JP3762634B2 - 傾斜スイッチ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は例えばガスストーブ、石油ファンヒータ等の傾き検知、或いは物品の盗難予防のための傾き検知等に利用することができる傾斜スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
に従来の傾斜スイッチの構造を示す。従来の傾斜スイッチは一端が閉塞された筒状ケース1と、この筒状ケース1の閉塞端面に設けられた支持部10と、この支持部10によって360°何れの方向にも傾動可能な状態に吊り下げられて支持された錘り2と、錘り2の下端に装着した可動接点3と、この可動接点3と対向して配置された筒状の固定接点4と、この固定接点4を支持し、かつ筒状ケース1の開口端面を閉塞する底蓋5と、可動接点3を錘り2と支持部10を通じて電気的に導出するコモン端子6と、固定接点4を電気的に導出する端子7とによって構成される。
【0003】
支持部10は細条導電部材11と、この細条導電部材11を貫通させる孔12Aを具備した導電部材12とによって構成することができ、この支持部10の構造により錘り2が360°何れの方向にも傾動できるように支持される。
この傾斜スイッチの構造によれば、錘り2の下端側に可動接点3が装着され、筒状ケース1が傾くと可動接点3が固定接点4に接触し、この接触によりコモン端子6と端子7との間が電気的に導通し、接点信号を発信する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
に示した従来の傾斜スイッチでは錘り2の下端側に可動接点3を装着したから、可動接点3が固定接点4に接触する場合に、その接触圧が小さく接点信号の発信が不安定になる不都合がある。
つまり、可動接点3が固定接点4に接触する場合に錘り2は支持部10と可動接点3との2点で支持されるから、可動接点3が固定接点4に与える接触圧は最大でも錘り2の重量の1/2になる。このように従来の傾斜スイッチでは接触圧が充分得られないから、接触が不安定となり、検出信号の信頼性が低下する不都合がある。又錘り2は可動接点3と支持部10との間に位置しているので、スイッチが厚形になる。
【0005】
この発明の目的は可動接点と固定接点との間の接触圧が充分得られる構造とし、この構造により検出信号の信頼性を向上することができると共に、錘り2の一部を可動接点3と固定接点4の間に位置させることにより、薄型にすることができる傾斜スイッチの構造を提案するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明では開放された一端が上蓋で嵌合閉塞された筒状ケースと、錘りの重心上において上面から突出した軸を有する偏平形状の上記錘りと、上記上蓋に設けられた錘りを360°の何れの方向にも傾動可能なように支持、上記錘りの上部に突出した軸上に形成された球面部材とこの球面部材の球面と係合する孔を持つ支持部材とによって構成した支持部と、錘りの重心位置より上記支持部側に配置され、錘りの軸芯から放射方向に上記錘りより突き出した下方に曲げられた複数の突起を具備し、上記支持部に電気的に接続された可動接点と、上記上蓋と上記可動接点との間に介在され、上記錘り方向に上記可動接点に偏倚力を与え、上記軸を軸心とするスプリングと、上記可動接点と対向し、上記筒状ケースの他端に一体に形成された底蓋の内壁に装着された固定接点と、上記支持部から電気的に導出され上記ケースの底蓋側に突出されたコモン端子と、上記固定接点から導出され、上記ケースの底蓋側に突出された端子と、によって構成された傾斜スイッチを提供するものである。
【0007】
この発明による傾斜スイッチの構造によれば、固定接点4を底蓋5上に配置させて可動接点3と固定接点4との間に、偏平形状の錘り2を位置させているので、傾斜スイッチを薄型にする利点が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1乃至図にこの発明の傾斜スイッチの一実施例を示す。図と対応する部分には同一符号を付して示す。
図中1は絶縁材で形成した例えば円筒状の筒状ケース、2は錘り、3は可動接点、4は固定接点、5は筒状ケース1と一体に形成した底蓋、6はコモン端子、7は固定接点4から導出した端子、10は錘り2を360°の何れの方向にも傾動可能な状態に支持する支持部を示す。コモン端子6と端子7は筒状ケース1の底面に2本ずつ合計で4本突出され、これらのコモン端子6と端子7はプリント配線基板(特に図示しない)の端子挿入孔に挿入されて配線導体に半田付けされ、電気的、機械的にプリント基板に実装されて実用される。
【0009】
この実施例では薄型の傾斜スイッチを提供するものである。このためには錘り2を偏平形状とし、固定接点4を底蓋5上に配置させて可動接点3と固定接点4との間に偏平形状の錘り2を位置させて、傾斜スイッチの軸芯方向の寸法を短く形成する。
【0010】
更にこの実施例では錘り2を360°何れの方向にも傾動自在に支持する支持部10を球面部材15と、この球面部材15と係合する孔を持つ支持部材16とによって構成した場合を示す。球面部材15は錘り2から突出させた軸2Aの先端に形成され、導電体で構成される。可動接点3は軸2Aを貫通させる孔3Bを有し、スプリング13によって錘り2の方向に向かって偏倚力が与えられ、スプリング13の偏倚力によって可動接点3の姿勢を軸2Aの軸芯方向と一致するように支持させる。
【0011】
支持部材16と可動接点3は球面部材15と軸2Aとによって電気的に導通される。この結果、可動接点3が固定接点4に接触すると、コモン端子6と端子7との間に接点信号が出力される。図3に傾斜した状態を示す。なお、この実施例では筒状ケース1は底蓋5と一体成形し、上端側に上蓋14を装着した場合を示す。
【0012】
動接点は周縁に複数の突起3Aを具備し、この突起3Aの部分で固定接点4と接触するように構成する。このように複数の突起3Aを固定接点4に接触させることにより接触状態を安定化することができる
【0013】
この発明の特徴とする構造は可動接点3と固定接点4の装着位置に存在する。つまり、可動接点3を錘り2の重心位置G(図1参照)より支持部10側に装着した点と、これに伴って固定接点4を筒状ケース1の底蓋5面に装着した点である。
【0014】
この発明の実施例によれば、接触圧が可動接点3と固定接点4との間に充分与えられるから接触時の接点信号が安定し、信頼性の高い傾斜スイッチを提供することができる。
【0015】
発明の効果
以上説明したように、接触時に発信される接点信号は安定に発信され、信頼性の高い接点信号を発信させることができる利点が得られる。
【0016】
そして固定接点4を底蓋5上に配置させているので、つまり、可動接点3と固定接点4との間に、偏平形状の錘り2を位置させているので、薄形の傾斜スイッチとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を説明するための拡大断面図。
【図2】 この発明の他の実施例を説明するための拡大断面図。
【図3】 図2に示した傾斜スイッチの動作状態を説明するための拡大断面図。
【図4】 従来の技術を説明するための拡大断面図。
【図5】 図4に示した傾斜スイッチに用いられる支持部の構造を説明するための拡大側面図。
【符号の説明】
1 筒状ケース
2 錘り
3 可動接点
4 固定接点
5 底蓋
6 コモン端子
7 端子
10 支持部
13 スプリング

Claims (1)

  1. 開放された一端が上蓋で嵌合閉塞された筒状ケースと、
    錘りの重心上において上面から突出した軸を有する偏平形状の上記錘りと、
    上記上蓋に設けられた錘りを360°の何れの方向にも傾動可能なように支持、上記突出した軸上に形成された球面部材とこの球面部材の球面と係合する孔を持つ支持部材とによって構成した支持部と、
    錘りの重心位置より上記支持部側に配置され、錘りの軸芯から放射方向に上記錘りより突き出した下方に曲げられた複数の突起を具備し、上記支持部に電気的に接続された可動接点と、
    上記上蓋と上記可動接点との間に介在され、上記錘り方向に上記可動接点に偏倚力を与え、上記軸を軸心とするスプリングと
    上記可動接点と対向し、上記筒状ケースの他端に一体に形成された底蓋の内壁に装着された固定接点と、
    上記支持部から電気的に導出され上記ケースの底蓋側に突出されたコモン端子と、
    上記固定接点から導出され、上記ケースの底蓋側に突出された端子と、によって構成された傾斜スイッチ。
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