JP3765158B2 - X線透視撮影台 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、X線透視撮影台、特に被検者を載せる天板を上下方向と左右方向に移動させる場合、その移動方向により天板部分を交換することのできるX線透視撮影台に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線透視撮影台は、図7(A)、(B)に示すように、ベ−ス1と、該ベ−ス1に起倒回転可能に保持された主枠2と、該主枠2の上部に被検者を載せる天板3と、主枠2に立設された支柱5の上部に装着され被検者にX線を照射するX線管4と、天板3の下側に設置される速写装置6等により構成されている。
このようなX線透視撮影台において、被検者を載せる天板3の機能は、図8に示すように、被検者Mを体軸に対して直交する方向(以下、体軸に対して直交する方向を左右方向とする)に移動させる左右動方式(2ways)と、左右方向及び体軸方向(以下、体軸方向を上下方向とする)に移動させる上下左右動方式(4ways)とがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記するようにX線透視撮影台には、2方向にのみ移動可能な天板を有するものと、4方向に移動可能な天板を有するものとの2種類がある。従って、被検者を透視撮影する場合、左右方向にのみ撮影可能な2ways方式のX線透視撮影台を設置している診療機関において、上下方向に撮影する必要が生じた場合には改めて4ways方式のX線透視撮影台を導入して撮影しなければならない。一方、4ways方式のX線透視撮影台を設置しておいて、2ways方式のみ使用するのは無駄な機能を保有することになる。このように撮影方式をいずれの方向にも移動可能なX線透視撮影台が必要な場合には、2ways方式と4ways方式とでは本体構造が根本的に異なっているため2種類のX線透視撮影台が必要となり、簡略化やコストダウンの妨げとなっている。
【0004】
この発明は上記する課題に対処するためになされたものであり、本体構造を変更することなく撮影の多様化に対応できるよう2ways方式でも4ways方式でも撮影が可能であり、且つコストダウンを図ることのできるX線透視撮影台を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち、上記する課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、X線透視撮影台が、裏面に被検者の体軸方向の移動を規制する摺動手段(15,15及び18)を設け且つ被検者の体軸方向に対して直角方向に駆動手段(13)により移動可能とした天板(11)と、
裏面に被検者の体軸方向の移動を規制する摺動手段(15,15及び18)を設け且つ被験者の体軸方向に対して直角方向に駆動手段(13)により移動可能とした枠板(22)上を、駆動手段(24、25、24p、25p,26,27,28,29)により被検者の体軸方向に相対的に往復移動する天板(21)と、
前記被検者の体軸方向に対して直角方向に駆動手段により移動可能とした天板(11)か、被検者の体軸方向に対して直角方向に移動可能とした枠板(22)上を被検者の体軸方向にスライドする天板(21)か、のいずれかの天板を着脱可能に載置し、被検者の体軸方向に対して直交する方向に前記天板または/および枠板の移動を可能とする駆動手段(34、35)を備えた主枠(31)と、を備えて成ることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の具体的実施の形態について図面を参照しがら説明する。
図1(A)は、この発明のX線透視撮影台を構成する天板部の側面図であり、図1(B)はその平面図である。天板11の被検者の足元となる一方の端部(下部天板部とする)にはブラケット12が固定され、該ブラケット12にはラック13が固定して取り付けられている。また、該天板11の下面には、金具14が固定され、該金具14の下面には、摺動手段として、適宜間隔をおいた2つの垂直方向の軸回りにベアリング15,15が取り付けられている。更に、天板11の被検者の頭部となる他端部(上部天板部とする)の下面には(L字型の)ブラケット17の(一方)が固定され、該ブラケット17の(L字型の他方の)側面には、水平方向の軸回りにベアリング18が取り付けられている。
【0007】
図2(A)は、この発明のX線透視撮影台を構成する主枠部の側面図であり、図2(B)は図2(A)のQ矢視図である。この主枠31の一方の端部(即ち、下部天板部側)には凸部31aが設けられ、該凸部31aの上面には、前記天板11の下面の金具14に取り付けられたベアリング15,15を嵌め入れる溝32a,32bを両側面に設けたレ−ル32が設置されている。また、該主枠31の他方の端部(即ち、上部天板部側)にも凸部31bが設けられ、該凸部31bの上面には、前記天板11の下面に固定されたブラケット17に取り付けられたベアリング18を嵌め入れる溝33aを設けた断面コの字形のレ−ル33が設置されている。更に、前記凸部31aの側面には前記ラック13と噛合するピニオン34が設置されているが、該ピニオン34はモ−タ及び減速機構を備えた駆動装置35により駆動される。
【0008】
図3は、前記主枠31の上に前記天板11を組み込んだ状態の正面図である。 前記主枠31の一方のレ−ル32の溝32a,32bには、天板11の金具14に取り付けたベアリング15,15を嵌め入れ、他方のコの字形のレ−ル33の溝33aにはブラケット17の側面に取り付けたベアリング18を嵌め入れ、また、主枠31の凸部31aに設置したピニオン34は天板11の一方のブラケット12に固定したラック13に噛合させる。このように主枠31に天板11を着脱可能に載置すると、前記天板11は、その上下方向(体軸方向)の移動が規制され(移動不可となり)、駆動装置35により左右動のみが可能となる。即ち、この天板11は、2ways方式の天板となる。
【0009】
図4(A)は、この発明のX線透視撮影台を構成する別個の天板部の正面図であり、図4(B)はその平面図であり、図4(C)は図4(B)のA−A矢視図である。また、図5は図4(C)のP部拡大図である。
別個の天板21の下面の左右方向(体軸に対して直交する方向)の端部には、枠板22,22が取り付けられるが、この場合、天板21の下面左右方向端部には、ガイド21a,21aがそれぞれの両端部に固定して設けられると共に枠板22,22側の天板21と接する面にはレ−ル22aが設けられている。即ち、天板21は枠板22,22に対しスライド可能となっている。そして該枠板22、22の(一方の側の)下部には、ブラケッ ト12が固定され、該ブラケット12にはラック13が固定して取り付けられている。また、該ブラケット12には、摺動手段としてのベアリング15,15を取り付けた金具14が固定されている。更に、枠板22、22の(他方の側の)上部には、ブラケット16が固定され、該ブラケット16側面にもベアリング18が取り付けられている。
【0010】
次に、前記(一方の側の)枠板22、22の下部には、前記ベアリング15,15の内側寄りにモ−タ24と減速機25とが取り付けられ、該モ−タ24のプ−リ24pから減速機25のプ−リ25pにベルト26により駆動力が伝達される。該減速機25の上部に設けた出力軸にはスプロケット27が取り付けられている。一方、(他方の側の)枠板22、22の上部の側面にはアイドラ用のスプロケット28が設置されている。そしてこれら下部側の減速機25のスプロケット27と上部側のスプロケット28との間にはチェ−ン29が巻装してある。また、該チェ−ン29の一部は、天板21の下面に固定したブラケット30に固定されている。即ち、該天板21は、モ−タ24によって駆動されるチェ−ン29の移動と共に一体に枠板22、22のガイド21a,21aに案内されてレール22a,22a上をスライドして移動すようになっている。
【0011】
図6は、前記主枠31の上に前記天板21を組み込んだ状態の正面図である。 前記主枠31の一方の凸部31aの上面に設けたレ−ル32の溝32a,32bには、前記天板21をスライド可能に支持する枠板22,22のブラケット12に固定して設けた金具14に取り付けたベアリング15,15を嵌め入れ、他方のコの字形のレ−ル33の溝33aにはブラケット16の側面に取り付けたベアリング18を嵌め入れ、主枠31の凸部31aに設置したピニオン34は、枠板22下部側の前記ブラケット12に固定して設けたラック13に噛合させてある。また、枠板22の部に固定されたブラケット16に取り付けられたベアリング18は主枠31の凸部31bの上面に設けたコの字形のレ−ル33の溝33aに嵌め入れてある。このようにして、主枠31に図4に示す別個の天板21を載置すると、該天板21は、モ−タ24の駆動により枠板22,22上を上下方向にスライドさせることが可能となり、更に、主枠31に設けた駆動装置35により該天板21及び枠板22,22等全体を左右方向に移動させることができる。即ち、この天板21は4ways方式の天板となる。
【0012】
この発明のX線透視撮影台の構成は以上のように、主枠31と、該主枠31に着脱可能な左右方向のみ移動可能な天板11と、同じく該主枠31に着脱可能で、上下方向に移動させることのできる天板21と、左右方向に移動させることのできる枠板22,22と、を備えている。従って、X線撮影に際して左右方向のみの撮影が必要な場合には、天板11を主枠31に装着して使用すればよいし、上下・左右方向の撮影が必要な場合には、天板21を設けた枠板22を主枠31に装着して使用すればよい。なお、2waysである天板11は、上下駆動系がない分だけ広い範囲が移動可能となっており、上下動がない部分を補うことができる。
【0013】
上記実施例においては、天板ないし枠板の下部側にブラケット12やラック13或いはベアリング15,15、駆動モ−タ24や減速機25の駆動用スプロケット27等を配置し、上部側にベアリング18或いはアイドラ用スプロケット28等を配置したが、勿論逆に、天板11の上部側にブラケット12やラック13やベアリング15,15を設けた金具14を固定すると共に、主枠31の凸部31b側にレ−ル32やピニオン34や駆動装置35を設け、凸部31a側にレ−ル33等を設けるようにしてもよい。或いは、枠板22の上部側にブラケット12やラック13或いはベアリング15,15、駆動モ−タ24や減速機25の駆動用スプロケット27等を配置し、下部側にベアリング18或いはアイドラ用スプロケット28等を配置すると共に、主枠31の凸部31b側にレ−ル32やピニオン34や駆動装置35を設け、凸部31a側にレ−ル33等を設けるようにしてもよい。更に、天板11や天板21を支持する枠板22に左右動の駆動装置35を設けてもよいし、上下動の駆動用モ−タ24や減速機25等も天板21側に設けるように工夫しもよい。また、前記ブラケット12やラック13或いは枠板22やモ−タ24や減速機25やレ−ル32、33等は天板11、21の上記実施例で示した場合に対してそれぞれ90度角度を変えて設けてもよい。
【0014】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明のX線透視撮影台によれば、主枠等の本体構造側を共通化し、天板側を交換するだけで2ways方式又は4ways方式のいずれかに交換可能とすることができるので、機種を多種類用意する必要がなくなり、それだけ装置のコストを低減することができる。また、天板上下駆動部を左右駆動部に対して内側に配置しているので、2waysの場合、天板の上下動が不要な分だけそのスペ−スを開け、その開いたスペ−スを映像系の可動範囲としてワイドな診断領域を確保することができる。更に、天板の入替えだけで2ways方式と4ways方式へ変更することができるので、装置のグレ−ドアップを簡易に且つ安価に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(A)は、この発明のX線透視撮影台を構成する天板部の側面図であり、図1(B)はその平面図である。
【図2】 図2(A)は、この発明のX線透視撮影台を構成する主枠部の側面図であり、図2(B)は図2(A)のP矢視図である。
【図3】 この発明のX線透視撮影台を構成する主枠の上に2ways用天板を組み込んだ状態の側面図である。
【図4】 図4(A)は、この発明のX線透視撮影台を構成する別個の天板部の側面図であり、図4(B)はその平面図であり、図4(C)は正面図である。
【図5】 図4(C)のP部拡大図である。
【図6】 この発明のX線透視撮影台を構成する主枠の上に4ways用天板を組み込んだ状態の正面図である。
【図7】 図7(A)は、従来のX線透視撮影台の正面図であり、図7(B)は、側面図である。
【図8】 従来のX線透視撮影台の天板の平面図である。
【符号の説明】
11 天板
13 ラック
14 金具
15 ベアリング
18 ベアリング
21 天板
22 枠板
24 モ−タ
25 減速機
27 スプロケット
28 スプロケット
29 チェ−ン
31 主枠
32 レ−ル
33 レ−ル
34 ピニオン
35 駆動装置

Claims (1)

  1. 裏面に被検者の体軸方向の移動を規制する摺動手段を設け且つ被検者の体軸方向に対して直角方向に駆動手段により移動可能とした天板と、
    裏面に被検者の体軸方向の移動を規制する摺動手段を設け且つ被験者の体軸方向に対して直角方向に駆動手段により移動可能とした枠板上を、駆動手段により被検者の体軸方向に相対的に往復移動する天板と、
    前記被検者の体軸方向に対して直角方向に駆動手段により移動可能とした天板か、被検者の体軸方向に対して直角方向に移動可能とした枠板上を被検者の体軸方向にスライドする天板か、のいずれかの天板を着脱可能に載置し、被検者の体軸方向に対して直交する方向に前記天板または/および枠板の移動を可能とする駆動手段を備えた主枠と、を備えて成ることを特徴とするX線透視撮影台。
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