JP3743317B2 - 細胞の突起検出方法 - Google Patents

細胞の突起検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3743317B2
JP3743317B2 JP2001204343A JP2001204343A JP3743317B2 JP 3743317 B2 JP3743317 B2 JP 3743317B2 JP 2001204343 A JP2001204343 A JP 2001204343A JP 2001204343 A JP2001204343 A JP 2001204343A JP 3743317 B2 JP3743317 B2 JP 3743317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cell
protrusion
cell body
edge
image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001204343A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003014737A (ja
Inventor
博 白水
優司 石津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2001204343A priority Critical patent/JP3743317B2/ja
Publication of JP2003014737A publication Critical patent/JP2003014737A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3743317B2 publication Critical patent/JP3743317B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動植物の細胞画像を画像処理することにより細胞の突起検出を行う細胞の突起検出方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バイオテクノロジーや医薬品開発の分野では動植物細胞や微生物などに対する様々薬品や薬などの物質の効果や影響、またはこれらの物質物質に対する動植物細胞や微生物等の反応を確認する作業が行われる。例えば神経細胞の神経突起など逐次伸長する突起を観察対象とする場合には、細胞突起の状態を経時的に追跡して観察・記録し、データ化する作業が必要となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、細胞の突起の観察作業は研究者の目視観察に依存しており、観察結果が研究者間でばらついたり、顕微鏡画像を長時間観察することによる疲労により観察結果が変動するという問題があった。一方、突起の状態を自動的に観察する適切な手段は実現されていないというのが現状である。
【0004】
そこで本発明は、このような問題に鑑み、細胞画像から細胞の突起を自動的に抽出することができる細胞の突起検出方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の細胞の突起検出方法は、細胞本体からスタートして細胞本体から離れ再び細胞本体に戻る連続したエッジを検出する工程と、エッジの内、エッジの往復の軌跡が互いに所定距離内で隣接しているものを突起のエッジとする工程を含む。これにより確実に突起のエッジを検出することができる。
【0006】
請求項2記載の細胞の突起検出方法は、細胞本体の周囲をサーチして突起の根元を検出する根元検出工程と、前記根元から突起の先端へ向かって連続するエッジを検出するエッジ検出工程を含むものである。これにより突起の根元から突起を確実に検出することができる。
【0007】
請求項3記載の細胞の突起検出方法は、細胞本体の外周にサーチラインを設定し、このサーチライン上を横切るエッジを検出するものである。これにより突起の根元を確実に検出することができる。
【0008】
請求項4記載の細胞の突起検出方法は、サーチラインを細胞本体のエッジから所定画素外側に設定するものである。これにより突起以外のエッジの誤検出を少なくすることができる。
【0009】
請求項5記載の細胞の突起検出方法は、サーチラインからスタートして細胞本体から離れ再びサーチラインに戻る連続したエッジを突起のエッジとするものである。これにより突起のエッジと突起以外のエッジとを正確に区別して検出することができる。
【0010】
上記構成の発明によれば細胞の突起を細胞画像から自動的に抽出することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に本発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の画像処理装置の構成を示すブロック図、図2は本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法のメインフローを示すフローチャート、図3は本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における二値化処理のフローチャート、図4は本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法におけるサーチライン設定処理のフローチャート、図5は本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における突起検出処理のフローチャート、図6は本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における突起判定処理のフローチャート、図7は本発明の一実施の形態の細胞画像を示す画像図、図8、図9は本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における二値化処理の説明図、図10は本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法におけるサーチライン設定処理の説明図、図11、図12、図13は本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における突起検出処理の説明図、図14は本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における突起判定処理の説明図である。
【0012】
まず図1を参照して細胞画像の画像処理装置の構成を説明する。図1において位置決めステージ1上には、観察対象の細胞を収容するマイクロタイタープレート2が載置されている。マイクロタイタープレート2は多数のウェル2aを備えており、ウェル2a内には、観察対象の動植物の細胞を含む試料3が収容されている。位置決めステージ1の下方には顕微観察を行う光学系4が配設されており、光学系4の下方にはカメラ5が配置されている。位置決めステージ1の上方に配設された照明装置6を点灯してウェル2aを照明した状態で、光学系4を介してカメラ5によってウェル2a内の試料3中の動植物の細胞を撮像することにより、カメラ5は細胞画像(図7参照)を取得する。
【0013】
カメラ5は画像処理部10と接続されており、画像処理部10は以下に説明する各部より構成される。画像記憶部11は、カメラ5によって取得された細胞画像(原画像)データを記憶する。二値化処理部12は、突起抽出データ取得のための形状抽出対象となる探査用画像を原画像より生成する。二値化画像記憶部13は、生成された二値化画像を記憶する。
【0014】
細胞本体検出処理部14は、原画像データを周波数変換することにより、細胞画像中の突起を消去した細胞本体画像を検出する。サーチライン設定処理部15は、細胞本体画像に基づいて、細胞本体画像の周囲に突起検出用のサーチラインを設定する。サーチライン記憶部16は、設定されたサーチラインの位置情報を記憶する。突起情報記憶部18は、突起検出処理においてサーチラインを横切るエッジとして検出された突出部分についての突起情報を記憶する。突起判定処理部19は、記憶された突出部分が、検出目的に合致した突起に該当するか否かを判定する。
【0015】
画像処理部10を構成するハードウェアとしては、パーソナルコンピュータのようにコンピュータプログラムによって作動する汎用的な処理装置が用いられる。本実施の形態ではこのような処理装置に、画像処理部10として機能させるためのコンピュータプログラム及び二値化処理部12、細胞本体検出処理部14、サーチライン設定処理部15、突起検出処理部17、突起判定処理部19の機能を実現させるためのプログラムをインストールして細胞画像の処理装置を構成している。
【0016】
次に細胞画像の画像処理方法について、各図を参照して説明する。この画像処理方法は、神経細胞などの細胞本体から外側に突出する突起を、画像処理手法によって細胞画像から抽出するものである。ここでは、観察対象の細胞を撮像して得られた細胞画像(図7参照)中の細胞本体24aの周囲をサーチして突起24bの根本を検出し、この根本から先端へ向かって連続するエッジを検出する方法が用いられる。
【0017】
まず図2のフローチャートに沿って画像処理方法のメインフローについて説明する。図2のフローチャートは、画像処理部10の機能を実現するための処理プログラムである。ここでは、上記処理の概要について述べ、詳細な説明を要するステップについては個別に後述する。図2において、取得された細胞画像(原画像)の二値化処理が行われる(ST1)。次に細胞本体24aの外周に突起の根本を検出するためのサーチラインを設定するサーチライン設定処理が行われる(ST2)。
【0018】
そして二値化処理により得られた二値化画像(探査用画像)においてサーチラインSLに該当する位置(画素)に沿って突起抽出が行われる(図11参照)。すなわち、サーチラインに沿って輝度の変化を確認することによりサーチライン上を横切る突起の根本のエッジを検出し、このエッジを起点として突起の輪郭を検出する。
【0019】
図11に示すように探査用画像を構成する格子配列の各画素Aには、位置情報を示すラベルiが付されている。すなわち、ラベルiを指定することにより、その画素を注目画素とし、またラベルiの値で左上端に位置する画素A[0]から右下端に位置するA[SIZE−1]まで、各画素の位置を特定することができる。上述のサーチライン検出のための画像処理においては、処理の対象となる注目画素A[i]を各画素位置に移動させながら所定の処理ステップが反復実行される。
【0020】
このため、(ST2)以後のメインフローにおいては、まず探査用画像の画像サイズ入力が行われ、探査用画像の画素数(SIZE)を画像サイズとして入力し(ST3)、ラベルiを0とする(ST4)ことにより、最初の画素A[0]から順次各画素について以下の処理ステップが行われる。
【0021】
まず対象となる当該注目画素A[i]はサーチラインに該当するか否かを判断し(ST5)、サーチラインに該当すると判断されたならば、さらに当該サーチラインは未だ以降の処理の対象となっていない未検出のサーチラインであるか否かを判断し(ST6)、未検出のサーチラインであれば、突起抽出を行う対象となるサーチラインが検出されたと判断して、突起検出処理(ST7)を行う。
【0022】
この(ST5)〜(ST7)のサーチライン検出処理(及び検出されたサーチラインについて行われる突起検出処理)は、探査用画像の全ての画素が注目画素とされ、所要処理ステップが完了するまで反復される。すなわち、ラベルiをi+1に置き換え(ST8)、ここでiが画像サイズとして入力された画素数(SIZE)に到達したか否かを判断し、到達していなければ(ST5)に戻ってサーチライン検出処理を反復する。
【0023】
そして、ラベルiが画素数(SIZE)に到達している場合には、全画素を注目画素としたサーチライン検出処理及び検出されたサーチラインについて行われる突起検出処理が完了したと判断し、突起判定処理(ST10)に移行する。ここでは(ST7)にて検出された突起が検出目的に該当する突起であるか否かを判定する。そして突起判定の後、細胞画像の画像処理を終了する。
【0024】
以上が細胞画像の画像処理方法のメインフローであり、以下個別処理の詳細について説明する。まず図8,図9を参照して、二値化処理について図3のフローチャートに沿って説明する。この二値化処理は、透過照明によって細胞を撮像して得られた細胞画像(原画像)から、形状抽出のための探査用画像を生成するものであり、後述するように同一対象画像内において、二値化対象画素に応じてしきい値を変動させる動的二値化処理が用いられる。
【0025】
次に二値化処理の対象となる原画像について説明する。図7に示すように原画像では、各種のノイズ成分を含む背景部分22の中に細胞24の画像が現れている。細胞24は、細胞本体24aとこの細胞本体から突出する突起24bより成る。
【0026】
この原画像においては、細胞本体24aの周囲には輪状の高輝度部分23が現出している。このような高輝度部分は、照明装置6からの透過照明光によってカメラ5で細胞を撮像する場合に、照明光が細胞本体24aの近傍を通過する際に回折することによって生じるものである。そしてこのような本来存在しない高輝度部分を含む画像をそのまま動的二値化処理の対象とすると、形状抽出用として適切な二値化画像を得ることができない場合が生じるため、本実施の形態に示す二値化処理においては、以下に説明する前処理を施した画像を動的二値化処理の対象とするようにしている。
【0027】
図3のフローチャートは、二値化処理部12の機能を実現するための二値化プログラムを示している。まず図8(a)に示すように二値化対象の全画素の輝度の分布を求める(ST11)。図8(a)は輝度の分布を示すためのヒストグラムであり、横軸に輝度、縦軸には度数(画素数)をとっている。次いで輝度の分布から輝度の平均値Mを求めるとともに、高輝度検出用のしきい値THを設定し(ST12)、輝度値Bがこのしきい値THを超える範囲HBに対応する画素を、高輝度部分として抽出する(ST13)。このしきい値THの設定方法としては、しきい値を超える画素の全画素に対する割合が所定の値を超えるような値に設定する方法等、様々な手法が適用できる。透過照明にて得られた細胞画像において、光の回折によって細胞本体の周囲に生じた高輝度部分を検出する。これにより、図7に示す原画像中の高輝度部分23が画素単位で特定される。
【0028】
そして特定された高輝度部分23の輝度の値を、(ST12)で求めた平均値Mと置換する(ST14)。すなわち高輝度部分の輝度の値を所定の値に置換してこれらの高輝度部分を消去する。これにより、図8(b)に示すように原画像のうち高輝度部分23の輝度を平均値Mで置き換えて平均輝度部23’とした前処理画像が生成される。この後、このようにして得られた前処理画像を対象として、動的二値化処理によって全画素を二値化処理し、得られた二値化画像を二値化画像記憶部13に記憶させる(ST15)。
【0029】
ここで動的二値化処理について説明する。この動的二値化処理においては、図8(c)に示すように、二値化対象画素A[j]の周囲に複数の画素Aを含む参照範囲Zを設定し、この参照範囲Z内の画素Aの輝度の値に基づいて、二値化対象画素A[j]の二値化しきい値を設定する。ここでは、参照範囲Z内の画素Aの輝度の平均値を二値化しきい値として用いている。そして二値化対象画素A[j]の輝度を二値化しきい値と比較することにより、二値化対象画素A[j]の輝度値は、「1」または「0」のいずれかに置き換えられる。
【0030】
これにより、図9(a)に示すように、背景画像を明部(輝度値「1」)とし、細胞本体24a、突起24bを暗部(輝度値「0」)とする二値化画像を得る。この原画像の二値化において前述のような動的二値化処理を用いることにより、同一の画像内において領域によって輝度値の分布に偏りがある場合にあっても、画像内の全ての領域について正しい形状抽出結果を与える探査用画像を生成することができる。
【0031】
ここで、この動的二値化処理において、原画像中の高輝度部分を消去する前処理の意義について説明する。図9(b)は、同様の細胞画像を対象として、このような前処理を行わない従来の動的二値化処理によって得られた二値化画像を参照のために示したものである。この場合においても、細胞本体24aの周囲には透過照明光の回折によって高輝度部分23が輪状に現れている。
【0032】
そしてこの高輝度部分23の外側近傍の画素を動的二値化処理の対象とする場合において、この範囲にノイズなどにより輝度値が幾分周囲よりも低い部分(グレーゾーン)が存在する場合には、以下に説明する不具合が生じる。すなわち二値化しきい値を設定するために参照範囲Z内の複数画素の輝度値の平均値を求めると、高輝度部分23が参照範囲Z内に含まれていることから、平均値は高輝度部分23が存在しない場合と比較して高輝度側に偏る。この結果、設定された二値化しきい値が上述のグレーゾーンの輝度値よりも高くなる場合が発生する。
【0033】
そしてこのような場合には、グレーゾーンを二値化対象画素とした動的二値化処理においては、本来ならば輝度値「1」に区分されるべき場合にあっても、二値化しきい値が高輝度側に偏って設定されていることから、当該画素は輝度値「0」に区分される。このため、高輝度部分23の近傍にグレーゾーンが存在する場合には、二値化画像では本来存在しない暗部25として現れ、形状抽出においてこのような暗部25は突起24bと誤認されやすいことから、突起検出精度を低下させることとなっていた。
【0034】
これに対し、本実施の形態に示す細胞画像の画像処理においては、前述のように原画像中の高輝度部分23を予め消去した前処理画像を動的二値化処理の対象としていることから、上述の高輝度部分23の存在に起因する二値化処理上の誤差を生じることなく、正しい形状抽出を行うことができる。
【0035】
次に図10を参照して、サーチライン設定処理について図4のフローチャートに沿って説明する。図4のフローチャートは、サーチライン設定処理部15の機能を実現するためのサーチライン設定プログラムを示している。まず図10(a)に示すように、原画像より突起24bを消去し細胞本体24aのみとした画像(細胞本体画像)を細胞本体検出処理部14より入手する(ST21)。この細胞本体画像は、細胞本体検出処理部14にて生成され、原画像中の細胞画像をウェーブレット変換によって周波数変換して得られる低周波側の成分から細胞本体画像が生成される。なお、周波数変換としては、ウェーブレット変換以外にもアダマール変換や離散コサイン変換(DCT)、フーリエ変換等を使用したものを用いてもよい。
【0036】
そしてこの細胞本体画像から突起の根本を検出するためのサーチラインSLが設定される。すなわち図10(b)に示すように、この細胞本体画像において細胞本体24aを数画素太らせた画像(細胞本体24a’の画像)を生成して、サーチライン記憶部16に格納し(ST22)、メインフローに戻る。そしてここで求められた拡大された細胞本体24a’の外側のエッジが、サーチラインSLとして設定される。すなわち細胞本体画像の細胞本体24aのエッジを所定画素外側に拡大して得られる細胞本体のエッジが突起の根本を検出するためのサーチラインSLとして設定される。
【0037】
なお、ここでサーチラインSLを求める処理として、図10(c)に示すように細胞本体画像において細胞本体24aのエッジの数画素外側に直接サーチラインSLを設定し、これをサーチライン記憶部16に格納するようにしてもよい(ST22’)。すなわちこの場合にはサーチラインSLは、細胞本体画像の細胞本体24aのエッジから、根本検出のサーチのために適切な距離に相当する所定画素だけ外側に設定される。
【0038】
次に図11、図12、図13を参照して、突起検出処理について図5のフローチャートに沿って説明する。図5のフローチャートは、突起検出処理部17の機能を実現するための突起検出処理プログラムを示している。この突起検出処理は、図11に示すように二値化処理によって求められた二値化画像(探査用画像)において、サーチラインSLに該当する位置(画素)に沿ってエッジをサーチして突起の根本を検出し、検出された根本から突起の先端へ向かって連続するエッジを検出するものである。これらの処理は、サーチラインSLに該当する位置(画素)に沿って注目画素を移動させながら行われる。そして以下に示すステップが注目画素に対して適用される。
【0039】
図5においてまず画素A[i](図12参照)を注目画素とする(ST31)。次いで注目画素A[i]の輝度を検出する(ST32)。そしてこの注目画素A[i]が根本条件に合致しているか否かを判断する(ST33)。根本検出条件とは、サーチラインSL上で注目画素を移動させて突起を検出する過程において、当該注目画素が細胞本体から外側に突出する突起の根本のエッジに到達したか否かを判定するための条件であり、具体的には図12(a)に示す点P1から点P2に注目画素が移動した場合のように、現在の注目画素(点P2)の輝度値「1」であり、かつサーチラインSL上の1つ手前の注目画素(点P1)の輝度値が「0」となる場合、現在の注目画素(点P2)を根本検出条件に合致するものとする。
【0040】
そして根本検出条件に合致しているならば、当該注目画素A[i]を突起のエッジとして突起情報記憶部18に記憶させる。また(ST33)にて根本検出条件に合致していない場合には、サーチラインSLに沿って注目画素を1つだけ移動する(ST39)。そして突起の根本が検出されたならば、この注目画素に連続する突起のエッジを検出する(ST35)。すなわち図12(b)に示すように突起24bの根本として検出された注目画素(矢印(イ))を起点として、突起24bの輪郭であるエッジを連続して検出するエッジ追跡が行われる。ここでは、図13に示すように注目画素A[i]の廻りを時計回りにサーチし、輝度値が「0」→「1」となる画素を見いだすことにより、エッジに該当する画素を検出する。図13においてWが新たなエッジとして検出される。
【0041】
このエッジ検出の過程において、検出対象とする突起24bの輪郭が全て追跡されたか否かを確認する目的で、以下のステップが実行される。すなわちエッジが検出される度に、検出されたエッジはサーチラインSLに該当するか否かを判断する(ST36)。エッジ追跡が未だ完了しておらず注目画素がエッジ上の矢印(ロ)の位置にあって、サーチラインSLに該当しないならば、検出した当該エッジの画素を次の処理の対象となる注目画素とし(ST37)、(ST34)に戻る。そして以降のステップを反復し、エッジ追跡を継続して行う。このようにして(ST34)〜(ST37)のステップを反復することにより、突起24bの根本から先端に向かって連続するエッジが検出される。
【0042】
また(ST36)において注目画素がサーチラインSLに該当するならば、すなわちエッジとサーチラインSLの交点を示す矢印(ハ)に注目画素が戻ったならば、注目画素を根本検出条件に合致した最新の画素(矢印(イ))に戻す(ST38)。そしてこの後サーチラインSLに沿って注目画素を1つだけ移動させて(ST39)、新たな突起の根本検出を行う。すなわちエッジ検出工程で検出したエッジの軌跡が、突起24bの縁を周回して細胞本体24a側に向かって戻り、サーチラインSLに到達したならば、エッジ検出工程を終了して根本検出工程を再開する。
【0043】
そしてサーチラインSLに沿って順次移動させた注目画素が、画素A[i]であるか否か、すなわちサーチラインSL上の起点に戻ったか否かを判定し、戻っていなければ(ST32)に戻って同一サーチラインSL上で新たな突起を検出するためのステップを反復する。また起点に戻ったならば、当該サーチラインSLについての突起検出処理を終了しメインフローに戻る。
【0044】
上記説明したように、この細胞画像の画像処理におけるエッジ検出工程は、細胞本体24aからスタートして細胞本体24aから離れ、再び細胞本体24aに戻る連続したエッジを検出するものである。そして細胞本体24aからスタートして再び細胞本体24aに戻る形態の1つとして、ここでは細胞本体の外側に設定されたサーチラインSLからスタートしてサーチラインSLに戻る形態となっている。
【0045】
次に図14を参照して、突起判定処理について図6のフローチャートに沿って説明する。ここでは、突起検出処理において検出された突起が、検出目的に該当する突起であるか否かが判定される。まず突起24bの連続するエッジのデータを抽出し(ST41)、連続するエッジの軌跡は所定距離内で隣接しているか否かを判断する(ST42)。
【0046】
すなわち図14に示すように、突起24bの縁に沿ったエッジが連続して検出された軌跡のうち、細胞本体24aから遠ざかる方向の往路の軌跡と細胞本体24a側に向かって戻る復路の軌跡との間の距離Dが所定距離以内であって隣接していると判断されたならば、当該エッジは検出目的に該当する突起であると判定する。そしてさらに未判定のエッジがあるか否かを判断し(ST44)、未判定のエッジがある場合には、(ST41)に戻って、当該エッジについて同様の突起判定処理を行う。また未判定のエッジが存在しないならば、メインフローに戻る。
【0047】
これに対し(ST42)において、図14に示す細胞本体24aから外側へ幾分突出した凸部24cのように、軌跡形状が緩やかな弧状であり往路の軌跡と復路の軌跡が離れているような場合には、すなわち連続するエッジの軌跡が隣接していないならば、当該エッジは検出目的に該当せずと判定して当該エッジのデータを突起情報記憶部18から削除し(ST43)、この後(ST44)に進む。
【0048】
すなわち、ここでは細胞本体から外側へ突出した部分のエッジのうち、エッジの往復の軌跡が互いに所定距離内で隣接したものを突起のエッジとする。これにより、突起抽出処理において本来の検出目的に合致する形状の突起のみを正しく抽出することができる。
【0049】
上記説明したように、細胞画像から神経突起などの突起部分のみを検出する突起抽出処理において、細胞本体の周囲のみを突起検出のための探査対象とすることにより、画像に含まれるノイズの影響を低減して、突起抽出を適切にかつ効率よく行うことができる。また、探査用画像の生成において、動的二値化処理に先立って撮像時に照明光の回折によって細胞本体の周囲に生じた高輝度部分を検出し、検出した高輝度部分の輝度の値を所定の値に置換してこれらの高輝度部分を消去する処理を行うようにしたので、高輝度部分の影響を排除して正しい形状抽出を行うことができる。
【0050】
【発明の効果】
本発明によれば、細胞本体の周囲をサーチして突起の根元を検出する根元検出工程と、根元から突起の先端へ向かって連続するエッジを検出するエッジ検出工程を含むので、細胞の突起を自動的に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の画像処理装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法のメインフローを示すフローチャート
【図3】本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における二値化処理のフローチャート
【図4】本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法におけるサーチライン設定処理のフローチャート
【図5】本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における突起検出処理のフローチャート
【図6】本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における突起判定処理のフローチャート
【図7】本発明の一実施の形態の細胞画像を示す画像図
【図8】本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における二値化処理の説明図
【図9】本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における二値化処理の説明図
【図10】本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法におけるサーチライン設定処理の説明図
【図11】本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における突起検出処理の説明図
【図12】本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における突起検出処理の説明図
【図13】本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における突起検出処理の説明図
【図14】本発明の一実施の形態の細胞画像の画像処理方法における突起判定処理の説明図
【符号の説明】
2 マイクロタイタープレート
3 試料
5 カメラ
10 画像処理部
12 二値化処理部
14 細胞本体検出処理部
15 サーチライン設定処理部
17 突起検出処理部
19 突起判定処理部
24 細胞
24a 細胞本体
24b 突起

Claims (10)

  1. 細胞本体から突出する突起を細胞画像から抽出する細胞画像処理方法であって、
    細胞本体からスタートして細胞本体から離れ再び細胞本体に戻る連続したエッジを検出する工程と、
    前記エッジの内、エッジの往復の軌跡が互いに所定距離内で隣接しているものを突起のエッジとする工程を含むことを特徴とする細胞の突起検出方法。
  2. 細胞本体からスタートして細胞本体から離れ再び細胞本体に戻る連続したエッジを検出する工程は、細胞本体の周囲をサーチして突起の根元を検出する根元検出工程と、前記根元から突起の先端へ向かって連続するエッジを検出するエッジ検出工程を含むことを特徴とする請求項1記載の細胞の突起検出方法。
  3. 前記根元検出工程は、細胞本体の外周にサーチラインを設定し、このサーチライン上を横切るエッジを検出することを特徴とする請求項2記載の細胞の突起検出方法。
  4. 前記サーチラインは、細胞本体のエッジから所定画素外側に設定することを特徴とする請求項3記載の細胞の突起検出方法。
  5. 前記サーチラインからスタートして細胞本体から離れ再びサーチラインに戻る連続したエッジを、突起のエッジとすることを特徴とする請求項3記載の細胞の突起検出方法。
  6. コンピュータプログラムによって作動する処理装置に、細胞本体から突出する突起を細胞画像から抽出する処理を実現させるプログラムであって、
    細胞本体からスタートして細胞本体から離れ再び細胞本体に戻る連続したエッジを検出する工程と、
    前記エッジの内、エッジの往復の軌跡が互いに所定距離内で隣接しているものを突起のエッジとする工程を含むことを特徴とする細胞の突起検出を実現させるためのプログラム。
  7. 細胞本体からスタートして細胞本体から離れ再び細胞本体に戻る連続したエッジを検出する工程は、細胞本体の周囲をサーチして突起の根元を検出する根元検出工程と、前記根元から突起の先端へ向かって連続するエッジを検出するエッジ検出工程を含むことを特徴とする請求項6記載の細胞の突起検出を実現させるためのプログラム。
  8. 前記根元検出工程は、細胞本体の外周にサーチラインを設定し、このサーチライン上を横切るエッジを検出することを特徴とする請求項7記載の細胞の突起検出を実現させるためのプログラム。
  9. 前記サーチラインは、細胞本体のエッジから所定画素外側に設定することを特徴とする請求項8記載の細胞の突起検出を実現させるためのプログラム。
  10. 前記サーチラインからスタートして細胞本体から離れ再びサーチラインに戻る連続したエッジを、突起のエッジとすることを特徴とする請求項8記載の細胞の突起検出を実現させるためのプログラム。
JP2001204343A 2001-07-05 2001-07-05 細胞の突起検出方法 Expired - Fee Related JP3743317B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001204343A JP3743317B2 (ja) 2001-07-05 2001-07-05 細胞の突起検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001204343A JP3743317B2 (ja) 2001-07-05 2001-07-05 細胞の突起検出方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003014737A JP2003014737A (ja) 2003-01-15
JP3743317B2 true JP3743317B2 (ja) 2006-02-08

Family

ID=19040832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001204343A Expired - Fee Related JP3743317B2 (ja) 2001-07-05 2001-07-05 細胞の突起検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3743317B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2007069414A1 (ja) * 2005-12-14 2009-05-21 国立大学法人 東京大学 線状の形態を有する細胞等を解析する方法及び神経細胞解析方法並びにそれら方法を実行する装置及びプログラム
CN103620390B (zh) * 2011-06-21 2016-08-31 浜松光子学株式会社 光测定装置、光测定方法以及光测定程序
JP5869239B2 (ja) 2011-06-21 2016-02-24 浜松ホトニクス株式会社 光測定装置、光測定方法、及び光測定プログラム
JP6798533B2 (ja) * 2018-07-26 2020-12-09 株式会社ニコン 細胞評価装置、インキュベータおよびプログラム
JP7235027B2 (ja) * 2020-11-16 2023-03-08 株式会社ニコン 細胞評価装置、インキュベータおよびプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003014737A (ja) 2003-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20210407076A1 (en) Multi-sample Whole Slide Image Processing in Digital Pathology via Multi-resolution Registration and Machine Learning
CN111340130B (zh) 一种基于深度学习和影像组学的泌尿结石检测分类方法
US10475190B2 (en) Foreground segmentation and nucleus ranking for scoring dual ISH images
US7873202B2 (en) Method and apparatus for reviewing defects of semiconductor device
JP4616120B2 (ja) 画像処理装置及び検査装置
JP2002312761A (ja) 細胞画像の画像処理方法
JP2006209698A (ja) 対象追跡装置、顕微鏡システムおよび対象追跡プログラム
WO2017221592A1 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及び画像処理プログラム
CN1782661A (zh) 在视觉系统中用于自动恢复视频工具的系统和方法
WO2017150194A1 (ja) 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP3743317B2 (ja) 細胞の突起検出方法
JP3743316B2 (ja) 細胞の突起検出方法
CN112464802A (zh) 一种玻片样本信息的自动识别方法、装置和计算机设备
JP2011044016A (ja) 三次元細胞画像解析装置
CN1497494A (zh) 用于低景深图像分割的方法和装置
CN116596921A (zh) 一种焚烧炉渣分选方法及系统
JP5530126B2 (ja) 三次元細胞画像解析システム及びそれに用いる三次元細胞画像解析装置
CN116258686A (zh) 基于图像卷积特征捕捉的结肠息肉分型检测模型建立方法
US11315251B2 (en) Method of operation of an artificial intelligence-equipped specimen scanning and analysis unit to digitally scan and analyze pathological specimen slides
KR102084682B1 (ko) 인공신경망을 이용한 특수 현미경 영상 생성 방법 및 영상 처리 장치
JP3679680B2 (ja) 細胞系譜抽出方法
WO2015107770A1 (ja) 細胞コロニー領域特定装置、細胞コロニー領域特定方法および記録媒体
CN108875612B (zh) 一种足迹图像的处理方法
KR100520125B1 (ko) 선충 분류 방법
JP6208019B2 (ja) 細胞コロニー領域特定装置、細胞コロニー領域特定方法およびプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050701

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051107

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091125

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees