JP3754149B2 - 縦型熱処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば半導体ウエハなどの被処理基板に対して、熱処理を行うための縦型熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハ(以下「ウエハ」という)に対して成膜処理や、酸化膜の形成などの熱処理をバッチで行う熱処理装置として例えば図7に示すような縦型熱処理装置がある。図中10はオ−プン型のウエハカセット11(以下カセット11という)の入出力ポ−トであり、この後方にはカセットア−ム12aの移載路を介して上側にストッカ12、下側に中間ステ−ジ13が配設されている。中間ステ−ジ13の後方側には、ウエハ移載手段13aを介してウエハボ−ト14が設けられている。ウエハボ−ト14の上方には熱処理炉15が配設されており、ボ−トエレベ−タ14aが上昇してウエハボ−ト14が熱処理炉15内に搬入されることとなる。
【0003】
ここで上述のウエハボ−ト14は、図8に示すように、上下両端部の領域についてはダミ−領域として使用せず、この両端部を除いた領域を処理領域として処理用のウエハW1(以下ウエハW1という)が搭載される。その理由は、熱処理炉15の構造上、熱処理炉15内においてウエハボ−ト14の上部側や下部側は設定温度との温度差が大きいため均一な熱処理を行なうことが困難だからである。そしてこのダミ−領域にはダミ−ウエハW2が常時搭載される。またダミ−ウエハW2はカセット11からウエハボ−ト14に移載されるウエハW1の枚数が前記処理領域のウエハの枚数よりも少ないときには、処理領域にウエハが搭載されていない歯抜け部分が生じ、これにより処理ガスの均一な流れが妨げられるため、この歯抜け部分を埋めるためにも搭載される。
【0004】
上述の縦型熱処理装置では、処理用のウエハW1は処理用のウエハカセット11a(以下処理用カセット11aという)に収納され、ダミ−ウエハW2はダミ−用のウエハカセット11b(以下ダミ−用カセット11bという)に収納されており、これら処理用カセット11aとダミ−用カセット11bとはストッカ12に収容されている。そしてストッカ12から中間ステ−ジ13にカセットア−ム12aにより処理用カセット11aとダミ−用カセット11bとを搬送し、既に入出ポ−ト10にて図示しないウエハカウンタによりカウントした各処理用カセット11a内のウエハW1の枚数のカウント値に応じて、先ずウエハ移載手段13aによりダミ−ウエハW2をウエハボ−ト14の所定位置に移載してからウエハW1を移載するようにしていた。
【0005】
ところで近年のようにパタ−ンの微細化が進み、デバイスが繊細になると、自然酸化膜やパーティクルの発生をより一層抑えることが重要となってくる。このため熱処理炉15の下方領域に形成された移載室を区画したり、カセット自体を蓋体を設けたクロ−ズ型とし、このカセット内のクリ−ン度を高める構想が進められている。このような構想の熱処理装置としては例えば図9に示すように、移載室16の壁部17に蓋付きの受け渡し口17aを形成し、ストッカ12から搬送されたクロ−ズ型カセット18(以下カセット18という)を装着して蓋を取り外し、カセット18内を受け渡し口17aを介して移載室16内に開放し、カセット18内のウエハを移載ア−ム19によりウエハボ−ト14に移載することが検討されている。
【0006】
【発明が解決しようとしている課題】
しかしながら上述のようなクロ−ズ型カセット18では、蓋を開かないとカセット18内のウエハの枚数をカウントすることができない。従って受け渡し口17aにカセット18を装着してから、例えば受け渡し口17a近傍に設けられたウエハカウンタによりウエハの枚数をカウントすることになる。そしてウエハボ−ト14の処理領域(処理用ウエハの保持領域)のウエハの枚数よりも前記カウントしたウエハW1の枚数が少ない場合には、既述のように不足分のウエハをダミ−ウエハW2で補充しなければならない。
【0007】
ところでウエハボ−ト14の処理領域に上から順番にウエハW1を移載していくのであれば、不足分のダミ−ウエハW2はカセット18内のウエハW1を移載した後、その下段側に移載すればよいのであるが、一般にはこのように上から順番にウエハW1を移載しないことが多い。
【0008】
一例として、ウエハボ−ト14の処理領域は、例えば図8に示すように、1カセット分のウエハの枚数毎に3つのブロックB(B1,B2,B3)にブロック化され(3つのブロック化は単なる一例に過ぎない)、各ブロックBに1つのカセット18を割り当てて管理する場合がある。これは例えばカセット18内にモニタウエハを含ませておき、そのモニタウエハを後で解析して、そのモニタウエハが含まれるカセット18がどのブロックで処理されたかを把握するためである。またウエハW1の枚数が少ないときにはできるだけ特性の良い領域例えば処理領域の中心に近い領域に配列する場合がある。
【0009】
このような運用においては、ウエハW1の上段側にダミ−ウエハW2が位置するという配列パタ−ンが含まれることになるが、この場合にはパーティクル汚染を軽減するためには、ウエハW1よりも先にダミ−ウエハW2を移載する必要があり、ウエハW1を移載し、その上段側に後からダミ−ウエハW2を移載することは避けなければならない。
【0010】
従ってこの場合には、先ず処理用のウエハカセット18a(以下処理用カセット18aという)を受け渡し口17aに装着してウエハW1の枚数をカウントし、次いで処理用カセット18aとダミ−用のウエハカセット18b(以下ダミ−用カセット18bという)とを交換し、ダミ−用のウエハW2をウエハボ−ト14に移載する。この後ダミ−用カセット18bと処理用カセット18aとを交換し、ウエハW1をウエハボ−ト14に移載しなければならない。
【0011】
ここで処理用カセット18aとダミ−用カセット18bとの交換の際には、その都度カセット18a,18bや受け渡し口の蓋体の開閉が必要であり、またストッカ12と受け渡し口17aとの間のカセット18a,18bの搬送等の操作を行なわなければならないので、シ−ケンスが複雑になると共に操作に時間がかかるという問題がある。
【0012】
本発明は、このような事情のもとになされたものであり、その目的はダミ−用の被処理基板を保持具へ移載するにあたり、移載作業を容易かつ短時間で行なうことができ、またカセット収容部に収容できる処理用の被処理基板カセットの数を多くすることができる縦型熱処理装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は、縦型熱処理炉に連通して設けられた移載室と、被処理基板を棚状に配列保持して、縦型熱処理炉と移載室との間で搬送される第1の保持具と、を備えた縦型熱処理装置において、
複数の処理用の被処理基板を収納するための蓋付きの密閉型の被処理基板カセットが前記移載室の外部から装着され、前記蓋を外すことにより被処理基板カセット内が移載室内に開放される受け渡し口と、
前記移載室内に設けられ、ダミ−用の基板を保持するための第2の保持具と、
前記被処理基板カセット内の被処理基板の配列状況を検出するための被処理基板カウンタと、
前記受け渡し口に装着された被処理基板カセットと第1の保持具との間で被処理基板を移載する移載手段と、
前記被処理基板カウンタによる被処理基板の配列状況の検出結果に基づいてダミー用の基板を第1の保持具のどの空き領域に補充すればよいかを判断して、第2の保持具からダミー用の基板を補充し、その後被処理基板カセットから前記第1の保持具に被処理基板を移載し、また被処理基板を熱処理した後に、第1の保持具上の被処理基板を被処理基板カセットに移載し、その後第1の保持具上のダミー用の基板を取り出すように前記移載手段を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
また縦型熱処理装置は、移載室の外部領域に処理前の被処理基板を収納した被処理基板カセット及び処理後の被処理基板を収納した被処理基板カセットを、一時的に収容するためのカセット収容部を設けるようにしてもよい。さらに被処理基板カセットは、蓋付きの密閉型のものでなくてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施の形態に係る縦型熱処理装置の主要部を示す斜視図であり、図2はその平面図、図3はその側面図である。図2中21は移載室であり、この移載室21の前方側の壁部21aには後述するクロ−ズ型カセットが装着される受け渡し口22が形成されている。この受け渡し口22は常時は図示しない蓋体で閉じられている。
【0016】
移載室21の奥側上方には熱処理炉23が設けられており、この熱処理炉23の下方側には、2基のボ−トエレベ−タ3、4が左右に対向して配設されている。これらボ−トエレベ−タ3、4は同一構造であって、ここでは便宜上ボ−トエレベ−タ3を代表として説明する。ボ−トエレベ−タ3は、熱処理炉23の下方位置から左方に寄った位置に垂直に設けられたボ−ルネジ軸31aに螺合しながら、ガイド板31bに沿って昇降可能な昇降基台31を備えており、ガイド板31bは前記ボ−ルネジ軸31aの内側に設けられていて、ネジ軸31aを熱処理炉23の輻射熱から保護する熱輻射板を兼ねている。
【0017】
また昇降基台31には、モ−タMにより回転する垂直な回転軸32aにより水平方向に回転自在な回転基台32が取り付けられている。回転基台32の上面には、前記熱処理炉23の蓋部35と、保温筒33を介して第1の保持具をなすウエハボ−ト34が搭載されており、このウエハボ−ト34は例えば50枚の処理用の半導体ウエハW1(以下ウエハW1という)を所定の間隔で上下に配列して保持できるように構成されている。
【0018】
またボ−トエレベ−タ4も、ボ−トエレベ−タ3と同様に、昇降部材41、回転基台42、熱処理炉23の蓋部45、保温筒43、ウエハボ−ト44を備えている。このようにしてボ−トエレベ−タ3、4は、ウエハボ−ト34、44をウエハ移載領域と熱処理炉23内の所定の位置との間で搬送するように構成されており、2基のウエハボ−トは一方のボ−トが熱処理炉23内に搬入されている間、他方のボ−トにウエハ移載領域においてウエハW1が移載され、こうしてウエハボ−ト34、44は交互に熱処理炉23に搬入される。
【0019】
さらにまた例えばボ−トエレベ−タ4の手前側には、第2の保持具をなし、ダミ−ウエハW2を保持するダミ−ウエハ用ボ−ト5が、例えば載置台51の上に載置されている。このダミ−ウエハ用ボ−ト5は、ウエハボ−ト34、44と同一構造であるが、簡単にその構造について述べておくと、例えば天板52aと底板52bとの間に、保持溝が上下に所定間隔で形成された例えば6本の支柱53を半円周方向に設け、天板52a(底板52b)のほぼ直径方向の対向する支柱の間からダミ−ウエハW2を進入してダミ−ウエハW2の周縁部を保持溝内に挿入し、こうして例えば50枚のダミ−ウエハW2を所定の間隔で上下に配列して保持できるように構成されている。
【0020】
ここでダミ−ウエハW2とは、ウエハW1の枚数が第1のウエハボ−ト34に搭載できるウエハの枚数に足りない場合に不足分を補うためにウエハボ−トに搭載されるウエハであり、ウエハボ−トの上下両端部の領域、即ち設定温度との温度差が大きく、特性がやや劣るの領域に予め配列しておくものも含まれる。
【0021】
前記受け渡し口22の直ぐ奥側には、移載手段をなすウエハ移載手段6が設けられている。このウエハ移載手段6は、昇降、回転自在な基台61に複数の移載ア−ム62(図では便宜上1枚のみ描いてある)を進退自在に設けて構成されており、この移載ア−ム62は後述するクロ−ズ型カセットと前記ウエハボ−ト34、44と間でウエハW1を例えば複数枚一括して移載すると共に、ダミ−ウエハ用ボ−ト5と前記ウエハボ−ト34、44との間でダミ−ウエハW2を例えば複数枚一括して移載する。また移載ア−ム62はウエハW1やダミ−ウエハW2を1枚ずつ移載することもできるように構成されている。
【0022】
受け渡し口22に臨む位置には、クロ−ズ型カセット内のウエハW1の枚数をカウントするための被処理基板カウンタをなすウエハカウンタ63が設けられている。このウエハカウンタ63は例えば光反射型のセンサによりカセットの最上段から最下段まで走査し、ウエハW1の周縁部からの反射光を利用してカセット内のウエハW1の有無を検出するように構成され、その検出情報は制御部Cのメモリ内に格納される。前記制御部Cはこの情報(マッピング情報)に基づいて、カセット内のウエハの配列を把握し、ダミ−ウエハW2をボ−ト上のどの段(溝番号)に補充すればよいかを判断し、移載手段62に対して図示しないコントロ−ラからダミ−ウエハW2のアクセス命令を出力する。
【0023】
移載室21の外部における受け渡し口22の下方側には、クロ−ズ型カセットの載置台64が設けられており、受け渡し口22の手前側上方には、図2及び図3に示すように、複数のクロ−ズ型カセットを上下方向に配列して収容するカセット収容部例えばストッカ65が設けられていて、クロ−ズ型カセットは前記載置台64とストッカ65との間で図示しない搬送機構により搬送されるように構成されている。
【0024】
続いて前記壁部21aの受け渡し口22に移載室2の外部から密着されるクロ−ズ型カセット7(以下カセット7という。)について図4により簡単に説明する。このカセット7は、例えば13枚のウエハW1を棚状に保持するようにスロット70が多段に形成されたカセット本体71と、このカセット本体71のウエハ取り出し口である開口部72を気密に塞ぐための蓋体73とを備えている。
【0025】
前記蓋体73はカセット本体71の開口部72の内側に入り込むように設けられており、また蓋体73には例えば2か所に鍵穴74が設けられていて、この鍵穴74にキ−75を挿入して回すことにより、蓋体73の上端と下端とから例えば4本のロックピン76が突出して、カセット本体71に蓋体73が固定されるように構成されている。このようなカセット7は壁部21の受け渡し口22に移載室21の外部から装着される。
【0026】
次にこのような熱処理装置の作用について図5に基づいて説明する。今一方のウエハボ−ト34を熱処理炉23内に搬入し、このウエハボ−ト34に保持されたウエハW1に対して熱処理を行なっており、他方のウエハボ−ト44に対して次に処理すべきウエハW1の移載を開始するものとする。
【0027】
移載室21の外部では、先ず1つ目のカセット7aをストッカ65から図示しない搬送機構により載置台64上に載置して、移載室21の受け渡し口22に外側から装着する。次いで図示しない開閉機構により鍵穴74にキ−75を挿入して回し、ロックピン76を解除して受け渡し口22を塞いでいる蓋体と共に蓋体73を開き、ウエハカウンタ63によりこのカセット7a内に収納されているウエハW1の配列状況つまりどのスロット70にウエハW1が有り、どのスロット70にウエハW1が無いかを検出し、この情報を制御部Cのメモリ内に格納する(図5(a))。
【0028】
ここでウエハボ−ト44は、上述のように、上部と下部の図中斜線で示した領域S1に予めダミ−ウエハW2が搭載されており、この領域S1以外の領域S2に処理領域が形成されていて、この処理領域S2は例えば1つ目のカセット7a、2つ目のカセット7b、3つ目のカセット7cに対応する3つのブロックB1,B2,B3に分割されている。今カセット7aでは、ウエハボ−ト44のk番目の溝部に保持されるウエハW1が無いとする。
【0029】
続いて図5(b)に示すように、前記ウエハW1の配列状況に基づいて、ダミ−ウエハW2をウエハ移載手段6によりダミ−ウエハ用ボ−ト5からウエハボ−ト44に移載する。即ちウエハ移載手段6は制御部Cによりダミ−ウエハW2移載のアクセス命令を受けて、ダミ−ウエハ用ボ−ト5にダミ−ウエハW2を取りに行き、このダミ−ウエハW2をウエハボ−ト44のk番目の溝部に移載する。
【0030】
こうしてダミ−ウエハW2が移載された後、図5(c)に示すように、ウエハW1をウエハ移載手段6によりカセット7aからウエハボ−ト44に移載する。即ちウエハ移載手段6は制御部CによりウエハW1移載のアクセス命令を受けて、カセット7aにウエハW1を取りに行き、このウエハW1をウエハボ−ト44の対応するブロックのk番目以外の溝部に移載する。続いてカセット7aとカセット7bとを交換し、同様にカセット7b内のウエハW1の配列状況を検出し、先ずダミ−ウエハW2をボ−ト44のm番目とn番目の溝部に移載した後、残りの溝部にウエハW1を移載する。同様にカセット7bとカセット7cを交換し、カセット7c内のウエハW1をボ−ト44に移載する。
【0031】
このようにウエハボ−ト44にウエハW1とダミ−ウエハW2とを移載した後、先ずウエハボ−ト34を熱処理炉23から搬出し、次いでウエハボ−ト44を熱処理炉23内に搬入して、ウエハボ−ト44に搭載されているウエハW1に対して熱処理を行う。
【0032】
一方ウエハボ−ト34に搭載されている熱処理後のウエハW1と補充用のダミ−ウエハW2は、ウエハ移載手段6により、先ずウエハW1をカセット7(7a,7b,7c)に移載した後、ダミ−ウエハW2をダミ−ウエハ用ボ−ト5に移載する。そしてウエハW1のカセット7への移載が終了した後、カセット7の蓋体73と、受け渡し口22を塞いでいる蓋体とを閉じる。移載室2の外部では熱処理後のウエハW1が収納されたカセット7をストッカ65に搬送し、次いでストッカ65から熱処理前のウエハW1が収納されたカセット7を載置台64まで搬送する。
【0033】
このような熱処理装置では、移載室21内にダミ−ウエハ用ボ−ト5を設け、ここからウエハボ−ト34(44)にダミ−ウエハW2を移載しているため、ダミ−ウエハ用のカセットを用意し、これを受け渡し口22に装着しなくて済む。このことはクロ−ズ型カセット7を用いる場合には、ウエハW1及びダミ−ウエハW2の移載のシ−ケンスを組む上で極めて有効である。
【0034】
何故ならクロ−ズ型カセット7は、蓋体の開閉作業を含めた受け渡し口22への装着、取り外し作業に時間がかかり、仮にダミ−ウエハ用ボ−ト5を用いなければ、処理用のカセット内のウエハW1をカウントした後、一旦このカセットを受け渡し口から取り外し、次いでダミ−ウエハ用のカセットを装着してダミ−ウエハW2の移載を行ない、その後処理用のカセットを再び装着してウエハW1をウエハボ−トに移載するという繁雑な工程を行なわなければならない。
【0035】
本実施の形態ではこれらの繁雑な工程が不要となるので、ストッカからダミ−ウエハ用のカセットを介してダミ−ウエハW2をウエハボ−トに移載する場合に比べて、ウエハボ−トへのウエハW1及びダミ−ウエハW2の移載が容易なものとなり、移載工程のプログラムも容易になる。またこれらの移載に要する時間を大幅に短縮することができる。
【0036】
さらにダミ−ウエハ用ボ−ト5を移載室21内に設けることにより、ダミ−ウエハ用のカセットを別に用意する必要はなくなり、ストッカ65にダミ−ウエハ用のカセットを収容する必要もなくなる。このためストッカ65へは熱処理前後の処理用のカセットのみが収容されるので、ストッカ65に収容できる処理用のカセットが多くなる。
【0037】
このようにストッカ65に収容できる処理用のカセットの数が多くなると、熱処理後の処理用のカセットの収容数が多くなる。ここで熱処理装置の外部とストッカ65との間の処理用のカセットの搬入出作業は、例えばオペレ−タが熱処理後の処理用のカセットがある数に達した場合(熱処理前の処理用のカセットが少なくなった場合)に行なっているが、熱処理後の処理用のカセットの収容数が多くなれば、これと交換される熱処理前の処理用のカセットの収容数も多くなる。
【0038】
ここでストッカ65に収容されている熱処理前のウエハの数が1バッチ処理に相当するウエハの枚数に満たなくなると、熱処理後のウエハが収納されているカセットを取り出して新しいカセットを補充しなければならないが、処理用のカセットの収容数が多くなれば、このような状態となる確率が減る。従って交換作業の回数が減少し、これに伴いオペレ−タの介在を少なくすることができる。
【0039】
続いて本発明の第2の実施の形態について図6を用いて説明する。本実施の形態が上述の第1の実施の形態と異なる点は、処理用のウエハが収納された処理用ウエハカセットをクロ−ズ型カセットではなく、オ−プン型カセットとしたことである。図6中81は被処理基板カセット例えば処理用ウエハカセット82(以下カセット82という)の入出力ポ−トをなすカセットステ−ジであり、このカセットステ−ジ81は回転軸81aにより奥側に90度倒れるようにつまりカセット82内の縦置きのウエハが水平になるように構成されている。
【0040】
カセットステ−ジ81近傍の水平になったウエハを臨む位置にはウエハカウンタ83が設けられており、このウエハカウンタ83は常時は倒れたカセット82の下側にあって、カセット82が倒れてからカセット82の上側に移動するように構成されている。
【0041】
カセットステ−ジ81の奥側にはカセット82が載置される受け渡し載置部をなす例えば3段の棚として構成されたウエハ受け渡し部84が配設されており、ウエハ受け渡し部84の上方側には複数のカセット82を収容するストッカ85が設けられている。カセット82はカセットステ−ジ81とウエハ受け渡し部84とストッカ85との間を搬送機構86により搬送される。またウエハ受け渡し部84の奥側には上述の第1の実施の形態と同様に、ウエハ移載手段6と、ダミ−ウエハ用ボ−ト5と、ウエハボ−ト34、44とが設けられている。その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0042】
このような熱処理装置では、図6(b)に示すように、カセット82が載置されたカセットステ−ジ81が倒れると、ウエハカウンタ83がカセット82の最上部から最下部まで走査し、カセット82内のウエハW1の配列状況を検出し、このマッピング情報を制御部Cのメモリ内に格納する。次いでこの配列状況が把握されたカセット82を搬送機構86によりストッカ85に一時的に収容する。
【0043】
そしてストッカ85から3つのカセット82をウエハ受け渡し部84に搬送し、次いで上述のウエハW1の配列状況に基づいて、ダミ−ウエハW2をウエハ移載手段6によりダミ−ウエハ用ボ−ト5からウエハボ−ト44に移載する。この後ウエハW1をウエハ移載手段6によりカセット82からウエハボ−ト44に移載する。
【0044】
本実施の形態においても、ウエハボ−ト34(44)にダミ−ウエハW2を移載する場合には、移載室21内に設けられたダミ−ウエハ用ボ−ト5とウエハボ−ト34(44)との間で移載すればよく、わざわざ移載室2の外部までダミ−ウエハ用のカセットを取りに行く必要はないので、ダミ−ウエハW2の移載を容易かつ速やかに行なうことができる。またストッカ85にダミ−ウエハ用カセットを収容する必要がないので、カセット82を収容するスペ−スが大きくなる。このためオペレ−タによるストッカ85と装置外部との間の熱処理前後の処理用のカセットの交換作業の作業回数が減少する。
【0045】
以上において本発明では2基のウエハボ−トを用いる場合に限らず、ウエハボ−トが1基である縦型熱処理装置にも適用できる。この場合にはウエハボ−トへの処理用ウエハやダミ−ウエハの移載時間がスル−プットに影響するため、これらのウエハの移載時間が短縮されることはスル−プットの向上に有効である。また本発明ではウエハカウンタとして超音波センサを用いるようにしてもよい。さらにクロ−ズ型ウエハカセットを用いる場合、蓋体等の開閉機構が大がかりなものとなるので、受け渡し口を1つとすることが低コストとなり、スペ−スも縮小されるため望ましいが、例えば受け渡し口を縦に3段に設け、各々の受け渡し口にウエハカセットを装着するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、処理用被処理基板やダミ−用被処理基板の第1の保持具への移載作業を容易かつ短時間で行なうことができ、またカセット収容部に多数の被処理体カセットを収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を熱処理装置に適用した場合の実施の形態に係る熱処理装置の移載室の内部を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る熱処理装置を示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る熱処理装置を示す断面図である。
【図4】クロ−ズ型カセットを示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る熱処理装置の作用を説明するための説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る熱処理装置を示す断面図である。
【図7】従来の縦型熱処理装置を示す側面図である。
【図8】ウエハボ−トを示す側面図である。
【図9】従来の縦型熱処理装置を示す平面図である。
【符号の説明】
21 移載室
21a 壁部
22 受け渡し口
23 熱処理炉
34、44 ウエハボ−ト
5 ダミ−ウエハ用ボ−ト
6 ウエハ移載手段
63、83 ウエハカウンタ
65、85 ストッカ
7 クロ−ズ型カセット
82 処理用ウエハカセット
84 ウエハ受け渡し部
W1 処理用の半導体ウエハ
W2 ダミ−ウエハ
Claims (3)
- 縦型熱処理炉に連通して設けられた移載室と、被処理基板を棚状に配列保持して、縦型熱処理炉と移載室との間で搬送される第1の保持具と、を備えた縦型熱処理装置において、
複数の処理用の被処理基板を収納するための蓋付きの密閉型の被処理基板カセットが前記移載室の外部から装着され、前記蓋を外すことにより被処理基板カセット内が移載室内に開放される受け渡し口と、
前記移載室内に設けられ、ダミ−用の基板を保持するための第2の保持具と、
前記被処理基板カセット内の被処理基板の配列状況を検出するための被処理基板カウンタと、
前記受け渡し口に装着された被処理基板カセットと第1の保持具との間で被処理基板を移載する移載手段と、
前記被処理基板カウンタによる被処理基板の配列状況の検出結果に基づいてダミー用の基板を第1の保持具のどの空き領域に補充すればよいかを判断して、第2の保持具からダミー用の基板を補充し、その後被処理基板カセットから前記第1の保持具に被処理基板を移載し、また被処理基板を熱処理した後に、第1の保持具上の被処理基板を被処理基板カセットに移載し、その後第1の保持具上のダミー用の基板を取り出すように前記移載手段を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする縦型熱処理装置。 - 移載室の外部領域に設けられ、処理前の被処理基板を収納した被処理基板カセット及び処理後の被処理基板を収納した被処理基板カセットを、一時的に収容するためのカセット収容部を備えたことを特徴とする請求項1記載の縦型熱処理装置。
- 縦型熱処理炉に連通して設けられた移載室と、被処理基板を棚状に配列保持して、縦型熱処理炉と移載室との間で搬送される第1の保持具と、を備えた縦型熱処理装置において、
複数の処理用の被処理基板を収納するための被処理基板カセットと、
前記被処理基板カセット内の被処理基板の配列状況を検出するための被処理基板カウンタと、
前記移載室内に設けられ、ダミ−用の基板を保持するための第2の保持具と、
前記被処理基板カセットが載置される受け渡し載置部と、この受け渡し載置部に載置された被処理基板カセットと第1の保持具との間で被処理基板を移載する移載手段と、
前記被処理基板カウンタによる被処理基板の配列状況の検出結果に基づいてダミー用の基板を第1の保持具のどの空き領域に補充すればよいかを判断して、その後被処理基板カセットから前記第1の保持具に被処理基板を移載し、また被処理基板を熱処理した後に、第1の保持具上の被処理基板を被処理基板カセットに移載し、その後第1の保持具上のダミー用の基板を取り出すように前記移載手段を制御する制御部と、、を備えたことを特徴とする縦型熱処理装置。
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