JP3754483B2 - 都市ゴミのガス化複合発電システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生ゴミを主体とする都市ゴミの焼却処理に付随する複合発電技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
生ゴミを主体とする都市ゴミをガス化する際、その熱源として都市ゴミをガス化して得られた生成ガスの燃焼熱を有効利用して都市ゴミをガス化させる自前の方法があるが、ゴミ処理プラントとしての分解炉の後流に溶融炉及び廃熱回収ボイラを設置する上で更に向上が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、係る要望に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、効率の高い都市ゴミのガス化複合発電システムを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の都市ゴミのガス化複合発電システムは、都市ゴミを熱分解する分解炉と、該分解炉にて生成された生成ガスを燃料として前記分解炉から排出された可燃物を燃焼させると共にその際に生じた燃焼灰や廃熱回収ボイラ及び集塵器から戻された灰を溶融させる溶融炉と、該溶融炉の後流側に設置させた前記廃熱回収ボイラと、該廃熱回収ボイラで生成した蒸気を用いて発電機を駆動させる蒸気タービンとを備えた都市ゴミの処理システムであって、
(a)前記蒸気タービンに、該蒸気タービンと共同して前記発電機を駆動させるガスタービンを併設させ、(b)前記ガスタービンから排出された排気を、前記ガスタービンの排気管を経て前記分解炉に供給して熱分解用の熱源として使用した後、前記溶融炉の燃焼空気として用い、(c)前記排気管からバイパス管を分岐させ、該バイパス管に設けた調整弁によって前記廃熱回収ボイラに付随する過熱器に供給されるガスタービン排気の供給量を調整し、(d)前記過熱器の熱源に用いたガスタービンの排気を前記溶融炉の燃焼空気として使用し、(e)更に、前記排気管に前記分解炉に供給されるガスタービン排気を加熱する助燃バーナを設け、(f)かつ、前記廃熱回収ボイラの後方に前記集塵器を設け、該集塵器から排出された排ガスの一部を前記溶融炉に戻して溶融炉内の温度を調整することを特徴とするものである。
【0005】
上記のように、ガスタービンの排ガス、即ち、廃熱を利用して都市ガスのガス化に必要な熱源を得る。分解炉で生成された生成ガスは、専ら燃焼灰の溶融、或いは、後流の廃熱回収ボイラの発生蒸気を多量化するため、溶融炉入口の燃焼ガス温度を高めるために使用する。また、生成ガスを燃焼させるために系外から供給される新たな燃焼空気による有効エネルギー損失をなくすため、ガスタービンの排気を燃焼空気として使用する。これによってシステム全体の効率を向上させることができる。
ここで、ガスタービンの排ガスを溶融炉の燃焼空気として使用することが望ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1において、1は分解炉であり、その後流に溶融炉2、廃熱回収ボイラ3および集塵器4が、この順序に設置されている。更に、廃熱回収ボイラ3に付随して発電機5を駆動するための蒸気タービン6が設けられている。
【0007】
廃熱回収ボイラ3は、予熱器3aおよび加熱器3bで発生した飽和蒸気を分離する分離器7を有しており、分離器7と蒸気タービン6を連通する蒸気管8の途中に過熱器9を有している。
一方、蒸気タービン6と共同して発電機5を駆動するためのガスタービン10が、蒸気タービン6に併設されている。そして、ガスタービン10から排出され高温、高酸素濃度(例えば、500〜600℃、15%O2 )の排ガス又は排気cは、排気管11を通って分解炉1に供給され、分解炉1に供給される生ゴミを主体とする都市ゴミdを熱分解するようになっている。熱分解によって都市ゴミdから生成された生成ガスeは、管路12を通って溶融炉2に供給され、燃料として使用される。
【0008】
分解炉1から排出された残査物fは、分離機13によってガレキ類gとチャー(可燃物)hに分離される。チャーhは、溶融炉2に供給され、燃焼する。その際に生じた燃焼灰や廃熱回収ボイラ3および集塵器4から溶融炉2内に戻された灰iは、溶融炉2内で溶融され、スラグjとして系外に排出されるようになっている。
【0009】
排気管11から分岐したバイパス管14は、過熱器9に連通しており、バイパス管14を通って過熱器9に供給されるガスタービンの排気cによって分離器7から供給される飽和蒸気を過熱するようになっている。過熱器9に供給されるガスタービンの排気量は、バイパス管14の途中に設けたバイパス弁15によって調整されるようになっている。
【0010】
過熱器9を通過したガスタービンの排気cは、配管16を通って溶融炉2に燃焼空気の代替品として供給される。それは、上記のように、ガスタービンの排気c中に酸素が15%程、残存しているからである。これには、分解炉1の加熱器1aを通過したガスタービンの排気cが配管17を通って合流する。
上記排気管11の途中に助燃用バーナー18を備え、ガスタービン10の排気温度が不足するとき、追焚きするようになっている。図1中、aは空気、bは天然ガス、kは追焚き用の補助燃料を示している。
【0011】
また、集塵器4から排出された排ガスmの一部を配管19を通って溶融炉2に戻し、溶融炉2内の温度を調整するようになっている。
上記のように、本発明によれば、ガスタービン10から排出する高温、高酸素濃度の排気cは、ゴミガス化プラントの急速立ち上げを可能にする。すなわち、ガスタービン10から排出する高温、高酸素濃度の排気cは、都市ゴミdのガス化に必要な熱源となる一方、廃熱回収ボイラ3より発生する飽和蒸気を過熱する。更に、高温・高酸素濃度のガスタービンの排気cは、溶融炉2に燃焼空気の代わりに供給される。
【0012】
【発明の効果】
上記のように、本発明は、都市ゴミを熱分解する分解炉と、該分解炉にて生成された生成ガスを燃料として前記分解炉から排出された可燃物を燃焼させると共にその燃焼灰を溶融させる溶融炉と、該溶融炉の後流に設置させた廃熱回収ボイラと、該廃熱回収ボイラで生成した蒸気を用いて発電機を駆動させる蒸気タービンとを備えた都市ゴミのガス化複合発電システムであって、前記蒸気タービンに該蒸気タービンと共同して前記発電機を駆動させるガスタービンを併設させ、該ガスタービンの排ガスを分解炉の熱源及び前記廃熱回収ボイラで発生した飽和蒸気を過熱する過熱器の熱源として使用するようにしたので、過剰空気率が生ゴミのまま燃焼させるより少なく、且つ、溶融炉で高温排ガスが得られるため、蒸気タービンに送気する蒸気を高圧化でき、従来のゴミ焼却発電を上回る効率を実現させることができる。
【0013】
従って、従来は、高々、15%以下のゴミ焼却発電が30%以上の効率を実現できた。この際、ガスタービン単機効率が高い程、総合効率を高くすることができる。今後、タービン入口温度を1500℃程度が実現化された場合、30%以上の確保は十分可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る都市ゴミのガス化複合発電システムの概略図である。
【符号の説明】
1 分解炉 2 溶融炉
3 廃熱回収ボイラ 5 発電機
6 蒸気タービン 9 過熱器
10 ガスタービン c 排ガス
e 生成ガス h 可燃物
Claims (1)
- 都市ゴミを熱分解する分解炉と、該分解炉にて生成された生成ガスを燃料として前記分解炉から排出された可燃物を燃焼させると共にその際に生じた燃焼灰や廃熱回収ボイラ及び集塵器から戻された灰を溶融させる溶融炉と、該溶融炉の後流側に設置させた前記廃熱回収ボイラと、該廃熱回収ボイラで生成した蒸気を用いて発電機を駆動させる蒸気タービンとを備えた都市ゴミの処理システムであって、
(a)前記蒸気タービンに、該蒸気タービンと共同して前記発電機を駆動させるガスタービンを併設させ、
(b)前記ガスタービンから排出された排気を、前記ガスタービンの排気管を経て前記分解炉に供給して熱分解用の熱源として使用した後、前記溶融炉の燃焼空気として用い、
(c)前記排気管からバイパス管を分岐させ、該バイパス管に設けた調整弁によって前記廃熱回収ボイラに付随する過熱器に供給されるガスタービン排気の供給量を調整し、
(d)前記過熱器の熱源に用いたガスタービンの排気を前記溶融炉の燃焼空気として使用し、
(e)更に、前記排気管に前記分解炉に供給されるガスタービン排気を加熱する助燃バーナを設け、
(f)かつ、前記廃熱回収ボイラの後方に前記集塵器を設け、該集塵器から排出された排ガスの一部を前記溶融炉に戻して溶融炉内の温度を調整することを特徴とする都市ゴミのガス化複合発電システム。
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