JP3764883B2 - コンクリート製品の連結構造及び連結方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート製品に埋設したアンボンドPC鋼材を介する複数のコンクリート製品の連結構造及び連結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数のコンクリート製品を鋼材を用いて緊締連結する方法として、連結方向に貫通孔と定着用凹陥部を設け、コンクリート製品の据付後に前記貫通孔に鋼材を通して緊締連結する方法が広く用いられている(例えば特許文献1及び2を参照)。
【0003】
しかし、上述した方法では、緊締連結を行った後、前記鋼材の腐食を防ぐべく、前記貫通孔及び定着用凹陥部にグラウト施工を行う必要がある。そこで、この手間を省くべく、コンクリート製品に鋼材を埋設しておき、隣接するコンクリート製品の互いに対向する鋼材を締着材と連結部材とを介して緊締定着することにより該コンクリート製品を緊締連結する方法が行われている。特に、ボックスカルバート等大型のコンクリート製品を緊締連結する場合には、該コンクリート製品やこのコンクリート製品に埋設される前記鋼材の製造時や据付時の誤差により、相対する鋼材を同軸上に位置合わせすることが困難であることがあり、この問題を解決すべく、連結部材として定着面を曲面状に成形した特殊カップラーないし特殊な定着体を採用し、この特殊カップラーないし特殊な定着体を介して相対する鋼材を接続する態様が考えられている(例えば特許文献3及び4を参照)。
【0004】
【特許文献1】
特公昭62−19749号公報
【特許文献2】
特公平7−91856号公報
【特許文献3】
特公昭63−27494号
【特許文献4】
特公平8−23169号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したような定着面を曲面状に成形した特殊カップラーないし特殊な定着体は、その成形が困難であり、高価なものである。しかも、このような特殊カップラーないし特殊な定着体を用いる態様においても、互いに対向する鋼材が略同軸上に位置せず、かつこれら対向する鋼材の軸線が連結部材内で交わらない場合、例えば互いに対向する鋼材の軸線が平行でありかつ同軸でない場合への対応は、依然として不十分である。
【0006】
本発明は以上に述べた課題を解決し、ボックスカルバート等大型のコンクリート製品を上述したように緊締連結する際の鋼棒の位置ずれに簡単な構成で有効に対応すべく構成するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明に係るコンクリート製品の連結構造は、コンクリート製品に埋設され、該コンクリート製品に定着されたアンボンドPC鋼材と、該コンクリート製品に隣接して配置された他のコンクリート製品に埋設され、前記アンボンドPC鋼材に対向するアンボンドPC鋼材とを接続機構を介して接続することによりこれらコンクリート製品を連結するようにしているものであって、前記接続機構を、これら対向するアンボンドPC鋼材の軸線が略一致しない場合であっても該アンボンドPC鋼材間の接続を可能なものに構成し、前記アンボンドPC鋼材が両端部に雄ねじ部を有するとともに、前記接続機構が、前記コンクリート製品に定着されたアンボンドPC鋼材の雄ねじ部に螺着した第1の締着材と、定着されたアンボンドPC鋼材に対向するアンボンドPC鋼材の雄ねじ部に螺着した第2の締着材と、前記第1の締着材と第2の締着材との少なくとも一方に係合するとともに対向するアンボンドPC鋼材を引き合うように接続する接続部材とを有し、前記接続部材と前記第1又は第2の締着材のうち少なくとも一方とが係合する相対位置を可変に構成し、前記接続部材に、前記アンボンドPC鋼材の径より大きな径を有し前記アンボンドPC鋼材を挿通させる鋼材挿通口を設けているとともに、前記第1又は第2の締着材のうち少なくとも一方と前記接続部材との間に長円状の貫通孔を有するワッシャーを介在させていることを特徴とする。
【0008】
このようなものであれば、対向するアンボンドPC鋼材の軸線が一致しない場合であっても前記接続機構により該アンボンドPC鋼材間の接続が可能であるので、確実にコンクリート製品を連結する際に、互いに対向するアンボンドPC鋼材が平行かつこれらのアンボンドPC鋼材の軸線が同軸でなくずれている場合等に有効に対処することができるようになる。このように、互いに対向するアンボンドPC鋼材の位置がずれていても互いに接続できるので、特に長尺のコンクリート製品を製造する場合に、アンボンドPC鋼材の埋設位置の許容誤差を大きくすることができるようになり、コンクリート製品の製造が容易になりコストの低減を図ることができるようになる。
【0009】
また、前記アンボンドPC鋼材が両端部に雄ねじ部を有するとともに、前記接続機構が、前記コンクリート製品に定着されたアンボンドPC鋼材の雄ねじ部に螺着した第1の締着材と、定着されたアンボンドPC鋼材に対向するアンボンドPC鋼材の雄ねじ部に螺着した第2の締着材と、前記第1の締着材と第2の締着材との少なくとも一方に係合するとともに対向するアンボンドPC鋼材を引き合うように接続する接続部材とを有し、前記接続部材と前記第1又は第2の締着材のうち少なくとも一方とが係合する相対位置を可変に構成しているので、互いに対向するアンボンドPC鋼棒が略同軸でなくても、前記接続部材と前記第1又は第2の締着材のうちいずれかとが係合する相対位置を変化させることにより、アンボンドPC鋼棒の位置ずれに有効に対処することができる。
【0010】
加えて、前記締着材のうち少なくとも一方と前記接続部材との間に長円状の貫通孔を有するワッシャーを介在させているので、ワッシャーの貫通孔の面積を、アンボンドPC鋼棒を前記ワッシャーの貫通孔内に位置させうる最低限だけ確保すればよくなり、ワッシャーが接続部材と当接する面積を大きくできる
【0011】
さらに、前記コンクリート製品の位置決めをより簡単に行えるようにするための態様として、前記接続部材が、その内部に雌ねじ部を形成しているソケットと、前記ソケットの一端部に螺着可能であるとともに前記アンボンドPC鋼材の径よりも大きな内径の鋼材挿通孔を有し前記締着材に係合する係合部材とを具備するものが挙げられる。このようなものであれば前記支持部材をねじ作用により進退させて、締着材間の距離を変更することにより、前記コンクリート製品の位置決めを行うことができるからである。
【0012】
また、前記締着材のうち一方の外面に雄ねじ部を形成しているとともに、この締着材の雄ねじ部を前記接続部材の一端部に形成した雌ねじ部に螺着するようにしているものであっても、同様に前記コンクリート製品の位置決めをより簡単に行えるようになる。
【0013】
一方、本発明に係るコンクリート製品の連結構造の他の態様として、コンクリート製品に埋設され、該コンクリート製品に定着されたアンボンドPC鋼材と、該コンクリート製品に隣接して配置された他のコンクリート製品に埋設され、前記アンボンドPC鋼材に対向するアンボンドPC鋼材とを接続機構を介して接続することによりこれらコンクリート製品を連結するようにしているものであって、前記接続機構を、これら対向するアンボンドPC鋼材の軸線が一致しない場合であっても該アンボンドPC鋼材間の接続を可能なものに構成し、前記アンボンドPC鋼材が両端部に雄ねじ部を有するとともに、前記接続機構が、前記コンクリート製品に定着されたアンボンドPC鋼材の雄ねじ部と、定着されたアンボンドPC鋼材に対向するアンボンドPC鋼材の雄ねじ部とのいずれか一方に螺着した締着材と、他方の雄ねじ部に螺着するとともに前記締着材に係合して対向するアンボンドPC鋼材を引き合うように接続する接続部材とを有し、前記接続部材と前記締着材のうち少なくとも一方とが係合する相対位置を可変に構成し、前記接続部材に、前記アンボンドPC鋼材の径より大きな径を有し前記アンボンドPC鋼材を挿通させる鋼材挿通口を設けているとともに、前記締着材と前記接続部材との間に長円状の貫通孔を有するワッシャーを介在させているものが挙げられる。このようなものであっても、前記接続部材と前記締着材とが当接する相対位置を変更させることにより、互いに対向するアンボンドPC鋼材の埋設位置のずれ等があってもこれらアンボンドPC鋼材を連結することができるとともに、前記締着材と前記接続部材との間に長円状の貫通孔を有するワッシャーを介在させているので、上述した2つの締着材と接続部材とを用いる構成のものと同様の効果を得ることができる。
【0014】
また、前記接続部材を容易に取り付けることができるようにするための態様としては、前記接続部材に前記アンボンドPC鋼棒を挿入可能な切り欠きを設けているとともに、前記締着材がこの切り欠きの開口縁部に当接するようにしているものが挙げられる。このようなものであれば、先に前記アンボンドPC鋼棒に締着材を螺着しておいてから、前記接続部材の切り欠きに前記アンボンドPC鋼棒を挿入するようにして前記アンボンドPC鋼棒間に前記接続部材を取り付けるようにすることができるからである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の第1実施形態について述べる。
【0016】
本実施形態に係るコンクリート製品たるボックスカルバート1は、正面図を図1、側面図を図2に示すように、その上面を形成する頂版11と、その底面を形成する底版12と、1対の側壁13と有する。頂版11、底版12、及び側壁13は略平板状をなし、これらの境界部にハンチ部14を形成している。そして、このボックスカルバート1の長手方向両端のハンチ部14には、凹部1aを設けている。さらに、このボックスカルバート1には、長手方向に延伸するアンボンドPC鋼材たるアンボンドPC鋼棒2を埋設している。なお、このボックスカルバート1の長手寸法は、2〜4mに設定している。
【0017】
このアンボンドPC鋼棒2の両端部には雄ねじ部2aが形成してある。そして、アンボンドPC鋼棒2の一端部を、前記雄ねじ部2aに螺着した定着部材である第1のナットNを介してボックスカルバート1に定着するとともに、前記ボックスカルバート1に定着された前記アンボンドPC鋼棒2と、隣接するボックスカルバート1に埋設され、このアンボンドPC鋼棒2に対向するアンボンドPC鋼棒2とを接続機構3を介して互いに接続することにより隣接するボックスカルバート1同士が連結されて管渠を形成するようにしている。なお、前記第1のナットNは、本実施形態では六角ナットとして周知の形状のものである。
【0018】
具体的には、ボックスカルバート1を連結した際の図1におけるa−a断面図である図3に示すように、前記接続機構3は、前記ボックスカルバート1に定着された前記アンボンドPC鋼棒2の雄ねじ部2aに螺着する第1の締着材たる第2のナット31と、このアンボンドPC鋼棒2に対向するアンボンドPC鋼棒2の雄ねじ部2aに螺着する第2の締着材たるカップラープラグ32と、前記第2のナット31に係合するとともにこれらアンボンドPC鋼棒2を引き合うように接続する接続部材たるソケット33とを備えている。
【0019】
前記第2のナット31は、六角ナットとして周知の形状のものである。
【0020】
前記カップラープラグ32は、図4の(a)に正面図、(b)に側面図、(c)に中央側断面図をそれぞれ示すように、略円筒状をなすとともに有底の雌ねじ穴32xを設け、上述したように前記第2のナット31を螺着したアンボンドPC鋼棒2に対向するアンボンドPC鋼棒2に螺着するようにしている。また、その外面には雄ねじ部32aを設けていて、この雄ねじ部32aをソケット33に形成した後述する雌ねじ部33xに螺着するようにしている。なお、前記雄ねじ部32aのピッチは、前記アンボンドPC鋼棒2の雄ねじ部2aのピッチと異なるものにしている。また、前記雌ねじ穴32xの深さは、前記アンボンドPC鋼棒2を定着させるために十分な深さとしている。
【0021】
前記ソケット33は、図5の(a)に正面図、(b)に中央側断面図をそれぞれ示すように、略円筒状をなすものであり、長手方向一端には、ワッシャー9を介して前記第2のナット31と係合する係合面33aを形成しているとともに、他端部には、前記カップラープラグ32の雄ねじ部32aと螺合する雌ねじ部33xを形成している。そして、前記係合面33aには、中央部にアンボンドPC鋼棒2を挿通させる鋼材挿通口たる鋼棒挿通口33bを形成している。なお、この鋼棒挿通口33bの径d1は、前記アンボンドPC鋼棒2の径d0よりも大きくしてあるが、具体的には前記鋼棒挿通口33bの径d1は前記アンボンドPC鋼棒2の径d0の1.5倍〜3倍が望ましい。前記アンボンドPC鋼棒2の埋設位置の誤差は最低で前記アンボンドPC鋼棒2の径d0の1.25倍、最大でも前記アンボンドPC鋼棒2の径d0の2.5倍程度であるからである。
【0022】
しかして本実施形態では、前記接続機構3を、これら対向するアンボンドPC鋼材2の軸線が略一致しない場合であっても該アンボンドPC鋼材2間の接続を可能なものに構成している。具体的には、前記第2のナット31とソケット33とが係合する相対位置を可変に構成している。
【0023】
さらに詳述すると、上述したようにソケット33の鋼棒挿通口33bの径d1を前記アンボンドPC鋼棒2の径d0よりも大きくしているとともに、一方の前記アンボンドPC鋼棒2が、例えば図3の想像線の位置にあっても、このアンボンドPC鋼棒2と対向するアンボンドPC鋼棒2とを接続可能にすべく、前記ソケット33と前記第2のナット31との間に、図6に示すような長円形の貫通孔9aを有するワッシャー9を介在させている。なお、この貫通孔9aの長径d2は、前記アンボンドPC鋼棒2の径d0よりも大きく設定しているとともに、その短径d3は、前記アンボンドPC鋼棒2の径d0に略等しく設定している。
【0024】
このようなボックスカルバート1を連結して管渠を形成する手順を以下に述べる。まず、所定位置に敷設された一方のボックスカルバート1に埋設したアンボンドPC鋼棒2に第1のナットNを取り付ける。次いで、第1のナットNを螺合させたアンボンドPC鋼棒2を緊張し、第1のナットNを締め付けて前記凹部1aの底面に係合させ、このアンボンドPC鋼棒2を前記ボックスカルバート1に定着する。この後、前記アンボンドPC鋼棒2にソケット33及びワッシャー9を挿通させ、第2のナット31を前記アンボンドPC鋼棒2に螺着する。次いで、他方のボックスカルバート1に埋設したアンボンドPC鋼棒2に、カップラープラグ32を螺着する。それから、ソケット33とワッシャー9と第2のナット31とを前記第1のナットNから離間した位置において係合させる。そして、カップラープラグ32を前記ソケット33に十分な深さまで螺合させる。具体的には、ソケット33の雌ねじ部33xの深さ寸法の略全域にカップラープラグ32の雄ねじ部32aを螺合させる。以上に述べた操作を順次繰り返してボックスカルバート1を順次連結していくことにより、管渠を形成する。なお、本実施形態では、互いに隣接するボックスカルバート1が上述した手順で連結された状態で、ボックスカルバート1間の距離が略一定の所定距離になるようにしている。また、ボックスカルバート1の端面にEPDMスポンジゴム等の図示しない水密部材を貼付し、互いに隣接するボックスカルバート1が上述した手順で連結された際にこの水密部材が圧縮され、ボックスカルバート間のジョイント部の水密性を確保するようにしている。前記水密部材としては、上述したEPDMスポンジゴムの他に、ブチルゴムや水膨張ゴムなどが考えられる。
【0025】
以上に述べたように、本実施形態では、互いに対向するアンボンドPC鋼棒2を、第2のナット31、カップラープラグ32、及びソケット33を備えた接続機構3を介して接続しているとともに、第2のナット31とソケット33とが係合する相対位置を可変に構成し、これらアンボンドPC鋼棒2の中心軸が略一直線上でない状態であってもこれら2本のアンボンドPC鋼棒2を接続可能にしている。従って、例えばこれら2本のアンボンドPC鋼棒2の一方が図3における想像線に示す位置にある場合等、これら2本のアンボンドPC鋼棒2が略平行かつ中心軸が略一直線上でない状態に有効に対処できる。そして、互いに対向するアンボンドPC鋼材2の位置がずれていても互いに接続できるので、特に本実施形態のように長尺のボックスカルバート1を用いて管渠を形成する場合には、アンボンドPC鋼材2の埋設位置の許容誤差を大きくとることができ、ボックスカルバート1の製造が容易になることからコストの低減を図ることができる。
【0026】
また、第2のナット31とソケット33との間に長円形をなす貫通孔9aを有するワッシャー9を介在させているので、アンボンドPC鋼棒2の位置がずれていても前記貫通孔9aを貫通させ、第2のナット31とソケット33とを係合させることができ、アンボンドPC鋼棒2の位置のずれに有効に対処できる。さらに、前記貫通孔9aの短径d3はアンボンドPC鋼棒2の直径d0と略同一でよいのでワッシャー9がソケット33に当接する面積を大きくでき、これら第2のナット31とソケット33とを安定して係合させることができる。
【0027】
さらに、カップラープラグ32の外面に雄ねじ部32aを形成してソケット33の雌ねじ部33xに螺着するようにしているので、前記カップラープラグ32を第2のナット31に対してねじ作用により進退させて、これらカップラープラグ32と第2のナット31の距離を変更することにより、前記ボックスカルバート1の位置決めを簡単に行うことができる。
【0028】
そして、前記カップラープラグ32の雌ねじ穴32xの深さを前記アンボンドPC鋼棒2を定着させるために十分な深さとしているとともに、このカップラープラグ32の外面に前記雌ねじ穴32xのピッチと異なるピッチを有する雄ねじ部32aを形成してソケット33に螺着するようにしているので、この雌ねじ穴32xを前記アンボンドPC鋼棒2の雄ねじ部2aに螺着してからカップラープラグ32をソケット33に螺着することにより、供回りを防ぎつつ互いに対向するアンボンドPC鋼棒2の連結を安全に行うことができる。
【0029】
次に、本発明の第2実施形態について述べる。なお、上述した第1実施形態に対応する箇所等には、同一の名称及び符号を付している。
【0030】
本実施形態においても、コンクリート製品たるボックスカルバート1を連結して、管渠を形成するようにしている。このボックスカルバート1は、前記図1及び図2に示す上述した第1実施形態に係るボックスカルバート1と同様に構成されているので、詳細な説明は省略する。また、本実施形態においても第1実施形態と同様に、アンボンドPC鋼棒2をボックスカルバート1に埋設していて、アンボンドPC鋼棒2の両端部をそれぞれボックスカルバート1に設けた前記凹部1aに位置させているとともに、アンボンドPC鋼棒2の両端部に雄ねじ部2aを形成し、アンボンドPC鋼棒2の一端部を、前記雄ねじ部2aに螺着した定着部材である第1のナットNを介してボックスカルバート1に定着している。なお、前記第1のナットNは、本実施形態では六角ナットとして周知の形状のものである。
【0031】
そして、前記ボックスカルバート1に定着された前記アンボンドPC鋼棒2と、隣接するボックスカルバート1に埋設され、このアンボンドPC鋼棒2に対向するアンボンドPC鋼棒2とを接続機構4を介して互いに接続することにより隣接するボックスカルバート1同士が連結されて管渠を形成するようにしている。
【0032】
具体的には、ボックスカルバート1を連結した際の第1実施形態における図3に相当する図である図7に示すように、前記接続機構4は、前記ボックスカルバート1に定着された前記アンボンドPC鋼棒2の雄ねじ部2aに螺着する第1の締着材たる第2のナット41と、このアンボンドPC鋼棒2に対向するアンボンドPC鋼棒2の雄ねじ部2aに螺着する第2の締着材たるカップラープラグ42と、前記第2のナット41に係合するとともにこれらアンボンドPC鋼棒2を引き合うように接続する接続部材43とを備えている。前記接続部材43はさらに、前記カップラープラグ42に螺着されるソケット44と、このソケット44に螺着されるとともに前記第2のナット41に係合する係合部材45とで構成される。
【0033】
前記第2のナット41は、六角ナットとして周知の形状のものである。
【0034】
前記カップラープラグ42は、図8の(a)に正面図、(b)に側面図をそれぞれ示すように、略円筒状をなす部材であり、前記アンボンドPC鋼棒2の雄ねじ部2aと螺合する雌ねじ孔42xを有するとともに、その外面に雄ねじ部42aを設けていて、この雄ねじ部42aをソケット44に形成した後述する雌ねじ部44xに螺着するようにしている。なお、前記雄ねじ部42aのピッチは、前記アンボンドPC鋼棒2の雄ねじ部2aのピッチと異なるものにしている。
【0035】
一方、ソケット44は、図9の(a)に正面図、(b)に一部破断側面図をそれぞれ示すように、略円筒状をなし、内周に雌ねじ部44xを形成している。このソケット44の一端部には、前記係合部材45を螺着するようにしている。
【0036】
前記係合部材45は、図10の(a)に正面図、(b)に側面図をそれぞれ示すように、外面に雄ねじ部45aを有し、ソケット44の雌ねじ部44xに螺着するようにしているとともに、この係合部材45には、アンボンドPC鋼棒2の直径d0よりも大きな径d4を有する鋼材挿通口たる鋼棒挿通口45xを形成している。なお、PC鋼棒挿通口45xの径d4としては、例えばアンボンドPC鋼棒2の直径d0の1.5倍以上が望ましい。
【0037】
しかして本実施形態では、第2のナット41と接続部材43との係合位置を可変に構成している。具体的には、前記接続部材43を構成する係合部材45と第2のナット42との間に、上述した第1実施形態で用いたものと同様の長円形の貫通孔9aを有するワッシャー9を介在させている。すなわち、一方の前記アンボンドPC鋼棒2が、例えば図7の想像線の位置にあっても、接続機構4により、このアンボンドPC鋼棒2と対向するアンボンドPC鋼棒2とが接続可能である。
【0038】
このようなボックスカルバート1を連結して管渠を形成する手順を以下に述べる。まず、所定位置に敷設された一方のボックスカルバート1に埋設したアンボンドPC鋼棒2に第1のナットNを取り付ける。次いで、そのアンボンドPC鋼棒2を緊張し、第1のナットNを締め付けて前記凹部1aの底面に係合させ、このアンボンドPC鋼棒2を前記ボックスカルバート1に定着する。それから、前記アンボンドPC鋼棒2を係合部材45、ソケット44、及びワッシャー9に挿通し、第2のナット41を前記アンボンドPC鋼棒2に螺着する。次いで、他方のボックスカルバート1に埋設したアンボンドPC鋼棒2に、カップラープラグ42を螺着する。それから、係合部材45をソケット44に螺着するとともに、係合部材45とワッシャー9と第2のナット41とを前記第1のナットNから離間した位置において係合させる。そして、カップラープラグ42を前記ソケット44に十分な深さまで螺合させる。具体的には、カップラープラグ42の雄ねじ部42aの略全域をソケットの雌ねじ部44xに螺合させる。以上に述べた操作を順次繰り返して、ボックスカルバート1を順次連結していくことにより管渠を形成する。なお、本実施形態でも、上述した第1実施形態と同様に、図示しない水密部材を端面に貼付し、ボックスカルバート間のジョイント部の水密性を確保するようにしている。
【0039】
以上に述べたように、本実施形態においては、接続部材43をソケット44と係合部材45とで構成し、ソケット44の一端部に、外面に雄ねじ部45aを有する係合部材45を、ソケット44の内周に設けた雌ねじ部44xを介してソケット44に螺着するようにしているので、アンボンドPC鋼棒2の長手方向位置の調整をさらに容易に行うことができる。そして、このことと、この係合部材45の雄ねじ部45a、及び前記カップラープラグ42の雄ねじ部42aのピッチを前記アンボンドPC鋼棒2の雄ねじ部2aのピッチと異なるものとしているとともに、前記係合部材45をソケット44に螺着してから前記カップラープラグ42をソケット44に螺着するようにしていることにより、供回りを防ぎつつ互いに対向するアンボンドPC鋼棒2の連結を安全に行うことができる。
【0040】
さらに、本実施形態においても、互いに対向するアンボンドPC鋼棒2を第2のナット41、カップラープラグ42、及び接続部材43を備えた接続機構4を介して接続しているとともに、第2のナット41と接続部材43との係合位置、具体的には第2のナット41と係合部材45との係合位置を可変に構成しているので、上述した第1実施形態におけるものと同様に、例えばこれら2本のアンボンドPC鋼棒2の一方が図7における想像線に示す位置にある場合等、これら2本のアンボンドPC鋼棒2が略平行かつ中心軸が略一直線上でない状態であってもこれら2本のアンボンドPC鋼棒2を確実に接続できる。
【0041】
次に、本発明の第3実施形態について述べる。なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態に対応する箇所等には、同一の名称及び符号を付している。
【0042】
本実施形態においても、コンクリート製品たるボックスカルバート1を連結して、管渠を形成するようにしている。このボックスカルバート1は、前記図1及び図2に示す上述した第1実施形態に係るボックスカルバート1と同様に構成されているので、詳細な説明は省略する。また、本実施形態においても第1実施形態と同様に、アンボンドPC鋼棒2をボックスカルバート1に埋設していて、アンボンドPC鋼棒2の両端部をそれぞれボックスカルバート1に設けた前記凹部1aに位置させているとともに、アンボンドPC鋼棒2の両端部に雄ねじ部2aを形成し、アンボンドPC鋼棒2の一端部を、前記雄ねじ部2aに螺着した定着部材である第1のナットNを介してボックスカルバート1に定着している。なお、前記第1のナットNは、本実施形態では六角ナットとして周知の形状のものである。
【0043】
そして、前記ボックスカルバート1に定着された前記アンボンドPC鋼棒2と、隣接するボックスカルバート1に埋設され、このアンボンドPC鋼棒2に対向するアンボンドPC鋼棒2とを接続機構5を介して互いに接続することにより隣接するボックスカルバート1同士が連結されて管渠を形成するようにしている。
【0044】
具体的には、ボックスカルバート1を連結した際の第1実施形態における図3に相当する図である図11に示すように、前記接続機構5は、前記ボックスカルバート1に定着された前記アンボンドPC鋼棒2の雄ねじ部2aに螺着する第1の締着材たる第2のナット51と、このアンボンドPC鋼棒2に対向するアンボンドPC鋼棒2の雄ねじ部2aに螺着する第2の締着材たる第3のナット52と、前記第2のナット51及び第3のナット52に係合するとともにこれらアンボンドPC鋼棒2を引き合うように接続する接続部材たるカップラー53とを備えている。
【0045】
しかして、前記カップラー53は、図12の(a)に正面図、(b)に側面図をそれぞれ示すように、長手方向両端部に位置し、前記アンボンドPC鋼棒2を挿入可能な切り欠き53aを設けた円盤状をなす係合部531と、これら係合部531を接続する1対の接続部532とを有し、全体としては接続部532間が開口した略円筒状をなす。この切り欠き53aは、カップラー53の長手方向に垂直に延伸して設けている。そして、前記第2のナット51及び第3のナット52が上述した第1実施形態で用いたものと同様のワッシャー9を介してこの切り欠き53aの開口縁部に当接するようにしている。すなわち、一方の前記アンボンドPC鋼棒2が、例えば図11の想像線の位置にあっても、接続機構5によりこのアンボンドPC鋼棒2と対向するアンボンドPC鋼棒2とを接続することが可能である。
【0046】
このようなボックスカルバート1を連結して管渠を形成する手順を以下に述べる。まず、所定位置に敷設された一方のボックスカルバート1に埋設したアンボンドPC鋼棒2に第1のナットNを取り付ける。次いで、アンボンドPC鋼棒2を緊張し、第1のナットNを締め付けて前記凹部1aの底面に係合させ、このアンボンドPC鋼棒2を前記ボックスカルバート1に定着する。それから、前記アンボンドPC鋼棒2をカップラー53及びワッシャー9に挿通し、第2のナット51を前記アンボンドPC鋼棒2に螺着する。次いで、他方のボックスカルバート1に埋設したアンボンドPC鋼棒2を、ワッシャー9に挿通し、第3のナット52を螺着する。それから、前記第2のナット52及び前記第3のナット53を、ねじ作用によりアンボンドPC鋼棒2に沿って進退させ、それらの間の距離をカップラー53の内寸に略一致させる。そして、カップラー53の前記切り欠き53aをアンボンドPC鋼棒2に差し込み、前記第2のナット51と前記第3のナット52との一方又は両方をねじ作用によりアンボンドPC鋼棒2に沿って進退させてカップラー53に係合させる。以上に述べた操作を順次繰り返して、ボックスカルバートを順次連結していくことにより管渠を形成する。なお、本実施形態でも、上述した第1実施形態と同様に、図示しない水密部材を端面に貼付し、ボックスカルバート間のジョイント部の水密性を確保するようにしている。
【0047】
以上に述べたように、本実施形態においては、カップラー53の長手方向両端部に、アンボンドPC鋼棒2を挿入可能な切り欠き53aを設けているので、上述したように前記切り欠き53aをアンボンドPC鋼棒2に差し込みカップラー53を取り付けることができ、このカップラー53を簡単に取り付けることができる。すなわち、アンボンドPC鋼棒2を接続する作業を簡単に行うことができる。また、第2及び第3のナット51、52の取り付けを前記カップラー53の取り付けの前に行うので、これらナット51、52の移動が簡単であり、この点からもアンボンドPC鋼棒2を接続する作業を簡単に行うことができる。さらに、前記カップラー53は、接続部532間が開口しているので、この開口から第2及び第3のナット51、52と前記カップラー53との係合状態を確認でき、アンボンドPC鋼棒2を接続する作業の安全性の向上を図ることができる。
【0048】
また、本実施形態においても、アンボンドPC鋼棒2を第2のナット51、第3のナット52、及びカップラー53を備えた接続機構5を介して接続しているとともに、第2のナット51及び第3のナット52とカップラー53との係合位置を可変に構成しているので、上述した第1実施形態におけるものと同様に、例えばこれら2本のアンボンドPC鋼棒2の一方が図7における想像線に示す位置にある場合等、これら2本のアンボンドPC鋼棒2が略平行かつ中心軸が略一直線上でない状態であってもこれら2本のアンボンドPC鋼棒2を確実に接続できる。
【0049】
なお、本発明は以上に述べたような実施形態に限られない。
【0050】
例えば、前記第3実施形態の変形として、図13の(a)に正面図、(b)に側面図をそれぞれ示すような対向する2面を開放させた直方体状をなすカップラー54を用いるものが考えられる。このカップラー54には、ボックスカルバート1の凹部1aの底面に向かう2面に、直径をアンボンドPC鋼棒2の直径よりも大きくしているとともに、このアンボンドPC鋼棒2を挿通させる鋼棒貫通孔54aを設けている。そして、前記鋼棒貫通孔54aを設けた2面に、ワッシャー9を介して第2のナット51及び第3のナット52を係合させるようにしている。このようなものであっても、ワッシャー9を介してカップラー54に第2のナット51及び第3のナット52を係合させているので、カップラー54と第2のナット51及び第3のナット52とが係合する相対位置はいずれも可変であり、従ってアンボンドPC鋼棒2の位置のずれに対応することができる。すなわち、一方の前記アンボンドPC鋼棒2が、例えば図11の想像線の位置にある場合等、互いに対向する2本のアンボンドPC鋼棒2が略平行かつ中心軸が略一直線上でない状態であっても、これら2本のアンボンドPC鋼棒2を確実に接続できる。さらに、対向する2面を開放させているので、開放部分から第2及び第3のナット51、52と前記カップラー54との係合状態を確認でき、アンボンドPC鋼棒2を接続する作業の安全性の向上を図ることができる。そして、カップラー54は直方体状をなすので、このようなカップラー54の製造を簡単に行うことができる。
【0051】
また、前記第3実施形態の他の変形として、前記図11に相当する部分の図を図14に示すように、第2のナット51を省略する替わりに、カップラー53の一端部に雌ねじ部53xを設け、アンボンドPC鋼棒2の雄ねじ部2aに螺合させる形態も考えられる。このような構成であっても、カップラー53の雌ねじ部53xが第2のナット51又は第3のナット52と同様に作用して、同様の効果を得ることができる。
【0052】
一方、前記第3実施形態のさらに他の変形として、前記第2のナット51のカップラー53に向かう面を球面状に構成するとともに、この第2のナット51とカップラー53との間に、前記第2のナット51に係合する面を球面状に構成してこれら第2のナット51及びカップラー53に係合可能な座金を介在させる態様も考えられる。このようなものであれば、このカップラー53を介して接続する2本のアンボンドPC鋼棒2の軸が平行でない場合であっても、効果的にこれら2本のアンボンドPC鋼棒2を接続できるようになる。
【0053】
加えて、前記第3実施形態のさらに他の変形として、第2のナット及び第3のナットの少なくとも一方を、カップラーの内側の面に略密着可能な形状に形成してもよい。例えば、図15に示すように、アンボンドPC鋼棒2の延伸方向に沿って延びる細長い直方体状をなすとともに、アンボンドPC鋼棒2の延伸方向に沿って延びる1対の面を接続部とし、他の1対の面のうち一方を完全に開口させ、他方の面の中央部をさらに開口させた形状にカップラー153を形成する場合、第2のナットN1及び第3のナットN2の少なくとも一方をその一辺の長さ寸法が前記カップラー153の接続部間の寸法に略一致する直方体状又は立方体状に形成するとよい。この場合、第2のナットN1及び第3のナットN2とアンボンドPC鋼棒2とがカップラー153から抜け落ちないように、コ字形に折り曲げられた線材の両端をアンボンドPC鋼棒2に係合し得るようにほぼ環状にした留め具SpでアンボンドPC鋼棒2をカップラー153内側に向けて引きつけるようにするものが好ましい。このようなものであれば、第2のナットN1及び第3のナットN2の少なくとも一方をカップラー153の内側の面に略密着させることにより、前記ナットN1、N2とカップラー153との間に作用する摩擦力及び留め具Spとカップラー153との係合力がアンボンドPC鋼棒2の移動を禁止するように作用し、カップラー153がアンボンドPC鋼棒2から外れる不具合の発生をより有効に抑えることができる。なお、上述の留め具Spは、第3実施形態において使用してもよい。この場合に、カップラー53の係合部531の裏面側に、留め具Spを係合させる溝G(図12の(a)に、想像線により示す)を形成しておき、留め具Spの脱落を防ぐようにすればよい。
【0054】
さらに、上述した第1〜第3実施形態においては、第1のナットNをコンクリート製品たるボックスカルバート1に設けた凹部1aの底面に当接させてアンボンドPC鋼棒2をボックスカルバート1に定着するようにしているが、前記凹部1aの底面に当接可能な当接面を有する定着部材をアンボンドPC鋼棒2に固定して設ける態様も考えられる。
【0055】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変形してよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、互いに対向するアンボンドPC鋼材の軸線が略一致しない場合であっても該アンボンドPC鋼材間の接続が可能にこれらアンボンドPC鋼材を接続する接続機構を構成しているので、コンクリート製品を連結する際に、互いに対向するアンボンドPC鋼材が平行かつこれらのアンボンドPC鋼材の軸線が同軸でなくずれている場合等であっても有効に対処することができるようになる。すなわち、互いに対向するアンボンドPC鋼材の位置がずれていても互いに接続できるので、特に長尺のコンクリート製品を用いて管渠を形成する場合には、アンボンドPC鋼材の埋設位置の許容誤差を大きくとることができるようになり、コンクリート製品の製造が容易になりコストの低減を図ることができるようになる。そして、締着材と接続部材との間に長円状の貫通孔を有するワッシャーを介在させているので、ワッシャーの貫通孔の面積を、アンボンドPC鋼棒を前記ワッシャーの貫通孔内に位置させうる最低限だけ確保すればよくなり、ワッシャーが接続部材と当接する面積を大きくでき、これらを安定して係合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るボックスカルバートの正面図。
【図2】同実施形態に係るボックスカルバートの側面図。
【図3】同実施形態に係るボックスカルバートを連結した際の図1におけるa−a断面図。
【図4】同実施形態に係るカップラープラグの正面図、側面図、及び中央側断面図。
【図5】同実施形態に係るソケットの正面図及び一部破断側面図。
【図6】同実施形態に係るワッシャーを示す図。
【図7】本発明の第2実施形態に係るボックスカルバートの連結部近傍を示す図。
【図8】同実施形態に係るカップラープラグの正面図及び側面図。
【図9】同実施形態に係るソケットの正面図及び一部破断側面図。
【図10】同実施形態に係る係合部材の正面図及び側面図。
【図11】本発明の第3実施形態に係るボックスカルバートの連結部近傍を示す図。
【図12】同実施形態に係るカップラーの正面図及び側面図。
【図13】本発明の他の実施態様に係るカップラーの正面図及び側面図。
【図14】本発明の他の実施態様に係るボックスカルバートの連結部近傍を示す図。
【図15】本発明の第3実施形態の変形例におけるカップラー近傍を示す図。
【符号の説明】
1…ボックスカルバート
2…アンボンドPC鋼棒
3、4、5…接続機構
31、41、51…第2のナット(第1の締着材)
32、42…カップラープラグ(第2の締着材)
52…第3のナット(第2の締着材)
33…ソケット(接続部材)
43…接続部材
44…ソケット
45…係合部材
53、54…カップラー(接続部材)
9…ワッシャー

Claims (8)

  1. コンクリート製品に埋設され、該コンクリート製品に定着されたアンボンドPC鋼材と、該コンクリート製品に隣接して配置された他のコンクリート製品に埋設され、前記アンボンドPC鋼材に対向するアンボンドPC鋼材とを接続機構を介して接続することによりこれらコンクリート製品を連結するようにしているものであって、
    前記接続機構を、これら対向するアンボンドPC鋼材の軸線が一致しない場合であっても該アンボンドPC鋼材間の接続を可能なものに構成し
    前記アンボンドPC鋼材が両端部に雄ねじ部を有するとともに、
    前記接続機構が、前記コンクリート製品に定着されたアンボンドPC鋼材の雄ねじ部に螺着した第1の締着材と、定着されたアンボンドPC鋼材に対向するアンボンドPC鋼材の雄ねじ部に螺着した第2の締着材と、前記第1の締着材と第2の締着材との少なくとも一方に係合するとともに対向するアンボンドPC鋼材を引き合うように接続する接続部材とを有し、前記接続部材と前記第1又は第2の締着材のうち少なくとも一方とが係合する相対位置を可変に構成し、
    前記接続部材に、前記アンボンドPC鋼材の径より大きな径を有し前記アンボンドPC鋼材を挿通させる鋼材挿通口を設けているとともに、前記第1又は第2の締着材のうち少なくとも一方と前記接続部材との間に長円状の貫通孔を有するワッシャーを介在させていることを特徴とするコンクリート製品の連結構造。
  2. 前記接続部材が、その内部に雌ねじ部を形成しているソケットと、前記ソケットの一端部に螺着可能であるとともに前記アンボンドPC鋼材の径よりも大きな内径の鋼材挿通孔を有し前記締着材に係合する係合部材とを具備することを特徴とする請求項記載のコンクリート製品の連結構造。
  3. 前記締着材のうち一方の外面に雄ねじ部を形成しているとともに、この締着材の雄ねじ部を前記接続部材の一端部に形成した雌ねじ部に螺着するようにしていることを特徴とする請求項又は記載のコンクリート製品の連結構造。
  4. コンクリート製品に埋設され、該コンクリート製品に定着されたアンボンドPC鋼材と、該コンクリート製品に隣接して配置された他のコンクリート製品に埋設され、前記アンボンドPC鋼材に対向するアンボンドPC鋼材とを接続機構を介して接続することによりこれらコンクリート製品を連結するようにしているものであって、
    前記接続機構を、これら対向するアンボンドPC鋼材の軸線が一致しない場合であっても該アンボンドPC鋼材間の接続を可能なものに構成し、
    前記アンボンドPC鋼材が両端部に雄ねじ部を有するとともに、
    前記接続機構が、前記コンクリート製品に定着されたアンボンドPC鋼材の雄ねじ部と、定着されたアンボンドPC鋼材に対向するアンボンドPC鋼材の雄ねじ部とのいずれか一方に螺着した締着材と、他方の雄ねじ部に螺着するとともに前記締着材に係合して対向するアンボンドPC鋼材を引き合うように接続する接続部材とを有し、前記接続部材と前記締着材のうち少なくとも一方とが係合する相対位置を可変に構成し
    前記接続部材に、前記アンボンドPC鋼材の径より大きな径を有し前記アンボンドPC鋼材を挿通させる鋼材挿通口を設けているとともに、前記締着材と前記接続部材との間に長円状の貫通孔を有するワッシャーを介在させていることを特徴とするコンクリート製品の連結構造。
  5. 前記接続部材に前記アンボンドPC鋼材を挿入可能な切り欠きを設けているとともに、前記締着材がこの切り欠きの開口縁部に当接するようにしていることを特徴とする請求項1、2、3又は記載のコンクリート製品の連結構造。
  6. 前記ワッシャーの貫通孔の短径を、前記アンボンドPC鋼材の径に略等しく設定していることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のコンクリート製品の連結構造。
  7. アンボンドPC鋼材を予めコンクリート製品に埋設して該コンクリート製品に定着し、該コンクリート製品に隣接して配置される他のコンクリート製品に予め埋設された他のアンボンドPC鋼材を前記アンボンドPC鋼材に対向させて位置させ、これらアンボンドPC鋼材を接続することによりこれらコンクリート製品を連結するようにしているものであって、
    互いに対向するアンボンドPC鋼材それぞれの両端部に雄ねじ部を形成し、前記コンクリート製品に定着されたアンボンドPC鋼材の雄ねじ部に第1の締着材を螺着し、定着されたアンボンドPC鋼材に対向するアンボンドPC鋼材の雄ねじ部に第2の締着材を螺着し、前記第1の締着材と第2の締着材との少なくとも一方に接続部材を係合させ、この接続部材を介してこれら互いに対向するアンボンドPC鋼材を引き合うように接続するとともに、前記接続部材と前記第1又は第2の締着材のうち少なくとも一方とが係合する相対位置を可変にし
    前記接続部材に、前記アンボンドPC鋼材の径より大きな径を有し前記アンボンドPC鋼材を挿通させる鋼材挿通口を設けるとともに、前記締着材と前記接続部材との間に長円状の貫通孔を有するワッシャーを介在させていることを特徴とするコンクリート製品の連結方法。
  8. アンボンドPC鋼材を予めコンクリート製品に埋設して該コンクリート製品に定着し、該コンクリート製品に隣接して配置される他のコンクリート製品に予め埋設された他のアンボンドPC鋼材を前記アンボンドPC鋼材に対向させて位置させ、これらアンボンドPC鋼材を接続することによりこれらコンクリート製品を連結するようにしているものであって、
    互いに対向するアンボンドPC鋼材それぞれの両端部に雄ねじ部を形成し、前記コンクリート製品に定着されたアンボンドPC鋼材又は定着されたアンボンドPC鋼材に対向するアンボンドPC鋼材の雄ねじ部のいずれか一方に締着材を螺着し、他方のアンボンドPC鋼材の雄ねじ部に接続部材を螺着させ、前記接続部材を前記締着材に係合させ、これら対向するアンボンドPC鋼材を互いに引き合うように前記接続部材を介して接続するとともに、前記接続部材と前記締着材とが係合する相対位置を可変にし
    前記接続部材に、前記アンボンドPC鋼材の径より大きな径を有し前記アンボンドPC鋼材を挿通させる鋼材挿通口を設けるとともに、前記締着材と前記接続部材との間に長円状の貫通孔を有するワッシャーを介在させていることを特徴とするコンクリート製品の連結方法。
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