JP3751945B2 - 信号解析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は入力された被測定信号の変調方式と各チャネルの信号有無を検出することにより信号を解析する信号解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
第3世代の移動通信システムにおける無線通信方式の一つとして、W―CDMA(Wideband Code Division Multiple Access 広帯域符号分割多元接続)が提唱されている。この通信方式を用いる場合、基地局と移動局(携帯電話)との間で送受される信号内には、W―CDMAの通信規格(3G)に従って送受信される多数のデータが多重化されて組込まれている。
【0003】
図5に、W―CDMAにおける送信側の各送信データD0〜Dnの多重化手法を示す。各送信データD0〜Dnは、コード拡散部1においてそれぞれ異なる拡散コード(直交可変拡散符号)w0〜wnでコード拡散されたのち、加算器2で加算された後、乗算器3にてスクランブルコードが乗算されて、3.84MHzのチップ(chip)データとして高周波回路で高周波信号に変換されて電波出力される。
【0004】
次に、コード拡散部1において各送信データD0〜Dnを拡散する拡散コード(直交可変拡散符号)の構成を図6及び図7を用いて説明する。この多元接続方式の拡散コードは図7(a)に示すようにツリー構造に構成されており、拡散コード4の拡散コード長4、8、16、32、64、128、256、512に応じてそれぞれ拡散ファクター(Spreading Factor)5(SF4、SF8、SF16、SF32、SF64、SF128、SF256、SF512)が定義されている。
【0005】
それぞれの拡散ファクター5には、所属する拡散コード4の拡散コード長分の拡散コード4が割付られている。例えば、拡散ファクターSF4には、チャネルCH0〜CH3のそれぞれ符号長を4で構成する合計4個の拡散コード4が割付られている。また、拡散ファクターSF8には、チャネルCH0〜CH7のそれぞれ符号長を8で構成する合計8個の拡散コード4が割付られている。
【0006】
各拡散ファクター5における各チャネルの拡散コード4を[A]とすると、この拡散コード4に対する下位の拡散ファクター5に所属する枝先の一対の拡散コード4は、図7(b)に示すように、[AA]、[AAR]となる。但し、ARはAの各符号を反転した符号列である。
【0007】
W―CDMAにおいて送信側から出力されるデータの伝送速度は固定(3.84Mcpsであり、1フレーム長(時間)も固定(10ms)であるので、この1フレームに含まれるチップデータ数も一定(=2560)である。したがって、送信側において、送信すべきデータの数と、データ(情報)の種類(英数データ、音声、画像etc)によって、採用する拡散コード4の符号長(拡散ファクター5)を選択設定する。
【0008】
図8は、ツリー構造に構成された拡散コード群におけるコード拡散部1に採用された各拡散コード4の分布の1例を示す図である。この例においては、拡散ファクターSF32のチャネルCH0、拡散ファクターSF64のチャネルCH2、拡散ファクターSF32のチャネルCH3等の各拡散コード4が選択されている。
【0009】
この場合、選択された拡散コード4から分岐した(枝分かれした)下位の拡散ファクター5に所属する全部の拡散コード4、及び選択された拡散コード4の上位の系列の各拡散コード4は選択禁止となる。これは、自己の拡散コード4と自己から枝分かれした下位の拡散ファクター5の拡散コード4又は自己の上位の系列の拡散コード4とが同時に選択されると、逆拡散した場合に、どの拡散コード4で拡散された送信データであるか区別が付かないからである。
【0010】
例えば、図8においては、拡散ファクターSF64のチャネルCH2の選択禁止となる上位の系列の各拡散コード4は、拡散ファクターSF32のチャネルCH1、拡散ファクターSF16のチャネルCH0、拡散ファクターSF8のチャネルCH0、拡散ファクターSF4のチャネルCH0となる。
【0011】
したがって、このツリー構造に構成された拡散コード群におけるコード拡散部1に採用可能な拡散コード4の最大数は512となる。
【0012】
さらに、W―CDMAにおける送信側の各送信データD0〜DnはQPSK(Quadrature phase shift keying 4位相偏移変調)の変調方式で変調されている。
【0013】
したがって、このようなW―CDMAの無線通信方式を採用した移動通信システムおける基地局から各移動局(携帯電話)へ送信される電波の信号が上述した規格を満たしていることを試験する必要がある。
【0014】
このW―CDMAの信号に対する解析を実施する信号解析装置においては、基地局側で各送信データD0〜Dnに対して割付けた(採用した)拡散コード4の所属拡散ファクター5及びチャネルCHは不明であるとして、採用した拡散コード4の所属拡散ファクター5及びチャネルCHの特定、及び該当チャネルCHのデータ(送信データD)が正しくQPSKの変調方式で変調されていることの確認を行う必要がある。
【0015】
なお、変調方式が未知である信号の変調方式を自動識別する一つの手法が特許文献1に提案されている。
【0016】
さらに、近年、このW―CDMAを基礎として、パケット通信速度を上昇させた第3.5世代の移動通信システム(3.5G)のHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)の規格が検討されている。このHSDPAにおいては、各送信データD0〜DnはQPSKの他に16QAM(Quadrature amplitude modulation)の変調方式が採用可能である。
【0017】
【特許文献1】
特開2001―86171号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、W―CDMAの規格を採用した第3世代の移動通信システムやHSDPAの規格を採用した第3.5世代の移動通信システムにおける基地局から各移動局(携帯電話)へ送信される電波の信号が上述した規格を満たしていることを試験する信号解析装置の開発が望まれている。
【0019】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、入力された被測定信号において採用されている拡散コードの拡散ファクター及びチャネルの検出、採用されている変調方式の検証及び特定、各拡散ファクターの各チャネルにおける信号有無判定を自動的に実施できる信号解析装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、入力された被測定信号である符号分割多元接続信号の各拡散ファクターの各チャネルにおける信号の有無と変調方式とを検出することにより信号を解析する信号解析装置である。
【0021】
そして、入力された被測定信号からフレーム同期がとれたチップデータを作成する入力処理部と、各拡散ファクターにおける各チャネルに対応する拡散コードを出力する拡散コード設定部と、入力処理部から出力されたチップデータを拡散コード設定部から入力された拡散コードで逆拡散することによって、指定チャネルのシンボルデータを抽出するシンボルデータ抽出部と、このシンボルデータ抽出部で抽出されたシンボルデータのパワーを算出するコード・ドメインパワー算出部と、算出された現在のチャネルのパワーがパワーしきい値より大きいか否かを判定するコード・ドメインパワー判定部と、現在のチャネルのパワーがパワーしきい値より大きいとき、現在のチャネルのシンボルデータの分散値と、現在のチャネルに対する一対の枝先チャネルの各シンボルデータの分散値とを算出する第1の分散値算出部と、算出された現在のチャネルのシンボルデータの分散値が第1の分散しきい値より小さく、かつ算出された一対の枝先チャネルの各シンボルデータの分散値が共に第1の分散しきい値より大きいとき、現在のチャネルの変調方式をQPSKと判定する第1の判定部とを備えている。
【0022】
このように構成された信号解析装置においては、入力された被測定信号のチップデータを、各拡散ファクターにおける各チャネルに設定された各拡散コードで逆拡散することによって、該当(指定)チャネルのシンボルデータが得られる。このシンボルデータのパワーがパワーしきい値より大きいときは、図7(a)、図8に示す選択される各拡散コードの相互関係から、この指定チャネル(現在のチャネル)又は現在のチャネルから分岐した(枝分かれした)下位の拡散ファクターにおける各チャネルに信号が存在すると判断できる。
【0023】
そこで、図2に示す現在のチャネルのシンボルデータの分散と、現在のチャネルに対する一対の枝先チャネルのシンボルデータの分散と第1の分散しきい値と比較する。そして、現在のチャネルのシンボルデータの分散値が第1の分散しきい値より小さく、かつ算出された一対の枝先チャネルの各シンボルデータの分散値が共に第1の分散しきい値より大きいとき、現在のチャネルに信号(送信データ)が存在して、枝先チャネル以下の各チャネルに信号(送信データ)が存在しなくて、かつ現在のチャネルの変調方式はQPSKであると判定できる。
【0024】
また、別の発明は、上述した発明の信号解析装置において、さらに、第1の判定部が現在のチャネルの変調方式をQPSKと判定しなかったとき、現在のチャネルのシンボルデータにおける平均値を境界とした2領域におけるシンボルデータの分散値と、現在のチャネルに対する一対の枝先チャネルのシンボルデータにおける平均値を境界とした2領域におけるシンボルデータの分散値とを算出する第2の分散値算出部と、算出された現在のチャネルのシンボルデータにおける2領域の分散値が第2の分散しきい値より小さく、かつ算出された一対の枝先チャネルの各シンボルデータにおける2領域の分散値が共に第2の分散しきい値より大きいとき、現在のチャネルの変調方式を16QAMと判定する第2の判定部とを備えている。
【0025】
このように構成された信号解析装置においては、図3に示すように、現在のチャネルの変調方式が16QAMの場合は、現在のチャネルのシンボルデータの分布は、算出された現在のチャネルのシンボルデータにおける2領域の分散値が第2の分散しきい値より小さく、かつ算出された一対の枝先チャネルの各シンボルデータにおける2領域の分散値が共に第2の分散しきい値より大きくなるので、現在のチャネルの変調方式は16QAMであると判定できる。
【0026】
また、別の発明は、上述した発明の信号解析装置におけるコード・ドメインパワー判定部は、現在のチャネルのパワーがパワーしきい値以下のとき、現在のチャネルは信号無しと判定する。
【0027】
また、別の発明は、上述した発明の信号解析装置において、さらに、コード・ドメインパワー判定部が信号無しと判定したとき、第1の判定部がQPSKと判定したとき、及び第1の判定部が16QAMと判定したとき、拡散コード設定部に現在のチャネルの拡散ファクターと同一の拡散ファクターにおける次のチャネルを指定する。また、第2の判定部が現在のチャネルの変調方式を16QAMと判定しなかったとき、拡散コード設定部に現在のチャネルに対する一方の枝先チャネルを指定する。
【0028】
すなわち、図8を用いて説明したように、選択された信号有の拡散コード(チャネル)から分岐した(枝分かれした)下位の拡散ファクターに所属する全部の拡散コード(チャネル)、及び選択された信号有の拡散コードの上位の系列の各拡散コード(チャネル)は選択禁止となるので、無駄なチャネルの指定を省略する意味で現在のチャネルの拡散ファクターと同一の拡散ファクターにおける次のチャネルを指定するようにしている。
【0029】
また、別の発明は、上述した発明の信号解析装置において、さらに、各拡散ファクターに所属する各チャネルにおける、信号の有無状態、及び信号有りのときのQPSK又は16QAMの変調方式を表示器に表示する表示出力部を備えている。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明する。
【0031】
図1は本発明の一実施形態に係る信号解析装置の概略構成を示すブロック図である。
【0032】
この実施形態に係る信号解析装置は、基地局から出力されたHSDPAの通信方式を採用した被測定信号aが入力され、入力された被測定信号aからフレーム同期がとれたチップデータを作成する入力処理部11と、この入力処理部11から出力されたチップデータを用いて被測定信号aにおける各拡散ファクターの各チャネルにおける信号の有無と変調方式とを検出するデータ処理部12と、データ処理部12で得られた被測定信号aにおける各拡散ファクターの各チャネルにおける信号の有無と変調方式とを表示する表示器13とで構成されている。
【0033】
HSDPAの通信方式を採用した被測定信号aは、図5で説明したように、QPSK又は16QAMの変調方式で変調された例えば各送信データD0〜Dnをコード拡散部1において、それぞれ図6〜図8で示した規格を有する各拡散コード4でコード拡散されて、加算器2で加算され、スクランブルコードで再度拡散され、搬送波周波数に周波数変換されて、基地局から出力された信号である。
【0034】
被測定信号aは、入力処理部11内の周波数変換部6で局部発振部(LOOCR)7からの周波数信号に基づいて中間周波数に周波数変換された後、A/D変換器14でA/D変換される。A/D変換されたデジタルの被測定信号aはI、Q分離部15でI(同相)成分とQ(直交)成分とに直交復調され、検波部16へ入力される。検波部16は、I成分とQ成分とをクロック抽出部17で抽出したクロックでチップ単位のデータI、Qへ検波して次の周波数補正部19へ送出する。
【0035】
周波数補正部19は、キャリア抽出部18で抽出されキャリアを用いて、先に中間周波数に変換した時点における周波数誤差を修正する。周波数誤差が修正されたチップ単位のデータI、Qは、次のスクランブル同期部20でデスクランブルコードを乗算することにより、スクランブルが解除され、この入力処理部11からフレーム同期がとれた新たなチップデータI、Qとして、次のデータ処理部12へ入力される。
【0036】
例えば、DSP(Digital Signal Processor)で構成されたデータ処理部12へ入力された予め定められた所定フレーム数分のチップデータI、Qはデータメモリ21へ一旦書込まれる。シンボルデータ抽出部22は、データメモリ21に書込まれた所定フレーム数分のチップデータI、Qをフレームの先頭位置から順番に読出して、拡散コード設定部23から入力された拡散コード4で逆拡散することによって、該当拡散コードに対応する拡散ファクター5のチャネルの新たなシンボルデータI、Qを抽出して、それぞれコード・ドメインパワー算出部24、第1の分散値算出部26、第2の分散値算出部30、解析結果メモリ29へ送出する。
【0037】
コード・ドメインパワー算出部24は、所定N個分のシンボルデータI、Qのパワー(コード・ドメインパワー)Pを算出して、コード・ドメインパワー判定部25へ送出する。
【0038】
コード・ドメインパワー判定部25は、このパワーPが予め定められたパワーしきい値Pthより大きいか否かを判定する。
【0039】
パワーPがパワーしきい値Pthより大きい場合は、拡散コード設定部23で指定された拡散コード4のチャネル(現在チャネル)、又は現在チャネルより下位の枝先チャネルに信号(送信データD)が存在すると判定できる。この場合、第1の分散値算出部26が起動して、現在チャネルにおけるシンボルデータI、Qの分散値Var1、現在チャネルに対する一対の枝先チャネルのシンボルデータI、Qの各分散値VarA1、VarB1を算出する。
【0040】
各チャネルのシンボルデータI、Qの分散値Varは、レベルを正規化したシンボルデータI、Qの各値をxkとし、Nを測定区間における各値xkの数とし、u1を各値xkの絶対値の平均とすると、(1)式で示される。
【0041】
【数1】
【0042】
具体的には、第1の分散値算出部26は、現在チャネルの分散値Var1の計算が終了すると、拡散コード設定部23へ一方の枝先チャネルの拡散ファクター5及びチャネルCHを指定して、拡散コード設定部23から該当チャネルの拡散コード4をシンボルデータ抽出部22へ送出させる。そして、シンボルデータ抽出部22から出力される拡散コード4で逆拡散された一方の枝先チャネルのシンボルデータI、Qを用いて一方の枝先チャネルの分散値VarA1を求める。同様の手順で、他方の枝先チャネルの分散値VarB1を求める。
なお、拡散ファクター5毎に、一括でシンボルデータを抽出してもよい。
【0043】
各チャネルの分散値Var1、VarA1、VarB1が求まると、第1の判定部27において、各分散値Var1、VarA1、VarB1と予め設定された第1の分散しきい値Varth1(=0.05)と比較する。
【0044】
Var1 <Varth1 …(2)
VarA1>Varth1 …(3)
VarB1>Varth1 …(4)
上述した(2)(3)(4)式の条件が全て満たされると、第1の判定部27において、図2(b)(c)に示すように、現在チャネルに信号(送信データD)が存在すると判定できる。そして、現在チャネルの送信データDの変調方式は、図2(a)に示すQPSKであると判定する。
【0045】
そして、チャネル決定部28bで、現在チャネルにおける拡散コード5、現在チャネルのチャネルCH、信号有り、QPSKの変調方式、現在チャネルにおけるパワーPを解析結果メモリ29へ書込む。その後、チャネルコード選択部34は、チャネル決定部28bで決定した現在チャネルと同じ拡散ファクター5における未測定の次のチャネルCHの拡散コード4を拡散コード設定部23へ送出する。
【0046】
第1の判定部27において、上述した(2)(3)(4)式の条件が一つでも満たされないと、現在チャネルに16QAMの変調方式の信号がある、又は現在チャネルの枝先以降のチャネルに変調方式が16QAM又はQPSKの変調方式の信号であると判断して、第2の分散算出部30が起動する。
【0047】
第2の分散値算出部30は、図3(b)に示すように、現在チャネルの平均値u1を境界とした2領域におけるシンボルデータの分散値Var2L、Var2Hを求めて大きい方の分散値Var2を採用する。同様に、現在チャネルの一方の枝先チャネルにおける平均値u1を境界とした2領域におけるシンボルデータの分散値VarAL、VarAHを求めて大きい方の分散値VarA2を採用する。さらに、現在チャネルの他方の枝先チャネルにおける平均値u1を境界とした2領域におけるシンボルデータの分散値VarBL、VarBHを求めて大きい方の分散値VarB2を採用する。
【0048】
具体的には、平均値u1を境界とした2領域におけるシンボルデータの分散値Var2L、Var2Hを(5)(6)式を用いて算出する。但し、xLkを平均値u1より絶対値の小さいシンボルデータI、Qの各値とし、xHkを平均値u1より絶対値の大きいシンボルデータI、Qの各値とし、NLを測定区間における各値xLkの数とし、NHを測定区間における各値xHkの数とする。
【0049】
【数2】
【0050】
第2の分散値算出部30において、現在チャネル及び各枝先チャネルの大きい方の分散値Var2、VarA2、VarB2が求まると、第2の判定部31において、各分散値Var2、VarA2、VarB2と予め設定された第2の分散しきい値Varth2(=0.04)と比較する。
【0051】
Var2<Varth2 …(7)
VarA2>Varth2 …(8)
VarB2>Varth2 …(9)
上述した(7)(8)(9)式の条件が全て満たされると、第2の判定部31において、図3(b)(c)に示すように、現在チャネルに信号(送信データD)が存在すると判定できる。そして、現在チャネルの送信データDの変調方式は、図3(a)に示す16QAMであると判定する。
【0052】
そして、チャネル決定部28cで、現在チャネルにおける拡散コード5、現在チャネルのチャネルCH、信号有り、16QAMの変調方式、現在チャネルにおけるパワーPを解析結果メモリ29へ書込む。その後、チャネルコード選択部34は、チャネル決定部28cで決定した現在チャネルと同じ拡散ファクター5における未測定の次のチャネルCHの拡散コード4を拡散コード設定部23へ送出する。
【0053】
第2の判定部31において、上述した(7)(8)(9)式の条件が一つでも満たされなかった場合は、現在チャネルにおける拡散コード5、現在チャネルのチャネルCH、信号無し、現在チャネルにおけるパワーP(雑音パワー)を解析結果メモリ29へ書込む。その後、チャネルコード選択部32は、現在チャネルに対する一方の枝先チャネルの拡散コード4を拡散コード設定部23へ送出する。
【0054】
コード・ドメインパワー判定部25において、パワーPが予め定められたパワーしき位置Pth1より小さい場合は、拡散コード設定部23で指定された拡散コード4のチャネル(現在チャネル)、及び現在チャネルの枝先の各チャネルに信号(送信データD)が無いと判定できる。そして、チャネル決定部28aで、現在チャネルにおける拡散ファクター5、現在チャネルのチャネルCH、信号無し、現在チャネルにおけるパワーP(雑音パワー)を解析結果メモリ29へ書込む。
【0055】
さらに、枝先の各チャネルのパワーP(雑音パワー)を測定し、枝先の各チャネルの拡散ファクター5、チャネルCH、信号無し、パワーP(雑音パワー)を解析結果メモリ29へ書込む。
【0056】
その後、チャネルコード選択部34は、チャネル決定部28aで決定した現在チャネルと同じ拡散ファクター5における未測定の次のチャネルCHの拡散コードを拡散コード設定部23へ送出する。
【0057】
図7に示すツリー構造に設定された各拡散ファクター5の各チャネル4における信号の有無、パワーP(信号パワー又は雑音パワー:信号があるときはそのチャネルを記録するが、そのときのパワーが信号パワー、信号がないときはその雑音を記録するが、そのときのパワーが雑音パワー)、信号有りの場合におけるQPSK又は16QAMの変調方式の各情報が解析結果メモリ29へ書込まれると、表示出力部35が起動して、図4に示すように、表示器13に、各チャネル4(例えばCH0〜CH512)における信号の有無、パワーP(信号パワー又は雑音パワー)のグラフ36が表示される。このグラフ36のチャネルCHのパワーPのうちしきい値以上のパワーPを有するチャネルCHが信号有りとなる。グラフ36のうちの細い線は拡散ファクター5の大きいチャネルCHであり、グラフ36のうちの太い線は拡散ファクター5の小さいチャネルCHである。
【0058】
そして、この実施形態における被測定信号aにおいては、使用チャネルCH数は44である。そして、例えば、操作者が拡散ファクターSF、チャネルCHを指定すると、該当拡散ファクターSF、該当チャネルCHの詳細データ37及び変調解析結果(コンスタレーション)38が表示される。
【0059】
なお、グラフに表示してあるチャネル(信号ありチャネルと最大SFの雑音チャネル)だけ指定することもできる。なお、変調解析を実施するためにシンボルデータ抽出部22から各チャネル設定時に出力される各シンボルデータI、Qが解析結果メモリ29へ取込まれる。
【0060】
この図4においては、拡散ファクターSF=16、チャネルCH=4を指定すると、詳細データ37として、信号有り、16QAMの変調方式、―11dBのパワーP(コード・ドメインパワー)、I、Q値等が表示される。さらに、16QAMの変調解析結果(コンスタレーション)38が表示される。
【0061】
このように構成された信号解析装置においては、入力された被測定信号aは入力処理部11で入力処理されたのち、シンボルデータ抽出部22で、各拡散ファクター5の各チャネルCHの拡散コード4で逆拡散されて、各チャネルCH毎のシンボルデータI、Qが得られる。
【0062】
この各チャネル(現在チャネル)CH毎のコード・ドメインのパワーPがパワーしきい値Pthより大きくて、かつ現在チャネルの分散値Var1、現在チャネルの各枝先の分散値VarA1、VarB1が(2)(3)(4)式の条件を全て満すとき、現在チャネルはQPSKの変調方式であると判定できる。
【0063】
さらに、各チャネル(現在チャネル)CH毎のコード・ドメインのパワーPがパワーしきい値Pthより大きくて、かつ現在チャネルの平均値u1を境界とした2領域におけるシンボルデータの分散値Var2L、Var2Hのうちの大きい方の分散値Var2と、現在チャネルの両方の枝先チャネルにおける平均値u1を境界とした2領域におけるシンボルデータの分散値VarAL、VarAHVarBL、VarBHの各大きい方の分散値VarA2、VarB2とが(7)(8)(9)式の条件を全て満たすとき、現在チャネルは16QAMの変調方式であると判定できる。
【0064】
このように、実施形態の信号解析装置においては、W―CDMA方式又はHSDPA方式で基地局側から送出される被測定信号aにおける各拡散ファクター5の各チャネルCHにおける信号の有無と信号有りの場合におけるQPSK又は16QAMの変調方式を自動的に求めることができる。そして、その信号解析結果が表示器13に表示される。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の信号解析装置においては、入力された被測定信号において採用されている拡散コードの拡散ファクター及びチャネルの検出、採用されている変調方式の検証及び特定、各拡散ファクターの各チャネルにおける信号有無判定を自動的に実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係わる信号解析装置の概略構成を示すブロック図
【図2】 QPSKの変調方式とシンボルデータの分散特性を示す図
【図3】 16QAMの変調方式とシンボルデータの分散特性を示す図
【図4】 同実施形態に係わる信号解析装置の表示器の表示内容を示す図
【図5】 一般的なW−CDMAにおける送信側の各送信データの多重化手法を示す図
【図6】 拡散ファクターと符号長と可能チャネル数との関係を示す図
【図7】 ツリー構造に設定された拡散ファクターと各チャネルにおける拡散コードとの関係を示す図
【図8】 ツリー構造に構成された拡散コード群におけるコード拡散部に採用された各拡散コードの分布の1例を示す図
【符号の説明】
1…コード拡散部、4…拡散コード、5…拡散ファクター、6…周波数変換部、11…入力処理部、12…データ処理部、13…表示器、14…A/D変換部、20…スクランブル同期部、21…データメモリ、22…シンボルデータ抽出部、23…拡散コード設定部、24…コード・ドメインパワー算出部、25…コード・ドメインパワー判定部、26…第1の分散値算出部、27…第1の判定部、28a,28b,28c…チャネル決定部、29…解析結果メモリ、30…第2の分散値算出部、31…第2の判定部、32,34…チャネルコード選択部、35…表示出力部、38…変調解析結果(コンスタレーション)
Claims (5)
- 入力された被測定信号である符号分割多元接続信号の各拡散ファクターの各チャネルにおける信号の有無と変調方式とを検出することにより信号を解析する信号解析装置であって、
前記入力された被測定信号からフレーム同期がとれたチップデータを作成する入力処理部(11)と、
各拡散ファクターにおける各チャネルに対応する拡散コードを出力する拡散コード設定部(23)と、
前記入力処理部から出力されたチップデータを前記拡散コード設定部から入力された拡散コードで逆拡散することによって、指定チャネルのシンボルデータを抽出するシンボルデータ抽出部(22)と、
このシンボルデータ抽出部で抽出されたシンボルデータのパワーを算出するコード・ドメインパワー算出部(24)と、
前記算出された現在のチャネルのパワーがパワーしきい値より大きいか否かを判定するコード・ドメインパワー判定部(25)と、
前記現在のチャネルのパワーがパワーしきい値より大きいとき、現在のチャネルのシンボルデータの分散値と、現在のチャネルに対する一対の枝先チャネルの各シンボルデータの分散値とを算出する第1の分散値算出部(26)と、
前記算出された現在のチャネルのシンボルデータの分散値が第1の分散しきい値より小さく、かつ前記算出された一対の枝先チャネルの各シンボルデータの分散値が共に前記第1の分散しきい値より大きいとき、前記現在のチャネルの変調方式をQPSKと判定する第1の判定部(27)と
を備えたことを特徴とする信号解析装置。 - 前記第1の判定部が前記現在のチャネルの変調方式をQPSKと判定しなかったとき、現在のチャネルのシンボルデータにおける平均値を境界とした2領域におけるシンボルデータの分散値と、現在のチャネルに対する一対の枝先チャネルのシンボルデータにおける平均値を境界とした2領域におけるシンボルデータの分散値とを算出する第2の分散値算出部(30)と、
前記算出された現在のチャネルのシンボルデータにおける前記2領域の分散値が第2の分散しきい値より小さく、かつ前記算出された一対の枝先チャネルの各シンボルデータにおける前記2領域の分散値が共に前記第2の分散しきい値より大きいとき、前記現在のチャネルの変調方式を16QAMと判定する第2の判定部(31)と
を備えたことを特徴とする請求項1記載の信号解析装置。 - 前記コード・ドメインパワー判定部は、前記現在のチャネルのパワーがパワーしきい値以下のとき、前記現在のチャネルは信号無しと判定することを特徴とする請求項1又は2記載の信号解析装置。
- 前記コード・ドメインパワー判定部が信号無しと判定したとき、前記第1の判定部がQPSKと判定したとき、及び前記第2の判定部が16QAMと判定したとき前記拡散コード設定部に現在のチャネルの拡散ファクターと同一の拡散ファクターにおける次のチャネルを指定する手段(34)と、
前記第2の判定部が前記現在のチャネルの変調方式を16QAMと判定しなかったとき、前記拡散コード設定部に現在のチャネルに対する一方の枝先チャネルを指定する手段(32)と
を備えたことを特徴とする請求項3記載の信号解析装置。 - 前記各拡散ファクターに所属する各チャネルにおける、信号の有無状態、及び信号有りのときのQPSK又は16QAMの変調方式を表示器に表示する表示出力部(35)を備えたことを特徴とする請求項4記載の信号解析装置。
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