JP3751910B2 - 垂直同期再生回路および垂直同期再生方法 - Google Patents
垂直同期再生回路および垂直同期再生方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3751910B2 JP3751910B2 JP2002192136A JP2002192136A JP3751910B2 JP 3751910 B2 JP3751910 B2 JP 3751910B2 JP 2002192136 A JP2002192136 A JP 2002192136A JP 2002192136 A JP2002192136 A JP 2002192136A JP 3751910 B2 JP3751910 B2 JP 3751910B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- value
- leading edge
- decode
- decoding
- trailing edge
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Synchronizing For Television (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の走査線により画面が形成された表示装置、例えばテレビジョン受像機において用いられる垂直同期再生回路および垂直同期再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、テレビジョン受像機などの表示装置では、水平同期信号および垂直同期信号を複合した複合同期信号に画面の明るさなどに関する情報を持つ映像信号を合成した複合映像信号が用いられる。
【0003】
図8(a)に複合映像信号を模式的に示す。図8(a)に示すように、1フィールドは垂直同期信号で規定される。テレビ画面の場合、1フィールドは通常262.5本の走査線からなる。水平同期信号は、これら走査線の切り替わりタイミングを規定する。通常、画面上で見えている部分は242〜243本で、残りの部分は、画面上には表示されないブランキング期間となっている。
【0004】
図8(b)に表示画面と映像信号の関係を模式的に示す。図8(b)に示すように、水平同期信号により区切られた領域で、映像情報を有する部分(映像信号部)が画面上に表示される。映像信号部の前後には、表示が行われないブランキング期間がある。垂直同期信号の前縁(立下り)がフィールドの始まりを示す。図8(a)に示したような見えている部分が画面上に表示される。この見えている部分の前後にも、表示が行われないブランキング期間がある。
【0005】
図8(b)に示したような見えている部分(表示領域)の縦横比は通常3:4で、画面上における垂直方向の位置は、垂直同期信号の位置、幅を調節することで制御可能である。ここで、垂直同期信号の位置の調節とは、垂直同期信号の立ち上りまたは立ち下りの位置を、元の位置から時間的に前または後に移動することをいう。通常、テレビ画面では、垂直同期信号の位置、幅は、表示画面が中央に位置するような値に設定されている。
【0006】
最近では、画面上に表示される部分(表示領域)を上下方向(垂直方向)に移動するために、複合映像信号から同期分離された垂直同期信号の位置および幅を可変できる垂直同期再生回路が提供されている。図9に、その垂直同期再生回路の一例を示す。
【0007】
図9に示す垂直同期再生回路は、クロック生成回路103、ラインカウンタ104、デコード値算出回路109および垂直同期信号生成回路114からなる。ラインカウンタ104は、クロック生成回路103にて生成されたドットクロック信号、複合映像信号から同期分離された水平同期信号101および垂直同期信号102をそれぞれ入力とし、これら入力に基づいて1フィールドのライン(走査線)数をカウントする。このラインカウンタ104では、基本的には、水平同期信号101の入力でカウントアップされ、垂直同期信号102の入力でカウンタ値がリセットされる。
【0008】
クロック生成回路103は、水平同期信号101に同期するようにPLL回路が組み込まれており、1水平期間を858分周して、デューティ50%(電圧変化の50%のレベル)の周波数が13.5MHzのドットクロック信号を生成する。
【0009】
デコード値算出回路109は、標準信号のフィールドのライン総数が固定値として予め設定されており、この固定値と、不図示の位置・幅設定部から供給される位置の設定値107および幅の設定値108とから、垂直同期信号生成回路114にて新たに生成される垂直同期信号115の前縁用のデコード値および後縁用のデコード値を算出する。図8に示した垂直同期信号は負極性であるため、垂直同期信号の前縁を立ち下り、後縁を立ち上りとしたが、ここでは、垂直同期信号は正極性として扱うものとし、前縁、後縁はそれぞれ立ち上り、立ち下りを示す。
【0010】
位置の設定値107および幅の設定値108は、利用者が任意に設定することができる。位置の設定値107は、垂直同期信号115の前縁の、元の位置(垂直同期信号102の前縁に対応する)からの移動量、すなわちラインカウンタ104のカウンタ値「0」の位置からのライン単位での移動量である。幅の設定値108は、垂直同期信号115のライン単位の幅(前縁から後縁までの幅)である。
【0011】
垂直同期信号生成回路114は、デコード値算出回路109から供給される前縁用のデコード値および後縁用のデコード値に基づいて、ラインカウンタ104のカウンタ値から、生成しようとする垂直同期信号115の前縁および後縁を直接デコードすることで、垂直同期信号115を生成する。
【0012】
上記の垂直同期再生回路では、利用者が、位置の設定値107および幅の設定値108を任意に設定することで、所望の位置および幅の垂直同期信号115が生成される。一例として、図10に、固定値(標準信号のフィールドのライン総数)を「262」とし、位置の設定値107を「−1」に設定し、幅の設定値108を「2」に設定した場合の、ラインカウンタ104のカウンタ値と垂直同期信号115との関係を示す。以下、図9および図10を参照して動作を説明する。
【0013】
ラインカウンタ104では、垂直同期信号102の入力によりカウンタ値が「0」にリセットされ、そこから水平同期信号101の入力に応じて「・・・,259,260,261,262」までカウントアップされ、再び垂直同期信号102の入力によりカウンタ値が「0」にリセットされる。このように、ラインカウンタ104は、フィールドごとに、カウンタ値として「0〜262」の値を繰り返し出力する。
【0014】
デコード値算出回路109は、位置の設定値107として「−1」が供給されているので、垂直同期信号115の前縁用のデコード値として、その本来の位置(ラインカウンタ104から時系列に出力されるカウンタ値の「0」の位置に対応する。)より1ライン分前の位置にあたるカウンタ値を、垂直同期信号115の前縁用のデコード値として採用する。1ライン分前の位置にあたるカウンタ値は、予め設定された固定値(=262)から求まる。すなわち、固定値(=262)は、カウンタ値「0」の1つ前のカウンタ値に対応するので、この「262」が垂直同期信号115の前縁用のデコード値となる。
【0015】
また、デコード値算出回路109は、幅の設定値として「2」が供給されているので、上記の垂直同期信号115の前縁用のデコード値であるカウンタ値「262」から2ライン分後の位置にあたるカウンタ値「1」を、垂直同期信号115の後縁用のデコード値として採用する。
【0016】
上記のようにして算出された垂直同期信号115の前縁用のデコード値「262」および後縁用のデコード値「1」は垂直同期信号生成回路114に供給される。垂直同期信号生成回路114では、ラインカウンタ104から時系列に出力されるカウンタ値から、それら前縁用のデコード値「262」および後縁用のデコード値「1」に対応するカウンタ値をデコードして、図10に示すような、前縁がカウンタ値「262」の位置に対応し、後縁がカウンタ値「1」の位置に対応する垂直同期信号115を生成する。
【0017】
インタレース方式を採用する場合は、固定値は奇数フィールドと偶数フィールドで異なり、それぞれ「262」、「263」である。奇数フィールドでは、固定値「262」が用いられ、偶数フィールドでは、固定値「263」が用いられる。
【0018】
上記した垂直同期再生回路の他、特開平7−322089号公報には、フレームを構成する奇数/偶数フィールドそれぞれの水平ライン数を、その水平走査周波数の2倍の周波数のクロックでカウントするラインカウンタと、このラインカウンタのカウント値が1フレーム遅延された後、ロード値として設定されるカウントダウン回路とを有し、カウントダウン回路が、上記水平走査周波数の2倍の周波数のクロックにより所定カウント値までカウントダウンされたときに、垂直同期信号を発生するようにしたものが開示されている。この構成によれば、VTR(Video Tape Recorder)の特殊再生、例えば倍速再生やスティルモードなどの変速モードでの再生を行う場合で、1フィールドのライン総数が標準信号(例えば、1フィールドのライン数が262.5HのNTSC(National Television Systems Committee)方式の標準信号)に対して変動した場合でも、複合映像信号から同期分離された垂直同期信号と同じ位置に新たな垂直同期信号を形成させるとともに、その新たな垂直同期信号の位置をシフトすることが可能になる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の図9に示した垂直同期再生回路においては、標準信号(例えばNTSC標準信号)の1フィールドのライン総数を基準にして、垂直同期信号115の前縁用のデコード値および後縁用のデコード値を算出するようになっているため、上述したVTRの特殊再生時のような1フィールドのライン総数が標準信号よりも少ない信号が入力された場合には、以下のような問題が生じる。
【0020】
図11に、固定値が「262」、位置の設定値107が「−1」、幅の設定値108が「2」の条件(図10に示した例と同じ条件)で、1フィールドのライン総数が標準信号よりも少ない信号が入力された場合の、ラインカウンタ104のカウンタ値と垂直同期信号115との関係を示す。この例では、フィールド(n−1)までは、1フィールドのライン総数が262本の標準信号が入力され、フィールド(n)からは、1フィールドのライン総数がk本(k<262)の信号が入力される。
【0021】
ラインカウンタ104は、フィールド(n−1)では、カウンタ値「0〜262」を時系列に出力し、フィールド(n)では、カウンタ値「0〜k」を時系列に出力する。デコード値算出回路109は、位置の設定値107として「−1」が供給され、幅の設定値108として「2」が設定されているので、垂直同期信号115の前縁用のデコード値「262」および後縁用のデコード値「1」を出力する。
【0022】
垂直同期信号生成回路14は、デコード値算出回路109から供給された前縁用のデコード値「262」および後縁用のデコード値「1」を参照して、ラインカウンタ104から時系列に出力されるカウンタ値をデコードして垂直同期信号115を生成する。
【0023】
フィールド(n−1)では、カウンタ104からカウンタ値「0〜262」が時系列に出力される。このカウンタ値「0〜262」には、前縁用のデコード値「262」、後縁用のデコード値「1」がともに含まれているので、垂直同期信号生成回路14はそれぞれの対応するカウンタ値をデコードしてその位置を垂直同期信号115の前縁、後縁の位置とする。図11では、フィールド(n−1)の終わりの部分に垂直同期信号115の前縁が示されている。なお、垂直同期信号115の後縁は、フィールド(n−1)の始まりの部分(不図示)に位置する。
【0024】
フィールド(n)では、カウンタ104からカウンタ値「0〜k」が時系列に出力される。このカウンタ値「0〜k」には、前縁用のデコード値「262」は含まれていないので、垂直同期信号生成回路14は、垂直同期信号115の前縁の位置をカウンタ104からカウンタ値「0〜k」からデコードすることはできない。後縁用のデコード値「1」は、カウンタ値「0〜k」に含まれているので、垂直同期信号生成回路14は、対応するカウンタ値をデコードしてその位置を垂直同期信号115の後縁の位置とする。この垂直同期信号115の後縁は、上記フィールド(n−1)においてデコードされた垂直同期信号115の前縁に対する後端となる。
【0025】
上記から分かるように、フレーム(n)以降は、垂直同期信号115の前縁の位置をカウンタ値からデコードすることができないため、垂直同期信号115を全く生成することができなくなる。また、位置の設定値107および幅の設定値108の設定値によっては、後縁用のデコード値がラインカウンタ104から出力されるカウンタ値内に存在しない場合がある。この場合は、垂直同期信号115の後縁の位置をカウンタ値からデコードすることができなくなり、やはり垂直同期信号115を生成することができなくなる。いずれの場合も、画面上で垂直方向における同期がとれなくなり、結果的に映像が垂直方向に流れる現象が生じる。
【0026】
また、1フィールドのライン総数が標準信号に比べて増幅した場合は、垂直同期信号115は生成されるものの、その生成された垂直同期信号115の前縁および幅が利用者が設定した値からずれることがある。
【0027】
特開平7−322089号公報に記載のものにおいては、上述したVTRの特殊再生時のような1フィールドのライン総数が標準信号よりも少ない信号が入力された場合でも、垂直同期信号を生成することができるが、通常のラインカウンタとカウントダウンのラインカウンタの2段構成になっているため、回路全体の規模が大きくなるとともに、コスト面でも不利なものとなる。
【0028】
本発明の目的は、上記各問題を解決し、回路規模が大きくなることがなく、1フィールドのライン総数が異なる信号に対しても所望の位置および幅の垂直同期信号を生成することができる、低コストな垂直同期再生回路および垂直同期再生方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の垂直同期再生回路は、フィールド単位に入力される複合同期信号から同期分離された第1の垂直同期信号によりリセットされる、1フィールドのライン総数をカウントするカウンタ手段と、前記カウンタ手段からのカウンタ値を入力とし、現在のフィールドから1つまたは2つ前のフィールドにおける最大カウンタ値を保持する保持手段と、前記保持手段に保持された最大カウンタ値に基づいてその前後に続く一連の擬似カウンタ値を想定し、該想定した一連の擬似カウンタ値から新たに生成する第2の垂直同期信号の前縁用および後縁用のデコード値を算出するデコード値算出手段と、前記カウンタ手段から出力される現在のフィールドにおける一連のカウンタ値から前記デコード値算出手段で算出された前縁用および後縁用のデコード値に対応するカウンタ値をデコードして前記第2の垂直同期信号を生成する垂直同期信号生成手段と、前記垂直同期信号生成手段にて前記第2の垂直同期信号が生成されるか否かを判断し、生成されない場合は、前記デコード値算出手段で算出された前縁用および後縁用のデコード値の少なくとも1方を所定の補償用のデコード値で置き換える補償手段とを有することを特徴とする。
【0031】
本発明の垂直同期再生方法は、フィールド単位に入力される複合同期信号から同期分離された第1の垂直同期信号によりリセットされる、1フィールドのライン総数をカウントするカウンタ手段からのカウンタ値に基づいて、現在のフィールドから1つまたは2つ前のフィールドにおける最大カウンタ値を保持する第1のステップと、前記第1のステップで保持された最大カウンタ値に基づいてその前後に続く一連の擬似カウンタ値を想定し、該想定した一連の擬似カウンタ値から新たに生成する第2の垂直同期信号の前縁用および後縁用のデコード値を算出する第2のステップと、前記カウンタ手段から出力される現在のフィールドにおける一連のカウンタ値から前記第2のステップで算出された前縁用および後縁用のデコード値に対応するカウンタ値をデコードして前記第2の垂直同期信号を生成する第3のステップと、前記第2の垂直同期信号が生成されるか否かを判断し、生成されない場合は、前記第2のステップで算出された前縁用および後縁用のデコード値の少なくとも1方を所定の補償用のデコード値で置き換える第4のステップとを有することを特徴とする。
【0033】
上記のとおりの本発明によれば、新たに生成される第2の垂直同期信号の前縁および後縁のために用いられる、前縁用のデコード値および後縁用のデコード値は、現在のフィールドの1または2つ前のフィールドの最大カウンタ値に基づいて生成されるので、第2の垂直同期信号の前縁を元の位置(第1の垂直同期信号の前縁)から時間的に前側(カウンタ値0の前側)に設定した場合において、フィールドのライン総数が減少した場合でも、そのライン総数が減少したフィールドの最初の入力から数えて1または2つ後のフィールド以降は第2の垂直同期信号が途切れることなく安定して生成されることになる。したがって、従来のように、存在しないカウンタ値を前縁用のデコード値として割り当て続ける、といった不具合は生じない。
【0034】
また、ライン総数が増幅した場合においても、そのライン総数が増幅したフィールドの最初の入力から数えて1または2つ後のフィールド以降は、任意に設定された位置および幅を有する第2の垂直同期信号が途切れることなく安定して生成されることになる。
【0035】
また、第2の垂直同期信号が生成されない場合に、前縁用および後縁用のデコード値の少なくとも1方を所定の補償用のデコード値で置き換えるようになっており、所定の補償用のデコード値に基づいて第2の垂直同期信号の生成が行われるので、上記のライン総数が減少したフィールドの最初の入力から数えて1または2つ後のフィールドまでのフィールドにおいても、第2の垂直同期信号が生成されることになる。したがって、この場合は、ライン総数の減少しても、第2の垂直同期信号は途切れることなく生成されることになる。
【0036】
上述のいずれの発明も、ラインカウンタは1つでよいので、上記の特開平7−322089号公報に記載のもののように、回路全体の規模が大きくなったり、コスト面でも不利なものとなったりすることはない。
【0037】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0038】
(実施形態1)
図1は、本発明の第1の実施形態である垂直同期再生回路の構成を示すブロック図である。この垂直同期再生回路は、クロック生成回路3、ラインカウンタ4、ライン総数ラッチ回路5、フィールド遅延回路6、デコード値算出回路9および垂直同期信号生成回路14からなる。水平同期信号1および垂直同期信号2は、複合同期信号からそれぞれ同期分離された水平と垂直の同期信号で、図9に示したものと同じである。クロック生成回路3およびラインカウンタ4も図9に示したものと同じものである。
【0039】
ライン総数ラッチ回路5は、ラインカウンタ4から出力されるカウンタ値を入力とし、カウンタ値がリセットされる直前(「0」の直前)のカウンタ値をラッチする。このライン総数ラッチ回路5でラッチされたカウンタ値が、1フィールドのライン総数である。
【0040】
フィールド遅延回路6は、ライン総数ラッチ回路5にてラッチされたカウンタ値を保持するもので、その保持するタイミングは、ライン総数ラッチ回路5でカウンタ値をラッチするタイミングと同じである。フィールド遅延回路6では、ライン総数ラッチ回路5でカウンタ値がラッチされる度に、その値が更新される。このフィールド遅延回路6で保持された値が、現在のフィールドの2つ前のフィールドにおけるライン総数となる。
【0041】
デコード値算出回路9は、フィールド遅延回路6に保持されたライン総数の値(2フィールド前のフィールドのライン総数の値)と、不図示の位置・幅設定部から供給される位置の設定値7および幅の設定値8とから、垂直同期信号生成回路4にて新たに生成される垂直同期信号15の前縁用のデコード値および後縁用のデコード値を算出する。
【0042】
位置の設定値7および幅の設定値8は、利用者が任意に設定することができる。位置の設定値7は、垂直同期信号15の前縁の、元の位置(垂直同期信号2の前縁に対応する)からの移動量、すなわちラインカウンタ4から時系列に出力されるカウンタ値の「0」の位置からのライン単位での移動量である。幅の設定値8は、垂直同期信号15のライン単位の幅(前縁から後縁までの幅)である。位置の設定値7のデフォルト値は例えば「0」であり、幅の設定値8のデフォルト値は例えば「3」である。
【0043】
垂直同期信号生成回路14は、デコード値算出回路9から供給される前縁用のデコード値および後縁用のデコード値を参照して、ラインカウンタ4から時系列に出力されるカウンタ値から、生成しようとする垂直同期信号15の前縁および後縁の位置を直接デコードすることで、垂直同期信号15を生成する。
【0044】
次に、本実施形態の垂直同期再生回路の動作について具体的に説明する。
【0045】
図2は、ラインカウンタ4、ライン総数ラッチ回路5およびフィールド遅延回路6の動作を説明するためのタイミングチャート図である。この例では、フィールド(n−1)、(n)、(n+1)、(n+2)・・・の順序で入力される。フィールド(n)、(n+2)、・・・はインタレース方式でいうところの奇数フィールドで、そのライン総数は「262」である。また、フィールド(n−1)、(n+1)、・・・は、偶数フィールドでそのライン総数は「263」である。
【0046】
ラインカウンタ4は、奇数フィールド(n)、(n+2)、・・・では、カウンタ値「0〜262」を時系列に出力し、偶数フィールド(n−1)、(n+1)、・・・では、カウンタ値「0〜263」を時系列に出力する。
【0047】
ライン総数ラッチ回路5は、例えば奇数フィールド(n)では、1つ前の偶数フィールド(n−1)でのカウンタ値「263」をラッチし、偶数フィールド(n+1)では、1つ前の奇数フィールド(n)でのカウンタ値「262」をラッチする。このように、ライン総数ラッチ回路5は、各フィールドにおいて、1つ前のフィールドでのカウンタ値をラッチする。
【0048】
フィールド遅延回路6は、例えば奇数フィールド(n)では、1つ前のフィールド(n−1)でライン総数ラッチ回路5がラッチしたカウンタ値「262」、すなわち2つ前のフィールド(n−2)におけるライン総数の値を保持する。同様にして、フィールド(n+1)では、2つ前のフィールド(n−1)のライン総数の値「263」が保持され、フィールド(n+2)では、2つ前のフィールド(n)のライン総数の値「262」が保持される。
【0049】
以上の動作により、フィールド遅延回路6には、必ず2つ前のフィールドのライン総数の値が保持されることになる。
【0050】
次に、デコード値算出回路9における垂直同期信号15の前縁用のデコード値および後縁用のデコード値の算出の仕方について説明する。
【0051】
(1)前縁用のデコード値:
位置の設定値7が「0」または正の場合は、デコード値算出回路9は、その位置の設定値7の値をそのまま前縁用のデコード値として出力する。位置の設定値7が負の場合には、デコード値算出回路9は、{(フィールド遅延回路6に保持されたライン総数の値)+1−|位置の設定値7の値|}の式から算出される値を前縁用のデコード値として出力する。
【0052】
(2)後縁用のデコード値:
デコード値算出回路9は、前縁用のデコード値に幅の設定値8の値を加算した値を後縁用のデコード値として出力する。ただし、前縁用のデコード値に幅の設定値8の値を加算した値が、フィールド遅延回路6に保持されたライン総数の値を超える場合には、デコード値算出回路9は、{(前縁用のデコード値)+(幅の設定値8の値)−(フィールド遅延回路6に保持されたライン総数の値)−1}の式より算出される値を後縁用のデコード値として出力する。
【0053】
図3に、デコード値算出回路9による具体的な算出例を示す。デフォルトの状態では、前縁用のデコード値は「0」、後縁用のデコード値は「3」となる。
【0054】
(A)幅の設定値8はデフォルトのままで、位置の設定値7を「+1」(これは、後側へ1ラインずらすことを意味する。)にした場合は、前縁用のデコード値が「1」となり、後縁用のデコード値が「4」となる。
【0055】
(B)位置の設定値7はデフォルトのままで、幅の設定値8を「4」(これは、垂直同期信号15の幅を1ライン広くすることを意味する。)にした場合は、前縁用のデコード値が「0」、後縁用のデコード値が「4」となる。
【0056】
(C)幅の設定値8はデフォルトのままで、位置の設定値7を「−1」(これは、前側へ1ラインずらすことを意味する。)にした場合は、前縁用のデコード値が「フィールド遅延回路6に保持されたライン総数の値」、後縁用のデコード値が「2」となる。
【0057】
(D)幅の設定値8はデフォルトのままで、位置の設定値7を「−2」(これは、前側へ2ラインずらすことを意味する。)にした場合は、前縁用のデコード値が「(フィールド遅延回路6に保持されたライン総数の値)−1」、後縁用のデコード値が「1」となる。
【0058】
(E)位置の設定値7を「−3」(これは、前側へ3ラインずらすことを意味する。)、幅の設定値8を「2」(これは、垂直同期信号15の幅を1ライン狭くすることを意味する。)にした場合には、前縁用デコード値が「(1フィールド遅延されたライン総数17)−2」、後縁用デコード値が「1フィールド遅延されたライン総数17」となる。
【0059】
次に、垂直同期信号生成回路14における垂直同期信号15の生成の仕方について説明する。
【0060】
図4は、前縁用および後縁用のデコード値と垂直同期信号との関係を示すタイミングチャート図である。この例においても、図2に示したものと同じ条件でフィールド遅延回路6が動作するものとする。また、位置の設定値7は「−1」、幅の設定値8は「2」である。
【0061】
デコード値算出回路9は、フィールド(n)では、フィールド遅延回路6に保持されている、2つ前のフィールド(n−2)のライン総数の値「262」に基づいてカウンタ値を想定し、この想定したカウンタ値(・・・262、0、1、・・・)から前縁用のデコード値「262」および後縁用のデコード値「1」を算出する。同様にして、デコード値算出回路9は、フィールド(n+1)では、フィールド遅延回路6に保持されている、2つ前のフィールド(n−1)のライン総数の値「263」に基づいてカウンタ値を想定し、この想定したカウンタ値(・・・263、0、1、・・・)から前縁用のデコード値「263」および後縁用のデコード値「1」を算出する。これにより、奇数フィールド{フィールド(n)、(n+2)、・・・}では、前縁用のデコード値「262」および後縁用のデコード値「1」が算出され、偶数フィールド{フィールド(n−1)、(n+1)、・・・}では、前縁用のデコード値「263」および後縁用のデコード値「1」が算出されることになる。
【0062】
垂直同期信号生成回路14は、各フィールド毎に、上記のようにして算出された前縁用および後縁用のデコード値を参照して、ラインカウンタ4から時系列に出力されるカウンタ値をデコードして垂直同期信号115を生成する。例えばフィールド(n)では、垂直同期信号生成回路14は、デコード値算出回路9から供給される前縁用のデコード値「262」および後縁用のデコード値「1」を参照し、ラインカウンタ4から時系列に出力されるカウンタ値「0、1、・・・262」からそれら前縁用のデコード値「262」および後縁用のデコード値「1」に対応するカウンタ値をデコードする。同様に、フィールド(n+1)では、垂直同期信号生成回路14は、デコード値算出回路9から供給される前縁用のデコード値「263」および後縁用のデコード値「1」を参照し、ラインカウンタ4から時系列に出力されるカウンタ値「0、1、・・・263」からそれら前縁用のデコード値「263」および後縁用のデコード値「1」に対応するカウンタ値をデコードする。このようにして各フィールド毎にカウンタ値がデコードされ、結果的に、図4に示すような前縁がカウンタ値「0」より1ライン前に位置し、後縁がカウンタ値「0」より1ライン後に位置する、2ライン分の幅を有する垂直同期信号15を得る。
【0063】
次に、ライン総数が標準信号(ここでは、奇数フィールドのライン総数が262本、偶数フィールドのライン総数が263本のインタレース方式を採用するNTSC標準信号)と異なる信号が入力された場合の動作について説明する。
【0064】
図5は、標準信号からライン総数が250本の信号に切り替わった場合の、前縁用および後縁用のデコード値と垂直同期信号との関係を示すタイミングチャート図である。この例では、フィールド(n−1)、(n)、(n+1)、(n+2)・・・の順序で入力される。位置の設定値7は「−1」で、幅の設定値8は「2」である。フィールド(n−1)までは、図4に示した場合と同じ動作が行われているものとする。フィールド(n)、(n+1)、・・・のライン総数は250本である。
【0065】
フィールド(n)で標準信号からライン総数が250本の信号に切り替わる。ラインカウンタ4は、フィールド(n−1)までは、奇数フィールドではカウンタ値「0〜262」を時系列に出力し、偶数フィールドではカウンタ値「0〜263」を時系列に出力し、フィールド(n)からは全てのフィールドにおいてカウンタ値「0〜250」を時系列に出力する。
【0066】
ライン総数ラッチ回路5は、フィールド(n)では、1つ前の偶数フィールド(n−1)でのカウンタ値「263」をラッチし、フィールド(n+1)では、1つ前の奇数フィールド(n)でのカウンタ値「250」をラッチする。このフィールド(n+1)以降は、ライン総数ラッチ回路5ではカウンタ値「250」が常にラッチされる。
【0067】
フィールド遅延回路6は、フィールド(n)では、1つ前のフィールド(n−1)でライン総数ラッチ回路5がラッチしたカウンタ値「262」、すなわち2つ前のフィールド(n−2)におけるライン総数の値を保持する。同様にして、フィールド(n+1)では、2つ前のフィールド(n−1)のライン総数の値「263」が保持される。フィールド(n+2)では、フィールド遅延回路6は、1つ前のフィールド(n+1)でライン総数ラッチ回路5がラッチしたカウンタ値「250」、すなわちライン総数が現象した2つ前のフィールド(n)のライン総数の値「250」が保持される。このフィールド(n+2)以降は、フィールド遅延回路6では、常にカウンタ値「250」が保持される。
【0068】
デコード値算出回路9は、フィールド(n)では、フィールド遅延回路6に保持されている、2つ前のフィールド(n−2)のライン総数の値「262」に基づいてカウンタ値を想定し、この想定したカウンタ値(・・・262、0、1、・・・)から前縁用のデコード値「262」および後縁用のデコード値「1」を算出する。フィールド(n+1)では、デコード値算出回路9は、フィールド遅延回路6に保持されている、2つ前のフィールド(n−1)のライン総数の値「263」に基づいてカウンタ値を想定し、この想定したカウンタ値(・・・263、0、1、・・・)から前縁用のデコード値「263」および後縁用のデコード値「1」を算出する。フィールド(n+2)では、デコード値算出回路9は、フィールド遅延回路6に保持されている、2つ前のフィールド(n)のライン総数の値「250」に基づいてカウンタ値を想定し、この想定したカウンタ値(・・・250、0、1、・・・)から前縁用のデコード値「250」および後縁用のデコード値「1」を算出する。このフィールド(n+2)以降は、常に、前縁用のデコード値「250」および後縁用のデコード値「1」が算出される。
【0069】
垂直同期信号生成回路14は、各フィールド毎に、上記のようにして算出された前縁用および後縁用のデコード値を参照して、ラインカウンタ4から時系列に出力されるカウンタ値から前縁および後縁の位置をデコードして垂直同期信号115を生成する。以下、フィールド(n)、(n+1)、(n+2)の3つにフィールドにおける垂直同期信号15の生成動作について具体的に説明する。
【0070】
(1)フィールド(n):
垂直同期信号生成回路14は、デコード値算出回路9から供給される前縁用のデコード値「262」および後縁用のデコード値「1」を参照し、ラインカウンタ4から時系列に出力されるカウンタ値「0、1、・・・250」からそれら前縁用のデコード値「262」および後縁用のデコード値「1」に対応するカウンタ値をそれぞれ前縁および後縁の位置としてデコードする。この場合、前縁用のデコード値「262」はカウンタ値「0、1、・・・250」内に存在しないので、カウンタ値のデコードは行われない。他方、後縁用のデコード値「1」はカウンタ値「0、1、・・・250」内に存在するので、カウンタ値のデコードが行われる。この結果、フィールド(n)では、後縁用のデコード値「1」に基づくデコード結果である後縁のみが垂直同期信号15として存在することになる。この後縁と、その1つ前のフィールド(n−1)における前縁用のデコード値「263」に基づくデコード結果である前縁とから、図5に示すような前縁がカウンタ値「0」より1ライン前に位置し、後縁がカウンタ値「0」より1ライン後に位置する、2ライン分の幅を有する垂直同期信号15を得る。
【0071】
(2)フィールド(n+1):
垂直同期信号生成回路14は、デコード値算出回路9から供給される前縁用のデコード値「263」および後縁用のデコード値「1」を参照し、ラインカウンタ4から時系列に出力されるカウンタ値「0、1、・・・250」からそれら前縁用のデコード値「263」および後縁用のデコード値「1」に対応するカウンタ値をそれぞれ前縁および後縁の位置としてデコードする。この場合、前縁用のデコード値「263」はカウンタ値「0、1、・・・250」内に存在しないので、カウンタ値のデコードは行われない。他方、後縁用のデコード値「1」はカウンタ値「0、1、・・・250」内に存在するので、カウンタ値のデコードが行われる。この結果、フィールド(n+1)では、後縁用のデコード値「1」に基づくデコード結果である後縁のみが垂直同期信号15として存在することになる。
【0072】
(3)フィールド(n+2):
垂直同期信号生成回路14は、デコード値算出回路9から供給される前縁用のデコード値「250」および後縁用のデコード値「1」を参照し、ラインカウンタ4から時系列に出力されるカウンタ値「0、1、・・・250」からそれら前縁用のデコード値「250」および後縁用のデコード値「1」に対応するカウンタ値をそれぞれ前縁および後縁の位置としてデコードする。この場合は、上記(1)および(2)の場合とは異なり、前縁用のデコード値「250」および後縁用のデコード値「1」は、いずれもカウンタ値「0、1、・・・250」内に存在するので、カウンタ値のデコードが行われる。したがって、このフィールド(n+2)では、後縁用のデコード値「1」に基づくデコード結果である後縁および前縁用のデコード値「250」に基づくデコード結果である前縁の両方が垂直同期信号15として存在することになる。この前縁と、その1つ後のフィールド(n+3)における後縁用のデコード値「1」に基づくデコード結果である後縁とから、前縁がカウンタ値「0」より1ライン前に位置し、後縁がカウンタ値「0」より1ライン後に位置する、2ライン分の幅を有する垂直同期信号15を得る。
【0073】
フィールド(n+3)以降は、上記(3)のフィールド(n+2)の場合と同様の動作が行われ、前縁がカウンタ値「0」より1ライン前に位置し、後縁がカウンタ値「0」より1ライン後に位置する、2ライン分の幅を有する垂直同期信号15を常に得ることができる。
【0074】
以上のように、本実施形態の垂直同期再生回路では、ライン総数が標準信号に比べて少ない信号が入力された場合でも、信号が切り替わった直後から3フィールド後には、垂直同期信号を安定して生成することができ、従来のような、存在しないラインカウンタ値を垂直同期信号のデコード値として割り当て続ける、といった不具合がなくなる。なお、信号が切り替わった直後から2フィールドまでは、垂直同期信号を得られないが、例えばテレビ画面の場合、1フィールドの表示時間は63μ秒(NTSC標準信号)であるので、映像が大きく乱れることはない。
【0075】
(実施形態2)
図6は、本発明の第2の実施形態である垂直同期再生回路を示すブロック図である。この垂直同期再生回路は、図1に示した構成に垂直同期補償回路を加えたものである。図1中、同じ部分には同じ符号を付している。ここでは、説明を簡略化するために、同じ部分の動作説明は省略する。また、デコード値算出回路9から出力される前縁用のデコード値、後縁用のデコード値は、補償用のものと区別するため、ここでは、通常用の前縁用のデコード値、通常用の後縁用のデコード値と記載する。
【0076】
垂直同期補償回路は、前縁監視回路10、補償用デコード値算出回路11および2つのオア回路12、13からなる。ラインカウンタ4から出力されたカウンタ値およびデコード値算出回路9で算出された通常用の前縁用のデコード値はそれぞれ前縁監視回路10に供給されている。また、デコード値算出回路9で算出された通常用の前縁用のデコード値および通常用の後縁用のデコード値はそれぞれ補償用デコード値算出回路11に供給されている。
【0077】
前縁監視回路10は、デコード値算出回路9からの通常用の前縁用のデコード値がラインカウンタ4からのカウンタ値内に存在するか否かを監視する回路である。例えば、あるフィールドにおいて、前縁監視回路10が、デコード値算出回路9で算出された通常用の前縁用のデコード値がラインカウンタ値内に存在しないことを検出した場合(例えば、図5のフィールド(n)のような場合)は、このフィールドにおいては、垂直同期信号が生成されないと判断することができる。前縁監視回路10の監視結果は、補償用デコード値算出回路11に供給される。
【0078】
補償用デコード値算出回路11は、デコード値算出回路9で算出された通常用の前縁用のデコード値および通常用の後縁用のデコード値と前縁監視回路10からの前縁監視結果とから、デコード値算出回路9で算出されたデコード値で垂直同期信号15が生成されるかどうかを判断し、垂直同期信号15が生成されないと判断した場合には、補償用のデコード値を算出する。
【0079】
オア回路12は、一方の入力にデコード値算出回路9で算出された通常用の前縁用のデコード値が供給され、他方の入力に補償用デコード値算出回路11で算出された補償用の前縁用のデコード値が供給され、これら入力のオアをとる。オア回路13は、一方の入力にデコード値算出回路9で算出された通常用の後縁用のデコード値が供給され、他方の入力に補償用デコード値算出回路11で算出された補償用の後縁用のデコード値が供給され、これら入力のオアをとる。
【0080】
垂直同期信号生成回路14は、ラインカウンタ4のカウンタ値と、オア回路12からの前縁用のデコード値とが一致したときに、常に垂直同期信号15の前縁を生成する。例えば、垂直同期信号15が正極性の場合は、ローレベルからハイレベルに立ち上げる。また、垂直同期信号生成回路14は、ラインカウンタ4のカウンタ値と、オア回路13からの後縁用のデコード値とが一致したときに、常に垂直同期信号15の後縁を生成する。例えば、垂直同期信号15が正極性の場合はハイレベルからローレベルに立ち下げる。
【0081】
次に、補償用デコード値算出回路11による補償用のデコード値の算出の仕方について具体的に説明する。
【0082】
図7は、補償用デコード値算出回路11の動作を説明するためのタイミングチャート図である。この例では、図5に示したようなフィールド(n)の状態(ただし、フィールド(n)のライン総数は250本ではなく、258本とする。)における補償用のデコード値の算出の仕方を示している。想定されるカウンタ値は、このフィールド(n)の2つ前のフィールド(n−2)におけるライン総数の値「262」を元に想定されたものである。また、このフィールド(n)での、ラインカウンタ4から出力されるカウンタ値は「0〜258」である。
【0083】
補償用デコード値算出回路11は、以下のような第1から第3の場合をそれぞれ判断して補償用のデコード値の算出を行う。なお、補償用デコード値算出回路11には、標準信号時の1フィールドのライン総数の半分(以下、単に1/2ライン総数と記す)に対応する値が予め与えられているものとする。
【0084】
(第1の場合)
第1の場合は、デコード値算出回路9で算出された通常用の前縁用のデコード値および通常用の後縁用のデコード値が共に、「0」以上かつ「1/2ライン総数」以下であるときである。この場合は、補償用デコード値算出回路11は、1フィールドのライン総数が標準信号に対して減少した場合においても、通常用の前縁用のデコード値および通常用の後縁用のデコード値はラインカウンタ4のラインカウンタ値内に必ず存在すると判断し、垂直同期信号の補償用の前縁用デコード値および補償用の後縁用デコード値は出力しない。
【0085】
図7では、第1の場合の一例として、位置の設定値7が「+3」、幅の設定値8が「2」で、デコード値算出回路9にて通常用の前縁用のデコード値「3」および通常用の後縁用のデコード値「5」が算出された場合を示している。通常用の前縁用のデコード値「3」および通常用の後縁用のデコード値「5」は共に、「0」以上かつ「1/2ライン総数」以下であるので、補償用デコード値算出回路11は、垂直同期信号の補償用の前縁用デコード値および補償用の後縁用デコード値を出力しない。この結果、垂直同期信号生成回路4では、デコード値算出回路9から出力された通常用の前縁用のデコード値「3」および通常用の後縁用のデコード値「5」がそのまま入力されて垂直同期信号15が生成される。
【0086】
(第2の場合)
第2の場合は、デコード値算出回路9で算出された通常用の前縁用のデコード値が「1/2ライン総数」より大きく、デコード値算出回路9で算出された通常用の後縁用のデコード値が「0」より大きくかつ「1/2ライン総数」以下となるときである。この場合は、1フィールドのライン総数が標準信号に対して減少した場合においても、通常用の後縁用のデコード値だけはラインカウンタ4のラインカウンタ値内に必ず存在すると判断し、補償用デコード値算出回路11は、垂直同期信号の前縁をカウンタ値の「0」でデコードして生成できるように補償用の前縁用デコード値「0」を出力し、補償用の後縁用のデコード値は出力しない。
【0087】
図7では、第2の場合の一例として、位置の設定値7が「−1」、幅の設定値8が「3」で、デコード値算出回路9にて通常用の前縁用のデコード値「262」および通常用の後縁用のデコード値「2」が算出された場合を示している。通常用の前縁用のデコード値「262」は「1/2ライン総数」より大きく、通常用の後縁用のデコード値「2」は「0」より大きくかつ「1/2ライン総数」以下であるので、補償用デコード値算出回路11は、通常用の後縁用のデコード値「2」だけはラインカウンタ4のカウンタ値内に必ず存在すると判断して、補償用の後縁用のデコード値は出力せず、垂直同期信号15の前縁については、図7の点線22で示すようにカウンタ値の「0」でデコードして生成できるように補償用の前縁用デコード値「0」を出力する。この結果、垂直同期信号生成回路4では、デコード値算出回路9から出力された通常用の後縁用のデコード値「2」と、補償用デコード値算出回路11から出力された補償用の前縁用デコード値「0」とが入力され、それぞれの入力値に基づいて垂直同期信号15が生成される。この動作により、垂直同期信号15の前縁が補償される。
【0088】
なお、デコード値算出回路9からの通常用の前縁用デコード値がラインカウンタ4のカウンタ値内に存在する場合には、デコード値算出回路9からの通常用の前縁用デコード値で垂直同期信号15の前縁が生成されたところに、さらに図2の点線22で示したような補償用の前縁用デコード値のデコード値「0」で前縁が生成される形になるが、これは前縁があるところにさらに前縁を生成することになるので、補償用の前縁用デコード値のデコード値「0」は垂直同期信号15の生成になんら影響を与えない。
【0089】
(第3の場合)
第3の場合は、上記の第1および第2の場合以外の場合で、デコード値算出回路9で算出された通常用の前縁用のデコード値が「1/2ライン総数」より大きく、デコード値算出回路9で算出された通常用の後縁用のデコード値が「0」または「1/2ライン総数」より大きい場合である。この場合は、前縁監視回路10からの前縁の監視結果よって次の2つの動作に分けられる。
【0090】
(動作1)
この動作は、前縁監視回路10からの前縁の監視結果がデコード値算出回路9で算出された垂直同期信号の通常用の前縁用のデコード値がラインカウンタ4のカウンタ値内に存在している旨を示す場合の動作である。この場合は、補償用デコード値算出回路11は、補償用の前縁用デコード値は出力せず、補償用の後縁用のデコード値「1」を出力する。これにより、垂直同期信号15の後縁はこの補償用の後縁用のデコード値「1」によって生成されるようになり、垂直同期信号15の後縁が補償される。
【0091】
図7では、第3の場合の一例として、位置の設定値7が「−6」、幅の設定値8が「4」で、デコード値算出回路9にて通常用の前縁用のデコード値「257」および通常用の後縁用のデコード値「261」が算出された場合を示している。通常用の前縁用のデコード値「257」は「1/2ライン総数」より大きく、通常用の後縁用のデコード値「261」が「1/2ライン総数」より大きいので、補償用デコード値算出回路11は、補償用の前縁用デコード値は出力せず、垂直同期信号15の後縁については、図7の点線23で示すようにカウンタ値の「1」でデコードして生成できるように補償用の後縁用デコード値「1」を出力する。この結果、垂直同期信号生成回路4では、デコード値算出回路9から出力された通常用の前縁用のデコード値「257」と、補償用デコード値算出回路11から出力された補償用の後縁用デコード値「1」とが入力され、それぞれの入力値に基づいて垂直同期信号15が生成される。この動作により、垂直同期信号15の後縁が補償される。
【0092】
なお、デコード値算出回路9からの通常用の後縁用デコード値がラインカウンタ4のカウンタ値内に存在する場合には、このデコード値算出回路9からの通常用の後縁用デコード値で垂直同期信号15の後縁が生成されたところに、さらに図7の点線23で示すように補償用の後縁用デコード値「1」によって後縁が生成される形になるが、これは後縁があるところにさらに後縁を生成することになるので、補償用の後縁用デコード値「1」は生成しようとする垂直同期信号15になんら影響を与えない。
【0093】
(動作2)
この動作は、前縁監視回路10からの前縁の監視結果がデコード値算出回路9で算出された垂直同期信号の通常用の前縁用のデコード値がラインカウンタ4のカウンタ値内に存在しない旨を示す場合の動作である。この場合は、垂直同期信号15が全く生成されないと判断し、擬似的に垂直同期信号15を生成するように、補償用デコード値算出回路11は、補償用の前縁用のデコード値「1」および補償用の後縁用のデコード値「4」を出力する。したがって、この場合は、図7の点線24で示すように、ラインカウンタ4のカウンタ値の「1」の位置から「3」ライン分の幅をもった擬似的な垂直同期信号15を生成することになり、これにより、垂直同期信号15の前縁および後縁が補償される。
【0094】
以上のように、第2の実施形態のものによれば、垂直同期信号生成回路14からは、1フィールドのライン総数が減少しても途切れることのない、位置と幅が所望の値に可変された垂直同期信号15が出力される。
【0095】
なお、上述した第2の実施形態において、補償用の前縁用のデコード値および補償用の後縁用のデコード値は、垂直同期信号15を生成することができるのであれば、適宜変更することができる。
【0096】
また、図6に示した構成において、デコード値算出回路9で算出された後縁用のデコード値がラインカウンタ4から出力される現在のフィールドにおける一連のカウンタ値内に存在するかどうかを調べる後縁監視回路を設け、補償用デコード値算出回路11が、この後縁監視回路と前縁監視回路10におけるそれぞれの監視結果から、垂直同期信号生成回路14で垂直同期信号15が実際に生成されるか否かを判断し、生成されない場合に、適宜、補償用のデコード値を算出するようにしてもよい。
【0097】
例えば、補償用デコード値算出回路11は、前縁監視回路10から前縁用のデコード値がカウンタ値内に存在しない旨を示す監視結果が入力された場合は、その前縁用のデコード値に代わる補償用の前縁用のデコード値を算出する。また、補償用デコード値算出回路11は、上記の後縁監視回路から後縁用のデコード値がカウンタ値内に存在しない旨を示す監視結果が入力された場合は、その後縁用のデコード値に代わる補償用の後縁用のデコード値を算出する。補償用の前縁用のデコード値および補償用の後縁用のデコード値は、図6に示した構成の場合と同じものである。
【0098】
また、上述した第1および第2の実施形態では、インタレースに対応して例を挙げているが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の方式のものにも適用することができる。例えば、インタレースを採用しないもので、フィールド単位に信号が入力される場合であれば、フィールド遅延回路6において、現在のフィールドの1前のフィールドのライン総数を保持するようにすれば、上述の各実施形態で説明した場合と同様な動作で、垂直同期信号15を生成することが可能である。
【0099】
なお、以上の説明において、ラインカウンタ4は、例えば1フィールドのライン総数が262本の場合、垂直同期信号2の入力によりカウンタ値が「0」にリセットされ、そこから水平同期信号1の入力に応じて「・・・,259,260,261,262」までカウントアップされるように構成されているが、垂直同期信号2の入力と最初の水平同期信号1の入力が同じタイミングで与えられる場合は、1ライン目をカウントしたときのカウンタ値を「0」として、「・・・,259,260,261」までカウントアップされることになる。この場合は、フィールド遅延回路6に保持されるライン総数は、実際のライン総数から1を減じた値となる。したがって、図2に示した例では、例えばフィールド(n)において、ラインカウンタ4の出力は「0,1,・・・,260,261」となり、ライン総数ラッチ回路5の出力は「262」となり、フィールド遅延回路6の出力は「261」となる。これに伴い、図4に示した例では、想定されるカウンタ値は「261」を最大カウンタ値として、その前後に続く一連の擬似カウンタ値「・・・,260,261,0,1,・・・」を想定したものとなる。この場合、デコード算出回路9は、この一連の擬似カウンタ値「・・・,260,261,0,1,・・・」を参照して前縁用および後縁用のデコード値を算出する。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、1フィールドのライン総数が減少しても、垂直同期信号を生成することが可能であるので、従来に比べて、垂直同期信号を安定して生成することができ、信頼性の高い垂直同期再生回路を提供することができる。
【0101】
加えて、1フィールドのライン総数が増加した場合でも、位置が前にずれたり、幅が長くなったりすることないので、設定値どおりの位置と幅をもった垂直同期信号を生成することができる。
【0102】
さらに、ラインカウンタは1つでよいので、従来に比べて、回路全体の規模が小さく、低コストな垂直同期再生回路を提供することができる。
【0103】
また、補償用のデコード値を採用する発明においては、1フィールドのライン総数が標準信号に対して減少した瞬間のフィールドにおいても、垂直同期信号が途切れることなく生成されるように補償することができるので、より信頼性の高い垂直同期再生回路を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である垂直同期再生回路の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示すラインカウンタ、ライン総数ラッチ回路およびフィールド遅延回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
【図3】図1に示すデコード値算出回路による具体的な算出例を示す図である。
【図4】図1に示す垂直同期再生回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
【図5】図1に示す垂直同期再生回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
【図6】本発明の第2の実施形態である垂直同期再生回路を示すブロック図である。
【図7】図6に示す垂直同期再生回路の動作を説明するためのタイミングチャート図である。
【図8】(a)は複合映像信号の模式図、(b)は表示画面と映像信号の関係を示す模式図である。
【図9】従来の垂直同期再生回路の構成を示すブロック図である。
【図10】固定値を基準として生成されたデコード値を参照してデコードされた垂直同期信号とカウンタ値との関係を示すタイミングチャート図である。
【図11】1フィールドのライン総数が標準信号よりも少ない信号が入力された場合の、固定値を基準として生成されたデコード値を参照してデコードされた垂直同期信号とカウンタ値との関係を示すタイミングチャート図である。
【符号の説明】
1 水平同期信号
2、15 垂直同期信号
3 クロック生成回路
4 ラインカウンタ
5 ライン総数ラッチ回路
6 フィールド遅延回路
7 位置の設定値
8 幅の設定値
9 デコード値算出回路
10 前縁監視回路
11 補償用デコード値算出回路
12、13 オア回路
14 垂直同期信号生成回路
Claims (28)
- フィールド単位に入力される複合同期信号から同期分離された第1の垂直同期信号によりリセットされる、1フィールドのライン総数をカウントするカウンタ手段と、
前記カウンタ手段からのカウンタ値を入力とし、現在のフィールドから1つまたは2つ前のフィールドにおける最大カウンタ値を保持する保持手段と、
前記保持手段に保持された最大カウンタ値に基づいてその前後に続く一連の擬似カウンタ値を想定し、該想定した一連の擬似カウンタ値から新たに生成する第2の垂直同期信号の前縁用および後縁用のデコード値を算出するデコード値算出手段と、
前記カウンタ手段から出力される現在のフィールドにおける一連のカウンタ値から前記デコード値算出手段で算出された前縁用および後縁用のデコード値に対応するカウンタ値をデコードして前記第2の垂直同期信号を生成する垂直同期信号生成手段と、
前記垂直同期信号生成手段にて前記第2の垂直同期信号が生成されるか否かを判断し、生成されない場合は、前記デコード値算出手段で算出された前縁用および後縁用のデコード値の少なくとも1方を所定の補償用のデコード値で置き換える補償手段とを有することを特徴とする垂直同期再生回路。 - 前記デコード値算出手段は、利用者によって任意に与えられる、前記第2の垂直同期信号の前縁および後縁の、前記一連の擬似カウンタ値におけるカウンタ値を規定するための設定値に基づいて前記第2の垂直同期信号の前縁用および後縁用のデコード値を算出することを特徴とする請求項1に記載の垂直同期再生回路。
- 前記補償手段は、
前記デコード値算出手段で算出された前縁用のデコード値が前記カウンタ手段から出力される現在のフィールドにおける一連のカウンタ値内に存在するかどうかを調べる前縁監視手段と、
前記デコード値算出手段で算出された前縁用および後縁用のデコード値と、前記前縁監視手段による監視結果とから前記第2の垂直同期信号が生成されるか否かを判断し、所定の補償用のデコード値を算出する補償用デコード値算出手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の垂直同期再生回路。 - 前記補償用デコード値算出手段は、前記デコード値算出手段で算出された前縁用および後縁用のデコード値が共に、0以上、かつ、予め設定された所定の値以下である場合は、前記所定の補償用のデコード値を算出しないように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の垂直同期再生回路。
- 前記補償用デコード値算出手段は、前記デコード値算出手段で算出された前縁用のデコード値が予め設定された所定の値より大きく、前記デコード値算出手段で算出された後縁用のデコード値が、0より大きく、かつ、前記所定の値以下である場合は、前記前縁用のデコード値に対応する所定の補償用の前縁用のデコード値のみを算出するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の垂直同期再生回路。
- 前記所定の補償用の前縁用のデコード値が0であることを特徴とする請求項5に記載の垂直同期再生回路。
- 前記補償用デコード値算出手段は、前記デコード値算出手段で算出された前縁用のデコード値が予め設定された所定の値より大きく、前記デコード値算出手段で算出された後縁用のデコード値が、0であるか、または、前記所定の値より大きい値をとる場合で、前記前縁監視手段から前記前縁用のデコード値が前記一連のカウンタ値内に存在する旨を示す監視結果が入力された場合は、前記後縁用のデコード値に対応する所定の補償用の後縁用のデコード値のみを算出するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の垂直同期再生回路。
- 前記所定の補償用の後縁用のデコード値が1であることを特徴とする請求項7に記載の垂直同期再生回路。
- 前記補償用デコード値算出手段は、前記デコード値算出手段で算出された前縁用のデコード値が予め設定された所定の値より大きく、前記デコード値算出手段で算出された後縁用のデコード値が、0であるか、または、前記所定の値より大きい値をとる場合で、前記前縁監視手段から前記前縁用のデコード値が前記一連のカウンタ値内に存在しない旨を示す監視結果が入力された場合は、前記前縁用のデコード値に対応する所定の補償用の前縁用のデコード値および前記後縁用のデコード値に対応する所定の補償用の後縁用のデコード値をそれぞれ算出するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の垂直同期再生回路。
- 前記所定の補償用の前縁用のデコード値と前記所定の補償用の後縁用のデコード値とが異なることを特徴とする請求項9に記載の垂直同期再生回路。
- 前記補償手段は、
前記デコード値算出手段で算出された前縁用のデコード値が前記カウンタ手段から出力される現在のフィールドにおける一連のカウンタ値内に存在するかどうかを調べる前縁監視手段と、
前記デコード値算出手段で算出された後縁用のデコード値が前記カウンタ手段から出力される現在のフィールドにおける一連のカウンタ値内に存在するかどうかを調べる後縁監視手段と、
前記前縁監視手段および後縁監視手段におけるそれぞれの監視結果から前記第2の垂直同期信号が生成されるか否かを判断し、所定の補償用のデコード値を算出する補償用デコード値算出手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の垂直同期再生回路。 - 前記補償用デコード値算出手段は、前記前縁監視手段から前記前縁用のデコード値が前記一連のカウンタ値内に存在しない旨を示す監視結果が入力された場合は、前記前縁用のデコード値に対応する所定の補償用の前縁用のデコード値を算出するように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の垂直同期再生回路。
- 前記補償用デコード値算出手段は、前記後縁監視手段から前記後縁用のデコード値が前記一連のカウンタ値内に存在しない旨を示す監視結果が入力された場合は、前記後縁用のデコード値に対応する所定の補償用の後縁用のデコード値を算出するように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の垂直同期再生回路。
- 前記補償用デコード値算出手段は、前記前縁監視手段から前記前縁用のデコード値が前記一連のカウンタ値内に存在しない旨を示す監視結果が入力され、前記後縁監視手段から前記後縁用のデコード値が前記一連のカウンタ値内に存在しない旨を示す監視結果が入力された場合は、前記前縁用のデコード値に対応する所定の補償用の前縁用のデコード値および前記後縁用のデコード値に対応する所定の補償用の後縁用のデコード値を算出するように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の垂直同期再生回路。
- フィールド単位に入力される複合同期信号から同期分離された第1の垂直同期信号によりリセットされる、1フィールドのライン総数をカウントするカウンタ手段からのカウンタ値に基づいて、現在のフィールドから1つまたは2つ前のフィールドにおける最大カウンタ値を保持する第1のステップと、
前記第1のステップで保持された最大カウンタ値に基づいてその前後に続く一連の擬似カウンタ値を想定し、該想定した一連の擬似カウンタ値から新たに生成する第2の垂直同期信号の前縁用および後縁用のデコード値を算出する第2のステップと、
前記カウンタ手段から出力される現在のフィールドにおける一連のカウンタ値から前記第2のステップで算出された前縁用および後縁用のデコード値に対応するカウンタ値をデコードして前記第2の垂直同期信号を生成する第3のステップと、
前記第2の垂直同期信号が生成されるか否かを判断し、生成されない場合は、前記第2のステップで算出された前縁用および後縁用のデコード値の少なくとも1方を所定の補償用のデコード値で置き換える第4のステップとを有することを特徴とする垂直同期再生方法。 - 前記第2のステップは、利用者によって任意に与えられる、前記第2の垂直同期信号の前縁および後縁の、前記一連の擬似カウンタ値におけるカウンタ値を規定するための設定値に基づいて前記第2の垂直同期信号の前縁用および後縁用のデコード値を算出するステップを含むことを特徴とする請求項15に記載の垂直同期再生方法。
- 前記第4のステップは、
前記第2のステップで算出された前縁用のデコード値が前記カウンタ手段から出力される現在のフィールドにおける一連のカウンタ値内に存在するかどうかを監視する第5のステップと、
前記第2のステップで算出された前縁用および後縁用のデコード値と、前記第5のステップでの監視結果とから前記第2の垂直同期信号が生成されるか否かを判断し、所定の補償用のデコード値を算出する第6のステップとを有することを特徴とする請求項15に記載の垂直同期再生方法。 - 前記第6のステップは、前記第2のステップで算出された前縁用および後縁用のデコード値が共に、0以上、かつ、予め設定された所定の値以下である場合は、前記所定の補償用のデコード値を算出しないステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の垂直同期再生方法。
- 前記第6のステップは、前記第2のステップで算出された前縁用のデコード値が予め設定された所定の値より大きく、前記デコード値算出手段で算出された後縁用のデコード値が、0より大きく、かつ、前記所定の値以下である場合は、前記前縁用のデコード値に対応する所定の補償用の前縁用のデコード値のみを算出するステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の垂直同期再生方法。
- 前記所定の補償用の前縁用のデコード値が0であることを特徴とする請求項19に記載の垂直同期再生方法。
- 前記第6のステップは、前記第2のステップで算出された前縁用のデコード値が予め設定された所定の値より大きく、前記デコード値算出手段で算出された後縁用のデコード値が、0であるか、または、前記所定の値より大きい値をとる場合で、前記第5のステップでの監視結果が前記前縁用のデコード値が前記一連のカウンタ値内に存在する旨を示す場合は、前記後縁用のデコード値に対応する所定の補償用の後縁用のデコード値のみを算出するステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の垂直同期再生方法。
- 前記所定の補償用の後縁用のデコード値が1であることを特徴とする請求項21に記載の垂直同期再生方法。
- 前記第6のステップは、前記第2のステップで算出された前縁用のデコード値が予め設定された所定の値より大きく、前記第2のステップで算出された後縁用のデコード値が、0であるか、または、前記所定の値より大きい値をとる場合で、前記第5のステップでの監視結果が前記前縁用のデコード値が前記一連のカウンタ値内に存在しない旨を示す場合は、前記前縁用のデコード値に対応する所定の補償用の前縁用のデコード値および前記後縁用のデコード値に対応する所定の補償用の後縁用のデコード値をそれぞれ算出するステップを含むことを特徴とする請求項17に記載の垂直同期再生方法。
- 前記所定の補償用の前縁用のデコード値と前記所定の補償用の後縁用のデコード値とが異なることを特徴とする請求項23に記載の垂直同期再生回路。
- 前記第4のステップは、
前記第2のステップで算出された前縁用のデコード値が前記カウンタ手段から出力される現在のフィールドにおける一連のカウンタ値内に存在するかどうかを監視する第5のステップと、
前記第2のステップで算出された後縁用のデコード値が前記カウンタ手段から出力される現在のフィールドにおける一連のカウンタ値内に存在するかどうかを監視する第6のステップと、
前記第5および第6のステップにおけるそれぞれの監視結果から前記第2の垂直同期信号が生成されるか否かを判断し、所定の補償用のデコード値を算出する第7のステップとを有することを特徴とする請求項15に記載の垂直同期再生方法。 - 前記第7のステップは、前記第5のステップでの監視結果が前記前縁用のデコード値が前記一連のカウンタ値内に存在しない旨を示す場合は、前記前縁用のデコード値に対応する所定の補償用の前縁用のデコード値を算出するステップを含むことを特徴とする請求項25に記載の垂直同期再生方法。
- 前記第7のステップは、前記第6のステップでの監視結果が前記後縁用のデコード値が前記一連のカウンタ値内に存在しない旨を示す場合は、前記後縁用のデコード値に対応する所定の補償用の後縁用のデコード値を算出するステップを含むことを特徴とする請求項25に記載の垂直同期再生方法。
- 前記第7のステップは、前記第5のステップでの監視結果が前記前縁用のデコード値が前記一連のカウンタ値内に存在しない旨を示し、前記第6のステップでの監視結果が前記後縁用のデコード値が前記一連のカウンタ値内に存在しない旨を示す場合は、前記前縁用のデコード値に対応する所定の補償用の前縁用のデコード値および前記後縁用のデコード値に対応する所定の補償用の後縁用のデコード値を算出するステップを含むことを特徴とする請求項25に記載の垂直同期再生方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002192136A JP3751910B2 (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | 垂直同期再生回路および垂直同期再生方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002192136A JP3751910B2 (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | 垂直同期再生回路および垂直同期再生方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004040309A JP2004040309A (ja) | 2004-02-05 |
JP3751910B2 true JP3751910B2 (ja) | 2006-03-08 |
Family
ID=31701505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002192136A Expired - Fee Related JP3751910B2 (ja) | 2002-07-01 | 2002-07-01 | 垂直同期再生回路および垂直同期再生方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3751910B2 (ja) |
-
2002
- 2002-07-01 JP JP2002192136A patent/JP3751910B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004040309A (ja) | 2004-02-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4438795B2 (ja) | 映像変換装置、映像表示装置、映像変換方法 | |
JP2005318610A (ja) | シーケンス適合同期信号生成器 | |
TW201206172A (en) | Display timing control circuit and method thereof | |
US6359654B1 (en) | Methods and systems for displaying interlaced video on non-interlaced monitors | |
US7626601B2 (en) | Video signal processing apparatus and video signal processing method | |
WO2006037121A2 (en) | Phase-tolerant pixel rendering of high-resolution analog video | |
JP5506180B2 (ja) | 映像信号処理装置 | |
JP2002359775A (ja) | テレシネ変換方法 | |
JP2007017604A (ja) | 表示パネル駆動装置および表示パネル駆動方法 | |
JP3751910B2 (ja) | 垂直同期再生回路および垂直同期再生方法 | |
US6879321B2 (en) | Display position control apparatus | |
JP3962292B2 (ja) | 液晶表示装置および液晶表示方法 | |
JP2007074439A (ja) | 映像処理装置 | |
US20110085081A1 (en) | Video horizontal synchronizer | |
JPWO2011132246A1 (ja) | 映像処理装置 | |
US7599005B2 (en) | Method for synchronizing video signals | |
US5724476A (en) | Method and apparatus for extending and reproducing compressed moving pictures | |
JP4510491B2 (ja) | ラッチおよびこれを使用した位相同期化回路 | |
JP2002112067A (ja) | 同期信号発生回路 | |
US20060187348A1 (en) | Synchronization signal generating apparatus and video signal processing apparatus | |
TWI411294B (zh) | 視訊系統及縮放器 | |
JP2003216129A (ja) | 映像表示装置 | |
JP4262063B2 (ja) | フィールド相関検出回路およびこれを使用したシネマ信号検出回路 | |
CN116405625A (zh) | 运动估计与运动补偿方法及其视频处理器 | |
JP2013070261A (ja) | 同期信号制御回路及び表示装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040422 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20040422 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20041216 |
|
RD04 | Notification of resignation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424 Effective date: 20041216 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050401 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050511 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050803 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050914 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20051028 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20051130 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20051208 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3751910 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
S533 | Written request for registration of change of name |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091216 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091216 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101216 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101216 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111216 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111216 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121216 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121216 Year of fee payment: 7 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121216 Year of fee payment: 7 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121216 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131216 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |