JP3760064B2 - 半導体装置の製造方法及び半導体装置の平坦化加工装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び半導体装置の平坦化加工装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板の研磨加工方法及び研磨加工装置に係り、特に半導体集積回路の製造工程における平坦化加工に好適な半導体装置の製造方法及び半導体装置の平坦化加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の製造工程は多くのプロセス処理工程からなるが、まず本発明が適用される工程の一例である配線工程について図5を用いて説明する。
【0003】
図5(a)は一層目の配線が形成されているウェハの断面図を示している。トランジスタ部が形成されているウェハ基板15の表面には絶縁膜16が形成されており、その上にアルミニウム等の配線層17が設けられている。
【0004】
トランジスタとの接合をとるために絶縁膜16にホールが開けられているので、配線層のその部分17’は多少へこんでいる。図5(b)に示す二層目の配線工程では、一層目の上に絶縁膜18、金属アルミ層19を形成し、さらに、このアルミ層を配線パターン化するために露光用ホトレジスト層20を付着する。
【0005】
次に図5(c)に示すように、ステッパ21を用いて回路パターンを上記ホトレジスト20上に露光転写する。この場合、ホトレジスト層20の表面の凹部と凸部22では同時に焦点が合わないことになり、解像ボケという重大な障害となる。
【0006】
上記の不具合を解消するため、次に述べるような基板表面の平坦化処理が行われる。図5(a)の処理工程の次に、図5(d)に示すように、絶縁層18を形成後、図中23のレベルまで平坦となるように後述する方法によって研磨加工し、図5(e)の状態を得る。その後、金属アルミ層19とホトレジスト層20を形成し、図5(f)のようにステッパ21で露光する。この状態ではレジスト表面が平坦であるので前記解像ボケの問題は生じない。
【0007】
上記の平坦化処理方法として、例えば米国特許第4944836号、あるいは特開昭59−136934号公報(特公平5−30052号公報)には研磨を用いた平坦化加工法が述べられている。
【0008】
図6に、上記平坦化加工法として一般的にはCMP(化学機械研磨)加工法と呼ばれている加工方法の概念図を示す。研磨パッド25を定盤7上に貼り付けて回転駆動手段(モーター)8により回転させておく。この研磨パッド25としては、例えば発砲ウレタン樹脂を薄いシート状にスライスして形成したものであり、被加工物の種類や仕上げたい表面粗さの程度によってその材質や微細な表面構造を種々選択して使い分ける。他方、加工すべきウェハ5は弾性のあるバッキングパッド24を介してウェハホルダ4に固定する。このウェハホルダ4を回転させながら研磨パッド25表面に荷重し、さらに研磨パッド25の上に研磨スラリ23を供給することによりウェハ表面の絶縁膜18の凸部が研磨除去され、平坦化される。
【0009】
二酸化珪素等の絶縁膜を研磨する場合、一般的に研磨スラリ23としてはシリカが用いられる。シリカは、直径30〜150nm程度の微細で高純度なシリカ粒子を水酸化カリウムやアンモニア等のアルカリ水溶液に懸濁させたものであり、加工ダメージの少ない平滑面を得られる特徴がある。
【0010】
また、上記以外のウェハ平坦化加工技術として、酸化セリウム等からなる固定砥粒盤を用いた平坦化技術がある。基本的な装置の構成は図6に示した研磨パッド25を用いる遊離砥粒研磨技術と同様であるが、研磨パッド25の代わりに図7に示したように回転する定盤(プラテン)7上に固定砥粒盤6を取り付ける。
【0011】
また、研磨液23としてシリカ等の代わりに、砥粒を含まない水を供給するだけでも加工が可能である。なお、半導体装置の製造工程の途中で固定砥粒盤6を用いた平坦化加工技術は、例えばPCT特許出願(国際公開番号WO97/10613)で本発明者らが先に提案している。
【0012】
上記固定砥粒盤6は、砥粒と樹脂と気孔とで構成されている。このような固定砥粒盤6を用いて平坦化加工する場合、固定砥粒盤6の表面はダイヤモンドドレサ等を用いて平坦化し、固定化された砥粒の活性面を露出するドレッシング工程が必要である。このような工程を行なわずに平坦化加工を行なうと、ウェハ面内に局所的な応力集中が起こり、ウェハ面内の均一性の劣化やスクラッチ発生等の悪影響が生じる。
また、特開昭62−114870号公報にはセグメント状の固定砥石を貼り付けた研磨盤を用いて金属、硝子、セラミックなどをラッピングするための研磨盤の表面の保湿をおこないいつでも使用できる状態にするためにポリビニールアセタール系多孔質弾性体を用いて湿潤する開示がある。
また、特開平2−185374号公報には磁気ディスクようのアルミニウム合金製原盤の表面の研磨に用いる合成砥石をポリビニールアセタール系樹脂と熱硬化性樹脂の硬化体と珪酸塩の非晶体と砥粒微細粒子と多価アルコールを含ませて形成した砥石を使用前に12時間以上湿潤させて膨潤安定化する開示がある。
また、特開平11−333705号公報(特願平11−74127)には半導体ウエハ表面の平坦化をするにあたり砥石を湿潤した状態で砥石台座に固定して研磨を行うことにより砥石にそり等の問題を生じることなく安定にポリッシングできる開示がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術の項で述べたように固定砥粒盤6を用いた平坦化加工を行なう場合、加工レートの不安定さ(単位時間の加工量にバラツキが生じる)という課題がある。このような不具合を避けるためにウェハの加工前あるいは、加工中にドレシング工程を行なうことにより固定砥粒盤6表面を平坦に整える。
【0014】
しかしながら、装置立上げ直後の性能は不安定でウェハ間に加工レート変動が生じたり、ウェハ面内の均一性が低下する現象(加工むら)が生じる。従来は、この不安定性を除くために、装置を立ち上げ後に適当な時間放置して、いわゆるアイドリング時間を取り、しかる後にダミーウェハを流して性能を確認した上で製品着工するといった工程が不可欠であり、これらはコスト増加とスループット低下に繋がるという重大な問題となっていた。
【0015】
したがって、本発明の目的は、このような従来技術の問題点を解消し、経済性に優れ、かつ、スループットが向上する改良された固定砥粒盤を用いる平坦化加工方法及び加工装置を提供することにあり、これによって、信頼性の高い半導体装置を容易に製造することができる。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成するために、この種の多孔質の固定砥粒盤を用いる研磨加工方法及び加工装置について種々実験検討したところ、固定砥粒盤が湿潤する工程において、湿潤開始直後の一定時間内に吸湿による固定砥粒盤の急激な膨張変化が生じ、これによって形状が急変するため、この変形量が無視できないと云う貴重な知見を得た。
【0017】
したがって、本発明はこのような実験事実に基づく知見によってなされたものであり、固定砥粒盤が適正に湿潤する時間管理手段を平坦化加工装置本体に設けるか、もしくは加工研磨装置本体とは別に湿潤保管手段を設けておき、これによって研磨加工工程に入る前に予め固定砥粒盤に適正な湿潤状態を保持させておき、研磨加工開始と共に固定砥粒盤が常に最適な湿潤状態を保持しながら研磨加工できる構成とするものである。
【0018】
このような湿潤保管手段があると湿潤管理時間が短縮され装置稼働率が向上し、ダミーウェハによる性能確認も省略できるという効果がある。
【0019】
ここで上記目的を達成することのできる代表的な本発明の構成例を以下に示す。(1)砥粒を結合材で固定化した多孔質の固定砥粒盤を用いて半導体装置を製造する平坦化加工方法であって、前記固定砥粒盤を平坦化加工処理工程に用いる前に予め固定砥粒盤を湿潤処理液で前処理する工程を含むことを特徴とする平坦化加工方法である。
【0020】
湿潤処理液としては、通常は水やアルコールを主体とし、場合によっては砥粒含む加工液であってもよいが、実用的には加工液と共通の水を主体としたものが好ましい。また、固定砥粒盤を湿潤処理液で処理する湿潤処理時間は、通常、60〜100分程度で十分である。
【0021】
(2)砥粒を結合材で固定化した多孔質の固定砥粒盤と、固定砥粒盤を固定する回転定盤と、固定砥粒盤に加工液を供給する加工液供給手段とを少なくとも備えて半導体装置を製造する平坦化加工装置であって、前記平坦化加工装置は、さらに前記固定砥粒盤を固定する回転定盤及び前記加工液供給手段の時間制御を行う湿潤時間管理手段を備え、前記湿潤時間管理手段によって前記固定砥粒盤を予め湿潤処理液で一定時間湿潤処理した後に研磨開始する構成としたことを特徴とする平坦化加工装置である。
【0022】
また、(2)の発明においては、上記湿潤時間管理手段の代わりに、前記固定砥粒盤を予め湿潤処理する処理槽と、液体供給手段と、排水手段とを少なくとも有する湿潤保管手段を備え、前記湿潤保管手段の液体供給手段から湿潤処理液を処理槽に供給すると共に、この湿潤処理液で前記固定砥粒盤を予め一定時間湿潤処理した後に研磨開始する構成としたことを特徴とする平坦化加工装置とすることもできる。これによって、平坦化加工装置の立ちあげを早くすることができ、研磨開始当初から良好な状態で研磨加工ができスループット向上に有効である。
【0023】
また、上記湿潤保管手段としては、処理槽を圧力容器で構成すると共に、バルブを介して前記圧力容器に、例えば窒素やアルゴン等の不活性ガスを導入して加圧する加圧手段を設けることにより、圧力容器内に収容した湿潤処理液に所定のガス圧力をかけた状態で湿潤処理液中に浸漬した固定砥粒盤を予め一定時間湿潤処理し、その後に研磨加工を開始する構成とすることもでき、これによって湿潤処理時間をより短縮することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を具体的に説明する。
図1は本発明の基本的構成を示す概念図であり、装置構成は、研磨加工を行うプラテン7、プラテン7を回転する回転駆動手段8、プラテン上に取り付けられた固定砥粒盤6、ウェハ5とこれを保持するウェハホルダ4、加工時に水またはスラリ等の加工液3を供給する液供給ユニット2、固定砥粒盤6の表面をコンディショニングするコンディショナ9、回転駆動手段8と加工液供給手段2の動作を制御する湿潤時間管理手段1からなる。
【0025】
研磨加工時には、液供給ユニット2から加工液3を供給し、ウェハホルダ4に保持したウェハ5を固定砥粒盤6に押しつけながら、ウェハホルダ4とプラテン7を同時に回転させることで研磨が行われる。
【0026】
ここで固定砥粒盤6について、さらに詳細に説明する。
固定砥粒盤6は、平均粒径0.2〜0.3μm程度の砥粒、それらを固定化する樹脂と気孔からなる多孔質な固体である。
【0027】
砥粒としては例えばシリカ、CeO2、Al23、TiO2、酸化マンガン、酸化鉄など、樹脂としては例えばポリウレタン、ポリエチレン、ポリビニルアルコールなどであり、これらを成形して例えば気孔率40〜60%の固定砥粒盤6とする。厚さは被加工物により異なるが通常、2〜25mm程度である。
【0028】
このような多孔質の固定砥粒盤に液体をかける場合、気孔に液体が浸入することにより、物性(弾性率、形状、引張強度など)が変動する。
図4は、その一例を示した実験結果のグラフであり、縦軸は1分間当たりの変形率(%/等目盛)、横軸は湿潤経過時間(分/対数目盛)をそれぞれ示している。なお、測定に使用した固定砥粒盤6は、平均粒径0.2μmのCeO2砥粒を樹脂で成形して気孔率50%としたものであり、湿潤処理液としては水を使用した。
【0029】
この図から湿潤処理を開始した時点からの経過時間によって、固定砥粒盤6の1分間当りの変形率が大きく変動する様子がわかる。この特性から明らかなように湿潤開始当初に変動が大きく、時間の経過と共に安定する特徴がある。
【0030】
これは、気孔に浸入する液体量が湿潤開始当初に多いためである。この例では、湿潤開始後、60〜100分間後に1分間当りの変形率は0.0005%以下となり、安定化する。このような工程、つまり、乾燥した固定砥粒盤6をプラテン7に装着後、加工液供給手段2と回転駆動手段8とを湿潤管理手段1により制御して固定砥粒盤6に加工液3をかけながら、時間を管理して、100分経過後にウェハ5の加工を経た後にウェハ5の平坦化加工を行なったところ、加工レート変動の少ない良好な結果が得られた。
【0031】
なお、加工液3は、通常、水が主体であるが、研磨対象となる被加工物の材質によっては砥粒を含む研磨液でも良いし、その他の薬品を含んでいても良い。また、研磨工程に先だって固定砥粒盤6を湿潤処理する処理液としては通常、水が主体であるがアルコールであっても良く、その他、研磨対象となる被加工物の材質によっては砥粒を含む加工液でもよいが、この場合には固定砥粒盤6を加工する加工液より砥粒濃度が低いものが望ましい。
【0032】
次に、固定砥粒盤を適切に湿潤処理する本発明の湿潤保管手段の例について説明する。
図1に示した湿潤時間管理手段1では平坦化加工装置本体の機能を利用するため、固定砥粒盤6の湿潤中は加工ができないという難点がある。そこで図2ではそれを解決するための湿潤保管手段の一例を示した。
【0033】
この湿潤保管手段の構成は、水槽90と液体供給手段2と排水手段(ドレン10、バルブ14)とからなる。図1に示した平坦化装置に固定砥粒盤6を装着する前に、湿潤処理工程として本湿潤保管手段により所定時間(好ましくは60〜100分)、湿潤処理しておけば良い。また、例えば純水につけ置きすると不純物の生成(カビ等)が発生する問題があるため、バルブ14を開けて加工液3をかけ流しても良い。この加工液3は純水の他、アルコールなどでも良いが、その場合には、固定砥粒盤6を使用する前に純水に置換する必要がある。
【0034】
次に、湿潤保管手段の他の例を図3の概略図を用いて説明する。
上記図2に示した湿潤保管手段の一例では、湿潤時間が60〜100分間程度は必要であるが、図3に示すように圧力容器11を利用すると固定砥粒盤への湿潤時間の短縮(ほぼ半減する)が図れて望ましい。圧力容器11には、加圧手段13がバルブ14を介して結合されている。
【0035】
圧力容器11に固定砥粒盤6を挿入し、加工液12を入れた後に加圧して固定砥粒盤6内部に加工液12がしみ込む速度を加速する。このような手段を用いることにより、湿潤時間を短縮することができるため、装置稼働率が向上し望ましい。
【0036】
加圧手段13としては、加圧気体が充填されたガスタンク(加圧ポンプを付加してもよい)であり、バルブ14を調整して所定のガス圧を圧力容器11内の加工液12面にかける構成としたものである。
【0037】
なお、この場合の加工液12も純水の他、アルコールなどでも良い。その場合、固定砥粒盤6を使用する前に純水に置換する必要があることは言うまでもない。また、加圧する気体は窒素あるいは、アルゴン等の不活性ガスであると液体中のカビや腐食を防止できて望ましく、圧力としては例えば2〜5気圧程度のガス圧とし、30〜50分程度保持する。
【0038】
固定砥粒盤6の湿潤管理手段は、平坦化装置に内蔵させるとスペースを有効に利用できる。また、小型軽量化することにより、搬送手段を兼ねることも可能である。ラインからラインへの搬送もコンタミによる汚染を配慮することなく実施できる。
【0039】
【実施例】
以下、半導体装置の製造方法に本発明の平坦化処理方法及び装置を適用した実施例について説明する。
【0040】
〈実施例1〉
半導体装置の製造方法の一実施例を図8A〜図8Bの工程図を用いて説明する。なお、絶縁膜18の平坦化加工は、図1の平坦化装置を用いて研磨した。
【0041】
先ず、半導体基板として図8Aの工程(a)に示すように、予め周知の方法で一層目の配線17が形成されているウェハを準備する。すなわち、トランジスタ部が形成されているウェハ基板15の表面には絶縁膜16が形成されており、その上にアルミニウム等の第1の配線層17が設けられている。
【0042】
トランジスタとの接合をとるために絶縁膜16にホールが開けられているので、配線層のその部分17’は多少へこんでいる。
【0043】
次に、図8Aの工程(b)に示すように、絶縁層18を形成後、図中23のレベルまで平坦となるように後述する方法によって研磨加工し、図8Aの(c)の状態を得る。その後、金属アルミ層19とホトレジスト層20を形成し、図8Aの(d)のようにステッパ21で露光する。この状態ではレジスト表面が平坦であるので前記解像ボケの問題は生じない。
【0044】
次いで、図8Bの工程(e)でホトレジスト層20を選択的に除去してマスクパターン20aを形成し、続いて図8Bの工程(f)でこのマスクパターン20aを用いて金属アルミ層19を選択的にエッチングする。
【0045】
図8Bの工程(g)でマスクパターン20aを除去して第2の配線層19aを得る。この後、必要とする多層配線の数だけ図8Aの工程(b)〜図8Bの工程(g)を繰り返すことにより、所望とする多層配線構造体を容易に形成することができる。
【0046】
さて、図8Aの工程(b)〜(c)の絶縁層18の形成と研磨加工工程について説明する。絶縁層18としては、膜厚1μmの二酸化珪素を周知のCVD法により形成した。絶縁層18の平坦化研磨加工は、図1の平坦化加工装置により行った。
【0047】
研磨加工を行う前に、先ず、湿潤時間管理手段1による管理のもとで、所定の回転速度で回転する固定砥粒盤6上に、液供給ユニット2から水を処理液として供給しながら、約100分間湿潤処理を行った。
【0048】
引き続き液供給ユニット2から水を加工液として固定砥粒盤6上に供給すると共に、予め絶縁層18の形成されたウェハ5面を固定砥粒盤6に押しつけながら、ウェハホルダ4とプラテン7を同時に回転させることで研磨加工を行った。その結果、ウェハ面内の均一性の劣化やスクラッチ発生等の問題がなく、加工レート変動の少ない良好な平坦化加工面が得られた。
【0049】
なお、固定砥粒盤6としては、平均粒径0.3μmの砥粒(材質はCeO2)、樹脂をバインダとして気孔率50%で成形し、厚さ20mmのものを使用した。
【0050】
〈実施例2〉
実施例1の平坦化研磨加工工程を、図2による湿潤保管手段により予め湿潤処理した固定砥粒盤6を用いて行った。水槽90に湿潤処理液として純水を満たし、
その中に固定砥粒盤6を約100分間放置してから、これを図1の平坦化装置のプラテン7に装着して実施例1と同様の平坦化研磨加工を行った。この場合も実施例1と同様の効果が得られた。
【0051】
〈実施例3〉
実施例2の図2による湿潤保管手段の代わりに、図3の湿潤保管手段により予め湿潤処理した固定砥粒盤6を用いて行った。圧力容器11に純水を満たし、その中に固定砥粒盤6を浸漬した状態で、2気圧の窒素ガスで水面を加圧して湿潤処理を30分間行ってから、これを実施例2と同様に図1の平坦化装置のプラテン7に装着して平坦化研磨加工を行った。この場合、実施例2よりも短時間(1/2の30分)の湿潤処理であったが実施例2と同様の効果が得られた。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明により従来の固定砥粒盤6を使用した場合の平坦化処理の問題を解消すると云う所期の目的を達成することができた。すなわち、半導体ウェハの研磨加工による表面パターンの平坦化技術に関して、従来の固定砥粒盤を用いる技術では不安定であった加工レート変動や加工むらを低減することが可能になる。
【0053】
また、従来必要であった装置の性能を評価するためのダミーウェハの枚数を削減できるので、低コスト化という面でも効果がある。すなわち、従来は研磨加工装置を立ち上げ後に適当な時間放置して、いわゆるアイドリング時間を取り、しかる後にダミーウェハを流して性能を確認した上で製品着工するといった工程が不可欠であったが、本発明ではこれを不要とした。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例となる平坦化加工装置の概略説明図。
【図2】他の実施例となる湿潤保管手段の説明図。
【図3】さらに他の実施例となる湿潤保管手段の説明図。
【図4】湿潤時間と固定砥粒盤の変形率との関係を説明するグラフ。
【図5】半導体装置の製造工程図。
【図6】従来の平坦化加工装置の概略説明図。
【図7】従来の平坦化加工装置の概略説明図。
【図8A】本発明の一実施例となる半導体装置の製造工程図。
【図8B】本発明の一実施例となる半導体装置の製造工程図。
【符号の説明】
1…湿潤時間管理手段、 2…加工液供給手段、
3…加工液、 4…ウェハホルダ、
5…ウェハ、 6…固定砥粒盤、
7…プラテン、 8…回転駆動手段、
9…ドレッサ、 11…圧力容器、
12…加工液、 13…加圧手段、
14…バルブ、 15…ウェハ基板、
16…絶縁膜、 17…配線層、
18…絶縁層、 19…金属アルミ層、
19a…第2配線層、 20…ホトレジスト層、
20a…マスクパターン、 21…ステッパ
10…ドレン、 90…水槽。

Claims (8)

  1. 半導体基板上に形成された凹凸を有する表面を平坦化する半導体装置の製造方法において、
    平均粒径0.2〜0.3μmの砥粒結合材で固定化され、かつ気孔を有する多孔質の固定砥粒盤をプラテンに装着し、
    当該固定砥粒盤が装着されたプラテンを回転させながら前記装着された固定砥粒盤に対して湿潤処理液を供給することにより前記固定砥粒盤を膨潤させ
    所定の湿潤時間の経過後に加工液を前記固定砥粒盤に供給しつつ前記半導体基板表面を固定砥粒盤に押しつけながら行う研磨を開始し、
    当該研磨による前記半導体装置の平坦化処理を行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記砥粒はシリカ、CeO、Al、TiO、酸化マンガン、酸化鉄のいずれか1つからなり、前記結合材はポリウレタン、ポリエチレン、ポリビニルアルコールのいずれか1つからなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記湿潤処理液が、水、アルコールもしくは研磨加工液であることを特徴とする請求項1またはに記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記湿潤処理液は、水もしくは研磨加工液であり、
    前記所定の湿潤時間が60〜100分間であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 半導体基板上に形成された凹凸を有する表面を平坦化する半導体装置の平坦化加工装置において、
    平均粒径0.2〜0.3μmの砥粒を結合材で固定化し気孔を有する多孔質の固定砥粒盤と、
    前記固定砥粒盤を固定する回転定盤と、
    当該回転定盤を回転させる回転駆動手段と、
    前記固定砥粒盤に加工液を供給する加工液供給手段と
    当該加工液供給手段及び回転駆動手段の動作を制御する湿潤時間管理手段とを少なくとも備え
    当該湿潤時間管理手段は、前記半導体装置の研磨開始に先立つ所定の湿潤時間が経過するまでは前記回転定盤に湿潤のための処理液を供給し、
    該湿潤時間の経過後は、前記半導体装置の研磨のための加工液を前記回転定盤に対して供給することを特徴とする半導体装置の平坦化加工装置。
  6. 請求項5に記載の半導体装置の平坦化加工装置において、
    前記砥粒がシリカ、CeO、Al、TiO、酸化マンガン、酸化鉄のいずれか1つからなり、
    前記結合材はポリウレタン、ポリエチレン、ポリビニルアルコールのいずれか1つからなることを特徴とする半導体装置の平坦化加工装置。
  7. 請求項5または6に記載の半導体装置の平坦化加工装置において、
    前記湿潤処理液が、水、アルコールもしくは研磨加工液であることを特徴とする半導体装置の平坦化加工装置。
  8. 請求項5から7のいずれか1つに記載の半導体装置の平坦化加工装置において、
    前記湿潤時間管理手段は、前記湿潤時間を60〜100分間に管理することを特徴とする半導体装置の平坦化加工装置。
JP22492699A 1999-08-09 1999-08-09 半導体装置の製造方法及び半導体装置の平坦化加工装置 Expired - Fee Related JP3760064B2 (ja)

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