JP3763194B2 - 溶接部品の機械加工装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のトーションビーム等のような溶接により組み立てられた部品(以下溶接部品)に対して機械加工を施す機械加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、溶接部品には、完成品や半完成品など種々の形式のものがある。例えば、自動車のサスペンションに使用されているトーションビームは、長尺なビーム本体部の軸端に、当該ビーム本体部の軸線周りに所定の捩じれ角度を持って端板を取り付けた半完成品の溶接部品をつくり、この溶接部品の端板に対しては種々の機械加工を施した後に、最終的には、スピンドルや連結アーム等を取り付けることにより完成品としている。
【0003】
この機械加工を行なう場合において、溶接部品の粗材面を基準にして加工すると、精度上問題があることから、従来では、まず、初工程にて基準面を機械加工し、次工程にて、この加工した面を基準にして機械加工を施こしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような工法では、初工程用の端面仕上げ加工治具と次工程で使用される加工治具という2種類の加工治具が必要となり、設備的にコストが掛り、スペース的にも不利となっている。
【0005】
また、前記トーションビームのように、長尺なビーム本体部の軸端に所定の捩じれ角度を持って端板を取り付けた溶接部品に機械加工を施こす場合には、ビーム本体部に開設された中心孔をロケートホールとして利用し、ここにロケートピンを挿入して、ビーム本体部の長手軸線方向の位置決めした後に、前記端板をシートブロックに当ててクランプしているが、このようにすると、前記ロケートピンが抵抗となって端板がシートブロックに完全に密着せず、支持が不十分となる虞れもある。
【0006】
本発明は、上記した従来技術のもつ課題を解決するためになされたものであり、1種類の加工治具を使用することにより種々の機械加工を施すことができ、設備コスト的にもスペース的にも問題がなく、また支持が確実な溶接部品の機械加工装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記する手段により達成される。
(1) 長尺な本体部の軸端に端板が取り付けられた溶接部品が支持板上に支持された状態で、前記本体部の所定位置に開設された孔にロケートピンを押し込み、前記本体部の長手軸線(X軸)方向位置を位置決めする第1クランプ手段と、前記端板の外周面を保持する第2クランプ手段とを有し、当該第2クランプ手段によりクランプした状態で前記端板に機械加工を施すようにした機械加工装置において、前記第1クランプ手段は、前記孔にロケートピンが入り込み前記X軸方向の位置決めを行なった後に、前記第2クランプ手段による前記端板の保持により、前記X軸に対してそれぞれ直交する関係のY軸及びZ軸方向の位置がフレキシブルな支持構造となる保持機構により前記ロケートピンを保持するともに当該第1クランプ手段全体がX軸と同方向に伸延する固定軸の周りで角度変位し得るように構成したことを特徴とする溶接部品の機械加工装置。
【0008】
(2) 前記第1クランプ手段は、前記ロケートピンを前記Y軸方向のみ移動変位し得るようにした1軸ガイド機構及びこの1軸ガイド機構の軸方向変位を規制するように弾性支持する弾性支持部材を備えたY軸保持機構と、当該Y軸保持機構をZ軸方向のみ移動変位し得るようにした1軸ガイド機構及びこの1軸ガイド機構の軸方向変位を規制するように弾性支持する弾性支持部材を備えたZ軸保持機構とを有することを特徴とする溶接部品の機械加工装置。
【0009】
(3) 前記第1クランプ手段は、前記ロケートピン、Y軸保持機構及びZ軸保持機構をこの順序で積み重ねるように組み付け、前記Z軸保持機構を前記固定軸の周りで回動し得る回動板に連結したことを特徴とする溶接部品の機械加工装置。
【0010】
(4) 前記第2クランプ手段は、前記端板の外周面の角部を2方向から当該端板の外形形状に沿って支持するシートブロックと、当該シートブロックの一面に向かって端板を加圧する第1加圧部材と前記シートブロックの他面に向かって端板を押し付けるように回動して加圧する第2加圧部材とから構成したことを特徴とする溶接部品の機械加工装置。
【0011】
(5) 前記端板は、前記長尺な本体部の軸端に、当該本体部の長手軸線(X軸)周りに所定の捩じれ角度を持って溶接により取り付けられたことを特徴とする溶接部品の機械加工装置。
【0012】
(6) 前記端板は、ファインブランキングにより打ち抜き成形したことを特徴とする溶接部品の機械加工装置。
【0013】
(7) 前記第2クランプ手段は、前記端板に取り付けられた前記本体部側の端面に当接しこれを保持する背面支持部材を有することを特徴とする溶接部品の機械加工装置。
【0014】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明は、溶接部品の孔と端板との位置関係にずれがあれば、本体部の孔にロケートピンを入れ、X軸方向の位置決めを行なった後に、第2クランプ手段により端板を加圧保持したとき、この加圧力により溶接部品全体が変位するが、Y軸及びZ軸方向の位置がフレキシブルな支持構造としかつ軸線の周りで角度変位し得るように構成した第1クランプ手段では、前記変位のみでなく角度変位までも吸収することができ、前記溶接部品の支持が確実になる。また、この支持の確実化により、複数種類の加工治具を使用しなくても1つのみで所望の機械加工が可能となり、設備コスト的にもスペース的にも有利となる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、第1クランプ手段のY軸保持機構及びZ軸保持機構に1軸ガイド機構と弾性支持部材を設けたので、確実にY,Z軸方向移動を許容しつつ、終端では弾性的に保持されるフレキシブルな支持となり、第1クランプ手段で位置決めした後に、第2クランプ手段でクランプしたときの第1クランプ手段での位置決めに生じるずれ等の悪影響を吸収しやすく、溶接部品の支持がより確実なものとなる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、ロケートピン、Y軸保持機構及びZ軸保持機構を積み重ね構造とし、このZ軸保持機構を回動板に連結したので、装置の組み付け性に優れ、角度的なずれの吸収が容易となる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、第2クランプ手段に端板の角部を支持するシートブロックを使用すれば、端板を角に押し付けて固定するようになるので、支持が容易で確実なものとなり、しかもずれを押し付けにより簡単に矯正できる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、本体部の軸端に軸線に対し所定の捩じれ角度を持って取り付けられた端板を有する溶接部品の場合には、溶接作業時の角度的なずれを一層有効に吸収できる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、端板をファインブランキングにより打ち抜き成形したものを使用すれば、端板の端面を利用して位置決めができ、前記加工治具の数を低減でき、設備コスト的にもスペース的にも極めて有利となる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、第2クランプ手段に、端板の加工する側と反対側の端面を支持する部材を設けると、端面の機械加工を安定して行なうことができ、加工精度も向上する。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明に係る溶接部品の機械加工装置により加工されるワークピースの正面図、図2は同ワークピースの平面図、図3は同ワークピースの端板の正面図、図4は本発明に係る溶接部品の機械加工装置の実施の形態を示す概略正面図、図5は同実施の形態の平面図、図6は同実施の形態の第1クランプ手段を示す要部断面図、図7は第2クランプ手段を示す要部断面図、図8は図7の8−8線に沿う断面図である。
【0022】
まず、本実施の形態に係る機械加工装置により加工されるワークピースについて説明する。このワークピースは、例えば、自動車のサスペンションに使用されているトーションビームの半完成品であり、図1〜3に示すように、長尺なビーム本体部1の軸端に、当該ビーム本体部1の長手軸線(X軸)周りに所定の捩じれ角度θを持って端板2を溶接により取り付けた溶接部品Wである。
【0023】
前記機械加工装置は、この溶接部品Wの端板2に対して種々の機械加工を施した後に、最終的には、図1,2に2点鎖線で示すようなスピンドル3や連結アーム4等を取り付けることにより完成品としている。
【0024】
ここに、種々施こされる機械加工とは、例えば、端板2の表面2aあるいは裏面2bのミーリング、ABS取り付け面のミーリング、種々の孔加工、タップ、リーマであるが、ここでは孔径の測定等も含む意味で用いる。
【0025】
このような機械加工を施す本実施の形態に係る機械加工装置について概説すれば、当該装置は、図4,5に示すように、手動により搬入された溶接部品Wを支持板S上に支持した状態で、流体圧手段10aにより進退するトランスファーロッド10bを備えた搬送機構10により加工位置まで送り込み、第1クランプ手段11により前記X軸方向の位置決めをした後に、第2クランプ手段31によりクランプする。
【0026】
この場合、第2クランプ手段31のクランプ力が、溶接部品Wを介して第1クランプ手段11の位置決め状態に影響を与えるが、この影響を吸収することにより、溶接部品Wの確実な支持を確立する。そして、この溶接部品Wに対してマシニングセンター12により機械加工するようになっている。
【0027】
ただし、本実施の形態で使用される溶接部品Wの端板2は、ファインブランキングにより打ち抜き成形したものが使用されている。ファインブランキングとは、プレス等による打ち抜き成形の一種で、材料に十分な拘束を加えて打ち抜くので、寸法精度が良く、仕上げ面も良好で、湾曲やだれもなく、優れた端板2が得られる。
【0028】
このため、この端板2の外周面は、そのまま基準出しに利用することができる程、優れた仕上げ面になっていることから、前述した基準出しのための加工工程や加工治具は、不要となり、装置全体が簡素化され、コスト的に有利となる。また、機械加工の作業能率的にも、加工精度も優れたものとなる。
【0029】
さらに当該装置を具体的に説明する。この装置は、各端板2を機械加工するためのマシニングセンター12が基台13上に対向するように設置され、両マシニングセンター12間のセンターベッド14上に前記両クランプ手段11,31が設けられている。
【0030】
ただし、本発明は、各クランプ手段11,31の設置位置は、何等これに限定されるものではなく、両マシニングセンター12間であれば、どのような位置や部分に取り付けられたものであっても良い。
【0031】
前記第1クランプ手段11は、図6に示すように、ビーム本体部1の所定位置に開設された中心孔5に、先端が円錐状に尖ったロケートピン16を差し込み、前記X軸方向位置を位置決めするものである。
【0032】
前記ロケートピン16は、後端がロケートシリンダ17に連結され、このロケートシリンダ17の作動により前記中心孔5に向かって進退し得るようにスリーブ18内に支持されている。なお、このロケートピン16の前進端は、リミットスイッチL1 により、後退端は、リミットスイッチL2 により検知されるようになっている。
【0033】
このスリーブ18は、プレート19に取り付けられた、後述するY軸保持機構Hy の1軸ガイド機構Gに取り付けられ、ロケートピン16がスリーブ18内でX軸方向のみ移動し得るように構成されている。
【0034】
Y軸保持機構Hy は、前記ロケートピン16を支持している部分全体をY軸方向のみ僅かに移動変位し得るように保持するものである。つまり、Y軸保持機構Hy は、ロケートピン16を支持している部分全体のY軸方向変位のみを許容する1軸ガイド機構Gと、当該1軸ガイド機構Gを弾性的に保持するスプリングプランジャ22と、このスプリングプランジャ22が立設された第1基板24とを有している。
【0035】
前記1軸ガイド機構Gは、前記スリーブ18を包むように設けられている。なお、この1軸ガイド機構Gは、公知に属するため詳述は避けるが、上体と下体とを有し、下体がY軸に沿って伸びる溝が両側面に形成されたレールであり、上体がこのレールを跨座するように設けられたブロックにより構成されたもので、このブロックの両側より突出された脚部が、レールの溝にボールを介して係合され、この上体側のブロックが下体側のレールの溝に沿ってY軸方向のみに移動変位し得るように構成されている。
【0036】
また、前記スプリングプランジャ22は、ばねによりプランジャが突出するように構成されたもので、1軸ガイド機構Gの前後端に設けられている。
【0037】
第1基板24は、固定軸Aを中心として回動するように設けられた回動板23に固着されたものであるが、この第1基板24上には前記スプリングプランジャ22とともに1軸ガイド機構Gの下体が取り付けられている。
【0038】
したがって、当該Y軸保持機構Hy は、前記ロケートピン16を支持している部分全体をY軸方向に僅かに移動変位できるように、Y軸方向にフレキシブルな支持構造であり、また、回動板23が回動すれば、第1基板24、Y軸保持機構Hy 等を介して前記ロケートピン16が角度変位することもできる。
【0039】
前記第1基板24の下位には、当該Y軸保持機構Hy をZ軸方向のみ移動変位し得るように保持するZ軸保持機構Hz が設けられている。
【0040】
このZ軸保持機構Hz は、前記第1基板24の下位に所定の隙間mを介して設けられかつ前記固定軸Aを中心として回動するように設けられた第2基板25と、この第2基板25に固着された横板26aを有しかつ当該横板26aの中央からZ軸方向に垂下された縦板26bも備えたT字板26と、前記同様の1軸ガイド機構Gと、前記第1基板24と横板26aとの間に設けられたスプリングプランジャ22とを有している。
【0041】
なお、この第1クランプ手段11全体の回動中心となる固定軸Aは、本質的に前記X軸以外のところに設定することが好ましい。
【0042】
このZ軸保持機構Hz では、前記T字板26がZ軸方向のみに移動変位し得るように構成されることになるが、この縦板26bの下端と前記第1基板24と横板26aとの間にもスプリングプランジャ22が設けられているので、これもZ軸方向にフレキシブルな支持構造である。
【0043】
このZ軸保持機構Hz の1軸ガイド機構Gの下体は、位置固定の支持板27に一側が固着されて保持されているが、この支持板27は、前記固定板19にピン等により取り付けられ、上端には、製品としては好ましくないほど位置ずれを起こすものによって当該装置が悪影響を受けないように、前記横板26aの変位を規制するストッパ28が設けられている。
【0044】
このようにロケートピン16、Y軸保持機構Hy 及びZ軸保持機構Hz を積み重ね構造としているので、積み重ね方式に装置を組み付けることができ、治具として組み付け性に優れたものとなる。また、Z軸保持機構Hz を回動板23に連結しているので、機能的には、角度的なずれまで容易に吸収できるものとなっている。
【0045】
次に、前記第2クランプ手段31は、図7,8に示すように、前記ファインブランキングにより形成された端板2の外周面2cをクランプするものであり、当該端板2の下端角部を2方向から当該端板の外形形状に沿って支持するように、位置固定に設けられたシートブロック32と、当該シートブロック32の一支持面32aに向かって端板2を加圧する第1加圧部材33と、前記シートブロック32の他の支持面32bに向かって端板2を押し付けるように回動して加圧する第2加圧部材34と、端板2の表面側端面2aを機械加工する場合に、端板2のビーム本体部側の端面2bに当接し、これを保持する背面支持部材35とを有している。
【0046】
ただし、この背面支持部材35は、端板2の表面側端面2aによっては、必ずしもミーリング加工しなくても良い場合もあるので、必ずしもなくてもよい。
【0047】
前記第1加圧部材33は、端板2の大きさにより先端位置を調節し得るようにピンPと長孔36が設けられ、モータにより回動されるカム等によりZ軸方向に進退し得るようになっている。
【0048】
第2加圧部材34は、モータを駆動源として進退するように構成されたロッド37により端板2を側面から加圧するようになっている。なお、背面支持部材35は、流体圧手段により進退するロッド38を有している。
【0049】
このように第2クランプ手段31において、端板2の角部を支持するように構成したシートブロック32を使用すれば、端板2を角に押し付けて固定するようになるので、支持が容易で確実となり、しかも第1クランプ手段11でクランプした時点で生じたY軸方向及びZ軸方向の「ずれ」を、前記押し付けて固定することにより矯正できる。
【0050】
次に、実施の形態の作用を説明する。
長尺なビーム本体部1の両軸端に、ファインブランキングにより形成された端板2を、当該ビーム本体部1の軸線に対し所定の捩じれ角θを持って溶接により取り付けた溶接部品Wを機械加工装置に手動により搬入する。
【0051】
この溶接部品Wは、支持板S上に支持されて搬送機構10により加工位置まで送り込まれ、まず、第1クランプ手段11により位置決めされた後に、第2クランプ手段31によりクランプされる。
【0052】
この第1クランプ手段11においては、ロケートシリンダ17の駆動によりロケートピン16が前進し、ビーム本体部1の中心孔5に先端の円錐状部分が入り込む。
【0053】
この場合、中心孔5の位置とロケートピン16が「ずれ」ているとき、つまり、X軸方向の「ずれ」は、ロケートピン16を中心孔5に押し込むときの力により溶接部品W全体が支持板S上で変位することになるため、簡単に吸収される。
なお、この時点ではY軸方向及びZ軸方向の「ずれ」は問題にならない。第1クランプ手段11は、第2クランプ手段31がクランプするための位置決めを行なうためのものであり、Y軸方向及びZ軸方向の「ずれ」は第2クランプ手段31がクランプする時点でシートブロック32等により矯正されることになるからである。
【0054】
また、第2クランプ手段31においては、ファインブランキングされた端板2の外周面2cが、モータにより駆動された第1加圧部材33と、モータ駆動されたロッド37により回動された第2加圧部材34とにより加圧され、シートブロック32の支持面32a,32bに押し付けられ、固定される。
【0055】
この場合、第2クランプ手段31の加圧力が、端板2及び長尺なビーム本体部1を介して第1クランプ手段11に伝わり、この第1クランプ手段11の位置決め状態に影響を及ぼすことになる。
【0056】
しかし、本実施の形態においては、Y軸保持機構Hy 及びZ軸保持機構Hz のフレキシブルな支持構造が、前記影響を確実に防止するかあるいは吸収することになる。
【0057】
つまり、例えば、第2クランプ手段31の加圧力がロケートピン16をY軸方向に変位させるような力が作用すれば、Y軸保持機構Hy の1軸ガイド機構Gが変位して、これを吸収する。
【0058】
また、第2クランプ手段31の加圧力がロケートピン16をZ軸方向に変位させるような力が作用すれば、Z軸保持機構Hz の1軸ガイド機構Gが変位して、これを吸収することになる。
【0059】
さらに、ロケートピン16をX軸の周りで回動させるような力が作用すれば、固定軸Aを中心として第1基板24が回動し、ロケートピン16と中心孔5との間でこじり等が生じることなく、力を吸収する。
【0060】
したがって、ロケートピン16をY軸及びZ軸方向にフレキシブルな支持構造としかつ軸線の周りで角度変位し得るようにすれば、第2クランプ手段31の加圧力にともなう「ずれ」や変位のみでなく、角度変位までも吸収することができるので、溶接部品Wの支持が確実になる。また、この支持の確実化により、複数種類の加工治具を使用しなくても1つのみで所望の機械加工が可能となり、設備コスト的にもスペース的にも有利となる。
【0061】
この結果、第2クランプ手段31によるクランプ力は、第1クランプ手段11に何等の影響を与えることはなく、溶接部品Wは確実に支持されることになる。そして、当該装置は、端板の表面あるいは裏面のミーリング、ABS取り付け面のミーリング、種々の孔加工、タップ、リーマ、孔径の測定等の機械加工を精度良く行なうことになる。
【0062】
さらに言えば、本実施の形態のフレキシブル構造は、第1クランプ手段11が位置決めする作用と、第2クランプ手段31がクランプした時点の加圧力で生じる第1クランプ手段11に対する影響の両者に有効に機能するものでもある。
【0063】
つまり、Y軸及びZ軸方向にフレキシブルな支持構造と、第1クランプ手段11全体が前記X軸の周りで回動し、角度位置も調節し得る機能とは、前記ビーム本体部1に開設された中心孔5にロケートピン16を差し込む時点では、これらが総じて有効に変位することになり、ロケートピン16が中心孔5に確実に入り込む手助けする機能を発揮することになる。
【0064】
また、このY軸及びZ軸方向のフレキシブルな支持構造と、回動位置調節機能とは、第2クランプ手段31が溶接部品Wの端板2をクランプしたときに、溶接部品W自体に角度的なずれや位置ずれ等があつても、これにより前記第1クランプ手段11のクランプ状態に影響が及ぶことを簡単に解消することができることにもなる。
【0065】
なお、本発明は、上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々改変することができる。例えば、前記実施の形態では、溶接部品は、トーションビームの半完成品であるが、本発明は、これのみに限定されるものではなく、溶接されたものであって、ロケート用の孔を有し、端部にいたが取り付けられたものであれば、種々のものに対して適用することができる。
【0066】
また、前述した実施の形態では、端板2が長尺なビーム本体部1の軸端に所定の捩じれ角θを持って溶接により取り付けられたものであるが、本発明は、これのみに限定されるものではなく、必ずしもこのような捩じれ角θが特定されないものであってもよいことはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る溶接部品の一例を示す正面図である。
【図2】 同ワークピースの平面図である。
【図3】 同ワークピースの端板の正面図である。
【図4】 本発明の実施の形態を示す概略正面図である。
【図5】 同実施の形態の平面図である。
【図6】 同実施の形態の第1クランプ手段を示す要部断面図である。
【図7】 同実施の形態の第2クランプ手段を示す要部断面図である。
【図8】 図7の8−8線に沿う断面図である。
【符号の説明】
1…本体部、
2…端板、
2a…端板の外周面、
5…中心孔、
11…第1クランプ手段、
16…ロケートピン、
22…スプリングプランジャ(弾性支持部材)、
23…回動板、
31…第2クランプ手段、
32…シートブロック、
33…第1加圧部材、
34…第2加圧部材、
35…背面支持部材、
G…1軸ガイド機構、
Hy …Y軸保持機構、
Hz …Z軸保持機構、
S…支持板、
W…溶接部品。

Claims (7)

  1. 長尺な本体部の軸端に端板が取り付けられた溶接部品が支持板上に支持された状態で、前記本体部の所定位置に開設された孔にロケートピンを押し込み、前記本体部の長手軸線(X軸)方向位置を位置決めする第1クランプ手段と、前記端板の外周面を保持する第2クランプ手段とを有し、当該第2クランプ手段によりクランプした状態で前記端板に機械加工を施すようにした機械加工装置において、前記第1クランプ手段は、前記孔にロケートピンが入り込み前記X軸方向の位置決めを行なった後に、前記第2クランプ手段による前記端板の保持により、前記X軸に対してそれぞれ直交する関係のY軸及びZ軸方向の位置がフレキシブルな支持構造となる保持機構により前記ロケートピンを保持するともに当該第1クランプ手段全体がX軸若しくは当該X軸と同方向に伸延する固定軸の周りで角度変位し得るように構成したことを特徴とする溶接部品の機械加工装置。
  2. 前記第1クランプ手段は、前記ロケートピンを前記Y軸方向のみ移動変位し得るようにした1軸ガイド機構及びこの1軸ガイド機構の軸方向変位を規制するように弾性支持する弾性支持部材を備えたY軸保持機構と、当該Y軸保持機構をZ軸方向のみ移動変位し得るようにした1軸ガイド機構及びこの1軸ガイド機構の軸方向変位を規制するように弾性支持する弾性支持部材を備えたZ軸保持機構とを有することを特徴とする請求項1に記載の溶接部品の機械加工装置。
  3. 前記第1クランプ手段は、前記ロケートピン、Y軸保持機構及びZ軸保持機構をこの順序で積み重ねるように組み付け、前記Z軸保持機構を前記固定軸の周りで回動し得る回動板に連結したことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接部品の機械加工装置。
  4. 前記第2クランプ手段は、前記端板の外周面の角部を2方向から当該端板の外形形状に沿って支持するシートブロックと、当該シートブロックの一面に向かって端板を加圧する第1加圧部材と前記シートブロックの他面に向かって端板を押し付けるように回動して加圧する第2加圧部材とから構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の溶接部品の機械加工装置。
  5. 前記端板は、前記長尺な本体部の軸端に、当該本体部の長手軸線(X軸)周りに所定の捩じれ角度を持って溶接により取り付けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の溶接部品の機械加工装置。
  6. 前記端板は、ファインブランキングにより打ち抜き成形したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の溶接部品の機械加工装置。
  7. 前記第2クランプ手段は、前記端板に取り付けられた前記本体部側の端面に当接しこれを保持する背面支持部材を有することを特徴とする請求項4に記載の溶接部品の機械加工装置。
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