JP3750268B2 - 放電加工用工具電極の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電加工用工具電極の製造方法に関し、特に段付き形状を有する放電加工用工具電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、加工技術に対する複雑化・微小化の要請の高まりの中、そのようなニーズに生産性を高く維持しながら適切に応え得る放電加工用工具電極の新規な製造方法やその電極を用いた加工方法が切望された状態にある。
【0003】
従来において、放電加工に使用される段付き形状の工具電極としては、特開昭53−97698号公報に開示されたものが公知である。
【0004】
図4に、その工具電極の構成を示す。
図4においては、グラファイト製の粗加工用工具電極101に、銅製の仕上加工用工具電極102が、導電性の接着剤を用いて固着されたいわゆる複合工具電極が形成され、この電極は2段の段付き形状である。
【0005】
そして、微小穴の放電加工に使用される円筒状の段付き形状工具電極としては、特開昭60−141435号公報に開示されたものが公知である。
【0006】
図5は、その工具電極の構成を示す。
図5においては、タングステン製の円筒型の工具電極103に、段103aを形成した一体型の工具電極が形成され、この電極も2段の段付き形状である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図4に示される放電加工用の工具電極は、放電加工の工具電極の送り方向に、同じ断面形状でわずかに大きさの違う2つの工具電極を1つずつ加工した後に接着して、1つの複合工具電極とするものであり、その製作には複雑かつ高精度な加工や組立が必要になる。
【0008】
しかも、断面形状が複雑になったり、微小になればなるほど、その度合いは増大するため、きわめて生産性の低いものであるといわざるを得ない。
【0009】
また、図5に示される放電加工用の工具電極は、一体型の構造になってはいるが、断面形状が円に限定されている。
【0010】
この場合、例えば旋盤加工や放電加工によって製作が可能と考えられるが、断面形状が複雑になった場合には、これらの一般的な加工では製作が困難になり、微小になればほとんど作製は不可能に近くなる。
【0011】
理論的には、わずかに型彫りや創成型の放電加工によって製作が可能とも考えられるが、その場合でもやはり生産性の低い方法であるといわざるを得ない。
【0012】
つまり、加工技術の複雑化・微小化を求めるニーズに対して、生産性を高く維持しながら適切に応え得る放電加工用工具電極の新規な製造方法やその電極を用いた加工方法は、全く実現されていない状況にある。
【0013】
本発明は、その断面形状が複雑かつ微小であったとしても、簡便かつ高精度に工具電極を製作でき、トータルとしてみて生産性の高い高精度の放電加工が行い得る放電加工用工具電極の製造方法を実現することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、放電加工に用いる工具電極を作製するための工具電極部材を形成する工具電極部材形成工程と、前記工具電極部材を加工して前記工具電極を形成する工具電極形成工程と、を有する放電加工用工具電極の製造方法であって、前記工具電極部材形成工程は、基板を用意する工程と、前記基板上にレジストを配置する工程と、前記レジスト上に所定の微細パターンを有するマスクを配置する工程と、前記所定の微細パターンを転写したレジストをエッチングして第1の複数の微細構造部を得るリソグラフィ工程と、前記リソグラフィ工程で得た前記第1の複数の微細構造部を含む前記基板に対してメッキ処理をするメッキ処理工程と、前記メッキ処理工程でメッキ処理された前記第1の複数の微細構造部を含む前記基板から前記第1の複数の微細構造部を除去して第2の複数の微細構造部を形成することで、前記第2の複数の微細構造部における各々の微細構造の軸方向に延在し前記軸方向について切った断面形状が所定の形状である前記工具電極部材を得る形成工程と、を有し、前記工具電極形成工程は、前記形成工程で得られた前記工具電極部材を用意する工程と、前記工具電極部材である前記第2の複数の微細構造部に対して、前記軸方向の所定範囲内で前記断面形状が前記軸方向と垂直な方向で略均等に小さくなるように腐食加工または食刻加工を行うことで前記工具電極を得る加工工程と、を有する放電加工用工具電極の製造方法である。
【0015】
このような構成により、その断面形状が複雑かつ微小であったとしても、簡便かつ高精度に工具電極を製作でき、トータルとしてみて生産性の高い高精度の放電加工が行い得る放電加工用工具電極の製造方法を実現する。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は、軸方向に延在し前記軸方向について切った断面形状が所定の断面形状である工具電極部材を用意する工程と、前記工具電極部材に対してその軸方向の所定範囲内で前記断面形状が前記軸方向と垂直な方向で略均等に小さくなるように腐食加工または食刻加工を行い前記工具電極部材を加工する加工工程とを有する放電加工用工具電極の製造方法である。
【0018】
これにより、軸方向で段付き形状を有する高精度の放電加工用工具電極が、簡便に得られる。
【0019】
ここで、加工工程は、前記工具電極部材の前記断面形状が前記軸方向と垂直な方向で略均等に小さくなる程度が異なる複数の加工工程を含むものであってもよい。
【0020】
これにより、軸方向で複数の段付き形状を有する高精度の放電加工用工具電極が、得られる。
【0021】
また、加工工程は、電気化学的腐食加工工程を採り得、より具体的には、電気化学的腐食加工工程は電解加工工程であり、前記電解加工工程は、電解液を用意する工程と、前記工具電極部材と前記電解液との間に電圧を印加しながら前記工具電極部材を前記電解液に対して浸漬する浸漬工程と、前記工具電極部材と前記電解液との間の電流を検出する電流検出工程と、前記電流検出工程で所定の電流が検出されたときに対応して初期位置を設定する初期位置設定工程とを有し、前記工具電極部材は、前記初期位置設定工程で設定された初期位置から所望の距離だけ前記電解液に浸漬される構成であってもよい。
【0022】
これにより、高い精度の範囲内で段付き形状を有する放電加工用工具電極が、得られる。
【0023】
また、更に、工具電極部材を電解液中で回転させる工程を有するものであってもよく、更に、浴電圧を変化させる工程を有するものであってもよい。
【0024】
これにより、加工面の表面粗さを適宜変化すべく制御することができる。
また、加工工程は、化学的腐食加工工程や、ドライエッチング工程であってもよく、同様の段付き形状を有する放電加工用工具電極が、得られる。
【0025】
一方、工具電極部材は、基板を用意する工程と、前記基板上にレジストを配置する工程と、前記レジスト上に所定の微細パターンを有するマスクを配置する工程と、前記所定の微細パターンを転写したレジストをエッチングして第1の複数の微細構造部を得るリソグラフィ工程と、前記リソグラフィ工程で得た前記第1の複数の微細構造部を含む前記基板に対してメッキ処理をするメッキ処理工程と、前記メッキ処理工程でメッキ処理された前記第1の複数の微細構造部を含む前記基板から前記第1の複数の微細構造部を除去して第2の複数の微細構造部を形成する形成工程とを有する工具電極部材形成工程により複数形成されるものであってもよい。
【0026】
これにより、導電性の高い材料で高いアスペクト比の工具電極部材が一度に複数形成され、それを用いて段付き形状を有する放電加工用工具電極が、非常に効率よく得られる。
【0027】
また、工具電極部材形成工程は、更に、第2の複数の微細構造部を基板から分離する工程を有するものであってもよく、このように分離すれば、分離された工具電極部材を各々独立の加工電極として用い得、分離しない場合は、これらを一体とした加工電極として用いることができる。
【0028】
ここで、リソグラフィ工程の光源は、X線光源が使用され得るもので、このような短波長光源を用いることにより、高いアスペクト比の工具電極部材が、確実に複数形成され得る。
【0029】
また、工具電極部材は、ワイヤ放電加工により形成されてもよく、たとえ断面形状が複雑であっても、確実に工具電極部材を形成し得る。
【0030】
また、本発明は、上記のいずれかに記載の放電加工用工具電極の製造方法により得られた工具電極を用いて放電加工により加工対象物を加工する放電加工方法であって、前記工具電極の断面形状が相対的に小さい部分と相対的に大きな部分とを順次前記加工対象物に接近させて前記加工対象物を加工する放電加工方法である。
【0031】
これにより、簡便かつ高精度であって生産性の高い放電加工が行い得る。
ここで、より具体的には、工具電極の面粗さが粗い部分を粗加工に用いるものであり、確実に、簡便かつ高精度であって生産性の高い放電加工が行い得る。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図3を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、電解加工を利用した本発明の実施の形態1における放電加工用工具電極の製造方法の説明図である。
【0033】
図1において、1は工具電極部材、2は加工漕で電解液である加工液2aを収容している。
【0034】
本実施の形態では、工具電極部材1は、公知のワイヤ放電加工によって製作したタングステン製のものを用い、加工液2aの電解液は、0.02〜2.0Nの苛性ソーダ浴とした。
【0035】
また、3は工具電極部材1の位置決め機構であり、工具電極部材1を加工液2aに浸漬すべくその軸方向に所定の速度で移動可能であり、4は工具電極部材1と加工液2aとの間に浴電圧となる電圧を印加可能な電源である。
【0036】
そして、5は、電源4により工具電極部材1と加工液2aとの間に印加された電圧に対応して流れる電流を検出する電流計である。
【0037】
ここで、工具電極部材1と加工液2aとの間に電圧を印加すべく、加工液2a中に銅製の陰極6が配置されており、工具電極部材1は、陽極として機能する。
【0038】
以上の構成において、本実施の形態では、浴電圧6〜8V,22〜24A/dm2とすることによって、1〜2分間で良好な電解加工を行い得る設定とした。
【0039】
このような構成において、本実施の形態における放電加工用工具電極は、以下のように形成される。
【0040】
まず図1(a)において、工具電極部材1を加工液2aに対して位置させた後、位置決め機構3により工具電極部材1の軸方向に工具電極部材1を加工液2aに向かって移動していく。
【0041】
ここで、工具電極部材1と陰極6との間に、電源4により、電圧を印加しておくが、雰囲気は絶縁体であるから電流自体は流れないため、電流計5の電流値はゼロを表示している。
【0042】
ついで、工具電極部材1が加工液2aに接触した瞬間に、工具電極部材1と陰極6との間に電流が流れ始め、電流計5には所定の電流値が表示され、これ以降工具電極部材1の表面で、電解加工がなされていくことになる。
【0043】
本実施の形態では、この電流が検出された瞬間を初期位置に設定した。もちろん、検出の安定性等を考慮して、電流が検出され所定期間経過した位置を初期位置に設定してもよい。
【0044】
そして、図1(b)に示すように、位置決め機構3を動作させ、この初期位置から所望の範囲だけ工具電極部材1の表面が加工されるように、所定距離ほど工具電極部材1を加工液2a中に進入させていき、点線で示す所望の加工表面1aを形成すべく電解加工を行う。
【0045】
このように、所望の加工表面1aが形成されたならば、直ちに電源4をオフにして、位置決め機構3を動作させて加工液2a中から工具電極部材1を引き上げて、加工は終了する。
【0046】
さて、引き上げた工具電極部材1の表面1aは、点線で示すように一様に除去されており、この結果、電解加工の終了した工具電極部材1は、図2に示すような、上半分はもとのままの形状である上部加工部1bと、下半分は断面が小さくなった下部加工部1cとを有することになるが、その断面形状は相似形で維持され、そして、上部加工部1bと下部加工部1cとの間には、段付き部1dが形成された。
【0047】
次に、このように作製された工具電極部材1を加工電極10に用いて放電加工を行った。
【0048】
具体的には、加工電極10の長手方向(軸方向)、つまり図2のZ方向に、加工電極10を不図示の加工対象物に対して送りながら放電加工を行う。
【0049】
つまり、まず、小さい方の加工部1cで「粗加工」を行い、続いて、本来の加工部1bでより精度の高い「仕上げ加工」を行うことになる。
【0050】
このとき、加工部1cの表面は、加工部1bの表面よりも、電解加工によってやや表面粗さが劣化しているが、「粗加工」を行うのが目的であるため、実用上全く問題はなかった。
【0051】
以上の構成で、工具電極部材1は、その長手方向(軸方向)に、同一な断面形状を有するものを代表的に用いたが、もちろん所望の断面形状のものを加工の態様にあわせて用いることが可能である。
【0052】
また、段付き形状も、1カ所のみ設けるのではなく、本実施の形態と同様の方法を範囲と加工時間等を変えて繰り返すことにより、2カ所以上の段付き形状を形成することももちろん可能であり、求められる加工の態様により、浴電圧や電解液の組成等を制御することにより各電解加工条件を制御し、各加工部の表面粗さを段階的に良好にすべく変化させてもよい。この場合は、「粗加工」を複数回繰り返せるため、最終的な「仕上げ加工」により精度の高い加工に仕上げることが可能となる。
【0053】
また、工具電極部材1を、電解液2a内で回転できるように位置決め機構3を構成しておいてもよく、加工部の表面粗さの均一化等の制御が可能である。
【0054】
もちろん、同一の断面形状について表面粗さを変化させるべく、電解加工条件や工具電極部材の回転を行ってもよい。
【0055】
また、以上では、電気化学的な腐食加工としての電解加工を代表例として説明したが、化学的な腐食加工によっても同様に実施可能である。
【0056】
この場合には、例えば、工具電極部材1が銅製の場合、研磨液を温度60〜65℃の5%硫酸浴とすることによって、数分間で良好なその加工が可能であり、電解加工で得られた加工電極と同様の放電加工が可能であった。
【0057】
また、さらに、ドライエッチング等の食刻加工によっても同様に、工具電極部材1の加工は可能である。
【0058】
この場合には、例えば、工具電極部材1の下半分をレジストで覆った状態でエッチング加工を施し、上半分の表面を一様にエッチングで除去すればよい。但し、この場合には、以上の例と異なり、上半分が「粗加工」、下半分が「仕上げ加工」ようの加工部となる。
【0059】
(実施の形態2)
本実施の形態では、工具電極部材を、一般的なワイヤ放電加工ではなく、半導体デバイス等の製造方法として用いられ得るリソグラフィを応用し加工して製作するものである。
【0060】
図3は、工具電極部材を、リソグラフィを応用して製作する行程を順次示している。
【0061】
図3において、11は導電性の基板、12はPMMA製レジスト、13はマスク、14aは第1の微細構造体、及び14bは第2の微細構造体である。
【0062】
まず、図3(a)に示されるように、基板11上にレジスト12を所要の厚さに塗布し、その上に必要な工具電極部材の軸方向の断面形状に対応した所定の微細パターンを有するマスク13を配置する。
【0063】
ついで、このマスク13に対して不図示のX線源からX線を照射し、マスク13の微細パターンを、X線リソグラフィによって、レジスト12に露光部12aを形成して転写した。
【0064】
ここで、本実施の形態で用いたX線は、直進性、透過性ともに通常の白色光等の露光光源に対して非常に優れるので、数百μm程度の厚いレジストに対してもサブミクロンの精度での露光が可能である。
【0065】
ついで、図3(b)に示すように、レジスト12の露光部12aを現像処理した後、未露光部をエッチングにより溶解除去して、微細パターンを断面形状とするレジスト構造体である第1の微細構造体14aを形成する。
【0066】
この第1の微細構造体14aは、きわめてアスペクト比の高い高精度な微細構造体である。
【0067】
ついで、図3(c)に示すように、基板11を電極として、基板11上に銅メッキを行った後、第1の微細構造体14aを形成するレジストを溶解して基板11と分離し、結果として側面の平滑性に優れかつアスペクト比の高い銅製の第2の微細構造体14bを得た。
【0068】
ついで、図3(d)に示すように、この微細構造体14bと基板11とを切断して、多量の工具電極部材を得た。
【0069】
このようにして得られた工具電極部材は、側面の平滑性に優れた高アスペクト比を有するものである。
【0070】
そして、この工具電極部材に対して段付き形状の加工電極として用いるべく加工を施すのは、実施の形態で説明した腐食加工や食刻加工を適用すればよい。
【0071】
この場合、あえて基板11から分離せず、複数の工具電極部材が一体となった態様で、段付き加工を施し、そのまま分離せず加工電極として用いてもよい。
【0072】
なお、本実施の形態では、高アスペクト比の微細構造体を得る手段として、X線光源を用いたいわゆるLIGA(Lithographie Galvanoforming Abformung)プロセスを適用して説明したが、その他のプロセス、例えば同様にLIGA手法を用いるが、露光源を紫外線とするプロセスあるいは、RIEなどのドライエッチングによる深溝レジスト加工とメッキ処理によるプロセスによっても、同様に微細構造体が実現可能である。
【0073】
また、以上の全本実施の形態において例示した材料等の諸条件は、あくまで本発明を限定するものではなく、代表例として用いたに過ぎないことはいうまでもない。
【0074】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、軸方向で任意の個数の段付き形状を有する高精度の放電加工用工具電極が、場合によっては一度に大量に得られ、このような工具電極を用いることによって、簡便かつ高精度であって生産性の高い放電加工が行い得るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の放電加工用工具電極の製造方法を示す説明図
【図2】同工具電極の構成及び加工の様子を示す説明図
【図3】本発明の実施の形態2の放電加工用工具電極となる部材の製造方法を示す説明図
【図4】従来の放電加工用工具電極の構成図
【図5】同他の電加工用工具電極の構成図
【符号の説明】
1 工具電極部材
2 加工漕
2a 電解液
4 電源
3 位置決め機構
5 電流計
6 陰極
10 加工電極
11 基板
12 レジスト
13 マスク
14a 第1の微細構造体
14b 第2の微細構造体
Claims (9)
- 放電加工に用いる工具電極を作製するための工具電極部材を形成する工具電極部材形成工程と、前記工具電極部材を加工して前記工具電極を形成する工具電極形成工程と、を有する放電加工用工具電極の製造方法であって、
前記工具電極部材形成工程は、
基板を用意する工程と、
前記基板上にレジストを配置する工程と、
前記レジスト上に所定の微細パターンを有するマスクを配置する工程と、
前記所定の微細パターンを転写したレジストをエッチングして第1の複数の微細構造部を得るリソグラフィ工程と、
前記リソグラフィ工程で得た前記第1の複数の微細構造部を含む前記基板に対してメッキ処理をするメッキ処理工程と、
前記メッキ処理工程でメッキ処理された前記第1の複数の微細構造部を含む前記基板から前記第1の複数の微細構造部を除去して第2の複数の微細構造部を形成することで、前記第2の複数の微細構造部における各々の微細構造の軸方向に延在し前記軸方向について切った断面形状が所定の形状である前記工具電極部材を得る形成工程と、を有し、
前記工具電極形成工程は、
前記形成工程で得られた前記工具電極部材を用意する工程と、
前記工具電極部材である前記第2の複数の微細構造部に対して、前記軸方向の所定範囲内で前記断面形状が前記軸方向と垂直な方向で略均等に小さくなるように腐食加工または食刻加工を行うことで前記工具電極を得る加工工程と、
を有する放電加工用工具電極の製造方法。 - 前記工具電極部材形成工程は、更に、
前記形成工程で形成された前記第2の複数の微細構造部を基板から分離する工程と、
を有する請求項1記載の放電加工用工具電極の製造方法。 - 前記リソグラフィ工程は、リソグラフィの光源がX線光源である請求項1記載の放電加工用工具電極の製造方法。
- 前記加工工程は、前記工具電極部材の前記断面形状が前記軸方向と垂直な方向で略均等に小さくなる程度が異なる複数の加工工程を含む
請求項1記載の放電加工用工具電極の製造方法。 - 前記加工工程は、電気化学的腐食加工工程である請求項1または4記載の放電加工用工具電極の製造方法。
- 前記加工工程は、電気化学的腐食加工を行う電解加工工程であり、
前記電解加工工程は、
電解液を用意する工程と、
前記工具電極部材と前記電解液との間に電圧を印加しながら前記工具電極部材を前記電解液に対して浸漬する浸漬工程と、
前記工具電極部材と前記電解液との間の電流を検出する電流検出工程と、
前記電流検出工程で所定の電流が検出されたときに対応して初期位置を設定する初期位置設定工程と、を有し、
前記工具電極部材は、
前記初期位置設定工程で設定された初期位置から所望の距離だけ前記電解液に浸漬される請求項5記載の放電加工用工具電極の製造方法。 - 更に、前記工具電極部材を前記電解液中で回転させる工程を有する請求項6記載の放電加工用工具電極の製造方法。
- 更に、前記電圧を変化させる工程を有する請求項6記載の放電加工用工具電極の製造方法。
- 前記加工工程は、化学的腐食加工工程またはドライエッチング工程である請求項1または4記載の放電加工用工具電極の製造方法。
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