JP3743794B2 - ボンベシン類似体 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、良性の或は悪性の組織の増殖を治療するのに有用なボンベシン類似体に関する。
【0002】
【従来技術】
両生類のペプチドボンベシン(Anastasi等、Experientia27巻:166〜167、1971参照)は、哺乳動物の同類体ガストリン放出ペプチド(GRP)、ニューロメジンB(NMB)、ニューロメジンC(NMC)、及びリトリン(litorin)に密接に関係する。Minamino等、Ann.N.Y.Acad.Sci.547巻:373〜390(1988)参照。GRP及びNMBの両レセプターはヒトの腫瘍に関して識別されかつ特性表示された。Taylor等、Growth Factors,Peptides, and Receptors(Moody,T.編集、1993)参照。ボンベシンは、小細胞肺癌(SCLC)を含む多数のヒトの癌細胞系統についての成長因子になることが見出され、かつヒトの胸部及び前立腺癌において検出されてきた。Haveman等、編集、Recent Results in Cancer Research − Peptide Hormones inLung Cancer, Springer−Verlag、ニューヨーク、1986。これらの癌の多くはGRP或はボンベシンに関連したペプチドホルモンを分泌することが知られている。よって、ボンベシンに対する拮抗物質がこれらの癌を治療するための薬剤として提案された。
【0003】
Cuttitta等は、ボンベシンに対する特異的モノクローナル抗体がヌードマウスに異種移植したヒトの小細胞肺癌細胞系統の増殖をインビボで抑制することを立証した。Cuttitta等、Cancer Survey 4巻:707〜727、1985。Zachary及びRozengurtは、ボンベシンの有糸分裂作用に応答する3T3マウス線維芽細胞において、サブスタンスPアンタゴニストであるSpantideがボンベシンアンタゴニストとして作用することを観測した。Zachary等、Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)、82巻:7616〜7620、1985。
【0004】
Heinz−Erian等は、ボンベシンの12位におけるHisをD−Pheで置換し、テンジクネズミの膵臓からの分散された腺房においてボンベシンアンタゴニスト活性を観測した。Heinz−Erian等、Am.J.of Physiol.252:G439〜G442、1987。Riverは、ボンベシンの生物学的に活性なC末端のデカペプチドの立体配座自由度を、分子内ジスルフィドブリッジを加入することによって制限することを指向する研究を報告した。しかし、Riverは、これまでは、この変更を有するボンベシン類似体が何らアンタゴニスト活性を何ら示すことができないと述べた。River、等、イタリー、ローマ、1987年10月、Abstracts of the International Symposium on Bombesin−Like Peptides in Health and Diseaseにおける「Competitive Antagonists of PeptideHormones」。
【0005】
ボンベシンの合成類似体が、また、PCT出願WO 91/17181(1991);Coy等、J.Biol.Chem.266(25):16441(1991);及びSiegfried,J.,Anat.Record 236巻:241−247(1993)において報告された。ボンベシンは、ホルモンの放出並びに膵臓、胃、及び腸の分泌及び腸の可動性の刺激を含む胃腸管に対する直接及び間接の両方の作用を示す。ボンベシンによって放出されるGRP及びコレシストキニンは正常の胃腸粘膜の維持並びに正常の及び腫瘍性の組織の増加する成長において役割を果たすことが示された。
【0006】
ヌードマウスにおける異種移植されたヒトの結腸及び胃の癌の増殖が、ガストリンを投与することによって刺激された後に、セクレチンを加えることによって抑制され(タナカ等、Tokaku,J.Exp.Med.148:459,1986)、ガストリンレセプターを持つMC−26マウス結腸癌の増殖がペンタガストリンによって刺激され(Winsett等、Surgery 99:3021980)、かつガストリン−レセプターアンタゴニストであるプログルミド(proglumide)によって抑制される(Beauchamp等、Ann.Surg.202:303,1985)。ボンベシンは正常の宿主膵臓についての栄養剤及び異種移植されたヒトの膵臓腫瘍組織において成長抑制剤の両方として同時に作用することが見出された。Alexander等、Pancreas 3:247、1988。NMBは、癌細胞の増殖をもたらし(Moody等、J.Phamacol.261:1(1992))、食品摂取量を抑制させ、かつガストリン放出を減少させる(カワイ等、Endocrinol.日本 37(6):857(1990))のが示された。
【0007】
【課題を解決するための手段】
略語
Chx−Ala=シクロヘキシル−Ala(3−シクロヘキシルアラニン)
pGlu=ピログルタミン酸(pyroglutamic acid)
Nle=ノルロイシン
D−Cpa=D−p−クロロフェニルアラニン
HyPro=ヒドロキシプロリン
Nal=3−(α−ナフチル)−アラニン、或は3−(β−ナフチル)−アラニン
DOPA=3、4−ジヒドロキシフェニルアラニン
【0008】
Tcc=1、2、3、4−テトラヒドロ−2−カルボリン(carboline)−3−カルボン酸
Tic=1、2、3、4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸
Aza−Tyrosine=3−(5−ヒドロキシ−2−ピリジル)−アラニンSar=サルコシン
1−或は3−メチル−His=1或は3位複素環式窒素上にメチル基を有するHis
ε−アルキル−Lys=アルキル基によって置換された
【化2】
Figure 0003743794
を有するLys
β−Ala=3−アミノプロピオン酸
【0009】
発明は、下記式の線状治療ペプチド:
【化3】
Figure 0003743794
式中、A1 はD−α−芳香族アミノ酸或はD−α−テザード(tethered)アミノ酸であり;
2 はGln、His,1−メチル−His、或は3−メチル−Hisであり;
3 はNal、Trp、Phe、及びp−X−Phe(ここで、XはF、Cl、Br、NO2 、OH或はCH3 である)から選ぶD−或はL−異性体であり;A4 はAla、Val、Leu、Ile、Nle、或はα−アミノ酪酸であり;
5 はVal、Ala、Leu、Ile、Nle、Thr、或はα−アミノ酪酸であり;
6 はβ−Alaであり;
【0010】
7 はHis,1−メチル−His、3−メチル−His、Lys,或はε−アルキル−Lysであり;
8 はLeu、Ile、Val、Nle、α−アミノ酪酸、Trp、Pro、HyPro、Nal、Chx−Ala、Phe、或はp−X−Phe(ここで、XはF、Cl、Br、NO2 、OH或はCH3 である)であり;
9 はMet,Met−オキシド、Leu、Ile、Nle、α−アミノ酪酸、或はCysであり;
【0011】
各々のR1 及びR2 は、独立に、H、C1-12アルキル、C7-10フェニルアルキル、或はCOE1 (ここで、E1 はC1-20アルキル、C3-20アルケニル、C3-20アルキニル、フェニル、3、4−ジヒドロキシフェニルアルキル、ナフチル、或はC7-10フェニルアルキルである)である;但し、R1 或はR2 のいずれかがCOE1 である時、他方はHでなければならない;及び
3 はOH、NH2 、C1-12アルコキシ、C7-10フェニルアルコキシ、C11-20 ナフチルアルコキシ、C1-12アルキルアミノ、C7-10フェニルアルキルアミノ、C11-20 ナフチルアルキルアミノである;或はこのようなペプチドの製薬上許容し得る塩を特徴とする。
【0012】
「芳香族α−アミノ酸」によって意味するものは、NH2 −CH(CH2 −Z)−COOH式(式中、Zは芳香族環を含有する部分である)のアミノ酸残基である。Zの例は下記を含み、これらに限定されない:フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、3−インドリル、1−Me−3−インドリル、ビフェニル、及びイミダゾリル、Zの芳香族環上に置換基X(Xはハロゲン、NO2 、CH3 或はOHである)を1個又はそれ以上有し或は有しない。
「テザードα−アミノ酸」によって意味するものは、側鎖の炭素原子がα−アミノ基のN原子に結合された(テザード)アミノ酸である。例は下記を含み、これらに限定されない:Pro、HyPro、Tic、及びTcc。
【0013】
1 、A2 、等の記号は、本明細書中α−アミノ酸の残基を表わす。そのような記号は、テザードアミノ酸(例えば、Pro、HyPro、Tcc、或はTic)及びSarの他は、N−末端にある時は、一般構造−NH−CH(R)−CO−もしくは=N−CH(R)−CO−を表わし或はN−末端にない時は、−NH−CH(R)−CO−を表わす(ここで、Rはα−アミノ酸の側鎖(もしくは識別基)を表わし、例えば、Rは、Aspについて、−CH2 COOHである)。ポリペプチド鎖の慣用の表示に従えば、N−末端は左にあり、C−末端は右にあることに留意すること。A6 がSarである時、−N(CH3 )−CH2 −CO−の構造を有する。他方、テザードアミノ酸の残基は−N−CH(R)−CO−構造(ここで、N、C及びRは一緒になって環を形成する)である。HyProとは、本明細書中2−ヒドロキシ−Pro、3−ヒドロキシ−Pro、4−ヒドロキシ−Pro、及び5−ヒドロキシ−Proの内のいずれかを言い、4−ヒドロキシ−Proが好適である。
【0014】
その上、アミノ酸残基が光学的に活性な場合、それは、D−体を明らかに表示しなければ、L−体構造を意図する。アルキル基は、特定しない場合、炭素原子1〜12を含有する。COE1
【化4】
Figure 0003743794
を表わす。
【0015】
上に挙げた(1)式において、R1 或はR2 のいずれかが脂肪族、芳香族、或は親油性基である時、インビボ活性が長く続くことができ、かつ発明の化合物の標的組織への送達を容易にさせることができる。
(1)式において、A1 はNal、DOPA、Trp、Tcc、Tic、Aza−Tyr、Phe、及びp−X−Phe(ここで、XはF、Cl、Br、NO2 、OH或はCH3 である)から選ぶD−異性体であるのが好ましい。A3 はPhe、Trp、及びp−X−Phe(ここで、XはF、Cl、Br、NO2 、OH或はCH3 である)から選ぶD−異性体であり;A7 はHis,1−メチル−His、或は3−メチル−Hisであるのが特に好適である。
【0016】
また、(1)式において、A1 はD−Phe、D−Trp、或はD−Tyrであり;A2 はGlnであり;A3 はTrpであり;A4 はAlaであり;A5 はValであり;A7 はHisであり;A8 はLeu或はHisであり;A9 はMet、Leu、及びNleであるのが好ましい。
【0017】
発明の特に好適なペプチドは下記を含む:
H−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−β−Ala−His−Phe−Nle−NH2
H−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−β−Ala−His−Leu−Leu−NH2
H−D−Tyr−Gln−Trp−Ala−Val−β−Ala−His−Phe−Nle−NH2
H−D−Trp−Gln−Trp−Ala−Val−β−Ala−His−Phe−Nle−NH2 ;及び
H−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−β−Ala−His−Leu−Nle−NH2
【0018】
発明の類似体は製薬上許容し得る塩の形態で提供することができる。好適な塩の例は、治療上許容し得る有機酸、例えば酢酸、乳酸、マレイン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、トルフルオロ酢酸、或はパモン酸(pamoic acid)、並びにポリマー酸(polymeric acid)、例えばタンニン酸或はカルボキシメチルセルロースとの塩、及び無機酸、例えば塩酸のようなハロゲン化水素酸、硫酸或はリン酸との塩である。
発明のその他の特徴及び利点は、下記の発明の好適な実施態様の記述及び特許請求の範囲の記載から明らかになると思う。
【0019】
好適な実施態様の記述
今、本発明の好適な実施態様の構造、合成、生物学的アセイ及び用途について記載する。
【0020】
【実施例】
構造
発明のペプチドはリトリン、ニューロメジンB(NMB)、ニューロメジンC(NMC)、ボンベシン(最後の10のアミノ酸)、及びヒトGRP(最後の10のアミノ酸)から誘導される。
【0021】
類似体の合成
発明の化合物の内の一つである類似体#1(すなわち、H−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−β−Ala−His−Phe−Nle−NH2 )の合成は下記の通りである。
4−メチルベンズヒドリルアミン−ポリスチレン樹脂(Bachem,Inc.)(0.72m当量/g)を、クロリドイオン形態で、ACT200ペプチド合成装置(Advanced Chem Tech,Inc.)の反応容器に入れた。その合成装置は下記の反応サイクルを行うようにプログラムを組み込んだ:(a)塩化メチレン;(b)クロロホルム中トリエチルアミン10%;(c)塩化メチレン;及び(d)ジメチルホルミド。中和した樹脂に、塩化メチレン中のBOC−ノルロイシン及びジイソプロピルカルボジイミド(各々3モル当量)を1時間混合した。生成したアミノ酸樹脂を合成装置においてジメチルホルムアミドで洗浄しかつジメチルホルムアミド中の無水酢酸5%で5分間処理した。次いで、それをジメチルホルムアミド及び塩化メチレンで洗浄した。
【0022】
ペプチド合成装置を下記の反応サイクルを行うようにプログラムを組み込んだ:(a)塩化メチレン;(b)塩化メチレン中トリフルオロ酢酸(「TFA」)33%(各々5分及び25分の2回);(c)塩化メチレン;(d)イソプロピルアルコール;(e)クロロホルム中トリエチルアミン10%;及び(f)塩化メチレン.
【0023】
次いで、下記のアミノ酸(3モル当量)を同じ手順によって逐次に結合させる:Boc−Phe、Boc−His(CBZ)、Boc−β−Ala、Boc−Val、Boc−Ala、Boc−Trp、Boc−Gln(ヒドロキシベンゾトリアゾール1当量の存在において結合させる)、及びBoc−D−Phe(ヒドロキシベンゾトリアゾール1当量の存在において結合させる)。完了した樹脂を、次いでメタノールで洗浄しかつ風乾した。
【0024】
上記のペプチド樹脂(3.5076g)にアニソール(10ml)、ジチオスレイトール(100mg)、及び無水フッ化水素(50ml)を0℃で1時間混合した。過剰のフッ化水素を乾燥窒素を流しながら急速に蒸発させ、残分をエーテル中で洗浄した。粗製ペプチドを4M酢酸100mlに溶解し、次いで溶液を減圧下で蒸発させた。粗製ペプチドを最少容積のメタノール/水に溶解し、酢酸エチルで粉砕した。粉砕したペプチドをオクタデシルシラン−シリカ(Whatman Partisil 10 ODS−2M9)のカラム(内直径9.4mm×50cm)にかけた。ペプチドを水中50/50 0.1%TFA/アセトニトリルi0.1%TFA20〜80%の線状勾配で溶離させた。フラクションを分析用高性能液体クロマトグラフィーによって調べ、適当なフラクションを蒸発させて小容積にし、これを更に凍結乾燥させて生成物80mgを無色粉末として得た。
【0025】
本発明のその他の化合物、例えば類似体#2(すなわち、H−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−β−Ala−His−Leu−Leu−NH2 )を、上記の合成方法を適当に修正することにより類似の方法で調製することができる。
【0026】
生物学的アッセイ
(1)GRPレセプター結合アッセイ
ラットAR42J膵臓腺房細胞を、ダルベッコの改質イーグル培地に、抗生物質を用いないで、牛胎児血清10%(容積/容積)を補足して、培養した。そのインキュベーション雰囲気は37℃のCO210%−給湿空気90%からなるものであった。
【0027】
ボンベシンレセプター結合アッセイ用膜を、氷冷50mM Tris−HCl(バッファーA)においてAR42J細胞をホモジェナイズし(Polytron、設定6、15秒)(ニューヨーク、ウエストベーリ在、Brinkman)かつフレッシュなバッファーAに中間再懸濁させて39,000×g(10分)で2回遠心分離することによって得た。最終ペレットを、バシトラシン0.1mg/ml及びBSA0.1%を含有する50mM Tris−HCl(バッファーB)に再懸濁させ、レセプター結合アセイのために氷上に保った。
【0028】
アッセイのために、アリコート(0.4ml)を、0.05mlの125I−Tyr4]ボンベシン(〜2200Ci/mモル、New England Nuclear)及びバッファーBと共に、未標識の競合類似体0.05mlを用い及び用いないで、インキュベートした。30分インキュベート(4℃)した後に、Brandelろ過マニホールド使用して、あらかじめポリエチレンイミン0.1%に浸漬して置いたWhatman(登録商標)GF/Bフィルターを通して急速ろ過することにより、結合された[125I−Tyr4]ボンベシンを結合されないもの(free)と分離した。次いで、フィルターを氷冷バッファーAのアリコート5mlで3回洗浄した。特異的結合を、結合された全[ 125 I−Tyr 4 ]ボンベシンから1μMの未標識ボンベシンの存在下において結合されたものを減じたものと定義した。
【0029】
試験した化合物の結果(nMにおけるIC50として表わす)及び構造を表1に示す。従来技術の化合物(すなわち、リトリン、Leu−リトリン、及び[D−Phe1、Leu8、9]リトリン)におけるA6位のGlyをβ−Alaで置換すると、予期されないことに、GRPレセプターについてのそれらの親和性を大きく増大させるに至った。例えば、Glyをβ−Alaで置換すると、親和性は2.8〜23倍増大した(類似体#2を[D−Phe1、Leu8、9]リトリン或はLeu−リトリンと比較)。A1、A8、或はA9位を改変すると、親和性は更に増大する。例えば、類似体#3は、IC50が、リトリンについての2.4nM、Leu−リトリンについての23nM、或は[D−Phe1 、Leu8、9]リトリンについての2.8nMに比べて、0.03nM程に小さく、GRPレセプターに対するその親和性が80〜766倍増大する。
【0030】
【表1】
Figure 0003743794
【0031】
(2)NMBレセプター結合アッセイ
ラットNMBレセプターをBALB−3T3線維芽細胞にトランスフェクトする手順は、ワダ等、Neuron、6巻:4221−430(1991)及びBenya等、Mol.Pharmacol.、42巻:1058(1992)において検討されている。
【0032】
ボンベシンレセプター結合アッセイ用膜を、氷冷50mM Tris−HCl(バッファーA)においてラットNMBレセプターをトランスフェクトさせたBALB−373線維芽細胞をホモジェナイズし(Polytron、設定6、15秒)かつフレッシュなバッファーAに中間再懸濁させて39,000×g(10分)で2回遠心分離することによって得た。最終ペレットを、バシトラシン0.1mg/ml及びBSA0.1%を含有する50mM Tris−HCl(バッファーB)に再懸濁させ、レセプター結合アッセイのために氷上に保った。
【0033】
アッセイのために、アリコート(0.4ml)を、0.05mlの125I−Tyr4 ]ボンベシン(〜2200Ci/mモル、New England Nuclear)及びバッファーBと共に、未標識の競合類似体0.05mlを用い及び用いないで、インキュベートした。30分インキュベート(4℃)した後に、Brandelろ過マニホールドを使用して、あらかじめポリエチレンイミン0.3%に浸漬して置いたWhatman(登録商標)GF/Bフィルターを通して急速ろ過することにより、結合された[125I−Tyr4]ボンベシンを結合されないものと分離した。次いで、フィルターを氷冷バッファーAのアリコート5mlで3回洗浄した。特異的結合を、結合された125I−Tyr4]ニューロメジン−Bから1μMの未標識のニューロメジン−Bの存在下で結合されたものを減じたものと定義した。
【0034】
試験した化合物の結果(nMにおけるIC50として表わす)及び構造を表1に示す。従来技術の化合物(すなわち、リトリン、leu−リトリン、及び[D−Phe1、Leu8、9]リトリン)におけるA6位のGlyをβ−Alaで置換すると、予期されないことに、NMBレセプターについてのそれらの親和性を大きく増大させるに至った。例えば、Glyをβ−Alaで置換すると、親和性は11.7倍増大した(類似体#2を[D−Phe1、Leu8、9]リトリンと比較)。A1、A8、或はA9位を改変すると、親和性を更に増大させる。例えば、類似体#4は、IC50が、リトリンについての1.66nM或は[D−Phe1、Leu8、9]リトリンについての480nMに比べて、0.04nM程に小さく、NMBレセプターについてのそれらの親和性が41.5〜12,000倍増大する。Leu−リトリンは、NMBレセプターに関して結合親和性をほとんど有しないことが分かった。
【0035】
【表2】
Figure 0003743794
【0036】
(3)インビボの前立腺腫瘍成長に関するアッセイ
アンドロゲン応答性R−3327/H前立腺腫瘍系統を38の精巣無傷の同系コペンハーゲン雄ラットに移植した。腫瘍を植え付けた(tumored)動物を、それらの腫瘍が235mgsに近い大きさに達した際に、個々に去勢の処理をした。次いで、2つの逐次の腫瘍測定値が、腫瘍成長速度の増大によって立証される通りの「去勢抑制からの逸脱」状態を示した際に、腫瘍をボンベシン類似体治療する処理をした。前立腺腫瘍組織のアンドロゲン感受性からアンドロゲン非感受性への変化は、腫瘍を外科的にかき乱さなくても起き、これよりボンベシン類似体の抗前立腺腫瘍活性を評価するための臨床上実際的なモデルとなった。
【0037】
腫瘍を植え付けた動物を、19動物の2つのグループに分けた。治療は、腫瘍が「去勢抑制からの逸脱」状態に達した際にだけ開始した。グループ1は2.6%のグリセロール/水ビヒクル0.2ml/注射皮下、一日二回)を受けた。グループ2は類似体#5を200mg/注射皮下、一日二回)受けた。両方の注射は、腫瘍と反対の脇腹に施与した。治療期間は24日間続いた。腫瘍測定値を3日、7日、10日、14日、17日、21日、及び24日に取った。腫瘍をバーニアーキャリパースを使用して測定しかつ容積を下記式:(0.5)(長さ)(幅)2 を使用して計算した。
【0038】
図1は、グループ1及びグループ2における治療の腫瘍成長抑制効果を例示する。相対的な腫瘍容積を下記式によって測定した:
【数1】
Figure 0003743794
データは、平均の相対的腫瘍容積±標準誤差によって与える。治療の初めの21日の間、ビヒクルで治療した対照用腫瘍(グループ1)及び類似体#5で治療した腫瘍(グループ2)の大きさに定常的に増大する開きがあった。腫瘍成長速度は、類似体#5での治療により17日後において有意に(p<0.05)抑制された。
【0039】
用途
発明の類似体は、結腸乳癌、膵臓、肝臓癌或は肺癌を治療するために、平滑筋の増殖を防ぐために、食欲を抑制するために、膵臓分泌を刺激するために、或はアルコール渇望を抑制するために有用である。発明の類似体は、哺乳動物特にヒトに、慣用の様式(例えば、経口、非経口、経皮、経粘膜、或は薬剤放出用インプラントによる投与)の内の一つで、生物分解性の生体適合性ポリマーを使用した持続的放出用配合物で、或はミセル、ゲル及びリポソームを使用したオンサイト送達により、或は直腸から(例えば、座薬もしくは注腸により)投与する。類似体は、ヒト患者に、0.25〜5mg/kg/日の範囲の主治医によって決められるべき投与量で投与することができる。
【0040】
その上、本発明の化合物、特にN−末端にTyrを有するものは、診断用に及び131 ヨウ素のような放射性同位体の腫瘍ターゲティング用に用いることができる。
その他の実施態様
上記の記述は本発明の特定の実施態様に限った。しかし、発明の利点の内のいくつか或はすべてを達成する変更及び変更態様を発明になすことができよう。そのような実施態様は特許請求の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化合物の前立腺腫瘍に対する成長抑制作用を示すグラフである。

Claims (9)

  1. 下記式の、腫瘍成長を阻害するための治療用ペプチド:
    Figure 0003743794
    式中、A1Nal、DOPA、Trp、Tcc、Tic、Aza−Tyr、Phe、及びp−X−Phe(ここで、XはF、Cl、Br、NO 2 、OH或はCH 3 である)から選ぶD−異性体であり;
    2はGlnであり;
    3 はTpであり;
    4はAlaであり;
    5はValであり;
    6はβ−Alaであり;
    7はHisであり;
    8はLeu、Ile、Val、Nle、α−アミノ酪酸、Trp、Pro、HyPro、Nal、Chx−Ala、Phe、或はp−X−Phe(ここで、XはF、Cl、Br、NO2、OH或はCH3である)であり;
    9はMet、Met−オキシド、Leu、Ile、Nle、α−アミノ酪酸、或はCysであり;
    各々のR1及びR2は、独立に、H、C1-12アルキル、C7-10フェニルアルキル、或はCOE1(ここで、E1はC1-20アルキル、C3-20アルケニル、C3-20アルキニル、フェニル、3、4−ジヒドロキシフェニルアルキル、ナフチル、或はC7-10フェニルアルキルである)である;但し、R1或はR2のいずれかがCOE1である時、他方はHでなければならない;及び
    3はOH、NH2、C1-12アルコキシ、C7-10フェニルアルコキシ、C11-20ナフチルアルコキシ、C1-12アルキルアミノ、C7-10フェニルアルキルアミノ、C11-20ナフチルアルキルアミノである;或はこのようなペプチドの製薬上許容し得る塩。
  2. 8がLeu或はPheである請求項の治療用ペプチド。
  3. 9がMet、Leu、或はNleである請求項の治療用ペプチド。
  4. 1がD−Phe、D−Tyr、或はD−Trpである請求項の治療用ペプチド。
  5. 下記式:
    H−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−β−Ala−His−Phe−Nle−NH2の請求項の治療用ペプチド。
  6. 下記式:
    H−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−β−Ala−His−Leu−Leu−NH2の請求項の治療用ペプチド。
  7. 下記式:
    H−D−Tyr−Gln−Trp−Ala−Val−β−Ala−His−Phe−Nle−NH2の請求項の治療用ペプチド。
  8. 下記式:
    H−D−Trp−Gln−Trp−Ala−Val−β−Ala−His−Phe−Nle−NH2の請求項の治療用ペプチド。
  9. 下記式:
    H−D−Phe−Gln−Trp−Ala−Val−β−Ala−His−Leu−Nle−NH2の請求項の治療用ペプチド。
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