JP3756136B2 - 無線基地局 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信分野において、特に、小形、軽量、低価格の無線機を実現する為の無線通信システム及びそこで用いられる携帯無線機、無線基地局に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、携帯無線機はその携行の容易さのために小型化、軽量化が必要とされている。また、ユーザー数を多くするためにも端末の低価格化が問題となる。これらの問題点を解決するために、部品点数の削減およびシステム負荷の軽減が必要となる。
【0003】
始めに、携帯無線機の小形化、軽量化、低価格化を妨げている部品としてシールド材料が挙げられる。以下、シールドについて従来の技術を説明する。
【0004】
通常、無線機には、一般にシールドが施されている。このシールドの目的は、大きく分けて、(1) 自端末内部の不要電波が外部へ放射すること(筐体外部への不要輻射)を防ぐもの、(2) 端末外部から無線機内部に入る干渉波を遮断するもの、の2つに大別できる。
【0005】
(1) の場合のシールドが必要な理由について説明する。図15は自端末内部の不要電波が外部へ放射する現象を説明するための図である。図15で不要電波を発射する可能性のある部分としては、発振源である高周波周波数シンセサイザ(1520)、中間周波数段発振器(1521)、基準クロック発振器(1522)等がある。具体的な周波数を挙げるならば、受信周波数(1523の部分)1.9GHz帯(伝送速度が200Kbps 程度)のコードレス電話を例にとると、送受信第1中間周波数(1524の部分)が200 〜300MHzで、送受信第2中間周波数(1525の部分)が50〜100MHz程度の無線機であれば、高周波周波数シンセサイザ(1520)は1.6 〜1.7GHz程度、中間周波数段発振器(1521)が150 〜200MHz程度の周波数となる。また、受信周波数900MHz帯(伝送速度40Kbps程度)の携帯電話では、上記数値は約半分の値となる。基準クロック発振器(1522)は伝送速度の100 倍程度のものが使用されるので、コードレス電話で20MHz 程度携帯電話で4MHz程度の周波数になる。
【0006】
この様な無線機が使用されている無線通信システムでは、周囲にある同じシステムの無線端末は無線周波数帯(1523)は勿論どの端末でも同じであり、例え端末のメーカーが異なっていても、上記の数値とほぼ同じ周波数の第1、第2中間周波数(1524,1525)が使用されている可能性が高い。従って、上記の高周波周波数シンセサイザ(1520)、中間周波数段発振器(1521)、基準クロック発振器(1522)3つ共に、筐体(1527)の外部にリークした場合には、他の無線端末にとっては干渉波となり、いわゆるC/Iが低下し、受信状態を劣化させる原因となる。
【0007】
次にこの筐体輻射が無線機に影響を与える状況を時間軸の観点から説明する。図2は、無線通信システムのTDMA通信のフレーム構成を示す図である。ここで、端末Aを不要電波を発生する側の無線機、端末Bを不要電波の影響を受ける側の無線機とする。この図でR1、R2、R3は受信スロット(201)、T1、T2、T3(202)は送信スロットであり、例えば、R1のスロットで受信した場合にはT1のスロットで送信を行う、いわゆるピンポン伝送(Time Division Duplex : TDD)を想定している。ここで、システム内の端末同志のフレームの同期は取れており(203)、異なる端末感での受信スロット(201)と送信スロット(202)とは時間的に重なっていない。この様な場合にも、上記の様に端末に内蔵されている発振源(120、121、122の周波数が同じ場合には、端末Aと端末Bとの間で電波干渉が生じる。例えば、各端末(この例では端末A,B)が受信R1の状態の時でも、高周波周波数シンセサイザ(120)、中間周波数段発振器(121)、基準クロック発振器(122)が動作状態になっている為、端末Aの各発振源に対するシールドが充分にされていなければ、図3に示す様に、端末A(303)と端末B(304)が近接している様な場合には、端末A(303)から端末B(304)へ不要電波の放射(305)が生じ、端末Bの受信特性が劣化する。通常、TDDシステムでは、受信スロットR1、R2、R3等は各端末ごとに、別々に割り振られるため、通常通話時には、例えば端末AはR1、端末BはR2という様に異なるスロットが割り当てられ、この様な端末間の干渉は問題にはならない。
【0008】
しかし、各端末が待ち受け状態にあるような場合、各端末は無線基地局(301)から全端末に送信されてくる制御信号(302を受信するぺージング状態になっている。この様な場合には、異なる端末で、同じ受信スロット(例えばR1)を受信している場合があるため、上述の様な電波干渉が生じることがある。従って、端末Aに対しては、端末A内の発振源からの不要輻射を低減する為のシールドを施す必要がある。また、逆に端末Bに対しても、端末Aに対する不要電波を低減する為にシールドを施す必要があるのはいうまでもない。
【0009】
以上は受信時の干渉であるが、当然、送信時にも端末間で不要放射による電波干渉が生じ、これは輻射自体が電力増幅器などで増幅されてからの放射であるため、受信時の放射レベルよりも大きく、受信時よりも大きな問題になる。例えば図2で、送信フレーム(202)内で、端末Aと端末Bが例えば同じT1スロットを用いて送信を行っている場合、端末Aと端末Bが近接しており、互いの端末で外部に放射する不要輻射に対するシールド効果が充分でないと、例えば、端末Aからの不要輻射が端末Bのアンテナ(1501)もしくは筐体(1527)の外部とのインターフェースコネクタやマイク、スピーカ(1526)等の筐体の隙間から無線部内に入り込み、端末Bの高周波シンセサイザ(1520)、電力増幅器(1512)などに干渉を及ぼし、送信変調精度の劣化、高周波シンセサイザのC/Nの劣化などと言う問題を引き起こす。
【0010】
以上に述べた、無線機の筐体外部に放射する可能性のある周波数は、無線周波数、中間周波数、クロック周波数等の周波数の他、これらの周波数の発振源の高調波周波数、低調波周波数、その他、これらの成分と無線部の非線形歪によって新たに生成される2次、3次、4次、5次、…の高次の非線形歪成分などが考えられ、これらは一般にスプリアス放射と言われる。
【0011】
以上、(1) の自端末内部の不要電波が外部へ放射を防ぐためのシールドについて述べたが、これとは逆に、外来電波の干渉を低減するために必要なのが、(2) の端末外部から無線機内部に入る干渉波を防ぐために行うシールドであることは言うまでもない。
【0012】
この様に、一般に子局端末通しで同期状態が保たれている様な無線通信システムで使用される無線機に於いても、シールドは不可欠なものとなっている。
【0013】
この様に、無線機には通常、電波を放射する部分と、あるいは干渉波に対して耐性が無い部分にシールドが施される。シールドは、電気磁気学で言うところの静電遮蔽の原理に基づいて、必要な部分に導体を被せて覆うことによって行われる。この時、シールドを完全なものにするためには、原理的には導電率が高い導体で所要箇所を隙間無く覆う必要がある。
【0014】
尚、他の無線通信システムや、テレビ、ラジオ放送波などは、無線周波数帯が異なるために、通常の無線機で備えている無線周波数帯、中間周波数帯での帯域フィルタ、チャネル選択フィルタ等で充分に低減可能であるが、上述の様に、同じシステム内の近接した周波数帯で使用されている無線機からの不要電波を低減するためには、所望波と不要波との周波数が近接もしくは殆ど同じである為、上述のような帯域フィルタを使用する訳にはいかず、従って、従来は干渉波を防ぐ為にはシールドを施すより仕方がなかった。
【0015】
しかし、シールドを施した場合でもアンテナ(1501)に直接接続されていない、中間周波数帯(1524、1525)の干渉波不要輻射に対してはシールドを施しても効果があるが、無線周波数帯の干渉については、外部筐体をシールドで覆っても、アンテナ(1501)から不要輻射が生じてしまい、シールド効果がなかなか保てなくなると言う問題があった。
【0016】
さらに中間周波数帯(1524,1525)の不要輻射についても、筐体内部で電源線等からのアンテナへ(1501)の回り込みによってアンテナから筐体外部に放射されてしまうと言う問題があった。
【0017】
しかも、この様なシールド材料は、通常その効果を高めようとすれば高めようとするほど、重く、大きく、厚く、または何重にもする必要があり、とても安価小形、軽量が望ましい携帯端末に馴染むものとは言えなかった。
【0018】
次に、図4に従来の携帯無線機における実際の部品の接続図を示し、そこで行われている従来のシールド方法について説明する。
【0019】
従来の携帯無線機では、機器を構成する部品401,402が導体の配線403により接続され、部品間の信号の伝達は電気的な手段によって行われていた。このような電気的な手段によって信号を伝達するための配線の長さをl[m]とした場合、l/n[m](nは自然数)の波長をもつ交流信号に対して、導体の配線403はアンテナになるため、配線403を通る不要な信号の中に、l/n[m](nは自然数)の波長をもつ交流信号が含まれると配線403から輻射され、機器内の他の部品および他の機器の特性を劣化させていた。また、逆に機器の外部から混入した不要な信号にl/n[m](nは自然数)の波長をもつ交流信号が含まれると配線403から混入し、部品の動作に悪影響を与え、機器の特性を劣化させていた。
【0020】
このため、従来は図5のように単数または複数の部品で構成されるコンポーネント、あるいは機器全体を導電率の高い物質により作られたシールド501で覆い、電磁気学の原理に基づいた静電遮蔽を行うことにより、不要な信号の輻射あるいは混入を防ぎ、特性の劣化を防いでいた。このような静電遮蔽の効果は導体の厚さを厚くするほど、またシールドの密閉率が高いほど大きくなる。しかし、コンポーネントが他のコンポーネントとの信号の伝達を行うためには、外部とインターフェースを設ける必要がある。このようなインターフェースの部分は伝達する信号を通すため、シールドで覆うことができず、シールド501には必ず、外部との接続に必要な穴502が必要となり、シールドの密閉率が低下する。このような穴502を通って、シールド内部から不要な信号503がシールド外部に輻射される。また、逆に外部から混入した不要な信号504が穴502を通って、シールド内に混入し、コンポーネントの動作に悪影響を与えていた。
【0021】
ところで、シールドの効果を高めるためには、シールドの厚さをさらに、厚くするという方法があるが、密閉率が低いために生じるシールドの効果の劣化に対しては、それだけでは十分なシールド効果を得ることができない。このような場合、図6に示すようにシールドされた単数あるいは相互に信号の伝達を行っているシールドされた複数のコンポーネント601を、さらに、導電率の高い物質により作られたシールド602で覆う方法も考えられる。この様なシールドは、重ねる数を多くすればするほど、より高いシールド効果を得ることが出来る。
【0022】
しかし、このようなシールドの一番外側を含めて、どのシールドにも必ず外部とのインターフェースを設けるための穴603が存在し、完全な密閉状態をつくることはできず、完全にはシールドすることはできない。さらに、シールドは厚さを増すほど、また多重化すればするほど効果は上がるが、容積、重量、コストは増加し、小型、軽量、安価といった性能が求められる携帯無線機には不都合であった。
【0023】
以上携帯無線機の小形化を妨げている部品としてシールドを挙げたが、シールドと同様に、携帯無線機の小形化・低価格化を妨げている部品として発振器が挙げられる。次にこの基準発振子、基準発振器について従来の技術を説明する。
【0024】
通常無線機には、一般に送受信の周波数変換、ディジタル部の基準クロック信号とうに用いられる発振回路が備えられている。この発振回路は、通常発振子、同調回路、増幅回路等からなっており、高精度の基準発振子としては、水晶振動子、セラミック振動子等が用いられている。無線機内に備えられたこの様な発振子類が無線機の小形化をいかに損なっているのかを説明する。
【0025】
図7は従来の無線機の構成を説明するための図である。図7のブロック図で上側半分が受信系、下側半分が送信系である。なお、以下の説明で特に必要のない部品については省略してある。この無線機は図の701〜705に示す5個の発振器を備えている。
【0026】
これらの5個の発振器の役割を中心にこの無線機の送受信の動作原理について説明する。アンテナ(706)で受信された無線周波数信号は無線周波数帯では通常チャネル選択フィルタリングや A/D変換が不可能である為これらの処理が行えるより低い周波数に順繰りに周波数変換されていく。まず、低雑音増幅器(707)で無線機のNFを向上させる為の所要利得を与えた後、第1回目の周波数変換が行われる。この操作は周波数変換器(ミキサ)(708)において、受信した無線周波数信号と基準発振器(701)との乗算によって行われる。ここで、発振器(701)は通常所望の受信チャネルに周波数を合わせることの出来る周波数シンセサイザが使用される。この周波数シンセサイザは、無線部の中でも特に大きく高価な部品であることは良く知られるところである。第1中間周波数に周波数変換された信号は、増幅(709)された後,再度、より低い周波数に周波数変換される。この為に周波数変換器(717)において、所望信号と、受信第2中間周波数変換用発振器(703)から供給される基準信号とが乗算され、信号処理が可能な低周波信号となる。この後、低周波増幅器(710)で所望の利得を与えた後、ディジタル信号処理部(711)に送られて信号処理が施される。このディジタル信号処理部に基準クロック信号を供給するクロック発振器(705)が必要となる。
【0027】
一方送信側に就いては、ディジタル処理部(711)で生成されたディジタル信号によって変調(716)が行われ、今度はこの信号を無線周波数帯に周波数変換する操作が施される。1回で無線周波数帯に周波数変換出来れば良いが、一段の中間周波数段で得られる利得や選択度に制限がある為、通常は、受信の場合と同様に順繰りに無線周波数帯に周波数変換される。まず、送信中間周波数ミキサ(715)において、送信中間周波数変換用発振器(704)から供給される基準信号との乗算が行われる。この信号を送信中間周波数増幅器(714)によって、増幅した後、さらに送信高周波ミキサ(713)において、送信無線部周波数変換用発振器(702)から供給される無線搬送波信号乗算を行い、所望の無線周波数帯に周波数変換する。この信号は送信電力増幅器(712)によって増幅された後アンテナ(706)から空中に放射される。
【0028】
以上の無線周波数、中間周波数の具体的な周波数を挙げるならば、受信周波数1.9GHz帯(伝送速度が200Kbps 程度)のコードレス電話では、送受信第1中間周波数が200 〜300MHz、送受信第2中間周波数が50〜100MHz程度であれば、高周波周波数シンセサイザ(701)は1.6 〜1.7GHz程度、中間周波数段発振器(702)が150 〜200MHz程度の周波数となる。また、受信周波数900MHz帯(伝送速度40Kbps程度)の携帯電話では、上記数値は約半分の値となる。この時、送受信共同じ周波数で通信行ういわゆるTDDであれば、送受信の高周波周波数シンセサイザ(701と702)また中間周波数変換用発振器(703と704)は共通
にすることが出来る。
【0029】
しかし、携帯電話等で通常使用されているTDMAやFDMAシステムに於いては送信と受信の周波数が異なる為、発振器701、702、703、704は全て異なるものが必要となる。また、基準クロック発振器(722)は伝送速度の数百倍程度のものが使用されるので、コードレス電話で20MHz 程度、携帯電話で4MHz程度の周波数になる。さらに基準クロック発振器は、無線機の消費電力を低減するための間欠受信(バッテリーセービング)が行われている場合には、ディジタル部を動作させる為のクロックと、時計機能の為のより低周波のクロックの2種類のクロックが用意されている場合があり、クロック発振器だけでも2種類のものが必要となる。さらに幾つものモードがあれば、発振器の数は増えることになる。従って、図7に示したごく普通の無線機においても、少なくとも6個の発振器が必要となることが分かる。
【0030】
これらの発振器は、それぞれに水晶振動子(低周波ではセラミック振動子)を必要とし、さらにこれらの発振子は外部からの干渉に対する耐性が無い為、通常メタルキャップシールドが施されており、容積的にも重量的にもとても小形軽量の無線機にはそぐわないものとなっている。また、近年の携帯電話やコードレス電話出要求されるクロック周波数や基準搬送波周波数の絶対精度は数ppm のオーダーとなっておりこのような高精度な発振子は無線機の中でもフィルタ類と並んで特に高価な部品となっている。携帯無線機に於いては、この様な発振器、振動子類が大きくなりやすく、小形化を図る場合には電気的従来と同等の特性を満足することが困難であった。
【0031】
以上、携帯無線機の小形、低下価格化を妨げているシールドと発振器について説明した。さらに、以下では、携帯無線機で行われている送信電力制御と、この送信電力制御によって、携帯無線機の物理的な容積が大きくなり、携帯無線機の小形化、低価格化が妨げられていることについて説明する。
【0032】
通常、電波に音声などのデータを載せて通信する場合には、基地局などの中継装置を多数のユーザーが同時に共通して使用し、各ユーザーが効率よく通信回線を構成する方式として多元接続が用いられ得る。この方式を実現する方法の一つとして、図8に示すように、通信に使用可能な帯域を周波数分割し、それぞれのユーザーが使用するスペクトル(801)を周波数軸上で重ならないように通信回線を設定するFDMA(Frequency Division Multiple Access)方式がある。このFDMAは、現在使用している方式ではもっとも実績があるためハードウェアは十分に発達している。また、回線のタイミングを取る必要がない。
【0033】
しかし、都市部などの人口が多い場所では端末を使用するユーザーが多くなるが、使用できる周波数帯というものが有限であるために、回線が混雑し、使うことができな状態が起こる。上記の問題を解決するための方法として、図9に示すように、同一周波数帯を用いて時間を分割して各ユーザーが順番に通信回線を設定するTDMA(Time Division Multiple Access)方式がある。これは、信号が中継器上で重ならないように送信タイミングが制御されてタイムスロット(901)を切り替えて送信し、復調では情報が時分割で取り出される。変調方式は一般にPSK方式が用いられる。
【0034】
また、別の方法として、図10に示すように、多数のユーザーが同じ周波数の広帯域のスペクトルに拡散してスペクトル(1001)を重畳しあって通信を行い、符号によってチャネル識別を行うCDMA(Code Division Multiple Access )方式がある。これは、ランダムアクセスが可能であり、信号の電力スペクトルを広げることで干渉を除去するための処理利得が得られる。また、ハードリミッタ付きの中継器は広帯域の位相変調された信号に対して理想AGCとして働く。
【0035】
ここで、通信のための容量を有効に使うために無線端末側では送信電力制御が必要となる。これは、もし無線端末側で送信電力制御を行わない場合、基地局に近い端末と遠い端末で基地局に受信される電力が近い端末は大きく遠い端末では小さくなってしまう。このため、基地局から遠い端末の受信電力を逆拡散した場合においても、基地局に近い端末の電力の中に埋もれてしまう。このため、基地局のすぐ近くに端末が1台あった場合、その他のゾーン内の端末はこの一台の端末のために通話ができなくなってしまう。このことから、無線端末側において送信電力制御を行い、通話ができるように制御しなければならない。また、通信容量を考えた場合、基地局における受信電力が均等となるときに通信容量が最大となる。
【0036】
しかし、Patent No. 5056109に示されるように基地局からの制御信号を基に送信電力制御を行った場合、基地局においてすべての端末の受信電力スペクトルを均等にすることは不可能である。このため、容量的にかなり劣化してしまう。また、近い端末から遠い端末までの電力を制御する場合にはかなりの幅で電力の制御を行わなければならないため、システム的な負荷が大きくなる。従って、CDMAを用いて周波数効率がよい状態で通信を行う場合には、電力制御が必要であり、システム的な負荷となっていた。そして、送信電力制御を細かく行うことが、携帯無線機の小形化を損なう原因の1つとなっていた。
【0037】
さらに、無線機の小形化を図る上で、重要となる携帯無線機用のアンテナについて説明する。携帯無線装置、例えば電波を介して伝送される情報を送受信する機能を有する携行可能な無線装置には、電波を空間とやりとりする部分としてアンテナが必要となる。これは外部とのやりとりのために筐体から離れた位置に搭載されるアンテナには強度などが必要とされ、大きなものとなってしまう。そこで、無線装置の小型化のためにはアンテナの小型化が要求される。
【0038】
通常、携帯無線装置のアンテナとしては、図11に示されるようなモノポールアンテナもしくは別名ホイップアンテナが用いられている。このアンテナ構造は簡易であり、低コストであることから、多用されている。しかし、このモノポールアンテナは所望の周波数の1/4波長の長さの棒状のアンテナ素子(1101)が携帯無線装置本体から飛び出る形で実装されており、携行時あるいは操作時に損傷を受けやすいという欠点を持っている。
【0039】
このようなモノポールアンテナの欠点を補うアンテナとして、図12に示すような同じ線状アンテナの一つに分類される半波長ダイポールアンテナの変形である同軸アンテナ、通称スリーブアンテナがある。このアンテナは、1/4波長の長さを持つ円筒形の導体(1203)によって高周波電流に対するチョーク効果がある。そして、周囲外観を高周波に対する低損失性と強度性を考慮した繊維強化プラスチックパイプにより被服保護している。さらに、ビルトイン式のアンテナが採用され、通話時には外部に棒状のアンテナを引き出して用い、携行時には収納することによって携行時の破損というものを避けることができる。
【0040】
しかし、このアンテナ構造では複雑な構造となることや、アンテナ素子自体に柔軟性をもたせることができにくいと言う問題点があった。また、アンテナ素子を強化してもアンテナを動作させる場合には、無線機端末の外部となるため破損の可能性と無理な付加による特性劣化が問題となる。
【0041】
この問題点を改善するために、筐体内部にアンテナ素子を内蔵する方法が考えられる。内蔵アンテナとしては、図13に示すような、特公平2−13842の内蔵板状逆Fアンテナや図14に示すような内蔵板状逆Fアンテナの帯域を改善したS字型アンテナがある。これはモノポールアンテナの頂部に線状素子を付加しアンテナの高さを低くしたL型アンテナやこれに折り返し構造を付加した逆Fアンテナがあり、頂部の素子を板状にしたものが内蔵板状逆Fアンテナである。また、L型アンテナや逆Fアンテナを2つ組み合わせたT型アンテナを板状化したものがS字型アンテナである。これらのアンテナは小型化に有利であり、無線機端末の外部に突起物を持たないため安定した動作が実現でき、破損の恐れがない。
【0042】
しかし、従来までの無線機端末の中でアンテナは有る有限の体積中にアンテナ素子だけを作りこむことが行われており、アンテナから送受信される信号を処理する部分からは離れている。このため、信号を処理する部分からアンテナ素子までをつなぐ伝送線路が必要であり、この伝送線路のためにパッケージやモジュールを載せる基板上に有限の面積が必要となる。このことから、無線機端末が大きくなってしまう。また、通信に用いる周波数が高くなるに従って、伝送線路の損失というものが非常に大きな量となる。このため、出力電力や受信感度の観点から無線機端末に対するシステム的な付加が大きくなってしまう。
【0043】
従って、使用する周波数が高くなるに従い、アンテナとICとの接続による損失も大きくなりそのための面積も必要であった。これらの問題点を改善するために小型で簡便なアンテナの構成方法が望まれていた。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】
従って、携帯無線機に於いては、この様なシールド材料が全く不要か、もしくは、シールド材料が必要となる場合でも従来よりも簡便なシールド方法によって電気的には従来の携帯無線機と同様のシールド効果を備えた小形で安価な無線機が望まれていた。
【0045】
本発明では、従来に比べ、より簡単で効果の高いシールドができる方法を提供し、小型、軽量、安価で、不要な信号の輻射あるいは外部から不要な信号による干渉の小さい良好な特性の携帯無線機を提供することを目的とする。
【0046】
また携帯無線機に於いては、この様な発振器、振動子類が全く不要か、もしくは、必要となる場合でも従来よりも簡便で小形の部品によって、しかも電気的には従来の発振器を備えた機種と同等の機能を備えた小形で安価な無線機の開発が望まれていた。またCDMAを用いて周波数効率がよい状態で通信を行う場合には、電力制御が必要であり、システム的な負荷となっていた。端末の小型化という観点から送信電力制御を行わない方法が求められていた。
【0047】
また、従って、使用する周波数が高くなるに従い、アンテナとICとの接続による損失も大きくなりそのための面積も必要であった。これらの問題点を改善するために小型で簡便なアンテナの構成方法が望まれていた。
【0048】
【課題を解決するための手段】
本発明の無線基地局は、少なくとも二つの子局と無線接続する指向性アンテナを備えた無線基地局において、無線基地局に無線接続された前記二つの子局間の距離を測定する為の手段と、前記二つの子局間の距離が、当該子局が持つ発振器間での電波干渉が問題になる距離以下かどうかを判断する手段と、前記指向性アンテナの指向性エリア内に存在する子局が使用していない空きのタイムスロットを検出する手段とを備え、同じタイムスロットを使用している前記少なくとも二つの子局のうち、当該子局が持つ発振器間での電波干渉が問題になる距離以下であると判断された子局に対して、前記空きのタイムスロットを割り当てて送受信を行うことを特徴とする。
【0051】
【発明の実施の形態】
次に、TDMA−TDD、TDMA方式を採用している無線通信に有効な、本発明による無線通信システム及びそこで用いられる携帯無線機について図27を用いて説明する。図27(a) は、TDMA−TDDシステムの、ある基地局に無線接続されている2つの携帯無線機、子局A、子局Bの2局の時間軸(タイムスロット)を示す図である。ここで、子局Aと子局Bは同一の基地局からの電波を送受信するものと仮定し、図27(a)に示した2つのフレーム間でのスロット同期は完全に採れているものとする。ここで、システム内の子局は、図のT1〜T4(R1〜R4)のいずれか1つのスロットに所属し、T1スロットで送信を行っている場合にはR1スロットで受信を行っている。
【0052】
図27の例では、子局A、子局BはいずれもT1とR1のスロットに所属し、同じ時間で送信受信を行っているものとする。この時、子局Aと子局Bは同じ基地局に接続されているので、同じ周波数を用いた送受信は行うことが出来ない。そこで、基地局に複数の周波数を出力出来るシンセサイザ(基準信号発生器)を備え、無線通信を行っている。ここで、子局Aと子局Bの使用している無線周波数(搬送波周波数)が異なれば、子局Aと子局Bとの間で電波干渉が生じる心配は無い。これは、お互いが使用している搬送波用の発振器の周波数が異なっているからである。しかし、この搬送波周波数以外にも子局Aと子局Bが共に使用している発振器として、ディジタル部の基準クロック発振器や中間周波数帯での周波数変換の為の基準発振器等があり、これらの発振周波数は各子局で共通であることが多い、従って、子局Aと子局Bが非常に接近している場合には、各子局がよほど完全なシールドを備えていない限り、これらの2つの子局の発振器間での電波干渉が問題となる。
【0053】
この点に鑑みて成された、本発明による無線通信システム及びそこで用いられる携帯無線機の実施例について図27(b)と図16を用いて説明する。図16で、子局A(2602)と子局B(2603)が、互いに干渉を生じる可能性のある2つの携帯無線機である。基地局2601は、指向性アンテナ2607からの発射されるビーム状の電波(2606)を用いて通信を行っており、子局A(2)と子局B(3)の無線ゾーン内での位置の認識を行っている。ここで、子局A(2)と子局B(3)が近接したエリア内に存在し、2つの子局の持つ発振器間での電波干渉が問題になると判断した場合には、T1〜T4(R1〜R4)のうち、指向性エリア内(2606)の子局が使用していない空きスロットを検索し、子局Bに対して例えば、以降の通信ではT2、R2スロットを用いて通信を行うとの指示を出す。そして、子局Bに対するスロットの割り当ての変更を行い、図27(b)に示す様にこれまで用いていたスロット(T1,R1)から、スロット(T2、R2)に変更して、指向性エリア内の子局に対して以降の通信を行う。子局Bでは、基地局からのこのスロット変更命令を受けた後は、スロットT2、R2にて基地局との無線通信を行う。通常、子局は自己み割り当てられた、送受信スロット(子局Bの場合にはT2,R2)以外では、発振器等の動作を止めるバッテリーセービングを採用しているため、この期間では他の子局との干渉は起こさない。従って図16の子局A、子局Bが、それ程完全なシールドを施していない場合でも、子局間の電波干渉は問題とはならない。
【0054】
また、本発明に於いては、2つの子局が近接していることを指向性アンテナを用いて検出したが、子局側で自局の位置をGPSシステム等を用いて検出し、自局の位置を基地局に送信することによって行っても良い。その後は、基地局側がこの情報を用いて、近接している子局を検出し、この2つの子局が同じ時間スロットを使用している場合には、スロット変更を行ない、指向性アンテナを用いて指向性エリア内の子局に対する通信を行えばよい。
【0055】
以上の様に本発明によれば、無線通信システムに於いて、近接した子局を検出し、これらの子局に対しては、必要に応じて送受信のタイムスロットの変更を行うようにする為、近接する子局間の干渉の問題がなくなり、従来携帯無線機間の電波干渉を防ぐ為に必須であったシールド材料を無線機から極力取り除くことが出来る為、端末の部品コスト、組み立てコストの低減、さらには端末の小形、軽量化を実現することが出来るという効果がある。
【0056】
尚、本説明に於いてはTDMA−TDDを例に採って説明したが、本発明はTDMA−TDDに限るものではなく、通常のTDMAシステムに於いても同様に使用出来ることは明らかである。
【0057】
図17は本発明に係る、携帯無線機及びその端末を用いた無線通信システムの一実施例を説明するための図である。通常、CDMAを用いて通信を行う場合には、基地局(5601)で受信される、基地局(5601)に近い端末(5602)からの受信電力と基地局から遠い端末(5602)からの受信電力が異なる為、基地局から遠い端末から送信されて来た信号は、基地局に近い端末から送信されて来た信号の中に埋もれてしまう(Near Far Effect )。この為、携帯無線機(5602)において送信電力制御が必要であった。
【0058】
しかし、図17に示すように、端末(5602)での受信電界強度に応じて使用するタイムスロット(5606)を切り替えることで、送信電力制御をせずにCDMAを用いた通信が可能となる。基地局(5601)からの制御信号を各端末(5602)が受信する。この受信電力の強さに応じて通信に使用するタイムスロット(5606)を切り替えて、各タイムスロット(5606)ごとに含まれる端末(5602)で送信された電力が、他の端末(5602)からの送信電力に埋もれないようにする。基地局(5601)から近い複数の端末(5602)は同じ電力で送信を行うため受信側においてもほぼ同程度の電力で受信される。また、遠い端末(5602)においても同様である。このため、それぞれの端末(5602)からの受信データは他の端末(5602)からの電力に埋もれることはない。このため、送信電力制御が必要無くなり、端末(5602)へのシステム的な負荷が軽くなり、携帯無線機(5602)の小型化に有効である。
【0059】
また図18に示すように、都市環境などは電波の環境が悪い部分が存在するが、基地局(5701)からの制御用の信号の受信電力を確認することで、基地局(5701)からの距離に関係なくタイムスロットを切り替える。A4ゾーン(5706)は電波環境が悪い部分であり、受信電界強度が低いため、T2のタイムスロット(5707)ではなくT3のタイムスロット(5707)を用いて通信を行う。このため、端末(5702)側ではタイムスロット(5707)の切り替えのみで電波環境の悪い部分においても同様に通信することが出来る。
【0060】
図19は本発明に係る携帯無線機及びその端末を用いた無線通信システムの一実施例を説明するための図である。無線機端末(5802)が隣の基地局(5801)のゾーンに移動する場合、隣の基地局(5801)とのハンドオフが通常行われる。この時、各基地局(5801)のもっとも外側のゾーン(5805,5808)を重ね合わせて、携帯無線機(5802)が基地局(5801)のもっとも外側のゾーンに相当するタイムスロットを使用しているときのみ携帯無線機(5802)はハンドオフを行うかの判定をしていく。基地局(5801)に近いA1、A2、A1’、A2’のタイムスロットを使用している場合にはハンドオフの有無の判定を行わずに1つの基地局(5801)のみと通信を行う。また、A3、A3’のタイムスロットを使用している場合のみ2つの基地局(5801)からの電波を受信して重ね合わせを行う。このときも同様に基地局(5801)に近いタイムスロットを使用している場合には、この処理を行わない。
【0061】
次に携帯無線機に備えられた発振器、水晶振動子類について、従来よりも簡便で小形なもので実現できる携帯無線機の具体的構成、並びにそのような携帯無線機が使用可能な無線通信方式に関する本発明の実施例について図21、図22を用いて説明する。
【0062】
図21に本発明が提供する携帯無線機が使用する通信方式の一例を示し、図22に本発明により提供される携帯無線機が受信する上り信号の構成例を示す。携帯無線機内に備えられた発振器、水晶振動子6002が出力する基準信号は、6003の周波数変換器に供給され、受信時に無線周波数並びに中間周波数の信号をそれぞれ中間周波数、べースバンドに周波数変換する。また送信時では中間周波数並びにベースバンドがそれぞれ中間周波数、無線周波数に周波数変換される。この基準信号のもう一方はデジタル部6004に供給され、デジタル部で分周され使用される。通常、発振器、水晶振動子6002の発振周波数は、受信信号の搬送波周波数に同期させ、周波数誤差による受信感度劣化を抑えることが必要である。また、デジタル部6004内で分周されたクロックは受信信号とのシンボル同期を行ない、クロック位相誤差による受信感度劣化を抑えることが必要である。
【0063】
本実施例では、携帯無線機の発振器、水晶振動子6002が発振する周波数は携帯無線機に固有とする。従って、基地局と携帯無線機との間における周波数誤差により通話品質が劣化する場合には、基地局6001が搬送波周波数を携帯無線機の発振器、水晶振動子6002の発振周波数に同期させて送信する。図21の6005は搬送波周波数により変調された変調信号である。搬送波周波数は携帯無線機内の周波数変換器6003で周波数変換された中間周波数が所定値となるような値を選択する。またベースバンドに周波数変換を行う場合には、変換後の中心周波数が零となる様に搬送波周波数を設定する。この為には携帯無線機の発振器、水晶振動子6002の発振周波数情報が必要である。これは、TDDの様に上りと下りで使用周波数が等しい場合には、基地局6001が受信する信号から搬送波を抽出することにより、得ることが可能である。また使用周波数が上りと下りで異なる場合には、携帯無線機が受信したい周波数を基地局側に通知することにより可能となる。受信信号6005は周波数変換器6003にて周波数変換される。周波数変換を行う場合には、通常、受信した搬送波周波数f1と発振器、水晶振動子の発振周波数f2との周波数差に周波数変換される。本実施例ではf2は携帯無線機によって固有の値であるから、(f1−f2)を所定の値にする為には、携帯無線機の受信信号の中心周波数を適当に設定すれば充分である。ここでは簡単の為周波数変換を一度だけ行った場合で説明したが、周波数変換を複数回行う場合であっても同様である。
【0064】
次に図21を用いて本発明の別の実施例を説明する。本実施例では基地局6001が送信時刻を制御することにより、デジタル部6006に供給されるクロックと受信信号との位相同期を確立する。携帯無線機はクロックと受信信号との誤差情報6005を基地局へ供給する。基地局はこのクロック誤差情報をもとに携帯無線機への送信時刻を補正して送信を行う。本実施例によれば携帯無線機の発振器、水晶振動子は周波数同期操作並びにデジタル部におけるクロック同期操作が不要である。従って、従来に比べより簡易な発振器、水晶振動子によって構成が可能である。
【0065】
次に図23を用いて、本発明の別の実施例について携帯無線機の具体的構成例を説明する。図23は携帯無線機の受信側を示す。アンテナで受信された受信信号は周波数変換器6201により周波数変換され、低域通過フィルタ6202により所望信号が取り出され、その後復調回路6204により変調信号が抽出される。本実施例では受信信号中に挿入されたクロック位相誤差検出信号のみを通過させるフィルタにより、クロック位相誤差検出を行う。検出されたクロック位相誤差情報は基地局へ送信され、前記誤差情報に基づき送信時刻を補正することにより、携帯無線機内でのクロック同期を行う。
【0066】
次に図24に本実施例にて用いられる信号形態例を示す。図23に示した本発明の携帯無線機が受信する受信信号を6305aに、この時の携帯無線機のクロック発振器6203が出力するクロック位相例を6305bに、フィルタ6205の出力信号例を6305cに示す。図24の6305aに示した様に、受信信号は携帯無線機のクロック周波数fck に対応する時間間隔(1/fck)でクロック誤差検出用信号を持つ。従って、受信信号をクロック誤差検出信号にスペクトラムが一致したフィルタ6305を通過させることにより、間隔1/fckでクロック位相誤差情報が抽出可能である。またフィルタ出力はクロック位相誤差検出信号付近で単調増加特性を示す。従って図23の6206に示した誤差検出回路内で、フィルタ出力をサンプリングすることによりクロック位相と受信信号との誤差情報を得ることが可能である。
【0067】
次にクロック誤差検出方式の一例を図25を用いて詳細に説明する。携帯無線機内でクロック誤差検出部の構成例は図23に示したものと同一であるとする。すなわち、携帯無線機の受信信号構成例を6406aに、図23のフィルタ6205の出力信号を6406bに、図23のクロック発振器6203に同期したクロックをそれぞれ6406c、6406d、6406eに示す。フィルタ出力はクロック位相誤差検出区間でε0を中心に単調増加特性を示す。誤差検出回路はフィルタ出力信号を供給クロックでサンプリングし、誤差情報として出力する。
【0068】
いま受信信号とクロックが同期した状態である時、誤差検出回路出力はεであるとすれば、クロックが受信信号に対してΔΦ− 時間遅れている時、誤差検出回路出力は(ε+Δε+)となる。同様に、クロックが受信信号よりΔΦ+時間進んだ時、(ε−Δε−)を出力する。この誤差情報は基地局に伝えられ、基地直側で送信時刻を補正することによりクロック同期を行う。たとえば、誤差情報が(ε−Δε−)であった時、送信時刻をΔΦ+ 時間早めて送信を行う。従来携帯無線機内でクロック位相をより微細に行う為に、所望クロックレートより高速で高精度なクロックが必要とされたが、本実施例を行うことにより、より低速で簡易なクロック発振器であっても、高品質な通話が可能である。
【0069】
次に本発明のクロック同期に用いられる上り信号の構成例を図26により説明する。本発明では携帯無線機内でクロック位相の抽出がおこなわれない為、通信開始時には携帯無線機のクロック位相を基地局が把握することが必要である。図26に上り信号の構成例を示す。図26の(a)は通信開始時にあたりクロック初期位相検出を目的とした上り信号構成例である。図26の(b)は定常状態時での上り信号構成例である。斜線部分はクロック位相誤差検出信号とした。定常状態では大まかなクロック同期はとれている為、誤差検出区間τerは短くし、通信開始時では誤差検出区間を長くとる。携帯無線機の位相誤差検出フィルタの時定数を誤差検出区間τerに対応して設定することにより、図26に示すフィルタ出力を得る。フィルタ出力は時間τerで単調増加特性を示し、図23に実施例で示した様に携帯無線機内のクロックでフィルタ出力をサンプリングすることにより誤差情報を得る。検出時間が長いほど推定位相誤差に対して耐性があり、安定した誤差情報を得ることができる。本実施例ではクロック同期の状態によって、上り信号に挿入する誤差検出信号の時間的長さを可変とし、対応する携帯無線機内の位相誤差検出フィルタの時定数を可変とすることにより、回線状態に応じた柔軟な同期設定が可能であるという利点がある。また本実施例では誤差検出信号の上り信号への挿入位置を毎クロック時間ごとに行っていた。しかし同期させたいクロックの整数分の一倍に相当する時間間隔であれば、誤差情報の検出が可能であることは言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】
以上説明してきた様に、無線通信システムに於いて、近接した子局を検出し、これらの子局に対しては、必要に応じて送受信のタイムスロットの変更を行うようにする為、近接する子局間の干渉の問題がなくなり、従来携帯無線機間の電波干渉を防ぐ為に必須であったシールド材料を無線機から極力取り除くことが出来る為、端末の部品コスト、組み立てコストの低減、さらには端末の小形、軽量化を実現することが出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による携帯無線機を説明するための図
【図2】 従来の携帯無線機を説明するための図
【図3】 従来の携帯無線機を説明するための図
【図4】 部品間の配線による不要電気信号の輻射、混入を説明するための図
【図5】 従来の携帯無線機を説明するための図
【図6】 多重化された静電シールドを説明するための図
【図7】 従来の携帯無線機を説明するための図
【図8】 FDMAを説明するための図
【図9】 TDMAを説明するための図
【図10】 CDMAを説明するための図
【図11】 モノポールアンテナの構造を説明するための図
【図12】 スリーブアンテナの構造を説明するための図
【図13】 内蔵板状逆Fアンテナの構造を説明するための図
【図14】 S字型アンテナの構造を説明するための図
【図15】 シールドを説明するための図
【図16】 本発明による無線通信システムの実施例を説明するための図、
【図17】 基地局からの受信電力に合わせてタイムスロットを切り替える制御方式を説明するための図
【図18】 電波環境が悪い部分が存在する場合を説明するための図
【図19】 端末がハンドオフを行う場合を説明するための図
【図20】 端末がハンドオフを行う場合を説明するための図
【図21】 本発明に於ける通信方式の構成例を説明するための図
【図22】 本発明に於ける携帯無線機の動作を説明するための図
【図23】 本発明に於ける携帯無線機の構成例を説明するための図
【図24】 本発明に於ける携帯無線機の動作を説明するための図
【図25】 本発明に於ける携帯無線機のクロック位相誤差検出方式を説明するための図
【図26】 本発明に於ける無線通信システムの上り信号の構成例
【図27】本発明に於ける無線通信システムのスロットを説明するための図
【符号の説明】
101…パッケージ、102…ピン
201…受信スロット、202…送信スロット
203…端末Aと端末Bの同期
301…無線基地局、302…ぺージング信号、
303、304…携帯無線機(子局)、305…干渉波
401・・・部品
402・・・部品
403・・・部品間の配線
404・・・配線から輻射される電気信号
405・・・配線に混入される電気信号
501・・・静電シールド
502・・・インターフェースのための穴
503・・・シールドの穴から輻射される不要な信号
504・・・シールドの穴から混入する干渉信号
506・・・導電線
601・・・静電シールドされたコンポーネント
602・・・静電シールド
603・・・インターフェースのための穴
701…受信第1中間周波数変換用発振器、
702…送信無線部周波数変換用発振器、
703…受信第2中間周波数変換用発振器、
704…送信中間周波数変換用発振器、
705…基準クロック発振器、706…アンテナ、707…低雑音増幅器、
708…第1中間周波数ミキサ、709…受信第1中間周波数増幅器、
710…受信第2中間周波数増幅器、711…送受(ディジタル)信号処理部
712…送信電力増幅器、713…送信高周波ミキサ、
714…送信中間周波数増幅器、715…送信中間周波数ミキサ
716…変調器、717…第2中間周波数ミキサ
801…周波数スペクトル
901…タイムスロット
1001…周波数スペクトル
1101…アンテナ素子、1102…グランド、1103…給電線
1201…同軸線路、1202…グランド、1203…円筒形導体
1301…板状アンテナ素子、1302…グランド、1303…給電線
1401…アンテナ素子、1402…給電部
1501…アンテナ、1502…送受信切替スイッチ、
1503…高周波フィルタ、 1504…低雑音増幅器、
1505…高周波ミキサ、 1506…受信第1中間周波数フィルタ、
1507…受信第1中間周波数増幅器、 1508…中間周波数ミキサ、
1509…受信第2中間周波数フィルタ、 1510…受信第2中間周波数増幅器、
1511…送受(ディジタル)信号処理部、
1512…送信高周波フィルタ、1513…送信電力増幅器、
1514…送信高周波ミキサ、1515…送信第2中間周波数フィルタ、
1516…送信第2中間周波数増幅器、1517…送信中間周波数ミキサ、
1518…送信第1中間周波数フィルタ、1519…変調器、
1520…高周波周波数シンセサイザ、1521…中間周波数段発振器
1522…基準クロック発振器、1523…送受信無線周波数、
1524…中間周波数、1525…中間周波数、1526…スピーカ、
1527…外部筐体
2601…基地局、 2602…子局A、 2603…子局B、
2604…下り信号、 2605…上り信号、 2606…指向性ビーム、
2607…指向性アンテナ
5601…基地局、5602…携帯無線機、5603…A1ゾーン
5604…A2ゾーン、5605…A3ゾーン
5606…タイムスロット
5701…基地局、5702…携帯無線機、5703…A1ゾーン
5704…A2ゾーン、5705…A3ゾーン
5706…A4ゾーン、5707…タイムスロット
5801…基地局、5802…携帯無線機、5803…A1ゾーン
5804…A2ゾーン、5805…A3ゾーン
5806…A1’ゾーン、5807…A2’ゾーン
5808…A3’ゾーン
6001…基地局、 6002…発振器、水晶振動子、
6003…周波数変換器、 6004…ディジタル部、6005…変調信号、
6006…位相誤差情報
6101…受信信号、 6102…基準発振周波数、
6103…中間周波数またはベースバンドでの受信信号、
6104…中間周波数またはベースバンドでのフィルタ
6201…・周波数変換回路、 6202…受信信号選択フィルタ、
6203…クロックを供給する発振器、水晶振動子、
6204…ディジタル信号処理回路、
6205…クロック位相誤差検出フィルタ、 6206…位相誤差検出回路

Claims (1)

  1. 少なくとも二つの子局と無線接続する指向性アンテナを備えた無線基地局において、無線基地局に無線接続された前記二つの子局間の距離を測定する為の手段と、前記二つの子局間の距離が、当該子局が持つ発振器間での電波干渉が問題になる距離以下かどうかを判断する手段と、前記指向性アンテナの指向性エリア内に存在する子局が使用していない空きのタイムスロットを検出する手段とを備え、同じタイムスロットを使用している前記少なくとも二つの子局のうち、当該子局が持つ発振器間での電波干渉が問題になる距離以下であると判断された子局に対して、前記空きのタイムスロットを割り当てて送受信を行うことを特徴とする無線基地局。
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