JP3752212B2 - 試験用パケット発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パケットデータを伝送するネットワークを試験するための試験用パケットを発生する試験用パケット発生装置において、誤りのない試験用パケットを遅延なく発生できるようにするための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットやこれに接続可能な多くのネットワークでは、TCP/IPのプロトコルを用いて、TCP(Transmission Contro Protcol)パケットやUDP(User Datagram Protcol)パケットに、ネットワーク固有の下位ヘッダ等を付加したデータの伝送が行なわれている。
【0003】
ここで、TCPパケットは、図8の(a)に示すように、送信元ポート番号(Source Port)、宛先ポート番号(Destination Port)、チェックサム(Checksum)Cs等を含むヘッダ部Phとデータ部Pdとからなり、また、UDPパケットは、図8の(b)に示すように、送信元ポート番号(Source Port)、宛先ポート番号(Destination Port)、チェックサム(Checksum)Cs等等を含むヘッダ部Phとデータ部Pdとによって構成されている。
【0004】
このようなパケットを含むデータの伝送を行なうネットワークの試験を行なう場合、試験用のパケットを発生して実際にネットワークに送出し、これをネットワーク上で受け取り、送信したパケットと受信したパケットとのデータ内容の比較や伝達時間等を調べている。
【0005】
図9は、このような目的で使用される試験用パケット発生装置10の構成を示すものである。
【0006】
図9において、パケット発生部11は、図10の(a)に示しているように、ヘッダ部Phとデータ部Pdとからなり、その内容が既知のパケットPを、図11の(a)に示すようにヘッダ部Phの先頭から所定ビット単位(例えば32ビット単位)で時系列に出力する。
【0007】
このパケット発生部11が出力するパケットPのデータ部Pdのデータは、任意であってもよいが、後述する付帯情報の挿入処理が容易に行なえるように、全ビット0に設定されている。
【0008】
また、パケットPのヘッダ部PhのチェックサムCsは、そのパケット全体について、16ビット単位で1の補数和をとったときの結果が、基準値R(通常は全ビット1の値)になるように調整するための値であり、上記したように、データ部Pdのデータが全ビット0であれば、ヘッダ部Phについて1の補数和をとったときの結果が基準値Rになるように設定されている。
【0009】
一方、付帯情報発生部12は、パケット発生部11から順次出力されるパケットPに対して、試験に必要な固有の付帯情報Hを例えば図11の(b)のタイミングに生成して出力する。なお、図11において、H1は、付帯情報Hの上位部、H2は下位部を表している。
【0010】
この付帯情報Hとしては、例えば、パケットの出力時刻を表す時刻情報、試験用のシーケンス番号、制御用コード等である。
【0011】
パケット発生部11から所定ビットずつ出力されるパケットPと付帯情報発生部12から出力される付帯情報Hは、付帯情報挿入手段13に入力される。
【0012】
付帯情報挿入手段13は、図11に示しているように、パケット発生部11からパケットPのデータ部の所定番目(m番目、m+1番目)のデータ(全ビット0のデータ)が入力されるタイミングに、付帯情報発生部12から出力された付帯情報Hを挿入して出力する。
【0013】
なお、この付帯情報の挿入は、前記したように、パケットPのデータ部のデータが全ビット0であれば、パケットPの所定番目のデータと付帯情報Hとの論理和をとることで行なうことができる。
【0014】
したがって、この付帯情報挿入手段13から出力されるパケットP′の全体は、図10の(a)に示した元のパケットPに対して図10の(b)のように、データ部Pdの所定位置に付帯情報Hが挿入されたものとなり、これを試験用パケットP′として用いる。
【0015】
このようにして試験用パケット発生装置10によって生成された試験用パケットP′は、下位レイヤの処理部(図示せず)に入力され、下位レイヤのヘッダ等が付加されて、シリアルデータに変換されて試験対象のネットワークに送出される。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の試験用パケット発生装置10から出力される試験用パケットP′は、元のパケットPのデータ部Pdの内容が変更されているにも関わらず、ヘッダ部PhのチェックサムCsの値が同一であるため、試験用パケットP′全体についての1の補数和をとったときの結果が前記した基準値Rに一致しない確率が極めて高く、誤りのあるパケットになってしまう。
【0017】
試験の際にはこの誤りを無視することもできるが、ネットワークによっては、誤りのあるパケットをネット上で廃棄してしまう場合もあり、試験を正しく行なうことができないという問題があった。
【0018】
これを解決するために、パケットPに挿入する付帯情報Hを早期に生成し、その付帯情報Hを含めたチェックサムの演算を、パケット発生部11からチェックサムCsを含むデータが出力されるまでの間に求めて、チェックサムCsの値を修正することも考えられるが、この場合、ヘッダ部Phの先頭からチェックサムCsを含むデータが出力されるまでの短期間の間に修正値を求める必要があり、パケットの送出レートが速い場合に対応できず、しかも、付帯情報Hに含まれる時刻情報も早期に取得しなければならず、実際に試験用パケットの出力が終了するタイミングとの誤差が大きくなってしまう。
【0019】
また、付帯情報Hを挿入した後にパケット全体について1の補数和をとってヘッダ部Phのチェックサムの値を修正することも考えられるが、このような処理には時間が相当かかり、その時間経過分だけパケットを遅延して出力する必要があり、前記同様に挿入した付帯情報Hの時刻情報に対して、実際にそのパケットが出力されるタイミングとの間に大きな誤差を生じる。
【0020】
本発明は、この問題を解決して、誤りのない試験用パケットを少ない遅延で発生できる試験用パケット発生装置を提供することを目的としている。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明の請求項1の試験用パケット発生装置は、
ヘッダ部とデータ部からなり、該データ部に挿入されているデータの内容が既知で且つ前記ヘッダ部およびデータ部について計算されたチェックサム値が前記ヘッダ部に予め挿入されているパケットを前記ヘッダ部から所定ビット単位で出力するパケット発生部(21)と、
前記パケット発生部から出力されるパケットに対して試験に必要な固有の付帯情報を生成して出力する付帯情報発生部(22)と、
前記パケット発生部から出力されるパケットのデータ部の所定位置に前記付帯情報発生部から出力された付帯情報を挿入して出力する付帯情報挿入手段(23、30)とを有し、前記付帯情報が挿入されたパケットを試験用パケットとして出力する試験用パケット発生装置において、
前記付帯情報発生部から出力された付帯情報を受領し、前記パケット発生部から出力されるパケットのデータ部についての1の補数和と、該パケットのデータ部に前記受領した付帯情報を挿入した場合のデータ部についての1の補数和との差分値を、チェックサム演算の基準値から減じて、前記付帯情報挿入による前記データ部の1の補数和の変化を相殺するための補正値求める補正値算出手段(24)と、
前記補正値算出手段によって算出された補正値を受領し、前記パケット発生部から出力されたパケットのデータ部の前記付帯情報が挿入される位置を除く位置のデータを前記受領した補正値分だけ加算補正する補正手段(25、30)とを設け
前記ヘッダ部に予め挿入されているチェックサム値を変更することなく、該チェックサム値に対して誤りの無い試験用パケットを送出することを特徴としている。
【0022】
また、本発明の請求項2の試験用パケット発生装置は、請求項1の試験用パケット発生装置において、
前記パケット発生部は、データ部のうち付帯情報を挿入する前記所定位置のデータと前記補正手段による加算補正の対象となる位置のデータとが全ビット0となるパケットを出力するように構成され、
前記補正値算出手段は、前記付帯情報発生部から出力された付帯情報についての1の補数和を前記差分値として、前記補正値を求めるように構成され、
前記補正手段は、前記補正値算出手段によって算出された補正値を、前記加算補正の対象となる位置に挿入することで、前記加算補正を行なうことを特徴としている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明を適用した試験用パケット発生装置20の構成を示している。
【0024】
図1に示しているように、この試験用パケット発生装置20は、前記した従来の試験用パケット発生装置10と同様に、パケット発生部21、付帯情報発生部22を有している。
【0025】
パケット発生部21は、図8に示したTCPパケットやUDPパケットのようにヘッダ部Phとデータ部Pdとからなり、その内容が既知のパケットPを、図2の(a)に示すように、ヘッダ部Phの先頭から所定ビット単位、例えば32ビット単位で時系列に出力する。
【0026】
このパケット発生部21は、予め内部のメモリ(図示せず)に記憶されているパケットPのデータを所定ビット単位で所定時間毎に読み出すように構成されている。
【0027】
なお、ここでは、パケット発生部21がTCPパケットやUDPパケットのように32ビット幅のパケットを32ビット単位で出力するものとするが、パケット発生部21が出力するパケットPはヘッダ部PhにチェックサムCsが挿入されたものであれば他のフォーマットのパケットであってもよく、またその出力ビット幅は、16ビット単位や64ビット単位等であってもよい。
【0028】
このパケット発生部21が出力するパケットPのデータ部Pdの内容は、既知であり、ここでは、後述する付帯情報Hの挿入および加算補正を容易に行なえるように、全ビット0に設定されているものとする。
【0029】
また、パケットPのヘッダ部PhのチェックサムCsは、前記したように、そのパケット全体について、16ビット単位で1の補数和をとったときの結果が、基準値R(全ビット1の値FFFF)になるように調整するための値であり、この例では、データ部Pdのデータが全ビット0であるので、ヘッダ部Phについて1の補数和をとったときの結果が基準値Rになるように設定されている。
【0030】
一方、付帯情報発生部22は、パケット発生部21から出力される各パケットPに対して試験に必要な固有の付帯情報Hを順次生成して出力する。
【0031】
この付帯情報Hとしては、例えば、パケットの出力時刻を示す時刻情報、試験用のシーケンス番号、制御用コード等であり、ここではパケット発生部21が出力するパケットの出力ビット幅32ビットの整数倍の長さ(例えば64ビット)をもつものとし、図2の(b)のように、パケット発生部21からチェックサムCsを含むデータが出力された後で且つ挿入しようとする所定位置のデータが出力されるより前のタイミングに生成出力されるものとする。なお、図2では付帯情報Hを64ビットとし、その上位32ビット部をH1、下位32ビット部をH2で表している。
【0032】
付帯情報発生部22によって各パケット毎Pに生成された付帯情報Hは、付帯情報挿入手段23および補正値算出手段24に出力される。
【0033】
付帯情報挿入手段23は、図2に示しているように、パケット発生部21から出力されるパケットPのデータ部Pdの所定番目(m番目とm+1番目)のデータが入力されるタイミングに、そのパケットPについて付帯情報発生部22から出力されている付帯情報H(H1、H2)を挿入して出力する。
【0034】
この付帯情報Hの挿入は、前記したように、パケットPのm番目およびm+1番目のデータと付帯情報H1、H2との論理和をとることで行なうことができる。
【0035】
また、補正値算出手段24は、付帯情報発生部22から出力された付帯情報Hを受領し、パケット発生部21が出力するパケットPのデータ部Pdについての16ビット単位の1の補数和と、そのパケットPの所定位置に受領した付帯情報Hを挿入した場合のデータ部Pdについての16ビット単位の1の補数和との差分値Sを、チェックサム演算の基準値Rから減算し、その減算によって得られる16ビットの値を補正値Aとして順次求める。
【0036】
ただし、ここでは、前記したように、パケット発生部21が出力する各パケットPのデータ部Pdのデータは全ビット0であり、その1の補数和も0となるから、上記差分値Sは、挿入しようとする付帯情報Hについての1の補数和Hsに等しく、データ部Pdのデータの1の補数和との減算演算を行なわずに、速やかに求めることができる。
【0037】
つまり、補正値算出手段24は、パケットPに挿入しようとする付帯情報Hについての16ビット単位の1の補数和Hsを求め、
A=R−Hs
の演算を行なって補正値Aを求めている。
【0038】
補正値算出手段24が算出した各パケット毎の補正値Aは補正手段25に出力される。補正手段25は、付帯情報挿入手段23から出力されるパケットP′を受け、そのデータ部Pdのうち、付帯情報Hが挿入されている位置を除く所定の位置のデータを、補正値算出手段24から出力された補正値A分だけ加算補正して出力する。
【0039】
ただし、ここでは、前記したように、パケット発生部21が出力する各パケットPのデータ部Pdのデータは全ビット0であり、付帯情報Hが挿入されている位置を除く所定の位置のデータも全ビット0であるから、図2の(c)に示しているように、付帯情報Hが生成された直後に補正値算出手段24によって得られた補正値Aそのものを、データ部Pdの所定の位置(ここでは付帯情報Hの挿入位置より後の位置)に挿入することで上記の加算補正を行なうことができ、実際の演算処理は不要で高速な補正処理が行なえる。
【0040】
このように構成された試験用パケット発生装置20では、パケット発生部21から図3の(a)に示すように出力されたパケットPが付帯情報挿入手段23によって図3の(b)のようにデータ部Pdの所定位置に付帯情報Hが挿入されたパケットP′に変換され、さらに、補正手段25によって図3の(c)のようにデータ部Pdの所定位置に補正値Aが挿入されたパケットP″に変換されて試験用パケットとして出力される。
【0041】
この試験用パケットP″は、付帯情報Hを挿入したことによるデータ部Pd全体の1の補数和の変化が、データ部Pdに対する補正値A分の加算補正によって相殺されているので、補正値Aによる補正を行なった後のパケットP″のデータ部Pdについての1の補数和は、元のパケットPのデータ部についての1の補数和と等しい。
【0042】
したがって、ヘッダ部のチックサムCsの修正を行なわなくても、この試験用パケットP″に誤りは生じず、誤りのない試験用パケットP″を出力することができる。
【0043】
このように、実施形態の試験用パケット発生装置20は、パケット発生部21が出力するパケットPに対して、そのデータ部のデータについての1の補数和と付帯情報を挿入した場合のデータ部についての1の補数和との差分値Sを、チェックサム演算の基準値Rから減じて、その結果を補正値Aとして求め、付帯情報Hが挿入される位置を除くデータ部のデータを補正値A分だけ加算補正している。
【0044】
このため、付帯情報Hを挿入することによるデータ部の1の補数和の変化が、ヘッダ部より遅れて出力されるデータ部に対する補正処理によって相殺されることになり、早期に付帯情報を生成する必要がなく、また、付帯情報挿入後にパケット全体のチェックサム演算を行なう必要がなく、少ない遅延で誤りのない試験用パケットを出力することができる。
【0045】
このようにして生成された試験用パケットP″は、下位レイヤの処理部(図示せず)に入力され、下位レイヤのヘッダ等が付加され、シリアルデータに変換されて、試験対象のネットワークに送出され、この試験用パケットP″を受けて、その付帯情報Hの内容等を確認することで、ネットワークの状態(例えば伝送遅延時間等)を調べることができる。
【0046】
なお、上記説明では、パケットPに付帯情報Hを挿入してから、その付帯情報Hに続く位置に補正値Aを挿入していたが、前記したように元のパケットPのデータ部Pdのデータが全ビット0の場合には、付帯情報Hに対する補正値Aの算出処理が簡単で高速に行なえるので、図4に示す試験用パケット発生装置20Aのように、付帯情報挿入手段23と補正手段25とを入れ換えることも可能である。
【0047】
この場合、パケット発生部21から図5の(a)に示すように出力されるパケットPに対して、補正手段25で図5の(b)のように、データ部Pdの所定位置に補正値Aを挿入し、この補正値Aが挿入されたパケットP′に対して、図5の(c)のように、付帯情報発生部22から出力された付帯情報Hを補正値Aの後の位置に挿入して、試験用パケットP″を生成する。
【0048】
また、付帯情報Hと補正値Aとを合わせたビット長が、パケットの出力ビット幅に等しい場合には、図6に示す試験用パケット発生装置20Cのように、付帯情報Hと補正値Aとをデータ挿入手段30によってパケットPのデータ部Pdの所定位置に一括して挿入することもできる。この場合、データ挿入手段30は、前記した付帯情報挿入手段23と補正手段25とを兼ねており、図7の(a)、(b)に示すように一回の挿入処理で、誤りのない試験用パケットP″を生成することができる。
【0049】
また、前記説明では、パケット発生部21が出力するパケットPのデータ部Pdのデータが全ビット0の場合について説明したが、パケットPのデータ部Pdうち、少なくとも付帯情報Hを挿入する位置の元のデータと加算補正の対象となる位置の元のデータとがともに全ビット0であれば、上記同様の結果が得られる。
【0050】
また、パケットPのデータ部Pdのうち、付帯情報Hを挿入する位置の元のデータの少なくとも1ビットが1であり、加算補正の対象となる位置の元のデータが全ビット0の場合には、補正値算出手段24において、パケットPのデータ部Pdの元のデータについての1の補数和と付帯情報挿入後のデータ部Pdのデータについての1の補数和との差分値Sを演算で求め、この求めた差分値Sを基準値Rから減じて補正値Aを求める。そして、この補正値Aを前記同様に、データ部に挿入すればよい。
【0051】
また、パケットPのデータ部Pdのうち、付帯情報Hを挿入する位置の元のデータの少なくとも1ビットが1であり、且つ加算補正の対象となる位置の元のデータの少なくとも1ビットが1の場合には、補正値算出手段24において、パケットPのデータ部Pdの元のデータについての1の補数和と付帯情報挿入後のデータ部Pdのデータについての1の補数和との差分値Sを演算で求め、この求めた差分値Sを基準値Rから減じて補正値Aを求める。そして、補正手段25において、加算補正の対象となる位置の元のデータと補正値Aとの加算を行い、その加算結果で元のデータを更新すればよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の試験用パケット発生装置は、パケット発生部から出力されるパケットのデータ部の所定位置に試験に必要な固有の付帯情報を挿入して出力する試験用パケット発生装置において、パケット発生部が出力するパケットのデータ部についての1の補数和と、そのデータ部に付帯情報を挿入した場合のデータ部についての1の補数和との差分値を、チェックサム演算の基準値から減じて、その結果を補正値として求め、付帯情報が挿入される位置を除くデータ部のデータを補正値分だけ加算補正している。
【0053】
このため、付帯情報を挿入することによるデータ部の1の補数和の変化が、補ヘッダ部より遅れて出力されるデータ部に対する補正値分の加算補正によって相殺されることになり、早期に付帯情報を生成したり、付帯情報挿入後にパケット全体のチェックサム演算を行なう必要がなく、少ない遅延で誤りのない試験用パケットを出力することができる。
【0054】
また、パケット発生部が、データ部のうち少なくとも付帯情報を挿入する位置のデータと加算補正の対象となる位置のデータとが全ビット0であるパケットを出力するように構成され、補正値算出手段が、パケットに挿入する付帯情報についての1の補数和を差分値として補正値を求めるように構成され、補正手段が補正値を加算補正の対象となる位置に挿入することで加算補正するように構成されたものでは、差分値の算出処理や補正のための加算処理が不要となり、さらに少ない遅延で誤りのない試験用パケットを出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す図
【図2】実施形態の動作を説明するための図
【図3】実施形態の動作を説明するための図
【図4】本発明の変形例を示す図
【図5】図4の変形例の動作を説明するための図
【図6】本発明の変形例を示す図
【図7】図6の変形例の動作を説明するための図
【図8】パケットのフォーマットを示す図
【図9】従来装置の構成を示す図
【図10】従来装置の動作を説明するための図
【図11】従来装置の動作を説明するための図
【符号の説明】
20、20A……試験用パケット発生装置、21……パケット発生部、22……付帯情報発生部、23……付帯情報挿入手段、24……補正値算出手段、25……補正手段、30……データ挿入手段

Claims (2)

  1. ヘッダ部とデータ部からなり、該データ部に挿入されているデータの内容が既知で且つ前記ヘッダ部およびデータ部について計算されたチェックサム値が前記ヘッダ部に予め挿入されているパケットを前記ヘッダ部から所定ビット単位で出力するパケット発生部(21)と、
    前記パケット発生部から出力されるパケットに対して試験に必要な固有の付帯情報を生成して出力する付帯情報発生部(22)と、
    前記パケット発生部から出力されるパケットのデータ部の所定位置に前記付帯情報発生部から出力された付帯情報を挿入して出力する付帯情報挿入手段(23、30)とを有し、前記付帯情報が挿入されたパケットを試験用パケットとして出力する試験用パケット発生装置において、
    前記付帯情報発生部から出力された付帯情報を受領し、前記パケット発生部から出力されるパケットのデータ部についての1の補数和と、該パケットのデータ部に前記受領した付帯情報を挿入した場合のデータ部についての1の補数和との差分値を、チェックサム演算の基準値から減じて、前記付帯情報挿入による前記データ部の1の補数和の変化を相殺するための補正値求める補正値算出手段(24)と、
    前記補正値算出手段によって算出された補正値を受領し、前記パケット発生部から出力されたパケットのデータ部の前記付帯情報が挿入される位置を除く位置のデータを前記受領した補正値分だけ加算補正する補正手段(25、30)とを設け
    前記ヘッダ部に予め挿入されているチェックサム値を変更することなく、該チェックサム値に対して誤りの無い試験用パケットを送出することを特徴とする試験用パケット発生装置。
  2. 前記パケット発生部は、データ部のうち付帯情報を挿入する前記所定位置のデータと前記補正手段による加算補正の対象となる位置のデータとが全ビット0となるパケットを出力するように構成され、
    前記補正値算出手段は、前記付帯情報発生部から出力された付帯情報についての1の補数和を前記差分値として、前記補正値を求めるように構成され、
    前記補正手段は、前記補正値算出手段によって算出された補正値を、前記加算補正の対象となる位置に挿入することで、前記加算補正を行なうことを特徴とする請求項1記載の試験用パケット発生装置。
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