JP3766699B2 - コレクト機構付折機 - Google Patents
コレクト機構付折機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3766699B2 JP3766699B2 JP30161293A JP30161293A JP3766699B2 JP 3766699 B2 JP3766699 B2 JP 3766699B2 JP 30161293 A JP30161293 A JP 30161293A JP 30161293 A JP30161293 A JP 30161293A JP 3766699 B2 JP3766699 B2 JP 3766699B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- collect
- cam
- cylinder
- mode
- phase
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Folding Of Thin Sheet-Like Materials, Special Discharging Devices, And Others (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、オフセット輪転印刷機等の印刷機に備え付けられるコレクト機構付折機に関する。より詳細には、二種の絵柄(必ずしも異なる絵柄でなくてもよい)を交互に連続させて印刷された印刷紙から裁断される二種の折丁を、重ねずに各絵柄毎に折った非重ね折丁として別々に排出するノンコレクトモードと、二枚重ねて折った重ね折丁として排出するコレクトモードとを備えたコレクト機構付折機に関する。
【0002】
【背景技術】
〔コレクト機構付折機の概要〕
図12から図16までには、従来の一般的なコレクト機構付折機900が示されている(第一従来例)。
図12において、コレクト機構付折機900は、通常の版胴の二倍の周長(例えばBサイズの印刷紙の場合、通常の546mmに対して1092mm)を有する版胴(倍胴)を備えたオフセット輪転印刷機に備え付けられる折機であり、印刷紙の流れの上流側(図中右側)から下流側(図中左側)に向かってフォーマ901、裁断胴903、針胴904、コレクト胴(突込み胴、折り胴と称されることもある)905、咬え胴906、および上下の減速胴907,908を備えている。
【0003】
このようなコレクト機構付折機900における印刷紙の処理の流れおよび各部の動作を説明すると、先ず、二種の絵柄Aおよび絵柄Bを交互に連続させて印刷された印刷紙902は、フォーマ901によって縦折り、すなわち長手方向に沿って折られる。この縦折りされた印刷紙902は、裁断胴903と針胴904との間に挿通され、裁断胴903に設けられた2個の裁断刃903Aによって絵柄Aまたは絵柄Bの長さに裁断される。この裁断により、印刷紙902は、絵柄Aまたは絵柄Bを有する折丁902Aまたは折丁902Bとされる。各折丁902A,902Bは、針胴904に設けられた2列の針904Aによって一枚ずつ順次支持され、コレクト胴905に設けられた3列の針905B(120度等配)に順次受け渡される。
【0004】
コレクト胴905には、3列の針905Bの中間にそれぞれ突込へら(折ブレード、折り刃と称されることもある)905Aが設けられ(120度等配)、一方、コレクト胴905に接して配置された咬え胴906には、6列の咬え爪906A(60度等配)が設けられている。コレクト胴905の針905Bに支持された各折丁902A,902Bは、これらのコレクト胴905の突込へら905Aと咬え胴906の咬え爪906Aとが合致した時に、一枚ずつの状態(ノンコレクトモード時)あるいは二枚重ねの状態(コレクトモード時)で咬え折り(横折り)されて咬え胴906に受け渡される。
【0005】
〔ノンコレクトモード〕
ノンコレクトモードにおいては、このようなコレクト胴905から咬え胴906への咬え折りによる受け渡し動作は、コレクト胴905の突込へら905Aと咬え胴906の咬え爪906Aとが合致する都度に毎回行われる。つまり、版胴(不図示)の1回転につき2回行われる。咬え胴906の咬え爪906Aに支持された一枚ずつの状態の各折丁902A,902Bは、咬え爪906Aから上下の減速胴907,908に交互に受け渡され、さらに図示されない搬送ベルト、羽根車を経て上下の排紙台に排出される。
【0006】
〔コレクトモード〕
一方、コレクトモードにおいては、コレクト胴905から咬え胴906への咬え折りによる受け渡し動作は、コレクト胴905の突込へら905Aと咬え胴906の咬え爪906Aとが合致する都度には行われずに、1回置きのタイミングで行われる。つまり、版胴(不図示)の1回転につき1回行われる。咬え胴906の咬え爪906Aに支持された重ね折丁(折丁902Aおよび折丁902Bの二枚重ねの状態)は、咬え爪906Aから上下の減速胴907,908のいずれか一方に受け渡され、さらに図示されない搬送ベルト、羽根車を経て上下の排紙台のいずれか一方に排出される。
【0007】
〔コレクトモード時における重ね折丁の形成〕
図13は、コレクトモード時に、コレクト胴905において各折丁902A,902Bが二枚重ねの状態になる説明図であり、図13(A)から図13(F)までの各図は、コレクト胴905の1/3回転(120度回転)毎の状態を示している。また、IN記号の位置で針胴904から順次交互に送られてくる各折丁902A,902Bを、それぞれ記号A1,B1,A2,B2,A3,B3,─で示すとともに、咬え胴906への受け渡しの位置をOUT記号で示した。
図13(A)において、折丁A1はOUT記号の位置で咬え胴906に受け渡される。この際、折丁A1は重ね状態になっていないため損紙となる。
図13(B)において、折丁B1は咬え胴906には受け渡されずに、そのままOUT記号の位置を通過する。
図13(C)において、折丁A2はOUT記号の位置で咬え胴906に受け渡される。この際、折丁A2は折丁A1と同様に重ね状態になっていないため損紙となる。
図13(D)において、折丁B2は咬え胴906には受け渡されずに、そのままOUT記号の位置を通過する。また、折丁B1には折丁A3が重ねられ、これにより絵柄Aが外側、絵柄Bが内側に配置された重ね折丁が形成される。
図13(E)において、折丁A3および折丁B1による重ね折丁が咬え胴906に受け渡される。この状態で初めて二枚重ねの状態で横折りされた重ね折丁が形成される。
図13(F)において、折丁B3は咬え胴906には受け渡されずに、そのままOUT記号の位置を通過する。また、折丁B2には折丁A4が重ねられ、これにより絵柄Aが外側、絵柄Bが内側に配置された重ね折丁が形成される。
【0008】
図13(F)の状態は、図13(D)の状態と同じであるので、その後、図13(E)の状態と図13(F)の状態とが交互に繰り返され、一回置きに重ね折丁が咬え胴906に受け渡される。なお、重ね折丁は常に絵柄Aが外側、絵柄Bが内側に配置された状態で形成される。
また、図13(E)の状態と図13(F)の状態とが交互に繰り返されるので、損紙が発生するのは、図13(A)および図13(C)の状態のみ、つまりコレクト胴905の初めの1回転のみである。
そして、コレクト機構付折機900の場合には、コレクト胴905に突込へら905Aおよび針905Bがそれぞれ3列ずつ設けられているが、それぞれ5列、7列等の奇数列ずつ設けられていれば、このような重ね折丁の形成が可能である。
【0009】
〔コレクト機構〕
図14には、ノンコレクトモードに対応した針905Bの動作とコレクトモードに対応した針905Bの動作との切り換えを行うことができるコレクト機構920およびコレクト胴905が示されている。
図12および図14において、コレクト胴905の各針905Bは、針駆動軸921の回転に伴って図12中矢印C方向に進退可能な構成とされ、各折丁902A,902Bを引っ掛けて支持している時には、外側に突出した状態となり、一方、各折丁902A,902Bを咬え胴906に受け渡す瞬間には、内側に引っ込む状態となるように構成されている。各折丁902A,902Bの咬え胴906への受け渡しは、コレクト胴905の突込へら905Aと咬え胴906の咬え爪906Aとが合致する位置で行われるので、この時の対応する針905Bの位置(以下、受渡し動作位置という)は各折丁902A,902Bの半分の長さ分だけ回転前方の図12中K点の位置となる。
従って、ノンコレクトモードにおいては、各針905Bが図12中K点の位置を通過する毎(コレクト胴905の1/3回転置き)に針905Bの引っ込み動作が行われ、コレクトモードにおいては、各針905Bが図12中K点の位置を通過する際に、一回置き(コレクト胴905の2/3回転置き)に針905Bの引っ込み動作が行われるようになっている。
【0010】
また、図12において、コレクト胴905の突込へら905Aは、固定されており、これに対応する咬え胴906の咬え爪906Aは、各折丁902A,902Bの咬え胴906への受け渡しの都度に、つまりコレクト胴905の針905Bの引っ込み動作が行われる都度に動作するように構成されている。
従って、ノンコレクトモードにおいては、咬え胴906の6列の咬え爪906Aは、全て動作するようになっており、コレクトモードにおいては、6列の咬え爪906Aが1列置きに動作するようになっている。
【0011】
〔回転カム〕
図14において、コレクト機構920は、針駆動軸921の端部に固設されて針駆動軸921を中心に回動するカムローラレバー922と、このカムローラレバー922にカムフォロワ軸923を介して回転可能に係合されたカムフォロワ924と、このカムフォロワ924を当接させて案内する回転カム930とを備えている。
回転カム930は、コレクト胴905と同軸上に配置され、コレクト胴905の回転に伴ってギヤ駆動される構成となっている。そして、この際の回転カム930のコレクト胴905に対する回転比は3/2とされ、コレクト胴905が1/3回転(120度回転)すると回転カム930は1/2回転(180度回転)するようになっている。
【0012】
図15(A)には、回転カム930の正面図が示され、図15(B)には、回転カム930の側面図が示されている。
回転カム930には、カムフォロワ924を案内する案内溝931が設けられ、この案内溝931により所定のカム曲線が形成されている。カムフォロワ924は、案内溝931内に収納され、案内溝931に沿って回転しながらカム曲線に従った所定の軌跡を描き、コレクト胴905の針905Bの動作を制御するようになっている。
【0013】
回転カム930の一部は、セグメントカム932により形成されている。セグメントカム932は、回転カム930の周方向の対称位置に2個設けられており、その表面932Aおよび裏面932Bにそれぞれ異なる形状の案内溝931を有している。そして、これらのセグメントカム932は、回転カム930の本体(セグメントカム932以外の部分)から取り外し可能に構成され、裏返して装着できるようになっている。図16には、片方のセグメントカム932を裏返して装着した状態の回転カム930が示されている。
図15(A)に示すように、セグメントカム932の表面932A側には、回転カム930の本体とは異なる形状の案内溝931が設けられており、カム曲線にカム山933が形成されている。
一方、図16に示すように、セグメントカム932の裏面932B側には、回転カム930の本体と同じ曲率半径の案内溝931が設けられている。
【0014】
〔回転カムによるモード切換〕
回転カム930によるコレクト胴905の針905Bの動作制御について説明すると、コレクト胴905の針905Bは、カムフォロワ924がカム山933を昇る時に引っ込み動作を行い、カム山933を降りる時に再び外側に突出する動作を行うようになっている。
ノンコレクトモードにおいては、カム曲線に二つのカム山933(180度等配)が形成された図15(A)の状態の回転カム930を使用する。針905Bが受渡し動作位置(図12中K点の位置)に来たときに片方のカム山933もこの位置に来るように回転カム930の位相を設定したとすると(ここでは、針905Bとこの針905B用のカムフォロワ924との位置のずれ分は考慮しないものとする)、回転カム930のコレクト胴905に対する回転比が3/2であるから、コレクト胴905が120度回転して次の針905BがK点の位置に来たときには、回転カム930は180度回転して次のカム山933がK点の位置に来ている。従って、各針905BがK点の位置を通過する都度に針905Bの引っ込み動作が行われ、非重ね状態の各折丁902A,902Bの咬え胴906への受渡しが行われる。
【0015】
一方、コレクトモードにおいては、カム曲線に一つのカム山933が形成された図16の状態の回転カム930を使用する。針905Bが受渡し動作位置(図12中K点の位置)に来たときにカム山933もこの位置に来るように回転カム930の位相を設定したとすると、コレクト胴905が120度回転して次の針905BがK点の位置に来たときには、回転カム930は180度回転してカム山933の反対側がK点の位置に来る。その後、さらにコレクト胴905が120度回転して次の針905BがK点の位置に来たときには、回転カム930はさらに180度回転してカム山933が再びK点の位置に来る。従って、各針905BがK点の位置を通過する際には、一回置きに針905Bの引っ込み動作が行われ、折丁902Aと折丁902Bとの重ね折丁の咬え胴906への受渡しが行われる。
【0016】
〔複数のカムによるモード切換〕
また、複数のカムを用いて重ね(コレクトモードに相当)と非重ね(ノンコレクトモードに相当)との切り換えを行う折機として、特開平5−154985号、特開平5−178533号に記載されたコレクト機構付折機がある(第二従来例)。
この第二従来例のコレクト機構付折機は、針装置(前記第一従来例の針905Bに相当)及び折ブレード装置(前記第一従来例の突込へら905Aに相当)を備え、重ねと非重ねとの切り換えを行うために針装置および折ブレード装置のそれぞれに2枚のカムが設けられている。つまり、合計4枚のカムが設けられている。
各装置の2枚のカムは、180度等配に設けられた2つのカムプロフィル(凹部)を有する非重ね用カムと、この非重ね用カムの2つのカムプロフィルのうちの一方のカムプロフィルを作動させないようにしたり、作動させるようにしたりするダミーカムとの組合せとなっている。
【0017】
このような第二従来例においては、重ねの状態(コレクトモードに相当)とする時には、非重ね用カムの2つのカムプロフィルのうち一方のカムプロフィルをダミーカムにより非作動の状態(凹部が遮蔽された状態、つまりカムフォロワが凹部に入ることができずにダミーカムの外周部分に沿って動く状態)とし、一方、非重ねの状態(ノンコレクトモードに相当)とする時には、非重ね用カムの両方のカムプロフィルを作動の状態(凹部が遮蔽されない状態、つまりカムフォロワが凹部に入ってカムプロフィルに従って動く状態)にするようにダミーカムを配置する。
この際、カムプロフィルを有する非重ね用カムは、重ね及び非重ねのいずれの状態の運転時においても、コレクト胴(折胴)の回転に伴って常に回転している。つまり、コレクト胴が120度(針または折ブレードの配置間隔の1コマ分)回転すると、非重ね用カムは180度(カムプロフィルの配置間隔の1コマ分)回転する。一方、ダミーカムは、非重ね用カムと同速で回転する場合と、フレームに固定されている場合とがある。
【0018】
また、非重ねから重ねへの切り換え時、あるいはその逆の重ねから非重ねへの切り換え時には、2ポイントクラッチを用いて非重ね用カムとダミーカムとの相対的な位相を変更するようになっており、切り換え操作の容易化、切り換え所要時間の短縮化が図られている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した第一従来例のコレクト機構付折機900では、カムフォロワ924が回転カム930のカム曲線上におけるカム山933を通過する際に、回転カム930がカムフォロワ924から反力を受け、回転カム930の駆動系に負荷変動が生じるという問題があった。
【0020】
すなわち、図17に示すように、カムフォロワ924がカム山933を通過すると、カムローラレバー922が針駆動軸921を中心に回動(揺動)し、カムローラレバー922に回転角加速度d2φ/dt2(rad/s2)が発生する。ここで、φはカムローラレバー922の回転角度(rad )である。
なお、図17において、針駆動軸921はコレクト胴905の外周面近傍位置に回転(自転)可能に固定されているため、コレクト胴905の回転とともに回転(公転)する。また、コレクト胴905と回転カム930とは、ともに同方向(図中反時計回り)に回転しているが、回転カム930の回転比が3/2であるため、回転カム930を固定して考えるとコレクト胴905および針駆動軸921は、図中時計回りに回転している。
【0021】
このようにカムフォロワ924に回転角加速度d2φ/dt2が発生した場合には、この回転角加速度d2φ/dt2と回転カム930によって動作されるもの全体(カムフォロワ924、カムローラレバー922等)の針駆動軸921回りの慣性モーメントIとの積I×d2φ/dt2に関連する力が、反力Fとして回転カム930に作用する。
この回転カム930に働く反力Fは、回転カム930とカムフォロワ924との接触点において法線方向に働くが、これを回転方向成分FXと半径方向成分FYとに分けると、カムフォロワ924がカム山933ではない部分を通過している際には、反力Fは半径方向成分FYのみとなり、カム山933を通過する際には、回転方向成分FXが生じることになる。回転方向成分FXは、回転カム930の回転方向に働く力であるため、この回転方向成分FXがカムローラレバー922の回転角加速度d2φ/dt2の変化に伴って変動すると、回転カム930の駆動系に負荷変動が生じる。
【0022】
ここで、図18には、カム山933の部分のカム曲線の変化形状(リフト量Y(mm)と変化角度X(rad )との関係)が示され、図19には、図18のカム曲線をXで二回微分して得られた曲線d2Y/dX2 が示されている。曲線d2Y/dX2 の形状は、図示のように正、負、負、正と変化する形状となっている。
カムフォロワ924と針駆動軸921との間のカムローラレバー922の長さをR(mm)、回転カム930に対するコレクト胴905の相対回転角速度をω(rad/s ;=dX/dt =一定)とすると、次式(数1)が成立するので、図19の曲線d2Y/dX2 の変化形状に従ってカムローラレバー922の回転角加速度d2φ/dt2も正、負、負、正と変化する。
【0023】
【数1】
【0024】
従って、カムフォロワ924がカム山933を通過すると、回転カム930の駆動系には、正、負、負、正の方向(回転カム930に対するコレクト胴905の相対回転方向、つまりカム山933に対してカムフォロワ924が進んで行く方向を正の方向とする)に負荷変動が生じる。
【0025】
そして、以上に述べたような負荷変動が回転カム930に生じると、これと連動して回転するコレクト胴905の駆動に影響を及ぼし、コレクト胴905や咬え胴906等のコレクト機構付折機900の各胴に回転ムラが発生する。このため、回転ムラの発生により折丁902A,902Bの裁断精度及び折精度が悪くなるという問題があった。
【0026】
また、前述した式(数1)に示されるように、カムローラレバー922の回転角加速度d2φ/dt2は、回転カム930に対するコレクト胴905の相対回転角速度ωの二乗に比例する。この相対回転角速度ωは、機械速度(コレクト胴905の回転角速度)が高速化されれば、それに比例して大きくなるので、結局、機械速度が高速化されると、その二乗に比例してカムローラレバー922の回転角加速度d2φ/dt2が大きくなり、回転カム930の駆動系に生じる負荷変動の量が大きくなる。このため、さらに折丁902A,902Bの裁断精度及び折精度が悪くなるという問題があった。
【0027】
さらに、図19の曲線d2y/dx2 の変化形状に従ってカムローラレバー922の回転角加速度d2φ/dt2が正、負、負、正と変化し、これに伴って回転カム930の駆動系に正、負、負、正の方向に両振りの負荷変動が生じるので、回転カム930の駆動系の各歯車の歯に両振り繰り返し荷重による疲労が発生し、機械寿命が低下するという問題があった。
【0028】
そして、コレクトモードとノンコレクトモードとの切り換えは、片方のセグメントカム932を裏返して装着し、表裏を入れ換えることにより行っているが、この操作はセグメントカム932の案内溝931の内部にカムフォロワ924が入っていない状態にして行わなければならないという制約があるので、その設定に手間がかかり、切り換えに多くの時間を要するという問題があった。
【0029】
また、前述した第二従来例のコレクト機構付折機では、重ねと非重ねとの切り換えに2ポイントクラッチを用いることにより切り換え操作の容易化、切り換え所要時間の短縮化は図られているが、カムプロフィルを有する非重ね用カムが重ね及び非重ねのいずれの状態の運転時においても常に回転する構成となっているので、カムフォロワがカムプロフィルを通過する際に非重ね用カムの駆動系に負荷変動が生じ、前述した第一従来例と同様な諸問題が発生する。
【0030】
本発明の目的は、回転カムの駆動系に発生する負荷変動を低減できるとともに、重ねと非重ねとの切り換え操作を短時間でかつ容易に行うことができるコレクト機構付折機を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明は、1個の咬え胴に二種の裁断紙を順次受け渡すコレクト胴に、回転カムではなく固定カムにカムプロフィルを設けるとともに、コレクト胴に対する回転カムの位相を各モードに対応させて変更し、これにより、前記目的を達成しようとするものである。
具体的には、本発明は、二種の絵柄が交互に印刷されかつ縦折りされた印刷紙を順次裁断して二種の裁断紙とする裁断胴と、この裁断胴と並列配置されるとともに前記裁断紙を引っ掛けて前記裁断胴から受け取る針胴と、この針胴の流れの下流側に配置され当該針胴から前記二種の裁断紙を順次受け取るコレクト胴と、このコレクト胴の流れの下流側に配置され当該コレクト胴から交互に送られてくる二種の裁断紙を順次受け取り折丁を作成する1個の咬え胴と、を備えて構成され、交互に送られてくる前記折丁を前記コレクト胴から前記咬え胴へ、非重ね折丁として別々に受け渡すノンコレクトモードと、重ね折丁として受け渡すコレクトモードとを切り換えて運転可能なコレクト機構付折機であって、外周が一定曲率部に形成されるとともにその一箇所に前記コレクト胴の針に所定の受け渡し動作を行わせるカムプロフィルが形成され、かつフレーム側に対して固定された固定カムと、外周一箇所が前記カムプロフィルを遮蔽し前記針に所定の受け渡し動作を行わせない遮蔽部に形成されるとともに、残りの部分が前記カムプロフィルから内側に離れる非遮蔽部に形成された回転カムと、この回転カムの前記遮蔽部を、前記コレクトモード時には、前記針が所定の受け渡し動作位置にくる瞬間に付き一回置きに前記カムプロフィルを遮蔽する配置とし、かつ前記ノンコレクトモード時には、前記針が所定の受け渡し動作位置にくる瞬間に前記カムプロフィルを遮蔽しない配置とする回転カム駆動手段とを備え、この回転カム駆動手段は、前記コレクトモードおよび前記ノンコレクトモードの各モード時に前記回転カムを前記コレクト胴に対して所定の回転比で回転させる構成を有するとともに、前記コレクト胴に対する前記回転カムの位相を前記コレクトモード時と前記ノンコレクトモード時とで切換変更する位相調整手段を有していることを特徴とするコレクト機構付折機である。
【0032】
このような本発明においては、固定カムおよび回転カムの二枚のカムを用いることにより、ノンコレクトモードとコレクトモードとを切り換えてコレクト機構付折機の運転を行う。
つまり、カムプロフィルを有する固定カムをフレーム側に対して常に固定しておき、一方、各モードでの運転時には回転カムを回転カム駆動手段により各モードに対応した位相で回転させる。
【0033】
この際、カムプロフィルは回転カムではなく、固定カムに設けられているので、回転カムに関しては、カムフォロワは回転カムの外周部分(カムプロフィルが形成されていない一定の曲率を有する部分)を通過するだけである。従って、回転カムがカムフォロワから受ける反力は、回転カムの半径方向(回転中心に向かう方向)にしか作用しないので、前述した第一、第二従来例のような負荷変動が回転カムの駆動系に生じることはなく、負荷変動に伴う前述した諸問題は解消される。このため、回転カムの安定した回転が得られ、回転カムと連動するコレクト胴や咬え胴等の各胴の回転ムラは抑制されるので、折丁の裁断精度及び折精度は向上する。
そして、機械速度が高速化される程、前述した第一、第二従来例との折丁の裁断精度及び折精度の差は顕著なものとなる。
また、回転カムの駆動系を構成する各歯車の歯の両振り繰り返し荷重による疲労の発生は防止されるので、機械寿命が長くなる。
【0034】
さらに、コレクトモードとノンコレクトモードとの切り換えは、位相調整手段により各モード時におけるコレクト胴に対する回転カムの位相を切換変更するだけでよいため、手間を掛けずに容易に行うことが可能となるうえ、切り換えに要する時間が短縮される。
【0035】
また、コレクトモードおよびノンコレクトモードの両方のモードでの運転時において、回転カムは所定の回転比で回転するようになっており、コレクト胴に対する回転カムの位相が各モードで異なるのみであるので、運転時において回転カムの駆動系に掛かる負荷の大きさ(変動の大きさではなく絶対値の大きさ)は、両方のモードで同一となり、コレクト胴や咬え胴等の各胴は両方のモードにおいて同一の負荷条件で回転するため、安定した回転が得られる。
そして、回転カムおよび固定カムだけによる簡易な構造でコレクトモードとノンコレクトモードとが実現され、これらにより前記目的が達成される。
【0036】
また、本発明のコレクト機構付折機は、前記位相調整手段が、前記コレクト胴の位相を示す胴位相表示手段と、この胴位相表示手段の近傍に設けられて前記回転カムの位相を示す回転カム位相表示手段とを備え、これらの胴位相表示手段および回転カム位相表示手段に、前記コレクト胴の位相と前記回転カムの位相とが前記コレクトモードおよび前記ノンコレクトモードの各モードに対応した所定の位相関係となる位置を指定するモード対応位置指定手段が設けられていることを特徴とする。
【0037】
このように位相調整手段に胴位相表示手段および回転カム位相表示手段を設けておけば、各モード間の切り換え操作を行うにあたって、回転カムの位相およびコレクト胴の位相が容易に把握され、モード対応位置指定手段により、コレクト胴の位相と回転カムの位相とを各モードに対応した所定の位相関係に容易に設定することが可能となる。
【0038】
さらに、本発明のコレクト機構付折機は、前記回転カム駆動手段が、前記コレクト胴と前記回転カムとの間に設けられてこれらの間の駆動伝達を行う駆動伝達経路を備え、前記位相調整手段が、この駆動伝達経路の途中に設けられて互いに噛み合いかつ軸方向に相対移動して噛み合いを解除可能な一対の歯車からなるクラッチと、これらの一対の歯車を相対移動させて前記クラッチの入切を行う移動手段とを備えていることを特徴とする。
【0039】
このように駆動伝達経路の途中にクラッチおよび移動手段を設けておけば、このクラッチを切った状態でコレクト胴に対する回転カムの位相の切換変更を行い、その後、再びクラッチを入状態に戻すという操作により、各モード間の切り換えが容易に実現される。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の各実施例を図面に基づいて説明する。
〔第一実施例〕
図1から図7までには、本発明の第一実施例に係るコレクト機構付折機10が示されている。
〔コレクト機構付折機の概要〕
図1において、コレクト機構付折機10は、前述した図12の第一従来例のコレクト機構付折機900と略同様な構成を有しており、印刷紙の流れの上流側(図中右側)から下流側(図中左側)に向かって、二種の絵柄Aおよび絵柄Bを交互に連続させて印刷された印刷紙12を裁断する2個の裁断刃13Aを有する裁断胴13と、2列の針14Aを有する針胴14と、3列の針15B(120度等配)および3個の突込へら15A(120度等配)を有するコレクト胴15と、6列の咬え爪16A(60度等配)を有する咬え胴16と、上下の減速胴17,18とを備えている。これらの各胴の基本動作および印刷紙12の処理の流れは、前記第一従来例のコレクト機構付折機900の場合と同様であるので、詳しい説明は省略する。
【0041】
コレクト機構付折機10は、前記第一従来例のコレクト機構付折機900と同様に、コレクト胴15の突込へら15Aと咬え胴16の咬え爪16Aとが合致した時に、各折丁12A,12Bを一枚ずつの状態で咬え胴16に受け渡すノンコレクトモードと、折丁12Aおよび折丁12Bを重ね折丁として咬え胴16に受け渡すコレクトモードとを切り換えて運転する構成となっている。そして、コレクトモード時における重ね折丁の形成手順は図13(A)〜図13(F)に示した手順と同様である。
なお、図中K点の位置は、コレクト胴15の突込へら15Aと咬え胴16の咬え爪16Aとが合致する瞬間に、この合致部分に位置する各折丁12A,12Bを支持している針15Bがくる位置、つまり合致部分から各折丁12A,12Bの半分の長さ分だけ回転前方の位置である。
【0042】
また、コレクト機構付折機10は、前記第一従来例のコレクト機構付折機900に設けられているコレクト機構920とは構成の異なるコレクト機構20を有している。
コレクト胴15の各針15Bは、針駆動軸21の回転に伴って図1中矢印C方向に進退可能な構成とされ、各折丁12A,12Bを引っ掛けて支持している時には、外側に突出した状態となり、一方、各折丁12A,12Bを咬え胴16に受け渡す瞬間には、内側に引っ込む状態となるように構成されている。
図2には、針駆動軸21を回転させてコレクト胴15の各針15Bの動作制御を行うコレクト機構20の詳細構成が示されており、図3には、図2中矢印Qの方向から見たコレクト機構20の断面図が示されている。
【0043】
〔コレクト機構〕
図1および図2において、コレクト機構20は、針駆動軸21の端部に固設されて針駆動軸21を中心に回動するカムローラレバー22と、このカムローラレバー22にカムフォロワ軸23を介して回転可能に係合されたカムフォロワ24と、このカムフォロワ24を当接させて案内する回転カム30および固定カム31と、回転カム30を駆動する回転カム駆動手段72とを備えている。
【0044】
〔固定カム〕
図1において、図中二点鎖線で示された固定カム31には、その外周部分の一箇所(以下、受渡し動作対応位置KKという)に所定のカムプロフィルを形成する凹部31Aが設けられており、その他の外周部分は一定の曲率を有する一定曲率部31Bとなっている。そして、凹部31Aをカムフォロワ24が通過すると、針15Bは所定の引っ込み動作および再突出動作を行うようになっている。
この固定カム31の凹部31Aが設けられた受渡し動作対応位置KKは、針15Bが受渡し動作位置(図中K点の位置)にきた時に、その針15Bに接続されたカムフォロワ24が対応する位置である。
【0045】
〔回転カム〕
また、図中二点鎖線で示された回転カム30は、その外周の一部分が固定カム31の一定曲率部31Bと同じ外径を有する遮蔽部30Aとなっており、その他の外周部分はその外周端縁が固定カム31の一定曲率部31Bの外周端縁よりも内側に位置する非遮蔽部30Bとなっている。なお、図中では、図面を見やすくするため遮蔽部30Aの外径を固定カム31の一定曲率部31Bの外径よりも若干小さくしている。
回転カム30の遮蔽部30Aは、回転カム30が回転して回転カム30の遮蔽部30Aと固定カム31の凹部31Aとが一致した時に、固定カム31の凹部31Aを遮蔽することができる程度の周方向の幅を有している。そして、遮蔽部30Aが凹部31Aを遮蔽した状態では、針15Bは所定の引っ込み動作および再突出動作を行わないようになっている。
回転カム30の非遮蔽部30Bは、回転カム30の回転中に少なくとも固定カム31の凹部31Aを遮蔽しない程度に半径方向内側に位置している。つまり、回転カム30の非遮蔽部30Bと固定カム31の凹部31Aとが一致している時には、凹部31Aのカムプロフィルの形状が完全に現れて針15Bは所定の引っ込み動作および再突出動作を行うようになっている。
これらの回転カム30および固定カム31による針15Bの動作制御は、後述の図6および図7において詳述する。
【0046】
〔回転カム駆動手段〕
図2において、固定カム31は、固定カムホルダ32を介してフレーム33に固設されている。
回転カム30は、回転カムホルダ34に取り付けられ、回転カムホルダ34とともにベアリング35,36を介してコレクト胴軸37に回転可能に支持されている。
コレクト胴軸37の端部には、歯車ボス39が固定され、この歯車ボス39には第一歯車40が固定されている。
【0047】
第一歯車40は、図中右上に設けられたスプライン軸44とともに回転するクラッチ歯車42と噛み合っている。このクラッチ歯車42は、後述する移動手段60によりスプライン軸44に対して摺動可能な構成となっている。
また、スプライン軸44には、クラッチ歯車42の図2中左側の位置に伝達歯車46が固定されている。
伝達歯車46は、歯車ボス43を介して回転カムホルダ34に固定された回転カム歯車47と噛み合っている。
【0048】
従って、コレクト胴15の回転は、コレクト胴軸37、歯車ボス39、第一歯車40、クラッチ歯車42、スプライン軸44、伝達歯車46、回転カム歯車47、歯車ボス43、回転カムホルダ34、回転カム30の順に伝達されるようになっており、これらの各部分によりコレクト胴15と回転カム30とを連動して回転させる駆動伝達経路74が形成されている。
ここで、回転カム歯車47の回転数N3と第一歯車40の回転数N1との比、すなわち回転カム30の回転数N3とコレクト胴15の回転数N1との比(コレクト胴15に対する回転カム30の回転比)は、
回転数N3/回転数N1=3/2
となるように各歯車の歯数が決められている。つまり、コレクト胴15が120度(針15Bの配置間隔の1コマ分)回転すると、回転カム30は180度回転するようになっている。
【0049】
図4には、クラッチ歯車42の近傍の拡大断面図が示されている。
図4において、クラッチ歯車42は、移動手段60により図中二点鎖線の状態から実線の状態まで移動可能な構成となっており、二点鎖線の状態では、第一歯車40と噛み合い、実線の状態では、第一歯車40と噛み合わないようになっている。そして、クラッチ歯車42と第一歯車40とにより、コレクト胴15と回転カム30との連動状態を断続させる一対のクラッチ45が構成されている。従って、このクラッチ45の入切は、移動手段60でクラッチ歯車42の位置を移動させることにより行われる。
【0050】
図5には、図3中矢印Sの方向から見たクラッチ歯車42の近傍(移動手段60)の断面図が示されている。
図5において、クラッチ歯車42にはベアリング61を介してシフタアーム62が接続されている。
シフタアーム62には、リード角45度程度の多条めねじ63が固定され、この多条めねじ63には、多条おねじ64が嵌合されている。
多条おねじ64の図中右側端部には、クラッチレバー65が取り付けられ、このクラッチレバー65はカバー66で覆われている。
カバー66の近傍には、インターロック用のリミットスイッチ67が設けられており、クラッチレバー65を回すためにカバー66を開けると機械本体が停止するようになっている。
【0051】
移動手段60は、クラッチレバー65を回して多条おねじ64を回転させることにより、多条めねじ63を図5中左右方向に移動させてシフタアーム62もその方向に移動させ、クラッチ歯車42の移動を行うように構成されている。
また、シフタアーム62は、ガイドバー68に摺動可能に支持されており、これによりシフタアーム62の円滑な案内移動が行われるようになっている。
【0052】
図2および図3において、第一歯車40の近傍には、クラッチ歯車42と噛み合う回転カム指針歯車81が設けられている。この回転カム指針歯車81は、クラッチ歯車42が移動しても常にクラッチ歯車42と噛み合うようになっている(図4参照)。
回転カム指針歯車81は、歯車ボス82に固定され、ブッシュ83を介して歯車ボス39に回転可能に支持されている。歯車ボス82には、回転カム30の位相を示す回転カム位相表示手段であるリング状の回転カム指針板84が固定されている。
一方、歯車ボス39には、コレクト胴軸37の軸線延長位置に軸端ボス85が固定され、この軸端ボス85はコレクト胴15に対して回転しないようになっている。軸端ボス85には、コレクト胴15の位相を示す胴位相表示手段である略扇形状の胴指針板86が位置調整可能に取り付けられている。
また、スプライン軸44の端部には、シャンク87が形成され、このシャンク87はカバー88で覆われている。
【0053】
図3および図4において、胴指針板86には指針86Aが設けられ、回転カム指針板84には、コレクト目盛84Aおよびノンコレクト目盛84Bが所定の位置に設けられている。
これらの指針86A、コレクト目盛84A、およびノンコレクト目盛84Bは、コレクト胴15の位相と回転カム30の位相とがコレクトモードおよびノンコレクトモードの各モードに対応した所定の位相関係となる位置を指定するモード対応位置指定手段である。
つまり、指針86Aとコレクト目盛84Aとを一致させると、コレクト胴15の位相と回転カム30の位相とがコレクトモードに対応した所定の位相関係となり、指針86Aとノンコレクト目盛84Bとを一致させると、コレクト胴15の位相と回転カム30の位相とがノンコレクトモードに対応した所定の位相関係となるようになっている。
【0054】
そして、以上に述べたクラッチ45、移動手段60、シャンク87、回転カム指針板84、胴指針板86等により、コレクトモード時におけるコレクト胴15に対する回転カム30の位相とノンコレクトモード時におけるコレクト胴15に対する回転カム30の位相との切換変更を行う位相調整手段76が構成されている。この位相調整手段76を用いたモード切換方法の詳細は後述する。
また、位相調整手段76、駆動伝達経路74等の各部分により回転カム駆動手段72が構成されている。
【0055】
〔回転カムおよび固定カムの各モードにおける動作〕
このような第一実施例においては、以下のようにコレクト胴15の針15Bの動作制御が行われる。
図6は、各折丁12A,12Bをそれぞれ一枚ずつの状態の非重ね折丁として排出するノンコレクトモード時の回転カム30と固定カム31との動作関係を示し、図7は、各折丁12A,12Bを二枚重ねの状態の重ね折丁として排出するコレクトモード時の回転カム30と固定カム31との動作関係を示している。
【0056】
〔ノンコレクトモード〕
図6に示すノンコレクトモード時においては、クラッチ45は入状態とされ、回転カム30およびコレクト胴15は、ともに同方向(反時計方向)に回転する。回転カム30のコレクト胴15に対する回転比は3/2である。
カムフォロワ24が受渡し動作対応位置KKにきた時(針15Bが受渡し動作位置Kにきた時)には、回転カム30は図中実線の状態となって受渡し動作対応位置KKには非遮蔽部30Bが位置し、固定カム31の凹部31Aは遮蔽されない状態となる。
この状態から、コレクト胴15が120度回転して次のカムフォロワ24が受渡し動作対応位置KKにくると(次の針15Bが受渡し動作位置Kにくると)、回転カム30は180度回転して図中二点鎖線の状態となる。この状態においては、受渡し動作対応位置KKには非遮蔽部30Bが位置し、固定カム31の凹部31Aは遮蔽されない状態に保たれている。
従って、針15Bが受渡し動作位置Kにくる都度に、毎回針15Bの引っ込み動作および再突出動作が行われ、各折丁12A,12Bが非重ね折丁として咬え胴16に受け渡される。
なお、図中実線および二点鎖線で示された回転カム30の位相は、ノンコレクトモードにおける回転カム30の位相設定の一例であり、ノンコレクトモードにおける回転カム30の位相は、このように針15Bが受渡し動作位置Kにくる時に固定カム31の凹部31Aが遮蔽されない状態となる位相であれば他の設定であってもよい。
【0057】
〔コレクトモード〕
一方、図7に示すコレクトモード時においては、クラッチ45は入状態とされ、回転カム30およびコレクト胴15は、ともに同方向(反時計方向)に回転する。回転カム30のコレクト胴15に対する回転比は3/2である。
カムフォロワ24が受渡し動作対応位置KKにきた時(針15Bが受渡し動作位置Kにきた時)には、回転カム30は図中実線の状態となって受渡し動作対応位置KKには非遮蔽部30Bが位置し、固定カム31の凹部31Aは遮蔽されない状態となる。
この状態から、コレクト胴15が120度回転して次のカムフォロワ24が受渡し動作対応位置KKにくると(次の針15Bが受渡し動作位置Kにくると)、回転カム30は180度回転して図中二点鎖線の状態となる。この状態においては、受渡し動作対応位置KKには遮蔽部30Aが位置し、固定カム31の凹部31Aは遮蔽された状態となる。
これらの状態を繰り返すことによって、針15Bが受渡し動作位置Kにきた時には、一回置きに針15Bの引っ込み動作および再突出動作が行われ、各折丁12A,12Bが重ね折丁として咬え胴16に受け渡される。
【0058】
〔モード切換〕
また、コレクトモードとノンコレクトモードとの切り換え操作は、位相調整手段76を用いて以下のように行う。
先ず、コレクトモードまたはノンコレクトモードにおける運転中には、クラッチ45が入状態、つまりクラッチ歯車42と第一歯車40とが噛み合った状態(図4中二点鎖線の状態)とされ、駆動伝達経路74は繋がれて回転カム30はコレクト胴15に対して所定の回転比3/2で回転している。
次に、モード切換を行う場合には、移動手段60によりクラッチ歯車42を移動させてクラッチ45を切状態、つまりクラッチ歯車42と第一歯車40とが噛み合わない状態(図4中実線の状態)とする。
そして、このクラッチ45の切状態において、カバー88を取り外してシャンク87を回し、この回転をスプライン軸44、伝達歯車46、回転カム歯車47、歯車ボス43、回転カムホルダ34、回転カム30の順に伝えて回転カム30を回転させる。
【0059】
この際、クラッチ45が切状態となっているので、シャンク87を回しても、コレクト胴15、コレクト胴軸37、歯車ボス39、第一歯車40、軸端ボス85、および胴指針板86は停止したままの状態であり、指針86Aは一定位置に停止している。
一方、クラッチ45が切状態となっている場合にも、クラッチ歯車42と回転カム指針歯車81とは噛み合った状態となっているので、シャンク87を回すとこの回転がスプライン軸44、クラッチ歯車42、回転カム指針歯車81、歯車ボス82、回転カム指針板84の順に伝わり、コレクト目盛84Aおよびノンコレクト目盛84Bの位置が移動する。
【0060】
そして、このようにシャンク87を回すことによりコレクト胴15に対する回転カム30の位相を変更調整していき、コレクトモードに切り換える場合には、指針86Aとコレクト目盛84Aとが一致したところでシャンク87を回すのを止め、ノンコレクトモードに切り換える場合には、指針86Aとノンコレクト目盛84Bとが一致したところでシャンク87を回すのを止める。
最後に、移動手段60によりクラッチ歯車42を移動させてクラッチ45を入状態、つまりクラッチ歯車42と第一歯車40とが噛み合った状態(図4中二点鎖線の状態)に再び戻し、モード切り換えの操作を完了する。
【0061】
〔第一実施例の効果〕
このような第一実施例によれば、次のような効果がある。
すなわち、カムプロフィルを形成する凹部31Aが回転カム30ではなく、固定カム31に設けられており、回転カム30がカムフォロワ24から受ける反力は、回転カム30の半径方向にしか作用しないので、前述した第一、第二従来例のような負荷変動が回転カム30の駆動系に生じることはなく、負荷変動に伴う前述した諸問題を解消することができる。このため、回転カム30を安定した状態で回転させることができ、回転カム30と連動するコレクト胴15や咬え胴16等の各胴の回転ムラを抑制することができるので、折丁12A,12Bの裁断精度及び折精度を向上することができる。
そして、機械速度が高速化された場合にも、充分な折丁12A,12Bの裁断精度及び折精度を得ることができる。
【0062】
また、回転カム30の駆動系を構成する第一歯車40、クラッチ歯車42、伝達歯車46、回転カム歯車47等の各歯車の歯の両振り繰り返し荷重による疲労の発生を防止することができるので、機械寿命を長くすることができる。
【0063】
さらに、コレクトモードとノンコレクトモードとの切り換え操作は、位相調整手段76によりコレクト胴15に対する回転カム30の位相を各モードに対応させて切換変更するだけで容易に行うことができ、切り換えに要する時間を短縮することができる。
そして、位相調整手段76は、クラッチ45を有しているので、このクラッチ45を入切することにより、コレクトモードとノンコレクトモードとの切り換えのための位相変更を容易に実現することができる。
また、位相調整手段76は、回転カム位相表示手段である回転カム指針板84および胴位相表示手段である胴指針板86を有し、これらの回転カム指針板84および胴指針板86には、モード対応位置指定手段である指針86A、コレクト目盛84A、およびノンコレクト目盛84Bが設けられているので、これらのモード対応位置指定手段を見ながら容易に各モードへの切換設定を行うことができる。
【0064】
また、コレクトモードおよびノンコレクトモードの両方のモードでの運転時において、回転カム30は所定の回転比で回転するようになっており、コレクト胴15に対する回転カム30の位相が各モードで異なるのみであるので、運転時において回転カム30の駆動系に掛かる負荷の大きさ(変動の大きさではなく絶対値の大きさ)を、両方のモードにおいて同一にすることができ、コレクト胴15、咬え胴16等の各胴を両方のモードで同一の負荷条件で回転させることができ、これらの各胴の安定した回転を得ることができる。
さらに、回転カム30および固定カム31の二枚のカムを使用した簡易な構造でコレクトモードおよびノンコレクトモードを実現することができる。
【0065】
〔第二実施例〕
図8および図9には、本発明の第二実施例に係るコレクト機構付折機200が示されている。
コレクト機構付折機200は、前述した第一実施例のコレクト機構付折機10と略同様な構成を有しており、コレクト機構の構成が異なるのみであるので、同一部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0066】
コレクト機構付折機200は、前記第一実施例のコレクト機構付折機10と同様に3列の針15B(120度等配)を有するコレクト胴15を備えるとともに、前記第一実施例のコレクト機構20とは異なる構成のコレクト機構220を備えている。
コレクト機構220は、前記第一実施例のコレクト機構20の固定カム31と同じ形状の固定カム231を備えるとともに、前記第一実施例の回転カム30とは異なる形状の回転カム230を備えている。
【0067】
〔回転カムおよび固定カム〕
図8および図9において、固定カム231には、その外周部分の一箇所(受渡し動作対応位置KK)に所定のカムプロフィルを形成する凹部231Aが設けられており、その他の外周部分は一定の曲率を有する一定曲率部231Bとなっている。
また、回転カム230には、その外周部分の対称な二箇所の位置に固定カム231の一定曲率部231Bと同じ外径を有する遮蔽部230Aが設けられ、その他の外周部分はその外周端縁が固定カム231の一定曲率部231Bの外周端縁よりも内側に位置する非遮蔽部230Bとなっている。なお、図中では、図面を見やすくするため遮蔽部230Aの外径を固定カム231の一定曲率部231Bの外径よりも若干小さくしている。
【0068】
〔コレクト機構〕
コレクト機構220は、図2に示した機構と略同様な機構を有しており、各歯車の回転数の比が一部異なるのみである。
つまり、図2において、回転カム歯車47の回転数N3と第一歯車40の回転数N1との比、すなわち回転カム230の回転数N3とコレクト胴15の回転数N1との比(コレクト胴15に対する回転カム230の回転比)は、
回転数N3/回転数N1=3/4
となるように各歯車の歯数が決められている。つまり、コレクト胴15が120度(針15Bの配置間隔の1コマ分)回転すると、回転カム230は90度回転するようになっている。
【0069】
〔回転カムおよび固定カムの各モードにおける動作〕
このような第二実施例においては、以下のようにコレクト胴15の針15Bの動作制御が行われる。
図8は、各折丁12A,12Bをそれぞれ一枚ずつの状態の非重ね折丁として排出するノンコレクトモード時の回転カム230と固定カム231との動作関係を示し、図9は、各折丁12A,12Bを二枚重ねの状態の重ね折丁として排出するコレクトモード時の回転カム230と固定カム231との動作関係を示している。
【0070】
〔ノンコレクトモード〕
図8に示すノンコレクトモード時においては、クラッチ45は入状態とされ、回転カム230およびコレクト胴15は、ともに同方向(反時計方向)に回転する。回転カム230のコレクト胴15に対する回転比は3/4である。
カムフォロワ24が受渡し動作対応位置KKにきた時(針15Bが受渡し動作位置Kにきた時)には、回転カム230は図中実線の状態となって受渡し動作対応位置KKには非遮蔽部230Bが位置し、固定カム231の凹部231Aは遮蔽されない状態となる。
この状態から、コレクト胴15が120度回転して次のカムフォロワ24が受渡し動作対応位置KKにくると(次の針15Bが受渡し動作位置Kにくると)、回転カム230は90度回転して図中二点鎖線の状態となる。この状態においては、受渡し動作対応位置KKには非遮蔽部230Bが位置し、固定カム231の凹部231Aは遮蔽されない状態に保たれている。
従って、針15Bが受渡し動作位置Kにくる都度に、毎回針15Bの引っ込み動作および再突出動作が行われ、各折丁12A,12Bが非重ね折丁として咬え胴16に受け渡される。
【0071】
〔コレクトモード〕
一方、図9に示すコレクトモード時においては、クラッチ45は入状態とされ、回転カム230およびコレクト胴15は、ともに同方向(反時計方向)に回転する。回転カム230のコレクト胴15に対する回転比は3/4である。
カムフォロワ24が受渡し動作対応位置KKにきた時(針15Bが受渡し動作位置Kにきた時)には、回転カム230は図中実線の状態となって受渡し動作対応位置KKには非遮蔽部230Bが位置し、固定カム231の凹部231Aは遮蔽されない状態となる。
この状態から、コレクト胴15が120度回転して次のカムフォロワ24が受渡し動作対応位置KKにくると(次の針15Bが受渡し動作位置Kにくると)、回転カム230は90度回転して図中二点鎖線の状態となる。この状態においては、受渡し動作対応位置KKには遮蔽部230Aが位置し、固定カム231の凹部231Aは遮蔽された状態となる。
これらの状態を繰り返すことによって、針15Bが受渡し動作位置Kにきた時には、一回置きに針15Bの引っ込み動作および再突出動作が行われ、各折丁12A,12Bが重ね折丁として咬え胴16に受け渡される。
【0072】
また、コレクトモードとノンコレクトモードとの切り換え操作は、位相調整手段76を用いて前記第一実施例の場合と同様に行う。
【0073】
〔第二実施例の効果〕
このような第二実施例によれば、前記第一実施例と同様に、回転カム230の駆動系に生じる負荷変動の防止、折丁12A,12Bの裁断精度及び折精度の向上、機械寿命の延長、切り換え操作の容易化、切り換え時間の短縮等の効果を得ることができる。
また、回転カム230が外周部分の対称な二箇所の位置に遮蔽部230Aを有する形状となっているため、回転カム230を180度回転させても状態が変わらないので、クラッチ45による回転カム230とコレクト胴15との接続形態を拡大することができる。つまり、クラッチ45を、コレクト胴15の任意の一状態に対し、回転カム230を所定の一位相で接続可能な構成とすることができ、またコレクト胴15の任意の一状態に対し、回転カム230を互いに180度位相の異なる所定の二位相で接続可能な構成とすることもできる。そして、後者のような構成のクラッチ45とする場合には、コレクト目盛84Aおよびノンコレクト目盛84Bをそれぞれ二つずつ設けておけばよい。
【0074】
〔第三実施例〕
図10および図11には、本発明の第三実施例に係るコレクト機構付折機300が示されている。
コレクト機構付折機300は、前述した第一実施例のコレクト機構付折機10と略同様な構成を有しており、コレクト胴に設けられた針の列数およびコレクト機構の構成が異なるのみであるので、同一部分には同一符号を付し、詳しい説明は省略する。
【0075】
コレクト機構付折機300は、前記第一実施例のコレクト胴15とは異なる5列の針15B(72度等配)を有するコレクト胴315を備えるとともに、前記第一実施例のコレクト機構20とは異なる構成のコレクト機構320を備えている。
コレクト機構320は、前記第一実施例のコレクト機構20の固定カム31と同じ形状の固定カム331を備えるとともに、前記第一実施例の回転カム30とは異なる形状の回転カム330を備えている。
【0076】
〔回転カムおよび固定カム〕
図10および図11において、固定カム331には、その外周部分の一箇所(受渡し動作対応位置KK)に所定のカムプロフィルを形成する凹部331Aが設けられており、その他の外周部分は一定の曲率を有する一定曲率部331Bとなっている。
また、回転カム330には、その外周部分の対称な二箇所の位置に固定カム331の一定曲率部331Bと同じ外径を有する遮蔽部330Aが設けられ、その他の外周部分はその外周端縁が固定カム331の一定曲率部331Bの外周端縁よりも内側に位置する非遮蔽部330Bとなっている。なお、図中では、図面を見やすくするため遮蔽部330Aの外径を固定カム331の一定曲率部331Bの外径よりも若干小さくしている。
【0077】
〔コレクト機構〕
コレクト機構320は、図2に示した機構と略同様な機構を有しており、各歯車の回転数の比が一部異なるのみである。
つまり、図2において、回転カム歯車47の回転数N3と第一歯車40の回転数N1との比、すなわち回転カム330の回転数N3とコレクト胴315の回転数N1との比(コレクト胴315に対する回転カム330の回転比)は、
回転数N3/回転数N1=5/4
となるように各歯車の歯数が決められている。つまり、コレクト胴315が72度(針15Bの配置間隔の1コマ分)回転すると、回転カム330は90度回転するようになっている。
【0078】
〔回転カムおよび固定カムの各モードにおける動作〕
このような第二実施例においては、以下のようにコレクト胴315の針15Bの動作制御が行われる。
図10は、各折丁12A,12Bをそれぞれ一枚ずつの状態の非重ね折丁として排出するノンコレクトモード時の回転カム330と固定カム331との動作関係を示し、図11は、各折丁12A,12Bを二枚重ねの状態の重ね折丁として排出するコレクトモード時の回転カム330と固定カム331との動作関係を示している。
【0079】
〔ノンコレクトモード〕
図10に示すノンコレクトモード時においては、クラッチ45は入状態とされ、回転カム330およびコレクト胴315は、ともに同方向(反時計方向)に回転する。回転カム330のコレクト胴315に対する回転比は5/4である。
カムフォロワ24が受渡し動作対応位置KKにきた時(針15Bが受渡し動作位置Kにきた時)には、回転カム330は図中実線の状態となって受渡し動作対応位置KKには非遮蔽部330Bが位置し、固定カム331の凹部331Aは遮蔽されない状態となる。
この状態から、コレクト胴315が72度回転して次のカムフォロワ24が受渡し動作対応位置KKにくると(次の針15Bが受渡し動作位置Kにくると)、回転カム330は90度回転して図中二点鎖線の状態となる。この状態においては、受渡し動作対応位置KKには非遮蔽部330Bが位置し、固定カム331の凹部331Aは遮蔽されない状態に保たれている。
従って、針15Bが受渡し動作位置Kにくる都度に、毎回針15Bの引っ込み動作および再突出動作が行われ、各折丁12A,12Bが非重ね折丁として咬え胴16に受け渡される。
【0080】
〔コレクトモード〕
一方、図11に示すコレクトモード時においては、クラッチ45は入状態とされ、回転カム330およびコレクト胴315は、ともに同方向(反時計方向)に回転する。回転カム330のコレクト胴315に対する回転比は5/4である。
カムフォロワ24が受渡し動作対応位置KKにきた時(針15Bが受渡し動作位置Kにきた時)には、回転カム330は図中実線の状態となって受渡し動作対応位置KKには非遮蔽部330Bが位置し、固定カム331の凹部331Aは遮蔽されない状態となる。
この状態から、コレクト胴315が72度回転して次のカムフォロワ24が受渡し動作対応位置KKにくると(次の針15Bが受渡し動作位置Kにくると)、回転カム330は90度回転して図中二点鎖線の状態となる。この状態においては、受渡し動作対応位置KKには遮蔽部330Aが位置し、固定カム331の凹部331Aは遮蔽された状態となる。
これらの状態を繰り返すことによって、針15Bが受渡し動作位置Kにきた時には、一回置きに針15Bの引っ込み動作および再突出動作が行われ、各折丁12A,12Bが重ね折丁として咬え胴16に受け渡される。
【0081】
また、コレクトモードとノンコレクトモードとの切り換え操作は、位相調整手段76を用いて前記第一実施例の場合と同様に行う。
【0082】
〔第三実施例の効果〕
このような第三実施例によれば、前記第一実施例と同様に、回転カム330の駆動系に生じる負荷変動の防止、折丁12A,12Bの裁断精度及び折精度の向上、機械寿命の延長、切り換え操作の容易化、切り換え時間の短縮等の効果を得ることができる。
また、回転カム330が外周部分の対称な二箇所の位置に遮蔽部330Aを有する形状となっているため、回転カム330を180度回転させても状態が変わらないので、クラッチ45による回転カム330とコレクト胴315との接続形態を拡大することができる。つまり、クラッチ45を、コレクト胴315の任意の一状態に対し、回転カム330を所定の一位相で接続可能な構成とすることができ、またコレクト胴315の任意の一状態に対し、回転カム330を互いに180度位相の異なる所定の二位相で接続可能な構成とすることもできる。そして、後者のような構成のクラッチ45とする場合には、コレクト目盛84Aおよびノンコレクト目盛84Bをそれぞれ二つずつ設けておけばよい。
【0083】
〔変形例〕
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成も含み、例えば以下に示すような変形等も本発明に含まれるものである。
すなわち、前記各実施例では、移動手段60は、クラッチレバー65を回して多条おねじ64を回転させることにより、多条めねじ63を図5中左右方向に移動させてシフタアーム62もその方向に移動させ、クラッチ歯車42の移動を行うように構成されていたが、移動手段は、ラック・ピニオン等の他の構成のものであってもよく、要するにクラッチ歯車42の移動を行うことができる構成であればよい。
【0084】
また、前記第二、第三実施例では、各回転カム230,330の形状は、その回転中心に関して点対称形状となっているが、前記第二、第三実施例の場合においては、その回転中心に関して略対称位置に必要な大きさの遮蔽部が形成されていれば、各回転カムの形状は任意である。例えば、I字形状やH字形状などであってもよい。
そして、前記第一実施例の場合においても、必要な大きさの遮蔽部が形成されていれば、回転カムの形状は任意である。
【0085】
さらに、前記各実施例では、位相調整手段76は、回転カム指針板84により構成された回転カム位相表示手段、および胴指針板86により構成された胴位相表示手段を備えていたが、これらの回転カム位相表示手段および胴位相表示手段は、例えば、ロータリーエンコーダー等の位相検出装置で検出した値をデジタル表示する構成であってもよく、要するに回転カム30の位相およびコレクト胴15の位相を示すことができる構成であればよい。
そして、コレクト胴15の位相と回転カム30の位相とがコレクトモードおよびノンコレクトモードの各モードに対応した所定の位相関係となる位置を指定するモード対応位置指定手段は、指針86A、コレクト目盛84A、およびノンコレクト目盛84Bにより構成されていたが、例えば、前述したようにコレクト胴15の位相および回転カム30の位相をデジタル表示する場合には、数値で各モードに対応した位置を指定するような構成であってもよい。
【0086】
また、前記各実施例では、クラッチ45は、一対の歯車であるクラッチ歯車42と第一歯車40との噛み合いを入切する構成のクラッチであったが、この部分には、爪式の噛み合いクラッチ等の他の構成のクラッチを設けてもよい。
【0087】
さらに、前記各実施例では、位相調整手段76は、駆動伝達経路74の途中に設けられたクラッチ45と、このクラッチ45の入切を行う移動手段60とを有する構成とされ、移動手段60によりクラッチ歯車42を移動させてクラッチ45を切った状態で位相調整を行うようになっていたが、位相調整手段はこのようなクラッチを有する構成に限定されるものではなく、例えば、遊星歯車機構を用いてコレクト胴15に対する回転カム30の位相を調整する構成であってもよい。
【0088】
また、前記第一、第二、第三実施例では、コレクト胴に対する各回転カム30,230,330の回転比がそれぞれ3/2、3/4、5/4とされているが、本発明は、コレクト胴の針の列数や回転カムの遮蔽部の配置などを変更することで、他の回転比の場合にも適用することができる。
【0089】
さらに、前記各実施例のコレクト機構付折機10,200,300では、コレクト胴の突込へら15Aが固定式の構成となっていたが、可動式の突込へらとし、この突込へらについても針15Bの場合と同様な構成のコレクト機構を設けてもよい。
【0090】
また、前記各実施例のコレクト機構付折機10,200,300は、一つの咬え胴16を備えた構成とされていたが、本発明は、二つの咬え胴を備えたコレクト機構付折機に適用してもよい。
【0091】
【発明の効果】
以上に述べたように本発明によれば、回転カムではなく固定カムにカムプロフィルを設けたので、回転カムの駆動系に発生する負荷変動を低減でき、折丁の裁断精度及び折精度の向上、機械寿命の延長を図ることができるうえ、コレクト胴に対する回転カムの位相を変化させるだけでノンコレクトモードとコレクトモードとの切り換えを行うことができるので、切り換え操作の容易化、切り換え時間の短縮、コレクト機構の構造の簡易化という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す全体構成図。
【図2】第一実施例のコレクト機構を示す断面図。
【図3】第一実施例のコレクト機構の要部を示す断面図。
【図4】第一実施例のコレクト機構の別の要部を示す断面図。
【図5】第一実施例のコレクト機構のさらに別の要部を示す断面図。
【図6】第一実施例のノンコレクトモード時における回転カムと固定カムとの関係を示す説明図。
【図7】第一実施例のコレクトモード時における回転カムと固定カムとの関係を示す説明図。
【図8】本発明の第二実施例のノンコレクトモード時における回転カムと固定カムとの関係を示す説明図。
【図9】第二実施例のコレクトモード時における回転カムと固定カムとの関係を示す説明図。
【図10】本発明の第三実施例のノンコレクトモード時における回転カムと固定カムとの関係を示す説明図。
【図11】第三実施例のコレクトモード時における回転カムと固定カムとの関係を示す説明図。
【図12】第一従来例を示す全体構成図。
【図13】第一従来例の重ね折丁の形成方法の説明図。
【図14】第一従来例の要部を示す断面図。
【図15】第一従来例のノンコレクトモード時における回転カムの状態を示す説明図。
【図16】第一従来例のコレクトモード時における回転カムの状態を示す説明図。
【図17】第一従来例のカムフォロワがカム山を通過する際の説明図。
【図18】第一従来例のカム曲線の変化形状を示す説明図。
【図19】第一従来例のカムローラレバーの回転角加速度を示す説明図。
【符号の説明】
10,200,300 コレクト機構付折機
12A,12B 折丁
15,315 コレクト胴
15A 突込へら
15B 針
16 咬え胴
20,220,320 コレクト機構
24 カムフォロワ
30,230,330 回転カム
30A,230A,330A 遮蔽部
30B,230B,330B 非遮蔽部
31,231,331 固定カム
31A,231A,331A カムプロフィルを形成する凹部
31B,231B,331B 一定曲率部
33 フレーム
40 クラッチを構成する第一歯車
42 クラッチを構成するクラッチ歯車
45 クラッチ
60 移動手段
72 回転カム駆動手段
74 駆動伝達経路
76 位相調整手段
84 回転カム位相表示手段である回転カム指針板
84A モード対応位置指定手段であるコレクト目盛
84B モード対応位置指定手段であるノンコレクト目盛
86 胴位相表示手段である胴指針板
86A モード対応位置指定手段である指針
Claims (3)
- 二種の絵柄が交互に印刷されかつ縦折りされた印刷紙を順次裁断して二種の裁断紙とする裁断胴と、この裁断胴と並列配置されるとともに前記裁断紙を引っ掛けて前記裁断胴から受け取る針胴と、この針胴の流れの下流側に配置され当該針胴から前記二種の裁断紙を順次受け取るコレクト胴と、このコレクト胴の流れの下流側に配置され当該コレクト胴から交互に送られてくる二種の裁断紙を順次受け取り折丁を作成する1個の咬え胴と、を備えて構成され、交互に送られてくる前記折丁を前記コレクト胴から前記咬え胴へ、非重ね折丁として別々に受け渡すノンコレクトモードと、重ね折丁として受け渡すコレクトモードとを切り換えて運転可能なコレクト機構付折機であって、
外周が一定曲率部に形成されるとともにその一箇所に前記コレクト胴の針に所定の受け渡し動作を行わせるカムプロフィルが形成され、かつフレーム側に対して固定された固定カムと、
外周一箇所が前記カムプロフィルを遮蔽し前記針に所定の受け渡し動作を行わせない遮蔽部に形成されるとともに、残りの部分が前記カムプロフィルから内側に離れる非遮蔽部に形成された回転カムと、
この回転カムの前記遮蔽部を、前記コレクトモード時には、前記針が所定の受け渡し動作位置にくる瞬間に付き一回置きに前記カムプロフィルを遮蔽する配置とし、かつ前記ノンコレクトモード時には、前記針が所定の受け渡し動作位置にくる瞬間に前記カムプロフィルを遮蔽しない配置とする回転カム駆動手段とを備え、
この回転カム駆動手段は、前記コレクトモードおよび前記ノンコレクトモードの各モード時に前記回転カムを前記コレクト胴に対して所定の回転比で回転させる構成を有するとともに、前記コレクト胴に対する前記回転カムの位相を前記コレクトモード時と前記ノンコレクトモード時とで切換変更する位相調整手段を有していることを特徴とするコレクト機構付折機。 - 請求項1に記載したコレクト機構付折機において、前記位相調整手段は、前記コレクト胴の位相を示す胴位相表示手段と、この胴位相表示手段の近傍に設けられて前記回転カムの位相を示す回転カム位相表示手段とを備え、
これらの胴位相表示手段および回転カム位相表示手段には、前記コレクト胴の位相と前記回転カムの位相とが前記コレクトモードおよび前記ノンコレクトモードの各モードに対応した所定の位相関係となる位置を指定するモード対応位置指定手段が設けられていることを特徴とするコレクト機構付折機。 - 請求項1または請求項2に記載したコレクト機構付折機において、前記回転カム駆動手段は、前記コレクト胴と前記回転カムとの間に設けられてこれらの間の駆動伝達を行う駆動伝達経路を備え、
前記位相調整手段は、この駆動伝達経路の途中に設けられて互いに噛み合いかつ軸方向に相対移動して噛み合いを解除可能な一対の歯車からなるクラッチと、これらの一対の歯車を相対移動させて前記クラッチの入切を行う移動手段とを備えていることを特徴とするコレクト機構付折機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30161293A JP3766699B2 (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | コレクト機構付折機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30161293A JP3766699B2 (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | コレクト機構付折機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07157192A JPH07157192A (ja) | 1995-06-20 |
JP3766699B2 true JP3766699B2 (ja) | 2006-04-12 |
Family
ID=17899045
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30161293A Expired - Lifetime JP3766699B2 (ja) | 1993-12-01 | 1993-12-01 | コレクト機構付折機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3766699B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004149272A (ja) | 2002-10-31 | 2004-05-27 | Tokyo Kikai Seisakusho Ltd | コレクト折り機能付き折機 |
DE102006051569A1 (de) * | 2006-11-02 | 2008-05-08 | Man Roland Druckmaschinen Ag | Sammelzylinder eines Falzapparats einer Druckmaschine |
-
1993
- 1993-12-01 JP JP30161293A patent/JP3766699B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07157192A (ja) | 1995-06-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP0066867B1 (en) | Collect cylinder for a rotary folder | |
US4159823A (en) | Multiple product folder | |
US5305993A (en) | Folder and stitcher assembly with first and second stitching cylinders | |
JP3756960B2 (ja) | コレクト機構付折機 | |
US7972256B2 (en) | Folder with multiple-motor drive | |
US7513860B2 (en) | Folding apparatus for collect operation | |
US7569010B2 (en) | Apparatus and method for operating a folding machine for a web-fed printing press | |
JPH0373758A (ja) | 複合型折機 | |
EP1272417B1 (en) | Combination rotary and jaw folder for a printing press | |
EP0972733B1 (de) | Vorrichtung zur Änderung der Geschwindigkeit von Exemplaren | |
JP3766699B2 (ja) | コレクト機構付折機 | |
JP3680945B2 (ja) | 咥え装置の咥え間隔自動調整装置 | |
US5429579A (en) | Varible size folding machine | |
US7255668B2 (en) | Folding appliances | |
JPH0155179B2 (ja) | ||
EP1413539A2 (en) | A delivery apparatus for folding machines | |
EP1069063B1 (en) | Pin action timing adjustment device in a folding cylinder | |
JP2004330660A (ja) | 輪転機の折畳装置 | |
EP0764604A2 (en) | Drive device for a folder in a printing press | |
US2814484A (en) | Variable size folding machines | |
JPS5931252A (ja) | 輪転グラビア印刷機用折曲機 | |
JPH0715750Y2 (ja) | 可変裁ち代装置 | |
JPS606858B2 (ja) | 輪転印刷機における折丁のラツプ出し装置 | |
JP3117256B2 (ja) | 折胴の重ね,非重ね切換装置 | |
JPH01192670A (ja) | 輪転印刷機の折機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20011218 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060130 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090203 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090203 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110203 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120203 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130203 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140203 Year of fee payment: 8 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |