JP3766876B2 - 偽信号除去方法及び偽信号除去プログラム - Google Patents

偽信号除去方法及び偽信号除去プログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号処理方法に関し、より詳しくは、信号に含まれるエネルギーを多く含む偽信号の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のフーリエ変換による信号処理方法では、周波数領域で信号を把握、処理することに優れており、多くの分野で使われている技術である。しかし、フーリエ変換は、近年各分野で研究開発が進むウェーブレット変換による信号処理方法とは異なり、時間領域で信号を把握、処理することには適していない。人工衛星等の衝撃試験に於いて、計測された加速度信号に偽信号が含まれる場合、従来の技術では偽信号を除去するための有効な方法が無く、従って、偽信号発生の程度の大きいものに関しては試験データを評価対象外とせざるを得なかった。
【0003】
従来のフーリエ変換による信号処理方法は、信号の周期性を仮定していること、及び周波数領域での信号処理方法であるため、試験データとして有効な信号成分(以下、「主信号成分」)と偽信号成分とを分離して処理することが出来ない。また、ウェーブレット変換による信号処理方法をそのまま用いた場合、主信号成分に対して、偽信号成分が顕著でない場合、主信号成分まで除去してしまうという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、ゼロシフト成分からなる偽信号成分を含む原信号から、偽信号成分を除去することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は、以下のような特徴を有する本発明によって解決される。請求項1に記載の発明は、ゼロシフト成分を有しない主信号とゼロシフト成分からなる偽信号とを含む原信号から当該偽信号を除去する偽信号除去方法であって、当該原信号を時間で積分することによって被積分原信号を導出するステップと、ウェーブレット変換により当該被積分原信号を1つのApproximationと1つ以上のDetailとの和に分解した場合に、当該1つのApproximationのエネルギーの当該原信号のエネルギーに対する比率が所定の閾値と所定の関係になる閾レベル数に達するまでレベル数を深めながらウェーブレット変換を実行するステップと、当該閾レベル数における当該Approximationを偽信号成分として閾値処理によりゼロに近似させるステップと、当該閾値処理されたApproximation及び当該閾レベル数までのDetailをウェーブレット逆変換により再構成することによって被積分主信号を導出するステップと、当該被積分主信号を時間で微分することによって当該主信号を導出するステップと、を有することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明の特徴に加えて、当該閾レベル数は、当該1つのApproximationのエネルギーの当該原信号のエネルギーに対する比率が所定の閾値より小さくなるようなレベル数の内で最小のものであることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明の特徴に加えて、当該閾値処理は、当該閾レベル数における当該Approximationを偽信号成分としてゼロにすることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、当該原信号は、衝撃試験でセンサによって測定される加速度信号であり、及び当該偽信号は、当該衝撃試験の衝撃によって当該センサに誘導されるゼロシフト成分であることを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、ゼロシフト成分を有しない主信号とゼロシフト成分からなる偽信号とを含む原信号から当該偽信号を除去するため、コンピュータに、当該原信号を時間で積分することによって被積分原信号を導出するステップと、ウェーブレット変換により当該被積分原信号を1つのApproximationと1つ以上のDetailとの和に分解した場合に、当該1つのApproximationのエネルギーの当該原信号のエネルギーに対する比率が所定の閾値と所定の関係になる閾レベル数に達するまでレベル数を深めながらウェーブレット変換を実行するステップと、当該閾レベル数における当該Approximationを偽信号成分として閾値処理によりゼロに近似させるステップと、当該閾値処理されたApproximation及び当該閾レベル数までのDetailをウェーブレット逆変換により再構成することによって被積分主信号を導出するステップと、当該被積分主信号を時間で微分することによって当該主信号を導出するステップと、を実行させることを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明の特徴に加えて、当該閾レベル数は、当該1つのApproximationのエネルギーの当該原信号のエネルギーに対する比率が所定の閾値より小さくなるようなレベル数の内で最小のものであることを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載の発明の特徴に加えて、当該閾値処理は、当該閾レベル数における当該Approximationを偽信号成分としてゼロにすることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項5から7のいずれか1項に記載の発明の特徴に加えて、当該原信号は、衝撃試験でセンサによって測定される加速度信号であり、及び当該偽信号は、当該衝撃試験の衝撃によって当該センサに誘導されるゼロシフト成分であることを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
まず、ウェーブレットの一般論について説明する。ウェーブレット分解とは、マザー・ウェーブレットと称される波形関数のスケーリング(拡大)とシフト(移動)で信号をそれぞれが部分的に近似するウェーブレット係数の数列に分解し、それで信号を表現する手法である。通常これらのマザー・ウェーブレットは、ローカル的な波形(サポート・コンパクト)である。これによって、変動の激しい信号の波形は小さなスケールで、変動のゆっくりした信号の波形は大きなスケールで表現することができる。一般的にゼロシフトのような偽信号成分は、変動のゆっくりした波形に偏っているという特徴があるので、それを利用してゼロシフト成分を弁別し、除去することができる。一般的なウェーブレット解析の処理手順を以下に示す。まず、信号s(t)からウェーブレット変換により、以下の式で表わされるウェーブレット係数C(j,k)を求める。s(t)は、一般に時系列の波形サンプル値の数列として表わされる。
【0014】
【数1】
Figure 0003766876
ここで、離散化スケールはa=2j(a=1,2,3,…,L(Lはウェーブレットのレベル(階層数)))、シフトはb=k2j(k=1,2,3,…,L)、及びΨはマザー・ウェーブレットである。本発明では、Daubechiesウェーブレットを使用し、ウェーブレット係数C(j,k)によって信号を以下の式に示すように階層で分離する。
【0015】
【数2】
Figure 0003766876
ここで、
【数3】
Figure 0003766876
である。AJ(t)は、変動がゆっくりした、スケールの大きな信号成分を表現する。そして、信号AJ(t)と原信号s(t)とのエネルギー比
【数4】
Figure 0003766876
を計算して、エネルギー比EJが所定の閾値と所定の関係になるレベル数(本願では「閾レベル数」と称する。)に達するまでレベル数を深めながらウェーブレット変換を実行する。すなわち、エネルギー比EJを必要なレベル数を見極めるための評価基準とする。好適には、そのような閾レベル数は、エネルギー比EJが所定の閾値より小さくなるようなレベル数の内で最小のものである。従って、エネルギー比EJが所定の閾値より小さくなるようなレベルの内で最小のものをレベルJとして決定する。閾値は、例えば99.7%などとすることができる。これは、変動のゆっくりしたA(t)のエネルギーは、原信号s(t)のエネルギーの大部分を占めるためである。このレベルJを閾レベル数と呼ぶことにする。AJは、偽信号成分とみなすことができる。
【0016】
以下に、信号分離のための具体的な数値計算方法の一連の手順を説明する。
1)ウェーブレットの種類を選択
本発明では、Db3(Daubechiesウェーブレット、次数N=3)を選択した。以下の表に、様々なNの値に対応する離散マザー・ウェーブレット関数点の値を示す。
【0017】
【表1】
Figure 0003766876
【0018】
2)分解、再構成のローパス・フィルタ、ハイパス・フィルタの計算
Db3の離散点w(k),k=1,2,...,6を用いてフィルタを計算する。
【数5】
Figure 0003766876
Figure 0003766876
3)2進ダウンサンプリング
以下の式のように、信号s(t)とフィルタの畳み込み積を計算し、2進ダウンサンプリングを実施する。
【0019】
【数6】
Figure 0003766876
2進ダウンサンプリングは以下の2進ダウンサンプリング関数により実施する。
【0020】
【数7】
Figure 0003766876
Figure 0003766876
この操作は、データ数を半分に減らすことでもある。レベルjから下位レベルj+1への操作を以下のシステム流れ図で表す。
【数8】
Figure 0003766876
【0021】
4)構成信号のレベルJの決定
エネルギー比
【数9】
Figure 0003766876
より、構成信号のレベルJを決定する。そのためには、エネルギー比EJが所定の閾値と所定の関係になる閾レベル数に達するまでレベル数を深めながらウェーブレット変換を実行する。すなわち、エネルギー比EJを必要なレベル数を見極めるための評価基準とする。好適には、そのような閾レベル数は、エネルギー比EJが所定の閾値より小さくなるようなレベル数の内で最小のものである。それは、このような閾レベル数のウェーブレット分解によって、偽信号成分のほとんどを表わすApproximationを得られるからである。従って、エネルギー比EJが所定の閾値より小さくなるようなレベルの内で最小のものをレベルJとして決定する。本発明では、積分した信号のエネルギーは、偽信号成分によって支配されるため、例えばエネルギー比の閾値を99.7%にする。このようにすることによって、偽信号成分を弁別することができる。すなわち、レベルJのApproximationを除去することによって、偽信号成分を除去する。
【0022】
5)アップサンプリング
データの間(偶数間)にゼロを挿入するアップサンプリングにより、データ数を2倍にする。
【0023】
6)信号の再構成
再構成ローパス・フィルタ、ハイパス・フィルタとの畳込み積により、2つの信号を再構成する。
【0024】
7)信号の構築
上記の6)で作成した2つの信号を加え合わせて信号を構築する。レベルj+1から上位レベルjへの操作を以下のシステム流れ図で表す。
【数10】
Figure 0003766876
以上が、一般的なウェーブレット解析の手順である。
【0025】
次に、上記の手順を具体的に応用した、偽信号除去方法について説明する。図1は、本発明に係る偽信号除去方法のフロー図である。この方法では、加速度信号を積分することによって偽信号成分が強調されて、元の信号に対する偽信号成分のエネルギー比が大きくなる性質を利用する。本発明に係る方法は、コンピュータなどを用いて実施することができる。すなわち、コンピュータに原信号を入力し、コンピュータの演算手段を使用して、その原信号に、積分操作、ウェーブレット分解、閾値処理、再構成、及び微分操作を行って主信号を導出することによって、実施することができる。
【0026】
偽信号を含む原信号をa(t)とする。原信号は、図2(a)に示すような衝撃試験で圧電型加速度センサ13によって測定される加速度信号である。まず、原信号a(t)を積分し、速度信号v(t)を得る(ステップS101)。
【0027】
次に速度信号v(t)に対してウェーブレット分解を施して、ウェーブレット係数を得る。ウェーブレット分解のパラメータは、例えばマザーウェーブレットにDaubechies N=3とする。なお、このウェーブレット係数から不要な成分を除いた後に再構築を行って元の信号の構成信号を得る手続きを「ウェーブレット処理」と呼ぶ事とする。速度信号v(t)を所定のウェーブレット分解によって偽信号成分(ウェーブレット変換でいうところのApproximation)A(t)と主信号成分(ウェーブレット変換でいうところのDetail)D(t)に分解する(ステップS103)。次に、所定のウェーブレット処理を実施する。ここで所定のウェーブレット処理とは、以下に示す条件を満たすような処理である。まず、A(t)の元の信号v(t)に対するエネルギー比E=||A(t)||2/||v(t)||2を計算する。そして、エネルギー比Eがある閾値より小さくなるようなA(t)を求め、そのようなレベル数の内で最小のものである閾レベル数を求める。これにより、その閾レベル数でのウェーブレット分解により、その閾レベル数個のD(t)と1つのA(t)が得られる。ここでこの閾値は、偽信号成分が元の信号に対して占めるエネルギー比の閾値を表し、例えば99.7%などとすることができる。このようにできる理由は、本発明に係る方法では、加速度信号である原信号を積分して求めた速度信号においては、主信号はゼロシフト成分を有しないために積分してもほぼゼロであるために、偽信号成分が大きなエネルギーを占めるようになるためである。即ちこのようなA(t)を偽信号成分とみなすことができる。上記の所定のウェーブレット処理とは、この閾レベル数のA(t)を後述の閾値処理でゼロに近似した後に、A(t)とD(t)とで信号を再構成することである。なお、ウェーブレット分解のレベルは、上記の閾レベル数が求まるまでの深さまでで充分である。
【0028】
これらのD(t)とA(t)に対してウェーブレット処理を実行する(ステップS105)。ウェーブレット処理は、偽信号成分の除去と再構成である。偽信号成分の除去については、まず、閾レベル数のウェーブレット分解におけるA(t)を偽信号成分として除去する(ゼロにする)方法がある。すなわち、残りのD(t)が主信号を表わすこととなる。ここで、偽信号成分A(t)を完全には除去せずに、絶対値が特定の閾値以内の偽信号成分A(t)をゼロにする、いわゆる閾値処理を行ってもよい。その際の閾値処理は、ハードスレッショルド処理(絶対値が特定の閾値内のところはゼロとし、絶対値が特定の閾値外のところは変更しない処理。絶対値が特定の閾値のところでA(t)が不連続となる。)でも、ソフトスレッショルド処理(絶対値が特定の閾値内のところはゼロとし、絶対値が特定の閾値外のところは徐々にゼロに近づける処理。絶対値が特定の閾値のところでA(t)が連続となる。)でもよい。偽信号成分が除去された信号は、ウェーブレット再構成されて、主信号成分に対応する速度信号vc(t)として出力される。verr(t)は、A(t)を偽信号成分として除去した場合、D(t)を再構成したものとなる。一方、偽信号成分は、ウェーブレット再構成されて、偽信号に対応する速度信号verr(t)として出力される。verr(t)は、A(t)を偽信号成分として除去した場合、A(t)を再構成したものとなる。
【0029】
元の速度信号v(t)から偽信号成分A(t)が除去された主信号成分に対応するvc(t)を時間微分して、補正された(偽信号成分が除去された)加速度信号ac(t)を得る(ステップS107)。このようにして、ゼロシフト成分からなる偽信号が除去された加速度信号ac(t)を得ることができる。なお偽信号が表わす速度信号verr(t)を時間微分すると、偽信号Aerr(t)が得られる(ステップS109)。
【0030】
ウェーブレット変換の性質上、マザーウェーブレット及びそのレベルに関しては、対象となる信号の性質に応じて、他のマザーウェーブレット及びレベルを選択することも可能である。
【0031】
【実施例】
図2(a)に示すように、圧電型加速度センサー13によって計測した、偽信号を含む衝撃応答加速度信号a(t)を本発明に係る信号処理の対象とした。なお比較例として、ゼロシフトによる偽信号が原理的に生じない特公平6−52270号公報に開示された衝撃加速度計の動的応答特性測定方法を用いて、図2(b)に示されるように歪みゲージによる衝撃応答加速度信号を測定し、それを基準として本発明による偽信号除去の効果を定量化した。
【0032】
図3に、これから偽信号を除去しようとする衝撃応答加速度信号a(t)を表わすグラフを示す。図3に示す衝撃応答加速度信号a(t)を積分し、速度信号v(t)(図4)を得る。a(t)、v(t)は、丸棒端面での反射波の影響でこのような形状となる。v(t)をウェーブレット分解し(この例ではウェーブレットとしてDaubechies N=3を用いた)、主信号成分D(t)(図5)と偽信号成分A(t)(図6)に分解した。この際、偽信号成分A(t)の元の信号v(t)に対するエネルギー比Eを99.57%として、閾値処理を行った。すなわち、エネルギー比Eが99.57%より小さくなるようなレベルの内で最小のものである閾レベル数におけるウェーブレット分解で得られたA(t)を偽信号成分として除去した。偽信号成分A(t)が除去された主信号成分D(t)は、補正された速度信号vc(t)に対応するが、これを時間微分して、補正された加速度信号ac(t)(図7)を得た。なお、偽信号成分A(t)を時間微分すると、偽信号成分の加速度信号aerr(t)(図8)を得ることができる。a(t),ac(t),aerr(t)及び正解値となる歪みゲージによって計測した比較例による衝撃応答加速度信号atrue(t)のShock Response Spectrum(SRS)解析結果を図9に示す。図9中で、「○」印がa(t)、「+」印がac(t)、「□」印がatrue(t)、「▲」印がaerr(t)のSRSである。この図9より、ac(t)とatrue(t)とがよく一致しており、本発明に係る方法によって偽信号成分が除去されたことが分かる。
【0033】
本発明に係る方法によって、従来の手法に対してゼロシフト除去の精度があがったことは以下のことから確認できる。図10は、元のゼロシフトした加速度信号(上側の図)及びそのSRS(下側の図)を示す。加速度信号を見ると、それは初期の大振幅の振動から一定値に収束しているが、そのいずれの時点においても、中心がゼロより大きく上側に偏っており、ゼロシフトしていることがわかる。また、SRSを見ると、「○」で示されたポジティブ成分と「△」で示されたネガティブ成分とが大きく離れており、加速度信号がポジティブ側に偏っていることが一見して確認できる。図11は、従来の手法に基づき、加速度信号にそのまま(積分を行わずに)ウェーブレット処理を施して解析した結果の加速度信号(上側の図)及びそのSRS(下側の図)を示す。加速度信号を見ると、それは初期の大振幅の振動から一定値に収束しているが、特に初期においては、中心がゼロより若干上側に偏っており、ゼロシフトしていることがわかる。また、SRSを見ると、「○」で示されたポジティブ成分と「△」で示されたネガティブ成分とが一致してはおらず、加速度信号がポジティブ側に若干偏っていることがやはり一見して確認できる。図12は、本発明に係る手法によって、加速度信号を積分して速度信号に変換しゼロシフト成分を強調した上でウェーブレット処理を施した結果である。加速度信号を見ると、それは初期の大振幅の振動から一定値に収束しているが、そのいずれの時点においてもは、中心はゼロ近傍に位置しており、ゼロシフトがほとんど見られないことがわかる。また、SRSを見ると、「○」で示されたポジティブ成分と「△」で示されたネガティブ成分とが全域においてほぼ一致しており、加速度信号にゼロシフトによる偏りがなく、偽信号成分が効果的に除去されていることが一見して確認できる。これらが示すように、本手法によって従来の手法より精度が大きく向上している。
【0034】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、ゼロシフト成分からなる偽信号成分を含む原信号から、偽信号成分を効果的に除去することができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る偽信号除去方法のフロー図である。
【図2】(a)は本発明の実施例に用いた衝撃加速度計の動的応答特性測定方法に基づく実験装置の概略図であり、及び(b)は本発明の比較例に用いた特公平6−52270号公報に開示された衝撃加速度計の動的応答特性測定方法に基づく実験装置の概略図である。
【図3】偽信号を含む衝撃応答加速度信号a(t)を表わすグラフである。
【図4】偽信号を含む衝撃応答速度信号v(t)を表わすグラフである。
【図5】ウェーブレットによって分解された主信号成分A(t)を表わすグラフである。
【図6】ウェーブレットによって分解された偽信号成分D(t)を表わすグラフである。
【図7】偽信号成分が除去された衝撃応答加速度波形ac(t)を表わすグラフである。
【図8】偽信号成分の衝撃応答加速度波形aerr(t)を表わすグラフである。
【図9】Shock Response Spectrum(SRS)による偽信号除去の評価結果を表わすグラフである。
【図10】ゼロシフトを含む加速度信号とそのSRSを表わすグラフである。
【図11】従来の方法によって偽信号除去を行った加速度信号とそのSRSを表わすグラフである。
【図12】本方法によって偽信号除去を行った加速度信号とそのSRSを表わすグラフである。
【符号の説明】
11,21 衝撃発生用の弾丸
12,22 丸棒
13,23 圧電型加速度センサ
24 ひずみゲージ
25 距離L
a(t) 偽信号を含む衝撃応答加速度信号。
v(t) 偽信号を含む衝撃応答速度信号。
D(t) ウェーブレットによって分解された主信号成分。
A(t) ウェーブレットによって分解された偽信号成分。
c(t) 偽信号成分が除去された衝撃応答加速度信号。
err(t) 偽信号成分の衝撃応答加速度信号。

Claims (8)

  1. ゼロシフト成分を有しない主信号とゼロシフト成分からなる偽信号とを含む原信号から当該偽信号を除去する偽信号除去方法であって、
    前記原信号を時間で積分することによって被積分原信号を導出するステップと、
    ウェーブレット変換により前記被積分原信号を1つのApproximationと1つ以上のDetailとの和に分解した場合に、当該1つのApproximationのエネルギーの前記原信号のエネルギーに対する比率が所定の閾値と所定の関係になる閾レベル数に達するまでレベル数を深めながらウェーブレット変換を実行するステップと、
    前記閾レベル数における前記Approximationを偽信号成分として閾値処理によりゼロに近似させるステップと、
    前記閾値処理されたApproximation及び前記閾レベル数までのDetailをウェーブレット逆変換により再構成することによって被積分主信号を導出するステップと、
    前記被積分主信号を時間で微分することによって前記主信号を導出するステップと、を有することを特徴とする偽信号除去方法。
  2. 前記閾レベル数は、前記1つのApproximationのエネルギーの前記原信号のエネルギーに対する比率が所定の閾値より小さくなるようなレベル数の内で最小のものであることを特徴とする請求項1に記載の偽信号除去方法。
  3. 前記閾値処理は、前記閾レベル数における前記Approximationを偽信号成分としてゼロにすることを特徴とする請求項1又は2に記載の偽信号除去方法。
  4. 前記原信号は、衝撃試験でセンサによって測定される加速度信号であり、及び
    前記偽信号は、前記衝撃試験の衝撃によって前記センサに誘導されるゼロシフト成分であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の偽信号除去方法。
  5. ゼロシフト成分を有しない主信号とゼロシフト成分からなる偽信号とを含む原信号から当該偽信号を除去するため、コンピュータに、
    前記原信号を時間で積分することによって被積分原信号を導出するステップと、
    ウェーブレット変換により前記被積分原信号を1つのApproximationと1つ以上のDetailとの和に分解した場合に、当該1つのApproximationのエネルギーの前記原信号のエネルギーに対する比率が所定の閾値と所定の関係になる閾レベル数に達するまでレベル数を深めながらウェーブレット変換を実行するステップと、
    前記閾レベル数における前記Approximationを偽信号成分として閾値処理によりゼロに近似させるステップと、
    前記閾値処理されたApproximation及び前記閾レベル数までのDetailをウェーブレット逆変換により再構成することによって被積分主信号を導出するステップと、
    前記被積分主信号を時間で微分することによって前記主信号を導出するステップと、を実行させるための偽信号除去プログラム。
  6. 前記閾レベル数は、前記1つのApproximationのエネルギーの前記原信号のエネルギーに対する比率が所定の閾値より小さくなるようなレベル数の内で最小のものであることを特徴とする請求項5に記載の偽信号除去プログラム。
  7. 前記閾値処理は、前記Approximationを偽信号成分としてゼロにすることを特徴とする請求項5又は6に記載の偽信号除去プログラム。
  8. 前記原信号は、衝撃試験でセンサによって測定される加速度信号であり、及び
    前記偽信号は、前記衝撃試験の衝撃によって前記センサに誘導されるゼロシフト成分であることを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の偽信号除去プログラム。
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