっきりしている。
Marshall,Mares,MossおよびElison各氏による上記の論文は、穀粉の生産量における穀物粒子の形状と大きさの関係についての研究が記述されている。同論文の第340ページにおける議論においては、穀粉の生産量における穀物粒子の形状と大きさの関係は、他の要因との関係に比べると小さいこと、および、これを明確に表現することは必ずしも容易ではないことが述べられている。研究された他のパラメーター(例えば、プロテインの含有量、硬度、しわの深さ、もみ殻の厚さ)については、膨隆密度だけが穀粉の生産量と有意な関係にあることを示した。
この発明の第1の目的は、このように、製粉機にかけられる以前の複数個の穀物粒子から、穀粉の生産量を正確に決定できる方法と装置を提供することである。
委託した穀物のプロテインの含有量を迅速にかつ容易に決定することにも大いに関係する。末端のユーザーの異なる者同士、例えば、製粉業者、モルトハウス、飼料製造業者などは、様々なプロテインを混合することが必要になる。したがって、所望のプロテイン含有量を有する委託穀物を選択し、または所望のプロテイン含有量が得られるように委託穀物を混合することが、もしも、穀物を取り扱う初期の段階ですでに可能であるならば有利である。
今日では、プロテインの含有量は、通常、赤外光を用いた分析によって決定される。この分析は、反射赤外光または透過赤外光について、穀物粒子または粉末の全量について行われる。
「今日の穀物科学」(Cereal Science Today)第17巻、1972年11月発行、所載の「小麦の等級と穀物粒子のカラーとの関係」という論文は、客観的なカラーの測定によって小麦のカラーを特定して、小麦の級を区別することを内容とする小麦のカラー測定に"Hunter Color Difference Meter"を用いるという研究報告を記述している。単純な、または複雑な、そして一部の相関技術が、ハンターのカラー値と級要素との間の評価を行うために使用されている。その他の要素中では、小麦の5つの異なる級におけるプロテインの含有量とハンタ−のカラー値の相関係数が研究された。柔らかい白色の小麦とハンタ−のカラー値B(ブルーイエロー)との間に、0.645という最大の相関係数が得られた。小麦のその他の級との関係においては、ハンターの様々なカラー値との間に0.004-0.476の範囲の相関係数が得られた。得られた相関係数は、小さ過ぎて、ハンターのカラー値を小麦のプロテイン含有量を決定することは困難であるとの記述もこの論文には存在する。
この発明の第2の目的は、製粉処理前の委託穀物のプロテイン含有量を決定する方法と装置を提供することである。
上に述べたように、膨隆密度は、今日では、対象穀物を標準化された1リットル容器で重量測定を行うことによって決定される。この1リットル容器は、手動操作で充填され測定されるが、この作業は時間を要しかつ重労働である。膨隆密度は、穀物の代価を支払うための最も普遍的な根拠となるものであるから、何回も反復して決定しなければならず、したがって、これを自動で決定できるならば、大きな進歩となるであろう。
「今日の穀物科学」(Cereal Science Today)誌から引用した上記論文は、さらに、膨隆密度とハンタ−のカラー値との相関についても研究を行っている。小麦の級とハンタ−のカラー値によって決まる相関係数は、0.023-0.468の範囲であった。この相関係数もまた弱過ぎて、膨隆密度を正確に予告することはできない、と同論文は別の箇所で述べている。
この発明の第3の目的は、したがって、製粉処理前の委託穀物の膨隆密度を自動的に決定する方法と装置を提供することである。
この発明の第4の目的は、穀物粒子の試料から、単純な測定プロセスによって膨隆密度、プロテイン含有量および穀粉生産量を決定する装置を提供することである。
穀粉の生産量と穀物粒子のカラー、幾何学的形状との間に関連が存在することが判明している。すでに穀粉の生産量が知られている様々な委託穀物の穀物粒子のカラーと幾何学的形状を決定し、これらの情報を、例えば、ニューラルネットワーク(neural network)に供給することによって、ネットワークを、大きな確度で、穀粉の生産量がまだ判明していない委託穀物の生産量を予告できるように学習させることが可能である。
プロテインの含有量が、穀物粒子のカラー、特に、カラーの分散と関連することも知られている。したがって、委託穀物のプロテイン含有量は、もし適切に訓練することができれば、穀粉の生産量の場合と対応する態様で、例えばニューラルネットワークによって予告することが可能となる。
膨隆密度もまた、穀物粒子のカラー分散または幾何学的形状を決定することによって同様にして得られる。
膨隆密度、プロテイン含有量、穀粉生産量の決定は迅速に、そしていつでも実行することができる。それは、自動的に、しかも穀物粒子の破壊を伴うことなく行うことができる。これらの決定は、委託穀物の荷積み、荷下ろしの間に穀物粒子の流れから試料を採取することによって実行することが可能である。
この発明を、添付図面を参照しつつ、その実施例について説明する。
図1は、この発明の装置の1実施例であり、供給装置が長手方向断面図で、イメージ処理装置がブロックダイアグラムで示されている。
図2は、ダイアグラムであり、実際の穀粉生産量決定機能として、この発明によって決定された穀粉の生産量を示す。
図3A、3Bもダイアグラムであって、カラー入力信号の第1回目と第2回目のセットによる実際のプロテイン含有決定機能として、この発明によって決定されたプロテインの含有量を示す。
図4A、4B、4Cは、カラー入力信号の第1回目と第2回目のセットと、幾何学的形状に関する入力信号のセットのそれぞれによる実際の膨隆密度決定機能として、この発明によって決定された膨隆密度を示す。
この発明の第1の実施例として示す図1の装置は、必須の構成として供給装置1と、ビデオカメラ40と、イメージ処理装置2からなっている。供給装置1は、、ケーシング4内に設けられた第1のベルトコンベヤー3を含み、(図示しない)モーターによって駆動される第1のホイール5、第2のホイール6、および、両ホイール5、6を周回するエンドレスベルト7とを備える。このベルトは、横断方向の溝8を有しており、この溝に、ケーシング内に貯留された穀物粒子が貯留庫9から配置されて、前記溝が穀物粒子の試料で充填される。貯留庫9は、互いに向かって傾斜したプレート10、11からなる外に、ケーシングの壁部によって規定されている。一方のプレート11の下端部は、ベルト7から隔たっており、スクレーパー12がこのプレートの端部に取り付けられており、穀物粒子を溝8内に下降案内する。
第2のベルトコンベヤー15が、第1のベルトコンベヤー3に対して垂直方向および水平方向にオフセットして設けられる。この第2のベルトコンベヤー15は、(図示しない)モーターによって駆動される第1のホイール16と、第2のホイール17と、前記両ホイール16、17を周回して前記ベルト7と同じ方向に走行する第2のエンドレスベルト18とからなる。ベルト18は、横断方向の溝14を備えており、前記溝は、穀物粒子が溝の長手方向にに配向するように、その幅と深さを穀物粒子の任意の大きさに合わせた間隔に調節することができる。第1のホイール16と第2のホイール17の間に、これらとは別に、ベルト18と係合する第3のホイール19があり、その機能については後述する。
第2のベルトコンベヤー15の第1のホイール16は、穀物粒子が、第1のコンベヤー3から第2のコンベヤー15の上に落下して広がるように、第1のベルトコンベヤー3の第2のホイール6の下方に設けられている。穀物粒子をエンドレスベルト18の溝14上に通過させて、穀物粒子が単一の層を形成して、これらが互いに実質的に重ならないようにするために、1つのカーテン23が設けられる。第1のホイール16と第3のホイール19の間、および、ベルト18の上部と下部との間には、バイブレーター25が設けられており、これがベルト18の上部を垂直方向に振動させる。
歯車である第3のホイール19と隣り合ってパルス発生器が設置されている。これは、第3のホイール19の円周部に隣接して設けられており、発光ダイオード32の形態をなす光エミッターとフォトセル33の形態をなす発光器とで構成される。パルス発生器31は、コンピューター42に接続される。第3のホイール19がベルト18と係合して回転すると、パルス発生器31がイメージ処理装置2内のコンピューター42に対してパルス状の信号を発する。このコンピューター42は、ホイール5、16、バイブレーター25、ビデオカメラ40を制御する。第3のホイール19もまた、第3のホイール19と第2のホイール17との間におけるベルト18の振動を緩衝する機能を果たす。
第2のホイール17と隣り合う区域におけるエンドレスベルト18の上方に、第2のホイール17の近傍におけるベルト18のイメージが捉えられるような態様でビデオカメラ40が設けられている。このカメラ40は、イメージ処理装置2と接続されており、その構造と機能については以下に詳細に説明する。
差し当たり、供給装置1の機能を説明する。穀物粒子の試料は、貯留庫9から第1のベルトコンベヤー3上に流入する。穀物粒子はベルトの上で1つの堆積体を形成するが、ベルトが移動するとベルトがやや上向きの傾斜傾向を付与されていることと、スクレーパー12を通過することの2つにより、ベルトの溝8内で広がるようになる。穀物粒子が第2のホイール6に達すると、それらは落下してベルト18の上に広がる。溝と溝の間の細長い隆起部の上に位置する穀物粒子は、カーテン23によって、溝14内に流入させられる、第2のベルト18が振動させられるので、前進しつつある穀物粒子は、溝内でベルトの幅方向の両端部に向かって側方に移動する。したがって、穀物粒子がビデオカメラ40の下方区域に達すると、穀物粒子はベルトの長手方向に分離されて実質的に同一方向に配向され、ベルト上で実質的に一層をなして配置される。穀物粒子は、このように、互いに重なり合うけれども、その重なりの程度はごく小さいものである。しかしながら、穀物粒子は、溝14の長さ方向においては互いに密接して並ぶ。
コンピューター42は、パルス発生器から発生する予定数のパルスをカウントし終わる度に、停止信号を発して、すべての駆動モーターとバイブレーター25を停止する。次いで、第1および第2のベルトが停止し、振動が中断する。コンピューター42は、ベルト18上にある穀物粒子のイメージを撮影するようにビデオカメラに信号を発する。これに伴って、コンピューターはモーターを再起動し、停止信号が再度発せられるまで、穀物粒子の供給が、上記のとおり継続する。カウント終了後に停止信号が発せられる前記パルスのカウント数は、ベルト上の穀物粒子に欠落や重複を生じることなく、これらを撮影できるように選択される。言い換えれば、ビデオカメラの視野を通過する穀物粒子のそれぞれは、集まって正しく1個のイメージを生じ、前記の各イメージは、複数個の穀物粒子を含んでいる。穀物粒子のイメージが、普通の可視光線で撮影される点も指摘しておかなければならない。
ベルトを連続的に動かして、その代わりに、装置にはストロボスコープを具備させ、このストロボスコープをベルトから穀物粒子に欠落や重複を生じることなくイメージを撮影できるようにカメラ40とともに制御することもできる。
イメージ処理装置2は、基本的に、ビデオカメラ40とユーザー端末43とに接続されたコンピューター42からなっており、前記ユーザー端末43のディスプレイ装置に分析の結果が表示される。コンピューター42は内部には、モーター、バイブレーター25およびビデオカメラ40の制御プログラムに加えて、ビデオカメラ40によってもたらされるイメージに基づいて穀粉の生産量、プロテインの含有量および膨隆密度を決定するプログラムを組み込んでいる。これらのプログラムは、カメラ40からのビデオ信号を、穀粉生産量、プロテイン含有量および膨隆密度の実際の決定を有効に行うニューラルネットワーク(neural network)への適切な入力信号に変換する内容からなっている。
ビデオカメラ40が、ベルトのイメージの撮影を完了すると、このイメージはコンピューターに読み込まれて、いわゆるフレームグラバー(frame grabber)と呼ばれる先行技術によってデジタル化される。発生するデジタルイメージは、例えば、512 X 512個の画素で構成される。これらの画素は、RGB表示で、すなわち、赤色成分の強度(intensity)、緑色成分の色度および青色成分の色度で表示される。これに代替できるものとして、他の色に関する表現も使用できる。
次のステップにおいて、プログラムは前記デジタルイメージを記憶する。この場合は、各画素の色の強さのしきい値が利用される。画素の強さがしき値を越えると、この画素は穀物粒子を表すものと見做されるのに対して、画素の強さが閾値を越えない場合は、背景すなわちベルトを表すものと見做される。良好な対照関係を得るためには、ベルト18は青色に構成するのが有利である。プログラムは、各ポイント、各ラインごとに精査を行う。プログラムによって画像が穀物粒子であることが見出だされると、隣り合うすべての画像が精査される。穀物粒子を表現していると考えられる隣接画像については、最初の画素と接続しているすべての画像がどちらかに決まるまで、プロセスが反復される。これに従って、穀物粒子を表現する接続画素の長手方向軸が決定される。もし長手方向軸の方向が、予定の値よりも大きくイメージのY軸(垂直軸)から隔たっていれば、コヒーレントな穀物粒子の区域は、その長手方向軸がイメージのY軸と平行になるまで回転される。
ベルト上の穀物粒子のイメージが撮影されたときは、2個またはそれ以上の数の穀物粒子がベルトの1本の溝内で密接して並んでいるか、または、ある程度まで重なり合っている場合が起こり得る。イメージ中で同定されたコヒーレントな穀物粒子の区域は、このように、1粒の粒子よりも大きいものを表す。この場合に該当するかどうかをチェックするために、1粒子を表すX方向(水平方向)の画素の数が、コヒーレントな穀物粒子の区域内にある各Y値用に合計される。プログラムは、このように、X方向にある穀物粒子の画素の数に関しヒストグラムを作成する。次いで、前記ヒストグラムの包絡曲線が決定され、Y方向における前記包絡曲線の両終点の中間に最小値があるかどうかが精査される。充分に顕著な最小値が存在すれば、それはコヒーレントな穀物粒子の画素が実際に2つの穀物粒子であることを意味する。もしそうであれば、プログラムは、包絡曲線をその最小値の点でX軸と平行にカットする。その結果、コヒーレントな穀物粒子の画素区域のそれぞれが1つの穀物粒子として記憶される。もしも、最小値が2つ存在する場合は、それぞれの最小値でカットが行われる。こうして2つに分離した後、もし必要ならば、各粒子は、それらの長手方向軸がイメージのY軸と一致するまで回転される。
その後で、表面積、長さ、幅のような異なる幾何学的なパラメーターが各穀物粒子について決定される。さらにまた、各穀物粒子に固有の複数の画素について、赤、緑、青に関する平均値と標準偏差値のようなカラーのパラメーターが決定される。分析した試料中に含まれる穀物粒子数も決定される。
さらにまた、有利にも、1000個の穀物粒子1つずつの重量が決定される、すなわち、1000個の穀物粒子の合計重量が決定される。この目的で、計量器が装置と接続されて設置される。穀物粒子はカウントされて、或る適切な態様で、例えば、ベルトの溝内に圧縮空気を吹き込むことによって前記計量器に供給されて重量を測定される。もちろん、その代わりに穀物粒子の計量予定個数を変更してもよい。上記のパラメーターの値に基づいて、赤、緑、青の値に基づいて決定されるカラーの強さと飽和度(saturation)のような付加的なパラメーターを各粒子について決定することも可能である。
パラメーターの値は次第にメモリーに記憶されていく。パラメーターの値がすべての粒子について決定されると、全分析試料に亘る平均値と標準偏差値を、決定された各パラメーターについて計算することが好ましい。これらの平均値と標準偏差値の様々な組み合わせが、ニューラルネットワークへの入力信号として適切に利用される。入力信号として平均値と標準偏差値とを利用することは、ニューラルネットワークに試料全体の「概観」を与え、このことが膨隆密度の決定に重要である。例えば、粒子の大きさがバラバラであると、粒子が小さくなって膨隆密度も別の値になる。穀粉の生産量が粒子についての大きさのバラツキ、および同時に他のパラメーターのバラツキによっても影響を受ける可能性があり、そうであればこそ、より優れた結果は、ニューラルネットワークへの試料全体の諸性質を反映する入力信号とともに得られる。
ニューラルネットワークは、多数の入力ノード、この場合は、各入力パラメーターについての1つのノードと、この場合は、穀粉生産量、プロテイン含有量、および、膨隆密度を示す多数の出力ノードとからなっている。入力ノードと出力ノードとの間には隠れたノードが存在する。穀粉生産量がすでに知られている既知の穀物試料を表す入力信号をニューラルネットワ−クに供給することによって、および、当該試料についてどれだけの穀粉生産量が得られているかを判断することによって、ニューラルネットワ−クは学習を重ねることができ、穀粉生産量を予告できるようになる。ニューラルネットワ−クが穀粉生産量決定の学習を完了すると、このネットワ−クは、穀粉生産量が知られていない試料について穀粉生産量を決定するために利用することができる。同様な態様で、ニューラルネットワ−クは、プロテイン含有量と膨隆密度の決定を学習できるであろう。隠されたノードは、sigmoid関数、ガウスの(Gaussian)関数すなわち高次の多項関数であり、このノードによって、入力データを任意の(リニアー、またはノンリニアーの)関数に適応させることが可能になる。もし、穀物の級が入力データにリニアーに依存するとすれば、このネットワークは、リニアーな適応に有効なように学習を行うことができる。このニューラルネットワ−ク法は、このように、特殊なケースをリニアーに適応させることを含んでいる。
上記の装置によって、複数個の穀物粒子からなる試料の穀粉生産量、プロテイン含有量、膨隆密度を迅速にかつ容易に決定することが可能である。100gの試料すなわち約2000個の粒子からなる試料の分析に要する時間は約4分である。
以下に、穀粉生産量、プロテイン含有量、膨隆密度がすでに判明している試料について、この発明によって、穀粉生産量、プロテイン含有量、膨隆密度を予告した実例を掲げる。各実例は、いずれも、100gの小麦の穀粒を含んでいた。これらの試料は、上に説明した通りの手順で装置を通過し、それぞれの穀物粒子のイメージが記憶された。穀物粒子のそれぞれのイメージは、それらの長手方向軸がイメージのY軸と平行になるように配向された。
各粒子について次ぎのパラメーターが測定された。Y方向の大きさが最大であると規定された穀物粒子の長さが、多数の画素中から決められ、Y方向と直角をなす方向の大きさが最大であると規定された穀物粒子の幅が、多数の画素中から決められ、表面積が多数の画素中から決められ、粒子のイメージに含まれるすべての画素についての赤、緑、青の値が、標準化ユニット内で0.0(黒)から1.0(最大強さ)の範囲の値に決められた。
これらの測定値によって、各粒子について下記の値も決められた。これらは、赤、緑、青の諸値の平均値、標準偏差、カラー飽和度のと平均値と標準偏差、および穀物粒子のイメージに含まれる全画素の強さである。
上記のパラメーターに基づいて、ニューラルネットワークへ入力するための穀粉生産量の決定に関する下記の入力信号決定された。
1)試料の長さの諸値についての標準偏差値。
2)試料の幅の諸値についての標準偏差値。
3)試料の表面積の諸値についての標準偏差値。
4)試料の赤色の諸平均値についての標準偏差値。
5)試料の緑色の諸平均値についての標準偏差値。
6)試料の青色の諸平均値についての標準偏差値。
7)試料のカラー飽和度の諸平均値についての標準偏差値。
8)試料のカラー強度の諸平均値についての標準偏差値。
9)試料の赤色の諸標準偏差値についての平均値。
10)試料の赤色の諸標準偏差値についての標準偏差値。
11)試料の緑色の諸標準偏差値についての平均値。
12)試料の緑色の諸標準偏差値についての標準偏差値。
13)試料の青色の諸標準偏差値についての平均値。
14)試料の青色の諸標準偏差値についての標準偏差値。
15)試料のカラー強度の諸標準偏差値についての平均値。
16)試料のカラー強度の諸標準偏差値についての標準偏差値。
17)試料重量(g)のユニット当たりの試料の諸長さの合計値。
18)試料重量(g)のユニット当たりの試料の諸幅の合計値。
19)試料重量(g)のユニット当たりの試料の諸表面積の合計値。
20)試料重量(g)のユニット当たりの試料の赤色に関する諸値の合計値。
21)試料重量(g)のユニット当たりの試料の緑色に関する諸値の合計値。
22)試料重量(g)のユニット当たりの試料の青色に関する諸値の合計値。
さらには、1000個の穀物粒子の重量の合計値(TKW)が決定される。
図2は、実際の穀粉生産量の関数としての穀粉生産量の決定結果を示しており、実際の穀粉生産量は、製粉作業に関連して発生する粉の様々な端数重量を標準的な方法により測定することによって決定されている。すでに知られている方法によって測定した穀粉生産量と、この発明によって決定された穀粉生産量との相関指数は、0.77であった。
プロテイン含有量の決定については、ニューラルネットワークへ入力するための次ぎに示す色の入力信号のうちの第1のケースが利用された。この入力信号は、上のNO.4〜6と1000個の穀物粒子の重量の合計値であった。
第2のケースでは、次ぎのカラーに関する入力信号が利用された。入力信号は、上で言及した入力信号のNO.8、15、16および26)試料の色強度の平均値の平均値、27)試料の重量(g)ユニット当たりの色強度の諸値の合計値、そして1000個の穀物粒子の重量の合計値が利用された。
図3A、3Bは、実際のプロテイン含有量の関数としての入力信号の様々なセットについてプロテイン含有量を決定した結果を示しており、実際のプロテイン含有量は、Kjeldahlの方法によって決定された。相関指数は、第1のケースが0.89、第2のケースが0.75であった。下記の入力信号すなわち、上に述べた入力信号20〜22と、23)試料の赤色平均諸値の平均値、および、24)試料の緑色平均諸値の平均値、および、25)試料の青色平均諸値の平均値が、第1のケースに付加された場合、相関指数は僅かだけ増加した。
膨隆密度の決定に付いては、プロテイン含有量の決定に関する第1のケースに利用されたものと同じ色に関する入力信号、すなわち上記の入力信号4〜16と1000個の穀物粒子の重量の合計値が利用された。
これらの入力信号による膨隆密度の決定結果が図4Aに示されている。
第2のケースにおいては、プロテイン含有量を決定するための第2のケースで利用されたものと同じ入力信号、すなわち、入力信号8、15、16、26、27および1000個の穀物粒子の重量の合計値が利用された。
これらの入力信号による膨隆密度の決定結果が図4Bに示されている。
第3のケースにおいては、幾何学的形状に基づく入力信号、すなわち、入力信号1〜3、17〜19、および試料の長さの諸値についての平均値、試料の幅の諸値についての平均値、試料の表面積の諸値についての平均値、そして前と同じ1000個の穀物粒子の重量の合計値が利用された。
これらの入力信号による膨隆密度の決定結果が図4Cに示されている。
膨隆密度を決定するあらゆる場合に、実際の膨隆密度は、「農業自然委員会」(National Boad of Agriculture)の開示図面にしたがうStatmos-Lindell equipment NO.1400によって決定された。実測された膨隆密度とこの発明によって決定された膨隆密度の相関指数は、第1のケースが0.76、第2のケースが0.82、第3のケースが0.89であった。
以上に亘って、発明の1実施例を説明したが、この実施例においては、カラーのパラメーターおよび/または幾何学的形状に関するパラメーターが、各穀物粒子について決定されており、ニューラルネットワークに入力するための入力信号が、試料全体の性質を反映する平均値と分散値によってもたらされている。しかしながら、プロテインの含有量を決定する場合に、各粒子についてパラメーターを決定し、これらのパラメーターを入力信号として直接ニューラルネットワークに供給することも可能であり、このようにすれば、この場合は穀物粒子のそれぞれについてプロテイン含有量を決定することができる。穀物粒子それぞれについてカラーのパラメーターを記録することなく、試料全体についてカラーのパラメーターを決定することも可能である。例えば、穀物粒子の試料全体の1つのイメージについてカラーのパラメータ−を決定することも可能であり、この場合は、穀物粒子が、1粒子の末端部と隣接粒子の始端部を決定されずに、互いに密接して並んでいる。
上には、穀粉生産量、プロテイン含有量および膨隆密度が、ニューラルネットワークによって決定されると述べられている。しかしながら、将来は、パラメーターと穀粉生産量、プロテイン含有量および/または膨隆密度の間の関数関係が、明確に決定できるようになるであろう。このような場合には、ニューラルネットワークをルチーン化された計算と置換することができ、前記のようにして決定された諸関数によって、穀粉生産量、プロテイン含有量および膨隆密度が計算される。
上にはまた、赤、緑、青の諸値がカラーのパラメーターとして使用されることが記載されている。もちろん、HSI表現のような他のカラー表現も利用可能であり、このことは、例えば、カラーパラメーターという術語が広義に解されることを意味しており、これらの広義の概念には、例えばhue、色強度、色飽和度なども含まれる。
最後に、膨隆密度の決定は、穀物粒子以外の他の顆粒状産出品にも実行可能である点に言及しておくべきである。
Claims (8)
- 単一種類の複数個の粒子からなる穀物粒子の試料についてプロテインの含有量を決定する方法であって、試料中の1粒子について少なくとも1つの色度座標が決定され、前記複数個の粒子について少なくとも1つの色度座標の標準偏差が決定され、
前記標準偏差が、入力信号の1つとして計算プロセスに利用され、プロテイン含有量が、前記計算プロセスからの1つの出力信号として得られ、計算プロセスは、1つのニューラルネットワークによって実行される方法。 - 前記少なくとも1つの色度座標が、各粒子について決定される点を特徴とする請求項1に記載の方法。
- 粒子についての色度座標の決定が、粒子のイメージに含まれる少なくとも1つの画素についての画素成分の決定を含む点を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 粒子についての色度座標の決定が、粒子のイメージに含まれる少なくとも1つの画素についての画素成分の決定を含む点を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 事前に決定された粒子数の重量が決定され、計算プロセスへの入力信号を作り出すときに利用される点を特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 計算プロセスへの入力信号の決定が、少なくとも1つの色度座標についての前記穀物粒子の試料についての平均値の決定を含む点を特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 単一種類の複数個の粒子からなる穀物粒子の試料についてプロテインの含有量を決定する装置であって、
粒子のイメージを作り出す装置(40)と、試料中の1粒子について少なくとも1つの色度座標が決定するために設けられるイメージ分析手段(2)と、計算手段と、試料の前記複数個の粒子について少なくとも1つの色度座標の標準偏差を計算することによって、前記計算手段への複数の入力信号の1つを作り出すために設けられる手段とを含み、
計算手段は、入力信号に基づいてプロテインの含有量を適切に決定し、前記計算手段がニューラルネットワークである装置。 - イメージを作り出す装置(40)を越えて穀物粒子を供給する供給装置(1)を更に含み、前記供給装置(1)は、凹部(14)とバイブレータ(25)を備えるコンベヤベルト(18)を含む請求項7に記載の装置。
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