JP3750168B2 - 歩行屈伸動作補助装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高齢者やリハビリテーションを必要とする下肢の衰えた利用者の立ち上がる動作や座る動作(屈伸動作)及び歩行動作の補助装置に係り、特に歩行動作を補助するのに好適な歩行屈伸動作補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の歩行屈伸動作補助装置においては、公知例1として特開平4−71554号公報に記載の電動歩行機のように4輪車輪移動機構により構成し、前2輪(前輪が2輪)もしくは後2輪(後輪が2輪)を電動駆動とし、後2輪もしくは前2輪を自在車輪(キャスタ)とし、電動駆動部と駆動輪とは使用者の指示に基づき連結及び分離が可能なものが知られている。
また、公知例2として特開平5−7609号公報に記載の電動歩行機のように、公知例1をベ−スとして、歩行機が障害物に衝突する場合に、電動駆動部と駆動輪が分離されかつストッパが車輪に当接し車輪の回転を停止し、動作を停止できる構成のものが知られている。
また、公知例3として実開平7−31023号公報のように、立ち上がり動作や座る動作(屈伸動作)と歩行動作を補助する装置であって、手動で任意の方向へ動ける4輪キャスタの車輪移動機構が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の歩行動作補助装置あっては、装置を電動でも手動でも動かすことができる構造であるが、屋内外でしばしばみられる段差を低衝撃で乗り越えることはできない(公知例1)。そして、障害物に衝突すると動作を停止する構成となっているため、屋内外でしばしばみられる段差を低衝撃で乗り越えることはできない(公知例2)。また、4輪キャスタであるため、屋内外でしばしばみられる段差を低衝撃でかつ小さい手押し力で乗り越えることはできない(公知例3)等の問題点がある。
【0004】
本発明の目的は、屋内外でしばしばみられる段差を、自動車等で用いられているサスペンションのような複雑な機構を用いることなく、低衝撃でかつ小さい手押し力で乗り越えることのできる歩行屈伸動作補助装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明に係る歩行屈伸動作補助装置は、使用者を支持する支持部と、該支持部を駆動し前記使用者の屈伸動作を補助する屈伸動作補助部と、段差を乗り越える動作を補助する歩行動作補助部とを備えた歩行屈伸動作補助装置において、前記歩行動作補助部を、前2輪と後2輪と中間2輪とよりなる6輪車輪移動機構で形成し、前記前2輪及び前記後2輪をキャスタで形成するとともに前記中間2輪を固定車輪で形成し、前記中間2輪の下面を、前記前2輪及び前記後2輪の下面に接する共通接平面より下方に所定のオフセット量で位置させるものとし、前記オフセット量は、前記段差に対する前記前2輪の当接量と、前記段差に対する前記中間2輪の当接量とを同等に近づけて設定されることを特徴とする。
【0006】
また、オフセット量については、段差に対する前2輪の当接量に基づき算出される手押し力と、段差に対する中間2輪の当接量に基づき算出される手押し力とを同等に近づけて設定できる。
【0009】
そして乗り越える段差が20mmに対し、前2輪の径が150mmでかつ中間2輪の径が200mmの際、オフセット量は、2〜4mmである構成でもよい。
【0010】
また、本発明によれば、中間2輪の下面は、前2輪及び後2輪の下面を結ぶ共通接平面より所定のオフセット量下方に位置するため、段差にさしかかると、図6に示すように本体の重心を後ろに傾け、前輪を浮かせてそれに作用する床反力を零に低減し、段差に到達し、車輪の乗り越える高さが段差の高さと比較して小さいため小さい手押し力で乗り越えられる。また、中間輪が段差にさしかかった際は、図10に示すように段差を乗り越えた前輪と後方にある後輪とが接地し、中間輪は、段差と当接するが、車輪の乗り越える高さが段差の高さと比較して小さいため小さい手押し力で乗り越えられる。さらに、後輪が段差にさしかかった際は、図14に示すように本体の重心を前に傾け、後輪を浮かせてそれに作用する床反力を零に低減し、段差を乗り越えられる。また段差降り動作の場合も同様に低衝撃で段差を乗り越えられる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1〜図5を参照しながら説明する。図1〜図5に示すように、使用者Uを支持する体幹支持具10等の支持部と、支持部を駆動し使用者Uの屈伸動作を補助する直動軸7a,7b等の屈伸動作補助部と、使用者Uの歩行動作を補助する歩行動作補助部とを備えた歩行屈伸動作補助装置であって、歩行動作補助部を、前2輪4a,4bと後2輪6a,6bと中間2輪5a,5bとよりなる6輪車輪移動機構で形成し、前2輪4a,4b及び後2輪6a,6bをキャスタで形成するとともに中間2輪5a,5bを固定車輪で形成し、中間2輪5a,5bの下面を、前2輪4a,4b及び後2輪6a,6bの下面に接する共通接平面より下方に所定のオフセット量で位置させる構成とする。
【0012】
すなわち歩行屈伸動作補助装置1は、左胴体部2a及び右胴体部2bをもつ双胴の構造であり、左胴体部2a及び右胴体部2bはその上部を上部材2cで連結されている。各胴体部2a,2bの前部からはそれぞれ前脚3a,3bが前方に突出し、それら前脚3a,3bの先にはキャスタのように上下方向に回転軸を持つ回転可能な前輪(前2輪)4a,4bがそれぞれ設けられている。また、各胴体部2a,2bの下方には、水平方向に回転軸を持つ回転可能な中間輪(中間2輪)5a,5bがそれぞれ設けられている。また、各胴体部2a,2bの後方には、先端にキャスタのように上下方向に回転軸を持つ回転可能な後輪(後2輪)6a,6bがそれぞれ設けられている。各車輪の位置関係は、図4に示すように、前輪の下面と後輪の下面とに接する共通接線(共通接平面)より、中間輪5a,5bの下面が下方にオフセット量dで位置するように形成されている。そしてオフセット量dは、乗り越えようとする最大段差に対して、前輪4a,4b及び中間輪5a,5bのそれぞれと段差との当接量又は手押し力がほぼ等しくかつ最小値となるように決められるものとする。
【0013】
各胴体部2a,2bには直動軸7a,7bが収納され、直動軸7a,7bは、各胴体部2a,2bとの連結部に設けられる駆動機構によって、軸方向に上下動するようになっている。直動軸7a,7bの軸方向は、前方に向かって倒れる傾きを有している。直動軸7a,7bの上端には、コの字形をしたフレーム8が後方に開口部を持つようにほぼ水平に設けられ、フレーム8の上には使用者が腕等を載せることができる台座9が設けられる。台座9はゴムやクッション等の緩衝性能を持つ材質を用いて形成されてもよいし、金属樹脂等の硬質の部材であってもよい。また、フレーム8と台座9とを一体構造としてもよく、以下の説明では、これらをまとめてハンドルHと称す。また、これらハンドルHは必ずしも水平に設けられる必要はなく、傾斜をつけてもよいし、傾斜角度が調整可能な機構を備えてもよい。
【0014】
ハンドルHの後部には例えば皮革、布、合成繊維又はあまり伸びないゴム等を用いた体幹支持具10が設けられる。さらに、ハンドルHの前部と後部とにはグリップ11a,11b,12a,12bが設けられているが、これらは必ずしも必要なものではなく、設けられる位置及び個数はこの例に限られない。また、ハンドルHには直動軸7a,7b等を駆動するスイッチ等が設けられる。
【0015】
次に、駆動機構の詳細について図2及び図3を用いて説明する。図2は、本歩行屈伸動作補助装置を左側からみた側面図であり、左胴体部2a及び左右胴体部2a,2bに内蔵された駆動機構を示している。図3は、本装置を正面からみた図であって、内蔵された駆動機構の様子を示したものである。直動軸7a,7b(この例ではラック17a,17bといってもよい)の駆動機構は、モータ13の回転動力をウォーム14及びウォームホィール15を介してピニオンギア16a,16bに伝達し、ピニオンギア16a,16bとそれぞれかみあうラック17a,17bを直線駆動する。左右のラック17a,17bはハンドルに連結されている。また、ラックは6ケのカムフォロア18で3方向より支持されている。また、モータ13の軸と同軸上にブレーキ19が設けられ、電源オフ時又は非常停止時に直動軸7a,7bが上下にずれないよう固定する。ここでは、直動軸の駆動機構としてラック・ピニオン方式を示したが、ボールネジ方式であってもよい。
【0016】
このような構成の装置の屈伸動作は図5に示すようになり、使用者が体幹支持具によって支えられている体幹部、つまり体幹支持具と使用者の下肢を支持する部分との接点の動作軌道はB⇒B’⇒C⇒Dのようになり、動作開始時及び動作終了時の体幹部位置B,Dを結ぶ線分の下側に膨らんだ動作軌道となる。このような下膨らみの動作軌道は、使用者の膝部及び足首部に要求される力の小さい立ち上がり方であるため、使用者の機能回復に役立つ。
【0017】
次に、第1の実施の形態の動作について、図6〜図19を用いて説明する。まず、段差昇り動作について図6〜図16を用いて高さhの段差を乗り越える際の動作について説明する。まず、前輪は、図6に示すように段差に当接するため、車輪部の詳細を示す図7を用いて当接条件を検討する。なお、径D2の中間輪の下面が径D1の前輪及び径D3の後輪の下面より下部にオフセット量dで位置しているものとする(図4参照)。ここで図7を参照すると、床から前輪の中心までの高さを左辺又は右辺に示した等式は、(数1)式のように表される。数1式のa は、歩行屈伸動作補助装置の進行方向側の先端から中間輪の中心までの進行方向における長さを示す。ここでの進行方向は、共通接平面と平行である。a は、歩行屈伸動作補助装置の進行方向側の先端から前輪の中心までの進行方向における長さを示す。α は、前輪が段差に当接するときの前輪の姿勢を示す角度であり、前輪の中心と段差当接部(P)を結ぶ線分の鉛直方向に対する傾斜角を示す。
【0018】
【数1】
Figure 0003750168
【0019】
これから、α1が求められる。ここで、θ1は本体(共通接平面)の水平面に対する傾き角を示し、(数2)式で求められる。
【0020】
【数2】
Figure 0003750168
【0021】
図示した当接量δ1は(数3)式のように求められる。ここで当接量δ 1 とは、前輪が段差に当接するときの段差当接部(P)から前輪の下面までの垂直方向の距離である。
【0022】
【数3】
Figure 0003750168
【0023】
ここで、段差を乗り越える条件は、(数4)式で示すように装置を押す力Q1とし、段差を乗り越え後に前輪に作用する床反力W1とすると、装置を押す力が点Pまわりに上がろうとするモーメントが、落ちようとするモーメントより大きいことである。
【0024】
【数4】
Figure 0003750168
【0025】
これは、(数5)式のように簡略表現できる。
【0026】
【数5】
Figure 0003750168
【0027】
ここで、段差として、h=0.02mのものを想定し、各部の寸法をD1=D2=0.15m、D3=0.077m、a1=a2=0.353m、a3=0.05m及びa4=0.03mとした場合の当接量δ1及び当接角α1とオフセット量dの関係を図8に示す。また、使用者に要求される手押し力Q1は、 装置質量20kg、使用者の装置に預ける質量20kgとし、全体の重心が前後方向の後1/4の位置にある場合、W1=100Nとなることを考慮すると、図9の結果が得られた。これから、オフセット量dを大きくすると、当接量δ1、当接角α1及び手押し力Q1は小さくなる。特にd=11.17mmでは、当接角α1=0°となり、0.02mの段差を衝撃力が零で乗り越えることができる。
【0028】
次に、中間輪の場合は、図10に示すような当接をする。車輪部詳細を示した図11を用いて当接条件を検討する。なお、中間輪が前輪及び後輪より下部にオフセット量dで位置しているものとする(図4参照)。ここで図11を参照すると、床から中間輪の中心までの高さを左辺又は右辺に示した等式は、(数6)式のように表される。数6式のa は、中間輪の中心から歩行屈伸動作補助装置の後端までの進行方向における長さを示す。a は、後輪中心から歩行屈伸動作補助装置の後端までの進行方向における長さを示す。α は、中間輪が段差に当接するときの中間輪の姿勢を示す角度であり、中間輪の中心と段差当接部(P)を結ぶ線分の鉛直方向に対する傾斜角を示す。
【0029】
【数6】
Figure 0003750168
【0030】
これから、α2が求められる。ここで、θ2は本体の傾き角を示し、(数7)式で求められる。
【0031】
【数7】
Figure 0003750168
【0032】
図示した当接量δ2は(数8)式のように求められる。ここで当接量δ 2 とは、中間輪が段差に当接するときの段差当接部(P)から中間輪の下面までの垂直方向の距離である。
【0033】
【数8】
Figure 0003750168
【0034】
ここで、段差を乗り越える条件は、(数9)式で示すように装置を押す力Q2とし、段差を乗り越え後に中間輪に作用する床反力W2とすると、装置を押す力が点Pまわりに上がろうとするモーメントが、落ちようとするモーメントより大きいことである。
【0035】
【数9】
Figure 0003750168
【0036】
これは、(数10)式のように簡略表現できる。
【0037】
【数10】
Figure 0003750168
【0038】
ここで、段差として、h=0.02mのものを想定し、各部の寸法は同上とした場合の当接量δ2及び当接角α2とオフセット量dの関係を図12に示す。また、使用者に要求される手押し力Q2は、装置質量20kg、使用者の装置に預ける質量20kgとし、全体の重心が前後方向の後1/8にある場合、W2=100Nとなることを考慮すると、図13の結果が得られた。これから、オフセット量d=0mmでは、当接量δ2、当接角α2及び手押し力Q2ともに最小であるが、dの増大とともに当接量δ2、当接角α2及び手押し力Q2ともに増大し、段差乗り越えに大きい衝撃力が作用し、かつ大きい手押し力が要求されることがわかる。これは、前輪の結果とは反対の傾向であり、前輪とは上下方向の位置について最適値(トレードオフ)がある。
次に後輪の当接状況であるが、図14に示すようになり、装置の重心を前方に寄せることにより、後輪は浮き、段差と当接することはない。
【0039】
以上から、最適なオフセット量を選ぶには、前輪と中間輪との間にトレードオフがある。そこで、当接量とオフセット量との関係及び手押し力とオフセット量との関係について前輪と中間輪とを併記した内容を図15及び図16に示す。これから、当接量については、オフセット量d=4mmとすると、前輪が当接する場合の当接量δ と中間輪が当接する場合の当接量δ が等しくなり、その他のオフセット量では、当接量δ と当接量δ は乖離する(図15)。一方、手押し力については、オフセット量d=2.4mmとすると、前輪が段差を乗り越える場合の手押し力Q と中間輪が段差を乗り越える場合の手押し力Q が等しくなり、その他のオフセット量では、手押し力Q と手押し力Q が乖離する(図16)。したがって、使用者は、前輪及び中間輪の当接量もしくは手押し力が最小となるようにオフセット量を決めて使用するのが望ましい。例えば段差の高さが20mm、前輪の径が150mm、中間輪の径が200mmの場合、オフセット量は2〜4mmが望ましい。
【0040】
次に、段差降り動作における当接条件について、図17〜図19を用いて説明する。図17、図18及び図19はそれぞれ、前輪、中間輪及び後輪が段差にさしかかった際の当接状況示している。前輪が段差にさしかかると、装置の重心を後方に寄せると、図17に示すように前輪が浮き、ゆっくりと装置を下げることにより、大きい衝撃なく前輪が段差を降りることができる。次に、中間輪が段差にさしかかると、図18に示すように、前輪と後輪とで装置が支持されるため、中間輪が直接、段差下面に衝突しないため、低衝撃で段差を降りることができる。また、後輪が段差にさしかかると、図19に示すように、中間輪が浮いた状態からゆるやかに接地するため、後輪は低衝撃で段差を降りることができる。このように段差降り時は、手押し力は、段差によって増大することはなく、平地を移動しているのと同じ力で進むことができる。段差での上下方向の衝撃は、前記の理由により本構造では、小さくできる利点がある。
【0041】
以上から、第1の実施の形態では、段差昇り時は、前輪及び後輪下面の共通接平面と中間輪下面のオフセット量を適切な一定値に選ぶことにより、小さい手押し力で段差を乗り越えることができる。また、段差降り時は、手押し力は、平地移動時と同じで段差での上下方向の衝撃力が小さい状態で、段差を乗り越えることができる。
【0042】
次に、本発明の第2の実施の形態を図20〜図24を用いて説明する。本実施の形態は、前輪及び後輪下面の共通接平面と中間輪下面のオフセット量を可変にする機構を備えることにより、どんな動作でも、段差乗り越え時の衝撃力をほぼ零とするものである。中間輪5a,5bは、図示しないオフセット量可変機構により斜め上下方向に移動可能である。使用者は、動作指示部20を操作することにより所望の動作を実現できる。
【0043】
オフセット量可変機構の例を図21及び図22を用いて説明する。図21に示すように、使用者は、図20に示すクリップ11に設けられた動作指示部20(図21に示す20a)を押すと、ソレノイド33が作動し、左胴体部2a,右胴体部2bと結合された部材に設けられている回転軸26のまわりに揺動可能な動作指示板34を回動させ、ガススプリングGS1,GS2(下方取付部22a,22bが車輪取付部材21a,21bと連結されており、上方取付部22c,22dが左胴体部2a,右胴体部2bと結合されている)のピストンロッド24をシリンダ23に対して伸縮可能とする。このような構造をとることにより、中間輪5a,5bは、左胴体部2a,右胴体部2bに対して斜め上下方向に昇降可能な構造となっている。図22にガススプリングの構造を示した。
【0044】
ガススプリングGSは、シリンダ23内のピストン29の下部に、所定圧力の圧縮ガスとオイルとの混合体27が封入され、ピストン29の上部に、オイルが封入されており、シール部30で全体が密閉されている。ピストンロッド24はピストン29と一体に動作するが、ピストンロッド24と同軸配置されたピン25が独立して上下方向に動作可能で、この動作によりバルブ28が開閉され、バルブ28が開くと、オリフィス31を介してシリンダ内部の両室が連通し、ピストン29がフリーで動作可能になる。また、バルブ28が閉じると、ピストン29が動かなくなりロックされる。このようにしてピン25の動作を制御することによりピストン29及びピストンロッド24の動作を制御することができる。
【0045】
したがって、使用者が、動作指示部20aを押さず、動作指示板34がピン25a,25bを押し込まない状態では、バルブ28は閉じており、ピストンロッド24に間接的に連結されている車輪5a,5bは上下方向にロックされているが、動作指示部20aを押して、動作指示板34がピン25a,25bを押し込む状態では、バルブ28は開き、ピストンロッド24に間接的に連結されている車輪5a,5bは上下方向にフリーとなり、車輪が浮いた状態では自重で降下する等の動作を実現できるため、適切な量だけ降下したところで、動作指示部20aを操作してロックすることにより所望のオフセット量を得ることができる。
【0046】
これを実際の動作で検討すると、図23に前輪の段差昇りの場合、図24に中間輪の段差昇りの場合を示す。前輪の段差昇り時は、前輪が段差に当接し中間輪が浮いた状態で、中間輪を上下方向にフリーにすると、中間輪が降下し、接地する。接地したところで中間輪をロックすると、小さい手押し力で段差を昇ることができる。次に、中間輪の段差昇り時は、中間輪が浮いた状態で段差に当接した状態で、中間輪を上下方向にフリーにすると、中間輪が段差より力を受けて上昇し、段差を乗り越えたところで中間輪をロックすると、接地する。よって、小さい手押し力で段差を昇ることができる。この例では、オフセット量可変機構として受動的な機械要素を制御する方式を示したが、モータで能動的に制御してもよい。
第2の実施の形態によれば、段差をより低衝撃で乗り越えることが可能になる。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、6輪車輪移動機構を備え、中間輪の下面を前輪及び後輪の下面に接する共通接平面より下部に位置するようオフセットしたため、段差を乗り越え時に手押し力と衝撃力とを小さくできる。また、オフセット量を使用者の動作指示に基づき可変できる機構を備えることにより、段差を乗り越え時に手押し力と衝撃力とをさらに小さくできる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す外形図である。
【図2】図1の駆動機構を示す側面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】第1の実施の形態のオフセットを示す図である。
【図5】第1の実施の形態の屈伸動作を示す図である。
【図6】第1の実施の形態の前輪の段差昇り時の車輪の当接状況を示す図である。
【図7】第1の実施の形態の前輪の段差昇り時の車輪部の詳細図である。
【図8】第1の実施の形態の前輪の段差昇り時の前輪の当接量を示す図である。
【図9】第1の実施の形態の前輪の段差昇り時の前輪の手押し力を示す図である。
【図10】第1の実施の形態の中間輪の段差昇り時の車輪の当接状況を示す図である。
【図11】第1の実施の形態の中間輪の段差昇り時の車輪部の詳細図である。
【図12】第1の実施の形態の中間輪の段差昇り時の中間輪の当接量を示す図である。
【図13】第1の実施の形態の中間輪の段差昇り時の中間輪の手押し力を示す図である。
【図14】第1の実施の形態の後輪の段差昇り時の車輪の当接状況を示す図である。
【図15】第1の実施の形態の前輪と中間輪の段差昇り時の当接量を示す図である。
【図16】第1の実施の形態の前輪と中間輪の段差昇り時の手押し力を示す図である。
【図17】第1の実施の形態の前輪の段差降り時の車輪の当接状況を示す図である。
【図18】第1の実施の形態の中間輪の段差降り時の車輪の当接状況を示す図である。
【図19】第1の実施の形態の後輪の段差降り時の車輪の当接状況を示す図である。
【図20】本発明の第2の実施の形態を示す外形図である。
【図21】図20オフセット量可変機構の一例を示す図である。
【図22】図21に示すオフセット量可変機構で用いる機械要素であるガススプリングの構造図である。
【図23】第2の実施の形態の前輪の段差昇り時の車輪の当接状況を示す図である。
【図24】第2の実施の形態の中間輪の段差昇り時の車輪の当接状況を示す図である。
【符号の説明】
1 歩行屈伸動作補助装置
2 胴体部
3 前脚
4 前輪
5 中間輪
6 後輪
7 直動軸
8 フレーム
9 台座
10 体幹支持具
11 グリップ
12 グリップ
13 モータ
14 ウォーム
15 ウォームホィール
16 ピニオンギア
17 ラック
18 カムフォロア
19 ブレーキ
20 動作指示部
21 車輪取付部
22 取付部
23 ガススプリングシリンダ
24 ガススプリングピストンロッド
25 ガススプリングピン
26 回転軸
27 ガスとオイルの混合体
28 バルブ
29 ピストン
30 シール
31 オリフィス
32 オイル
33 ソレノイド
34 動作指示板

Claims (3)

  1. 使用者を支持する支持部と、該支持部を駆動し前記使用者の屈伸動作を補助する屈伸動作補助部と、段差を乗り越える動作を補助する歩行動作補助部とを備えた歩行屈伸動作補助装置において、前記歩行動作補助部を、前2輪と後2輪と中間2輪とよりなる6輪車輪移動機構で形成し、前記前2輪及び前記後2輪をキャスタで形成するとともに前記中間2輪を固定車輪で形成し、前記中間2輪の下面を、前記前2輪及び前記後2輪の下面に接する共通接平面より下方に所定のオフセット量で位置させるものとし、
    前記オフセット量は、前記段差に対する前記前2輪の当接量と、前記段差に対する前記中間2輪の当接量とを同等に近づけて設定されることを特徴とする歩行屈伸動作補助装置。
  2. 使用者を支持する支持部と、該支持部を駆動し前記使用者の屈伸動作を補助する屈伸動作補助部と、段差を乗り越える動作を補助する歩行動作補助部とを備えた歩行屈伸動作補助装置において、前記歩行動作補助部を、前2輪と後2輪と中間2輪とよりなる6輪車輪移動機構で形成し、前記前2輪及び前記後2輪をキャスタで形成するとともに前記中間2輪を固定車輪で形成し、前記中間2輪の下面を、前記前2輪及び前記後2輪の下面に接する共通接平面より下方に所定のオフセット量で位置させるものとし、
    前記オフセット量は、前記段差に対する前記前2輪の当接量に基づき算出される手押し力と、前記段差に対する前記中間2輪の当接量に基づき算出される手押し力とを同等に近づけて設定されることを特徴とする特徴とする歩行屈伸動作補助装置。
  3. 請求項1又は2に記載の歩行屈伸動作補助装置において、乗り越える段差が20mmに対し、前2輪の径が150mmでかつ中間2輪の径が200mmの際、オフセット量は、2〜4mmであることを特徴とする歩行屈伸動作補助装置。
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