JP3760373B2 - セラミック電子部品のスクリーニング方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、セラミック電子部品のスクリーニング方法、特に、電気的特性良品を選別するためのセラミック電子部品のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、積層型セラミックコンデンサの電気的特性不良をスクリーニングする際、図4に示すように、初めにステップS1で静電容量選別を行い、次にステップS2で耐電圧試験を行い、さらにステップS3で絶縁抵抗選別を行うことが試みられている。絶縁抵抗選別より前に静電容量選別を行うのは、積層型セラミックコンデンサに直流電圧を印加することにより、コンデンサのセラミック誘電体が分極し、その残留分極により静電容量値が正規の値を示さない懸念があるためと考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示した従来のスクリーニング方法では、ステップS1で交流電圧印加による静電容量選別を行うことにより、電気的に不良品(Cメータによる測定でショート、絶縁抵抗値も数Ω程度)であったものが、電気的に良品(Cメータによる測定で良品、絶縁抵抗値も数kΩ〜数MΩに上昇)レベルにまで回復し、スクリーニングが困難になることがあった(図5参照)。
【0004】
このような現象が起きるのは、電気的にショートしている積層型セラミックコンデンサに、静電容量選別の際に印加する交流の大電流が流れることにより、ショート箇所(通常、ショート箇所はパターン幅が狭く電気抵抗が高い)がジュール熱で切断され、電気的には良品を示すようになるからであると考えられている。このように、ショート不良が内在していた積層型セラミックコンデンサが、静電容量選別の際の交流電圧印加により電気的には良品となり、スクリーニングできず、その後の信頼性試験で不良品になることがあった。
【0005】
そこで、本発明の目的は、不良品を確実にスクリーニングすることができるセラミック電子部品のスクリーニング方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】
前記目的を達成するため、本発明は、セラミック電子部品の電気的特性不良を静電容量測定と絶縁抵抗測定とに基づいてスクリーニングする方法において、ショート不良を検出するためにセラミック電子部品に直流電圧を印加して絶縁抵抗を求め、絶縁抵抗選別を行う第1工程、セラミック電子部品に交流電圧を印加して静電容量を測定し、静電容量選別を行う第2工程、セラミック電子部品に直流電圧を印加して耐電圧試験を行う第3工程、信頼性不良を検出するためにセラミック電子部品に直流電圧を印加して絶縁抵抗を求め、絶縁抵抗選別を行う第4工程、を順次行うことを特徴とする。
【0007】
以上の方法により、静電容量選別の前に絶縁抵抗選別が行われるため、ショート不良が内在していたにもかかわらず、静電容量選別の際の交流電圧印加により電気的に良品となっていたセラミック電子部品が、絶縁抵抗選別で確実にスクリーニングされる。さらに、前記四つの工程を順次行うことにより、信頼性不良になる可能性のある欠陥を有するセラミック電子部品を精度良くかつ容易に選別除去することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るセラミック電子部品のスクリーニング方法の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。本実施形態では積層型セラミックコンデンサを例にして説明するが、必ずしもこれに限定するものではなく、積層型セラミックバリスタ等であってもよいことは言うまでもない。
【0009】
図1に示す誘電体セラミックグリーンシート1の原料素材であるチタン酸バリウムを主成分とするセラミック粉末5kgに、有機溶剤を加えてボールミルで24時間湿式混合、予備紛砕する。次に、このスラリー状原料に、有機接合剤を7.0wt%、可塑剤を3.0wt%、さらに有機溶剤を加えて8時間湿式混合した。得られたスラリーを0.5時間脱泡した後、ドクターブレードなどの成形機を使用して厚みが3μm程度のセラミックグリーンシート1を製作した。
【0010】
次に、このセラミックグリーンシート1上に、Cu,Ag,Ag−Pd,Pd,Ni等の導電性ペーストをスクリーン印刷等の方法により塗布し、それぞれ厚みが1.5μm程度の内部電極13,14を形成する。
【0011】
次に、内部電極13,14がセラミックグリーンシート1を介して対向するように、セラミックグリーンシート1を500枚積み重ねる。その後、1000kgf/cm2 、60秒間、75℃の条件で加圧して積層体とする。この積層体を1300℃で2時間焼成して、図2に示すセラミック焼結体11を得る。
【0012】
次に、このセラミック焼結体11を、その稜線部の面取り、いわゆるバレル研磨処理する。この後、セラミック焼結体11の両端部に、浸漬法等によりCu,Ag,Ag−Pd等の電極ペーストを塗布し、乾燥、焼き付け(800℃)を行って外部電極15,16を形成する。さらに、外部電極15,16の表面に、NiおよびSnめっきを行い、積層型セラミックコンデンサ10を得る。
【0013】
こうして得られた積層型セラミックコンデンサ10に対して、図3に示すスクリーニング方法を行い、良品の選別を行う。初めに、ステップS1で絶縁抵抗選別を行う。具体的には、直流電源から10Vの直流電圧を積層型セラミックコンデンサ10に印加し、電流計にてコンデンサ10を流れる漏れ電流値を測定する。この漏れ電流値と直流電圧値とから積層型セラミックコンデンサ10の絶縁抵抗値を算出して求める。そして、こうして求めた絶縁抵抗値から良品と判断された積層型セラミックコンデンサ10だけを次のステップへ移動させる。
【0014】
この後、必要に応じて、積層型セラミックコンデンサ10を加熱してキュリー点以上にコンデンサ10の温度を上げ、絶縁抵抗選別時に印加した直流電圧によって分極した誘電体セラミックの分極を解放する(非分極状態にする)。
【0015】
次に、ステップS2で静電容量選別を行う。具体的には、Cメータを使用して周波数が120Hz、電圧値が0.5Vrmsの交流電圧を積層型セラミックコンデンサ10に印加して、静電容量を測定する。そして、測定結果から良品と判定したものだけを次のステップS3へ移動させる。
【0016】
ステップS3では、耐電圧試験を行う。100Vの直流電圧を積層型セラミックコンデンサ10に0.2秒間印加し、良品と判定されたものだけを次のステップS4へ移動させる。なお、印加される直流電圧は、積層型セラミックコンデンサ10の定格電圧(本実施形態の場合は6.3V)より大きく、破壊電圧より小さい電圧値が設定される。
【0017】
ステップS4では、再び絶縁抵抗選別を行う。つまり、10Vの直流電圧を積層型セラミックコンデンサ10に印加し、絶縁抵抗値を算出して求める。そして、良品と判定された積層型セラミックコンデンサ10だけを選別する。この後、積層型セラミックコンデンサ10を加熱してキュリー点以上にコンデンサ10の温度を上げ、絶縁抵抗選別時に印加した直流電圧によって分極した誘電体セラミックの分極を解放する(非分極状態にする)。
【0018】
こうして、スクリーニングされた良品の積層型セラミックコンデンサ10の中から2000個を抜き取り、信頼性を確認するため高温負荷試験を行った。試験は、コンデンサ10を加熱して85℃にした状態で、6.3V(コンデンサ10の定格電圧)の直流電圧を100時間印加した後、絶縁抵抗値を測定した。そして、絶縁抵抗値が1MΩ以下に劣化したコンデンサ10を不良と判定した。その結果、全く不良品が発生しなかった。これに対して、図4に示した従来のスクリーニング方法で良品と判定された積層型セラミックコンデンサ10の中から抜き取られた2000個の場合には、不良品が3個発生した。
【0019】
以上の結果から、本実施形態のスクリーニング方法は、信頼性不良になる可能性のある欠陥を有する積層型セラミックコンデンサ10を、精度良くかつ容易に選別除去することがわかる。
【0020】
なお、本発明に係るセラミック電子部品のスクリーニング方法は、前記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。特に、静電容量選別の際に印加する交流電圧又は絶縁抵抗選別の際に印加する直流電圧の電圧値や周波数等は、セラミック電子部品の仕様に合わせて種々に変更することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明によれば、静電容量選別の前に絶縁抵抗選別を行うので、信頼性不良になる可能性のある欠陥を内在するセラミック電子部品を、精度良くかつ容易に選別除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミック電子部品のスクリーニング方法の一実施形態を説明するためのセラミック電子部品の分解斜視図。
【図2】図1に示したセラミック電子部品の一部切欠き斜視図。
【図3】本発明に係るセラミック電子部品のスクリーニング方法の一実施形態を示すフローチャート。
【図4】従来のセラミック電子部品のスクリーニング方法を示すフローチャート。
【図5】従来のセラミック電子部品のスクリーニング方法の不具合を説明するためのグラフ。
【符号の説明】
10…積層型セラミックコンデンサ
Claims (1)
- セラミック電子部品の電気的特性不良を静電容量測定と絶縁抵抗測定とに基づいてスクリーニングする方法において、以下の第1工程から第4工程を順次行うこと、
ショート不良を検出するためにセラミック電子部品に直流電圧を印加して絶縁抵抗を求め、絶縁抵抗選別を行う第1工程、
セラミック電子部品に交流電圧を印加して静電容量を測定し、静電容量選別を行う第2工程、
セラミック電子部品に直流電圧を印加して耐電圧試験を行う第3工程、
信頼性不良を検出するためにセラミック電子部品に直流電圧を印加して絶縁抵抗を求め、絶縁抵抗選別を行う第4工程、
を特徴とするセラミック電子部品のスクリーニング方法。
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