JP3752156B2 - 布状体用ハンガー構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タオルなどの布状体を掛けるためのハンガー構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、タオル、Tシャツ、ネクタイなどの各種布状体を拡げて掛けておくため、壁やドアなどの構造物、整理棚や洋服タンスなどの家具などの壁面に、棒状のハンガーが取り付けられている。
【0003】
具体的には、かかるハンガー構造は、通常、直線棒状体からなる掛け部の両端部に、構造物や家具などの取付壁面に取り付けるための取付部が略直角に設けられ、この取付部をネジなどの締結具を用いて前記取付壁面に固着した構造からなり、この掛け部と取付壁との間隙に布状体を挿入しつつ、該掛け部に布状体を垂れ掛けて使用されるものである。
【0004】
ところで、このハンガー構造は、布状体を掛けるために、掛け部が取付壁面から取付部の長さ分だけ突出しているが、布状体を掛けない不使用時に於いては、この突出した掛け部が邪魔になることがある。
例えば、病院の病室などに於いては、入院患者の日用品などを収納し且つタオルを掛けるためのハンガー構造が設けられた整理棚が使用されているが、かかる整理棚は、病室という比較的狭いスペースに設置されるものであるため、タオルを掛けるハンガーは、使用時のみ突出し、不使用時には引っ込めておくことができる出退可能な構造のものが望ましいと言える。
【0005】
このような出退可能なハンガー構造を構成するため、例えば、整理棚などの取付壁面に孔を穿設し、掛け部が連結された棒状の取付部をこの孔に遊挿通して移動可能に取付けることにより、使用時には掛け部を引き出し、一方、不使用時にはこの掛け部を取付壁側へ引っ込めてコンパクトに収納するということが可能となる。
【0006】
しかしながら、かかるハンガー構造にあっては、取付部が孔に遊挿されているだけであるため、使用者の意に反して掛け部が引っ込んだり或いは突出したりする、すなわち、不用意に掛け部が出退するという問題点を有する。
【0007】
このような不用意な出退を防止するため、例えば、図8に示すように、取付壁100の孔101の内周面に摩擦係数の高い素材(例えば、合成樹脂やゴムなど)によって接触摩擦層110を形成し、この接触摩擦層110に取付部120を摺接移動させて出退可能となるように棒状の取付部120を挿通することにより、掛け部130の不用意な出退を防止するという手段が考えられる。
【0008】
しかしながら、取付部120と孔101の内周面との摩擦力が大きくなると、不用意な出退を防止できたとしても、使用者が意識的に掛け部を出退させようとする際に於いてはこれが困難になるという新たな問題点を生ずる。
【0009】
そこで、本発明は、使用者が掛け部を簡単に出退させるができ且つ該掛け部が不用意に出退しにくい布状体用のハンガー構造を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、少なくとも一対の取付部2を介して取付壁11との間に所定間隔を置いて取り付けられる棒状の掛け部3を有し、前記取付部2が前記取付壁11に穿設された孔12に遊挿されており、前記取付部2を前記孔12の穿設方向に移動させることにより、前記掛け部3が前記取付壁11に対して出退可能に取り付けられた布状体用ハンガー構造であって、前記取付部2の自由端部には、前記取付壁11の裏面に係止可能な錘部5が設けられており、前記取付部2が、下方に湾曲されて形成されている布状体用ハンガー構造を提供する。
【0011】
上記ハンガー構造は、取付壁11の孔12に遊嵌された取付部2が下方側に湾曲されているので、掛け部3を突出させた際、該掛け部3の自重によって錘部5が取付壁11の裏面に常時引き寄せられてこれが係止され、従って、掛け部3の不用意な引っ込みを防止できる。
特に、前記取付部2が所定角を以て屈曲されており、該屈曲部から錘部5までの長さ(取付部2の後片2bの長さ)が前記取付壁11の孔12の長さと略同長に形成されている場合には、突出した掛け部3が取付壁11側に押されても、取付部2の屈曲部2a下方側が孔12の周縁に当たるため、より確実に掛け部3の不用意な引っ込みを防止できる。
一方、不使用時には、掛け部3を取付壁11方向に押し込むことにより、錘部5の自重によって掛け部3が取付壁11の表面11bに常時引き寄せられ、掛け部3の不用意な突出を防止できる。
【0012】
さらに、前記取付壁11の表面に、前記掛け部3が嵌合する掛け嵌合部14が形成されている場合には、引っ込められた掛け部3が取付壁11の表面11bの掛け嵌合部14に収容されるため、何かの拍子に掛け部3が引掛かる虞もなく、掛け部3の不用意な突出をより確実に防止できる。
また、前記取付壁11の裏面には、前記錘部が嵌合する錘嵌合部が形成されている場合には、掛け部3を突出させた際に、該錘嵌合部に錘部5が嵌合して取付部2の動きが抑止されるので、掛け部3のぐらつきを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る布状体用ハンガー構造の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1〜3に於いて、10は、タオルなどの布状体を掛けることができる本発明のハンガー構造1が具備された整理棚を示す。
ハンガー構造1は、整理棚10の取付壁11(一壁面)に対して出退可能に取り付けられた左右一対の取付部2に、棒状の掛け部3が連結されたハンガー本体4と、各取付部2の自由端部にそれぞれ設けられた錘部5とを構成部材とする。
具体的には、ハンガー本体4は、直線状の掛け部3の両端部に、一対の取付部2が向かい合う方向に略90度の角度を以て連結された構成からなり、例えば、1本の円形長棒の両端部を対向させて略90度に折り曲げることによって、掛け部3の両端部に一対の取付部2が形成されたハンガー本体4が構成されている。
【0014】
さらに、前記一対の取付部2は、その中途部に於いて、下方側に所定角屈曲されており、該屈曲部2aを基準にして、錘部5が設けられた後片2bと掛け部3が設けられた前片2cとに区画されている。さらに、この屈曲部2aは、取付部2の後片2bが孔12の穿設方向長さより僅かに長く(略同長)なるような位置に形成されている。
【0015】
上記一対の取付部2は、取付壁11の壁面に略垂直方向に形成された一対の孔12に遊挿通されており、孔12の穿設方向に対して移動できるようになっている。
取付壁11の孔12は、壁面に略垂直方向に穿設された円形の壁孔14に、筒状リング15を嵌着することによって構成されており、従って、該リング15の中心孔が取付壁11の孔12を構成している。
この孔12に挿通された取付部2の自由端部(掛け部3に連結されていない側)には、錘部5が設けられている。
この錘部5は、取付部2が孔12から抜け脱しないように、取付壁11の裏面11aに係止可能な形状に形成されており、例えば、該孔12より大径の部材(ボルトなど)から構成されている。さらに、この錘部5は、その一面が取付壁11の裏面11aに面接触するように構成されている。
【0016】
孔12の上下方向の内径Dは、屈曲した取付部2が孔12の穿設方向に移動(通過)できる程度の大きさに形成されていれば良く、従って、取付部12の屈曲度合いや径などに応じて相対的に決定されるものであるが、例えば、次式▲1▼を満たすように設計することができる。
D≧d/sinθ+L/tanθ…式▲1▼
〔θは、取付部2の屈曲角の半分の角度を、Dは、孔12の上下方向の内径を、Lは、孔12の穿設方向長さの半分を、dは、取付部3の直径をそれぞれ示す(図4参照)。〕
尚、孔12の上下方向の内径Dが、余るに大きすぎると取付部2が上下方向にブレ易くなるため、この内径Dは、出来るだけd/sinθ+L/tanθに近い方が好ましい。かかる点を考慮すると、次式▲2▼を満たすように設計することが好ましい。
(d/sinθ+L/tanθ)×1.1≧D≧d/sinθ+L/tanθ…式▲2▼
【0017】
さらに、取付部2と孔12の内周面は、取付部2を円滑に移動させるために出来るだけ摩擦係数の小さくなるように構成することが好ましく、例えば、取付部2及び孔12を構成するリング15を金属で形成したり、或いは、孔12の内周面にシリコンなどの低摩擦塗膜を形成するなどの手段を講ずることが好ましい。
【0018】
上記構成からなる布状体用ハンガー構造1は、使用時には、図3に示すように、掛け部3を取付壁11の表面11bから突出させることにより、錘部5が、取付壁11の裏面11aに面接触して係止される。そして、取付部2は下方側に湾曲して形成されているので、突出した掛け部3の自重により、錘部5が取付壁11の裏面11aに常時引き寄せられることとなり、従って、掛け部3の不用意な引っ込みを防止できる。
特に、取付部2の後片2bが孔12の長さより僅かに長くなる位置になるように、取付部2の屈曲部2aが形成されているので、不用意に掛け部3が取付壁11側に押されても、取付部2の屈曲部2a下方側が孔12の下縁部12aに当たるため、掛け部3の不用意な引っ込みを確実に防止できる。
【0019】
そして、不使用時には、図4に示すように、掛け部3を上方に上げながら取付壁11方向に押し込むことにより、取付部2が孔12内を移動し、図5に示すように、掛け部3が取付壁11の表面11bに当たり係止される。そして、取付部2は下方側に湾曲して形成されているので、錘部5の自重によって掛け部3が取付壁11の表面11bに常時引き寄せられることとなり、従って、掛け部3の不用意な突出を防止できる。
【0020】
このように本発明のハンガー構造1によれば、掛け部3が使用者の意に反して出退し難く、又、使用者が掛け部3を把持して出し入れするだけで該掛け部3を容易に出退させることができる。
【0021】
尚、本発明は、上記で示した各実施態様に限られず、本発明の意図する範囲で適宜の態様を変更、付加などすることができる。
例えば、上記実施形態に於いては、孔12は、正面円形状に形成されているが、例えば、図6に示すように、上下方向に長い正面長円状に形成してもよく、その他特に図示しないが正面四角形状などの形成してもよい。
また、取付部2の左右方向の揺れを確実に防止できることから、孔12は、図6に示すように、その左右方向の幅W1が取付部2の外径W2より僅かに大きく(略同じに)形成することが好ましい。
尚、特に図示しないが、取付部2や掛け部3の形状も円形状に限られるものではなく、種々の形状に形成することができる。
【0022】
さらに、図7に示すように、取付壁11の表面11bに、掛け部3がその長手方向に亘って嵌合する掛け嵌合部17を形成してもよい。
このように掛け嵌合部17を形成することにより、引っ込められた掛け部3と取付壁11の表面11bがほぼ面一になるため、該掛け部3の不用意な突出をより確実に防止できる。
この掛け嵌合部17は、掛け部3の外形の全部又は一部が嵌り込むような凹状に形成すればよく、更に、引き出す際の便を考慮して、この掛け嵌合部17の一部に、指を入れて掛け部3を摘むための掛け部摘み用の指入凹部18を形成してもよい。
【0023】
また、特に図示しないが、同様に、取付壁11の裏面11bに錘部5が嵌合する錘嵌合部を形成してもよい。かかる錘嵌合部を形成することにより、掛け部3を取付壁11から突出させた際に、錘部5が該錘嵌合部に嵌合して取付部2の自由端部が抑止されるので、掛け部3の上下左右のぐらつきを防止できる。
尚、この錘嵌合部は、錘5の外形全体又は一部に嵌合するような形状に形成されていればよい。
また、このような嵌合によって錘部5を抑止する手段に限られず、例えば、錘部5を取付壁11に磁着させる(錘部5を磁石で形成し、且つ取付壁11の裏面11aの対応位置に該錘部5が磁着する磁性体部を設けるなど)という手段を用いてもよい。
【0024】
さらに、上記実施形態に於いては、取付部2は、角部分を有するように屈曲されているが、例えば、円弧状に形成されていてもよく、要は、取付部2が下方側に湾曲して形成されていればよい。
【0025】
また、本発明のハンガー構造は、整理棚に備えられる場合に限られず、例えば、家屋の洗面所のタオル掛け、タンスのネクタイ掛けなど様々な所に具備させることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る布状体用のハンガー構造によれば、布状体を掛けるための掛け部を、必要に応じて、取付壁から容易に出し入れすることができる上、該掛け部の不用意な出退を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハンガー構造が備えられた整理棚を示す側面図。
【図2】本発明のハンガー構造を示す断面を含む一部省略斜視図。
【図3】本発明のハンガー構造の取付壁との関係を示す一部省略断面図であって、掛け部を突出させた状態を示す。
【図4】同一部省略断面図であって、掛け部の押し込み途中の状態を示す。
【図5】同一部省略断面図であって、掛け部を引っ込めた状態を示す。
【図6】取付壁の孔の他の実施形態を示す一部断面を含む正面図。
【図7】掛け嵌合部を有するハンガー構造を示す一部省略断面図。
【図8】接触摩擦層が設けられたハンガー構造を示す断面を含む一部省略斜視図。
【符号の説明】
2…取付部
3…掛け部
5…錘部
11…取付壁
12…取付壁の孔
14…掛け嵌合部
【発明の属する技術分野】
本発明は、タオルなどの布状体を掛けるためのハンガー構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
従来、タオル、Tシャツ、ネクタイなどの各種布状体を拡げて掛けておくため、壁やドアなどの構造物、整理棚や洋服タンスなどの家具などの壁面に、棒状のハンガーが取り付けられている。
【0003】
具体的には、かかるハンガー構造は、通常、直線棒状体からなる掛け部の両端部に、構造物や家具などの取付壁面に取り付けるための取付部が略直角に設けられ、この取付部をネジなどの締結具を用いて前記取付壁面に固着した構造からなり、この掛け部と取付壁との間隙に布状体を挿入しつつ、該掛け部に布状体を垂れ掛けて使用されるものである。
【0004】
ところで、このハンガー構造は、布状体を掛けるために、掛け部が取付壁面から取付部の長さ分だけ突出しているが、布状体を掛けない不使用時に於いては、この突出した掛け部が邪魔になることがある。
例えば、病院の病室などに於いては、入院患者の日用品などを収納し且つタオルを掛けるためのハンガー構造が設けられた整理棚が使用されているが、かかる整理棚は、病室という比較的狭いスペースに設置されるものであるため、タオルを掛けるハンガーは、使用時のみ突出し、不使用時には引っ込めておくことができる出退可能な構造のものが望ましいと言える。
【0005】
このような出退可能なハンガー構造を構成するため、例えば、整理棚などの取付壁面に孔を穿設し、掛け部が連結された棒状の取付部をこの孔に遊挿通して移動可能に取付けることにより、使用時には掛け部を引き出し、一方、不使用時にはこの掛け部を取付壁側へ引っ込めてコンパクトに収納するということが可能となる。
【0006】
しかしながら、かかるハンガー構造にあっては、取付部が孔に遊挿されているだけであるため、使用者の意に反して掛け部が引っ込んだり或いは突出したりする、すなわち、不用意に掛け部が出退するという問題点を有する。
【0007】
このような不用意な出退を防止するため、例えば、図8に示すように、取付壁100の孔101の内周面に摩擦係数の高い素材(例えば、合成樹脂やゴムなど)によって接触摩擦層110を形成し、この接触摩擦層110に取付部120を摺接移動させて出退可能となるように棒状の取付部120を挿通することにより、掛け部130の不用意な出退を防止するという手段が考えられる。
【0008】
しかしながら、取付部120と孔101の内周面との摩擦力が大きくなると、不用意な出退を防止できたとしても、使用者が意識的に掛け部を出退させようとする際に於いてはこれが困難になるという新たな問題点を生ずる。
【0009】
そこで、本発明は、使用者が掛け部を簡単に出退させるができ且つ該掛け部が不用意に出退しにくい布状体用のハンガー構造を提供することを課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための手段として、本発明は、少なくとも一対の取付部2を介して取付壁11との間に所定間隔を置いて取り付けられる棒状の掛け部3を有し、前記取付部2が前記取付壁11に穿設された孔12に遊挿されており、前記取付部2を前記孔12の穿設方向に移動させることにより、前記掛け部3が前記取付壁11に対して出退可能に取り付けられた布状体用ハンガー構造であって、前記取付部2の自由端部には、前記取付壁11の裏面に係止可能な錘部5が設けられており、前記取付部2が、下方に湾曲されて形成されている布状体用ハンガー構造を提供する。
【0011】
上記ハンガー構造は、取付壁11の孔12に遊嵌された取付部2が下方側に湾曲されているので、掛け部3を突出させた際、該掛け部3の自重によって錘部5が取付壁11の裏面に常時引き寄せられてこれが係止され、従って、掛け部3の不用意な引っ込みを防止できる。
特に、前記取付部2が所定角を以て屈曲されており、該屈曲部から錘部5までの長さ(取付部2の後片2bの長さ)が前記取付壁11の孔12の長さと略同長に形成されている場合には、突出した掛け部3が取付壁11側に押されても、取付部2の屈曲部2a下方側が孔12の周縁に当たるため、より確実に掛け部3の不用意な引っ込みを防止できる。
一方、不使用時には、掛け部3を取付壁11方向に押し込むことにより、錘部5の自重によって掛け部3が取付壁11の表面11bに常時引き寄せられ、掛け部3の不用意な突出を防止できる。
【0012】
さらに、前記取付壁11の表面に、前記掛け部3が嵌合する掛け嵌合部14が形成されている場合には、引っ込められた掛け部3が取付壁11の表面11bの掛け嵌合部14に収容されるため、何かの拍子に掛け部3が引掛かる虞もなく、掛け部3の不用意な突出をより確実に防止できる。
また、前記取付壁11の裏面には、前記錘部が嵌合する錘嵌合部が形成されている場合には、掛け部3を突出させた際に、該錘嵌合部に錘部5が嵌合して取付部2の動きが抑止されるので、掛け部3のぐらつきを防止できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る布状体用ハンガー構造の各実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1〜3に於いて、10は、タオルなどの布状体を掛けることができる本発明のハンガー構造1が具備された整理棚を示す。
ハンガー構造1は、整理棚10の取付壁11(一壁面)に対して出退可能に取り付けられた左右一対の取付部2に、棒状の掛け部3が連結されたハンガー本体4と、各取付部2の自由端部にそれぞれ設けられた錘部5とを構成部材とする。
具体的には、ハンガー本体4は、直線状の掛け部3の両端部に、一対の取付部2が向かい合う方向に略90度の角度を以て連結された構成からなり、例えば、1本の円形長棒の両端部を対向させて略90度に折り曲げることによって、掛け部3の両端部に一対の取付部2が形成されたハンガー本体4が構成されている。
【0014】
さらに、前記一対の取付部2は、その中途部に於いて、下方側に所定角屈曲されており、該屈曲部2aを基準にして、錘部5が設けられた後片2bと掛け部3が設けられた前片2cとに区画されている。さらに、この屈曲部2aは、取付部2の後片2bが孔12の穿設方向長さより僅かに長く(略同長)なるような位置に形成されている。
【0015】
上記一対の取付部2は、取付壁11の壁面に略垂直方向に形成された一対の孔12に遊挿通されており、孔12の穿設方向に対して移動できるようになっている。
取付壁11の孔12は、壁面に略垂直方向に穿設された円形の壁孔14に、筒状リング15を嵌着することによって構成されており、従って、該リング15の中心孔が取付壁11の孔12を構成している。
この孔12に挿通された取付部2の自由端部(掛け部3に連結されていない側)には、錘部5が設けられている。
この錘部5は、取付部2が孔12から抜け脱しないように、取付壁11の裏面11aに係止可能な形状に形成されており、例えば、該孔12より大径の部材(ボルトなど)から構成されている。さらに、この錘部5は、その一面が取付壁11の裏面11aに面接触するように構成されている。
【0016】
孔12の上下方向の内径Dは、屈曲した取付部2が孔12の穿設方向に移動(通過)できる程度の大きさに形成されていれば良く、従って、取付部12の屈曲度合いや径などに応じて相対的に決定されるものであるが、例えば、次式▲1▼を満たすように設計することができる。
D≧d/sinθ+L/tanθ…式▲1▼
〔θは、取付部2の屈曲角の半分の角度を、Dは、孔12の上下方向の内径を、Lは、孔12の穿設方向長さの半分を、dは、取付部3の直径をそれぞれ示す(図4参照)。〕
尚、孔12の上下方向の内径Dが、余るに大きすぎると取付部2が上下方向にブレ易くなるため、この内径Dは、出来るだけd/sinθ+L/tanθに近い方が好ましい。かかる点を考慮すると、次式▲2▼を満たすように設計することが好ましい。
(d/sinθ+L/tanθ)×1.1≧D≧d/sinθ+L/tanθ…式▲2▼
【0017】
さらに、取付部2と孔12の内周面は、取付部2を円滑に移動させるために出来るだけ摩擦係数の小さくなるように構成することが好ましく、例えば、取付部2及び孔12を構成するリング15を金属で形成したり、或いは、孔12の内周面にシリコンなどの低摩擦塗膜を形成するなどの手段を講ずることが好ましい。
【0018】
上記構成からなる布状体用ハンガー構造1は、使用時には、図3に示すように、掛け部3を取付壁11の表面11bから突出させることにより、錘部5が、取付壁11の裏面11aに面接触して係止される。そして、取付部2は下方側に湾曲して形成されているので、突出した掛け部3の自重により、錘部5が取付壁11の裏面11aに常時引き寄せられることとなり、従って、掛け部3の不用意な引っ込みを防止できる。
特に、取付部2の後片2bが孔12の長さより僅かに長くなる位置になるように、取付部2の屈曲部2aが形成されているので、不用意に掛け部3が取付壁11側に押されても、取付部2の屈曲部2a下方側が孔12の下縁部12aに当たるため、掛け部3の不用意な引っ込みを確実に防止できる。
【0019】
そして、不使用時には、図4に示すように、掛け部3を上方に上げながら取付壁11方向に押し込むことにより、取付部2が孔12内を移動し、図5に示すように、掛け部3が取付壁11の表面11bに当たり係止される。そして、取付部2は下方側に湾曲して形成されているので、錘部5の自重によって掛け部3が取付壁11の表面11bに常時引き寄せられることとなり、従って、掛け部3の不用意な突出を防止できる。
【0020】
このように本発明のハンガー構造1によれば、掛け部3が使用者の意に反して出退し難く、又、使用者が掛け部3を把持して出し入れするだけで該掛け部3を容易に出退させることができる。
【0021】
尚、本発明は、上記で示した各実施態様に限られず、本発明の意図する範囲で適宜の態様を変更、付加などすることができる。
例えば、上記実施形態に於いては、孔12は、正面円形状に形成されているが、例えば、図6に示すように、上下方向に長い正面長円状に形成してもよく、その他特に図示しないが正面四角形状などの形成してもよい。
また、取付部2の左右方向の揺れを確実に防止できることから、孔12は、図6に示すように、その左右方向の幅W1が取付部2の外径W2より僅かに大きく(略同じに)形成することが好ましい。
尚、特に図示しないが、取付部2や掛け部3の形状も円形状に限られるものではなく、種々の形状に形成することができる。
【0022】
さらに、図7に示すように、取付壁11の表面11bに、掛け部3がその長手方向に亘って嵌合する掛け嵌合部17を形成してもよい。
このように掛け嵌合部17を形成することにより、引っ込められた掛け部3と取付壁11の表面11bがほぼ面一になるため、該掛け部3の不用意な突出をより確実に防止できる。
この掛け嵌合部17は、掛け部3の外形の全部又は一部が嵌り込むような凹状に形成すればよく、更に、引き出す際の便を考慮して、この掛け嵌合部17の一部に、指を入れて掛け部3を摘むための掛け部摘み用の指入凹部18を形成してもよい。
【0023】
また、特に図示しないが、同様に、取付壁11の裏面11bに錘部5が嵌合する錘嵌合部を形成してもよい。かかる錘嵌合部を形成することにより、掛け部3を取付壁11から突出させた際に、錘部5が該錘嵌合部に嵌合して取付部2の自由端部が抑止されるので、掛け部3の上下左右のぐらつきを防止できる。
尚、この錘嵌合部は、錘5の外形全体又は一部に嵌合するような形状に形成されていればよい。
また、このような嵌合によって錘部5を抑止する手段に限られず、例えば、錘部5を取付壁11に磁着させる(錘部5を磁石で形成し、且つ取付壁11の裏面11aの対応位置に該錘部5が磁着する磁性体部を設けるなど)という手段を用いてもよい。
【0024】
さらに、上記実施形態に於いては、取付部2は、角部分を有するように屈曲されているが、例えば、円弧状に形成されていてもよく、要は、取付部2が下方側に湾曲して形成されていればよい。
【0025】
また、本発明のハンガー構造は、整理棚に備えられる場合に限られず、例えば、家屋の洗面所のタオル掛け、タンスのネクタイ掛けなど様々な所に具備させることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る布状体用のハンガー構造によれば、布状体を掛けるための掛け部を、必要に応じて、取付壁から容易に出し入れすることができる上、該掛け部の不用意な出退を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハンガー構造が備えられた整理棚を示す側面図。
【図2】本発明のハンガー構造を示す断面を含む一部省略斜視図。
【図3】本発明のハンガー構造の取付壁との関係を示す一部省略断面図であって、掛け部を突出させた状態を示す。
【図4】同一部省略断面図であって、掛け部の押し込み途中の状態を示す。
【図5】同一部省略断面図であって、掛け部を引っ込めた状態を示す。
【図6】取付壁の孔の他の実施形態を示す一部断面を含む正面図。
【図7】掛け嵌合部を有するハンガー構造を示す一部省略断面図。
【図8】接触摩擦層が設けられたハンガー構造を示す断面を含む一部省略斜視図。
【符号の説明】
2…取付部
3…掛け部
5…錘部
11…取付壁
12…取付壁の孔
14…掛け嵌合部
Claims (4)
- 少なくとも一対の取付部(2)を介して取付壁(11)との間に所定間隔を置いて取り付けられる棒状の掛け部(3)を有し、前記取付部(2)が前記取付壁(11)に穿設された孔(12)に遊挿されており、前記取付部(2)を前記孔(12)の穿設方向に移動させることにより、前記掛け部(3)が前記取付壁(11)に対して出退可能に取り付けられた布状体用ハンガー構造であって、
前記取付部(2)の自由端部には、前記取付壁(11)の裏面に係止可能な錘部(5)が設けられており、前記取付部(2)が、下方に湾曲されて形成されていることを特徴とする布状体用ハンガー構造。 - 前記取付部(2)が所定角を以て屈曲されており、該屈曲部から錘部(5)までの長さが、前記取付壁(11)の孔(12)の長さと略同長に形成されている請求項1記載の布状体用ハンガー構造。
- 前記取付壁(11)の表面には、前記掛け部(3)が嵌合する掛け嵌合部(14)が形成されている請求項1又は2記載の布状体用ハンガー構造。
- 前記取付壁(11)の裏面には、前記錘部が嵌合する錘嵌合部が形成されている請求項1〜3の何れかに記載の布状体用ハンガー構造。
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