JP3745768B2 - フィルター材料の製造方法、フィルター材料、バグフィルター及び排ガス処理方法 - Google Patents

フィルター材料の製造方法、フィルター材料、バグフィルター及び排ガス処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、都市ゴミ焼却施設、汚泥焼却施設、産業廃棄物焼却施設、ボイラーなどから排出される排ガスを処理する排ガス処理施設に適用され、当該排ガスに含まれる有害物質を処理するフィルター材料の製造方法、フィルター材料、前記フィルター材料を有するバグフィルター及び前記バグフィルターを使用した排ガス処理方法に関する。
都市ゴミ焼却施設、汚泥焼却施設、産業廃棄物焼却施設、ボイラーなどから排出される排ガスには、ダストなどの固形成分や窒素酸化物、硫黄酸化物、一酸化炭素、ダイオキシン類に代表される有機ハロゲン化合物などの有害物質が含まれている。これらの有害物質を含む排ガスを処理する手段として、例えば以下に示すようなバグフィルターが報告されている。
(1)触媒をろ布の繊維に着け、当該ろ布の煤塵側の表面にテトラフルオロエチレン樹脂連続多孔質薄膜を備えたバグフィルターが報告されている(例えば特許文献1参照)。このバグフィルターにおいては、テトラフルオロエチレン樹脂連続多孔質薄膜により触媒の脱落が防止されるとともに、煤塵による触媒の汚損が防止される効果が記載されている。
(2)微粒子状の排ガス処理剤(触媒)を担持した織布または不織布からなるろ布の片面または両面に、多孔質体膜を密着させたバグフィルターが報告されている(例えば特許文献2参照)。このバグフィルターにおいては、ろ布の表面に密着させた多孔質体膜によって逆洗時の排ガス処理剤の脱落を防止するとともに、ダスト等による触媒の汚損を防止する効果が記載されている。
(3)予め活性微粒子(触媒)を担持させた基布の両側をフィルタ材により挟持したバグフィルターが報告されている(例えば特許文献3参照)。このバグフィルターにおいては、活性微粒子を担持している基布がフィルタ材により被膜されていることにより、活性微粒子の脱落が防止される効果が記載されている。
しかし、これらのバグフィルターにおいては、液状の触媒に基布を浸積させた後に乾燥処理を行う、いわゆる含浸法によって触媒が担持されている。そのため、触媒の基布への付着が充分ではなく、逆洗時のパルスジェットなどの衝撃により触媒がろ布から脱落するおそれがあった。従って、長期に渡って使用するにつれて有害物質を充分に除去することができなくなり、寿命が短くなってしまっていた。また、脱落した触媒が系外に流出してしまうという問題があった。
(4)また、触媒を繊維材料に担持させる手段として、3層構造の繊維材料の層間に触媒を付与してニードルパンチ加工を行い層間に触媒を担持させるフィルター材料や、それぞれの層の繊維材料に含浸法によって予め触媒を付着させておき、積層した後ニードルパンチ加工によって得られるフィルター材料が報告されている(例えば特許文献4参照)。しかし、このフィルター材料においては、触媒の繊維材料への付着が充分ではないためにニードルパンチ加工時において触媒が飛散してしまい、製品に充分量の触媒を担持させておくことが困難であった。
特開平10−230119号公報 特開平11−309317号公報 特開平11−244636号公報 特開平11−290625号公報
本発明はこのような実情に鑑みなされたものであり、その課題は製造時、使用時において触媒の脱落がほとんど無く、長期間にわたり被処理ガスに含まれる有害物質を確実に除去することができるフィルター材料の製造方法、フィルター材料、前記フィルター材料を有するバグフィルター及び前記バグフィルターを使用する排ガス処理方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様に係るフィルター材料の製造方法の発明は、触媒粒径より小さい目開きのシートで、接着剤と被処理ガス中の有害物質を除去する触媒とを挟み込み、圧着させる工程を含むフィルター材料の製造方法であって、前記接着剤は、前記フィルター材料の製造段階においては、その接着作用によって、前記触媒を前記シートに付着させることにより触媒の脱落を防止し、前記フィルター材料の使用段階においては、前記被処理ガスの熱により不可逆的に変性するものであることを特徴とする。
この特徴によれば、触媒粒径より小さい目開きのシートによって触媒が挟み込まれため、触媒の脱落を効果的に防ぐことができ、耐久性を向上させることができる。また、触媒を接着剤によってシートに付着させることができるので、製造段階における触媒の脱落を防止することができる。更に、加熱処理によって触媒表面を覆っている接着剤を変性させることにより、触媒表面をより一層露出させることができる。従って、被処理ガスを処理する使用段階において触媒による有害物質除去能を充分に発揮させることができ、効率的に有害物質を除去することができる。
また、本発明の第2の態様に係るフィルター材料の製造方法の発明は、前記第1の態様において、さらに、ニードルパンチ加工工程を含むことを特徴とする。
この特徴によれば、触媒が接着剤によってシートに付着した状態でニードルパンチ加工を施すため、ニードルパンチ加工時における触媒の飛散を防止することができる。すなわち、製造段階における触媒の損失がほとんど無く、シートに付与した量と同量の触媒を有するフィルター材料を製造することができ、例えば製造段階における触媒の損失を考慮する必要がない。
また、本発明の第3の態様に係るフィルター材料の発明は、接着剤と被処理ガス中の有害物質を除去する触媒とを、前記触媒の粒径より小さい目開きを有し、かつ耐熱性を有するシートで挟み込んだフィルター材料であって、前記接着剤は、前記フィルター材料の製造段階においては、その接着作用によって、前記触媒を前記シートに付着させることにより触媒の脱落を防止し、前記フィルター材料の使用段階においては、前記被処理ガスの熱により不可逆的に変性するものであることを特徴とする。
この特徴によれば、触媒が触媒粒径より小さい目開きのシートによって挟み込まれているため、被処理ガスを処理する使用時において触媒の脱落を効果的に防止することができる。よって、触媒の脱落に由来する有害物質除去能の低下を回避することができ、長期間に渡り有害物質を効率的に除去することができる。また、シートが耐熱性を備えていることにより、高温度の条件下においても被処理ガスを確実に処理することができる。
また、被処理ガスにダストが含まれている場合に、このダストをシートで捕捉して取り除くことができるので、触媒がダストによって汚損されることがなく、触媒の有害物質除去能を長期間維持することができる。
また、本発明の第4の態様に係るフィルター材料の発明は、接着剤と被処理ガス中の有害物質を除去する触媒とを、前記触媒の粒径より小さい目開きを有し、かつ耐熱性を有するシートで挟み込んだフィルター材料であって、前記接着剤は、前記フィルター材料の製造段階においては、その接着作用によって、前記触媒を前記シートに付着させることにより触媒の脱落を防止し、その後、加熱処理されて不可逆的に変性されたものであることを特徴とする。
また、本発明の第5の態様に係るフィルター材料の発明は、前記第3の態様または前記第4の態様において、前記シートは、ウェブとスクリムが一体成形したフェルト地から構成されていることを特徴とする。
この特徴によれば、シートがウェブとスクリムが一体成形したフェルト地から構成されているので、シートの目開きを小さくすることができる。また、ウェブとスクリムの目付量を調整することにより、シートの目開きを適宜制御することができる。
また、本発明の第6の態様に係るフィルター材料の発明は、前記第5の態様において、被処理ガスの流通方向上流側から、ウェブ層、スクリム層、触媒層、ウェブ層、スクリム層が積層した構造を有することを特徴とする。
この特徴によれば、被処理ガス流通方向の最上流側にウェブ層が配置されているため、被処理ガスに含まれるダストを確実に捕捉することができ、ダストによる触媒の汚損を回避することができる。また、触媒層がフィルター材料の内部に設けられているため、触媒の脱落を防止することができる。
また、本発明の第7の態様に係るバグフィルターの発明は、前記第3の態様から前記第6の態様のいずれかの態様に記載のフィルター材料を有することを特徴とする。
この特徴によれば、有害物質を含む被処理ガス(排ガス)を生成する焼却炉などの下流側に配置されるバグフィルターとして、前記第3の態様から前記第6の態様のいずれかの態様に記載されている作用効果と同等の効果を得ることができる。すなわち、排ガスに含まれるダイオキシン類に代表される有害物質を確実、かつ、効率的に除去することができる。
また、本発明の第8の態様に係る排ガス処理方法の発明は、前記第7の態様に記載のバグフィルターを使用して排ガスを処理することを特徴とする。この特徴によれば、焼却炉などにおいて生成される排ガスに含まれるダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物、その他の有機化合物、窒素酸化物、硫黄酸化物などの有害物質を確実に除去することができる。すなわち、排ガスを確実、かつ効率的に処理することができる。
本発明によれば、触媒がシートに挟み込まれ、さらに接着剤によってシートに固着されているので、製造段階において触媒が脱落することがない。すなわち、フィルター材料の製造時において、触媒が飛散してしまうことを防止することができ、初期の触媒担持量を維持することができる。
また、フィルター材料の使用段階における触媒の脱落も無く、長期間触媒を保持することができるとともに、被処理ガスに含まれるダイオキシン類に代表される有害物質を確実、かつ効率的に除去することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。本発明に係るフィルター材料の製造方法は、触媒粒径より小さい目開きのシートで、接着剤と被処理ガス中の有害物質を除去する触媒とを挟み込み、圧着させる工程(触媒担持工程)を含み、好ましくは、さらに前記触媒担持工程の後にニードルパンチ加工工程を有するものである。
本発明に係るフィルター材料は、都市ゴミ焼却施設、汚泥焼却施設、産業廃棄物焼却施設、ボイラー等において生成され、ダストやダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物、窒素酸化物、硫黄酸化物、一酸化炭素などの有害物質を含む被処理ガス(排ガス)を処理するバグフィルター、または当該バグフィルターの構成要素として用いることができるものである。
本発明に使用できるシートとしては、触媒粒径より小さい目開きを有するシート状のものを挙げることができる。シートの目開きは、被処理ガスの通過を妨げることがない程度で、触媒粒径に応じて適宜設定することができ、具体的には平均目開きを10〜100μm程度、好ましくは30〜80μm、より好ましくは60〜70μmとすることができる。このように、目開きのサイズが触媒粒径より小さいシートを用いることにより、触媒の脱落を確実に防止することができる。
シートは耐熱性を有する繊維から構成することができ、この耐熱性を有する繊維としては、例えばポリアミド繊維、ポリイミド繊維、ポリアミドイミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、セラミックス繊維、ガラス繊維などを挙げることができる。
シートには、ウェブとスクリムが一体成形したフェルト地を用いることが好ましい。ウェブには綿状の繊維シートや不織布からなるものを用いることができ、その目付量を200〜300g/m程度とすることができる。また、スクリムはウェブを積層させることができる基材であれば特に制限されるものではなく、格子状織布、荒目地クロス、編物、不織布、メッシュ等からなるものを用いることができ、その目付量を80〜120g/m程度とすることができる。ウェブ及びスクリムを構成する繊維の繊維径や目付量を調整することにより、シートの目開きを適宜制御することができる。
ウェブとスクリムを積層させて一体成形する方法は、縫製やニードルパンチ加工、接着剤により行うことができる。ウェブとスクリムの積層構成は、スクリムの片面にウェブが積層されているものが好ましい。なお、スクリムの両面にウェブが積層されていてもよく、一つのフィルター材料中においてウェブ、スクリムのいずれかが複数構成されていても構わない。
本発明に用いられる接着剤は特に限定されないが、所定の温度まで加熱することによって炭化、溶解、分解、収縮などにより不可逆的に変性するものが好ましい。熱により不可逆的に変性する接着剤(熱変性する接着剤)としては、例えばポリビニルアルコールを主成分とするものを挙げることができる。
接着剤として熱変性するものを使用することにより、加熱処理(例えば、ヒートセット、高温度の被処理ガスを処理する実ガス処理)によって接着剤に覆われている触媒表面を露出させることができる。よって、被処理ガスを処理する段階において有害物質と触媒との接触頻度を高めることができ、もって効率的に有害物質を分解することができる。また、接着剤の種類や変性条件(加熱条件、使用条件など)を調整することで変性される接着剤を調整することができるので、触媒をシートに固着させる部分を残存させてシートと触媒との接着を確実に維持させ、例えば逆洗時におけるパルスジェットによる触媒の脱落を防止することができる。すなわち、接着剤のうち、触媒表面を覆い触媒の働きを妨げる部分を変性させて取り除くことにより触媒の有害物質除去能を確実に発揮させつつ、触媒のシートへの接着作用を備える部分を残存させておくことで接着効果を維持させて触媒の脱落を防止することができる。なお、接着剤を熱変性させてなる炭化物などにおいて触媒をシートに接着させておくこともできる。
接着剤には熱処理により軟化させて接着作用を発揮させる粉末状に調整されたのものまたは液状に調整されたものを用いることができる。ハンドリング性が高く、触媒をシートに接着させるのに適した量を容易に調整することができる観点から、粉末状の接着剤が好ましい。粉末状の接着剤の粒径は例えば80〜120μm程度であるものが好ましい。
接着剤量は、触媒を接着させるのに充分であり、かつ余分な接着剤による触媒表面の被覆や目開きの目詰まりを可能な限り生じることがないような範囲で適宜設定することができ、例えば触媒量に対して20〜50%程度に調整することができ、具体的には100〜150g/m程度とすることができる。
本発明に使用できる触媒としては、被処理ガスに含まれるダイオキシン類に代表される有機ハロゲン化合物などの有害物質を有効に分解することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、金、白金、銀、クロム、モリブデン、バナジウム、タングステン、コバルト、銅、鉄、マンガンなどの金属の酸化物を含有するものを挙げることができる。
これらのなかで、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウムなどの金属の酸化物を担体とし、これに金、白金、銀、クロム、モリブデン、バナジウム、タングステン、コバルト、銅、鉄などの金属の酸化物を担持させたものが好ましい。特に、チタン、バナジウム及びタングステンの酸化物、すなわち、二酸化チタン(TiO)、五酸化バナジウム(V)及び三酸化タングステン(WO)を含有するものが好ましい。
これらの金属酸化物触媒は、被処理ガス中の有害物質、特にダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物に対する触媒分解能が高いため好適である。もちろん、有機ハロゲン化合物以外の有害物質、例えばその他の有機化合物、窒素酸化物、硫黄酸化物、一酸化炭素なども分解、除去することが可能である。
これらの金属酸化物触媒は、ハニカム状の塊などをジェット粉砕等により処理した粉末状のものが好適である。触媒の粒径はシートの目開きサイズより大きいものが好ましく、当該シートの目開きに応じて適宜設定することができる。具体的には例えば、平均粒径が80〜500μm程度であるものが好ましく、100〜300μm程度であるものがより好ましく、100〜130μmであるものが最も好ましい。このように、シートの目開きサイズより大きい粒径を有する触媒を用いることにより、触媒の脱落を有効に防止することができる。
また、触媒には、上記金属酸化物触媒に硫黄および/もしくはリン、またはこれらの化合物を僅かに含有させたものを用いることができる。触媒にこれらの物質を含ませることにより、ダイオキシン類などの有機ハロゲン化合物に対する分解作用をより一層向上させることができる。
触媒量は、被処理ガスに含まれる有害物質を有効に除去することができるとともに、所定のガス通過量を確保することができる範囲で適宜設定することができ、例えば50〜2000g/m、好ましくは100〜1000g/m、より好ましくは200〜400g/mとすることができる。
本発明に係るフィルター材料10は、図1に示す如く、シート層11と触媒層12とシート層11を積層した構造である。また、シートが上述したようにスクリムの片面にウェブを積層させたフェルト地である場合には、図2に示す如く、フィルター材料20は被処理ガスの流通方向上流側からウェブ層21、スクリム層22、触媒層12、ウェブ層21、スクリム層22が積層した構造とすることができる。このように被処理ガスの流通方向の最上流側にシート層11またはウェブ層21を設けることにより、被処理ガスに含まれるダストがフィルター内部まで浸入することを防止することができ、ダストによる触媒の汚損を回避することができる。また、触媒層12はシートによって挟持されているので、触媒の脱落を防止することができる。なお、フィルター材料の積層構造はこれらに限定されるものではなく、例えば上記基本構造の表面に保護膜層などを有する構造のもの、スクリムの両面にウェブが積層したフェルト地をシートとして用いた構造のものなどでも良い。
フィルター材料の厚みは、全体として0.1〜5mm程度が好ましく、1〜2mm程度であればより好ましい。厚みが上記範囲であると、所定のガス流量を確保することができるとともに、フィルター材料をバグフィルターに使用した場合に圧損を小さくすることができる。
次に、フィルター材料の製造方法について図3を参照しつつ説明する。図3はフィルター材料の製造方法に用いられる製造装置の概略構成図である。本発明に係るフィルター材料の製造方法は、シートで接着剤と触媒とを挟み込み、圧着させる触媒担持工程、さらに、前記触媒担持工程後のニードルパンチ加工工程を有するものである。製造装置50は、主要な構成として加熱装置52、圧着装置としてのプレス装置53、ニードルパンチ加工機54を備えている。
混合機51において粉末状接着剤と粉末状触媒との所定割合混合物を各成分が均一となるまで充分に撹拌混合した後、シートローラ58から供給されるシート11に触媒担持量が所定範囲となるように当該混合物を満遍なく散布した後、当該混合物を挟み込むように別のシート11を積層させる。なお、シート11がスクリムの片面にウェブを積層させたフェルト地である場合には、ウェブ層、スクリム層、触媒層、ウェブ層、スクリム層と順になるように積層させる。
積層した後、加熱装置52において粉末状接着剤が溶解する程度の温度で加熱処理し、プレス装置53でプレス、圧着させる。加熱処理によって接着剤がいったん溶解し、この状態においてプレスすることで触媒をシート11に固着させることができる。そして、触媒がシートに固着した状態でニードルパンチ加工機54によりニードルパンチ処理してフィルター材料ローラ59で巻き取ることで、例えば幅1.2m、長さ100mのフィルター材料10を製造することができる。このように、触媒がシートに固着した状態でニードルパンチ加工処理を行うため、製造段階(特に、ニードルパンチ加工時)において触媒が損失することがない。なお、図3においては加熱装置とプレス装置とを別体に設けたがこれに限定されるものではなく、例えば、プレス装置に加熱機能を設けることにより加熱装置を省略することもできる。
また、図3においては接着剤に粉末状のものを使用した場合について説明したが液状の接着剤でも良く、この場合にはシートに液状接着剤を均一に噴霧したのちに触媒を所定の担持量の範囲となるように均一に散布し、さらに別のシートを積層させ(すなわち、接着剤と触媒とをシートで挟み込み)、圧着、ニードルパンチ加工することによってフィルター材料を製造することができる。
また、フィルター材料は被処理ガスの処理に使用する前に、予め250〜350℃程度、好ましくは300℃程度で、数十秒間(例えば20〜40秒間)処理するヒートセット処理を行うことが好ましい。このヒートセット処理によって形状を安定化させることができるとともに、熱変性する接着剤を変性させることができる。なお、フィルター材料の使用温度が低く、熱変性する接着剤を使用段階において変性させることができない場合などでは、接着剤の大部分を熱変性させておく観点から、処理時間を数分〜数十時間に設定することができる。
次に、上述したフィルター材料をバグフィルターとして使用して排ガスを処理する排ガス処理方法について説明する。バグフィルターとして排ガス(実ガス)を処理する温度は120〜330℃が好ましく、150〜250℃であるとより好ましい。使用温度が上記範囲であると、触媒の活性を高めることができ効率的に有害物質を処理することができるとともに、フィルターの構成要素の耐熱温度範囲内である。なお、フィルター材料をバグフィルターとして使用する場合には、フィルター材料を袋状に縫製する。
ここで、図4は排ガス処理施設の概略構成図であり、この排ガス処理施設60は都市ゴミ、汚泥、産業廃棄物などを焼却処理する焼却炉61、水冷減温装置62、本発明に係るバグフィルター30を備えたバグフィルター式集塵装置63、送風機64及び排気塔65を備えている。バグフィルター式集塵装置63の上流位置には、脱塩剤や剥離剤などの添加剤の供給手段としての噴霧装置66が設けられている。
焼却炉61で発生した排ガスは、水冷減温装置62に送られて所定の温度(例えば120〜330℃)まで冷却された後、バグフィルター式集塵装置63に送られる。このバグフィルター式集塵装置63の上流位置の煙道では噴霧装置66によりバグフィルター式集塵装置63に送られる排ガスに脱塩剤、剥離剤、活性炭などを供給することができるようになっている。
ここでバグフィルター30による排ガスの処理状態を図5に示す。排ガス31の流通方向の上流側(図5において左手側)から送られてきた排ガス31に含まれるダスト32は、バグフィルター30の最外層であるウェブ層21で捕捉されて除去される。さらに、ダスト32に付着しているダイオキシン類、いわゆる固相ダイオキシン類についてもこのウェブ層21で除去することができる。
そして、除塵された排ガス31がバグフィルター30を通過する際に、当該バグフィルター30に担持されている触媒と接触することにより、ダイオキシン類に代表される有機ハロゲン化合物、窒素酸化物、硫黄酸化物、一酸化炭素などの有害物質33が分解されて取り除かれる。このように、固相及び気相に存在する有害物質を確実に取り除くことができる。こうして排ガス31はバグフィルター30を通過することにより清浄ガス39となり、排気塔65から排出される。
なお、噴霧装置66から脱塩剤などの添加剤を排ガスに添加した場合には、排ガスに含まれる塩化水素や窒素酸化物、硫黄酸化物などの有害物質33がアルカリ反応剤によって脱塩、脱硝、脱硫されて中和生成物が生成され、この中和生成物が固相成分としてバグフィルター30に捕捉除去される。また、剥離剤を含む場合には、固相成分によるバグフィルター30の目詰まりが防止される。
また、バグフィルター式集塵装置において、バグフィルターの表面に付着したダストなどの固相成分を払い落とすため定期的にパルスジェット逆洗処理が行われるが、バグフィルターを構成するフィルター材料において耐久性が向上しているため、逆洗処理による触媒の脱落を回避することができる。従って、バグフィルターの寿命を長くすることができるとともに、触媒が排気塔から放出されることもない。
以下、実施例を挙げて本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら制約されるものではない。
実施例1
ポリテトラフルオロエチレン繊維から構成されたスクリムの片面に、ポリテトラフルオロエチレン繊維から構成されたウェブを積層して一体成形したフェルト地のシートで、ポリビニルアルコールを主成分とする接着剤と二酸化チタン(TiO)、五酸化バナジウム(V)及び三酸化タングステン(WO)からなる金属酸化物触媒を挟み込み、熱圧着して触媒を担持した。その後、ニードルパンチ加工によってウェブ層、スクリム層、触媒層、ウェブ層、スクリム層が積層した構造のフィルター材料を製造した。なお、ウェブの目付量は300g/m、スクリムの目付量は100g/m、触媒量は333g/m、接着剤量は130g/mに調整した。
上記フィルター材料を袋状に縫製してバグフィルター(面積:0.24m、触媒量:80g)とし、焼却炉からの排ガス(排ガス流量:1m/min、排ガス温度:200℃)を処理したところ、ダイオキシン類の98.2%を分解、除去することができた。
実施例2
実施例1のバグフィルターを使用してパルスジェット逆洗後における触媒量(触媒保持率)を評価した。前記バグフィルターに30000回(約5年間分)のパルスジェット逆洗を行った後における触媒量は77g(触媒保持率は96.2%)であり、排ガス中の有害物質を分解するのに有効な触媒量を保持することができた。
本発明は、都市ゴミ焼却施設、汚泥焼却施設、産業廃棄物焼却施設、ボイラーなどから排出される排ガスを処理する排ガス処理施設に適用され、当該排ガスに含まれる有害物質を処理するフィルター材料として利用することができる。
本発明に係るフィルター材料の概略構成を示す図面である。
本発明に係る別のフィルター材料の概略構成を示す図面である。
本発明に係るフィルター材料の製造方法の説明に供する図面である。
排ガス処理施設の概略構成図である。
本発明に係るバグフィルターによって排ガスを処理する状態を示す図面である。
符号の説明
10、20 フィルター材料
11 シート層
12 触媒層
21 ウェブ層
22 スクリム層
30 バグフィルター
31 排ガス
32 ダスト
33 有害物質
39 清浄ガス
50 フィルター材料製造装置
51 混合機
52 加熱装置
53 プレス装置
54 ニードルパンチ加工機
60 排ガス処理施設
61 焼却炉
62 水冷減温装置
63 バグフィルター式集塵装置
64 送風機
65 排気塔
66 噴霧装置

Claims (9)

  1. 触媒粒径より小さい目開きのシートで、接着剤と被処理ガス中の有害物質を除去する触媒とを挟み込み、圧着させる工程を含むフィルター材料の製造方法であって、前記接着剤は、前記フィルター材料の製造段階においては、その接着作用によって、前記触媒を前記シートに付着させることにより触媒の脱落を防止し、前記フィルター材料の使用段階においては、前記被処理ガスの熱により不可逆的に変性するものであることを特徴とする、フィルター材料の製造方法。
  2. 請求項1において、さらに、ニードルパンチ加工工程を含むことを特徴とする、フィルター材料の製造方法。
  3. 接着剤と被処理ガス中の有害物質を除去する触媒とを、前記触媒の粒径より小さい目開きを有し、かつ耐熱性を有するシートで挟み込んだフィルター材料であって、前記接着剤は、前記フィルター材料の製造段階においては、その接着作用によって、前記触媒を前記シートに付着させることにより触媒の脱落を防止し、前記フィルター材料の使用段階においては、前記被処理ガスの熱により不可逆的に変性するものであることを特徴とする、フィルター材料。
  4. 接着剤と被処理ガス中の有害物質を除去する触媒とを、前記触媒の粒径より小さい目開きを有し、かつ耐熱性を有するシートで挟み込んだフィルター材料であって、前記接着剤は、前記フィルター材料の製造段階においては、その接着作用によって、前記触媒を前記シートに付着させることにより触媒の脱落を防止し、その後、加熱処理されて不可逆的に変性されたものであることを特徴とする、フィルター材料。
  5. 請求項3または請求項4において、前記シートは、ウェブとスクリムが一体成形したフェルト地から構成されていることを特徴とする、フィルター材料。
  6. 請求項5において、被処理ガスの流通方向上流側から、ウェブ層、スクリム層、触媒層、ウェブ層、スクリム層が積層した構造を有することを特徴とする、フィルター材料。
  7. 請求項3から請求項6のいずれか一項に記載のフィルター材料を有することを特徴とする、バグフィルター。
  8. 請求項7に記載のバグフィルターを使用して排ガスを処理することを特徴とする、排ガス処理方法。
  9. 請求項3において、該フィルター材料は、バグフィルターとして排ガスを処理するものであり、その排ガスを処理する温度が120〜330℃であるフィルター材料。
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