JP3745624B2 - 瘢痕および癒着形成を制限するための方法 - Google Patents

瘢痕および癒着形成を制限するための方法 Download PDF

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Description

【0001】
(クロス・リファレンス)
本明細書は、両方ともそのすべてが参考文献にて本明細書に組み込まれている、米国暫定特許明細書番号第60/125,707号(1999年3月23日提出)および第60/139,541号(1999年6月16日提出)に対する優先権を主張する。
【0002】
(発明の分野)
本発明は瘢痕および癒着形成を制限するための方法に関する。
【0003】
(発明の背景)
哺乳動物組織での傷は、結果として傷表面における組織崩壊および微小血管の凝固をおこす。そのような組織の修復は、傷に対する規則的に制御された細胞応答を示す。細胞形態は、3つの異なった領域からなる。中央無血管傷空間は、酸素不足、アシドーシスおよび高炭酸ガス症であり、高乳酸濃度である。傷空間隣接部は、繊維芽細胞を分割することによって場所を占有した局所貧血(虚血)の勾配領域である。主要領域の裏は、成熟繊維芽細胞および多くの新規に形成された毛細血管(すなわち新生血管形成)によって特徴づけられる活性コラーゲンおよび細胞外マトリックスタンパク合成の領域である。
【0004】
裂傷、穿刺またはやけどによる皮膚への傷のような組織傷害は、結果として、組織内または組織を通して広がりうる傷となる。傷がほとんど小さく、局在している場合、通常の治癒工程が傷をふさぎ、組織に正常の機能を復旧させることが可能である。(Id)。しかしながら、いくつかの場合、傷害は深い傷または大きな領域に影響を与える傷になる。そのような傷は、治癒をおこすために臨床的仲介が必要であり得る。傷封鎖は、傷部位へのケラチノサイト移動および傷部位直下の組織での特定繊維芽細胞の収縮の複合活性によって行われ、これは互いに傷の末端を近くに引き寄せる。傷床の効果のないリモデリングは瘢痕を残し、重度の場合、傷部位での組織機能の欠損を導きうる。
【0005】
瘢痕は、いくつかの種類の傷による、しばしば皮膚連結組織およびその関連細胞の異常な組織化による皮膚の外観での肉眼的な変化として定義される(Chamberlin et al.,J.Anat.186:87−96(1995))。栄養および酸素の拡散バリアとして役立ち、より低い破壊強度を持ち、しばしば変形、機能減少および本来の組織の増殖の欠陥をおこすので、瘢痕は本来の組織の不完全な代用物である。瘢痕により提供される唯一の利点は、それによって構造完全性が確立される素早さである。したがって、傷を治癒することに関する皮膚構造の理想的状況は、傷の素早い密封と、瘢痕の形成および増殖、機能および外観におけるその結果としての有害な効果のない皮膚構造の再生成であり得る(Chamberlin et al.,J.ANat.186:87−96(1995))。
【0006】
成人でのものと違って胎児傷は、瘢痕形成なしに、そして増殖因子プロフィールの減少および炎症反応を伴って治癒する(Chamberlin et al.,J.Anat.186:87−96(1995))。また、よく特性化された加齢マウスコロニーにおいて、瘢痕速度が歳と共に減少し、一方治癒が再上皮化、および基底膜およびマトリックス沈着に関して遅延することも示唆された(Ashcroft et al.,J.Anat.190:351−365(1997))。したがって、傷治癒および瘢痕形成の工程は分離することが可能である。
【0007】
先行研究により、治癒大人ネズミ皮膚傷における形質転換増殖因子β−1およびβ−2(TGFβ−1およびTGFβ−2)が傷の治癒の速さまたは強度に有害な影響を与えず、瘢痕の減少をおこしたことが示唆された(Chamberlin et al.,J.Anat.186:87−96(1995))。TGF−β1に対する中和抗体で処置した傷は、より炎症反応が少なく、早期細胞外マトリックス(ECM)沈降が減少し、後期皮膚瘢痕化が増加した(Shah et al.,Am.J.Pathol.154:1115−1124(1999))。反対にTGF−β1の局所組織濃度の増加は、早期ECM沈着を増加させるが、しかし瘢痕形成を変化させなかった。したがって、傷治癒を促進する因子は、瘢痕形成を十分には制限しない。
【0008】
瘢痕は多くの臨床的な問題の主要な原因である。やけど後の拘縮、腸閉塞を引き起こす手術後の癒着および狭窄、口蓋裂手術の後の顔中央拘縮および痛みを伴う神経腫が瘢痕によって引き起こされる問題の2、3の例である。瘢痕組織は増殖を干渉し、変形を引き起こし、機能を減じ、そして美的に見苦しくなる(Shah et al.,J.Cell Science 107:1137−1157(1994))。
【0009】
同様に、手術後癒着形成も、腹部、骨盤、胸部および他の外科的処置を含む多くの外科的処置後の手術後病的状態および死亡の主要な供給源である。癒着形成の病因は複雑であり、完全には理解されていない。第一段階は、足場を形成するための過剰な繊維の沈着が含まれることが考えられる。次いで繊維芽細胞および中皮細胞を含む細胞要素による繊維足場の組織化が続く。癒着形成を防止するためのさまざまなアプローチが活発に探求されてきた(たとえば、そのすべてが本明細書に参考文献として組み込まれている、米国特許第5,891,460号、第5,639,468号、第5,629,294号、第5,614,515号、第5,534,261号、第5,498,613号および第5,478,837号を参照のこと)。しかしながら、どの単一の治療的アプローチも手術後の癒着形成を防止し、または他の型の傷で一般的に効果的であることは証明されていない。
【0010】
したがって、瘢痕および癒着形成を制限するのに安全で、効果的に使用できうる組成物および方法に対する必要性が存在する。
【0011】
(発明の概要)
本発明は、瘢痕および癒着形成を制限するのに効果的な量のアンジオテンシノーゲン、アンジオテンシン(AI)、AI類似体、AI断片およびその類似体、アンジオテンシンII(AII)類似体、AII断片およびその類似体、ACE阻害剤またはAII AT 2型レセプターアンタゴニストを単独で、または他の化合物との組合せで、これらを必要とする哺乳動物に投与することを含む、瘢痕および癒着形成を制限するための薬理学的組成物、方法およびキットを提供する。
【0012】
(好ましい実施様態の詳細な記述)
すべての引用した特許、特許明細書および参考文献は、そのすべてを本明細書で参考文献として組み入れる。
【0013】
本明細書で使用するところの、語句「瘢痕(scar)」は、いくつかの型の傷による皮膚の外観の肉眼的な変化を表す。
【0014】
本明細書で使用するところの、語句「癒着(adhesion)」は、器官と組織層の間に形成する瘢痕組織を表す。
【0015】
本明細書で使用するところの、語句「瘢痕形成を制限すること(limiting scar formation)」は、予防的に、初期瘢痕形成を制限すること、そして治療的に存在している瘢痕を減少させること両方によって皮膚の外観での肉眼的変化を減少させることを表す。
【0016】
本明細書で使用するところの語句「癒着形成を制限すること(limiting adhesion formation)」は、器官と組織層の間で形成する瘢痕組織を減少させることを表す。
【0017】
他に言及しない限り、本明細書で使用するところの語句「活性薬剤(active agents)」は、瘢痕形成を制限するために、単独、組み合わせて、またはさらに他の化合物と組み合わせての、アンジオテンシノーゲン、アンジオテンシン(AI)、AI類似体、AI断片およびその類似体、アンジオテンシンII(AII)類似体、AII断片およびその類似体、ACE阻害剤またはAII AT 2型レセプターアンタゴニストを含む化合物群を表す。
【0018】
他に示唆しない限り、語句「アンジオテンシン変換酵素阻害剤(angiotensin converting enzyme inhibitors)」または「ACE阻害剤(ACE inhibitor)」には、デカペプチドであるアンジオテンシンIのアンジオテンシンIIへの変換を阻害する任意の化合物が含まれ、アラセプリル、アラトリオプリル、アルチオプリルカルシウム、アンコベニン、ベナセプリル、塩酸ベナゼプリル、ベナゼプリラット、ベンザゼプリル、ベンゾイルカプトプリル、カプトプリル、カプトプリル−システイン、カプトプリル−グルタチオン、セラナプリル、セラノプリル、セロナプリル、シラザプリル、シラザプリラット、コンバースタリン、デラプリル、デラプリル−ジアシッド、エナラプリル、エナラプリラット、エナキレン、エナプリル、エピカプトプリル、ホロキシミチン、ホスフェノプリル、ホセノプリル、ホセノプリルナトリウム、ホシノプリル、ホシノプリルナトリウム、ホシノプリラット、ホシノプリリン酸、グリコプリル、へモルフィン−4、イダプリル、イミダプリル、インドラプリル、インドラプリラット、リベンザプリル、リシノプリル、リシウミンA、リシウミンB、ミキシアンプリル、モエキシプリル、モエキシプリラット、モベルチプリル、ムラセインA、ムラセインB、ムラセインC、ペントプリル、ペリンドプリル、ペリンドピリラット、ピバロプリル、ピボプリル、キナプリル、塩酸キナピリル、キナプリラット、ラムプリル、ラミプリラット、スピラプリル、塩酸スピラプリル、スピラプリラット、スピロプリル、塩酸スピロプリル、テモカプリル、塩酸テモカプリル、テプロチド、トランドラプリル、トランドラプリラット、ウチバプリル、ザビシプリル、ザビシプリラット、ゾフェノプリルおよびゾフェノプリラットを限定しないが含む(たとえば、Jackson,et al.,Renin and Angiotensin in Goodman & Gilman’s The Pharmacological Basis of Therapeutics,9th ed.,eds.Hardman,et al.(McGraw Hill,1996)、および米国特許第5,977,159号を参照のこと)。
【0019】
本明細書内で、特に言及しない限り、使用した技術は、Molecular Cloning: A Laboratory Manual(Sambrook,et al.,1989,Cold Spring Harbor Laboratory Press)、Gene Expresion Technology(Methods in Enzymology,Vol.185、D.Goeddel編集、1991.Academic Press,San Diego,CA)、「タンパク質精製へのガイド(Guide to Protein Purification)」Methods in Enzymology(M.P. Deutshcer,ed.,(1990)Academic Press,Inc.)、PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications(Innis,et al.,1990.Academic Press,San Diego,CA)、Culuture of Animal Cells: A Manual of basic Technique,2nd Ed.(R.I.Freshmey,1987,Liss,Inc.New York.NY、Gene Transfer of Expression Protocols,pp.109−128,ed.E.J.Murray,The Human Press Inc.,Clifton,N.J.)およびAmbion 1998 カタログ(Ambion、Austin,TX)のような任意のいくつかのよく公知の参考文献で見つけてよい。
【0020】
(そのすべての開示が本明細書で参考文献として組み込まれている)DiZeregaに付与された米国特許第5,015,629号は、傷組織の治癒率の増加に十分である量でアンジオテンシンII(AII)を組織に適用することを含む、前記傷組織の治癒率を増加させるための方法を記述している。AIIの傷組織への適用は、明らかに傷組織治癒率を増加させ、より素早い再上皮化および組織修復を導く。語句AIIは、配列Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe[SEQ ID NO.1]を持つ、ヒトおよび他の種に存在するオクトペプチドを意味する。アンジオテンシンの生物学的形成は、血漿基質アンジオテンシノーゲン上のレジンの活性によって開始される(すべてそのすべてを参考文献として本明細書に組み込んだ、Circulation Research 60:786−790(1987)、Clouston et al.,Genomics 2:240−248(1988)、Kageyama et al.,Biochemistry 23:3603−3609、Ohkubo et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.80:2196−2200(1983))。そのようにして形成された基質が、アンジオテンシンI(AI)と呼ばれるデカペピチド、Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−His−Pro−Phe−His−Leu[SEQ ID No.37]であり、このAIは、AIよりC末端His−Leu残基を取り除く変換酵素アンジオテンシナーゼによりAIIに変換される。AIIは公知の血圧亢進剤であり、商業的に入手可能である。
【0021】
研究により、AIIは創傷治癒に関与する細胞培養における有糸分裂誘発および走化性を増加させ、また、その成長因子および細胞外基質の放出も増加させることが示された(diZerega、米国特許第5,015,629号;Dzauら、J.Mol.Cell.Cardiol.21:S7(補刊III)1989;Berkら、Hypertension 13:305−14(1989);Kawaharaら、BBRC 150:52−9(1988);Naftilanら、J.Clin.Invest.83:1419−23(1989);Taubmanら、J.Biol.Chem 264:526−530(1989);Nakaharaら、BBRC 184:811−8(1992);StoufferとOwens、Circ.Res.70:820(1992);Wolfら、Am.J.Pathol.140:95−107(1992);BellとMadri、Am.J.Pathol.137:7−12(1990))。さらに、AIIは、ウサギ角膜眼およびヒヨコ絨毛尿膜モデルにおいて血管形成性であることが示された(Fernandezら、J.Lab.Clin.Med.105:141(1985);LeNobleら、Eur.J.Pharmacol.195:305−6(1991)。
【0022】
ある細胞型に対するAIIの効果は、一部、細胞が発現するAII受容体サブタイプに依存すると仮定されている(Shanugamら, Am.J.Physiol.268:F922−F930(1995);Helinら、Annls of Medicine 29:23−29(1997);Bedecsら、Biochem J.325:449−454(1997))。これらの研究により、AII受容体サブタイプ発現は、発達中、少なくともある細胞型において調節するダイナミックなプロセスであることが示されている。AII活性は典型的には、AT1およびAT2受容体のいずれか一方または両方により調製せれている。しかし、AIIは、非AT1,非AT2受容体を介して、初期ヒトケラチノサイトの増殖を刺激することが示されている(Steckehngsら、Biochem.Biophys.Res.Commun229:329−333(1996))。これらの結果より、AII活性の細胞型の(即ち、受容体発現に基づく)特異的性質が強調される。
【0023】
AII受容体およびAII受容体アゴニストの効果は、血管損傷および修復の2つのモデルで調べられ、これにより、両方のAII受容体サブタイプ(AT1とAT2)が創傷治癒に役割を果たしていることが示唆される(Janiakら、Hypertension 20:737−45(1992);Prescottら、Am.J.Pathol.139:1291−1296(1991);Kauffmanら、Life Sci.49:223−228(1991);Viswanathanら、Peptides 13:783−786(1992);Kimuraら、BBRC 187:1083−1090(1992))。
【0024】
多くの研究は、AII(1−7)(AII残基1−7)またはAIIの他の断片にその活性を評価するために焦点を当てた。AII(1−7)は、AIIに顕現される効果の全範囲ではなく、いくらかを顕現する。Pfeilschifterら、Eur.J.Pharmacol.225:57−62(1992);Jaiswalら、Hypertension 19(補刊II):II−49−II−55(1992);EdwardsとStack、J.Pharmacol.Exper.Ther.266:506−510(1993);Jaiswalら、J.Pharmacol.Exper.Ther.265:664−673(1991);Jaiswalら、Hypertension 17:1115−1120(1991);Portsiら、Br.J.Pharmacol.111.652−654(1994)。
【0025】
他のデータより、AII断片(1―7)は、AII活性を調節するAT1およびAT2受容体とは異なる受容体(群)を通して作用することが示唆される(Ferrarioら、J.Am.Soc.Nephro1.9:1716−1722(1998);Iyerら、Hypertension 31:699−705(1998);Freeman ら、Hypertension 28:104(1996);Ambuhlら、Brain Res.Bull.35:289(1994))。従って、特定の細胞型に対するAII(1−7)活性は、同細胞型に対するAII効果のみに基づいて、予測することができない。事実、証拠としてAII(1−7)がしばしばAIIの活性に対抗する証拠がいくつかある(Ferrarioら、Hypertension 30:535−541(1997)参照)。
【0026】
アンギノテンシノーゲン、アンギノテンシンI(AI)、AI類似体、AI断片およびその類似体、アンギノテンシンII(AII)、AII類似体、AII断片またはそれらの類似体;AII ATタイプ2受容体作用物質(本明細書において、「有効成分」)は、創傷治癒並びに細胞およびケラチン生細胞に関するある種の細胞型の増殖を加速するのに効果的である。対応する米国特許出願番号第09/012,400号(1月23日,1998出願);同第09/198,806号(11月24日、1998出願);同第09/264,563号(3月8日、1999出願);同第09/287,674号(4月17日、1999出願);同第09/307,940号(5月10日、1999出願);同第09/246,162号(2月8日、1999出願);同第09/255,136号(2月19日、1999出願);同第09/245,680号(2月8日、1999出願);同第09/250,703号(2月15日、1999出願);同第09/246,525号(2月8日、1999出願);同第09/266,293号(3月ll日、1999出願);同第09/332,582号(6月14日、1999出願);同第09/373,962号(8月13日、1999出願);および同第09/352,191号(3月11日、1999出願);並びに米国特許第5,015,629号;同第5,629,292号;同第5,716,935号;同第5,834,432号;および同第5,955,430号。すべての文献は、全体を参照として本出願に組み込む。
【0027】
しかしながら、傷痕を形成することなく、胎児の創傷治癒すること、および老化したマウスのコロニーが創傷治癒後に傷痕の減少が示されることが以前の研究により明らかになった(Ashcroftら、J.Anat.190:351−365(1997))。従って、創傷治癒および傷痕の形成は分離しうる。さらに、皮膚の怪我がある成熟したネズミに対するTGF−β1およびTGF−β2の抗体の適用により、傷痕の減少はみられなかった(Chamberlinら、J.Anat.186:87−96(1995))。従って、創傷治癒を促進する要因は、傷痕を必要に制限することはない。
【0028】
上記のすべてに基づくと、アンギオテンシノーゲン、AI,AI類似体、および/もしくはAI断片またはそれらの類似体、AII類似体、AII断片またはそれらの類似体、ACE抑制剤、および/またはAII、AT2タイプ2受容体作用物質は傷痕の形成および接着形成を制限することはない。
【0029】
AT2受容体に選択的なペプチドアゴニスト(AIIはAT1よりもAT2に100倍高い親和性を有する)は、p−アミノフェニルアラニン6−AII[“(p−NH−Phe)6−AII”]、Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−Xaa−Pro−Phe[配列番号36]であり、ここでXaaはp−NH−Pheである(SpethとKim、BBRC 169:997−1006(1990))。このペプチドは、試験した実験モデルでAT2アンタゴニストと同等な結合特徴を与えた(Cataliotoら、Eur.J.Pharmacol.256:93−97(1994);Brysonら、Eur.J.Pharmacol.225:119−127(1992)。
【0030】
AII受容体およびAII受容体アンタゴニストの効果は、血管欠損および修復の2つの実験モデルで調べられ、これにより、両方のAII受容体サブタイプ(AT1およびAT2)が、創傷治癒に役割を果たしていることが示唆される(Janiakら、Hypertension 20:737−45(1992);Prescottら、Am.J.Pathol.139:1291−1296(1991);Kauffmanら、Life Sci.49:223−228(1991);Viswanathanら、Peptides 13:783−786(1992);Kimuraら、BBRC 187:1083−1090(1992))。
【0031】
多くの研究は、AII(1−7)(AII残基1−7)またはAIIの他の断片にその活性を評価するために焦点を当てた。AII(1−7)は、AIIに顕現される効果の全範囲ではなく、いくらかを顕現する。Pfeilschifterら、Eur.J.Pharmacol.225:57−62(1992);Jaiswalら、Hypertension 19(補刊II):II−49−II−55(1992);EdwardsとStack、J.Pharmacol.Exper.Ther.266:506−510(1993);Jaiswalら、J.Pharmacol.Exper.Ther.265:664−673(1991);Jaiswalら、Hypertension 17:1115−1120(1991);Portsiら、Br.J.Pharmacol.111.652−654(1994)。
【0032】
本発明において使用されるAT2作用物質の好ましいクラスは、AII、AII類似体またはAIIの6位に相当する位置にp−NH−Pheを有するそれらの活性断片であると定義される。さらにペプチド剤、活性に対して必須のAT2作用物質活性を有する種々の非ペプチド剤(例えば、ペプチドミメチックス)が本発明において使用されることがさらに期待される。
【0033】
本発明において特に関心のある活性AII類似体、AII断片およびその類似体は、一般式Iの配列におけるR−Rの少なくとも3つの隣接アミノ酸から構成される1つの配列からなる。
【0034】
−R−R−R−R−R−R−R
[式中、
は、H、Asp,Glu,Asn,Acpc(1−アミノシクロペンタンカルボン酸)、Ala、MeGly、Pro、Bet、Glu(NH)、Gly、ASp(NH)およびSucからなる群から好適に選択され;
は、Arg、Lys、Ala、Orn、Ser(Ac)、Sar、D−Arg、およびD−Lysからなる群から好適に選択され;
は、Val、Ala、Leu、ノルLeu、Ile、Gly、Pro、Aib、Acpc、およびTyrからなる群から選択され;ここでLysはこの残基に効果的であることが見出されている、
は、Tyr、Tyr(PO、Thr、Ser、ホモSer、およびアザTyrからなる群から選択され;
は、Ile、Ala、Leu、ノルLeu、Val、およびGlyからなる群から選択され;
は、His、Arg、または6−NH−Pheであり;
は、Pro、またはAlaであり;および
は、不存在かまたはPhe、Phe(Br)、Ile、およびTyrからなる群から選択される]
で示される化合物である。
【0035】
化合物のこのクラスの特に好ましい具体例は、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:13、配列番号:18、配列番号:19、配列番号:26、配列番号:31、配列番号:34及び配列番号:38である。
【0036】
本発明の実施において有用なAT2アゴニストのカテゴリー内にある化合物は、Rがp-NH2-Pheであると限定した上記題目に述べられたAIIアナログを含む。
【0037】
及びRの特に好ましい組み合わせは、Asp-Arg, Asp-Lys, Glu-Arg 及び Glu-Lysである。このクラスの特に好ましい具体例は: AIII 又は AII (2-8), Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe [配列番号:2]; AII (3-8), 既知のdesl-AIII又はAIV, Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe [配列番号:3];AII (1-7),Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro [配列番号:4]; AII (2-7), Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro [配列番号:5]; AII (3-7), Val-Tyr-Ile-His-Pro [配列番号:6]; AII (5-8), Ile-His-Pro-Phe [配列番号:7]; AII (1-6), Asp-Arg-Val-Tyr-Ile-His [配列番号:8]; AII (1-5),Asp-Arg-Val-Tyr-Ile [配列番号:9]; AII (1-4), Asp-Arg-Val-Tyr [配列番号:10];及びAII (1-3), Asp-Arg-Val[配列番号:11]を含む。他の好ましい具体例は:Arg-norLeu-Tyr-Ile-His-Pro-Phe [配列番号:12]及びArg-Val-Tyr-norLeu-His-Pro-Phe [配列番号:13]を含む。本発明の範囲内に包含されるさらに好ましい具体例は、配列Asp-Arg-Pro-Tyr-Ile-His-Pro-Phe [配列番号:31]を有するペプチドである。 AII (6-8), His-Pro-Phe [配列番号:14]及び AII (4-8), Tyr-Ile-His-Pro-Phe [配列番号:15]はテストされ、有効ではないことがわかった。
【0038】
本発明の特に好ましい化合物の別のクラスは、次の一般的な構造で構成されている:
Asp-Arg-R1-Tyr-Ile-His-Pro
(式中、R1はLys, Leu, norLeu, Val, Ile,及びAlaからなる群から選択される。)
さらに好ましい具体例は、配列番号4、配列番号40及び最も好ましい具体例である配列番号41含む。
【0039】
本発明の特に興味のある化合物の別のクラスは、一般式II
-R-R-R-R-R-R
(式中、Rは、H、Arg、Lys、Ala、Orn、Ser(Ac)、Sar、D-Arg及びD-Lysから成る群から選択され;
は、Val, Ala, Leu, norLeu, Ile, Gly, Pro, Aib, Acpc及び Tyrから成る群から選択され;
は、Tyr, Tyr(P03)2, Thr, Ser, homoSer, azaTyr, 及びAlaから成る群から選択され;
は、Ile, Ala, Leu, norLeu, Val及び Glyから成る群から選択され;
は、His, Arg または 6-NH2-Pheであり;
は、Pro または Alaであり;及び
は、Phe, Phe(Br), Ile 及び Tyrから成る群から選択される。)
で表される。
【0040】
一般式IIの化合物の特に好ましいサブクラスは、式
-R-Tyr-R-His-Pro-Phe [配列番号:16]
(式中、R、R及びRは、前記定義の通りである。)
を有する。特に好ましくは、式Arg-Val-Tyr-Ile-His-Pro-Phe [配列番号:2]のアンギオテンシンIIIである。他の好ましい化合物は、構造Arg-Val-Tyr-Gly-His-Pro-Phe [配列番号:17]及びArg-Val-Tyr-Ala-His-Pro-Phe [配列番号:18]を有するペプチドを含む。断片AII(4-8)は繰り返されたテストにおいて有効ではなかった。これはN-終点上に暴露されたチロシンによると考えられる。
【0041】
他の特に好ましい具体例は、
【表1】
Figure 0003745624
を含む。
【0042】
上記式中では、標準の3文字の略語がアミノ酸残基として使用される。それと反対の表示がない場合、アミノ酸のL型を意図する。他の残基は以下のように短縮される:
【表2】
Figure 0003745624
AIIおよびそのアナログは、ガンマあるいはベータ回転のどちらかを選択することが示唆されている(Regoli, et al., Pharmacological Reviews 26: 69 (1974))。一般に、位置R、R及びRの中立側鎖は、レセプターおよび/または固有の活動に結合する原因となる位置R、R及びRの活発なグループ間の適切な距離を維持することに関係するかもしれないと信じられている。位置R、R及びRの疎水性側鎖は、さらにペプチドの全体の構成に重要な役割を果たし、かつ/または仮説の疎水性ポケットの構成に寄与しうる。
【0043】
位置R中のアミノ酸上の適切な側鎖は、目標レセプターとの化合物の相性に寄与し、かつ/またはペプチドの構成に重要な役割を果たしうる。この理由のために、ArgとLysは、Rとして特に好ましい。
【0044】
本発明の目的において、Rは、R(γターンモデルにおいて)またはR(βターンモデルにおいて)との線形または非線形水素結合の形成に関与し得る。Rはまた、β逆平行構造(これも可能な構造として提唱されている)の最初のターンに関与する。一般式Iの他の位置とは対照的に、βおよびγ分枝は、この位置で等しく効果的であるようである。さらに、比較的安定なコンフォメーションを維持するには1つの水素結合で十分であり得る。したがって、Rは、Val、Ala、Leu、ノルLeu、Ile、Gly、Pro、Aib、Acpc、およびTyrから適切に選択され得る。
【0045】
に関して、コンフォメーション解析により、この位置(並びにRおよびR)の側鎖は、受容体の占有および刺激に不可欠であると信じられている疎水性クラスターに寄与することが示唆された。したがって、Rは、好ましくは、Tyr、Thr、Tyr(PO、ホモSer、Ser、およびアザTyrから選択される。フェノール性ヒドロキシルからの水素を受用できる受容体部位と水素結合を形成し得るため、この位置にはTyrが特に好ましい(Regoliら、(1974)、上記)。RがAlaでありうることも同様に知られている。
【0046】
位には、β脂肪族または脂環式鎖を有するアミノ酸が特に好ましい。それゆえ、GlyがR位に適切であるが、この位置のアミノ酸は、Ile、Ala、Leu、ノルLeu、Gly、およびValから選択することが好ましい。
【0047】
本発明の特に目的であるアンギオテンシノーゲン、AI、AI類似体、AI断片、およびその類似体、AII類似体、断片、および断片の類似体において、Rは、His、Arg、または6−HN−Pheである。ヒスチジンのイミダゾール環の独特な特性(例えば、生理学的pHでのイオン化、プロトンドナーまたはアクセプターとして作用可能であること、芳香族的特徴)は、Rとしてのその特定の有用性に寄与すると信じられている。例えば、コンフォメーションモデルにより、Hisは、Rの配向に影響を与えることにより、水素結合形成(βモデルにおいて)または逆平行構造の第2ターンに関与し得ることが示唆される。同様に、Rは、Rの最も好ましい配向を提供するためにProであるべきと現在考えられている。R位において、疎水性環およびアニオン性カルボキシル末端は両方とも、目的の類似体の受容体への結合に特に有用であるようであり;それゆえ、Tyrおよび特にPheが本発明の目的に好ましい。
【0048】
特に目的である類似体は以下を含む:
【表3】
Figure 0003745624
本発明のポリペプチドは、これらに限定されないが、J.M.StewartとJ.D.Young、固相ペプチド合成、第2版、Pierce Chemical.Co.、ロックフォード、イリノイ(1984)、および固相合成のためのJ.Meienhofer、ホルモン性タンパク質とペプチド、第2巻、Academic Press、ニューヨーク、(1973)、および溶液合成のためのE.SchroderとK.Lubke、ペプチド、第1巻、Academic Press、ニューヨーク、(1965)に述べられた方法を含む、従来の方法により合成され得る。先の論文の開示は、ここに参照することによって組込まれる。
【0049】
一般に、これらの方法は、成長ペプチド鎖への保護アミノ酸の連続的添加を含む(米国特許第5,693,616号、そのまま参考として本明細書に組込む)。普通、最初のアミノ酸のアミノまたはカルボキシル基および任意の反応性側鎖基を保護する。この保護されたアミノ酸を、次いで、不活性固体支持体に付着させるか、または溶液中で使用し、配列における次のアミノ酸(これも適切に保護する)を、アミド連鎖の形成を受けやすい条件下で加える。すべての所望のアミノ酸を適切な配列で連結させた後、保護基および任意の固体支持体を除去すると、粗ポリペプチド鎖が得られる。ポリペプチドを脱塩し、好ましくはクロマトグラフィーにより精製すると、最終生成物が得られる。
【0050】
好ましくは、ペプチドは、製造業者の指示によって、Applied Biosystemsモデル430Aのペプチド・シンセサイザー(Applied Biosystems、Foster市、カリフォルニア)において実行され得るように、標準的な固相方法によって合成される。ペプチドまたはペプチド類似物を固形相法によって合成する他の方法は、当業者によく知られている。
【0051】
1つの態様では、本発明は、有効な量のアンギオテンシノーゲン、AI、AI類似体、および/またはAI断片およびその類似体、AII類似体、AII断片およびその類似体、ACE反応抑制剤、および/またはAII AT 2型受容体アゴニスト(「活性薬剤」)を、単独で、あるいは傷跡あるいは癒着の形成を制限する役目をする他の合成物と結合して、必要とする哺乳動物に与えることにより傷跡の形成を制限する方法を提供する。1つの好適な実施態様では、活性薬剤は、配列識別番号:4、配列識別番号:40、および配列識別番号:41から構成されるグループから選択される。最も好適な実施態様では、活性薬剤は配列識別番号:41を含む。傷跡の形成を制限する付加的な合成物は、限定されないが、TGF−β1およびのTGF−β2の反応抑制剤を含む。
【0052】
もう1つの態様では、本発明は、有効な量のアンギオテンシノーゲン、AI、AI類似体、および/またはAI断片およびその類似体、AII類似体、AII断片およびその類似体、ACE反応抑制剤、および/またはAII AT 2型受容体アゴニスト(「活性薬剤」)を、単独で、あるいは傷跡あるいは癒着の形成を制限する役目をする他の合成物と結合して、必要とする哺乳動物に与えることにより癒着の形成を制限する方法を提供する。1つの好適な実施態様では、活性薬剤は、配列識別番号:4、配列識別番号:40、および配列識別番号:41から構成されるグループから選択される。最も好適な実施態様では、活性薬剤は配列識別番号:41を含む。癒着の形成を制限する付加的な合成物は、限定されないが、ラザロイド(lazaroids)(米国特許第5,614,515号)、キナクリン(米国特許第5,478,837号)、レチノイド(米国特許第5,534、261号)、ジピリダモール(米国特許第5,498,613号)、マノアライド(manoalides)(米国特許第5,891,460号)、ケトチフェン(米国特許第5,891,460号)、組織プラスミノーゲン・アクチベーター(TPA)(米国特許第4,889,722号)、RGD含有ペプチド(Rodgersら、Fertility and Sterility、70:1131−1138(1998);米国特許第5,629,294号)、組換えヒルジン(Rodgersら、J.Invest.Surg.9:385−391(1996))、抗炎症ペプチド2(Rodgersら、J.Investig.Surg.10:31−36(1997))、トルメチンおよびイブプロフェン(Legrandら、J.Invest.Surg.8:187−194(1995))のような非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDS);および、ベタメタゾンおよびデキサメサゾンのような抗炎症コルチコステロイドを含む。
【0053】
瘢痕もしくは癒着形成を制限するために、活性薬剤を、従来の薬学的に許容できるキャリアー、アジュバント、およびビヒクルを含む投与単位で、経口、非経口、吸入、スプレー、経直腸、経皮、もしくは局所投与を含むいずれかの適切なルートで投与することができる。ここで用いる非経口という用語は、皮下、静脈内、筋肉内、胸骨内、腱質内、脊髄内、頭蓋内、胸部内、輸液、もしくは腹膜内を含む。
【0054】
活性薬剤は固形の形態(顆粒、粉末あるいは座薬を含めて)、または液体の形態(例えば、溶液、懸濁液あるいは乳剤)で調製できるし、滅菌のような従来の薬学的操作がなされてもよく、および/または保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、緩衝剤などのような従来のアジュバントを含むこともできる。
【0055】
活性薬剤は、薬学的に活性な薬剤単独で投与することもできるが、一種あるいはそれ以上の他の化合物と組み合わせて使用することもできる。組み合わせとして投与するときは、活性薬剤および他の化合物は、同時にまたは異なる時期に与えられる個々の組成物として処方できるし、あるいは活性薬剤と他の化合物を一つの組成物として与えることもできる。
【0056】
投与のため、活性薬剤は通常投与ルートで示されるのに適切な一つあるいはそれ以上のアジュバントを組み合わされる。化合物は、ラクトース、ショ糖、スターチ粉、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸または硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム,、ポリビニルピロリジン、および/またはポリビニルアルコール、と混合され、そして、従来の投与法のために錠剤化あるいはカプセル化される。また、活性薬剤は生理食塩水、水、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、フィブリン糊、Dermabond(登録商標)または他のシアノアクリル、トロンボゲン、カルボキシメチルセルロースコロイド溶液、エタノール、コーン油、ピーナッツ油、綿実油、ゴマ油、トラガカントゴム、および/または種々の緩衝剤に溶解することができる。他のアジュバントおよび投与の様式は製薬技術において公知である。キャリアーまたは希釈剤は、グリセリルモノステアレートやグリセリルジステアレート単独か、これらと共に用いるワックス、あるいは業界で公知な他の物質などのような時間遅延物質を含んでいてもよい。
【0057】
瘢痕や癒着を制限するための活性薬剤の投与計画は、傷のタイプ、年齢、体重、性、個人の医療状況、症状の重篤度、投与ルート、および用いる特定の化合物を含む種々のファクターに基づいて変化する。体重あたり活性薬剤が0.1ng/kgから10mg/kgの間のオーダーの投与レベルがここに開示されたすべての使用方法に有効である。
【0058】
本発明の好ましい態様では、活性薬剤は経皮または局所的に投与される。適切な活性薬剤の活性成分の経皮または局所的な投与量は約一日に2度、約0.1ng/kgから約10mg/kgの投与が好ましい。経皮投与のためには、活性成分は0.001%から10%w/wの量、例えば、処方剤の重量で1から2%であり、10%w/wを超えることはないが、5%w/w以上でないことが好ましく、より好ましくは処方剤の0.1%から1%である。
【0059】
局所投与の適切な処方は、皮膚を通過するのに適切な液体または半液体の調製物(例えば、塗布剤、ローション、軟膏、クリーム、またはペースト)、および目、耳、または鼻に投与するのに適する液滴を含む。
【0060】
経皮用パッチ、これに限定されないが、を含む経皮投与手段は、治療部位に活性薬剤を送達するのに有用である。経皮的な処方剤は、例えば、メチルセルロースやヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース媒体、これに限定はされないが、を含むチキソトロピー性あるいはゲル状のキャリヤー中に活性薬剤を含ませることによって調製することができ、得られる処方剤は、利用者の皮膚と表皮接触を確かにするように適応した経皮投与用デバイス中に充填される。
【0061】
別の態様では、本発明は、瘢痕や癒着形成を制限するためのキットを提供し、このキットは、有効量の本発明の活性薬剤と、瘢痕や癒着形成を制限するための有効量の活性薬剤を使用するための解説書とを含んでいる。
【0062】
さらに別の態様では、本発明は瘢痕や癒着形成を制限する有効量の活性薬剤を含む医薬組成物を提供する。好ましい実施態様では、活性薬剤は、配列番号4、配列番号40および配列番号41からなる群から選択されるものである。もっとも好ましい実施態様では、活性薬剤は配列番号41のものを含んでいる。
【0063】
さらなる態様では、医薬組成物は瘢痕や癒着形成に対して有用な他の化合物と組み合わされる。このような瘢痕形成を防止するのに有効な他の化合物としては、TGF−β1およびTGF−β2のインヒビターが含まれるが、これらには限定されない。このような癒着形成を防止するのに有用な他の化合物としては、ラザロイド(lazaroid)、キナクリン(quinacrine)、レチノイド(retinoid)、ジピリダモール(dipyridamole)、マノアリド(manoalide)、ケトチフェン(ketotifen)、RGDペプチド、組換えヒルジン(recombinant hirudin)抗炎症性ペプチド2、組織プラスミノーゲンアクチベーター、トルメチン(Tolmetin)やイブプロフェン(Ibuprofen)のような非ステロイド系抗炎症剤(NSAIDS)、およびベタメタゾン(Betamethasone)やデキサメタゾン(Dwxamethasone)のような抗炎症性コルチコステロイドなどが含まれるが、これらには限定されない。
【0064】
本発明は、瘢痕の形成を制限するための方法およびキットを提供することにより、初期の瘢痕形成を制限するためと、残存ずる瘢痕を治療(すなわち、瘢痕の形成後に瘢痕の切除し、瘢痕を本発明の化合物で処置し、瘢痕の治癒をより穏やかにする)するためとの両者を含めてすべてのタイプの傷を治療するための臨床的に有効のものとなる。このような傷は、裂傷、火傷、刺傷、外傷、潰瘍、歯周症、開腹傷、切り傷、肥大化瘢痕の整形、遺伝性肥大化瘢痕、ケロイド、火傷後の拘攣、美容整形術法を含むが、これらには限定されない。
【0065】
本発明は、癒着形成を制限するための方法およびキットを提供することにより、すべてのタイプの外科的な手法に使用するのに臨床的に有用であり、この外科的な手法には、癒着形成を防止することが望まれるか、または前もって形成された癒着の量を減少することが望まれている。このように癒着形成を併発するすべてのタイプの外科的手術に広く有用である。本発明の化合物による予防および/または治療の処置が有効であることを示している本発明の限定されない実施例には、腱、靱帯、腹部、骨盤、心膜/心外膜、神経学的なもの(硬膜および神経周膜の癒着を含む)、胸骨後方の癒着、脊髄周囲繊維症(perospinal fibrosis)を含んでいる。本方法は、腹部手術、美容整形、婦人科の手術、胸部手術、腱や靱帯などに影響する整形外科的手術、硬膜や脊髄周囲および神経周膜の癒着に影響を与える神経学的な手術、腸閉塞、妊娠を希望する不妊の婦人、椎弓切開、椎間板切除、腱修復、関節鏡検査術、および、さらにこのような治療が必要と予想される心臓手術を受けてる患者に対するものを含む特異的な治療に有効であるが、これらには限定されない。
【0066】
本発明は、説明の目的のためだけであることを意図し、発明の範囲を限定することとはなるべきではない、以下に記載の実施例を参照することによって、さらに良く理解できるであろう。
【0067】
実施例1 AII(1−7)類似化合物の傷跡を残さない効果
各々体重が175〜225グラムの雌のSprague Dawleyラットを本試験に使用した。ラットは手術の少なくとも2日前に検疫した。ラットを南カリフォルニア大学の飼育器内で12:12時間の光/暗闇周期で飼育した。食物及び水は手術直後期間を除き自由に得ることが出来た。
ラットに標準的な開腹術法を施した(動物ハサミで剃り、ベータダイン消毒、アルコール消毒してケタミン/ロンパムを用いて筋肉内麻酔)その後、正中線上に2cmの切開を行った。二重壁ゼラチンカプセルを、切開を通って腹部の右側に置いた。動物にペプチドを手術前3日間、そして剖検迄の11日間、皮下より注射した(詳細は以下)(100μg/kg/日)。そして、腹壁及び皮膚を、2層の4−0エチロン縫合糸を用いて縫合閉鎖した。手術後、3日間、ラットに鎮痛薬を投与し、罹患率及び死亡率の兆候について1日2回観察した。
手術後11日間の観察期間の大まかな観察によると、以下のペプチドで処理した動物は傷の閉鎖が完全で、傷跡がはっきりしていなかった。
【表4】
5GD:Lys3−AII(1−7) DRKYIHP
9GD:NorLeu3−AII(1−7) DR(nor)YIHP
これらの結果により、これらペプチドは傷が閉鎖する期間において傷跡を残すことを制限する効果があることが実証される。
【0068】
実施例2 十分な厚さに切開したラットモデルにおけるAII(1−7)及び9GDの評価
この試験は、ラットモデルにおける十分な厚さに切開した傷を治すことに対して、AII(1−7)及び9GDを毎日の投与する効果を比較するために設計された。局所的な投与の為に、粘性のある賦形剤を、pH7.2、0.05Mリン酸緩衝液中に10%低粘度のCMCを含有するカルボキシメチルセルロース(CMCナトリウム塩、低粘度、Sigma Chemical CO.,St.Louis,MO(ロット番号34H0310))から調製し、次いでオートクレーブで滅菌し、続いて滅菌したペプチド溶液又はDermaBondTM(Ethicon, Inc.より提供される)と共に混合し、AII(1−7)及び9GDをGMP状態下でBachem(Torrence,CA)により調製した。
実験の期間中、Sprague Dawleyラット(5/群)を本試験で使用した。ラットを南カリフォルニア大学の飼育器内でケージあたり1匹、12:12時間の光/暗闇周期で飼育した。食物及び水は自由に得ることが出来た。
ラットの背中の表面上に、2つの十分な厚さの切開(およそ長さ3cm)を無菌状態で準備された表面に作った。傷をつけた後、プラシーボ又はAII(1−7)(100μg/傷[局所]、又は100μg/kg体重[全身])又は9GD(10,100,500μg/傷[局所]、又は10,100,500μg/kg体重[全身])を投与した。傷を縫合閉鎖するか(ペプチドを粘着性のある基材中に与えていなかった場合)、プラシーボを用いて閉鎖した(シアノアクリレート(DermaBondTM)と共にペプチドを投与した群)。
含まれる処置群:
手術のみ
CMC対照標準
DermaBondTM対照標準
前もって処置した全身のAII(1−7)
手術日に着手した全身のAII(1−7)
1回投与のみの全身のAII(1−7)
CMC中のAII(1−7)の1回投与
AII(1−7)の粉末
DermaBondTMで被覆されたAII(1−7)の粉末
前もって処置した全身の9GD 10,100,500μg/kg体重
手術日に着手した全身の9GD 10,100,500μg/kg体重
1回投与のみの全身の9GD 10,100,500μg/kg体重
CMC中の9GDの1回投与 10,100,500μg/傷
9GDの粉末
DermaBondTMで被覆された9GD
手術後の期間において、動物を呼吸、排尿、動作について監視した。手術後の鎮痛薬は、手術後3日間は1日2回のバプロネックスの投与を含んでいた。手術後、さまざまな時に(何日間にもわたって)、ラットを、損傷箇所の傷組織の形成について観察した。21日目、ラットを二酸化炭素よって窒息死させ、組織を組織学上の操作により採取した。
【0069】
傷跡の形成について、炎症、縫合の披裂、かさぶたの形成、傷の治り(治癒した切開の%として定義した。)及び傷跡の残りに関する評価を含んだ大まかな評価を行った。炎症、縫合の披裂、かさぶたの形成、傷の治り及び傷跡の残りについて、各々、無し、軽い、並み、重いの4点段階(0,1,2,3)で評価した。傷のひどさを、破裂の様子、治癒した箇所の外形、治癒した範囲の盛り上がり、及び作られた傷を大まかな観察することによって気づいた能力によって定義した。 これらの実験のデータを図1−11に示す。これらのデータは、DermaBondTMを用いて閉鎖するより前に、皮下の空間へのAII(1−7)及び9GDの投与は、初期の炎症及び傷の披裂を減少させたことを示している(図1)。さらに、治癒した後の時点において、これらのペプチドの投与は傷跡(図2)及び全体的な傷の形成(図3)のない切開の数を増やしたことを示している。さらに繰り返されたペプチドの全身投与(特に前もって処置した9GDの100μg/kg体重/日)は治癒の時期を早め(それらが傷跡の形成を制限したよりも小さな範囲において)(図4−6)、そして、おおまかな観察によって傷跡のない切開の数を増やしたことを示している(図7−9)。ペプチドの1回投与量は治癒の時期を早めないが、傷跡の形成は減少させた。皮下の空間へのCMC中のペプチド1回投与量は、又、治癒の時期を早め(図10)、傷跡の形成を減少させた(図11)。
【0070】
実施例3 癒着形成の阻害
腹膜手術後の癒着形成の減少について活性剤単独または反癒着化合物との組合せの有効性を確認するための複数の研究が行われている。2つのモデルシステム、側壁癒着モデルと子宮角モデルが用いられている。これらのモデルの両者を用いて得られた結果と癒着防止における有用性との間の明確な相関関係がINTERCEED(TC7)で示され、そこで明確な臨床効果が示され、婦人科手術における癒着防止のためのFDA承認が得られた。
【0071】
腹膜側壁モデルにおいて、ウサギを1.2mg/kgのアセチルプロマジンで予備麻酔し、55mg/kgのケタミン・塩酸基と5mg/kgのキシラジンの混合物で筋肉内的に麻酔した。不妊手術の準備後、中線開腹が行われた。右腹横壁で3x5cmの面積の腹膜および腹横筋を除去した。盲腸が露出され、すべての盲腸表面にしょう膜下出血をつくり出すためにデジタル圧力が励起された。その後盲腸はその通常の解剖学的位置に戻された。試験すべき活性剤またはその化合物がAlzetミニ浸透ポンプ(アメリカ合衆国、カリフォルニア州、パロアルト、Alza社)に置かれ、術後インターバルを通じて分子の連続解放を可能にした。Alzetミニ浸透ポンプは皮下のスペースに置かれ、配送チューブがポンプを側壁で損傷部位と連結した。対照ウサギのポンプにビヒクルが置かれた。腹壁および皮膚が標準的な方法で閉じられた。
【0072】
7日後、ウサギを犠牲にして、癒着に関連する側壁損傷の面積のパーセンテージを決定した。さらに、形成された癒着の粘着性を以下のシステムを用いてスコア化した。
【0073】
0=癒着なし
1=緩やかな、容易に開きうる癒着
2=中位の癒着、開き得ず、器官を破けない
3=密な癒着、開き得ず、除去する際に裂ける
癒着の面積の減少または粘着性は有効と認められよう。
【0074】
追加の実験において、ウサギ子宮角モデルが用いられた。このモデルは手術後ウサギにおける厳しい癒着を引き起こすことが以前に示されている[ケイ.ニシムラ等、「ウサギにおける術後癒着の防止のためのイブプロフェンの使用」Am.J.Med.、第77巻、102−106頁(1984年)]。ウサギは(筋肉内的に130mg/kgのケタミン及び20mg/kgのアセチルプロマジン)で麻酔し、不妊手術の準備をした。中線開腹が行われ、両子宮角は点状の出血が発現するまでゲージでしょう膜表面を擦過することにより手術的に外傷を付けた。両子宮角の虚血が副行の血液供給の除去により引き起こされた。いくつかの研究では、上記の通りAlzetミニ浸透ポンプとチューブを介して物質が損傷部位に配送された。他の研究では、試験化合物の一部が手術の最後に損傷部位に適用され、残りの物質が閉鎖前に切開部位に適用された。対照は手術及びビヒクル対照を含む。腹壁及び皮膚は標準的な方法で閉じられた。
【0075】
7日後、ウサギを犠牲にして、癒着に関連する子宮角損傷の面積のパーセンテージを決定した。癒着の全体的な範囲を表示する初期のスコアが与えられた(0〜4+)。その後、いろいろな器官への癒着に関連した角の表面のパーセンテージが決定された。
【0076】
ここに報告した実施例で用いられたモデルシステムにおいて、本発明の活性剤からなる化合物は腹膜癒着の発生を減少させるであろう。
【0077】
本発明は上述の特に好ましい実施形態によって限定されない。この分野における通常の知識を有する者にとって本発明の概念から逸脱することなく開示された好ましい実施形態にいろいろな改変をなしえるであろう。そのようなすべての改変は本発明の範囲内に属するものと意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1はラット皮膚切断モデルでの、5日目の披裂および炎症を伴う切断割合でのAII(1−7)および9GDの効果を示しているグラフである。
【図2】 第14、19および21日での瘢痕形成におけるAII(1−7)および9GDの効果を示しているグラフである。
【図3】 第14、19日での瘢痕スコアランクにおけるAII(1−7)および9GDの効果を示しているグラフである。
【図4】 第3〜5および7日での切断治癒における、前処理して全身性投与したAII(1−7)および9GDの効果を示しているグラフである。
【図5】 第3〜5および7日での切断治癒における、手術日から始めて全身性投与したAII(1−7)および9GDの効果を示しているグラフである。
【図6】 第3〜5および7日での切断治癒における、全身性投与したAII(1−7)および9GDの単一投与の効果を示しているグラフである。
【図7】 第14および21日での瘢痕のない傷の割合における、前処理して全身性投与したAII(1−7)および9GDの単一投与の効果を示しているグラフである。
【図8】 第14および21日での瘢痕のない傷の割合における、手術日に開始した全身性投与したAII(1−7)および9GDの単一投与の効果を示しているグラフである。
【図9】 第14および21日での瘢痕のない傷の割合における、全身性投与したAII(1−7)および9GDの単一投与の効果を示しているグラフである。
【図10】 第3および7日で治癒した切断の割合における、CMC内に前処理で投与したAII(1−7)および9GDの効果を示している図である。
【図11】 第14および21日での瘢痕形成におけるCMC内に投与したAII(1−7)および9GDの効果を示している図である。
【配列表】
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Claims (4)

  1. 配列番号4、配列番号40、または配列番号41のポリペプチドを含む、瘢痕の形成を制限するための医薬品。
  2. ポリペプチドが配列番号4である、請求項1に記載の医薬品。
  3. ポリペプチドが配列番号40である、請求項1に記載の医薬品。
  4. ポリペプチドが配列番号41である、請求項1に記載の医薬品。
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