JP3748282B2 - 抵抗体、サーマルプリントヘッドおよびサーマルプリントヘッドの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐熱性に優れた抵抗体と、ファクシミリ、ビデオプリンタあるいは製版機等に代表される各種ΟA機器等の感熱式記録装置に用いられ、この抵抗体を発熱抵抗体として適用したサーマルプリントヘッドおよびサーマルプリントヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
サーマルプリントヘッドは、低騒音、低メンテナンスコストおよび低ランニングコスト等の利点があることから、ファクシミリ、ビデオプリンタあるいは製版機等の各種ΟA機器の感熱式記録装置に多用されるようになってきた。
【0003】
一般に、サーマルプリントヘッドは、次のような構成からなっている。すなわち、アルミナ基体上に発熱抵抗体層及びアルミニウム等の導電層を形成した後、フォトエングレービングプロセスにより複数の発熱抵抗体及び電極パターンを形成する。さらに、この複数の発熱抵抗体および電極パターンを保護する為の保護層をスパッタ法等の薄膜形成方法により形成した構成である。また、アルミナ基体と発熱抵抗体層との間に、表面円滑性と蓄熱性の向上を主目的とするグレーズガラス層を設けた構成をとることも多い。
【0004】
近年、各種ΟA機器の感熱式記録装置においては、印字の微細化および高速化がますます要求されるようになり、これに伴い、サーマルプリントヘッドの発熱抵抗体に対する耐熱性の要求は厳しいものとなってきている。
【0005】
すなわち、感熱式記録装置の印字の微細化に対応するために、サーマルプリントヘッドにおいて発熱抵抗体の形状の微細化を行うと、発熱抵抗体の単位面積当たりの熱負担が増加し、発熱抵抗体の発熱温度は上昇する。そのため、短期間の内に発熱抵抗体の抵抗値は変化し、サーマルプリントヘッドは使用に耐えなくなってしまう。
【0006】
また、感熱式記録装置の印字の高速化に対応するために、サーマルプリントヘッドの発熱抵抗体に対して高電力のパルスを印加すると、発熱抵抗体の発熱温度は上昇し、発熱抵抗体の形状の微細化を行った場合と同様に、短期間の内に発熱抵抗体の抵抗値は変化して使用に耐えなくなってしまう。
【0007】
したがって、各種ΟA機器の感熱式記録装置における印字の微細化および高速化を実現するには、高温においても抵抗値の特性に変化のない、耐熱性に優れた抵抗体をサーマルプリントヘッドの発熱抵抗体として適用することが必要不可欠である。
【0008】
ところで、発熱抵抗体の抵抗値の変化は、下降と上昇の2つのモードに分けることができる。
【0009】
発熱抵抗体の抵抗値が下降を示すのは、格子欠陥等に起因する発熱抵抗体の構造の不完全性が、サーマルプリントヘッド駆動時の発熱により徐々に取り除かれてゆき、電気電導性を司るキャリアの移動度が向上するためであると推定されている。
【0010】
発熱抵抗体の抵抗値の下降は、サーマルプリントヘッドの使用環境の温度より少なくとも高い温度において、発熱抵抗体を予め熱処理を施すことで阻止することができる。その方法としては、サーマルプリントヘッドを製品化した後に、発熱抵抗体に対して製品として使用される以上の大きなパワーでパルスを印加し、発熱抵抗体を電気エージングする方法、さらに高い効果を得るために、発熱抵抗体の形成後に真空中で発熱抵抗体を熱アニールする方法あるいはレーザー照射によって発熱抵抗体をアニールする方法等がある。
【0011】
特に、これらの発熱抵抗体をアニールする方法によれば、上記した発熱抵抗体の抵抗値の下降モードを完全に除去することが可能で、「同一の抵抗体形状、同一のパルス幅およびパルス周期において、何W/dotのパルスを3×107 回印加した時点で発熱抵抗体の抵抗値変化率が10%を指示するか」により発熱抵抗体耐のパワー性を定義した場合、耐パワー性は電気エージング法の1.3倍にも向上する。電気エージング法では、製品化されたサーマルプリントヘッドに通電するという特徴から、発熱抵抗体の抵抗値を安定させるための発熱抵抗体の発熱温度にはアニール法に比べて限界があり、発熱抵抗体の発熱温度を高くすると導電層の材料または保護層の材料成分が発熱抵抗体へ拡散および侵入する、熱膨脹係数の相違に基づく保護層のクラックが発生する等の問題を招くからである。
発熱抵抗体をアニールする方法では、発熱抵抗体のアニール時の温度をサーマルプリントヘッド駆動時の発熱抵抗体の発熱温度よりは高く、グレーズ層の軟化点温度よりは低くすることがポイントとなる。
【0012】
一方、発熱抵抗体の抵抗値が上昇を示すのは、例えばグレーズガラス層等の上下層の成分に含まれるOが発熱抵抗体に拡散侵入することにより、発熱抵抗体の酸化が招かれるためであると考えられる。
【0013】
発熱抵抗体の抵抗値の上昇は、特公昭61−297159に提案されているように、グレーズガラス層と発熱抵抗体層との間に、SiNxOy等からなるバリア層を設けることにより阻止することができる。
【0014】
さらに、発熱抵抗体の抵抗値の変化は、発熱抵抗体へ設けられたバリア層および発熱抵抗体への電気エージング法あるいはアニール法との組み合わせにおいて相乗的に阻止される。本発明者らの実験によると、発熱抵抗体へ設けられたバリア層とアニール法との組み合わせにおいては、発熱抵抗体はアニール法のみの処理に比べてさらに1.2倍、電気エージング法のみの処理との比較においては、実に1.6倍の耐パワー性を示すようになる。
【0015】
しかしながら、発熱抵抗体が上記した耐パワー性を得るためには、バリア層の層厚を1μm以上とすることが必須であり、これだけの層厚のバリア層を形成することは、形成時間、歩留り、成形コスト等において不利であるという問題があった。
【0016】
そこで、それ自身、高温において抵抗値の変化がなく、耐熱性に優れた抵抗体をサーマルプリントヘッドの発熱抵抗体として適用することが望まれる。すなわち、高温において電気電導性を司るキャリアの移動度の向上がほぼ解消され、発熱抵抗体として適用した場合にその上下層の成分、特にグレーズガラス成分の拡散侵入が起こり難い、あるいは拡散侵入が起こった場合でも抵抗値の変化がほぼ阻止された抵抗体である。また、アニール法によって発熱抵抗体の抵抗値の変化を阻止するに際し、アニール時の温度をサーマルプリントヘッド駆勤時の発熱抵抗体の発熱温度よりは高く、グレーズ層の軟化点温度よりは低くするとはいえ、耐熱性がもともと低い抵抗体であれば、そのような温度範囲で行われるアニール法においても抵抗値が異常を示してしまう。この対策の1つとして、高耐熱性ガラスグレーズ層の使用も検討されているが、通常、高耐熱性ガラスグレーズ層はコストが高く、表面平滑性の低下の問題が起こりやすいために、サーマルプリントヘッドへの使用は困難である。
【0017】
したがって、最近では、耐熱性に優れ、高比抵抗化も容易な抵抗体の材料として、サーメットが好んで用いられている。例えば、IVa 〜VIIa族から選ばれた少なくとも1種の金属元素と、絶縁成分であるSi−0との複合体からなるサーメットである。特に、Τa−Si−O系のサーメットは、耐熱性に最も優れると同時に、耐酸化性、形成の容易性等も良好であることから、耐パワー性を求められる製版機に用いられる高精細タイプのサーマルプリントヘッドに用いられるようになってきている(特公平7−12689)。
【0018】
しかしながら、Τa−Si−O系のサーメットからなるサーマルプリントヘッドの発熱抵抗体であっても、各種ΟA機器の感熱式記録装置に要求される印字の微細化(400dpi以上)および高速化に起因する高温での使用環境下においては、発熱抵抗体の抵抗値に変化が起こってしまうという問題があった。
【0019】
また、Τa−Si−O系のサーメットと比較した場合、耐熱性には劣るものの発熱抵抗体の形成時における抵抗値の変化が小さいという特長から、Νb−Si−O系のサーメットからなる抵抗体が発熱抵抗体として、ビデオプリンタやファクシミリ等のサーマルプリントヘッドに用いられている。特に、ビデオプリンタに用いられるサーマルプリントヘッドの場合、サーマルプリントヘッド内において発熱抵抗体の抵抗値の変化を少なくとも±1%以下にすることが必要であり、そのために発熱抵抗体の抵抗値をトリミングする工程が不可欠である。
【0020】
しかしながら、発熱抵抗体の抵抗値のトリミングは、通電法やレーザ照射法等を用いることから明らかなように、いずれにしても入熱による発熱抵抗体の構造の緩和を基本概念としており、耐熱性の低い、従来のΝb−Si−0系のサーメットからなる発熱抵抗体においては、サーマルプリントヘッド内の発熱抵抗体の抵抗値の変化を小さくするための高いレベルのトリミングには対応できないという問題があった。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑みなされたもので、高温においても抵抗値の変化がほぼ解消された抵抗体と、この抵抗体を発熱抵抗体とすることにより高いレベルのトリミングに対応でき、高温時の使用においても発熱抵抗体の抵抗値の変化がほぼ解消された、印字の微細化および高速化が達成されたサーマルプリントヘッドおよびサーマルプリントヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の抵抗体は、IVa 〜 VIIa 族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体からなるターゲット材によるスパッタリング法を用いることにより得られた、IVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、Si、CおよびOを主成分とする抵抗体であって、前記抵抗体に対する前記Cの範囲が3原子%を超え25原子%以下であることを特徴としている。
【0024】
さらに、本発明の抵抗体は、IVa 〜 VIIa 族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体からなるターゲット材によるスパッタリング法を用いることにより得られた、一般式MeaSibCcOd(但し、MeはIVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、また、a、b、c、dは成分比(原子%)を表し、20≦a≦30、5≦b≦10、3<c≦25、40≦d≦70)で示されることを特徴としている。
【0025】
本発明の抵抗体は、IVa 〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、Si、CおよびOを主成分とし、高温での使用においても抵抗体の抵抗値の変化はほぼ解消される。ここで、「主成分」とは、本発明の抵抗体を構成するに際し、必要不可欠な成分を示す概念である。
【0027】
さらに、本発明の抵抗体は、一般式MeaSibCcOd(但し、MeはIVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、また、a、b、c、dは成分比(原子%)を表し、20≦a≦30、5≦b≦10、3<c≦25、40≦d≦70)で示され、高温での使用においても抵抗体の抵抗値の変化はほぼ解消される。
【0028】
本発明による抵抗体において、高温での使用に際し抵抗体の抵抗値の変化がほぼ解消され、また、サーマルプリントヘッドに発熱抵抗体として適用した場合に発熱抵抗体の抵抗値の変化を小さくするための高いレベルのトリミングも実行可能となることに関しては、以下の事実から説明できる。
【0029】
すなわち、一例として、従来のΤa−Si−Ο系の抵抗体についてX線光電子分光を行うと、各元素のピークのケミカルシフトにより、Τaシリサイド、Τaオキサイド、Siオキサイドの存在が認められる。ただし、X線回折によれば、ブロードなハローパターンが観測されるのみで、明確なピークがみられないことから、これらの化合物は、いわゆるShort-Range-Order&Long-Range-Disorder の形で存在し、アモルファス構造を構築していると推測される。一方、Τa−Si−C−Ο系の抵抗体についてX線光電子分光を行うと、各元素のピークのケミカルシフトにより、ΤaカーバイドとSiカーバイドの生成が認められるようになる。X線回折の結果が、アモルファス構造を構築していると推測されることは同様である。
【0030】
ΤaカーバイドおよびSiカーバイドは、とりわけ耐熱性に優れる材料として有名なものであり、これらの存在により、抵抗体の耐熱性の向上がなされると推定される。また、Nb−Si−C−Ο系の抵抗体についても、NbカーバイドとSiカーバイドの生成が認められるようになることから、Τa−Si−C−Ο系の抵抗体の場合と同様に抵抗体の耐熱性の向上がなされると推定される。
【0031】
ここで、IVa 〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素としては、Ti、Nb、Ta、Cr、V、Mn等が挙げられるが、耐熱性に最も優れると同時に、耐酸化性、形成の容易性等も良好であることからTaが、また、抵抗体の形成時における抵抗値のバラツキが小さいことからNbの使用がより好ましい。
【0032】
本発明において、導電性材料であるMeが抵抗体に対して15原子%を下回ると抵抗体の比抵抗が大きくなりすぎ、また、40原子%を上回ると抵抗体の比抵抗が小さくなりすぎる。また、絶縁性材料であるSi、Oが抵抗体に対してそれぞれ3原子%、35原子%を下回ると抵抗体の比抵抗が小さくなりすぎ、また15原子%、80原子%を上回ると抵抗体の比抵抗が大きくなりすぎる。さらに、Cが抵抗体に対して0.1原子%を下回ると抵抗体の耐熱性が低くなる。また、抵抗体の製造に使用するターゲットを焼結する際、ターゲット材にCが含まれるほどターゲットにクラックが発生しやすく、良好なターゲットを得ることが難しいので、抵抗体の製造がそもそも困難となるという製造上の制約から、Cが抵抗体に対して30原子%を上回ることはほとんどない。
【0033】
これらの条件から、抵抗体に対する各成分のより好ましい範囲は、Meが20〜30原子%、Siが5〜10原子%、Oが40〜70原子%、Cが3原子%を超え25原子%以下である。
【0034】
本発明の抵抗体は、高温における抵抗値の変化がほぼ解消されているので、その適用はサーマルプリントヘッドに限定されず多岐に渡る。すなわち、高温における抵抗値の変化が問題となるヒータ、フィラメント全般等にも広く適用可能である。
【0035】
本発明のサーマルプリントヘッドは、支持基体上に形成された複数の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に接続された複数の電極とを具備するサーマルプリントヘッドにおいて、前記発熱抵抗体は、IVa 〜 VIIa 族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体からなるターゲット材によるスパッタリング法を用いることにより得られた、IVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、Si、CおよびOを主成分とし、前記発熱抵抗体に対する前記Cの範囲が3原子%を超え25原子%以下であることを特徴としている。
【0037】
さらに本発明のサーマルプリントヘッドは、支持基体上に形成された複数の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に接続された複数の電極とを具備するサーマルプリントヘッドにおいて、前記発熱抵抗体は、IVa 〜 VIIa 族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体からなるターゲット材によるスパッタリング法を用いることにより得られた、一般式MeaSibCcOd(但し、MeはIVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、また、a、b、c、dは成分比(原子%)を表し、20≦a≦30、5≦b≦10、3<c≦25、40≦d≦70)で示されることを特徴としている。
【0038】
本発明のサーマルプリントヘッドにおいては、支持基体上に複数の発熱抵抗体と発熱抵抗体に接続された電極とが形成されており、発熱抵抗体はIVa 〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、Si、CおよびOを主成分としているので、高温での使用においても、発熱抵抗体の抵抗値の変化がほぼ解消され、また、サーマルプリントヘッド内の発熱抵抗体の抵抗値の変化を小さくするための高いレベルのトリミングも可能となり、印字の微細化および高速化が達成される。ここで、上述したように、「主成分」とは、本発明のサーマルプリントヘッドを構成するに際し、必要不可欠な成分を示す概念である。
【0040】
さらに、本発明のサーマルプリントヘッドにおいては、支持基体上にグレーズガラス層を介して複数の発熱抵抗体と発熱抵抗体に接続された電極とが形成されており、発熱抵抗体は、一般式MeaSibCcOd(但し、MeはIVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、また、a、b、c、dは成分比(原子%)を表し、20≦a≦30、5≦b≦10、3<c≦25、40≦d≦70)で示されるので、高温での使用においても、発熱抵抗体の抵抗値の変化がほぼ解消され、また、サーマルプリントヘッド内の発熱抵抗体の抵抗値の変化を小さくするための高いレベルのトリミングも可能となり、印字の微細化および高速化が達成される。
【0041】
本発明のサーマルプリントヘッドにおいて、形成された発熱抵抗体の膜厚は通常、0.02〜0.2μmである。
【0042】
一方、電極としては、一般的に用いられているAl、Al−Si、Al−Si−Cu等が用いられるが、特に限定はされない。
【0043】
支持基体としては、通常、アルミナセラミックス等の基板が使用されるが、特に限定されるものではない。
【0044】
また、アルミナ基体と発熱抵抗体層との間に、表面円滑性と蓄熱性の向上を主目的とするグレーズガラス層を設けた場合には、グレーズガラス層として、例えば、二酸化珪素あるいは二酸化珪素にカルシウム、バリウム、アルミニウム、ストロンチウム等が混合したものが使用されるが、特に限定されるものではない。ただし、サーマルプリントヘッドの抵抗値の上昇を防止することから、グレーズガラス層のガラス転移点は、670℃以上であることが望ましい。また、グレーズガラス層の膜厚は、通常、30〜70μm程度に形成される。
【0045】
本発明のサーマルプリントヘッドの製造方法は、支持基体上に複数の発熱抵抗体と前記複数の発熱抵抗体に電気的に接続された複数の電極とを形成するサーマルプリントヘッドの製造方法において、前記発熱抵抗体を、IVa 〜 VIIa 族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体からなるターゲット材によるスパッタリング法を用いることにより、IVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、Si、CおよびOを主成分とし、前記発熱抵抗体に対する前記Cの範囲が3原子%を超え25原子%以下として形成することを特徴としている。
【0047】
さらに、本発明のサーマルプリントヘッドの製造方法は、支持基体上に複数の発熱抵抗体と前記複数の発熱抵抗体に電気的に接続された複数の電極とを形成するサーマルプリントヘッドの製造方法において、前記発熱抵抗体を、IVa 〜 VIIa 族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体からなるターゲット材によるスパッタリング法を用いることにより、一般式MeaSibCcOd(但し、MeはIVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、また、a、b、c、dは成分比(原子%)を表し、20≦a≦30、5≦b≦10、3<c≦25、40≦d≦70)として形成することを特徴としている。
【0049】
本発明のサーマルプリントヘッドの製造方法においては、支持基体上に、主成分がIVa 〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、Si、CおよびOである複数の発熱抵抗体が形成される。次いで、複数の発熱抵抗体に電気的に接続させた複数の電極が形成される。ここで、「主成分」とは、本発明のサーマルプリントヘッドの製造方法に際し、発熱抵抗体を構成するに必要不可欠な成分を示す概念である。
【0051】
さらに本発明のサーマルプリントヘッドの製造方法においては、支持基体上に一般式MeaSibCcOd(但し、MeはIVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、また、a、b、c、dは成分比(原子%)を表し、20≦a≦30、5≦b≦10、3<c≦25、40≦d≦70)で示される複数の発熱抵抗体が形成される。次いで、複数の発熱抵抗体に電気的に接続させた複数の電極が形成される。
【0052】
そして、本発明のサーマルプリントヘッドの製造方法においては、支持基体上にIVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体をターゲット材とするスパッタリング法を用いて複数の発熱抵抗体が形成される。次いで、複数の発熱抵抗体に電気的に接続させた複数の電極が形成される。
【0054】
本発明において、ターゲット材である焼結体を形成する際の粉体の組成は、IVa 〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、例えば、Taおよび/またはNbが粉体の10〜50mol%、二酸化珪素が粉体の1〜20mol%、炭化珪素が粉体の0.1〜40mol%となるように混合される。この粉体中には、粉体を焼結する際にターゲット材の緻密度を上げる目的から、焼結助材としてMgO、CaO等を添加することも可能である。この場合には、焼結助材は粉体の0.01〜1mol%となるように添加される。このとき、焼結助材の添加が粉体の1molを越えると、得られた発熱抵抗体の特性が低下するので焼結助材の添加には十分な配慮が求められる。
【0055】
粉体を焼結するに際しては、粉体の平均粒径を5〜50μm、好ましくは5〜30μm程度に調整することが望ましい。粉体は、予め各成分を所定の粒径に調整した後、混合してもよいし、各成分を混合した後、例えばボールミル等により粉砕、混合して所定の粒径に調整してもよい。
【0056】
焼結は、通常、粉体をコールドプレスした後に、1500℃前後にて数時間焼成することにより行われるが、例えば加圧焼結を用いることも可能である。
【0057】
本発明においては、ターゲット材である焼結体をスパッタリングすることにより、支持基体上に発熱抵抗体層を形成し、続いて、発熱抵抗体層上に電極層を形成する。そして、通常のフォトエングレービングプロセスにより、支持基体上に複数の発熱抵抗体および発熱抵抗体に接続された複数の電極を形成する。これらの工程は、一般的なサーマルプリントヘッドの製造方法と同じであり、スパッタ法としては、高周波スパッタ法やマグネトロンスパッタ法等を用いることができる。スパッタ中の雰囲気は、例えばArのみに限定されず、必要に応じてAr+O2 雰囲気等にして各層中の酸素含有量を調整することが望ましい。
【0058】
本発明のサーマルプリントヘッドの製造方法においては、支持基体と発熱抵抗体層との間に、表面円滑性と蓄熱性の向上を主目的とするSiO2 等を主成分とするグレーズガラス層をスプレー法あるいは印刷法等により任意に形成することが可能である。
【0059】
また、一般には、発熱抵抗体および/または電極上に少なくとも発熱抵抗体を被覆する保護層を形成するが、この保護層は通常、Si−O−N系の保護層であり、通常の構成成分である窒化珪素および二酸化珪素からなる粉体の焼結体をターゲットとしたスパッタ法によって形成される。しかしながら、窒化珪素および二酸化珪素からなる粉体にMgOあるいはCaO等の焼結助材を添加することにより、緻密度の高められた焼結体をターゲットとして用いることも可能である。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。
【0061】
(実施例1)
図1は、本発明のサーマルプリントヘッドの一実施例を示す図で、アルミナセラミックス製支持基板1上に、二酸化珪素からなるグレーズ層2を印刷法により形成した。グレーズ層の層厚は40μmで、表面の平滑性と保温性の促進を目的としている。尚、グレーズ層2のガラス転移点は750℃、軟化点は950℃である。
【0062】
次に、グレーズ層2上にΤa−Si−C−O系の発熱抵抗体層3を高周波2極スパッタリング法により形成した。ターゲットとして、平均粒径30μmのTa65mol%、比表面積3×10-4m2 /gのSiC30mol%、平均粒径7μmのSiO2 5mol%からなる粉体をボールミルで混合し、次いで、これらの粉体を圧力100kg/cm2 でコールドプレスした後、1気圧の窒素雰囲気中、1500℃前後の範囲内の温度に5時間保持して焼結した焼結体を用いた。なお、TaおよびSiCの純度は99.99%、SiO2 の純度は99.9%である。また、スパッタリングは、ArとO2 の雰囲気下(流量50sccm)、圧力1×10-2〜1.5×10-2Torr、印加パワー3〜5kWの条件で3分間行った。ターゲット材とグレーズ層2との間の距離は50cmであった。
【0063】
この発熱抵抗体層3の組成をX線光電子分光法により分析したところ、Τaが22原子%、Siが8原子%、Cが25原子%、Oが45原子%であった。また比抵抗は27mΩ・cmであった。そして、発熱抵抗体層3の層厚は550オングストロームであり、シート抵抗は4.91kΩ/□であった。その後、発熱抵抗体層3の熱安定化を目的として真空中で800℃の熱処理を10分間施した。この熱処理により、シート抵抗は39%低下して2.99kΩ/□となった。
【0064】
続いて、発熱抵抗体層3上にAl−Siからなる電極層を形成し、フォトエングレービングプロセスにより、発熱抵抗体層3上に発熱部4を形成するように、Al−Siからなる個別電極5及び共通電極6を形成した。そして、発熱部4、個別電極5及び共通電極6を被覆するSi−O−N系の保護層7を形成し、発熱抵抗体寸法が35×60μmの製版機用サーマルプリントヘッドを製造した。
【0065】
(実施例2および参考例1)
ターゲットとして、平均粒径30μmのTa80mol%、比表面積3×10-4m2/gのSiC15mol%、平均粒径7μmのSiO2 5mol%からなる粉体をボールミルで混合し、次いで、これらの粉体を圧力100kg/cm2でコールドプレスした後、1気圧の窒素雰囲気中、1500℃前後の範囲内の温度に5時間保持して焼結した焼結体を用いた以外は、実施例1と全く同一の条件で発熱抵抗体寸法が35×60μmの製版機用サーマルプリントヘッドを製造した(実施例2)。
【0066】
また、ターゲットとして、平均粒径30μmのTa74mol%、比表面積3×10-4m2/gのSiC1mol%、平均粒径7μmのSiO2 25mol%からなる粉体をボールミルで混合し、次いで、これらの粉体を圧力100kg/cm2でコールドプレスした後、1気圧の窒素雰囲気中、1500℃前後の範囲内の温度に5時間保持して焼結した焼結体を用いた以外は、実施例1と全く同一の条件で発熱抵抗体寸法が35×60μmの製版機用サーマルプリントヘッドを製造した(参考例1)。
【0067】
実施例2において、この発熱抵抗体層3の組成をX線光電子分光法により分析したところ、Τaが27原子%、Siが10原子%、Cが10原子%、Oが53原子%であった。また、比抵抗は20mΩ・cmであった。そして、発熱抵抗体層3の層厚は550オングストロームであり、シート抵抗は3.64kΩ/□であった。その後、発熱抵抗体層3の熱安定化を目的として、真空中で800℃の熱処理を10分間施した。この熱処理により、シート抵抗は35%低下して2.37kΩ/□となった。
【0068】
また、参考例1において、この発熱抵抗体層3の組成をX線光電子分光法により分析したところ、Τaが32原子%、Siが14原子%、Cが1原子%、Oが53原子%であった。また、比抵抗は15mΩ・cmであった。そして、発熱抵抗体層3の層厚は550オングストロームであり、シート抵抗は2.73kΩ/□であった。その後、発熱抵抗体層3の熱安定化を目的として、真空中で800℃の熱処理を10分間施した。この熱処理により、シート抵抗は32%低下して1.86kΩ/□となった。
【0069】
(比較例1)
実施例1において、ターゲットとして平均粒径30μmのTa70mol%、平均粒径7μmのSiO2 30mol%からなる粉体をボールミルで混合し、次いで、これらの粉体を圧力100kg/cm2 でコールドプレスした後、1気圧の窒素雰囲気中、1500℃前後の範囲内の温度に5時間保持して焼結した焼結体を用いた以外は、実施例1と同様の条件で発熱抵抗体寸法が35×60μmの製版機用サーマルプリントヘッドを製造した。
【0070】
このサーマルプリントヘッドの発熱抵抗体層の組成をX線光分光法により分析したところ、Τaが33原子%、Siが14原子%、Oが53原子%であった。また、比抵抗は15mΩ・cmであった。また、発熱抵抗体層3の層厚は550オングストロームであり、シート抵抗は2.73kΩ/ であった。その後、発熱抵抗体層3の熱安定化を目的として、真空中で800℃の熱処理を10分間施した。この熱処理により、シート抵抗は32%低下して1.86kΩ/□となった。
【0071】
ここに、X線光分光法により得られた実施例1〜3および比較例1のサーマルプリントヘッドの発熱抵抗体層の組成を示す。
【0072】
【表1】
こうして製造した実施例1〜2、参考例1および比較例1のサーマルプリントヘッドに、パルス幅0.4ms、繰り返し周期2.6msとして、連続的に0.30W/dotの電力のパルス印加を行い、寿命特性試験を行った。その結果を、図2に示す。
【0073】
図2の(a)〜(b)から明らかなように、実施例1〜2のサーマルプリントヘッドの抵抗値は、パルス印加に伴って徐々に増加するが、3×107回のパルス印加時においても抵抗値変化率はそれぞれ+4.3%、+3.5%に留まり、安定した特性を示した。一方、比較例1のサーマルプリントヘッドの抵抗値は、図2の(d)から明らかなように、パルス印加に伴って徐々に増加するのは実施例1のサーマルプリントヘッドと同じであるが、その傾きは大きく1×106回のパルス印加時において抵抗値変化率はすでに+10%を越えてしまった。また、表1および図2から明らかなように、3×107回のパルス印加時における抵抗値変化率は、発熱抵抗体層の組成がTaおよびSiについては減少し、それに対応してCおよびOが増加するにしたがって低くなる、すなわちサーマルプリントヘッドの抵抗値は安定することが理解できる。
【0074】
さらに、実施例1〜2、参考例1および比較例1のサーマルプリントヘッドに対して、投入電力を種々変更して寿命試験を行った。その結果を、図3に示す。
【0075】
図3は、投入電力に対し、抵抗値変化率が10%となるまでに要するパルス印加数を描いたものだが、その結果は右下がりの直線となり、この直線の傾きは、実施例1〜2、参考例1および比較例1のサーマルプリントヘッドとの間で平行であった。そして、抵抗値変化率が10%となるまでに要するパルス印加数3×107回を印加した時の投入パワーを比較すると、実施例1〜2のサーマルプリントヘッド(a)、(b)においては、それぞれ0.31W/dot、0.33W/dot、比較例1のサーマルプリントヘッド(d)においては0.26W/dotであり、本発明のサーマルプリントヘッド(実施例1〜2)は従来のサーマルプリントヘッド(比較例1)に比べてそれぞれ1.19倍、1.27倍の耐パワー性を得ていることがわかる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、抵抗体はIVa 〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、Si、CおよびOを主成分としているので、高温での使用においても抵抗体の抵抗値の変化がほぼ解消された抵抗体を提供することができる。
【0077】
また、本発明によれば、支持基体上に発熱抵抗体と発熱抵抗体に接続された複数の電極とが形成され、発熱抵抗体はIVa 〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、Si、CおよびOを主成分とした抵抗体を適用しているので、高温での使用においても発熱抵抗体の抵抗値の変化がほぼ解消され、また、サーマルプリントヘッド内の発熱抵抗体の抵抗値の変化を小さくするための高いレベルのトリミングも可能となる、優れた耐パワー性を有した、印字の微細化および高速化を達成するサーマルプリントヘッドを提供することができる。
【0078】
さらに、本発明によれば、支持基体上にIVa 〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、Si、CおよびOを主成分とする複数の発熱抵抗体と前記複数の発熱抵抗体に電気的に接続された複数の電極とを形成するので、高温での使用においても、発熱抵抗体の抵抗値の変化がほぼ解消され、また、サーマルプリントヘッド内の発熱抵抗体の抵抗値の変化を小さくするための高いレベルのトリミングも可能となる、優れた耐パワー性を有した、印字の微細化および高速化を達成するサーマルプリントヘッドの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサーマルプリントヘッドの一実施例を示した図。
【図2】印加パルス数と発熱抵抗体の抵抗値変化率との関係を示した図。
【図3】投入電力と抵抗値変化率が10%となるまでに要するパルス印加数との関係を示した図。
【符号の説明】
1……アルミナセラミックス製支持基板
2……グレーズ層
3……発熱抵抗体層
4……発熱部
5……個別電極
6……共通電極
7……保護層
Claims (9)
- IVa 〜 VIIa 族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体からなるターゲット材によるスパッタリング法を用いることにより得られた、IVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、Si、CおよびOを主成分とする抵抗体であって、前記抵抗体に対する前記Cの範囲が3原子%を超え25原子%以下であることを特徴とする抵抗体。
- IVa 〜 VIIa 族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体からなるターゲット材によるスパッタリング法を用いることにより得られた、一般式MeaSibCcOd(但し、MeはIVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、また、a、b、c、dは成分比(原子%)を表し、20≦a≦30、5≦b≦10、3<c≦25、40≦d≦70)で示されることを特徴とする抵抗体。
- 前記IVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素は、Taおよび/またはNbであることを特徴とする請求項1または2に記載の抵抗体。
- 支持基体上に形成された複数の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に接続された複数の電極とを具備するサーマルプリントヘッドにおいて、
前記発熱抵抗体は、IVa 〜 VIIa 族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体からなるターゲット材によるスパッタリング法を用いることにより得られた、IVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、Si、CおよびOを主成分とし、前記発熱抵抗体に対する前記Cの範囲が3原子%を超え25原子%以下であることを特徴とするサーマルプリントヘッド。 - 支持基体上に形成された複数の発熱抵抗体と、前記発熱抵抗体に接続された複数の電極とを具備するサーマルプリントヘッドにおいて、
前記発熱抵抗体は、IVa 〜 VIIa 族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体からなるターゲット材によるスパッタリング法を用いることにより得られた、一般式MeaSibCcOd(但し、MeはIVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、また、a、b、c、dは成分比(原子%)を表し、20≦a≦30、5≦b≦10、3<c≦25、40≦d≦70)で示されることを特徴とするサーマルプリントヘッド。 - 前記IVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素は、Taおよび/またはNbからなることを特徴とする請求項4または5に記載のサーマルプリントヘッド。
- 支持基体上に複数の発熱抵抗体と前記複数の発熱抵抗体に電気的に接続された複数の電極とを形成するサーマルプリントヘッドの製造方法において、
前記発熱抵抗体を、IVa 〜 VIIa 族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体からなるターゲット材によるスパッタリング法を用いることにより、IVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、Si、CおよびOを主成分とし、前記発熱抵抗体に対する前記Cの範囲が3原子%を超え25原子%以下として形成することを特徴とするサーマルプリントヘッドの製造方法。 - 支持基体上に複数の発熱抵抗体と前記複数の発熱抵抗体に電気的に接続された複数の電極とを形成するサーマルプリントヘッドの製造方法において、
前記発熱抵抗体を、IVa 〜 VIIa 族からなる群より選択された少なくとも1種の元素を10〜50 mol %、SiCを1〜20 mol %およびSiO 2 を1〜40 mol %含有する粉体を焼結した焼結体からなるターゲット材によるスパッタリング法を用いることにより、一般式MeaSibCcOd(但し、MeはIVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素、また、a、b、c、dは成分比(原子%)を表し、20≦a≦30、5≦b≦10、3<c≦25、40≦d≦70)として形成することを特徴とするサーマルプリントヘッドの製造方法。 - 前記IVa〜VIIa族からなる群より選択された少なくとも1種の元素は、Taおよび/またはNbからなることを特徴とする請求項7または8に記載のサーマルプリントヘッドの製造方法。
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- 1995-10-13 JP JP26580295A patent/JP3748282B2/ja not_active Expired - Lifetime
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