JP3759963B2 - 可変レート送信方法、受信方法、可変レート送信装置および受信装置 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、無線通信における可変レートの伝送方法で、特に、移動通信における直接拡散符号分割多元接統(DS−CDMA:Direct Spreading Code Division Muldple Access)方法に適用できる可変レート伝送方法およびそれに用いる装置に関するものである。
【0002】
背景技術
DS−CDMAでは、情報データで搬送波を狭帯域変調し(例えば2相位相変調や4相位相変調)、その後、より高速レートの2値拡散符号系列で拡散して、送信している。受信側では、送信に用いたものと同じ2値拡散符号系列を受信信号に乗積して、もとの狭帯域変調信号を得て、送信データに復調する。
【0003】
ところで、通信中に情報レートが変化する場合がある。音声通信ではたとえば、8kbps程度のレートであるが、音声信号のない時間もあり、このときは情報レートを低下させても品質に大きな劣化はない。CDMAでは情報レートが低いときには送信電力を低くして、他に与える干渉を低減することが重要である。
【0004】
これは、干渉量で通信品質が決まってしまうからである。このため、CDMAでは可変レート伝送方法の実現が重要である。
【0005】
この可変レートの方法として、問欠送信がある。この間欠送信は、最大の情報レートのときは連統伝送であるが、低レートのときは、瞬時送信レートは最大レートのままで、送信時間の割合を減らすことにより平均送信レートを情報レートに等しくさせる。これによって干渉量を低下させようとするものである。
【0006】
この間欠送信については、例えば、
文献1:R.Padovani.,R.,“Reverse link erformance of IS−95 based cellular systems”IEEE Personal Communications,pp28−34,3rd Quarter,1994、
文献2:Y.Okumura and F.Adachi,“Variable rate data transmission with blid rate detection for coherent DS−CDMA mobile radio”IEEE electron.Lett.vol.32,pp.1865−1866,Sept.1996を参照されたい。
【0007】
もう一つのCDMAにおける可変レートの伝送方法に連続送信がある。この連続送信における可変レート伝送は、情報レートの変化に応じて無線の瞬時送信レートを変化させるとともに、送信レートに応じて送信電力を変化させている。
【0008】
このように、連続送信において、送信レートに応じて送信電力を変化(伝送レートに逆比例)させているので、平均干渉量は連続送信においても、間欠送信と同様に低下させることが可能である。
【0009】
CDMAの技術では、送信電力制御が不可欠である。この送信電力制御を行うとき、受信側において測定された受信SIR(signal to interference ratio)と予め設定された目標SIRとの比較結果に基づいて、受信SIRが目標SIRと等しくなるように制御することが行われている(例えば、本出願人が出願した特願平8−162972号を参照)。このとき、受信記号中に含まれる周期的に送られてくる既知の信号であるパイロット信号で挟まれたスロット単位でSIRを測定し、このSIRを目標SIRと比較している。そして比較結果に基づき、送信電力制御のためのコマンドを作成して、送信電力制御に反映するために送信している。この送信電力制御のコマンドの送信単位は、測定単位であるスロット単位である。
【0010】
送信レートに応じて送信電力を変化させる場合、異なるレートに対して常に同じ目標SIRを用いて送信電力を行うと受信品質が一定とならない。このため、従来の目標SIRを用いる送信電力制御を、送信レートに応じて送信電力を変化させる送信信号には、そのまま適用することはできない。
【0011】
発明の開示
本発明の目的は、上述の連続送信による可変レート伝送方法を実現するための、送信方法と受信方法および装置を提供することにある。
【0012】
また、送信レートに応じて送信電力を変化(例えば、伝送レートに逆比例)しているとき、受信側において、レートが変化しても常に一定の受信品質を得られる送信電力制御を行うことができるようにすることも本発明の目的である。
【0013】
上記発明の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、可変レート送信方法であって、送信する情報のレートが変化する、1つの受信側との間の1つの通信に対して、当該通信が始まる前に、少なくとも最大情報レートの2倍のレートである異なる長さの複数の直交符号を用意するステップと、前記通信の間に、前記変化する送信する情報のレートに応じて、前記用意した直交符号の中から1つを選択するステップと、前記選択した直交符号を、前記情報を含む送信信号に乗積するステップとを備え、前記複数の直交符号の各々は、前記送信する情報のレートがとり得る各値に対応し、前記送信信号は、さらに、スペクトルを拡散するための拡散符号系列により乗積され、前記レートに応じた送信電力で送信され、前記送信方法は、さらに、前記送信する情報に対応するデータ・シンボルに、既知のパイロット・シンボルを周期的に挿入し、前記パイロット・シンボルで規定されるスロットが複数で構成するフレーム単位でレートを変更し、前記送信方法は、受信側からの送信電力制御コマンドにより、前記スロット単位で送信電力を制御し、前記送信方法は、レートが変化する直後のスロットでは、前記挿入したパイロット・シンボルは、変化する以前のレートに応じた電力で送信する。
【0014】
請求項2に記載の発明は、可変レート送信方法であって、送信する情報のレートが変化する、1つの受信側との間の1つの通信に対して、当該通信が始まる前に、少なくとも最大情報レートの2倍のレートである異なる長さの複数の直交符号を用意するステップと、前記通信の間に、前記変化する送信する情報のレートに応じて、前記用意した直交符号の中から1つを選択するステップと、前記選択した直交符号を、前記情報を含む送信信号に乗積するステップとを備え、前記複数の直交符号の各々は、前記送信する情報のレートがとり得る各値に対応し、前記送信信号は、さらに、スペクトルを拡散するための拡散符号系列により乗積され、前記レートに応じた送信電力で送信され、前記送信方法は、さらに、前記送信する情報に対応するデータ・シンボルに、既知のパイロット・シンボルを周期的に挿入し、前記パイロット・シンボルで規定されるスロットが複数で構成するフレーム単位でレートを変更し、前記送信方法は、受信側からの送信電力制御コマンドにより、前記スロット単位で送信電力を制御し、前記送信方法は、レートが変化する直後の少なくとも1つのスロットに対応する前記送信電力制御コマンドによる送信電力制御を停止する。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の送信方法において、前記送信電力制御の停止するスロット数は、伝送品質により決定される。
【0016】
請求項4に記載の発明は、受信方法において、直交符号のレートで受信信号を標本化して受信信号標本系列を作成し、受信信号標本系列と複数の異なる長さの直交符号との相関をとり、相関をとった結果である相関値の大きさを比較して最大の直交符号を判定し、相関値が最大の直交符号と受信信号標本系列とを乗積して、受信信号を復調するとともに、受信信号のスロット対応に受信SIR値を測定し、前記受信SIR値を直交符号の前記判定によるレートで補正し、前記補正した受信SIR値と目標SIR値とを比較し、前記比較した結果により、送信電力制御コマンドを作成する。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項4記載の受信方法において、前記受信信号の復調は、スロットごとに行う。
【0018】
請求項6に記載の発明は、受信方法において、直交符号のレートで受信信号を標本化して受信信号標本系列を作成し、受信信号標本系列と複数の異なる長さの直交符号との相関をとり、相関をとった結果である相関値の大きさを比較して最大の直交符号を判定し、相関値が最大の直交符号と受信信号標本系列とを乗積して、受信信号を復調するとともに、レートが変化する直後のスロットでは、前記パイロット・シンボルの受信SIR値を測定し、他のスロットではスロット対応に受信SIR値を測定し、前記スロット対応の受信SIR値を直交符号の判定によるレートで補正し、前記パイロット・シンボルの受信SIR値を変化する前のレートで補正し、前記補正した受信SIR値と目標SIR値とを比較し、前記比較した結果により、送信電力制御コマンドを作成する。
【0019】
請求項7に記載の発明は、受信方法において、直交符号のレートで受信信号を標本化して受信信号標本系列を作成し、受信信号標本系列と複数の異なる長さの直交符号との相関をとり、相関をとった結果である相関値の大きさを比較して最大の直交符号を判定し、相関値が最大の直交符号と受信信号標本系列とを乗積して、受信信号を復調するとともに、前記一定レートのパイロット・シンボルの受信SIR値を測定し、前記受信SIR値を直交符号の前記判定によるレートで補正し、前記補正した受信SIR値と目標SIR値とを比較し、その比較結果により、送信電力制御コマンドを作成する。
【0020】
請求項8に記載の発明は、可変レート送信装置であって、送信する情報のレートが変化する、1つの受信側との間の1つの通信に対して、当該通信が始まる前に、少なくとも最大情報レートの2倍のレートである異なる長さの複数の直交符号を用意し、前記通信の間に、前記変化する送信する情報のレートに応じて、前記用意した直交符号の中から1つを生成する直交符号生成部と、前記直交符号生成部からの直交符号を、前記情報を含む送信信号に乗積する乗積部とを備え、前記複数の直交符号の各々は、前記送信する情報のレートがとり得る各値に対応し、前記送信装置は、スペクトルを拡散するための拡散符号系列を発生する拡散系列発生部と、前記拡散系列発生部からの拡散符号系列を送信信号に乗積する乗積部と、送信するレートに応じて送信電力を変化させる送信部とを備え、前記送信装置は、周期的に既知のパイロット・シンボルを発生するパイロット・シンボル発生部を備え、前記送信装置は、前記送信する情報に対応するデータ・シンボルに挿入するとともに、前記パイロット・シンボルで規定されるスロットが複数で構成するフレーム単位でレートを変更し、前記送信装置は、受信側からの送信電力制御コマンドにより、前記スロット単位で送信電力を制御する送信電力制御部を備え、前記送信装置は、レートが変化する直後のスロットでは、前記挿入するパイロット・シンボルは、変化する以前のレートに応じた電力で送信する。
【0021】
請求項9に記載の発明は、可変レート送信装置であって、送信する情報のレートが変化する、1つの受信側との間の1つの通信に対して、当該通信が始まる前に、少なくとも最大情報レートの2倍のレートである異なる長さの複数の直交符号を用意し、前記通信の間に、前記変化する送信する情報のレートに応じて、前記用意した直交符号の中から1つを生成する直交符号生成部と、前記直交符号生成部からの直交符号を、前記情報を含む送信信号に乗積する乗積部とを備え、前記複数の直交符号の各々は、前記送信する情報のレートがとり得る各値に対応し、前記送信装置は、スペクトルを拡散するための拡散符号系列を発生する拡散系列発生部と、前記拡散系列発生部からの拡散符号系列を送信信号に乗積する乗積部と、送信するレートに応じて送信電力を変化させる送信部とを備え、前記送信装置は、周期的に既知のパイロット・シンボルを発生するパイロット・シンボル発生部を備え、前記送信装置は、前記送信する情報に対応するデータ・シンボルに挿入するとともに、前記パイロット・シンボルで規定されるスロットが複数で構成するフレーム単位でレートを変更し、前記送信装置は、受信側からの送信電力制御コマンドにより、前記スロット単位で送信電力を制御する送信電力制御部を備え、前記送信装置は、レートが変化する直後の少なくとも1つのスロットに対応する前記送信電力制御コマンドによる送信電力制御を停止する。
【0022】
請求項10に記載の発明は、請求項9記載の送信装置において、前記送信電力制御の停止するスロット数は、伝送品質により決定される。
【0023】
請求項11に記載の発明は、受信装置において、直交符号のレートで受信信号を標本化して受信信号標本化系列を作成する標本化部と、前記標本化部からの受信信号標本系列と複数の異なる長さの直交符号との相関をとる相関部と、相関をとった結果である相関値の大きさを比較して最大の直交符号を判定する直交符号判定部と、前記直交符号判定部で判定された直交符号を生成する直交符号生成部と、前記直交符号生成部からの直交符号と受信信号標本系列とを乗積する乗積部とを備えるとともに、受信信号のスロット対応に受信SIR値を測定する受信SIR測定部と、前記受信SIR値を直交符号の前記判定によるレートで補正する補正部と、前記受信SIR値と目標SIR値とを比較する比較部とを備え、前記比較した結果により、送信電力制御コマンドを作成する。
【0024】
請求項12に記載の発明は、請求項11記載の受信装置において、前記受信信号の復調は、スロットごとに行う。
【0025】
請求項13に記載の発明は、受信装置において、直交符号のレートで受信信号を標本化して受信信号標本化系列を作成する標本化部と、前記標本化部からの受信信号標本系列と複数の異なる長さの直交符号との相関をとる相関部と、相関をとった結果である相関値の大きさを比較して最大の直交符号を判定する直交符号判定部と、前記直交符号判定部で判定された直交符号を生成する直交符号生成部と、前記直交符号生成部からの直交符号と受信信号標本系列とを乗積する乗積部とを備えるとともに、レートが変化する直後のスロットでは、前記パイロット・シンボルの受信SIR値を測定し、他のスロットではスロット対応に受信SIR値を測定する受信SIR測定部と、前記スロット対応の受信SIR値を直交符号の判定によるレートで補正し、前記パイロット・シンボルの受信SIR値を変化する前のレートで補正する補正部と前記補正した受信SIR値と目標SIR値とを比較する比較部とを備え、前記比較した結果により、送信電力制御コマンドを作成する。
【0026】
請求項14に記載の発明は、受信装置において、直交符号のレートで受信信号を標本化して受信信号標本系列を作成する標本化部と、受信信号標本系列と複数の異なる長さの直交符号との相関をとる相関部と、相関をとった結果である相関値の大きさを比較して最大の直交符号を判定する直交符号判定部と、相関値が最大の直交符号と受信信号標本系列とを乗積する乗積部とを備えるとともに、前記一定レートのパイロット・シンボルの受信SIR値を測定する受信SIR測定部と、前記受信SIR値を直交符号の前記判定によるレートで補正する補正部と、前記補正された受信SIR値と目標SIR値とを比較する測定部とを備え、前記比較した結果により、送信電力制御コマンドを作成する。
【0027】
発明を実施するための形態
本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1は本発明の実施形態を示すブロック図で、CDMA伝送方式による送信装置のベースバンドの処理の一部を示している。図1において、105は位相変調部で、デジタル信号である送信情報系列を位相変調する。103は乗算部で送信レートに対応して直交符号生成部101で生成される直交符号を、位相変調された送信信号に対して乗算している。乗算された送信信号は、乗算部104により拡散符号系列発生部102からの拡散符号系列を乗算されて拡散される。
【0029】
直交符号生成部101は、送信信号のレート情報により生成する直交符号を選択している。直交符号生成部101で生成される直交符号のビットレートは、送信される最大伝送レートの2倍である。
【0030】
変調された送信信号に対して、レート情報に対応する直交符号を乗算部103で乗算する。レート情報に対応した直交符号を乗算された送信信号は、乗算部104により拡散符号系列を乗算されてスペクトル拡散され、CDMA信号となり、レート情報により送信電力制御されて送信される。
【0031】
図1において、情報レートが最大のQ分の1であるときの送信方法で用いる直交符号は、例えば、Q個連続する1とQ個連続する−1の合計2Q個の2値符号の連続である。この直交符号の時間長は1情報長に等しいから、直交符号のビットレートは常に最大情報レートの2倍である。この直交符号生成部101で生成される直交符号については、以下に詳しく説明する。
【0032】
直交符号生成部101で生成される直交符号は、図2のように一定の規則の基で生成される。図2において、行列C2は行ベクトルC2(1)=(1,1)、
【0033】
【数1】
C2(2)=(1,−1)で構成されている。
は1と−1とを逆にした
を意味している。このようにして、C2nは、図2に示したように定義される。
【0034】
ここに示した例で、生成されるマトリックスの行ベクトルはウオルシュ関数になる。
【0035】
これを階層構造で各行列の行ベクトルを記述したのが図3である。
【0036】
記号Cの添字は行列の次数である。最大次数が64の場合で示してある。最低伝送レートときは、64個の行ベクトル{C64(1),・・・,C64(64)}の中の1つを直交符号として生成する。2倍の伝送レートでは32個の行ベクトル{C32(1),・・・,C32(32)}の中の1つを直交符号として割り当てる。ある階層のマトリックスの中の行ベクトルを直交符号として割り当てるときには、その枝の下位の階層の行ベクトルの中で、すでに割り当てられているものが含まないように選択する。
【0037】
すなわち、直交符号の選択では、2k×2k元マトリックス(整数k)の中の行ベクトルを直交符号として選択するときには、全ての2J×2J元マトリックス(kより大きい整数j)の中の行ベクトルの中で、すでに割り当てられているもののいずれもが、選択しようとしている行ベクトルまたはそれを反転した行ベクトルに対して部分ベクトルとして含まないことを意味している。
【0038】
各伝送レートにおいて発生する直交符号を具体的に図示したのが図4である。
【0039】
図4は、最大の情報伝送レートの2倍のレートを有する直交符号の場合を図3と同様に階層構造とともに示したものである。さて、図4において、図1の直交符号生成部101において、発生する直交符号は、点A,点B,点C,点Dで示されている。点Aは、最低の伝送レート(最高伝送レートの1/8)に対する直交符号であり、点Dはその8倍の伝送レート(最高伝送レート)に対する直交符号である。図示のように、点Dに対応する直交符号は、1情報長に対して2ビットを有している。
【0040】
上記の図1および図4における直交符号は、最大伝送レートの2倍のビットレートの直交符号の場合で説明してきた。しかし、使用する直交符号のビットレートは、最大情報レートの4倍、8倍等、2n倍(n:自然数)でもよい。
【0041】
図5は、使用する直交符号のビットレートが、最大伝送レートの4倍の例を示す。図5Aにおいては、点A′が最低の伝送レート(最高伝送レートの1/8)に対する直交符号であり、点D′がその8倍の伝送レート(最高伝送レート)に対する直交符号である。
【0042】
図5Aの点D′に対応する直交符号は、1情報長に対して4ビットを有している。図5Bは、使用する直交符号のビットレートが最大伝送レートの4倍の他の例を示す。このように、図5に示した階層において、その枝の下位の階層の直交符号を含まないように、各レベルの階層において選択した直交符号を用いてもよい。例えば、点Eは、その枝の下位の階層に点A″および点B″を含むので、図示のように、その枝の下位の階層に点A″および点B″を含まない点D″を選択している。
【0043】
このようにして送信されたCDMA信号は、この信号から直接的に伝送レートを判別することができる。これを図6に示した受信側の復調部の構成を示すブロック図で説明する。図6に示したのは、送信された信号を受信して、ベースバンドに変換し、デジタルに変換した後の部分のみを示している。
【0044】
図6において、401は乗算部で、拡散符号系列発生部402からの拡散符号系列を乗算することにより逆拡散する。403は標本化部で、直交符号のビットレートすなわち最大情報伝送レートの2倍でサンプリングする。420は相関演算部で、送信する際に伝送レートごとに用いている前述の直交符号と乗算して相関をとる。例えば、送信信号が図4で示した直交符号を用いている場合は、4つの直交符号と相関をとる。相関演算部420は、各直交符号ごとに、乗算部421、積分部422、2乗部423および加算部424を有しており、各直交符号ごとに並列に演算して、各直交符号との相関をとっている。各積分部422は、それぞれの情報レートの1情報長分だけ積分する。各加算部424も同様に1情報長づつ加算する。すなわち、例えば図4の直交符号において、最低の情報レートである場合は8回加算する。404は最大値符号選択部で、相関演算部420の結果を受け、最大の相関値の直交符号を選択している。
【0045】
405は遅延部で、最大値符号選択部404で、最大の相関値の直交符号が検出されるまで受信信号を遅延する。407は直交符号生成部で、最大値符号選択部404で選択された直交符号を発生する。406は、直交符号を標本化受信信号と乗算している。408は積分部で、対応する情報レートの1情報期間分だけ積分する。410は位相復調部で、受信信号を復調する。
【0046】
さて、図6において、ベースバンドのデジタルである受信信号は、乗算部401で拡散符号系列を用いて逆拡散した後、標本化部403において、拡散信号を直交符号のビットレート(すなわち最大情報レートの2倍)で標本化する。相関演算部420においては、送信側で用いている直交符号の組を用意し、標本信号系列とそれぞれ相関をとり、最大値符号選択部404において相関値を比較している。そして、最大値符号選択部404において、相関値が最大の直交符号に相当するレートが送信された情報のレートであると判定する。
【0047】
図6における相関演算部420を詳しく説明する。受信標本化レートは情報レートRmaxの2倍である。相関演算部420における直交符号1は最大情報レートに、直交符号Qmaxは最低情報レートに対応している。相関演算ブロックの中に積分回路があるが、積分時間はそれぞれに対応する情報レートの1情報長であり、相関値を求めている。2乗部423では、相関値を2乗するために挿入されている。また、加算回路があるが、これは、最低情報レート以外の情報レートで伝送されている場合は、最低情報レートの1情報期間に複数個の情報が現われるからである。たとえば、最低レートが最大レートの8倍であるとき、直交符号1の加算回路は8回加算、直交符号2の加算回路は4回加算する。そして、最低レートの1情報期問毎に相関値を比較し、最大値を与える符号を選択する。図6ではこの符号のインデックスはQ′で示されている。
【0048】
図6の構成において、レート判定に遅延があるので、受信信号標本系列を遅延させておく必要があり、それを保証するために遅延部405が設けられている。
【0049】
情報レートを決定したあとは、それに相当する直交符号系列と受信信号標本系列との相関をとれば、相関値の系列が受信系列になる。
【0050】
最大値符号選択部404で選択された直交符号を直交符号生成部407で生成し、遅延された受信信号標本系列に乗積する。そのあと、判定した情報レートに相当する期間積分する。
【0051】
受信情報系列は、通常、位相変調されているので、相関値の系列を位相復調部410において、位相復調して源データ系列を得る。このように、受信部において直交符号と相関をとることで、送信レートを検出することができる。上記では、CDMA通信方式の送受信に関して説明したが、この直交符号により、送信レートを検出することは、他のデジタル送受信の通信方式に用いることは当然にできる。
【0052】
上述の実施形態において説明しているDS−CDMAでは、一般に、パイロット・シンボルを使用して通信を行うことは、本出願前に知られている。ここで、パイロット・シンボルについて説明する。このパイロット・シンボルは、既知の信号を周期的にデータ・シンボルに挿入して送信している。この既知のパイロット・シンボルを用いて送信路の伝達関数を推定し、受信データ・シンボルを補正することで正確な復調が可能となる。この周期的に送られてくるパイロット・シンボル間をスロットという。上述のレートの変更は、複数のスロットで構成されるフレーム単位で行っている。
【0053】
このCDMAにおいては周波数ドリフト補正、すなわち、無線中心周波数における送受信機間でのずれに対する補正を行う処理のように、受信信号を拡散符号レート(チップ・レート)単位またはそれ以上のレートでサンプリング(標本化)した情報をもとに行う処理がある。通常、このような処理は、受信側において、挿入されている既知のデータ・パターンであるパイロット・シンボル部分の受信信号を用いて行われる。
【0054】
さて、本発明では、フレーム単位で変更されるレート判定を行うために、送信側でデータ・レートの応じた異なる長さの直交符号を送信データに乗積している。この場合、上述のパイロット・シンボルも含めてレートが変更されている。
【0055】
このような受信信号に対してドリフト補正等の処理を行う場合、図6の標本化部403で標本化された後の信号(シンボル・レートの2倍のレートでサンプリングされた信号)は、上記周波数ドリフト補正等に使用することができない。このため、パイロット・シンボルについて、レート判定結果が得られた後、図6の標本化部403において標本化する前の受信信号に対し、判定レートに対する直交符号を乗積してもとに戻してから、上記周波数ドリフト補正等の処理で使用する。
【0056】
パイロット・シンボル以外の情報シンボル部分についても受信SIRの測定を正確に行うためには、レート判定(直交符号の判定)結果による信号復調(相関値が最大の直交符号と受信信号標本系列との乗積)をスロットごとに行う必要がある。
【0057】
このようなレート判定後にドリフト補正等を行うには、要求される精度のレート判定結果が得られる時間分だけ受信信号を遅延させるため、受信信号をメモリに蓄積しておく必要がある。しかしながら、このような目的で使用されるメモリは、CDMA受信機においては、規模が比較的大きくなるという欠点がある(すなわち、同じ時間分の情報を蓄積するのに、シンボル・レートによるサンプリング・データを蓄積する場合のメモリ容量に対し、拡散率を乗じたメモリ容量がメモリ容量が必要となる)。
【0058】
そこで、パイロット・シンボルの部分は、常に一定のシンボル・レート(通常、最大のデータ・レートと同じシンボル・レート)で送信することもできる。そして、データ・レートに応じた直交符号を送信側で乗積することは行わない。受信側では、レート判定結果が得られるのを待たずに、この部分の受信信号(パイロット・シンボル)を用いて上記周波数ドリフト補正等の処理が可能である。なお、このパイロット・シンボルは、スロットのデータ・レートと同様の送信電力で送信されている。
【0059】
このように、パイロット・シンボル部分の信号は、常に一定のレートで送信すると、レート判別は必要なくなり、上述のチップレート単位の情報を蓄積するメモリが必要なくなり、回路規模の削減が可能である。
【0060】
なお、この場合、パイロット・シンボル部分をレート判別に使用しないため、レート判定の精度が若干低くなることが予想されるが、フレーム内(またはスロット内)の伝送データ・シンボルのうち、パイロット・シンボル部分が占める時間的割合は、比較的少ないため(通常は10分の1以下)、それによる影響は少ないものと考えている。
【0061】
CDMAによる移動通信の場合、送信信号の電力を受信側において最適に制御することが必要である。上述の可変レートによれば、レートが変化するとそれに伴い送信電力も変化している。このような送信の場合、送信電力制御もレートに応じて行う必要がある。
【0062】
図7および図8を用いて、上述の可変レートによる送信を行ったとき、受信側において測定された受信SIR(signal to interference ratio)を目標SIRと一致させることで受信品質を一定に保つように、送信電力を制御する送信電力制御を適用したときの受信を説明する。
【0063】
図7は、受信機の構成を説明するブロック図である。図8は、図7の構成の受信機で受信されたスロットの処理を示した図である。また、図7において、図6で説明した受信機と同様の構成には、おなじ参照番号を用いている。
【0064】
受信された受信信号は、拡散系列を用いて逆拡散された後、相関演算部420を用いて上述の直交符号を用いて相関をとった後、最大値符号選択部404において相関値が最大となる直交符号を選択する。これにより送信レートが受信側において認識することができる。この直交符号を用いて、遅延された受信信号を復調して受信情報系列を取り出すことができる。これは図6で説明した通りである。
【0065】
さて、逆拡散された受信信号は、受信SIR測定部450へも入力される。この受信信号に対して、受信SIR測定部450においてスロット単位でSIR値を測定する。測定されたスロット毎のSIR値を、レート判定結果保持部454に保持されたレートにより補正部452で補正する。補正部452で補正された補正受信SIR値と、目標SIR設定部458からの目標SIR値とを、比較部456で比較する。レート判定結果保持部454に保持されるレートは、直前までに受信されたスロットを用いて、フレームに対するレートを判定したものである。送信レートは複数のスロットで構成されたフレーム毎に変化するので、レート判定結果保持部454に保持されているレートは、このフレームが変わる毎にリセットされる。
【0066】
パイロット・シンボル以外の情報シンボル部分についても受信SIRの測定を正確に行うためには、レート判定(直交符号の判定)結果による信号復調(相関値が最大の直交符号と受信信号標本系列との乗積)をスロットごとに行う必要がある。
【0067】
さて、比較部456の出力である比較結果は、送信側に対する送信電力コマンドに反映される。上述のように比較結果はスロット毎に得られるので、送信電力コマンドは、スロット毎に発信される。
【0068】
時間が経過すると、レート判定結果の判定精度が改善され、フレームの最終スロットにおける判定結果の判定精度が平均的にはもっともよくなる。上述の受信情報系列を復調するための直交符号は、遅延部405により1フレーム遅延させることにより、最終スロットにおける判定結果を用いている。
【0069】
図8(a)は、Q=1のレートで送信されていた信号が、Q=2のレートで送信されるように変化するときの受信信号を示している。Q=2のレートで送信される場合は、送信電力が少なくされている。図8(b)はQ=1のレートで送信されていたフレームの最終のスロットと、Q=2のレートで送信されるフレームの最初の数スロットを拡大して示している。図8(c)は、相関を演算するタイミングを説明している。
【0070】
図8を用いて、フレームが変わったときの処理について説明する。
【0071】
図8(b)において、レートが変化する前のフレームの最終のスロットから、レートが変化した直後のフレームの第1スロットにまず注目する。図8(c)に示されているように、第1スロットが始まると相関演算を開始する。その相関演算結果に基づきレートを決定し、第2スロットに対する受信SIR値を補正する。第2スロットに対する相関演算を継続して、それまでに得られた演算結果を第3スロットの目標SIR値の補正に使用する。このように、第2スロット以降は、レートにより補正された受信SIR値を用いて比較することができるので、正確な送信電力制御ができる。
【0072】
しかしながら、上述のように、レート判定結果保持部454がフレーム毎にリセットされていることから、フレームの第1スロットでは、レート判定結果を得ることができない。このため、レートにより補正ができないので、第1スロットにおいては正確な受信SIR値の比較ができない。
【0073】
このことの回避を説明する。図8(b)において、Aで示したパイロット・シンボル(第1スロットの先頭のパイロット・シンボル)を直前のレートに応じた電力係数を乗積して挿入していることを示している。このパイロット・シンボルの受信SIR値を求める場合、この信号の送信電力は前のレートにおけるものなので、レートによる補正は、前のフレームで求めたレートを用いることができる。このようにして、第1スロットのパイロット・シンボルの受信SIR値の補正を行い、補正後のSIR値と目標SIR値とを比較して、送信電力制御を行うことができる。
【0074】
このような受信制御を行うことは、レート判定結果保持部454のリセットを行う時を、フレーム終了時ではなく、次のフレームの第1スロットのレート判定結果が得られる直前とし、この時保持している前のフレームのレートを用いて補正を行うことで実現することができる。このようにして、パイロット・シンボルの受信SIR値を用いて、フレームごとに送信レートが変化しても、フレームの第1スロットに対応した送信電力制御を実現することができる。
【0075】
また、上述のように、フレームの第1スロットにおいては、正確な受信SIRの比較ができないので、送信側において、受信側から送られてきたフレームの第1スロットに対応する送信電力制御コマンドを無視して、このコマンドによる送信電力制御を行わないように構成してもよい。この場合は、図8(b)のAで示すように、フレームの第1スロットのパイロット・シンボルを前のフレームの送信電力とする必要はない。
【0076】
この送信電力制御コマンドの無視を、第1スロットに対応する送信電力コマンドのみとする必要はない。フレーム内でレート判定精度の比較的悪い(すなわちSIR測定値の判定レートによる補正が正しく行われない可能性のある)前方のスロット(フレームの先頭から複数スロット)において、そのスロットに対応する送信電力制御動作を停止し、ある程度の精度が得られるようになったスロットから送信電力制御を行うようにすることもできる。このとき、フレーム内で送信電力制御を開始するスロット数は、最終的な伝送品質(例えば平均的なビット誤り率)を考慮して決定される。
【0077】
上述の受信信号のSIR値を測定する場合、上述の一定レートで送信されているパイロット信号部分のみの受信SIR値を測定することもできる。
【0078】
上述の実施形態においては、図7のように、受信SIR測定部450からの受信SIR値を判定した送信レートにより補正する構成として説明した。この構成では、送信レートによる受信SIR値の変化を補正しているので、上記の従来の送信レートを変化させない場合の受信SIR値による送信電力制御の構成をそのまま使用することができる。
【0079】
図7の構成と別の構成として、受信SIRと目標SIRとの比較を別の構成をとることも可能である。例えば、目標SIR値を送信レートにより補正して比較する構成とすることもできる。
【0080】
他の上述の問題を回避する他の実施形態を説明する。前に説明したように、挿入するパイロット・シンボルが一定レートで送信されている場合は、このパイロット・シンボルに対しては、レートによる送信電力の変化を行わなければ、レート判定を行う必要もなく、受信SIRを補正する必要もない。したがって、このレート一定で送られてくるパイロット信号を用いて受信SIRを測定している場合は、このパイロット信号の受信SIRの値を補正することなく目標SIRと比較して、送信電力制御を行うことができる。この場合は、図7において、受信SIR値を補正するための構成を必要としない。
【0081】
上記の説明のように、本発明は、送信レートを示す情報なしに、受信側でレートを検出することができる。
【0082】
また、可変レートで送られた信号に関しても、上述の送信電力制御を用いることにより、正確な送信電力制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】送信部のブロック図である。
【図2】直交符号の作成を説明する図である。
【図3】直交符号の体系を説明する図である。
【図4】使用する直交符号を説明する図である。
【図5A】使用する他の直交符号を説明する図である。
【図5B】使用する他の直交符号を説明する図である。
【図6】受信部のブロック図である。
【図7】受信信号の受信SIRの測定を行う受信部のブロック図である。
【図8】受信部の動作を説明するための図である。
Claims (14)
- 可変レート送信方法であって、
送信する情報のレートが変化する、1つの受信側との間の1つの通信に対して、当該通信が始まる前に、少なくとも最大情報レートの2倍のレートである異なる長さの複数の直交符号を用意するステップと、
前記通信の間に、前記変化する送信する情報のレートに応じて、前記用意した直交符号の中から1つを選択するステップと、
前記選択した直交符号を、前記情報を含む送信信号に乗積するステップとを備え、
前記複数の直交符号の各々は、前記送信する情報のレートがとり得る各値に対応し、
前記送信信号は、さらに、スペクトルを拡散するための拡散符号系列により乗積され、前記レートに応じた送信電力で送信され、
前記送信方法は、さらに、
前記送信する情報に対応するデータ・シンボルに、既知のパイロット・シンボルを周期的に挿入し、
前記パイロット・シンボルで規定されるスロットが複数で構成するフレーム単位でレートを変更し、
前記送信方法は、受信側からの送信電力制御コマンドにより、前記スロット単位で送信電力を制御し、
前記送信方法は、レートが変化する直後のスロットでは、前記挿入したパイロット・シンボルは、変化する以前のレートに応じた電力で送信することを特徴とする可変レート送信方法。 - 可変レート送信方法であって、
送信する情報のレートが変化する、1つの受信側との間の1つの通信に対して、当該通信が始まる前に、少なくとも最大情報レートの2倍のレートである異なる長さの複数の直交符号を用意するステップと、
前記通信の間に、前記変化する送信する情報のレートに応じて、前記用意した直交符号の中から1つを選択するステップと、
前記選択した直交符号を、前記情報を含む送信信号に乗積するステップとを備え、
前記複数の直交符号の各々は、前記送信する情報のレートがとり得る各値に対応し、
前記送信信号は、さらに、スペクトルを拡散するための拡散符号系列により乗積され、前記レートに応じた送信電力で送信され、
前記送信方法は、さらに、
前記送信する情報に対応するデータ・シンボルに、既知のパイロット・シンボルを周期的に挿入し、
前記パイロット・シンボルで規定されるスロットが複数で構成するフレーム単位でレートを変更し、
前記送信方法は、受信側からの送信電力制御コマンドにより、前記スロット単位で送信電力を制御し、
前記送信方法は、レートが変化する直後の少なくとも1つのスロットに対応する前記送信電力制御コマンドによる送信電力制御を停止することを特徴とする可変レート送信方法。 - 請求項2記載の送信方法において、前記送信電力制御の停止するスロット数は、伝送品質により決定されることを特徴とする可変レート送信方法。
- 受信方法において、
直交符号のレートで受信信号を標本化して受信信号標本系列を作成し、
受信信号標本系列と複数の異なる長さの直交符号との相関をとり、
相関をとった結果である相関値の大きさを比較して最大の直交符号を判定し、
相関値が最大の直交符号と受信信号標本系列とを乗積して、受信信号を復調するとともに、受信信号のスロット対応に受信SIR値を測定し、
前記受信SIR値を直交符号の前記判定によるレートで補正し、
前記補正した受信SIR値と目標SIR値とを比較し、
前記比較した結果により、送信電力制御コマンドを作成する
ことを特徴とする受信方法。 - 請求項4記載の受信方法において、前記受信信号の復調は、スロットごとに行うことを特徴とする受信方法。
- 受信方法において、
直交符号のレートで受信信号を標本化して受信信号標本系列を作成し、
受信信号標本系列と複数の異なる長さの直交符号との相関をとり、
相関をとった結果である相関値の大きさを比較して最大の直交符号を判定し、
相関値が最大の直交符号と受信信号標本系列とを乗積して、受信信号を復調するとともに、
レートが変化する直後のスロットでは、前記パイロット・シンボルの受信SIR値を測定し、他のスロットではスロット対応に受信SIR値を測定し、
前記スロット対応の受信SIR値を直交符号の判定によるレートで補正し、
前記パイロット・シンボルの受信SIR値を変化する前のレートで補正し、
前記補正した受信SIR値と目標SIR値とを比較し、
前記比較した結果により、送信電力制御コマンドを作成する
ことを特徴とする受信方法。 - 受信方法において、
直交符号のレートで受信信号を標本化して受信信号標本系列を作成し、
受信信号標本系列と複数の異なる長さの直交符号との相関をとり、
相関をとった結果である相関値の大きさを比較して最大の直交符号を判定し、
相関値が最大の直交符号と受信信号標本系列とを乗積して、受信信号を復調するとともに、
前記一定レートのパイロット・シンボルの受信SIR値を測定し、
前記受信SIR値を直交符号の前記判定によるレートで補正し、
前記補正した受信SIR値と目標SIR値とを比較し、
その比較結果により、送信電力制御コマンドを作成する
ことを特徴とする受信方法。 - 可変レート送信装置であって、
送信する情報のレートが変化する、1つの受信側との間の1つの通信に対して、当該通信が始まる前に、少なくとも最大情報レートの2倍のレートである異なる長さの複数の直交符号を用意し、前記通信の間に、前記変化する送信する情報のレートに応じて、前記用意した直交符号の中から1つを生成する直交符号生成部と、
前記直交符号生成部からの直交符号を、前記情報を含む送信信号に乗積する乗積部とを備え、
前記複数の直交符号の各々は、前記送信する情報のレートがとり得る各値に対応し、
前記送信装置は、
スペクトルを拡散するための拡散符号系列を発生する拡散系列発生部と、
前記拡散系列発生部からの拡散符号系列を送信信号に乗積する乗積部と、
送信するレートに応じて送信電力を変化させる送信部とを備え、
前記送信装置は、周期的に既知のパイロット・シンボルを発生するパイロット・シンボル発生部を備え、
前記送信装置は、前記送信する情報に対応するデータ・シンボルに挿入するとともに、前記パイロット・シンボルで規定されるスロットが複数で構成するフレーム単位でレートを変更し、
前記送信装置は、受信側からの送信電力制御コマンドにより、前記スロット単位で送信電力を制御する送信電力制御部を備え、
前記送信装置は、レートが変化する直後のスロットでは、前記挿入するパイロット・シンボルは、変化する以前のレートに応じた電力で送信することを特徴とする可変レート送信装置。 - 可変レート送信装置であって、
送信する情報のレートが変化する、1つの受信側との間の1つの通信に対して、当該通信が始まる前に、少なくとも最大情報レートの2倍のレートである異なる長さの複数の直交符号を用意し、前記通信の間に、前記変化する送信する情報のレートに応じて、前記用意した直交符号の中から1つを生成する直交符号生成部と、
前記直交符号生成部からの直交符号を、前記情報を含む送信信号に乗積する乗積部とを備え、
前記複数の直交符号の各々は、前記送信する情報のレートがとり得る各値に対応し、
前記送信装置は、
スペクトルを拡散するための拡散符号系列を発生する拡散系列発生部と、
前記拡散系列発生部からの拡散符号系列を送信信号に乗積する乗積部と、
送信するレートに応じて送信電力を変化させる送信部とを備え、
前記送信装置は、周期的に既知のパイロット・シンボルを発生するパイロット・シンボル発生部を備え、
前記送信装置は、前記送信する情報に対応するデータ・シンボルに挿入するとともに、前記パイロット・シンボルで規定されるスロットが複数で構成するフレーム単位でレートを変更し、
前記送信装置は、受信側からの送信電力制御コマンドにより、前記スロット単位で送信電力を制御する送信電力制御部を備え、
前記送信装置は、レートが変化する直後の少なくとも1つのスロットに対応する前記送信電力制御コマンドによる送信電力制御を停止することを特徴とする可変レート送信装置。 - 請求項9記載の送信装置において、前記送信電力制御の停止するスロット数は、伝送品質により決定されることを特徴とする可変レート送信装置。
- 受信装置において、
直交符号のレートで受信信号を標本化して受信信号標本化系列を作成する標本化部と、
前記標本化部からの受信信号標本系列と複数の異なる長さの直交符号との相関をとる相関部と、
相関をとった結果である相関値の大きさを比較して最大の直交符号を判定する直交符号判定部と、
前記直交符号判定部で判定された直交符号を生成する直交符号生成部と、
前記直交符号生成部からの直交符号と受信信号標本系列とを乗積する乗積部とを備えるとともに、
受信信号のスロット対応に受信SIR値を測定する受信SIR測定部と、
前記受信SIR値を直交符号の前記判定によるレートで補正する補正部と、
前記受信SIR値と目標SIR値とを比較する比較部とを備え、
前記比較した結果により、送信電力制御コマンドを作成することを特徴とする受信装置。 - 請求項11記載の受信装置において、前記受信信号の復調は、スロットごとに行うことを特徴とする受信装置。
- 受信装置において、
直交符号のレートで受信信号を標本化して受信信号標本化系列を作成する標本化部と、
前記標本化部からの受信信号標本系列と複数の異なる長さの直交符号との相関をとる相関部と、
相関をとった結果である相関値の大きさを比較して最大の直交符号を判定する直交符号判定部と、
前記直交符号判定部で判定された直交符号を生成する直交符号生成部と、
前記直交符号生成部からの直交符号と受信信号標本系列とを乗積する乗積部とを備えるとともに、
レートが変化する直後のスロットでは、前記パイロット・シンボルの受信SIR値を測定し、他のスロットではスロット対応に受信SIR値を測定する受信SIR測定部と、
前記スロット対応の受信SIR値を直交符号の判定によるレートで補正し、前記パイロット・シンボルの受信SIR値を変化する前のレートで補正する補正部と前記補正した受信SIR値と目標SIR値とを比較する比較部とを備え、前記比較した結果により、送信電力制御コマンドを作成することを特徴とする受信装置。 - 受信装置において、
直交符号のレートで受信信号を標本化して受信信号標本系列を作成する標本化部と、
受信信号標本系列と複数の異なる長さの直交符号との相関をとる相関部と、相関をとった結果である相関値の大きさを比較して最大の直交符号を判定する直交符号判定部と、
相関値が最大の直交符号と受信信号標本系列とを乗積する乗積部とを備えるとともに、
前記一定レートのパイロット・シンボルの受信SIR値を測定する受信SIR測定部と、
前記受信SIR値を直交符号の前記判定によるレートで補正する補正部と、前記補正された受信SIR値と目標SIR値とを比較する測定部とを備え、
前記比較した結果により、送信電力制御コマンドを作成することを特徴とする受信装置。
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