JP3748027B2 - ニューマチックケーソン函内の排水装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下水位が高い地盤に地下構造物を建設するニューマチックケーソン工法において、ケーソン函内の滞水部の水を排水するための、ニューマチックケーソン函内の排水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地下水位が高い地盤に地下構造物を建設する工法では、ニューマチックケーソン工法が知られている。この工法でケーソン函内の滞水部の水を排出するには、各種の方法が提案されている。例えば、図4に示す技術では、ケーソン函30内に可搬式の水中ポンプ31を持込み、水中ポンプ31の排水ホース32をケーソン33外へ導出している。そして、作業員34が滞水部35へ水中ポンプ31を運び、水中ポンプ31を駆動して手動弁36を開き、滞水部35の水を排水ホース32を介してケーソン33外へ排出する。この方法では、作業員34が水の溜まった滞水部35へ水中ポンプ31及び排水ホース32を運ぶ必要があり、高圧のケーソン函30内の圧気作業に加えて重労働の苦渋作業となる。
【0003】
また、図5に示す技術では、ケーソン函30内へ導入した排水ホース37をケーソン33外へ導出している。そして、作業員34が手動弁38を開いてケーソン函30内の圧気を大気中へ放出し、空気流速が速まったところで滞水部35の表面から水を空気流に混入して空気輸送している。この方法では、大量の函内圧気を消費すると共に、排水ホース37の排出口37aで排水混入空気が噴発し騒音を発生し、噴発した排水で付近を汚染することになる。
さらに、図6に示す技術では、ケーソン函30内へ導入した排水ホース39をケーソン床40上へ導出し、ケーソン床40上に設けた水中ポンプ41の排水パイプ42をケーソン33外へ導出している。そして、作業員34が排水ホース39を滞水部35へ挿入し、手動弁43を開いて函内圧気で水をケーソン床40上まで揚水し、水中ポンプ41でケーソン33外へ排水している。しかし、ニューマチックケーソン工法では、ケーソン沈下のための沈下荷重をケーソン床40上の水荷重で調整しているため、ケーソン床40上の水荷重水位44を地下水位45より高くする場合は、ケーソン床40上の水圧がケーソン函30内の気圧より高くなり、ケーソン函30内からケーソン床40上への揚水ができなくなる不都合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、流入側排水パイプを滞水部に挿入しておくだけで水をケーソン外へ排出することができ、ケーソン函内の作業者の負担を軽減できるようにしたニューマチックケーソン函内の排水装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のニューマチックケーソン函内の排水装置は、ケーソン内にポンプ室容器を設け、ポンプ室容器に接続された流入側排水パイプをケーソン函内へ導入し、ポンプ室容器内に設けた水中ポンプの流出側排水パイプをケーソン外へ導出し、ポンプ室容器に接続された大気開放パイプをケーソン外部に開口している。
【0006】
そして、前記流入側排水パイプには噴発防止電磁弁が設けられ、噴発防止電磁弁の手前の流入側排水パイプに接続された小径の空気抜きパイプをポンプ室容器内に開口し、流入側排水パイプ内の水を検知するセンサの出力で噴発防止電磁弁の開閉を制御し、ポンプ室容器内の水位を検知するセンサの出力で水中ポンプの駆動を制御しているので、ケーソン函内の滞水部の水は自動的にケーソン外へ排出され、水が排出された後は噴発防止電磁弁が閉じて圧気の流出を最小限に押さえることができる。
【0007】
また、前記流出側排水パイプには逆止弁が設けられているので、水中ポンプを停止した時に流出側排水パイプ内の水が逆流することが無い。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1および図2に示すように、ニューマチックケーソン工法では、ケーソン1の下部のケーソン函2内で作業員3が地盤4を堀り進み、ケーソン1を自重で沈下させるようになっている。そして、ケーソン1が地下水位5以下に沈下するとケーソン函2内の気圧を高め、地下水がケーソン函2内へ流入することを防止している。また、ケーソン床6上に水を入れ、地下水圧とケーソン函2の内圧によりケーソン1が浮き上がることを防止している。しかし、ケーソン函2内の気圧を高め、ケーソン刃口7で止水をしても、ケーソン函2内には滞水部8ができる。
【0009】
この滞水部8の水を排出するために、ケーソン床6上にポンプ室容器9を設け、ポンプ室容器9に接続された流入側排水パイプ10をケーソン函2内へ導入し、流入側排水パイプ10に排水ホース11を接続している。そして、ポンプ室容器9内に設けた水中ポンプ12の流出側排水パイプ13をケーソン1外へ導出し、ポンプ室容器9に接続された大気開放パイプ14をケーソン1の上部に開口している。
【0010】
流入側排水パイプ10には噴発防止電磁弁15が介装され、噴発防止電磁弁15の手前の流入側排水パイプ10に接続された細径の空気抜きパイプ16がポンプ室容器9内の上部に開口している。そして、空気抜きパイプ16には水を検知するセンサ17が設けられ、センサ17から水有信号を受けて制御装置18は噴発防止電磁弁15を開き、センサ17から水無信号を受けて制御装置18は噴発防止電磁弁15を閉じるようになっている。なお、図1中の符号19は、工事中断時に閉じてケーソン函2内の圧気の流出を防止するための開閉弁である。
【0011】
ポンプ室容器9内には高水位を検知するセンサ20及び低水位を検知するセンサ21が設けられ、センサ20から高水位信号を受けて制御装置18は水中ポンプ12を駆動し、センサ21から低水位信号を受けて水中ポンプ12を停止するようになっている。
【0012】
なお、図2中の符号22は、駆動及び制御用の電力を排水装置に供給する商用電源であり、符号23は、水中ポンプ12の駆動を停止した時に流出側排水パイプ13内の水が逆流することを防止する逆止弁である。
【0013】
また、ポンプ室容器9を大気圧に保つ大気開放パイプ14は、ケーソン1の壁の任意場所に取り付け可能で、ケーソン床6に溜められる水荷重による水圧でつぶされない小径のパイプである。さらに、ポンプ室容器9は、ケーソン床6に溜められる水荷重による水圧でつぶされない耐圧容器である。
【0014】
次に、ニューマチックケーソン函内の排水装置の動作を、図3に基づいて説明する。ケーソン函2内の気圧はケーソン刃口7下の地下水圧にほぼ等しい気圧に保たれ、地下水圧でケーソン函2内へ湧水が浸水しないようになっている。一方、ポンプ室容器9内の気圧は、大気開放パイプ14により大気圧に保たれている。このようにして、ケーソン函2内とポンプ室容器9内との気圧差により、排水ホース11を滞水部8に挿入しておくと、流入側排水パイプ10から分岐した空気抜きパイプ16には水または空気が常に流れるようになる(ST1)。なお、空気抜きパイプ16は小径なので、大量の空気または水がポンプ室容器9に流入することはなく、ケーソン函内の圧気の消費は最小限に押さえることができる。
【0015】
(1) 滞水部8に水が溜まった場合
滞水部8内の水はケーソン函2内の圧気により、排水ホース11、流入側排水パイプ10、及び空気抜きパイプ16を介してポンプ容器室9内へ少流量で流入する。センサ17が空気抜きパイプ16内の水を検知し、水有信号が制御装置18に入力すると(ST2)、制御装置18は噴発防止電磁弁15を開く(ST3)。そして、滞水部8内の水は、排水ホース11及び流入側排水パイプ10を介してポンプ容器室9内へ大流量で流入するようになる(ST4)。
【0016】
(2) 滞水部8の水が無くなった場合
滞水部8内の水がポンプ容器室9内へ流入して流入側排水パイプ10内に水がなくなり、センサ17から水無信号が制御装置18に入力すると(ST2)、制御装置18は噴発防止電磁弁15を閉じ(ST5)、ケーソン函2内の空気は、排水ホース11、流入側排水パイプ10、及び空気抜きパイプ16を介してポンプ容器室9内へ小流量で流入、この空気は大気開放パイプ14を介して大気中へ放出される(ST6)。
【0017】
(3) ポンプ室容器9内に水が溜まった場合
滞水部8内の水が流入してポンプ室容器9内が水で満たされ、センサ20から高水位信号が制御装置18に入力すると(ST7)、制御装置18は水中ポンプ12を駆動する(ST8)。そして、ポンプ室容器9内の水は水中ポンプ12により、流出側排水パイプ13を介してケーソン1外へ排出される(ST9)。
【0018】
(4) ポンプ室容器9内の水が排出された場合
水中ポンプ12により水が排出され、センサ21から低水位信号が制御装置18に入力すると(ST7)、制御装置18は水中ポンプ12の駆動を停止する(ST10)。そして、水中ポンプ12が停止した後の流出側排水パイプ12内の水の逆流は、逆止弁23により防止される(ST7)。
なお、図示の実施の形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない旨を付記する。
【0019】
【発明の効果】
以上のように構成されているので、本発明のニューマチックケーソン函内の排水装置は、以下の効果を有する。
1)ケーソン函内の作業員の作業は、排水ホースの移動だけで良いので、高圧下で作業する作業者の負担が少なくなる。
2)滞水部の水がなくなると噴発防止電磁弁が閉じるので、ケーソン函内の圧気の無駄な流出は最小限となる。
3)ポンプ室容器に大気開放パイプが設けられているので、ケーソン床上の沈下荷重調整のための水荷重を任意に変更する事ができるようになる。
4)ケーソン函内の排水が容易であるため、ある程度の湧水を許すことができ、ケーソン函内の気圧を通常より低くして作業者の負担を軽減できる。
5)噴発排水による騒音が無く、排水口付近が汚染されることが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のニューマチックケーソン函内の排水装置を使用して地下構造物を建設している状態の正面図。
【図2】本発明のニューマチックケーソン函内の排水装置の構成図。
【図3】本発明のニューマチックケーソン函内の排水装置の制御フロー図。
【図4】従来の排水装置を使用して地下構造物を建設している状態の正面図。
【図5】従来の他の排水装置を使用して地下構造物を建設している状態の正面図。
【図6】従来のさらに他の排水装置を使用して地下構造物を建設している状態の正面図。
【符号の説明】
1・・・ケーソン
2・・・ケーソン函内作業室
3・・・作業員
4・・・地盤
5・・・地下水位
6・・・ケーソン床
7・・・ケーソン刃口
8・・・滞水部
9・・・ポンプ室容器
10・・・流入側排水パイプ
11・・・排水ホース
12・・・水中ポンプ
13・・・流出側排水パイプ
14・・・大気開放パイプ
15・・・噴発防止電磁弁
16・・・空気抜きパイプ
17、20、21・・・センサ
18・・・制御装置
19・・・開閉弁
22・・・商用電源
23・・・逆止弁
【発明の属する技術分野】
本発明は、地下水位が高い地盤に地下構造物を建設するニューマチックケーソン工法において、ケーソン函内の滞水部の水を排水するための、ニューマチックケーソン函内の排水装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地下水位が高い地盤に地下構造物を建設する工法では、ニューマチックケーソン工法が知られている。この工法でケーソン函内の滞水部の水を排出するには、各種の方法が提案されている。例えば、図4に示す技術では、ケーソン函30内に可搬式の水中ポンプ31を持込み、水中ポンプ31の排水ホース32をケーソン33外へ導出している。そして、作業員34が滞水部35へ水中ポンプ31を運び、水中ポンプ31を駆動して手動弁36を開き、滞水部35の水を排水ホース32を介してケーソン33外へ排出する。この方法では、作業員34が水の溜まった滞水部35へ水中ポンプ31及び排水ホース32を運ぶ必要があり、高圧のケーソン函30内の圧気作業に加えて重労働の苦渋作業となる。
【0003】
また、図5に示す技術では、ケーソン函30内へ導入した排水ホース37をケーソン33外へ導出している。そして、作業員34が手動弁38を開いてケーソン函30内の圧気を大気中へ放出し、空気流速が速まったところで滞水部35の表面から水を空気流に混入して空気輸送している。この方法では、大量の函内圧気を消費すると共に、排水ホース37の排出口37aで排水混入空気が噴発し騒音を発生し、噴発した排水で付近を汚染することになる。
さらに、図6に示す技術では、ケーソン函30内へ導入した排水ホース39をケーソン床40上へ導出し、ケーソン床40上に設けた水中ポンプ41の排水パイプ42をケーソン33外へ導出している。そして、作業員34が排水ホース39を滞水部35へ挿入し、手動弁43を開いて函内圧気で水をケーソン床40上まで揚水し、水中ポンプ41でケーソン33外へ排水している。しかし、ニューマチックケーソン工法では、ケーソン沈下のための沈下荷重をケーソン床40上の水荷重で調整しているため、ケーソン床40上の水荷重水位44を地下水位45より高くする場合は、ケーソン床40上の水圧がケーソン函30内の気圧より高くなり、ケーソン函30内からケーソン床40上への揚水ができなくなる不都合がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述したような従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、流入側排水パイプを滞水部に挿入しておくだけで水をケーソン外へ排出することができ、ケーソン函内の作業者の負担を軽減できるようにしたニューマチックケーソン函内の排水装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のニューマチックケーソン函内の排水装置は、ケーソン内にポンプ室容器を設け、ポンプ室容器に接続された流入側排水パイプをケーソン函内へ導入し、ポンプ室容器内に設けた水中ポンプの流出側排水パイプをケーソン外へ導出し、ポンプ室容器に接続された大気開放パイプをケーソン外部に開口している。
【0006】
そして、前記流入側排水パイプには噴発防止電磁弁が設けられ、噴発防止電磁弁の手前の流入側排水パイプに接続された小径の空気抜きパイプをポンプ室容器内に開口し、流入側排水パイプ内の水を検知するセンサの出力で噴発防止電磁弁の開閉を制御し、ポンプ室容器内の水位を検知するセンサの出力で水中ポンプの駆動を制御しているので、ケーソン函内の滞水部の水は自動的にケーソン外へ排出され、水が排出された後は噴発防止電磁弁が閉じて圧気の流出を最小限に押さえることができる。
【0007】
また、前記流出側排水パイプには逆止弁が設けられているので、水中ポンプを停止した時に流出側排水パイプ内の水が逆流することが無い。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1および図2に示すように、ニューマチックケーソン工法では、ケーソン1の下部のケーソン函2内で作業員3が地盤4を堀り進み、ケーソン1を自重で沈下させるようになっている。そして、ケーソン1が地下水位5以下に沈下するとケーソン函2内の気圧を高め、地下水がケーソン函2内へ流入することを防止している。また、ケーソン床6上に水を入れ、地下水圧とケーソン函2の内圧によりケーソン1が浮き上がることを防止している。しかし、ケーソン函2内の気圧を高め、ケーソン刃口7で止水をしても、ケーソン函2内には滞水部8ができる。
【0009】
この滞水部8の水を排出するために、ケーソン床6上にポンプ室容器9を設け、ポンプ室容器9に接続された流入側排水パイプ10をケーソン函2内へ導入し、流入側排水パイプ10に排水ホース11を接続している。そして、ポンプ室容器9内に設けた水中ポンプ12の流出側排水パイプ13をケーソン1外へ導出し、ポンプ室容器9に接続された大気開放パイプ14をケーソン1の上部に開口している。
【0010】
流入側排水パイプ10には噴発防止電磁弁15が介装され、噴発防止電磁弁15の手前の流入側排水パイプ10に接続された細径の空気抜きパイプ16がポンプ室容器9内の上部に開口している。そして、空気抜きパイプ16には水を検知するセンサ17が設けられ、センサ17から水有信号を受けて制御装置18は噴発防止電磁弁15を開き、センサ17から水無信号を受けて制御装置18は噴発防止電磁弁15を閉じるようになっている。なお、図1中の符号19は、工事中断時に閉じてケーソン函2内の圧気の流出を防止するための開閉弁である。
【0011】
ポンプ室容器9内には高水位を検知するセンサ20及び低水位を検知するセンサ21が設けられ、センサ20から高水位信号を受けて制御装置18は水中ポンプ12を駆動し、センサ21から低水位信号を受けて水中ポンプ12を停止するようになっている。
【0012】
なお、図2中の符号22は、駆動及び制御用の電力を排水装置に供給する商用電源であり、符号23は、水中ポンプ12の駆動を停止した時に流出側排水パイプ13内の水が逆流することを防止する逆止弁である。
【0013】
また、ポンプ室容器9を大気圧に保つ大気開放パイプ14は、ケーソン1の壁の任意場所に取り付け可能で、ケーソン床6に溜められる水荷重による水圧でつぶされない小径のパイプである。さらに、ポンプ室容器9は、ケーソン床6に溜められる水荷重による水圧でつぶされない耐圧容器である。
【0014】
次に、ニューマチックケーソン函内の排水装置の動作を、図3に基づいて説明する。ケーソン函2内の気圧はケーソン刃口7下の地下水圧にほぼ等しい気圧に保たれ、地下水圧でケーソン函2内へ湧水が浸水しないようになっている。一方、ポンプ室容器9内の気圧は、大気開放パイプ14により大気圧に保たれている。このようにして、ケーソン函2内とポンプ室容器9内との気圧差により、排水ホース11を滞水部8に挿入しておくと、流入側排水パイプ10から分岐した空気抜きパイプ16には水または空気が常に流れるようになる(ST1)。なお、空気抜きパイプ16は小径なので、大量の空気または水がポンプ室容器9に流入することはなく、ケーソン函内の圧気の消費は最小限に押さえることができる。
【0015】
(1) 滞水部8に水が溜まった場合
滞水部8内の水はケーソン函2内の圧気により、排水ホース11、流入側排水パイプ10、及び空気抜きパイプ16を介してポンプ容器室9内へ少流量で流入する。センサ17が空気抜きパイプ16内の水を検知し、水有信号が制御装置18に入力すると(ST2)、制御装置18は噴発防止電磁弁15を開く(ST3)。そして、滞水部8内の水は、排水ホース11及び流入側排水パイプ10を介してポンプ容器室9内へ大流量で流入するようになる(ST4)。
【0016】
(2) 滞水部8の水が無くなった場合
滞水部8内の水がポンプ容器室9内へ流入して流入側排水パイプ10内に水がなくなり、センサ17から水無信号が制御装置18に入力すると(ST2)、制御装置18は噴発防止電磁弁15を閉じ(ST5)、ケーソン函2内の空気は、排水ホース11、流入側排水パイプ10、及び空気抜きパイプ16を介してポンプ容器室9内へ小流量で流入、この空気は大気開放パイプ14を介して大気中へ放出される(ST6)。
【0017】
(3) ポンプ室容器9内に水が溜まった場合
滞水部8内の水が流入してポンプ室容器9内が水で満たされ、センサ20から高水位信号が制御装置18に入力すると(ST7)、制御装置18は水中ポンプ12を駆動する(ST8)。そして、ポンプ室容器9内の水は水中ポンプ12により、流出側排水パイプ13を介してケーソン1外へ排出される(ST9)。
【0018】
(4) ポンプ室容器9内の水が排出された場合
水中ポンプ12により水が排出され、センサ21から低水位信号が制御装置18に入力すると(ST7)、制御装置18は水中ポンプ12の駆動を停止する(ST10)。そして、水中ポンプ12が停止した後の流出側排水パイプ12内の水の逆流は、逆止弁23により防止される(ST7)。
なお、図示の実施の形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨ではない旨を付記する。
【0019】
【発明の効果】
以上のように構成されているので、本発明のニューマチックケーソン函内の排水装置は、以下の効果を有する。
1)ケーソン函内の作業員の作業は、排水ホースの移動だけで良いので、高圧下で作業する作業者の負担が少なくなる。
2)滞水部の水がなくなると噴発防止電磁弁が閉じるので、ケーソン函内の圧気の無駄な流出は最小限となる。
3)ポンプ室容器に大気開放パイプが設けられているので、ケーソン床上の沈下荷重調整のための水荷重を任意に変更する事ができるようになる。
4)ケーソン函内の排水が容易であるため、ある程度の湧水を許すことができ、ケーソン函内の気圧を通常より低くして作業者の負担を軽減できる。
5)噴発排水による騒音が無く、排水口付近が汚染されることが無い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のニューマチックケーソン函内の排水装置を使用して地下構造物を建設している状態の正面図。
【図2】本発明のニューマチックケーソン函内の排水装置の構成図。
【図3】本発明のニューマチックケーソン函内の排水装置の制御フロー図。
【図4】従来の排水装置を使用して地下構造物を建設している状態の正面図。
【図5】従来の他の排水装置を使用して地下構造物を建設している状態の正面図。
【図6】従来のさらに他の排水装置を使用して地下構造物を建設している状態の正面図。
【符号の説明】
1・・・ケーソン
2・・・ケーソン函内作業室
3・・・作業員
4・・・地盤
5・・・地下水位
6・・・ケーソン床
7・・・ケーソン刃口
8・・・滞水部
9・・・ポンプ室容器
10・・・流入側排水パイプ
11・・・排水ホース
12・・・水中ポンプ
13・・・流出側排水パイプ
14・・・大気開放パイプ
15・・・噴発防止電磁弁
16・・・空気抜きパイプ
17、20、21・・・センサ
18・・・制御装置
19・・・開閉弁
22・・・商用電源
23・・・逆止弁
Claims (3)
- ケーソン内にポンプ室容器を設け、ポンプ室容器に接続された流入側排水パイプをケーソン函内へ導入し、ポンプ室容器内に設けた水中ポンプの流出側排水パイプをケーソン外へ導出し、ポンプ室容器に接続された大気開放パイプをケーソン外部に開口したことを特徴とするニューマチックケーソン函内の排水装置。
- 前記流入側排水パイプには噴発防止電磁弁が設けられ、噴発防止電磁弁の手前の流入側排水パイプに接続された小径の空気抜きパイプをポンプ室容器内に開口し、流入側排水パイプ内の水を検知するセンサの出力で噴発防止電磁弁の開閉を制御し、ポンプ室容器内の水位を検知するセンサの出力で水中ポンプの駆動を制御した請求項1に記載のニューマチックケーソン函内の排水装置。
- 前記流出側排水パイプには逆止弁が設けられている請求項1又は2に記載のニューマチックケーソン函内の排水装置。
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JP5368186B2 (ja) * | 2009-06-24 | 2013-12-18 | 大成建設株式会社 | 漏気検知装置 |
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