JP3767033B2 - 画像編集装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は映像情報をディジタル信号に変換し記憶できる画像編集装置に関し、特に映像情報の長さが所定の時間になるように調整するための画像編集装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のTV番組の作成では、一定の時間に収まるように番組を作成することが多い。ドラマなどは、予めコンテなどにより所定の時間を想定して撮影を行ったり、最終的に収録したVTR(ビデオテープレコーダ)のテープを再編集し所定の時間に収めることが通常行われている。
【0003】
例えば、TVドラマの主題歌の前や終了直前のシーンは、その見栄えが重要な要素である。TVドラマ以外ではスポーツ番組での終了場面も同様である。これらのシーンはある一定の時間に収まる必要がある。ところが、撮影時はOKと思われたものが、最終的な編集時に多少時間が足りないとか多すぎるということがある。例えば、ドラマの主人公の動作と顔のアップがあり、動作の時間が予定より短く顔のアップが少し長くなってしまう場合がある。また、スポーツ番組の終了場面では終了の時間を想定しスロースピードを調整し所定の時間に一致するように調整したつもりでも、少し時間があわなくて最後の静止画(サッカーのゴールシーンや野球のホームランシーンなど)が長くなりすぎる場合がある。あるいは、主人公の顔のアップやスポーツの最後のシーンが短すぎる場合もある。
【0004】
これらの場合、再度撮影することが可能な場合は撮影しなおせばよいが、多くの場合は、出演者のスケジュールが合わないなどの理由により再度撮影することができず、VTRの再編集を行うこととなる。VTRの再編集による時間の調整は、画像編集装置を用いてVTRのテープ中に任意の画像を追加したり、あるいは削除することにより行われる。例えば、スタートの画像の位置を前後にずらせば、最後の場面の長さを調整することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、編集を行おうとしても一連の動作が関係する場合、スタートの画像をあまり前後させるわけにいかず、結局は、どこかのシーンが不自然になるという問題が発生する。即ち、見た目に違和感を与えずに、一度収録した映像の時間を調整することは難しかった。
【0006】
しかも、調整すべき時間が微量なことが多かった。例えば、15秒のシーンに対して数フレーム(こま)調整したい場合などである。従来の画像編集装置では、このような数フレーム単位の微量な調整は難しかった。
【0007】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、見た目に違和感を感じさせずに映像再生時間の微調整を行うことができる画像編集装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上記課題を解決するために、映像情報をディジタル信号に変換して記憶できる画像編集装置において、映像ファイルの連続する画像間の変化の度合いを示す変化量を算出し、予め設定された選択領域判別値と算出した変化量とを比較し、変化量の値が前記選択領域判別値を超えている部分を選択推奨領域とする変化量演算手段と、各画像間における前記変化量と、前記選択推奨領域とを表示装置に表示する表示手段と、画像の挿入か削除かの何れかの処理を示す処理内容の指定、処理対象領域の指定、及び処理画像数を含む処理要求が操作員により入力される処理要求入力手段と、前記処理要求を受け取ると、前記映像ファイルの前記処理対象領域の中から実際に処理する対象画像を前記処理画像数だけ特定し、前記対象画像に対して前記処理内容に従った処理を行い調整後映像ファイルを生成する時間調整処理実行手段とを有することを特徴とする画像編集装置が提供される。
【0009】
この画像編集装置によれば、長さを調整したい映像ファイルの連続する画像間の変化の度合いを示す変化量が変化量演算手段によって算出される。算出された変化量は、変化量表示手段によって表示装置に表示される。処理要求入力手段より、処理内容の指定、処理対象領域、及び処理画像数を含む処理要求が入力されると、画像編集装置が、映像ファイルの処理対象領域の中から実際に処理する対象画像を処理画像数だけ特定し、対象画像に対して処理内容に従った処理を行い調整後映像ファイルを生成する。
【0010】
これにより、操作員は、表示装置に表示された変化量から動きの激しい部分を判別し、その部分を処理対象領域として指定した処理要求を入力することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の原理構成図である。本発明の画像編集装置は、ディジタル信号に変換されている映像ファイル1の連続する画像間の変化量(α1 ,α2 ,・・・)を算出する変化量演算手段2と、算出された変化量を表示装置に表示する変化量表示手段3と、時間調整の処理要求を入力する処理要求入力手段4と、処理要求に応じて映像ファイル1に処理を施し、調整後映像ファイル6を生成する時間調整処理実行手段5とから構成される。
【0012】
映像ファイル1は、目的の収録時間に一致させるのに、数フレーム分の調整が必要な映像のディジタルデータである(以下、映像ファイルの各フレーム毎のデータを画像データと呼ぶこととする)。変化量演算手段2は、映像ファイル1の連続するフレームの間の変化の度合い、即ち映像の動きの激しさを計算し、数値で示す。この変化の度合いを示す数値を変化量とする。この変化量を全てのフレーム間で求める。変化量表示手段3は、変化量演算手段2が算出した変化量を、表示装置の表示画面に表示する。例えば、横軸に時間を取り、縦軸に変化量を示すようなグラフを用いて表示する。これにより、時間毎の動きの激しさの度合いが数値によって示される。
【0013】
操作員は、処理要求入力手段4を用い、動きの激しい部分、即ち変化量の大きい部分を処理対象領域として指定した処理要求を入力する。この処理要求には、行うべき処理が挿入か削除かの処理内容の指令と、処理すべきフレーム数が含まれる。例えば、映像ファイル1が5フレーム分だけ目的の収録時間に不足していた場合には、5つのフレームを挿入すべき旨の処理要求を入力する。時間調整処理実行手段5は、映像ファイル1の処理対象領域の中から、所定の処理を施すべきフレームを、指定された数だけ特定する。そして、特定したフレームに対し、処理要求に応じた処理を施す。具体的には、挿入の処理要求の場合には、特定したフレームの複製をそのフレームの次の位置に挿入し、削除の処理要求の場合には、特定したフレームを削除する。このような処理の結果、調整後映像ファイル6が生成される。この調整後映像ファイル6は、映像ファイル1の中の動きの激しい部分を対象として、数フレーム分の画像の挿入若しくは削除が行われ、所定の時間に一致した長さの映像ファイルである。
【0014】
これにより、動作の激しさが数値(変化量)で示されるため、動作の激しい部分を簡単に判別することができ、見た目に違和感を感じさせないようなフレーム単位の画面の複製や削除の処理を容易に行うことができる。
【0015】
図2は本発明の画像編集装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。画像編集装置10は、本制御装置の全体の制御を担当する制御部11を備えている。この制御部11は制御を司るマイクロプロセッサよりなる中央演算処理装置(以下、CPUという)12、このCPU12が動作する上で必要となる情報を一時的に保持するワークメモリ13、外部入力された画像データをディジタルデータに変換して取り込むキャプチャボード14、及びCPU12と外部の機器との接続を行う複数のインタフェース回路15〜17で構成されている。ワークメモリ13は、特に画像ファイルの位置情報やレベル情報を保持する。
【0016】
キャプチャーボード14は、外部から入力された画像/音声のアナログの信号をディジタル信号に変換して制御部11内に取り込むことができるとともに、制御部11内のディジタルの映像ファイルをアナログ信号に変換して出力することもできる。このキャプチャーボード14には、ビデオテープレコーダ(以下、VTRという)21が接続されている。VTR21は、デープに収録された映像の再生や、キャプチャーボード14から出力される映像のデープへの記録を行う。
【0017】
インタフェース回路15は、具体的にはRS−422インターフェース回路である。このインタフェース回路15には、VTR21が接続されている。そして、CPU12がインタフェース回路15を介して制御信号を出力するとにより、VTR21の再生、録画等の動作が制御される。
【0018】
インタフェース回路16は、具体的にはSCSI(Small Computer System Interface)インタフェース回路である。このインタフェース回路16には、ハードディスク装置(以下、HDDという)18が接続されている。ハードディスク装置18は、編集の対象とする映像ファイルや再編集後の映像ファイルを含む各種データを保存する記憶媒体である。
【0019】
インタフェース回路17は、外部の機器の制御のための汎用のインタフェース回路であって、具体的にはRS−232Cインタフェース回路である。このインタフェース回路17には、入出力装置19が接続されている。入出力装置19はCRT(Cathode Ray Tube)などの表示装置とキーボードなどの入力装置とから構成されている。この入出力装置19は、インタフェース回路17経由でCPU12からの情報を表示装置の画面に表示を行ったり、入力装置が操作されることにより入力された入力情報をCPU12へ伝える機能を有する。
【0020】
このような構成の画像編集装置10を用いて、まず、VTR21から編集すべき映像をディジタルの映像ファイルとしてHDD18に格納する。それには、操作員が入出力装置19を操作し、映像を取り込むように指令を入力する。その指令を受け取ったCPU11が、インタフェース回路15経由でVTR21を制御し、VTR21にセットされたビデオテープの映像を再生させる。再生された映像は、キャプチャーボード14経由で取り込まれる際に逐次ディジタルデータに変換され、インタフェース回路16経由でHDD18に蓄積される。操作員が入出力装置19から停止の指示を入力すると、その指令を受け取ったCPU12は、VTR21の再生を停止するとともに、HDD18に蓄積された画像データのファイルをクローズする。
【0021】
次に、操作員は入出力装置19を用い、蓄積した映像ファイルの全体に対して行うべき編集が挿入であるか削除であるかの指定と、挿入若しくは削除すべきフレーム数とを入力する。その入力を受け取ったCPU12は、HDD18内の映像ファイルの画像データを1フレームずつ取り出し、CPU12が処理可能な形式のデータに変換する。ここでは、ビットマップ方式のデータ(ビットマップイメージ)に変換する。具体的には、各フレームをRGB(赤、緑、青の各色の濃淡を示す値)の3つの値で表現する。このときの各値は、0から255までの値をとることができるものとする。また、可視部分のドット数を幅640ドット、高さ480ドットとする。
【0022】
そして、CPU12がワークメモリ13上に連続する2フレーム分のビットマップイメージの画像データを蓄積し、各画素のRGBの差分を取る。そして、全ての画素の差分を合計した値を、画像の変化の度合い(変化量)を示す指標として用いる。得られた値は、レベル値と呼ぶこととする。このようなレベル値の計算を、画像ファイル内の全フレームに対して行う。
【0023】
TV番組などの場合、カメラの切替えなどで画像は大きく異なるため、その切替えの瞬間にレベル値がピークとなる。即ち、レベル値がピークとなる点を見つけることにより、シーンの切り替わり位置を判別することができる。そこで、CPU12は、レベル値の計算結果を入出力装置19の表示画面に表示することにより、時間毎のレベル値の変化を操作員に示す。
【0024】
図3は画像データのレベル値の表示画面の例を示す図である。この図において、表示画面には、横軸を時間とし、縦軸をレベル値としたグラフ31が表示されている。時間軸には、映像ファイルの先頭を0としたときの各画像が現れる時間が示されている。時間表示の下には、タイムコード(Time Code)が表示されている。タイムコードとは、各画像を識別するための時間情報で、画像とともにビデオテープに記録されているものである。このタイムコードは、時、分、秒、そしてフレームの番号で構成される。フレームの番号は、NTSC(National Television System Committee)信号形態の場合、0〜29迄の値をとる。
【0025】
グラフ31の下には、「追加」のボタン32、「実行」のボタン33、及び「終了」のボタン34が設けられている。マウス操作により、グラフ31上の任意の領域を選択し、「追加」のボタン32をマウスでクリックすると、任意の領域を選択することができる。「実行」のボタン33をマウスでクリックすると、それぞれのシーンに対して指定されているフレーム数分の処理が行われる。また、「終了」のボタン34をマウスでクリックすると、編集処理を終了する。
【0026】
ここで、カメラの切替え(シーンの切替え)が行われていると見なす基準値をスレッシホールド(しきい値)31aで指定することができる。グラフ31内には、レベル値のスレッシホールド31aが点線で表示されている。CPU12は、スレッシホールド31aを超えた部分のレベル値のピークでカメラの切替えが行われたものと判断し、映像ファイルをシーンごとに分割する。なお、レベル値のスレッシホールド31aは、右側のスクロールバー31b中の矢印を移動させることにより、操作員が任意の位置に設定することができる。これは、実際にその部分でシーンが切り替わっているのかを、機械的には判断しにくいためである。
【0027】
映像ファイルが幾つかのシーンに分割されると、各シーンに対応したバー31c、31d,31eが、グラフ31の上部に表示される。操作員は、画面の挿入若しくは削除を行うべきシーンに対応するバーをマウスでクリックする。さらに操作員は、そのシーンで処理したいフレーム数を入力する。CPU12は、処理すべきシーンの指定とフレーム数とを受け取ると、選択されたシーンの画像データのレベル値の詳細な情報を画面に表示する。
【0028】
図4はシーン毎のレベル値の表示例を示す図である。図に示すように、各シーンのレベル値を示すグラフ41は、図3のグラフ31よりも時間軸の間隔が拡大されている。グラフ41の上部には、全体で処理すべきフレーム数(図では、挿入処理を8フレーム)と、そのシーンで処理すべきフレーム数(図では、3フレーム)との表示部42が設けられている。その表示部42の下には、このシーンで処理すべきフレーム数の表示部43が設けられている。グラフ41の下には、「終了」のボタン44があり、このボタンがマウスでクリックされると図4の画面が閉じ、図3の画面が再度表示される。
【0029】
図4の画面においても、スレッシホールド41aが点線で表示されている。この詳細な画面におけるスレッシホールド41aは、選択されたシーンの中で画像を挿入若しくは削除できそうな領域を判断する基準となる。即ち、CPU12は、スレッシホールド41aよりもレベル値が大きい領域を処理できそうな選択領域(図中では斜線で示す)41c,41dと判断する。なお、このスレッシホールド41aは図3と同様に、右側のスクロールバー41b中の矢印を移動させることにより、操作員が任意の位置に設定することができる。また、図3の画面上で、マウスでのドラッグ操作(マウスのボタンを押したままマウスカーソルを移動させる操作)によって任意の領域を指定し、「追加」のボタン32をクリックすることによっても、選択領域を指定することができる。図4の画面の選択領域の上部には、その領域に対応したバー41e、41fが表示される。操作員は、バー41e、41fの中に、対応する選択領域に対して処理すべきフレーム数(図では「2」と「1」が設定されている)を設定する。
【0030】
このように、処理できそうな選択領域を操作員が判断し、そこで処理したいフレーム数を指示することができる。これは、レベル値の大きな部分が処理するのに適した場所であろうと推測するこはできるが、実際にその場所が適しているかを機械的には判断しにくいためである。以下に、理想的なレベル値の変化と、実際のレベル値の変化との違いを説明する。
【0031】
図5は理想的なレベル値の変化と実際のレベル値の変化とを示す図である。(A)は理想的なレベル値の状態を示す図である。図に示すように、理想的なレベル値のカーブ41gは、レベル値を結んだ線が凸状になっている状態である。このようなレベル値であれば、処理すべきフレームを均等に分布させることができる。しかも、それらのレベル値の変化は、注目すべき対象の変化に起因するものであり、背景的な画像が含まれていないことが望ましい。
【0032】
ところが、実際には、機械的に判断しずらい場合がある。(B)は実際のレベル値の状態を示す図である。図に示すように,多くのレベル値が理想的なカーブ41gに近い値であっても、部分的にレベル値が小さくなっていると、実際にはフレームの処理を行える場合でも、レベル値が断続的なために処理対象とすべきでないと判断されてしまうことがある。
【0033】
また、背景が動作(例えば、強風に揺れ動く木々)して画像が変化している場合、その映像を見る者が注目する部分(例えば、ドラマの主人公)が動いていなくても計算上のレベル値が高くなり、(A)のような理想的な値になってしまうこともある。
【0034】
このように、数値計算による機械的な領域の指定は困難であるため、操作員のよる領域の指定やフレーム数の指定ができるようにしている。
図4の画面上で、領域の指定と処理すべきフレーム数の指定とを行った操作員は、「終了」のボタン44をマウスでクリックし、図3の画面に戻る。そして、全てのシーンについて選択領域の指定と処理すべきフレーム数の指定とを行った後、「実行」のボタン33をマウスでクリックする。「実行」のボタン33の入力を認識したCPU12は、選択領域の数と各領域のフレーム数を求め、選択領域に対して処理すべきフレームを分布させるための演算を行う。
【0035】
図6は処理すべきフレームの分布状況を示す図である。この図では、3つの選択領域51〜53があり、それぞれ処理すべきフレーム数が2フレーム、1フレーム、5フレームと指示されている。図中、「●」の位置が挿入もしくは削除の処理対象となるフレームを示している。
【0036】
ここで、処理対象となるフレームを決定する際の環境設定により、最小の処理フレーム間隔を指定できる。これは、環境設定により一定の条件を設けないと、時間調整後の映像が不自然になってしまう場合があるためである。例えば、1つのフレームに対して複数のフレームの挿入を行ったり、連続のフレームを削除したり、あるいは1フレーム毎のように短いフレーム間隔で挿入が行われると、絵柄として不自然になってしまう。
【0037】
そこで、環境設定で最小の処理フレーム間隔を1フレームと指定しておくことにより、連続したフレームを処理対象とした場合にエラーを表示させ、操作員に警告することができる。例えば、図6の選択領域53では、5つのフレームが連続して処理対象となっているため、エラーの対象となる。エラー表示を確認した操作員は、その処理を続行するか否を判断する。
【0038】
また、領域内のフレーム数に対して、それより多くのフレーム数が処理すべきフレームとして指定されていると、削除の処理の場合には、領域内の全てのフレームを削除しても対応できないし、挿入処理の場合には、同一のフレームを2つ以上挿入する必要が生じ、不自然な画像となってしまう。このような場合には、エラーとして実際の挿入若しくは削除の処理は行わない。
【0039】
処理すべきフレームの演算が終了すると(エラーで続行の場合も含め)、CPU12はタイムレコードとフレーム数との対応関係を示すテーブルを作成し、そのテーブルをHDD18に格納する。そして、そのテーブルを用いて新たな映像ファイルを作成する。
【0040】
図7はテーブルに基づく映像ファイルの作成状況を示す図である。まず、各画像のタイムレコードとフレーム数の情報とからなるテーブル61を用意する。ここで、フレーム数は、演算により処理対象のフレームとして指定されていない場合には「1」が設定されており、削除処理の対象として指定されている場合には「0」が設定されており、挿入処理の対象として指定されている場合には「2」が設定されている。即ち、フレーム数が1の場合はそのままコピーするが0の場合はコピーしない(削除の処理に該当する)、フレーム数が2の場合は、一度コピーした後再度コピーする(挿入の処理に該当する)ことを意味している。
【0041】
その後、CPU12は時間調整前の映像ファイル62を取り出し、1フレームずつ別の映像ファイル63へコピーする。図において、映像ファイル62,63の各フレームの中には、そのフレームのフレーム番号が示されている。このとき、テーブル61に記述されているフレーム数の情報を元に、別の映像ファイル63へコピーするか否か、及び1つのフレームを再度コピーするべきか否かを判断しながら行う。即ち、コピーを行わない場合が削除処理に該当し、1度だけコピーする場合が何ら処理を行わない場合に該当し、1つのフレームを再度コピーする場合が挿入処理に該当する。このようにして別の映像ファイル63が生成される。
【0042】
そして、CPU12は、RS−422のインタフェース回路15を介してVTR21を記録状態とし、同時に、作成された映像ファイル63をキャプチャーボード14でアナログの信号に変換して出力する。そうする事で、予定していたフレーム数分、延長/短縮された画像のビデオテープが得られる。
【0043】
以下に、VTR21を制御するためのプロトコルについて簡単に説明する。図8はVTRのプロトコルを示した図である。図8には、VTRのプロトコルとして、VTRに対してコマンドを発行するプロトコル71とそのコマンドに対するセンスリターンのプロトコル72とを示しており、それぞれ同じ構成を有している。すなわち、これらのプロトコル71,72は、STX(スタートオブテキストで0x02)で始まり、BC(バイトカウントであり、次のCMD〜最後のCSまでのバイト数)、CMD(コマンドの種類を示す)、コマンドに応じた情報、およびCS(チェックサムであり、BC〜CSの各バイトの総和の下位1バイトが0となる値)よりなる。
【0044】
ここで、たとえばVTR用コマンドが0x01の場合はCUEUP(この場合は、Cueup位置情報が付加情報として付加される)、0x02の場合はPLAY、0x03の場合はREC、・・・、0x60の場合はSENSE STATUS、そして0x61の場合はSENSE TCである。これらのコマンドに対するセンスリターンとしては、VTR用コマンドが0x70の場合は状態通知(詳細情報を付加)、0x71の場合はTC通知(TC値を付加)である。このようなコマンドを用いて、CPU12がVTR21を制御する。
【0045】
なお、ここで、STX、BC、CMD、CSはそれぞれ1バイトである。また、0xの後の2桁の数字はその数字が16進表記であることを示す。たとえば、0x0Aは十進数での10を示す。
【0046】
次に、処理すべき領域が指定され、その領域内から指定されたフレーム数分の処理対象となるフレームの位置を算出する際のCPU12の処理手順を具体的に説明する。
【0047】
図9は処理を施すべきフレームの算出手順を示すフローチャートである。この処理は、図2の画面において「実行」のボタン33が押された際に、CPU12が実行する処理であり、同時に図7に示したテーブル61を作成している。
〔S1〕変数を定義する。即ち、領域内の画面数を「m」、先頭の画面のタイムコードを「t_top」、挿入/削除すべき個数を「n」、環境設定での最小フレーム数を「mini」とする。
〔S2〕m>nの真偽を判断し、正しければステップS4に進み、正しくなければステップS3に進む。
〔S3〕n≧mでは自然な画像を生成できないため、エラーメッセージを表示して処理を終了する。
〔S4〕領域内の画面数「m」を挿入/削除すべき個数「n」で割り、その結果の余りを除いた値を算出する(図中の〔〕はガウス記号であり、割り算結果の余りを除いた値を示している)。算出結果は「Δn」とする。
〔S5〕Δn<miniの真偽を判断し、正しければステップS6に進み、正しくなければステップS8に進む。
〔S6〕Δnがminiよりも小さいと環境設定の最小フレーム数の条件を満たすことができないため、エラーメッセージを表示し、操作員による続行か終了かの入力を促す。
〔S7〕操作員の入力を判断し、実行する旨の入力であればステップS8に進み、終了する旨の入力であれば処理を終了する。
〔S8〕t=t_topとする。
〔S9〕テーブルのタイムレコードの項目にtを設定し、対応するフレーム数に削除であれば0、挿入であれば1を登録する。
〔S10〕n=n−1とする。
〔S11〕n=0であるか否かを判断する。正しければ処理を終了する。正しくなければステップS12に進む。
〔S12〕m=m−1とする。
〔S13〕m=0であるか否かを判断する。正しければ処理を終了し、正しくなければステップS14に進む。
〔S14〕t=t+1とする。
〔S15〕tをt_topで割りきれるか否かを判断する。割り切れればステップS9に進み、割り切れなければステップS16に進む。
〔S16〕テーブルのタイムレコードの項目にtを設定し、対応するフレーム数に1を登録する。
【0048】
このような処理を行うことにより、選択された領域内で均等に、挿入または削除の処理を施すべきフレームが決定される。
以上のように、連続する画像間の変化量を示す数値を算出し、その変化量を画面表示することにより、動作の激しい部分を容易に判別することができる。そして、操作員は、動作の激しい部分を指定してフレーム単位の挿入や削除を行うことができるため、見た目に違和感を感じさせないように動画ファイルの長さの微調整を容易に行うことができる。
【0049】
なお、上記の説明では、VTR21の操作は、操作員の入出力装置19での操作に依存したが、ビデオテープには時刻情報が記録されているため、開始位置と終了位置とを、ビデオテープに記録された時刻情報を指示することで画像の取り込みを行うこともできる。
【0050】
また、上記の説明では、レベル値のピークによりシーンを分解したが、操作員の操作により自由にシーンを分解することは公知である。従って、任意に分解したシーンに対して図4のような画面を表示し、フレームの挿入や削除を行うこともできる。
【0051】
また、上記の説明では、画像の処理をRGBにより行ったが、その他の値での対応も可能である。さらに、映像ファイルをフレーム単位の圧縮(具体的にはMotion JPEG)を行う形態のファイルでも対応できる。
【0052】
また、上記の説明では、レベル値の処理を全画面に渡って行ったが、画面の一部の領域を指定して、指定した領域のみを対象としてレベル値の算出を行ってもよい。例えば、画面の一部とは、顔のアップが行われる中央部などである。あるいは、更に応用し、対象とする領域が画面毎に移動するようにすることもできる。
【0053】
また、上記の説明では、NTSCを前提として説明したが、ノンドロップフレームの場合、処理フレーム数の算出の後のテーブルに実際のタイムレコードを記憶するため、ノンドロップフレームでもドロップフレームでも対応可能である。当然、NTSC以外のPAL(Phase Alternation Line)等の信号形態への対応も容易である。同様に、画面のドット数が上記の例と異なっていてもよく、他のTV方式への対応も可能である。
【0054】
また、上記の説明では、領域が指定され、その領域内で指示されたフレーム数に応じて処理すべきフレームの位置を算出する際に、領域の先頭を選択し、その領域で均等となる整数値により処理すべき箇所を特定した。いわば、整数により均等化しているが、他の方式を用いて処理すべき箇所を決定してもよい。例えば、領域の中央を選択し、両脇に沿って均等な整数値により処理すべき箇所を特定する方法や、均等ではなく乱数により特定する方法での対応も可能である。また、これらの方法を複数組み合わせたり、複数の方法を用意しておき、操作員の指示によって使用する方法を決定するようにしてもよい。
【0055】
また、上記の説明では、処理できるフレーム数は、指定された領域のフレーム数を超えてはならないとしている。これは、削除の場合には当然であるが、挿入の場合にはフレーム数を超えての処理も可能であり、そのように対応することもできる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、連続する画像から変化量を算出し、動作の激しさを数値で表すようにしため、動作の激しい部分が簡単に判別することができ、見た目に違和感を感じさせないような時間の微調整を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】本発明の画像編集装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【図3】画像データのレベル値の表示画面の例を示す図である。
【図4】シーン毎のレベル値の表示例を示す図である。
【図5】図5は理想的なレベル値の変化と実際のレベル値の変化とを示す図である。(A)は理想的なレベル値の状態を示す図であり、(B)は実際のレベル値の状態を示す図である。
【図6】処理すべきフレームの分布状況を示す図である。
【図7】テーブルに基づく映像ファイルの作成状況を示す図である。
【図8】VTRのプロトコルを示した図である。
【図9】処理を施すべきフレームの算出手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1……映像ファイル、2……変化量演算手段、3……変化量表示手段、4……処理要求入力手段、5……時間調整処理実行手段、6……調整後映像ファイル
Claims (4)
- 映像情報をディジタル信号に変換して記憶できる画像編集装置において、
映像ファイルの連続する画像間の変化の度合いを示す変化量を算出し、予め設定された選択領域判別値と算出した変化量とを比較し、変化量の値が前記選択領域判別値を超えている部分を選択推奨領域とする変化量演算手段と、
各画像間における前記変化量と、前記選択推奨領域とを表示装置に表示する表示手段と、
画像の挿入か削除かの何れかの処理を示す処理内容の指定、処理対象領域の指定、及び処理画像数を含む処理要求が操作員により入力される処理要求入力手段と、
前記処理要求を受け取ると、前記映像ファイルの前記処理対象領域の中から実際に処理する対象画像を前記処理画像数だけ特定し、前記対象画像に対して前記処理内容に従った処理を行い調整後映像ファイルを生成する時間調整処理実行手段と
を有することを特徴とする画像編集装置。 - 前記時間調整処理実行手段は、前記処理内容が挿入の場合には前記対象画像の複製を新たな画像として追加し、指定された内容が削除の場合には前記対象画像を削除することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記変化量演算手段は、前記映像ファイルの各画像をビットマップ形式に変換し、連続する画像間の対応する画像同士の濃淡を示す数値を比較し、全ての画像における濃淡の差の合計を前記変化量とすることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記変化量演算手段は、予め設定されたファイル分割値と算出した変化量とを比較し、変化量の値が前記ファイル分割値を超えた部分を境に前記映像ファイルを複数のシーンに分解し、前記処理要求入力手段は、前記シーン毎に処理画像数を指定し、前記時間調整処理実行手段は、前記シーン毎に対象画像を特定することを特徴とする請求項1記載の画像編集装置。
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