JP3766295B2 - 無接点型充電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、充電式電気機器の電源として内蔵された充電電池(二次電池)の充電装置に関する。詳しくは、充電電池を含む被充電部(充電式電気機器)と充電台とが接続端子を持たず、電磁誘導によって無接点で充電電池に電力供給を行なう無接点型充電装置に関する。
【発明の属する技術分野】
【0002】
【従来の技術】
近年、電池を電源とする電子機器、特に、繰り返し充電が行なえる充電電池(二次電池)を用いた、電動歯ブラシ、携帯電話、コードレス電話機等の充電式電気機器(以後、電気機器と称する)の用途が広がりつつある。そして、その充電電池を充電するのに、一般的には有接点型の充電装置が用いられているが、接点端子の表面酸化や腐食が発生して接点不良となる恐れがある。
一方、無接点型の充電装置においては、接点端子が表面に露出してないことから、接点端子の表面酸化や腐食による接点不良を防止できることや、接点端子に人が直接触れることがない等、安全であることから用途が広がりつつある。
【0003】
図5に、従来の無接点型充電装置の部分断面図を示す。
図5に示すように、20は電気機器、22は電気機器の被充電側の2次コイル、20aは電気機器の底面部、25は充電台、26は充電側の1次コイル、25aは電気機器の底面20aを受ける受け部である。
電気機器20には、電気機器としての機能を持つ電子回路を持ち、その電子回路の電源として繰り返し充電できる充電電池とその充電用回路が設けられている(図示省略)。
電気機器20の底面部20aの内部は、充電電池を充電するための2次コイル22が絶縁性の基板21に設けてある。また充電電池を充電する回路および他の電気回路を形成する回路基板は2次コイルの基板22から離して設けてある。
充電台25は、電気機器を支持する受け部25aの内部に電気機器の2次コイル21の巻線面と対面するように1次コイル26が設けられている。
【0004】
図6は、充電台の受け部25aと1次コイル26を拡大した断面図である。1次コイル26はT字型コア27に巻線28が巻線されており、充電台の受け部25aの内側に設置されている。
このような無接点型充電装置において、充電台の受け部25aの上面にペーパクリップやコイン等の金属片30が置かれると、1次コイル26で発生する磁束φが、金属片30に対し直角に鎖交するため、金属片にショート電流(うず電流)が流れて発熱する。
この対策として、図7に示すように、充電台30の受け部30a(1次コイル26も含む)を傾斜させて、金属片30が滑り落ちるようにする方法があるが、多くの金属片が重なると発熱が避けられないために、適用はパワーの小さい充電装置に限定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の無接点型充電装置においては、図6で示したように、充電台に電気機器が載置されてない状態において、ペーパクリップやコイン等の金属片が充電台の受け部に載ると、金属片が電磁誘導加熱により異常発熱し、これに触れて火傷をしたり、充電台を構成する樹脂製の筐体が熱溶解したりするという問題があった。また、電気機器の充電電池を充電する回路および他の電気回路を形成する回路基板は上記の電磁誘導作用による発熱を避けるために、2次コイルから離して設置する。そのために小型化が損なわれることがあった。
【0006】
本発明は、上記の問題点に鑑み、電磁誘導により無接点で電気機器の充電電池に充電する装置において、金属片等が介在して電磁誘導加熱により異常発熱するのを防止して安全性を高めることができ、また、内部回路の損失を削減し、構造が簡単で小型化が可能な無接点充電装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、充電電池とその充電電池に電力を供給する2次コイルと整流器等を内蔵した電気機器と、交流電源に接続される1次コイルを内蔵し電気機器を支持する支持部を備える充電台とからなり、電気機器を充電台に係合した時に2次コイルと1次コイルが電磁誘導作用によって充電電池を充電するようにした電気機器に用いられる無接点型充電装置において、充電台の支持部は電気機器の胴部を囲うように設け、支持部に巻線された1次コイルと、電気機器の長手方向を軸とした胴部に巻線された2次コイルを備え、1次コイルの巻線幅面と2次コイルの巻線幅面とが対面するように配置し、かつ電気機器の整流器を含む他の電気回路を形成する回路基板を2次コイルの略中心に巻線軸と平行に設けることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の無接点型充電装置は、充電電池とその充電電池に電力を供給する2次コイルと整流器等を内蔵した電気機器と、交流電源に接続される1次コイルを内蔵し、電気機器を支持する支持部を備える充電台とからなり、電気機器を充電台に係合した時に2次コイルと1次コイルが電磁誘導作用によって充電電池を充電する。そして、充電台の支持部は電気機器の胴部を囲うように設け、その支持部に1次コイルを巻線する。2次コイルは電気機器の長手方向を軸とした胴部に巻線する。1次コイルの巻線内周面と2次コイルの巻線外周面とが対面するように配置し、かつ電気機器の整流器を含む他の電気回路を形成する回路基板を2次コイルのほぼ中心に巻線軸と平行に設ける。
【0009】
【実施例】
以下、本発明に係る無接点型充電装置の一実施例を図1乃至図4に従って説明する。
【0010】
図1は本発明に係る無接点型充電装置の一実施例を示す斜視図である。図2は図1の無接点型充電装置の1次コイル部と2次コイル部の部分断面図である。
図1、図2で示すように、被充電部である電気機器1は、予め絶縁された銅線を巻回し、巻線されたコイルを絶縁材料で固着した空芯コイルを用いた2次コイル2と、整流器を含む他の電気回路(図示せず)を形成する回路基板3を有するものである。
充電台5は、電気機器1の胴部の外周を支持する支持部6と、支持部内周側の内部に設けた1次コイル7と、電気機器の底面部を受ける受け部8を備えている。
【0011】
充電台5は、電気機器1の胴部の外周を支持する支持部6と、電気機器1の底面を受ける凹んだ受け部8を設け、支持部6の内側内周部6aに巻線を施した1次コイル7を設けてある。
電気機器1は、整流器を含む他の電気回路を形成する回路基板3を設け、電気機器1の胴部の内部1aに2次コイル2を接着剤等で固定する。
電気機器1に設けた2次コイル2と充電台5の支持部6に設けた1次コイル7は、互いに巻線幅面が対面する位置とし、充電台5の受け部8より高く、かつ電気機器1の底面より高い位置に設けてある。そして、電気機器1の回路基板3は2次コイル2のほぼ中心に巻線軸と平行に設ける。
【0012】
図3は、1次コイルと2次コイルの位置関係と磁束の分布を模型的に示した図である。図より、1次コイル7と2次コイル2は巻線内を空芯とする空芯コイルである。この場合、1次コイル7で作られた磁束φ1は1次コイル7の巻線の断面の中心を基準にして外に向かって弱くなることから、2次コイル2は1次コイル7の巻幅とほぼ同じとし、1次コイル7と2次コイル2の対面する巻幅面を近づけることが望ましい。そして、電気機器1の回路基板3は2次コイルのほぼ中心に、巻線軸と平行に長手方向を軸として設けることが望ましい。
【0013】
このような配置とすることにより、回路基板3は、回路基板の配線パターンが1次コイルの磁束と同じ方向となるために鎖交することなく、電磁誘導作用による発熱を回避することができ、電気機器1内部にまとめて収納することができる。そして、コイン等の金属片は充電台5の支持部6に留まることなく滑り落ちるので、電磁誘導作用による発熱等の起こらない安全な無接点型充電装置とすることできる。
【0014】
次に、本発明の変形した実施例を図4に示す。
図4は、電気機器を横に載置した電気機器用の無接点充電装置の斜視図である。図のように、被充電部である電気機器11は、胴部の一部に予め絶縁された銅線を巻回し、巻線されたコイルを絶縁材料で固着した空芯コイルである2次コイル12と、整流器を含む他の電気回路を形成する回路基板13とが設けてある。
充電台15は、電気機器11の胴部を囲む支持部16、支持部内周の内部に設けた1次コイル17、電気機器の底面部を受ける受け部18と一端部を受けるストッパー19、を設けた構成である。
【0015】
充電台15は、電気機器11の胴部を囲む支持部16と電気機器11の底面を受ける傾斜のある凹んだ受け部18と一端部を受止めるストッパー19を設け、支持部16の内側内周部に巻線を施した1次コイル17を設ける。
電気機器11は、整流器を含む他の電気回路を形成する回路基板13を設け、電気機器11の胴部の一部に2次コイル12を接着剤等で固定する。電気機器11の2次コイル12と充電台15の支持部16に設けた1次コイル17は、互いに巻線幅面が対面する位置とし、充電台15のストッパー19より中央寄りで、かつ電気機器11の中央部付近に配置して設けてある。そして、電気機器11の回路基板13は2次コイル12のほぼ中心に巻線軸と平行に設ける。
【0016】
このような配置とすることにより、回路基板13は、回路基板の配線パターンが1次コイルの磁束と同じ方向となるために磁路と鎖交することなく、電磁誘導作用による発熱を回避することができ、電気機器1内部にまとめて収納することができる。そして、コイン等の金属片もまた1次コイルの磁束と同じ方向となるために、電磁誘導加熱による発熱等の起こらない安全な無接点型充電装置とすることができる。
以上、本発明の無接点型充電装置について述べたが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。例えば、本発明の実施例では、1次コイルは充電台の支持部に巻線したが、予め絶縁された銅線を巻回し、巻線されたコイルを絶縁材料で固着した空芯コイルを用いてもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明の無接点型充電装置は、電気機器の胴部を囲う支持部に巻線された1次コイルと、電気機器の長手方向を軸とした胴部に巻線された2次コイルからなり、1次コイルの巻線幅面と2次コイルの巻線幅面とを対面するように配置し、かつ電気機器の整流器を含む他の電気回路を形成する回路基板を2次コイルの略中心に巻線軸と平行に設ける。これにより、電気機器の回路基板の配線パターンが1次コイルの磁束と同じ方向となるために、磁束が鎖交することなく、電磁誘導作用による発熱を回避することができ、内部回路の損失を削減し、電気機器内部にまとめて収納することができる。そして、コイン等の金属片は充電台の支持部に留まることなく滑り落ちて、電磁誘導加熱による発熱の起こらない安全な無接点型充電装置とすることできる。さらにまた、電気機器に、特別な回路等を設けてないため、小型化、軽量化に適した電気機器用の無接点型充電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無接点型充電装置の一実施例の斜視図
【図2】図1の一実施例の部分断面図
【図3】図2の部分断面図における磁束分布の模式図
【図4】本発明の無接点型充電装置の他の変形実施例の斜視図
【図5】従来の無接点型充電装置の部分断面図
【図6】図5の充電台と金属片における磁束分布の模式図
【図7】従来の無接点型充電装置の充電台を斜めにした断面図
【符号の説明】
1 電気機器
2 2次コイル
3 回路基板
5 充電台
6 支持部
7 1次コイル

Claims (2)

  1. 充電電池と該充電電池に電力を供給する2次コイルと整流器等を内蔵した電気機器と、交流電源に接続される1次コイルを内蔵し該電気機器を支持する支持部を備える充電台とからなり、該電気機器を該充電台に係合した時に2次コイルと1次コイルが電磁誘導作用によって該充電電池を充電する電気機器に用いられる無接点型充電装置において、
    該支持部は該電気機器の胴部を囲うように設け、該支持部に巻線された1次コイルと、該電気機器の長手方向を軸とした胴部に巻線された2次コイルを備え、該1次コイルの巻線幅面と該2次コイルの巻線幅面とが対面するように配置し、かつ該電気機器の整流器を含む他の電気回路を形成する回路基板を2次コイルの略中心に巻線軸と平行に設けることを特徴とする無接点型充電装置。
  2. 前記1次コイルおよび2次コイルに予め絶縁された銅線を巻回し、巻線されたコイルを絶縁材料で固着した空芯コイルを用いたことを特徴とする請求項1記載の無接点型充電装置。
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