JP3766222B2 - 磁気共鳴映像装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェーズドアレイコイルと呼ばれる複数の高周波(RF)コイルエレメントを備えた磁気共鳴映像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
このフェーズドアレイコイル技術は、S/Nを向上させたり、視野拡大を図ったりする目的で開発された技術であり、それ自体は公知である(米国特許4,825,162)。このフェーズドアレイコイルでは、RFコイルエレメント間の干渉を抑えるようにRFコイルエレメントの配置を最適化し、そのうえでさらに干渉抑制回路を使用するのが一般である。
【0003】
この干渉抑制回路として、米国特許4,825,162、特願平7−257982号、Abstract of 1993 SMRM、1322頁“A Design Tool for Decoupling RF Coils with Isolating Preamplifiers等で知られているような、ダンプ技術を利用したものが最も広範に用いられている。
【0004】
以下に、この従来のダンプ技術の典型例について説明する。図5は、従来のダンプ技術の説明図である。図中、Lは、RFコイルエレメントの実効インダクタンスであり、実効インダクタンスとは途中にコンデンサ等のリアクタンスを介挿している場合の効果も含めた合計の等価インダクタンスのことである。rは、RFコイルエレメントのロス抵抗であり、負荷による損失抵抗をも含んでいる。
【0005】
Zcoilは、RFコイルエレメントの実効インダクタンスLと、RFコイルエレメントのロス抵抗rの合成インピーダンス、Ctはチューニング容量、Cmはマッチング容量である。また、Ropt はプリアンプが最小のNFで動作するための最適信号源インピーダンスであり、一般にはRopt が50オームとなるようにプリアンプは作られている。Zは、RFコイルエレメントのLとrからチューニング回路を経由してプリアンプ側を見込んだインピーダンスである。Z0は、チューニング回路を経由してRFコイルエレメントを見込んだインピーダンスであり、一般には、これが典型的負荷において50オームになるように、チューニング容量Ctとマッチング容量Cmを調整しているが、被検体ごとに調整する場合もある。Zinは、プリアンプの入力インピーダンスであり、その実部をRin、虚部をXinと表す。Zin′は、プリアンプの入力インピーダンスZinを位相シフタ経由で見込んだときのインピーダンスであり、その実部をRin′、虚部をXin′と表す。
【0006】
位相シフタは、プリアンプの入力インピーダンスZinを、インピーダンスZin′に変換するためのインピーダンス変換回路であって、コイル出力ポートからプリアンプまで信号位相をθだけずらすように機能する。このθには伝送線路による位相遅延効果も含まれる。移相角θのコントロールにより、Zinが固定でもZin′をコントロールでき、即ちインピーダンス変換回路として機能する。
【0007】
干渉抑制回路の目的は、ラーモア周波数ωにおいて、Lに流れる電流を最小にすることで、RFコイルエレメント間の磁気的干渉を最小にすることである。そのためには、RFコイルエレメントのLとrからチューニング回路を経由してプリアンプ側を見込んだインピーダンスZが、RFコイルエレメントの実効インダクタンスLと、RFコイルエレメントのロス抵抗rの合成インピーダンスZcoilとの関係において、Z>>Zcoilとすることである。
【0008】
実際には、Zが最大となるのではなく、Z+Zcoilが最大となることが、RFコイルエレメントの実効インダクタンスLに流れる電流を最小にする条件であるが、Zを最大とすることと実質的に等価であると考えてよい。そのために、次の条件式(1)を満たすように、プリアンプの入力インピーダンスZinを位相シフタ経由で見込んだときのインピーダンスZin′が選ばれる。即ちこの状態で、RFコイルエレメントから見て、Zは、CtとCmとZin′との並列共振インピーダンスとなるのである。
【0009】
【数1】
【0010】
そして、このようなXin′を得るために、移相角θを適当な値に選択するのである。この移相角θの定めかたの一例は、特願平7−257982号に詳細に説明されている。このようにしてXin′を得たときに、それに付随する抵抗分Rin′が存在する。
【0011】
図5のCtとCmとXin′との並列共振インピーダンスZは、ラーモア周波数ωにおいて最大となり、その値をZdampとすると、その値は、Rin′を考慮に入れれば、次の式(2)で表される。
【0012】
【数2】
【0013】
これにより、ラーモア周波数付近では、RFコイルエレメントの実効インダクタンスLに流れる電流は最小になる。即ち、磁気共鳴によりRFコイルエレメントに誘起された誘導起電力は、プリアンプで電圧信号として観測される一方、Lに流れる信号電流は抑制され、従って、Lから発生するラーモア周波数の磁束が他のRFコイルエレメントをはじめとする近傍の高周波回路にとびこむことによる干渉を抑制するのである。なお、以下、電流抑制と干渉抑制とは同義として特に区別せず混用する。
【0014】
問題は、プリアンプの入力インピーダンスZinを位相シフタ経由で見込んだときのインピーダンスZin′の虚部Xin′に付随する抵抗分Rin′が十分小さくないことである。つまりこの抵抗分Rin′を小さくすることが、干渉抑制性能を向上させるために重要なのであるが、このためには、まず、プリアンプのRinを極力小さくすることが有効である。
【0015】
しかし、発明者の知識の範囲では、2Ω前後にまで低減した例しかない。通例、FET(電界効果トランジスタ)が増幅素子として使われるが、FETが最良の雑音特性で動作するための信号源インピーダンス(これをRopt ′とする)は、数kΩである。Ropt を、位相シフタ経由で見込んだときのRopt ′に変換する回路が、FETの前に設置され、これはインダクタをはじめとするリアクタンス素子でできているが、これの損失抵抗がRinを十分小さくできない主な理由である。また、プリアンプとRFコイルエレメントとの間に介挿されるあらゆる電気回路(伝送線路および位相シフタなど)の損失抵抗が必ず存在することである。この影響も大きく、Rinをさらに0に近づけてもRin′は有意に減らず、従って、Rinをさらに低減する努力がこれまで余り為されなかったものである。
【0016】
これらの事情により、干渉抑制回路の能力には限度があり、よって、例えば複数のRFコイルエレメントを設置するフェーズドアレイコイルにおいて、RFコイルエレメントの配置や形状には制約が生じてしまい、最大のパフォーマンスを得るような配置形状の設計を阻んでいる。また、このような制約のもとに製作されたフェーズドアレイコイルでも実使用時には若干の干渉が残っており、磁気共鳴映像の画質を損なうこともしばしばである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、複数のRFコイルエレメントを有するいわゆるフェーズドアレイコイルを装備した磁気共鳴映像装置において、RFコイルエレメント間の干渉抑制効果を向上することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1局面は、複数のRFコイルエレメントを備え、これら複数のRFコイルエレメントで検出した磁気共鳴信号に基づいて1枚又は複数枚の画像を生成する磁気共鳴映像装置において、前記RFコイルエレメントに誘導される信号電流を低減するために、前記RFコイルエレメントからの信号と略等量の信号を前記RFコイルエレメントの信号出口に返すことを特徴とする。
本発明の第2局面は、複数のRFコイルエレメントを備え、これら複数のRFコイルエレメントで検出した磁気共鳴信号に基づいて1枚又は複数枚の画像を生成する磁気共鳴映像装置において、前記RFコイルエレメントは、増幅器を有する回路ブロックに接続されていて、関心周波数近傍において前記回路ブロックの入力インピーダンスの実部は帰還により2Ωよりも低い値に設定されることを特徴とする。
本発明の第3局面は、複数のRFコイルエレメントを備え、これら複数のRFコイルエレメントで検出した磁気共鳴信号に基づいて1枚又は複数枚の画像を生成する磁気共鳴映像装置において、前記RFコイルエレメントは、増幅器を有する回路ブロックに接続されていて、関心周波数近傍において前記回路ブロックの入力インピーダンスの実部は帰還により負の値に設定されることを特徴とする。
本発明の第4局面は、複数のRFコイルエレメントを備え、これら複数のRFコイルエレメントで検出した磁気共鳴信号に基づいて1枚又は複数枚の画像を生成する磁気共鳴映像装置において、前記RFコイルエレメントは、増幅器を有する回路ブロックに接続されていて、関心周波数近傍において帰還量の調整により前記回路ブロックの入力インピーダンスを調整可能としたことを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明による磁気共鳴映像装置を好ましい実施形態により詳細に説明する。本発明による磁気共鳴映像装置は、複数のRFコイルエレメントからなるいわゆるフェーズドアレイコイルを備えている。そして、これら複数のRFコイルエレメントで検出した磁気共鳴信号に基づいて、1枚又は複数枚の画像を生成するものである。
(第1実施形態)
図1が、第1実施形態による磁気共鳴映像装置の主要部であるところのプリアンプとその周辺部の構成を示している。Ampは、FET(電界効果トランジスタ)などからなる増幅ステージである。Bufferは、負荷との間に入るバッファリング用のあるいは追加増幅用のステージである。Einは、信号源であり、磁気共鳴によりRFコイルエレメントに誘導された起電力を電圧信号源として表したものである。PSは信号源Einからプリアンプまでの間に介挿された位相シフタであり、伝送線路もこれに含まれ、あるいは単に伝送線路からなることもある。Ztransは、プリアンプから見た最適信号源インピーダンスRopt (通例50Ω)を、Ropt ′(増幅ステージAmpの初段がFETで構成されているなら通例数kΩ)に変換するインピーダンス変換回路である。FBは、増幅ステージAmpの出力を、その増幅ステージAmpの入口の“+”で示された加算点summing pointへ帰還する帰還回路である。また、Zsは、信号源インピーダンス(通例50Ω)である。
【0022】
さらに、ef は信号源Einからフォワード方向に進む電圧信号の値であり、er はプリアンプから反射されてバックワードに進む電圧信号の値であり、ef ′は、位相シフタPSやインピーダンス変換回路Ztransを経て、即ち減衰インピーダンス変換に伴うステップアップ(あるいはステップダウン)を経て、信号源Einからフォワード方向に進む電圧信号ef を、加算点summing pointで観測した値である。er ′は、位相シフタPSやインピーダンス変換回路Ztransを経る前の、即ち減衰やインピーダンス変換に伴うステップダウン(あるいはステップアップ)を経る前に、プリアンプから反射されてバックワードに進む電圧信号er を加算点summing pointで観測した値である。
【0023】
efb′は、帰還回路FB経由で加算点summing pointに帰還される電圧、efbは、位相シフタPSやインピーダンス変換回路Ztransを経た後、即ち減衰やインピーダンス変換に伴うステップダウン(あるいはステップアップ)を経た後に、efb′を信号源位置で観測した値である。
【0024】
なお、プリアンプのどこからどこまでを増幅ステージAmpとするかの切りわけは任意であるが、ここでは帰還点(加算点summing point)からバッファBufferの前までを増幅ステージAmpとして仮定する。また、インピーダンス変換回路Ztransによるインピーダンス変換に伴う電圧のステップアップやステップダウンは、ここでの議論に本質的ではないので無視して話を進めることにする。
【0025】
ここで本実施形態の作用効果を明らかにするために、まず、帰還が存在しない場合の動きについて説明する。
従来技術のところで、プリアンプの入力インピーダンスの実部Rinを十分小さくできないために、式(1)の並列共振インピーダンスZの最大値Zdampを十分大きくできない、というのが現状の問題であると述べた。これを言い換えると次のようになる。インピーダンス変換回路Ztransは、必ず抵抗損失を含む。増幅ステージAmpの入力インピーダンスも有限の抵抗損失を含む。この結果、プリアンプの入力インピーダンスの実部Rinは、ゼロの値を取り得ない。従って、プリアンプ入り口で見れば(図5にはプリアンプ入り口を測定点として示していないが)、フォワードに進行する電圧は100%反射されることはなく、一部が損失抵抗で吸収される。この結果、プリアンプから反射されてバックワードに進む電圧信号er の振幅は、信号源Einからフォワード方向に進む電圧信号ef よりも一般に小さくなる。
【0026】
このように考えれば、プリアンプ入り口で見て、プリアンプへ進んでくる電圧(進行波)とプリアンプから信号源へ進んでいく電圧(逆行波)とを等振幅にできれば、プリアンプの入力インピーダンスの実部Rinをゼロにできたことと等価であることがわかるであろう。
【0027】
本実施形態ではこれを達成するために、加算点summing pointにおいて、位相シフタPSやインピーダンス変換回路Ztransを経て、即ち減衰インピーダンス変換に伴うステップアップ(あるいはステップダウン)を経て、信号源Einからフォワード方向に進む電圧信号ef を、加算点summing pointで観測した値ef ′に対して、帰還回路FB経由で加算点summing pointに帰還される帰還電圧efb′を重畳させるのである。なお、ef ′に対し、efbは、ほぼ同相として設定する。進行波は、インピーダンス変換回路Ztransなどの損失抵抗のために減衰し、反射波も再びインピーダンス変換回路Ztransなどの損失抵抗で減衰するのであるが、重畳の程度を適当に選ぶと、この減衰をちょうど補償することができる。もちろん、重畳させたefb′もインピーダンス変換回路Ztransの抵抗損失で多少減衰するので、そのぶん余分にefb′を大きくする。このとき、プリアンプ入り口において、進行波と逆行波とは振幅等量、即ち全反射と見え、即ちプリアンプの入力インピーダンスの実部(プリアンプの入力インピーダンスの抵抗分)Rinとして、0オームが達成できたことになる。
【0028】
以上により、プリアンプの入力インピーダンスの抵抗分Rinをほぼ0とし、従って、式(1)の並列共振インピーダンスZの最大値Zdampを従来に増して大きくすることができる。即ち、本実施形態によれば、従来に増して、RFコイルエレメント間の干渉抑制効果を向上させることができる。しかし、位相シフタPSの損失抵抗の影響がまだ残っている。これによりしばしば、並列共振インピーダンスZの最大値Zdampが満足すべき値ほどには大きくならないことが依然として起き得る。RFコイルエレメントとプリアンプとを結ぶ伝送線路もこの位相シフタの一部分と考えることが出来るが、RFコイルエレメントとプリアンプとを遠く離して配置せざるを得ないことがしばしばである。このような場合は長い伝送線路の損失抵抗が、Zdampの低下の主要因となり、プリアンプの抵抗分Rinをほぼ0としてもRFコイルエレメント間の干渉の抑制はさほど向上しない。
【0029】
本実施形態はこのような場合にも十分対応できるように拡張できる。つまり、伝送線路などを含めた位相シフタの損失により、伝搬中にef が減衰し、さらに反射波er もまた減衰することになる。この減衰を補償するように、先ほどのプリアンプの入力インピーダンスの抵抗分Rinをほぼ0とするために必要としたよりも、efb′を大きくする。これによりRFコイルエレメントから送出される電圧ef とほぼ等量の電圧をRFコイルエレメントに送り返すことができる。
【0030】
この結果、RFコイルエレメントから見れば減衰無しの信号が跳ね返されたことになり、即ちRFコイルエレメントから見た負荷は無損失のものとほぼ同等となる。従って、並列共振インピーダンスZの最大値Zdampを殆ど無限大にまで大きくできる。これにより、このRFコイルエレメントは近傍の他のRFコイルエレメントに対して、ラーモア周波数近傍では殆ど干渉しないものとなる。なお、この状況においては、プリアンプの入力インピーダンスの抵抗分Rinは、伝送線路などからなる位相シフタあるいはその他全てのRFコイルエレメントとプリアンプとの間に介在する回路の損失抵抗分をちょうど補償するような負の値となっている。
【0031】
以上のように、プリアンプの出力の一部を適切な位相で且つ適当な量で帰還することにより、プリアンプの入力インピーダンスの抵抗分をゼロにでも負にでも所望の値にし得るものであり、これにより、関心周波数においてRFコイルエレメントに流れる誘導電流を所望の値にまで低減させ、もってRFコイルエレメント間の干渉抑制性能を向上せしめるものである。
【0032】
ここで上述の説明に補足するに、帰還は、ある程度の周波数帯域幅に限定することが望ましい。これは帰還回路FBに、適切な周波数特性を持たせることによって達成できる。適切な周波数特性を持たせることは、帰還回路FBの中に共振回路を装備するなどにより容易に達成できる。帰還を施す周波数帯域を限定するのが望ましい理由を示すと次のごとくである。
【0033】
帰還をほどこして負性抵抗状態でプリアンプを用いることは、プリアンプが発振する可能性を有することも意味する。この発振は、帰還によりプリアンプがRFコイルエレメントへ送り返した電圧信号が再びRFコイルエレメントから跳ね返ってプリアンプへ到達するにあたり、ある程度減衰が有れば回避できる。関心周波数においてそのような状態にRFコイルエレメントを調整することは容易である。一般にRFコイルエレメントはラーモア周波数において伝送線路(例えば50オーム)と同等の出力インピーダンスになるように調整するのが常だからである。この状態では帰還によりプリアンプがRFコイルエレメントへ送り返した電圧信号は殆ど反射してこない。だから関心周波数では発振の危険は無い。しかし関心周波数から遠く離れると、そのようなRFコイルエレメントの調整状態は維持されない。従ってここでは帰還を小さくしないと発振の危険がある。だから、このような周波数では帰還量を減らすように帰還回路FBの周波数特性を設計するのが有用なのである。
【0034】
さらに補足する。本実施形態ではプリアンプの中に帰還回路を設けた。しかし、説明した主旨を理解すれば、帰還をプリアンプ内で行うかわりに、プリアンプを出た後、必要ならさらに別の回路を経た後からでも、プリアンプの入口に帰還を施すことも可能である。RFコイルエレメント出口から送出されたef と殆ど同じ振幅で殆ど同相の電圧をRFコイルエレメント出口に再び送り返すような帰還系にすればよいのである。これには、減衰の補償をするために増幅器の存在は必須であるが、しかし、増幅をした後は位相と振幅を管理できる限りどこから帰還を施してもよいのである。
(第2実施形態)
第1実施形態で示したような帰還による、ほぼ0、あるいは負の実部入力インピーダンスを持つプリアンプ自体も特徴の一つであるが、これを用いた干渉抑制とその調整に関する技術例として第2実施形態を提供する。図2に本実施形態の主要部の構成を示している。ここでは、図2の可変位相シフタに注目されたい。
【0035】
プリアンプは第1実施形態で説明したように設計されたものであって、帰還量efb′を調整するためのトリマを持っている(図示しない)。RFコイルエレメントと可変位相シフタとの間に、伝送線路cableがある。この伝送線路によりかなりの位相シフトが発生するが、位相シフトのために設けなくても、実際の実装上ある程度の長さの伝送線路が存在することは大抵の場合避けられない。
【0036】
図2に可変位相シフタの回路例を示している。図中、MUIは互いに高い結合係数(1に近い)で相互電磁誘導関係にある二つのインダクタンスである。Cfixは固定容量のコンデンサである。Cadjは、可変容量であり、本例ではバラクタダイオードで形成している。高抵抗1MΩ経由で可変電圧源Eadjからバラクタダイオードに直流バイアス電圧を供給する。ラーモア周波数が63.9MHzであり、信号源インピーダンスRopt が50Ωであるならば、次のような設計定数である。Cfixは25pF、MUIの各々のインダクタンス125nHである。この値として、かつ二つのCadjが大体バランスした値であるならば、この位相シフタの特性インピーダンスは50Ωに維持され、従って、Cadjの値如何にかかわらずプリアンプから見たRFコイルエレメントのインピーダンスはZ0=Ropt =50Ωのままにほぼ維持される。
【0037】
そして、可変電圧源Eadjの調整により可変容量Cadjを調整すれば可変位相シフタの位相シフト量が可変できる。この位相シフト量の可変調整により、伝送線路cableによる固定位相シフトと併せて、Zinが変換されたインピーダンスZin′の値が可変調整される。従って可変位相シフタは可変インピーダンス変換回路として機能する。
【0038】
なお、直流カットCとは、プリアンプやRFコイルエレメントの電位をグラウンドレベルから浮かすために入れてあるものであり、動作に本質的に必要なものではない。
【0039】
このような可変位相シフタでなく、従来から調整可能な位相シフタは存在した。一例は、伝送線路長を変える、即ち伝送線路長による位相シフト量の調整を行う。しかし都度、伝送線路を作り直す、あるいは付け替えることは容易ではなく、微妙な調整は至難である。
【0040】
また、図3に示すような回路も調整可変である。容易に考えられる回路を4つ示したが、他にも類似の回路は用いられていることであろう。これらにおいてはインダクタンス(キャパシタンス)を変えると、連動して他方のキャパシタンス(インダクタンス)をも変えねばならない。しかも左右の二つのインダクタンスあるいはキャパシタンスはバランスさせながら変えねばならない。さもないと、この回路のインピーダンスが、プリアンプから見たRFコイルエレメントのインピーダンスZ0から大きく逸脱し、プリアンプから見た信号源インピーダンスZ0pt が最適値から大きく外れてしまう。これらの関係を維持して調整することは容易ではない。また、インダクタンスの調整可変範囲は微少でしかない。従って、所望の位相可変範囲を、インピーダンス特性を乱さずに得ることはこれらの方法では困難である。
【0041】
従来のダンプ技術においては、このような粗雑な方法でも間にあった。それは、プリアンプの入力インピーダンスZinを位相シフタ経由で見込んだときのインピーダンスZin′の実部Rin′を十分に小さくはできず、Rin′が十分小さくないときは、しょせん電流抑制効果は小さく、そしてそのような小さい電流抑制効果の周波数帯域幅はかなり広い、ということに由来する。即ち位相シフタの微調整あるいは頻繁な調整をする必要はなかったのである。
【0042】
一方、本実施形態で示したように十分小さなRin′が得られると、極めて大きな電流抑制効果が得られるのであるが、そのような周波数帯域は狭い。従ってラーモア周波数を中心とする関心周波数帯域が電流抑制効果の高い周波数帯域にすっぽり入るようにするには、位相シフト量の調整をある程度正確に行わねばならない。
【0043】
さらに、本実施形態において、伝送線路の損失抵抗や位相シフタの損失抵抗に応じて、Rinをちょうどそれら損失抵抗をちょうど補償するような値にするために帰還電流Ifbを変更すると、その変更度合いが大きい場合、それに伴い、プリアンプの入力インピーダンスZinの虚部Xinもある程度変化してしまう。即ち、大きな電流抑制効果が得られる周波数帯域の位置もラーモア周波数からずれていってしまうことがある。これを再びラーモア周波数付近の位置へ持ってくるためにも位相シフタの調整が必要となる。これらの事情で調整容易とする必要がある。
【0044】
図2の例では、インダクタンスの調整を行わずコンデンサ容量調整だけで済むから、正確なインピーダンス特性を維持したまま可変範囲を広くできる。また、コンデンサであるから調整も容易である。
【0045】
なお、二つのコンデンサ容量の連動は機械的機構によってももちろん構わないが、本例のようにバラクタダイオードであると、人手を介さずに磁気共鳴映像装置システムの中のコンピュータによる調整も容易となる。このようなシステムに委ねた自動的な位相シフト量の変更が可能である点は、次のような場合に有効になってくる。プリアンプの入力インピーダンスZinを調整可変とすることとは関わり無く、チューニング容量Ctやマッチング容量Cmを被検体ごとに調整する場合もあるのだが、このときは電流抑制効果を得られる周波数帯域をラーモア周波数付近にもってくるために、更新されたCtやCmに応じて位相シフト量を変えることが望ましい。
(第3実施形態)
第3実施形態は、第1実施形態と第2実施形態とをまとめた実施形態である。図2を参照しつつ、プリアンプ入力インピーダンスによりRFコイルエレメントへの誘導電流がどのように抑制されるか、具体例を示す。そのときの位相シフタの調整状態例も示す。まず、Z0 =50Ωとし、ラーモア周波数=63.9MHzとする。また、伝送線路cableの長さは300cmとする。この、伝送線路cableは、市販の同軸ケーブル1.5D2Vと類似した特性、即ち、伝送線路cableの特性インピーダンスは50Ω、伝送線路の等価損失抵抗と直結する値である伝送線路の減衰量は0.2dB/m、位相伝搬速度は自由空間の0.66倍であるとする。また、RFコイルエレメントの実効インダクタンスL=0.2μH、RFコイルエレメントのロス抵抗r=0.803Ω、とする。RFコイルエレメントのQファクタは100に相当する。しからば、Z0 その他の条件から、チューニング容量Ct=27.1F、マッチング容量Cm=3.93pFである。
【0046】
このようなチューニング容量Ctとマッチング容量Cmであれば、式(1)から、ラーモア周波数で最大の電流抑制効果を得るために、プリアンプの入力インピーダンスZinを位相シフタ経由で見込んだときのインピーダンスZin′の虚部Xin′として所望の値は725Ω程度である。また、可変位相シフタの互いに高い結合係数(1に近い)で相互電磁誘導関係にある二つのインダクタンスMUIは、損失がありQ=70とするが、その他の回路素子は無損失とする。
【0047】
プリアンプの入力インピーダンスZinの虚部Xinは、−20Ωとする。その実部Rinを、適正な負の値に選び、可変容量Cadjも適当な値とすれば、最大の電流抑制効果が得られることは前述のとおりである。損失のある伝送線路や位相シフタを含んだ系であるので、簡易な計算で示しがたいが、本例においては、プリアンプの入力インピーダンスZinの実部Rinとして、−5.9Ωが伝送線路や位相シフタの損失抵抗とちょうど補償する値であり、そのときの適正なCadjは、85.5pFである。
【0048】
以下に、数種のプリアンプの入力インピーダンスZinの実部Rinについて、電流抑制効果を示す。本来、可変容量Cadjは、このRinが変わると多少最適値がずれるが、伝送線路損失等で、プリアンプの入力インピーダンスZinを位相シフタ経由で見込んだときのインピーダンスZin′の実部Rin′が十分小さくない場合には、多少ずれても大勢に変化は無いので85.5pFのままとした。電流抑制効果は、RFコイルエレメント出力を50Ωの負荷で終端した場合(即ちダンプ技術を使用しない場合)との電流比で示す。
【0049】
【表1】
【0050】
このように、プリアンプの入力インピーダンスZinの実部Rinを、0付近まで持っていけば、従来より3dBほど干渉抑制性能が向上し、これ自体実用上十分意味のある改善である。しかし、まだ改善できる。伝送線路や位相シフタの損失抵抗があるために並列共振インピーダンスZは、プリアンプの入力インピーダンスZinの実部Rinをゼロにしても十分には上がらない。このRinを負にしていくと、この伝送線路や位相シフタの損失抵抗の影響が減少し、干渉抑制性能はどんどん向上し、極端にはちょうど相殺しあうような量、この場合には−5.9Ω、にすれば完全な干渉抑制か得られる。
【0051】
表1は、特定周波数63.9MHzでの値でしかないが、別の周波数でも見るために、電流量のスペクトラムアナライザ波形の形式で示したものが別紙の図4である。横軸は周波数[MHz]、縦軸は電流に比例する量[dB]である。−5.9−j20において得られる電流抑制効果が完全であるのは特定周波数においてのみであるが、磁気共鳴映像装置においては、ラーモア周波数の帯域幅は最大で2〜300kHz程度になる。しかし、この程度の帯域幅を想定しても、30dB程度の干渉抑制性能が得られることがわかる。30dBというのはこれ以上改善する必要がないほど高い干渉抑制性能である。
【0052】
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々変形して実施可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、RFコイルエレメント間の干渉を効果的に抑制することができる。またそのための調整も容易である。これによりRFコイルエレメント間の干渉による信号雑音比の低下や感度分布異常を回避することが容易となる。よって、複数のRFコイルエレメントを同時使用するフェーズドアレイコイルの場合など、干渉対策を優先にして信号雑音比や感度分布の最適化を犠牲にせずに設計することが容易となる。あるいは患者へのRFコイルエレメントの設定に格別の制限はなくなる。よって、磁気共鳴映像装置の画質が向上する、あるいは磁気共鳴映像装置のより円滑な運転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る磁気共鳴映像装置の主要部の構成図。
【図2】本発明の第2実施形態に係る磁気共鳴映像装置の主要部の構成図。
【図3】図2の可変位相シフタの他の例を示す図。
【図4】第3実施形態による電流抑制効果(干渉抑制効果)の周波数依存性を示す図。
【図5】従来のRFコイルエレメント間干渉抑制回路の構成図。
【符号の説明】
Amp…増幅ステージ、
Buffer…バッファリング用ステージ、
Ein…信号源、
PS…位相シフタ、
Ztrans…インピーダンス変換回路、
FB…帰還回路。
Claims (9)
- 複数のRFコイルエレメントを備え、これら複数のRFコイルエレメントで検出した磁気共鳴信号に基づいて1枚又は複数枚の画像を生成する磁気共鳴映像装置において、
前記RFコイルエレメントに誘導される信号電流を低減するために、前記RFコイルエレメントからの信号と略等量の信号を前記RFコイルエレメントの信号出口に返すことを特徴とする磁気共鳴映像装置。 - 前記略等量の信号を返すために、前記RFコイルエレメントからの信号を増幅し、この増幅した信号の一部を前記RFコイルエレメントの信号出口に帰還することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴映像装置。
- 前記略等量の信号を返すために、前記RFコイルエレメントからの信号を増幅し、この増幅した信号の一部を、前記RFコイルエレメントのからの信号を受ける回路ブロックの入り口に帰還することを特徴とする請求項1記載の磁気共鳴映像装置。
- 複数のRFコイルエレメントを備え、これら複数のRFコイルエレメントで検出した磁気共鳴信号に基づいて1枚又は複数枚の画像を生成する磁気共鳴映像装置において、
前記RFコイルエレメントは、増幅器を有する回路ブロックに接続されていて、関心周波数近傍において前記回路ブロックの入力インピーダンスの実部は帰還により2Ωよりも低い値に設定されることを特徴とする磁気共鳴映像装置。 - 前記RFコイルエレメントから前記回路ブロックを見込んだインピーダンスの虚部は、ラーモア周波数近傍の共鳴電流を抑制する値に設定されることを特徴とする請求項4記載の磁気共鳴映像装置。
- 複数のRFコイルエレメントを備え、これら複数のRFコイルエレメントで検出した磁気共鳴信号に基づいて1枚又は複数枚の画像を生成する磁気共鳴映像装置において、
前記RFコイルエレメントは、増幅器を有する回路ブロックに接続されていて、関心周波数近傍において前記回路ブロックの入力インピーダンスの実部は帰還により負の値に設定されることを特徴とする磁気共鳴映像装置。 - 前記帰還の量は、関心周波数近傍において大きくなるような周波数特性で与えられることを特徴とする請求項6記載の磁気共鳴映像装置。
- 前記周波数特性は、共振回路によって与えられることを特徴とする請求項7記載の磁気共鳴映像装置。
- 複数のRFコイルエレメントを備え、これら複数のRFコイルエレメントで検出した磁気共鳴信号に基づいて1枚又は複数枚の画像を生成する磁気共鳴映像装置において、
前記RFコイルエレメントは、増幅器を有する回路ブロックに接続されていて、関心周波数近傍において帰還量の調整により前記回路ブロックの入力インピーダンスを調整可能としたことを特徴とする磁気共鳴映像装置。
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