JP3751423B2 - 半導体素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子に係り、特に、光による光変調素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、光通信、光情報処理等の分野においては、高速の光信号処理装置が必要とされている。特に、画像情報処理技術は、宇宙や医療等の分野で各種の観測・評価手段として、その高信頼性と高精細化及び高速化が望まれている。光通信の分野における光信号の変調には、従来から半導体レーザの直接変調が用いられているが、動作周波数は10ギガヘルツ程度に停まっている。
【0003】
このため、並列処理などの技術の開発が必要である。画像情報処理技術における、空間光変調器では、液晶を用いた光信号の並列変調が行われているが、動作速度はマイクロ秒であり、動作温度、耐久性、処理速度等の点で、半導体などの固体素子の利用が望まれている。半導体量子井戸構造、超格子構造を利用する光信号処理装置は高信頼性と、高速動作が期待され、また、集積化も容易であることから、種々の素子が提案されているが、変調度、動作速度、変調可能な光強度等の点で難点がある。特に、光による光信号の変調を可能にする素子には十分なものが提案されていない。
【0004】
また、単一量子井戸構造が形成される励起子の吸収飽和現象を用いる変調素子では、光による光信号の処理が可能である。量子井戸に十分な電子を供給するために、例えば、GaAs量子井戸を用いる場合、光強度として数kW/cm2 程度での動作が可能であるが、特性波長が一つであるため、並列信号処理は不可能である。次に、励起子の仮想準位の形成、すなわち、光学的シュタルク効果を利用する変調素子は、用いる光の波長には任意性があり、テラヘルツでの動作が実証されているが、光による電界を得るために、メガワット/cm2 もの光強度が必要である。
【0005】
並列光信号処理装置として特に注目されている、電界による量子シュタルク効果を利用する素子は、SEED(Self−Electro−optic−Effect Device)と呼ばれる。この素子は、入射光によって発生する光電流が外部回路(素子内の量子井戸層とは別の領域に形成される等価的外部回路を含む)に流れることによって、外部回路に接続された抵抗に発生する電圧が量子井戸層に印加されることにより、量子井戸に誘起されるシュタルク効果を利用するものであるが、外部回路を利用するために、そのCR時定数の制限を受け、動作速度はナノ秒に停まっている。
【0006】
この素子は、通常、複数の量子井戸層を活性層に有するが、量子井戸の厚さとしては同じ厚さの多重量子井戸構造が用いられている。そのため、光による光の変調には、二つの素子を回路によって接続し、入射光に対する検知素子と信号光を変調する素子とを別々に設けなければならないという難点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の各種の光信号処理装置は、それそれ難点を有しており、技術的に満足のいくものではなかった。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決し、並の光強度でも十分な変調度が得られ、かつ、ピコ秒の領域での動作が得られ、単一の素子で複数の波長の光による光の変調を可能にする半導体素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、半導体素子において、量子化された電子と正孔のエネルギー準位の異なる複数のノンドープ量子井戸層を非対称に配置するとともに、これらのノンドープ量子井戸層の間にノンドープ障壁層を設けたノンドープ非対称多重量子井戸層と、このノンドープ非対称多重量子井戸層を挟むノンドープ混晶クラッド層とを設け、前記ノンドープ量子井戸層のエネルギー準位のうちのいずれかの量子井戸層のエネルギーに共鳴する光を入射して、前記ノンドープ量子井戸層に電子と正孔を生じさせ、電子がエネルギー準位の異なる他のノンドープ量子井戸層にトンネル効果によって移動することにより生じる内部電界によって、複数のエネルギー準位の多重共鳴を引き起こ、全てのノンドープ量子井戸層におけるエネルギー準位の変化を起こさせ、複数の光の波長における光吸収率を変化させるように構成するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
本発明の半導体素子の基本的な構造及び動作原理をGaAsとAlx Ga1-X Asよりなる非対称多重量子井戸構造を用いた素子を例として説明する。
【0012】
図1は本発明の実施例を示す非対称三重量子井戸構造を用いた光変調素子の構造模式図である。
【0013】
この図に示すように、この光変調素子は、n形GaAs基板1上に、n形GaAsバッファ層2、ノンドープAlx Ga1-X Asクラッド層3、非対称多重量子井戸層4、ノンドープAlx Ga1-X Asクラッド層5、並びにn形GaAsキャップ層6を順次堆積させた後、n形GaAs基板1の一部をリソグラフィーにより除去し、電極7、8を上下に設けた構造を有している。
【0014】
非対称多重量子井戸構造の例として、非対称三重量子井戸構造を図2に示す。
【0015】
ここで、非対称多重量子井戸層4を、厚さの異なる複数の量子井戸層4a,4c,4eとAlGaAsよりなる薄い障壁層4b,4dとから構成することが特に重要である。
【0016】
また、ノンドープAlx Ga1-X Asクラッド層3及び5は、活性層となる単位構造を他の素子から分離するためのポテンシャル障壁層で、電子と正孔が単位構造からトンネル効果によって逃げることを防ぐ目的を有するものである。
【0017】
このために、この障壁層3及び5はある程度の厚さを必要とする。例えば、図2の例では、20nm以上が必要である。4a,4c,4eは、それぞれ厚さの異なるノンドープGaAs量子井戸層であり、これらの間に、電子がトンネル効果によって、量子井戸層間を移動できるだけの厚さのノンドープAlx Ga1-X Asポテンシャル障壁層4b,4dが挿入されている。
【0018】
ここで、三つのノンドープGaAs量子井戸層4a,4c,4eの厚さが、互いに異なることが特に重である。そして、このノンドープGaAs量子井戸層4a,4c,4eの厚さは、ともに電子のドブローイ波長以下である。
【0019】
図3は本発明の実施例を示す光変調素子の基本構造部分のエネルギーバンド図である。
【0020】
それぞれのノンドープGaAs量子井戸層には、それぞれの層厚に応じた電子と正孔のエネルギー準位が形成される。図に示した例では、伝導帯EC には、ノンドープGaAs井戸層4a,4c,4eの順にエネルギーの高い準位が形成される。価電子帯EV にも同様に、それぞれのノンドープGaAs量子井戸層4a,4c,4eに、正孔のエネルギー準位が形成される。
【0021】
その結果、電子と正孔の準位を利用する光の吸収(励起子吸収)では、それぞれのノンドープGaAs量子井戸層4a,4c,4eで異なる特性波長を有することになる。励起子には、同じ量子井戸層の電子と正孔から構成される直接遷移形励起子31と、異なる量子井戸層の電子と正孔から構成される間接遷移形励起子32,33とがある。
【0022】
図4は本発明の実施例を示す光変調素子の電界を印加した場合の基本構造のエネルギーバンド図である。
【0023】
電極7,8(図1参照)に電界を印加すると容易に分かるように、図3で示した、三つの励起子31,32,33のエネルギーは変化するが、電界の大きさを調節し、伝導帯EC の三つの電子準位が一致するようにすると、量子力学的効果によって三つの準位は共鳴状態に入り、それぞれのノンドープGaAs量子井戸層4a,4c,4eのエネルギー準位の大きさの変化が強調される(エネルギー反交差現象)。
【0024】
これに伴い、伝導帯EC の電子波動関数の形も変化し、それぞれのノンドープGaAs量子井戸層4a,4c,4eに局在していた波動関数の振幅が隣の量子井戸層にまで侵入し、非局在状態になる。このような、エネルギー反交差現象と波動関数の変化の相乗効果によって、それぞれのノンドープGaAs量子井戸層4a,4c,4eに固有の光吸収スペクトルが変化する。特に、励起子31,32,33で示したような励起子の吸収ピーク波長と、その吸収強度(光学的振動子強度)が変化する。
【0025】
図5は本発明の実施例を示す光変調素子の吸収率の極大を示す励起子エネルギーに対応する光の波長とその波長における光吸収係数の大きさを示す振動子強度の値が、外部電界によってどのように変化するかを示す図である。つまり、図5(a)は非対称三重量子井戸構造の三重反交差現象により得られる励起子波長エネルギーの電界による変化を示し、図5(b)は非対称三重量子井戸構造の三重反交差現象により得られる励起子吸収の吸収強度の電界による変化を示している。
【0026】
これらの図で、励起子31,32,33について例示したように、ある特定の電界によって三重反交差現象が得られ、この近傍で、極めて大きな特性波長の変化が実現されることが分かる。量子力学的効果である反交差現象が起こらない場合は、図5(a)において、細い実線で示したように励起子31の特性波長は、電界によって変化しないが、量子力学的効果によってお互いのエネルギー準位が反発し、太い実線で示したように直接遷移形励起子31の特性波長が変化することが重要である。
【0027】
同様なことが他の量子井戸層の直接遷移形励起子についても同時に起こる。外部電界によってエネルギー準位が変化する効果は、量子閉じ込めシュタルク効果と呼ばれ、古くから知られているが、多重量子井戸構造における反交差現象も、シュタルク効果を上回るエネルギー準位の変化が得られる量子効果としてから広く知られた事実で、三重量子井戸構造では、既に、学術論文として公表されている〔セミコンダクター・サイエンス・アンド・テクノロジー Semiconductor Science and Technology vol.8(1993)p.1881参照〕。
【0028】
本発明に係る半導体素子は、外部電界によって得られる三重反交差現象を、特定の量子井戸に共鳴する光を入射することによって実現し、励起子の吸収ピーク波長の変化を光変調器の原理として利用するものである。
【0029】
一般的な三重反交差現象は、厚さが同じ複数の量子井戸層からなる多重量子井戸構造によっても起こるが、光によってこの現象を引き起こすためには、異なる厚さを有する複数の量子井戸層からなる非対称多重量子井戸構造としなければならない。その原理を以下に説明する。
【0030】
図6は本発明の実施例を示す光変調素子の基本構造に光が入射した場合に発生する電子と正孔の移動を示す図である。つまり、図3に示したノンドープGaAs量子井戸層4aに共鳴する波長の光を照射した場合を示している。
【0031】
この図に示すように、光照射によって、ノンドープGaAs量子井戸層4aには電子62と正孔60が生成されるが、電子62はトンネル効果によって容易に隣のノンドープGaAs量子井戸層4cおよび4eに遷移する。しかし、正孔60はその有効質量が大きいため、トンネル確率は極端に小さく、ノンドープGaAs量子井戸層4aに停まる。
【0032】
その結果、非対称量子井戸構造内に電子63,64と正孔60の空間的分離が起こり、内部電界が発生する。活性層は全てノンドープであり、電気抵抗は高いため、電界は比較的容易に非対称多重量子井戸構造全体に行き渡る。その結果、図5で示したものと同様の三重反交差現象が誘起され、全ての量子井戸層における光吸収の特性波長と光吸収係数が変化する。
【0033】
このようにして、外部から電界を印加することなく、図7に示すように、特定の量子井戸層に特有の波長λ1 の光71を照射することによって、素子に外部電界を印加した場合と同様の効果を誘起させ、複数の波長λ2 ,λ3 を有する光72, 73における光吸収係数を変化させることができる。
【0034】
本発明による半導体素子で得られる光による光の変調を行う場合の変調度について説明する。
【0035】
図5に示したように、制御光としての入射光の波長を一定とし、電界が印加されないときの特定の励起子エネルギーと一致させておけば、光吸収の効率は良く、反交差現象を起こすのに必要な光パワーは、簡単な計算によって、数kW/cm2 程度であることが示される。反交差現象が起こると、信号光として選ばれた、他の波長の光の吸収係数も全ての量子井戸層における励起子エネルギーの変化によって大きく変化する。
【0036】
吸収係数の変化は、原理的に励起子ピークのぼけの大きさと、反交差現象によって得られるエネルギーシフト量との関係で決まるが、前者が後者より小さければ、原理的に吸収係数は、100%の変調が可能である(現実的には、他の吸収プロセス等のため80〜90%となる)。
【0037】
次に、本発明の実施例を示す半導体素子の動作速度について述べる。
【0038】
この半導体素子の動作速度は、素子に電界を印加し、反交差現象を生起させる時間で制限される。制御光入射後の電子と正孔が生成される時間は、不確定性原理で決まる値であり、通常は無視できる。従って、素子の応答速度は電子がトンネル効果で隣接する量子井戸層に遷移する時間で決まる。
【0039】
量子井戸構造におけるトンネル遷移時間の値は設計によるが、図3に示した例では、10〜100ピコ秒が達成される。障壁層が薄い場合には数ピコ秒が実現されている例もある。従って、液晶で実現されている光による光の変調に比べて5桁以上の改善が可能である。他方、類似の動作を期待しているSEED素子では、外部回路を流れる光電流による帰還作用を用いるため、回路のCR時定数の制限によって、数ナノ秒に停まり、2〜3桁の改善が見込まれる。
【0040】
また、動作そのものに寄与する電子の動きは非対称多重量子井戸構造から外には無関係であり、高い効率が得られるという利点がある。
【0041】
次に、図1に示した本発明の実施例を示す半導体素子の電極の効用について述べる。
【0042】
以下、本素子を各種のシステムに応用する場合、光による光の変調の効率、動作点などを制御する必要が生じる場合がある。電極7及び8を用いて、素子の単位構造にバイアス電界を印加しておけば、素子の動作点を変化させることができる。すなわち、本基本構造を平面上に並べ、平面光変調器として用いる場合には、それぞれの基本構造の動作点を制御することによって、処理すべき画像の形態に応じた制御システムを形成することができる。
【0043】
本素子の実施上の留意点を動作原理に基づいて述べる。
【0044】
(1)制御しようとする光の波長域は、量子井戸層に用いる材料によって決まる。例えば、GaAsの場合には、エネルギーバンドギャップが約1.4eVであり、波長としては、量子井戸層の厚さによるが、800nm〜900nmの帯域がカバーできる(ガラスファイバー適用波長域)。量子井戸層としてInX Ga1-X Asy 1-y を用いると、1.1〜1.5μmの帯域(石英ファイバー適用波長域)が、InX Ga1-X Pを用いると、630〜700nmの帯域(プラスティックファイバー適用波長域)がカバーできる。
【0045】
(2)一つの素子で制御可能な波長の数(チャネル数)は、基本的には単位構造としての非対称多重量子井戸構造を形成する量子井戸層の数によって決まる励起子の数によって決まる。例えば、三重量子井戸構造では三つの電子準位と、三つの正孔準位を用いることが可能で、3×3=9チャネルの特性波長制御が可能である。
【0046】
しかし、間接遷移形励起子の吸収ピークは急峻ではない(ぼけが大きい)ことが多く、急峻なピークを有する直接遷移形励起子を利用するのが好ましく、三重量子井戸構造では三つの波長を制御すると考えられるのが現実的である。
【0047】
(3)上記実施例では、GaAs量子井戸層を有する基本構造の基板としてGaAsを用いる例を示したが、本基本構造を空間光変調器に応用する場合には、基板あるいはバッファ層、並びにキャップ層の材料として、活性層よりエネルギーバンドギャップの大きなものを用いる方が良いことは言うまでもない。これらの層での光吸収が無視できないからである。例えば、これらの層にInPを用い、活性層の量子井戸層としてInX Ga1-X Asy 1-y を用いると、このような弊害を取り除くことができる。
【0048】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0049】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0050】
(A)量子井戸層に印加される電界として、制御光の吸収によって生成された電子がトンネル効果によって隣の量子井戸に遷移することによって誘起される内部電界を利用しているので、光に対する応答が極めて高速になる。
【0051】
(B)厚さの異なる複数の量子井戸層を積層する構造とすることによって、複数の特性吸収ピークを有する。よって、本素子は、単一の光によって複数の波長の光の吸収率を同時に制御することが可能な多波長変調素子として利用することができる。
【0052】
(C)本発明による基本構造は、光の波長程度の大きさの微細素子とすることが可能で、基本構造を平面上に並べることによって、高精細な空間光変調器を構成することができる等、工業上多大な利益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す非対称三重量子井戸構造を用いた光変調素子の構造模式図である。
【図2】 本発明の実施例を示す光変調素子の非対称三重量子井戸構造部分の拡大図である。
【図3】 本発明の実施例を示す光変調素子の基本構造部分のエネルギーバンド図である。
【図4】 本発明の実施例を示す光変調素子の電界を印加した場合の基本構造のエネルギーバンド図である。
【図5】 本発明の実施例の光変調素子の吸収率の極大を示す励起子エネルギーに対応する光の波長とその波長における光吸収係数の大きさを示す振動子強度の値が外部電界によってどのように変化するかを示す図である。
【図6】 本発明の実施例の光変調素子の基本構造に光が入射した場合に発生する電子と正孔の移動を示す図である。
【図7】 本発明の実施例を示す基本構造を用いた光変調素子の動作模式図である。
【符号の説明】
1 n形GaAs基板
2 n形GaAsバッファ層
3,5 ノンドープAlx Ga1-X Asクラッド層
4 非対称多重量子井戸層
4a,4c,4e それぞれ厚さの異なるノンドープGaAs量子井戸層
4b,4d ノンドープAlx Ga1-X Asポテンシャル障壁層
6 n形GaAsキャップ層
7,8 電極
31,32,33 励起子
60 正孔
62,63,64 電子
71,72,73 光

Claims (8)

  1. 量子化された電子と正孔のエネルギー準位の異なる複数のノンドープ量子井戸層を非対称に配置するとともに、ノンドープ量子井戸層の間にノンドープ障壁層を設けたノンドープ非対称多重量子井戸層と、該ノンドープ非対称多重量子井戸層を挟むノンドープ混晶クラッド層とを設け、前記ノンドープ量子井戸層のエネルギー準位のうちのいずれかの量子井戸層のエネルギーに共鳴する光を入射して、前記ノンドープ量子井戸層に電子と正孔を生じさせ、電子がエネルギー準位の異なる他のノンドープ量子井戸層にトンネル効果によって移動することにより生じる内部電界によって、複数のエネルギー準位の多重共鳴を引き起こし、全てのノンドープ量子井戸層におけるエネルギー準位の変化を起こさせ、複数の光の波長における光吸収率を変化させるように構成したことを特徴とする半導体素子。
  2. 前記複数のノンドープ量子井戸層の電子のエネルギー準位が、外部から電界を印加することによって同時に共鳴を起こすように構成された請求項1記載の半導体素子。
  3. 前記ノンドープ障壁層の層厚を、電子がトンネル効果により遷移し得る厚さとした請求項1又は2記載の半導体素子。
  4. 前記ノンドープ量子井戸層がGaAsからなり、前記ノンドープ障壁層が、AlX Ga1-X As(但し0<x≦1)からなる請求項1、2又は3記載の半導体素子。
  5. 前記ノンドープ量子井戸層がInx Ga1-x Asy 1-y (但し0<x<1,0<y≦1)からなり、前記ノンドープ障壁層がInPからなる請求項1、2又は3記載の半導体素子。
  6. 前記ノンドープ量子井戸層がInX Ga1-x P(但し0<x<1)からなり、前記ノンドープ障壁層がAlx Ga1-x Iny 1-y (但し0<x<1,0<y<1)からなる請求項1、2又は3記載の半導体素子。
  7. 複数の光吸収帯を有する請求項1乃至6のうち何れか1項記載の半導体素子。
  8. 前記複数のノンドープ量子井戸層を挟んで相対向する電極を設け、該電極を外部電源に接続し、前記電極により前記複数のノンドープ量子井戸層に電界を印加することを可能にする請求項1乃至7のうち何れか1項記載の半導体素子。
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