JP3760084B2 - アンテナ共用器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾性表面波(以下SAWと称す:Surface Acoustic Wave)フィルタ、またはSAWフィルタと高周波スイッチの組み合わせで構成した移動無線端末用のアンテナ共用器、またはそれを搭載した移動無線端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動無線端末では、1つのシステムに対応した送信信号と受信信号を一本のアンテナを共用して送信および受信するための手段が必須である。従来、上記手段として、受信周波数帯域および送信周波数帯域なる2つの異なる通過周波数帯域を有し、かつ互いの干渉を防止、低減する為、各々送信用誘電体共振器および受信用誘電体共振器と整合回路、位相シフト回路を組み合わせたアンテナ共用器が用いられてきた。
【0003】
近年、小型で軽量な移動無線端末の開発が進められており、更に、デュアルバンド、トリプルバンドなど複数のシステムを処理する移動無線端末が使用可能なサービスも計画されている。この様な状況に対し、上記誘電体共振器を用いたアンテナ共用器では、誘電体共振器自体が大きく、重く、立体回路配線となる為、アンテナ共用器および移動無線端末の小型化および軽量化には限界がある。そのため、誘電体共振器に代えて、SAWフィルタまたはSAWフィルタと高周波スイッチの組み合わせを採用することで主要部品の小型化、軽量化を図るとともに、構成部品の配置および構成についても考慮し、アンテナ共用器および移動無線端末の抜本的な小型化および軽量化を目指す提案がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このようなアンテナ共用および小型化および軽量化は、しかしながら、一方で、デュアルバンドのシステム間で送信信号の漏れこみによる悪影響を生ずることとなっている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の小型化を進めた共用器で問題となる送信信号の漏れこみが、より高い周波数帯域のシステムのスイッチング素子がOFF状態にあるとき、低い周波数帯域のシステムから強信号が入力されるときの自己検波動作による非線型歪によって発生することに着目して、より高い周波数帯域のシステムのスイッチング素子に直列共振回路を並列接続する構成として、送信信号の漏れこみを抑圧する。
【0006】
【発明の実施の形態】
近年、小型で軽量な携帯電話に代表される移動無線端末の開発が急ピッチで進められている。一方、通信方式として、従来のFDMA(Frequency Division Multiple Access)方式やTDMA(Time Division Multiple Access)方式に加えてCDMA(Code Division Multiple Access)方式のサービスも計画されている。また、異なる国または地域別に異なる方式あるいはシステムが運用されており、例えば欧州ではFDMA方式のETACS(Extended Total Access Communication System) システムとTDMA方式のGSM(Global System for Mobile Communication) システム、EGSM(Extended Global System for Mobile Communication) システムやPCN(Personal Communication Network) システムのサービスが行われており、北米ではFDMA方式のEAMPS(Extended Advanced Mobile Phone Service)システムとTDMA方式のPCS(Personal Communication System) システムのサービスが行われており、日本ではFDMA方式のNTACS(New Total Access Communication System) システムとTDMA方式のPDC(Personal Digital Cellular) システムのサービスが行われている。
【0007】
従来、各々のシステムに対応した移動無線端末では誘電体共振器によるアンテナ共用器が用いられてきたが、誘電体共振器自身の面積、容積が大きく、各部品の配置からしても近年の小型化要求に応えるには困難である。そのため、誘電体共振器に代えて、SAWフィルタまたはSAWフィルタと高周波スイッチの組み合わせを採用することで主要部品の小型化、軽量化を図るとともに、構成部品の配置および構成についても考慮し、アンテナ共用器および移動無線端末の抜本的な小型化および軽量化を目指す提案がなされている(例えば、特願平10−364074)が、一方で、デュアルバンドのシステム間で送信信号の漏れこみによる悪影響を生ずることとなっている。
【0008】
以下、上記課題に対してなされた本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳述する。
【0009】
まず、図1に代表的な移動通信システムの周波数配置の例として、(a)に欧州を中心に実用化されているEGSMシステムを、(b)に同じくDCSシステムを、(c)に北米を中心に実用化されているPCSシステムの周波数配置を示す。ここでfTは送信周波数帯域を、fRは受信周波数帯域を示す。図中(b)に示したように、EGSMの送信信号帯域の2倍周波数がDCSの送受信周波数と一部重なっている。このような周波数配置を持つシステムの組合せのデュアルあるいはトリプルのマルチバンド端末を実現する場合は、アンテナから放射されるEGSM送信信号の2倍波の強度をEGSMの送信信号の−71dB以下に押さえる必要があり、小型化と2倍波抑圧を両立させることは、従来技術では非常に困難であった。
【0010】
図2は本発明を適用すべきアンテナ共用器の送受信に関する回路ブロック図を示す。具体的なシステムとして、ここでは、EGSMシステム(送信信号周波数880MHzから915MHz)とDCSシステム(送信信号周波数1710MHzから1785MHz)のデュアルバンド端末用アンテナ共用器の構成を説明する。1はEGSM送信端子、2はEGSM送信スイッチング回路、3は低域通過フィルタ、4はアンテナ端子、5は高域通過フィルタ、6はDCS送信スイッチング回路、7はDCS送信端子である。8はEGSM受信用SAWフィルタ、9はDCS受信用SAWフィルタ、10はEGSM受信端子、11はDCS受信端子である。
【0011】
EGSMシステムの送信時にはEGSMの送信端子1から送信信号が入力されるとともにEGSM送信スイッチング回路2のバイアスがOnにされるので、EGSMの送信信号はEGSM送信スイッチング回路を通過し、EGSM帯域を通過域に、DCS帯域を阻止域に設計された低域通過フィルタ3を通過して、アンテナ4に達する。アンテナ4は低域通過フィルタ3と同時に、DCS帯域を通過域にEGSM帯域を阻止域に設計された高域通過フィルタ5とも接続されていて、高域通過フィルタ5の先にはDCS送信スイッチング回路6が接続され、DCSの送信端子7に至る。アンテナに達したEGSMの送信信号は高域通過フィルタ5の通過・反射特性により原理的にはDCS側の回路に周り込むことは無い。一方、DCSシステムの送信時にはDCSの送信端子7から送信信号が入力されるとともにDCS送信スイッチング回路6のバイアスがOnにされるので、DCSの送信信号はDCS送信スイッチング回路を通過し、DCS帯域を通過域に、EGSM帯域を阻止域に設計された高域通過フィルタ5を通過して、アンテナ4に達する。この場合も低域通過フィルタ3の通過・反射特性により原理的にはEGSM側の回路に周り込むことは無い。
【0012】
EGSMシステムの受信時にはアンテナ4で受信されたEGSM信号が低域通過フィルタ3を通過して、EGSM受信用SAWフィルタ8を通過し、EGSM受信端子10に達する。一方、DCSシステムの受信時にはアンテナ4で受信されたDCS信号が高域通過フィルタ5を通過して、DCS受信用SAWフィルタ9を通過しEGSM受信端子10に達する。
【0013】
以上の様に、送信に関してはEGSM、DCSどちらかのスイッチング回路のバイアスをON/OFFすることによりデュアルバンド動作が実現される。一方、受信に関しては、フィルタによる選択が行われるから、送信のようなON/OFF操作をする必要はない。
【0014】
ここで注意しなければならないのは、OFF状態のスイッチング素子に強信号が入力されると自己検波動作により非線型歪が発生してしまうことである。図2のブロック図で説明したように、EGSMの送信信号はDCS側の回路には漏れこまない様に低域通過フィルタ3が、DCSの送信信号はEGSM側に漏れこまない様に高域通過フィルタ5が接続されているので、原理的にはOFF時のスイッチング回路に強信号の入力は起きない。
【0015】
ところが回路全体の小型化を追求していくと、各部品間の間隔は小さくなり、フィルタを飛び越えた信号の漏れこみが発生してしまう。特に致命的な問題となるのは、EGSM送信時にDCS側のスイッチング回路から非線型によって発生するEGSM送信信号の2倍の周波数成分をもつ信号が、EGSMの送信信号と同時にアンテナから放射される問題である。GSMシステムではアンテナから放出される2倍波は基本波の−71dB以下と定められており、この課題を解決することは非常に重要である。最も簡単な対処方法は部品間の間隔を十分にとって、信号の漏れこみを防ぐことが考えられるが、これでは小型化の要求に反してしまう。もちろん、スイッチング回路が構造的に開閉されるタイプのスイッチで構成されていればこのような問題は起きないが、先の特願平10−364074に説明されているような起動電流の有無によりON、OFFが制御されるようなスイッチで構成されているときは、このスイッチング素子のもつ非線型によってEGSM送信信号の2倍の周波数成分をもつ信号が発生するのは止むを得ないことである。すなわち、EGSMの送信端子1から入力された送信信号(概略35dBm)はEGSM送信スイッチング回路2を通過後アンテナ4に達するが、この信号の一部は高域通過フィルタ5を飛び越して、DCS送信スイッチング回路6に達してしまう。この時第2のスイッチグ回路6のバイアスはOFFとなっている為、スイッチング回路6の非線型効果によってEGSMの送信信号の2倍の周波数の信号が発生する。発生した2倍周波数の信号(1760−1830MHz)はDCSの送受信帯域(1710−1880MHz)に内包されている為高域通過フィルタ5で阻止されること無く通過し、アンテナ4からEGSMの基本波と共に放出されてしまう。
【0016】
この現象はDCSの送信端子7の終端条件によっても左右され、如何なる終端条件においても2倍波の発生を規格値以下に押さえる必要がある。システム規格では、図3に示すように、送信信号の2倍の周波数の強度は−36dBm以下に抑圧するよう定められており、基本波の強度(概略35dBm)と2倍波の規格値−36dBmの差である−71dBの強度差を満たす必要がある。
【0017】
図4を参照して、図2に示すアンテナ共用器で行ったEGSMの送信信号の2倍の周波数の発生強度を測定する実験結果を説明する。図4では、EGSM送信端子1に低域通過フィルタ102を介して高出力発振器101を接続し、アンテナ端子4に高域通過フィルタ103を介してアンテナからの信号出力を測定する為のスペクトラムアナライザ104を接続するとともに、DCS送信端子7に送信端子7の終端条件を調整するための移相器105を接続したものである。各々の受信端子10、11は50オームで終端されている。ここで移相器105の一方は短絡させている。高域通過フィルタ103は高出力のEGSM送信信号を抑圧することにより、スペクトラムアナライザ104の内部での非線型歪を抑える為のものである。
【0018】
EGSM送信端子1に概略+35dBmのEGSM送信信号を入力する。EGSM送信スイッチング回路2はONとし、 DCS送信スイッチング回路6はOFFとして、EGSMの送信信号(880MHzから915MHz)を変化させつつ、移相器105を調整し、最も大きなEGSMの送信信号の2倍波出力を測定した。
【0019】
測定結果を図5に示す。縦軸はEGSMの基本波出力(+35dBm)と観測された2倍波(2fT)での出力PoutをdBc表示している。横軸は入力したEGSMの送信信号の2倍の周波数(1760MHzから1830MHz)を中心とした周波数を示している。この図から明らかなように、SAWフィルタまたはSAWフィルタと高周波スイッチの組み合わせを採用することで主要部品の小型化、軽量化を図るとともに、構成部品の配置および構成についても考慮し、アンテナ共用器および移動無線端末の抜本的な小型化および軽量化を目指す場合には、規格で定められている−71dBを満足できないケースがありうる。
【0020】
DCS送信スイッチング回路6に漏れこんだEGSMの送信信号が入力するのを防ぐには、単純には、回路を大型化すれば良いが、これでは、小型化要求とは矛盾する。
【0021】
図6は本発明のキーとなるスイッチング素子(例えばPINダイオード)の改良の実施例を示す図である。すなわち、 EGSMの送信中はOFFとされるスイッチング素子の端子間に、並列に容量性素子C1と誘導性素子L1を接続する。ここで、C0はスイッチング素子の端子間に存在する浮遊容量である。これらの素子C0、C1、L1から成る共振回路を形成し、この共振回路が図7に横軸に周波数、縦軸にインピーダンスをとって示すインピーダンス特性の様に、EGSMの送信信号で直列共振により短絡のインピーダンス状態、2倍波で並列共振により無限大のインピーダンス状態を起こすように各素子の値を選択する。もちろん、浮遊容量C0の値を制御することはできないから、これは測定された結果をそのまま使用する他は無い。なお、図7ではインピーダンス特性を一つの線で示した。実際の移動無線端末は、瞬間的に見ると、EGSMの周波数帯域の中で任意の周波数を使用しているのであって、使用している周波数によっては、厳密な意味で短絡、無限大となるわけではないが、図7の横軸はきわめて圧縮されたものであるから、実質的にはEGSMの周波数帯域のどこが使用されている状態であっても問題無く所定のインピーダンス特性を持つものとできる。このことは、別の言い方をすれば、移動無線端末は周囲の温度がある程度変動する環境で使用されるが、その程度のことは問題とならないといえる。したがって、下式にしたがって設定される容量性素子C1と誘導性素子L1の値は、EGSMの周波数帯域の中心周波数を基礎にして決めれば良い。
【0022】
スイッチング素子の端子間に、本発明による共振回路を形成し、EGSMの送信信号で直列共振、2倍波で並列共振を起こすように各素子の値を選択すると、図2で説明したDCS送信スイッチング回路6にEGSMの送信信号が漏れこんでも、その周波数では短絡状態が実現される為、非線型歪は発生しない。もちろん、本来の送受信すべきEGSM送信信号の2倍の周波数、即ちDCSの送信信号帯域近傍では、並列共振しているから何ら支障は無い。
【0023】
スイッチング素子の端子間容量をC0、EGSMの送信信号周波数をfTとするとfTで直列共振が発生する為の条件は(数1)で表され、EGSMの送信信号周波数の2倍の周波数2fTで並列共振が起こる為の条件は(数2)で表される。
【0024】
【数1】
Figure 0003760084
【0025】
【数2】
Figure 0003760084
【0026】
(数1)(数2)からC1、L1の値はそれぞれ(数3)、(数4)の様に求めることが出来る。
【0027】
【数3】
Figure 0003760084
【0028】
【数4】
Figure 0003760084
【0029】
ここで、fTは、上述したように、EGSMの周波数帯域の中心周波数である。
【0030】
図8は本発明の効果を確認するための測定系を示す図であるが、図4で説明した回路に上記素子C1、L1を追加した点が異なるだけで、回路構成および評価のための操作は図4で説明したのと同じである。
【0031】
図9は図8による測定結果を示す図である。図において200の参照符号を付した特性が図8によるものであり、比較の為、図5で説明した素子C1、L1を追加する前の結果も示している。図9から明らかなように、EGSMの2倍の信号強度は対策前と比較して15dBcから30dBc程度、強度が低下しており、規格から必要とされる−71dBを余裕を持ってクリアしていることがわかる。なお、図9で1820MHzを超える周波数領域でデータが得られていないのは、この周波数領域では、スペクトラムアナライザ104の感度が無い程度のレベルの信号強度になっているからだと推定される。さらに、これらの値は、DCSの送信端子7に取り付けた移相器105を調整して、各周波数において最悪となる終端条件での結果であり、あらゆる終端条件で規格を満足できることを示している。
【0032】
図10は、本発明をアンテナ共用のトリプルバンド移動無線端末に適用したときの送受信に関する回路ブロック図を示す。具体的なシステムとして、ここでは、EGSMシステム(送信信号周波数880MHzから915MHz)、DCSシステム(送信信号周波数1710MHzから1785MHz)およびPCSシステム(送信信号周波数1850MHzから1910MHz)のトリプルバンド端末用アンテナ共用器の構成を説明する。ここで、参照符号1から11で示すものは図2で説明したものと同じ働きをするものである。ただし、この例では、PCS送信端子はDCS送信端子7と共用される。またDCS受信系統はλ/4線路15を介して高域通過フィルタ5に接続される。さらに、λ/4線路15とDCS受信用SAWフィルタ9との接続点にはPCS受信用SAWフィルタ12およびPCS受信端子13の直列回路が接続されるとともに、容量性素子C1と誘導性素子L1を並列に接続されたスイッチング素子20の一端が接続され、スイッチング素子20の他端は接地される。
【0033】
本実施例では、EGSMシステムによる送受信のときは、スイッチング素子2および20がON、スイッチング素子6がOFFとされ、DCSシステムによる送受信のときは、スイッチング素子6がON、スイッチング素子2および20がOFFとされ、PCSシステムによる送受信のときは、スイッチング素子6がON、スイッチング素子2および20がOFFとされる。この場合でも、OFFとされたスイッチング素子6あるいは20は並列に接続された容量性素子C1と誘導性素子L1により短絡および無限大のインピーダンス状態になるから、非線型特性による問題は生ずることは無い。
【0034】
上述の説明では、回路基板あるいは回路素子についての具体的な説明はしなかったが、先の特願平10−364074で説明したように、回路基板は信号用パターン、接地用パターンおよびバイアス用パターンを形成した少なくとも2層以上の誘電体よりなる多層基板を有するものとして、この多層基板の下から少なくとも1層以上の基板の一部が取り除かれ、基板の一部が取り除かれることにより露出した他の基板面に形成されている信号用パターンおよび接地用パターン上で、かつ基板の一部が取り除かれることにより形成された空間内に、1つ以上のSAWフィルタを搭載し、かつ最上層基板上面に少なくとも1つ以上の集中定数回路素子を搭載し、残された最下層基板の下面に外部との接続の為の信号用端子パターンおよび接地用端子パターンを形成し、これらの接続端子が各層の信号用パターンおよび接地用パターンと接続されているような構造とすることでより小型化が図られる。そして、小型化に伴う送信信号の漏れこみが顕著になってもスイッチング素子に接続された容量性素子C1と誘導性素子L1により非線型特性による問題は防止することができる。
【0035】
また、上述した容量性素子C1および誘導性素子L1は集中定数回路素子として説明したが、先の特願平10−364074でも説明した基板に内層した積層容量、あるいはギャップ容量のいずれかおよび基板に内層した内層インダクタ、ヘリカルコイルあるいは分布定数線路何れかでも良い。
【0036】
以上の説明において、具体的な周波数配置としては、EGSMとDCSの例を用いて説明したが、本発明が適用可能な周波数配置はこれに限らず、複数の異なる周波数帯域を利用するマルチバンド移動通信端末であって、一つの周波数帯域の2倍周波数帯域が、他の周波数帯域と重なるものについて有効なことは自明である。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、一つの周波数帯域の2倍周波数帯域が、他の周波数帯域と重なる複数のシステムに対応する移動無線端末用アンテナ共用器を極めて小型化できるとともに、スイッチング回路の非線型歪により発生する2倍高調波を抑圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】現用のシステム別送受信周波数配置の例を示す図。
【図2】本発明を適用すべきアンテナ共用器のデュアルバンド送受信に関する回路ブロック図。
【図3】アンテナ共用器のデュアルバンド送受信における2倍高調波抑圧の規格を説明する図。
【図4】アンテナ共用器のデュアルバンド送受信における2倍高調波の発生を測定する回路ブロックの例を示す図。
【図5】アンテナ共用器のデュアルバンド送受信における従来構成の2倍高調波の発生の実験結果の例を示す図。
【図6】本発明の特徴とする共振回路の等化回路を示す図。
【図7】本発明の特徴とする等価回路のインピーダンス特性を示す図。
【図8】アンテナ共用器のデュアルバンド送受信における本発明の一実施例による2倍高調波発生を測定する回路ブロックの例を示す図。
【図9】アンテナ共用器のデュアルバンド送受信における本発明の一実施例による2倍高調波の発生の実験結果の例を示す図。
【図10】アンテナ共用器のトリプルバンドのシステムに本発明を適用したブロック構成の一実施例を示す図。
【符号の説明】
1:EGSM送信端子、2:EGSM送信スイッチング回路、3:低域通過フィルタ、4:アンテナ端子、5:高域通過フィルタ、6:DCS送信スイッチング回路、7:DCS送信端子、8:EGSM受信用SAWフィルタ、9:DCS受信用SAWフィルタ、10:EGSM受信端子、11:DCS受信端子、12:PCS受信用SAWフィルタ、13:PCS受信端子、15:λ/4線路、20:スイッチング回路、101:高出力発振器、102:低域通過フィルタ、103:高域通過フィルタ、104:スペクトラムアナライザ、105:移相器。

Claims (9)

  1. 二つのシステムがアンテナを共用するとともに、前記二つのシステムのうちの一つのシステムの送信周波数帯域の2倍の周波数帯域が他のシステムの送信周波数帯域の一部と重複するシステムで使用されるアンテナ共用器において、それぞれのシステムに対する送信のスイッチが起動電流の有無によりON、OFFが制御されるスイッチで構成されており、前記一つのシステムの2倍の周波数帯域が送信周波数帯域の一部と重複するシステムの送信スイッチに、前記他のシステムの周波数帯域の周波数に対して直列共振をする容量性素子Cと誘導性素子Lの直列回路が並列に接続され、
    前記容量性素子の容量値C を、前記一つのシステムの2倍の周波数帯域が送信周波数帯域の一部と重複するシステムの送信スイッチが有する端子間浮遊容量C の概略3倍に設定し、前記誘導性素子のインダクタンス値L は、前記他のシステムの帯域内の送信信号周波数をf T1 とするとき、概略L =1/3C (2πf T1 と設定されていることを特徴とするアンテナ共用器。
  2. 前記二つのシステムに対応する帯域フィルタがSAWフィルタである請求項1記載のアンテナ共用器。
  3. 前記他のシステムの周波数帯域の周波数による送信信号により、前記一つのシステムの2倍の周波数帯域が送信周波数帯域の一部と重複するシステムから同時に放射される信号の強度が、前記前記一つのシステムの2倍の周波数帯域が送信周波数帯域の一部と重複するシステムに対応した送信系端子の終端条件に因らず、前記他のシステムの周波数による送信信号の強度に対して−71dB以下である請求項1記載のアンテナ共用器。
  4. 前記アンテナを共用するシステムが三つのシステムとされ、前記三つのシステムのうちの一つのシステムの送信周波数帯域の2倍の周波数帯域が前記三つのシステムのうちの他のシステムの送信周波数帯域の一部と重複するシステムで使用される請求項1記載のアンテナ共用器。
  5. 前記三つのシステムに対応する帯域フィルタがSAWフィルタである請求項4記載のアンテナ共用器。
  6. 前記、前記他のシステムの周波数帯域の周波数による送信信号により、前記他のシステムの2倍の周波数帯域が送信周波数帯域の一部と重複するシステムの周波数帯域で使用されるシステムから同時に放射される信号の強度が、前記他のシステムの2倍の周波数帯域が送信周波数帯域の一部と重複するシステムの周波数帯域で使用されるシステムに対応した送信系端子の終端条件に因らず、前記他のシステムの周波数帯域の周波数による送信信号の強度に対して−71dB以下である請求項4記載のアンテナ共用器。
  7. 二つのシステムがアンテナを共用するとともに、一つのシステムの送信周波数帯域の2倍の周波数帯域が他のシステムの送信周波数帯域の一部と重複するシステムで使用され、それぞれのシステムに対する送信のスイッチが起動電流の有無によりON、OFFが制御されるスイッチで構成されており、前記他のシステムの2倍の周波数帯域が送信周波数帯域の一部と重複するシステムの送信スイッチに、前記他のシステムの周波数帯域の周波数に対して直列共振をする容量性素子C と誘導性素子L の直列回路が並列に接続され、
    前記容量素子の容量値C を、前記他のシステムの2倍の周波数帯域が送信周波数帯域の一部と重複するシステムの送信スイッチが有する端子間浮遊容量C の概略3倍に設定し、前記誘導性素子のインダクタンス値L は、前記他のシステムの帯域内の送信信号周波数をf T1 とするとき、概略L =1/3C (2πf T1 と設定されているとともに、
    前記アンテナ共用器は、それぞれのシステムを構成する為の信号用パターン、接地用パターンおよびバイアス用パターンを形成した少なくとも2層以上の誘電体よりなる多層基板を有し、該多層基板の下から少なくとも1層以上の基板の一部が取り除かれ、基板の一部が取り除かれることにより露出した他の基板面に形成されている信号用パターンおよび接地用パターン上で、かつ基板の一部が取り除かれることにより形成された空間内に、1つ以上のSAWフィルタを搭載し、かつ最上層基板上面に少なくとも1つ以上の集中定数回路素子を搭載し、最下層基板下面に外部との接続の為の信号用端子パターンおよび接地用端子パターンが形成され、該接続端子が各層の信号用パターンおよび接地用パターンと接続されていることを特徴とするアンテナ共用器。
  8. 前記容量素子はチップ容量、基板に内層した積層容量、あるいはギャップ容量のいずれかで構成され、前記誘導性素子はチップインダクタ、ヘリカルコイル、分布定数線路あるいは基板に内層した内層インダクタの何れかで構成される請求項7記載のアンテナ共用器。
  9. 二つのシステムのシステムがアンテナを共用するとともに、前記二つのシステムのうちの一つのシステムの送信周波数帯域の2倍の周波数帯域が他のシステムの送信周波数帯域の一部と重複するシステムで使用されるアンテナ共用器において、それぞれのシステムに対する送信のスイッチが起動電流の有無によりON、OFFが制御されるスイッチで構成されており、前記一つのシステムの2倍の周波数帯域が送信周波数帯域の一部と重複するシステムの送信スイッチに、前記他のシステムの周波数帯域の周波数に対して直列共振をする容量性素子C と誘導性素子L の直列回路が並列に接続され、
    前記容量性素子の容量値C を、前記一つのシステムの2倍の周波数帯域が送信周波数帯域の一部と重複するシステムの送信スイッチが有する端子間浮遊容量C の概略3倍に設定し、前記誘導性素子のインダクタンス値L は、前記他のシステムの帯域内の送信信号周波数をf T1 とするとき、概略L =1/3C (2πf T1 と設定されているアンテナ共用器を備えることを特徴とする移動無線端末。
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