JP3755566B2 - オルガノハロシラン合成用触体の製造方法 - Google Patents

オルガノハロシラン合成用触体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属ケイ素粒子を金属触媒の存在下に有機ハロゲン化物と反応させてオルガノハロシランを製造する際のロコウ反応用触体として使用される金属ケイ素−銅触体を工業的に有利に製造することができるオルガノハロシラン合成用触体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
メチルクロロシラン等のオルガノハロシランの合成は、工業的には塩化メチル等のハロゲン化アルキルなどの有機ハロゲン化物と金属ケイ素粒子とを銅等の金属触媒及び少量の助触媒を使用して反応させる、いわゆるロコウ反応によって250〜500℃の温度条件で行われている。この反応では、通常主成分のほかに多種類の副生成物が副生するため、オルガノクロロシランの需給バランスに沿った反応条件を維持することが重要である。特にこの反応では、反応速度を高く保ちつつ、メチルクロロシラン合成においてはもっとも需要の多いジクロロシランの選択率を上げること、またフェニルシラン合成にあっては需要にあったシランの組成を得ることが、キーテクノロジーである。このため、工業的には、通常金属ケイ素粒子と銅触媒、更に必要により助触媒を添加してなる触体を追加しながら流動層、振動流動層等の反応器にて反応を行っている。
【0003】
しかし、この製造方法では、反応を定常状態に至らしめるための賦活に要する時間が長いこと、反応と共に活性が低下し、反応速度、選択率の低下、高留分等の不要副生成物の増加、触媒・助触媒による凝集による反応器・配管の閉塞等のために触体交換・反応器内のスケール落し・洗浄が必要であるなどの問題があった。
【0004】
特に従来のロコウ反応は、反応が定常状態になるまでの賦活に要する時間が長い一方で、定常状態は比較的短く、時間と共に収率が減少し、例えばメチルクロロシラン合成にあっては、副反応により生成するジシラン等の高留分やトリクロロシラン等が増加し、このため反応器内の触体の交換頻度が高いことが問題であった。
【0005】
一方、オルガノハロシラン合成のロコウ反応用触体については、助触媒を含めたその組成面についての提案は数多くなされているが、従来は触体成分を単純に混合しているのみで、触体の調製に関して、特に触媒や助触媒の作用機構に基づいた触体の調製法そのものについての提案はほとんどなかった。
【0006】
このような中で、金属ケイ素と銅触媒からなる触体に関しては、
(イ)塩化銅担持金属ケイ素触体を用いて、気相で反応を行うことを特徴とするトリメトキシシランの製造方法(特許第2653700号公報)、
(ロ)銅シリサイドを有する金属ケイ素粒子の製造方法(特開平9−235114号公報)、
(ハ)塩化第一銅のエアーゾルを金属ケイ素粒子表面に処理する方法(米国特許5,250,716号)
が提案されている。
【0007】
しかしながら、ロコウ反応は固相のケイ素と気相の有機ハロゲン化物の反応であり、生成物のオルガノハロシランはガスとして反応点から揮散するため、上記(イ)の製造方法にあっては、中心部のケイ素が徐々に減少し、相対的に銅濃度・膜厚が増大し、結果として寿命が短かった。また、(ロ)の方法は、助触媒の効果が十分に発揮できず、シランの選択率も不十分であった。更に、(ハ)の方法は、塩化第一銅のエアーゾル作成に1200℃という高温を要し、かつ金属ケイ素粒処理槽に至る間でのロスが多く現実的ではなかった。
【0008】
また、現在でも金属ケイ素粉と触媒を単純に混合後、触体として反応器に仕込み、不活性ガス中で反応温度(250℃以上)に昇温後、ハロゲン化アルキルを通気し、反応させており、(イ)〜(ハ)の方法は、基本的には現行の工程と実質的に同一であり、提案のようにあらかじめ銅シリサイドを形成させても、有意差としてその効果は検出されなかった。よって、これら問題のないより有効なオルガノハロシラン合成に用いられるロコウ反応用触体の工業的に有利な製造方法の開発が望まれる。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、オルガノハロシラン合成のロコウ反応用触体として、反応の賦活に要する時間を大幅に短縮でき、また少量の添加でも反応活性が長時間持続するロコウ反応用触体を工業的に有利に製造できるオルガノハロシラン合成用触体の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者は、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、金属ケイ素粒子を銅化合物、更に必要により助触媒金属化合物を含有する溶液に浸漬するか、あるいは金属ケイ素粒子に上記溶液を噴霧した後、非酸化性気体雰囲気下で乾燥することにより、表面に銅化合物又は銅化合物と助触媒化合物からなる薄層、あるいはこれら化合物からなる細かな斑点状の薄層が形成された金属ケイ素粒子を簡単な工程で効率良く製造でき、この薄層が表面に形成された金属ケイ素粒子は、金属ケイ素粒子に有機ハロゲン化物を金属触媒存在下で作用させてオルガノハロシランを合成するロコウ反応用触体として用いることにより、上記ロコウ反応によるオルガノハロシランの製造のネックであった反応が定常状態に至るまでの賦活に要する時間、即ち、誘導期を短縮し、更に触体の活性低下を減少させ、連続運転の可能な触体寿命を大幅に延長することができ、反応の長寿命化が達成できることを見出した。更に、上記方法により得られる触体を用いれば、反応により徐々に有効なCu−Si活性点が減少した場合、これを補う量の触体を添加するのみで、反応の活性を持続することができるため、この点からも懸案であった賦活時間の短縮、触体寿命の長期間化が達成できることを見出した。
【0011】
即ち、本発明者は、従来のロコウ反応用触体の問題の原因について種々研究した結果、金属ケイ素表面のCu−Si活性点の生成には長い過程が必要であるために時間がかかる反面、金属ケイ素表面に連続的に銅が堆積するために不活性な厚い銅層が形成されることが上記問題の原因となっていることが判明した。
【0012】
即ち、一般的には、金属ケイ素粒子と銅触媒を機械的に混合して調製した触体を反応器に仕込んだ後、不活性ガス通気下で加熱し、塩化メチルを送入し、賦活・反応を行うが、この際、賦活に要する時間が長いため、必然的に銅触媒を大過剰に系内に仕込み、更に添加触体にも高濃度で添加することになる。このようにして反応が経過するにつれて、金属ケイ素粒子表面を銅が厚く覆い、これによって反応速度の低下及びカーボンの堆積、ひいてはジシラン等の副生成物の増加、選択率の低下を招いていることがわかった。更に、活性な銅触媒、助触媒を比較的大量に用いているため、銅や助触媒同士、あるいはこれらがバインダーとなって触体が凝結してしまい、有効に使用されないばかりか、流動層そのものにも悪影響を及ぼすという問題もはらんでいることがわかった。
【0013】
本発明者は、このような問題点の解決を目的として検討した結果、上記のように予め反応の活性点を形成し得る薄層の触媒金属−ケイ素層を金属ケイ素表面に形成させ、これを触体として使用することにより、ロコウ反応の賦活にかかる時間を大幅に短縮でき、反応の長寿命化を図ることができることを知見した。特に、本発明では、乾燥処理を非酸化性雰囲気下で行うことにより、通常の粉砕ケイ素粒子表面は酸化性雰囲気で処理されることで薄い酸化膜で覆われ、これが反応の阻害になるのに対して、活性な金属ケイ素表面に直接金属銅、更には助触媒を作用させることで、効果的に活性な反応サイト、即ち活性な触体を与えることができ、触体を大量に使用したり、触体を頻繁に交換する必要もなく、ロコウ反応の賦活時間の短縮、反応の長寿命化が達成できるものである。
【0014】
従って、本発明は、
(1)金属ケイ素粒子を銅化合物含有溶液に浸漬するか、又は金属ケイ素粒子に銅化合物含有溶液を噴霧した後、非酸化性気体雰囲気下で乾燥し、表面に銅化合物の薄層が形成された金属ケイ素粒子を得ることを特徴とするオルガノハロシラン合成用触体の製造方法、
(2)銅化合物含有溶液に助触媒金属化合物を添加し、表面に銅化合物及び助触媒金属化合物の薄層が形成された金属ケイ素粒子を得る上記の製造方法
を提供する。
【0015】
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明のオルガノハロシラン合成用触体の製造方法は、金属ケイ素粒子にハロゲン化アルキル、ハロゲン化アリール等の有機ハロゲン化物を金属触媒存在下で作用させてオルガノハロシランを合成するいわゆるロコウ反応を用いたオルガノハロシラン合成において、ネックであった反応の誘導期を短縮し、触体寿命を延長するため、金属ケイ素粒子表面に予め触媒である銅化合物の薄層、特には薄膜、あるいは細かな斑点状の薄層を形成させ、金属ケイ素表面を改質するものである。
【0016】
本発明の製造方法では、まず、金属ケイ素粒子を銅化合物、或いは銅化合物と助触媒金属化合物(以下、これらを総称して触媒化合物という)を含有する溶液に浸漬又はこの溶液を金属ケイ素粒子に噴霧する。
【0017】
ここで、金属ケイ素粒子としては、平均粒径が10μm〜1mm、特に30μm〜100μmのものが好適に用いられる。
【0018】
また、銅化合物は、第1銅化合物(I)であっても第2銅化合物(II)であってもよく、具体的にはCu2O、CuO、CuCl,CuCl2、CuNO3、Cu(NO32、Cu3(PO42等が挙げられる。
【0019】
一方、溶媒としては、上記銅化合物を溶解又は分散し得るものであればよく、例えば水、塩酸水、アンモニア水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン等が挙げられる。なお、溶媒は、上記銅化合物を完全に溶解しなくてもよく、少なくとも一部を溶解し得るものであればよい。
【0020】
銅化合物含有溶液の濃度は適宜選定できるが、金属銅濃度が0.01〜20重量%、特に0.1〜10重量%となる範囲が好ましい。更にこの場合、銅化合物の使用量は、金属ケイ素粒子100重量部に対して金属銅が5重量部以下、より好ましくは0.01〜5重量部、更に好ましくは0.03〜1重量部が付着する範囲とすることが好ましい。付着量が多すぎると、副生シランの増加、反応速度の低下がおこり、結果として金属ケイ素の有効シランヘの転化率の低下を招く場合がある。
【0021】
また、本発明では、上記銅化合物と共に必要に応じて助触媒金属化合物を添加することができる。助触媒金属化合物としては、公知の助触媒、例えば亜鉛、錫、アンチモン等の金属酸化物、塩化物、リン酸塩、硫酸塩等が挙げられる。
【0022】
これらの金属化合物、助触媒金属化合物のうちでは、塩化銅(I、II)、塩化亜鉛等の塩化物が好ましい。
【0023】
また、上記助触媒金属化合物の添加量は適宜選定できるが、助触媒金属化合物の濃度が金属銅100重量部に対し、0.01〜30重量部、特に0.1〜20重量部となる範囲が好ましい。
【0024】
本発明では、金属ケイ素粒子を銅化合物、又は銅化合物と助触媒金属化合物を含有する溶液に浸漬する方法に特に制限はなく、通常の方法を採用できる。また、上記溶液を金属ケイ素粒子に噴霧する方法も別に限定されず、通常の方法で行うことができる。
【0025】
本発明においては、このように金属ケイ素粒子を上記触媒化合物溶液に浸漬又は当該溶液を金属ケイ素粒子に噴霧した後、非酸化性気体雰囲気で乾燥させ、金属ケイ素粒子表面の一部又は全部に触媒化合物の薄層を形成する。
【0026】
この場合、従来においては、金属ケイ素に銅触媒−助触媒を添加する方法は、各々の金属粒子や合金粒子又はこれらの化合物の粉末を機械的に混合し、これを「触体」(contact mass)として反応に供しているが、このような方法では、金属として添加した場合では反応活性点であるCu−Si相の生成に長時間を要し、結果として賦活に長時間を要してしまう。一方、塩化銅を単に粉末や粒子として添加するという方法では、賦活は比較的短時間で達成できるが、触体の寿命が短くなってしまうという問題があった。これらに対して、本発明においては、予め反応の活性点を形成しうる薄層の触媒金属−ケイ素層を金属ケイ素表面に形成させることにより、賦活にかかる時間を大幅に短縮し、反応の長寿命化が達成できる。更に本発明方法では、非酸化性気体雰囲気下で乾燥処理することにより、通常の粉砕ケイ素粒子表面の酸化性気体雰囲気での処理では薄い酸化膜で覆われるために反応が阻害されるのに対して、活性なケイ素表面に直接金属銅と助触媒を作用させることができ、効果的に活性な反応サイト、即ち活性な触体を与えるものである。
【0027】
ここで、上記浸漬及び/又は噴霧後の乾燥は、非酸化性気体雰囲気下で行うことが必要である。この非酸化性気体雰囲気としては、窒素ガス、アルゴンガス、水素ガス又はこれらの混合ガスとすることができる。なお、乾燥温度は、上記溶媒が揮散する温度以上とすることが好ましく、通常500℃以下、特に300〜400℃で1〜3時間乾燥させることが好適である。本発明では、このような非酸化性気体雰囲気下で乾燥処理を行うことにより、活性な金属ケイ素表面に直接金属銅等の触媒金属を作用させることができ、効果的に触媒金属−Si層を形成し得、活性な触体を形成できる。
【0028】
上記のようにして得られた触体は、金属ケイ素粒子の表面に、上記触媒化合物の薄膜乃至は微細な粒子が微小の斑点状として、或いは全面に形成される。この場合、触媒薄膜の厚さは、単分子厚〜1μmが好ましく、更に好ましくは1〜10分子厚で微細な粒子が存在する。本発明においては、金属ケイ素粒子に1〜10分子厚の薄層(触媒金属原子層)が付着した状態でも優れた効果を発揮する。
【0029】
更に、金属ケイ素表面は、上記触媒化合物でその全面に薄層が形成されていても、あるいは表面の一部に薄層が形成されていてもよいが、全面が薄層で覆われていることが好ましい。
【0030】
なお、本発明においては、上記した金属銅の付着量を達成するため、複数回の上記のような浸漬、噴霧、乾燥工程を繰り返すようにしてもよい。
【0031】
本発明によって得られた触体は、金属ケイ素粒子と有機ハロゲン化物とから金属触媒の存在下でオルガノハロシランを合成するロコウ反応用触体として使用され、その使用方法等については従来のロコウ反応用触体と同様にすることができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明のオルガノハロシラン合成用触体の製造方法によれば、ロコウ反応を用いたオルガノハロシランの製造のネックであった反応が定常反応に至るまでの賦活に要する時間を短縮し、更に触体の活性低下を減少させ、連続運転の可能な触体寿命を大幅に延長することができ、反応の長寿命化が達成できるオルガノハロシラン合成用触体を工業的に有利に製造することができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0034】
[実施例1〜3]塩化銅を金属ケイ素粒子にコーティング
塩化銅(II)を水に溶解して1.0重量%の水溶液を作成した。この水溶液100mlに平均粒径約70μmの金属ケイ素粒子100gを添加し、均一に攪拌後、金属ケイ素粒子を濾別し、乾燥窒素気流中150℃で乾燥した。これをX線マイクロアナライザーにより表面を観察したところ、図1のとおり銅元素が金属ケイ素表面全体を薄く覆っており、また、乾燥途中で析出したもの及び懸濁状態で完全に溶解しなかったものが部分的に粒子状に付着した表面を持つ金属ケイ素粒子が得られていることがわかった。
【0035】
上記と同様にして、1.0重量%及び2.0重量%の塩化銅(II)水溶液を作成し、これらの水溶液100mlに平均粒径約70μmの金属ケイ素粒子100gを添加し、均一に攪拌後、そのまま乾燥窒素気流中150℃で乾燥させた。このようにして作成した銅触媒担持金属ケイ素粒子に対する銅の処理量は、それぞれ0.05重量%、0.08重量%、0.19重量%であった。
【0036】
次に、得られた銅触媒担持金属ケイ素粉に酸化銅粉末(銅含有量71重量%)を1.0重量%、亜鉛粉末を0.1重量%、錫及びアンチモンをそれぞれ少量添加した触体を添加し、図2に示したようなスパイラル攪拌機を有し、予め十分に窒素で置換した、直径8cmのスチール製の反応器に100重量部仕込んだ。
【0037】
ここで、図2は、オルガノハロシランの製造装置の一例を示し、1は流動床反応器であり、その下部に原料供給管2を介して原料供給槽3が連結しており、これから反応器1の下部に金属ケイ素及び上記銅触媒又は銅触媒と助触媒との混合触媒が導入される。また、4は加熱器5を介装する原料有機ハロゲン化物管であり、反応器1の底部に連結され、反応器1の底部から有機ハロゲン化物のガス又は蒸気が導入されて、上記金属ケイ素の流動床1aが反応器1内に形成されるものである。なお、図中6は冷却器である。
【0038】
反応で得られたオルガノハロシランは、反応器1の頂部に連結された排出管7より第1サイクロン8に導入され、随伴する固体粒子を分離した後(この固体粒子は固体粒子返送管9より流動床1aに戻される)、更に第2サイクロン10でなお随伴する固体粒子を分離し(この固体粒子は分離粒状物貯蔵層11に貯蔵される)、次いで第1シラン凝縮器12、更には第2シラン凝縮器13でオルガノハロシランが凝縮され、シラン貯蔵層14に貯蔵される。このように固体粒子が分離され、オルガノハロシランが凝縮、分離された後の排ガスは、その一部又は全部が循環ガスコンプレッサー15が介装された有機ハロゲン化物返送管16を通って再び反応器1に戻される。なお、この返送管16は上記原料有機ハロゲン化物管4に連結されているものである。
【0039】
上記仕込み後、反応器内に窒素ガスを線速2cm/secで導入し、スパイラル攪拌機で攪拌しながら流動させ、280℃まで昇温した。その後、反応温度を280〜300℃にコントロールしつつ塩化メチルを徐々に添加し、反応させ、最終的に線速7cm/secにして反応を継続した。反応を6時間継続したところで反応を終了させた。この間の平均シラン生成速度と金属ケイ素消費率、生成シランの組成を表1に示した。
【0040】
[実施例4、5]塩化銅を金属ケイ素粒子にコーティング
塩化銅(II)をメタノールに溶解(一部は分散状態)し、0.2及び0.5重量%のメタノール溶液を作成し、この溶液100mlに平均粒径約70μmの金属ケイ素粒子100gを添加し、均一に攪拌後、そのまま乾燥窒素気流中150℃で乾燥した。このようにして作成した銅触媒担持金属ケイ素粒子に対する銅の処理量はそれぞれ0.11重量%、0.24重量%であった。
【0041】
このようにして作成した銅触媒担持金属ケイ素粉に酸化銅粉末(銅含有量71重量%)を1.0重量%、亜鉛粉末を0.1重量%、錫及びアンチモンをそれぞれ少量添加した触体を調製し、実施例1と同様の方法で反応させた。反応が6時間継続したところで反応を終了させた。この間の平均シラン生成速度と金属ケイ素消費率、生成シランの組成を表1に示した。
【0042】
[実施例6、7]塩化亜鉛を塩化銅とともに金属ケイ素粒子にコーティング塩化銅(II)及び塩化亜鉛を水に溶解し、それぞれの濃度が1.0重量%、0.1重量%の水溶液を作成し、この水溶液100mlに平均粒径約70μmの金属ケイ素粒子100gを添加し、均一に攪拌後乾燥窒素気流中150℃で乾燥して、銅触媒及び助触媒(亜鉛)担持金属ケイ素粒子を作成した。
【0043】
同様にして、塩化銅(II)及び塩化亜鉛それぞれ1.0重量%、0.1重量%のメタノール溶液を作成し、この溶液100mlに平均粒径約70μmの金属ケイ素粒子100gを添加し、均一に攪拌後、そのまま乾燥窒素気流中150℃で乾燥した。
【0044】
このようにして作成した銅触媒担持金属ケイ素粉に酸化銅粉末(銅含有量71重量%)を1.0重量%、亜鉛粉末を0.1重量%、錫及びアンチモンをそれそぞれ少量添加した触体を調製し、実施例1に記載した方法で反応させた。そして、反応を6時間継続したところで反応を終了させた。この間の平均シラン生成速度と金属ケイ素消費率、生成シランの組成を表1に示した。
【0045】
[比較例]
平均粒径約70μmの金属ケイ素粒子100重量部に市販酸化銅粉(銅含有量71重量%)を4重量部、亜鉛微粉末0.2重量部及び錫、アンチモンの各微粉を少量添加した触体を調製し、実施例1と同様の方法で反応させた。反応を6時間継続したところで反応を終了させた。この間の平均シラン生成速度と金属ケイ素消費率、生成シランの組成を表1に示した。
【0046】
【表1】
Figure 0003755566
【0047】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の塩化銅1.0重量%水溶液で処理した金属ケイ素粒子表面のX線マイクロアナライザーによる観察写真である。
【図2】オルガノハロシランの製造装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 流動床反応器
1a 流動床
2 原料供給管
3 原料供給槽
4 原料有機ハロゲン化物管
5 加熱器
6 冷却器
7 排出管
8 第1サイクロン
9 固体粒子返送管
10 第2サイクロン
11 分離粒状物貯蔵層
12 第1シラン凝縮器
13 第2シラン凝縮器
14 シラン貯蔵層
15 循環ガスコンプレッサー
16 有機ハロゲン化物返送管

Claims (7)

  1. 金属ケイ素粒子を銅化合物含有溶液に浸漬するか、又は金属ケイ素粒子に銅化合物含有溶液を噴霧した後、非酸化性気体雰囲気下で乾燥し、表面に銅化合物の薄層が形成された金属ケイ素粒子を得ることを特徴とするオルガノハロシラン合成用触体の製造方法。
  2. 銅化合物含有溶液に助触媒金属化合物を添加し、表面に銅化合物及び助触媒金属化合物の薄層が形成された金属ケイ素粒子を得る請求項1記載の製造方法。
  3. 金属ケイ素粒子表面の薄層が、銅化合物又は銅化合物と助触媒金属化合物が微小斑点状に付着したものである請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 金属ケイ素粒子の平均粒径が10μm〜1mmである請求項1乃至3のいずれか1項記載の製造方法。
  5. 金属ケイ素粒子100重量部に対して銅化合物が金属銅として5重量部以下の割合で付着するようにした請求項1乃至4のいずれか1項記載の製造方法。
  6. 金属ケイ素粒子表面の薄層の厚さが、単分子厚〜1μmである請求項1乃至5のいずれか1項記載の製造方法。
  7. 非酸化性気体雰囲気による乾燥を、窒素、アルゴン、水素又はこれらの混合ガス雰囲気で500℃以下で行う請求項1乃至のいずれか1項記載の製造方法。
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