JP3752456B2 - 分離体及びそれを用いた容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通気性を有すると共に、液体の透過を防止した分離体と、該分離体を通気フィルタとして用い、内部の気圧と外部の気圧とを略同一に保つことができる容器に関する。
【0002】
【従来技術】
従来より、気体透過性材料として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)多孔質体などの多孔質膜や不織布、メッシュなどが使用されている。最近、これらの気体透過性材料の撥油・撥水性を利用して通気フィルタとして、多くの分野で使用されている。
【0003】
通気フィルタは、一般に各種密閉容器の通気口に防水・防塵の目的で設けられている。例えば、カメラではズーミングやフォーカシングのために、電子機器や精密機器では温度変化に基づく器内圧力の変動を緩和するために用いられる。
【0004】
また、哺乳瓶等の容器では吸われて減圧になった内部に空気を導入する為あるいは生体内に薬剤などを注入する輸液セット等の医療用液体貯蔵容器あるいは落圧差を利用した防腐薬剤等の注入器具等は容器内の気圧を外気圧に等しくする為に通気口が必要であり、これらの通気口に撥油・撥水通気性フィルタが使用されている。これらフィルタは外部あるいは内部の液体・水滴は通過せず、気体は通過する機能が必要である。
【0005】
しかし、自動車に搭載された電装品の防水通気フィルタのように、通気フィルタに用いられる分離体は、エンジンルーム内でエンジンオイル等の各種自動車オイルの油蒸気分の多い過酷な環境に曝されていた。
【0006】
また、一般生活環境においても、カメラなど内部に精密部品や電子部品が組み込まれており、且つ通気性を保つために分離体を具備し、該分離体が台所洗剤などの界面活性剤を含む液体や油脂分あるいは体脂に触れる場合が多い。
【0007】
さらに、薬剤などの注入用容器に分離体が用いられる場合、容器に注入される薬剤が強い酸性の場合、あるいは強いアルカリ性である場合、さらにはアルコール、アセトン等の有機溶剤の場合がある。また、人体に使用する輸液セットに使用する場合は、滅菌処理として高温で分離体を煮沸する必要のある場合がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように様々な状況において分離体が用いられており、油分、界面活性剤が通気性フィルタに接触するとフィルタの耐水性、通気性が消失してしまうという問題があった。
【0009】
また、酸性又はアルカリ性の溶液、或いは有機溶剤を用いる容器に分離体を用いる場合には、これらの液体により分離体が腐食するという問題があった。
【0010】
さらに、分離体に対して煮沸などの高温処理を施す必要のある場合、高温で分離体内部の細孔が閉塞し、通気性が低下し、最終的には通気性が消失してしまうという問題があった。
【0011】
従って、本発明は、油分や界面活性剤を含む溶液、酸性及びアルカリ性の溶液、有機溶剤或いは熱湯に対する耐久性の高い分離体と、該分離体を具備し、通気性と防水性とを具備する容器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、油や薬品に対する耐食性が高く、高温でも使用可能なセラミック多孔質体を用い、該セラミック多孔質体の細孔内壁に、液体との親和性の低い液体反発剤を設けることにより、通気性を保ったまま防水性を向上できるという知見に基づき、耐油性・耐溶剤性・耐薬品性・耐熱性に優れた分離体を提供するものである。
【0013】
また、この分離体を容器の少なくとも一部の壁面に具備することによって、種々の溶液に対して耐久性を有すると共に、気体だけを双方向に通過させることができ、充分な通気性と防水性を保持する容器を実現できる。
【0014】
即ち、本発明の分離体は、液体と気体とを分離するために用いられ、前記液体を通過させることなく、前記気体が双方向に通過することを可能とする分離体であって、セラミック多孔質体と、該セラミック多孔質体の細孔内の少なくとも一部に、前記液体に対して親和性の低い液体反発剤が設けられてなるとともに、平均細孔径が0.05〜2μmであることを特徴とするものである。
【0015】
特に、前記液体反発剤が、フッ素とシリコンとを含み、撥油及び/又は撥水性を有することが好ましい。上記液体反発剤を用いるより、液体通過をより効果的に防止でき、且つ分離体の耐熱性を向上することができる。
【0016】
さらに、前記セラミック多孔質体が、アルミナからなることが好ましい。これにより、分離体の耐酸・耐アルカリ性をさらに向上することができるとともに、より安価な分離体を実現することができる。
【0017】
本発明の容器は、内部に気体及び/又は液体を充填するための容器において、該容器の少なくとも一部の容器壁に本発明の分離体を具備し、該分離体を介して前記液体の漏出がなく、且つ前記容器内の気圧と外部の気圧とを略同一に保つことができることを特徴とするものであり、耐油性・耐溶剤性・耐薬品性・耐熱性を有し、防水性を保ったまま気圧調整を行える容器を実現できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の分離体は、セラミック多孔質体と、その細孔内の少なくとも一部に設けられ、液体に対して親和性の低い液体反発剤とによって構成される。
【0019】
セラミック多孔質体は、少なくともその一部が液体と接するため、耐油性・耐溶剤性・耐薬品性・耐熱性を有する材料であることが望ましく、具体的には、アルミナ、ジルコニア、シリカ、コージェライト、チタニアの群から選ばれる少なくとも1種が50%以上、特に70%以上、さらには90%以上含有するセラミックスからなることが望ましい。これらのうち、低コストの点でアルミナ多孔質体、シリカ多孔質体、コージェライト多孔質体が好ましい。そして、油、溶剤、酸又はアルカリ等に対する耐薬品性が高い点でアルミナ多孔質体がより好ましい。なお、このアルミナは高温水蒸気に対する結晶構造の安定性の点でαアルミナであることが望ましい。
【0020】
セラミック多孔質体の平均細孔径は、液体反発剤を細孔の表面に設けても充分な通気性と防水性を発現するため、0.05〜2.0μm、特に0.08〜1.0μm、さらには0.1〜0.5μmが好ましい。2.0μmよりも大きい場合、液体反発剤を細孔内に設けても分離体として作用せず、液体が漏れ出す場合があり、逆に0.05μmより小さい場合、液体反発剤を細孔内に設けた場合に細孔が閉塞することがあり、気体の透過率が低下する傾向があるためである。
【0021】
セラミック多孔質体の形状は、特に限定されるものではないが、作製の容易さから平板であることが好ましい。そして、十分な機械的な強度を有し、ガス透過性を確保する為に、肉厚は0.3〜10mm、特に1〜2mmであることが望ましい。なお、容器形状に合致させるために、セラミック多孔質体の少なくとも一部を湾曲させても、あるいは表面に模様を形成しても良い。
【0022】
本発明の分離体は、上記のセラミック多孔質体の細孔内の少なくとも一部に、所定の液体に対して親和性の低い液体反発剤を設けることが重要である。これのような構造を有することによって、液体と液体反発剤との接触角が極めて大きくなり、液体の表面張力が高くなり、液体は液体反発剤から遠ざかるようになり、気孔を介して透過する液体をなくすことが可能となる。
【0023】
ここで、細孔内の一部とは、細孔壁の一部であり、少なくとも液体と接触する部分を含むことを意味する。例えば図1のように、セラミック多孔質体を構成する粒子1が三次元的に連結して設けられており、粒子1の少なくとも一部に液体反発剤2が設けられている。そして、粒子1間及び粒子1と液体反発剤2間の空間からなる気孔3が形成されている。
【0024】
なお、液体反発剤2は、セラミック多孔質体の少なくとも一部に設ければ良いが、少なくとも分離体の一方の表面から一定の内部、具体的には表面から0.1mm以上の内部まで設けられていることが好ましい。表面付近は液体と接触する機会が多いため、撥油・撥水効果が促進され、液体の漏れ出し抑制効果がより高くなる。特に、液体の漏れ出し抑制効果を長く持続して寿命を延ばし、撥油・撥水効果の耐久性及び信頼性を高めるため、液体反発剤2は、セラミック多孔質体の全体に設けられていることが最も好ましい。
【0025】
液体の透過を効果的に防ぐとともに、気体の透過性を高めるため、液体反発剤2は、細孔内全てではなく、部分的に設けて気体の透過する経路の断面積を大きくすることが好ましい。即ち、セラミック多孔質体を構成する粒子1の全面を覆うよりは、島状に粒子1表面に液体反発剤2を付着させることが好ましい。また、表面付近では粒子1全面に液体反発剤2を形成し、分離体内部では粒子1の一部のみ液体反発剤2を形成しても同様の効果を期待することができる。
【0026】
液体反発剤2は、用いる液体にもよるが、油脂系のものであれば撥油性を有するもの、また水や水溶液であれば撥水性を有するもの、さらに有機溶剤であれば有機溶剤との親和性が低いものを用いることができる。特に、撥油性及び撥水性を併せ持つ材料、具体的にはフッ素とシリコンとを含有する材料であることが好ましい。この材料は、例えばフッ素とシリコンを含有するアルコキシドを加水分解したアルコール溶液を用いて細孔内の粒子1表面に強固に付着させれば良い。フッ素系溶媒ならば、いずれでも良いが、セラミック多孔質体との親和性から、膜強度の点からアルコキシドを加水分解した膜がより好ましい。
【0027】
本発明によれば、分離体は、気体の十分な透過量を確保し、かつ液体反発剤2の撥油・撥水性による表面張力による液体と気体を分離する性能を確保することが重要である。そのため、平均細孔径は、0.05μm以上であることが必要である。また、液体の漏洩を防止するため、平均細孔径は2.0μm以下であることが必要である。平均細孔径は、より高い気体透過量と安定した液体保持のため、特に0.08〜1.0μm、さらには0.1〜0.5μmが好ましい。
【0028】
また、セラミック多孔質体の気孔率は、気体の十分な透過量を確保するため、20%以上、特に25%以上、更には30%以上であることが好ましく、高い強度を得るためには50%以下、特に45%以下、更には40%以下であることが好ましい。透過量と強度の要求する気孔率及び細孔径は相反するが、より高い透過量とより高い強度とを得るため、平均細孔径をD(μm)、気孔率をP(%)としたとき、DとPとの積、D×Pが1〜100、特に2〜50、更には3〜45、より好適には4〜20であることが望ましい。
【0029】
以上のように、本発明の分離体は、気体は透過するが、液体は透過しないという特徴を有し、防水性を保持しながら容器の通気性を確保し、容器内部の圧力を一定に維持することが可能な容器として好適に使用することができる。なお、本発明の分離体は、液体と接する可能性を有する部位に用いられ、通気性の必要となるものであれば、あらゆる分野に応用することが可能である。
【0030】
次に、本発明の分離体の製造方法について説明する。
【0031】
まず、セラミック多孔質体を準備する。セラミック多孔質体は、上述したように、平均細孔径が0.05〜2μmのアルミナ質多孔質体を用いるが、気孔率が20〜50%、平均細孔径と気孔率との積D×Pが1〜100であるものが好ましい。
【0032】
次に、アルコキシドを用いて液体反発剤2のためのゾルを作製する。アルコキシドは、CF324Si(OCH33(3,3,3−トリフルオロプロピル・トリメトキシシラン)、C61324Si(OC253(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル・トリエトキシシラン)、C81724Si(OC253(ヘプタフルオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロデシル・トリエトキシシラン)の群から選ばれる少なくとも1種のフッ素とシリコンを含有するアルコキシドを用いることができる。特に、C61324Si(OC253(F13)に塩化水素を含む水とエタノールの混合し、加水分解してゾルを作製することが望ましい。
【0033】
ここで、アルコキシドとしてフッ素とシリコンを含有するものを用いて、これを加水分解することにより、シロキサン結合のネットワークを生成せしめ、セラミック多孔質体を構成する粒子1の表面に強く付着させることが可能である。また、アルコール溶液を用いることにより、セラミック多孔質体内部への含浸が促進され、セラミック多孔質体の内部にも液体反発剤2を形成することが容易となる。
【0034】
得られたゾルに前記セラミック多孔質体を浸漬し、乾燥後、100〜300℃で熱処理を行い、撥油・撥水性を有する分離体を作製することができる。
【0035】
本発明の容器は、容器内部に気体及び/又は液体を充填するための容器であって、上述した分離体を具備することを特徴とするものであり、防水性と通気性とを兼ね備えるため、液体を透過させずに容器内の気圧と外部の気圧とを略同一に保つことができる。例えば、図2(a)に示すように、容器11の壁面の一部が分離体12で構成されている。容器11の内部には液体14と気体15が充填されている。なお、容器11の分離体12以外の部分は、液体14及び気体15の不透過性壁体によって形成されている。また、図2(b)は図2(a)の容器11に、液体14の排出口16を設けたものである。
【0036】
さらに、図3のように、容器21の一部に通気口23が設けられ、容器21の内部に設けられた隔壁29に分離体22を設けることもできる。容器21の内部には液体24と気体25とが充填されており、液体24は排出口26から排出され、気体が分離体22を介して容器21内部に透過して気体25と一緒になり、圧力調整が行われる。また、所望により液体を供給するための液体供給口27を所望により設けても良い。この液体供給口27から液体24が供給され、液体24の量が増加して容器21内の圧力が高まった場合、気体25が分離体22を介して外部に放出され、圧力を一定に保つことができる。
【0037】
このような容器は、ガソリンタンク、オイルタンク、有機溶剤タンク、薬剤タンク、洗剤タンク、哺乳瓶、点滴ビンなどの容器として好適に用いることができる。例えば、これらの容器の供給口(キャップ)に本発明の分離体を具備することにより、内部に充填された液体の漏出なく、各種容器内の気圧と外部の気圧とを略同一に保つことができる。
【0038】
また、図4(a)に示すように、容器31の壁面の一部が分離体32で構成されている。容器31の内部には、電子機器、精密機械等の液体に濡れるのを嫌うものが搭載することができる。なお、図4(b)では容器31に分離体32が2個具備されているが、使用数に限定は無く、1個でも、あるいは3個以上でも所望の数を用いればよいことは言うまでもない。
【0039】
また、本発明によれば、図4(b)に示すように液体容器33に充填された液体34の中に浸漬し、分離体32の一部と液体34とが接触しているが、液体34は容器31の内部に侵入することが無く、且つ分離体32を介して気体35が容器31の中から外へ、或いは外から中へと透過でき、容器31内の気圧とを略同一に保つことが可能である。
【0040】
このような容器は、例えば、内部に電子機器又は精密機器を具備し、防水性と通気性を有する容器として、また、樹脂製の柔軟な容器等の外側からの加圧によって容器の変形を防止したり、或いは加熱処理によっても内圧の上昇を防ぐ容器等として好適に用いることができる。
【0041】
【実施例】
純度99.9%、平均粒径0.1μmのαAl23粉末を用いて、プレス成形にて、平板に成形した後、大気中、1200℃で焼成し、縦15mm、横15mmの平板で、気孔率が31%、厚さ及び平均細孔径が表1に示すようなαAl23を主体とするセラミック多孔質体を作製した。
【0042】
次に、パーフルオロベンゼン(P)、クロロフルオロカーボン(C)は原液をそのまま用い、3,3,3−トリフルオロプロピル・トリメトキシシラン(F3)、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル・トリエトキシシラン(F13)及びヘプタフルオロ−1,1,2,2,−テトラヒドロデシル・トリエトキシシラン(F17)は、これらの液体反発剤(0.01モル)に塩化水素(0.007モル)を含む水(0.01モル)とエタノール(0.1モル)を混合し、加水分解してゾルを作製した。
【0043】
作製したゾルにセラミック多孔質体を含浸して5分間保持し、引き上げ後、室温で1時間乾燥して、ゾルをゲル化した後、セラミック多孔質体を大気中、表1の温度で熱処理してセラミック多孔質支持体の細孔内壁に、表1に示す液体反発剤をそれぞれ付与した。なお、付与部は表面から内部までの全体に付与する場合を「全体」と記し、表面(約0.2mm)だけの場合を「表面」と記した。
【0044】
得られた分離体を用いてガス透過装置を作製した。そして、分離体平板の一方に空気を500ml/minの流速で流すとともに、10KPaに加圧し、透過ガス排出口で回収されるガスについて、膜流量計によりガスの全流量を測定し、それぞれのAir透過量を算出した。
【0045】
得られた分離体を供給口(キャップ)に取り付けた図2(a)の容器を作製し、表1に示す液体を100ml供給し、漏出テストとして、分離体を下にして液体の漏出を観察した。液体の漏出のないものを〇とした。また、漏出がないものに関しては、耐久性を調べる為に30日後の液体の漏出量を測定した。なお、試料No.31は、分離体を具備してないため、漏出テストは省略した。
【0046】
さらに、図2(b)の容器を作製し、容器の内部に表1の液体を100ml供給し、排出口から内部の液体を滴下し、液体の滴下量を評価した。そして、液体が90容量%以上排出された場合には○、90容量%未満は×とした。
【0047】
【表1】
Figure 0003752456
【0048】
本発明の試料No.1〜5、7〜10、12〜17、20〜29及び32〜33は、液体の漏出がなく、30日後の漏出は20ml以下であった。
【0049】
一方、分離体の平均細孔径が0.01μmと小さい本発明の範囲外の試料No.6は、Air透過量が3ml/minと小さく、滴下テストで滴下が遅かった。
【0050】
また、分離体の平均細孔径が3μmと大きい本発明の範囲外の試料No.11、液体反発剤を使用していない本発明の範囲外の試料No.30は、いずれも液体の漏出が観察された。
【0051】
さらに、液体反発剤として用いたクロロフルオロカーボン及びパーフルオロベンゼンは200℃の温度で熱処理を行ったため、液体に対する撥水性が消失し、液体との親和性が高くなった本発明の範囲外である試料No.18及び19は、液体の漏出が観察された。
【0052】
また、分離体を具備していない試料No.31は、密封されているため、滴下テストにおいて液体の滴下が充分ではなかった。
【0053】
【発明の効果】
本発明の分離体は、耐油性・耐溶剤性・耐薬品性・耐熱性が高く、液体を透過させずに気体のみを透過させることができる。そして、このような分離体を通気フィルタとして用いた容器は、油、界面活性剤、有機溶剤、酸性又はアルカリ性溶液のうち少なくとも1種の液体の存在下でも、あるいは高温においても液体を通過させることなく、気体が双方向に通過を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の分離体の一部を拡大した概略断面図を示す。
【図2】本発明の容器を示すもので、(a)、(b)は概略断面図を示す。
【図3】本発明の他の容器の概略断面図を示す。
【図4】本発明のさらに他の容器示すもので、(a)は概略断面図、(b)は液体中に容器を入れた状態の概略断面図を示す。
【符号の説明】
1・・・粒子
2・・・液体反発剤
3・・・気孔
11、21、31・・・容器
12、22、32・・・分離体
14、24、34・・・液体
15、25、35・・・気体
16、26・・・排出口
23・・・通気口
27・・・液体供給口
29・・・隔壁
33・・・液体容器

Claims (4)

  1. 液体と気体とを分離するために用いられ、前記液体を通過させることなく、前記気体が双方向に通過することを可能とする分離体であって、セラミック多孔質体と、該セラミック多孔質体の細孔内の少なくとも一部に、前記液体に対して親和性の低い液体反発剤が設けられてなるとともに、平均細孔径が0.05〜2μmであることを特徴とする分離体。
  2. 前記液体反発剤が、フッ素とシリコンとを含み、撥油及び/又は撥水性を有することを特徴とする請求項1記載の分離体。
  3. 前記セラミック多孔質体が、アルミナからなることを特徴とする請求項1又は2記載の分離体。
  4. 内部に気体及び/又は液体を充填するための容器において、該容器の少なくとも一部の容器壁に請求項1乃至3のいずれかに記載の分離体を具備し、該分離体を介して前記液体の漏出がなく、且つ前記容器内の気圧と外部の気圧とを略同一に保つことができることを特徴とする容器。
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