JP3743046B2 - 直接変換受信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、選択呼出受信機やコードレスリモコン、コードレス電話機等の無線通信装置に係わり、特に受信復調方式として直接変換受信方式、すなわちホモダイン方式を用いた受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
直接変換方式の受信機は、ヘテロダイン方式と比較して多くの利点をもっている。ヘテロダイン方式では、受信した高周波信号を中間周波数に変換してから処理するために、イメージ成分を除去するためのフィルタが必要である。このフィルターとしては通常、セラミックフィルタまたは水晶フィルタが使用されるが、これらのフィルタはコストが高く、形状も大きい。直接変換受信機は、受信した高周波信号を直接ベースバンド付近の低周波信号へ変換するため、イメージ成分の発生がない。従って上記のようなフィルタは不要である。一般的には隣接チャンネルの成分を除去するフィルタが必要であるが、処理する信号が低周波であるためローパス特性のアクティブフィルタ等を用いることができ、IC化も容易である。つまり、高価で形状の大きなフィルタが不要なために直接変換受信機では低コストかつ小型化が実現できる。
【0003】
図11は、従来の直接変換受信機の構成を示すブロック図である。図11において、10はアンテナ、11はミキサ、12は局部発振器、15は復調器、16はコンデンサ、17はローパスフィルタ、18は90度移相器である。アンテナ10からの受信信号は2分され、2つのミキサ11にそれぞれ入力される。また、局部発振器12の出力も2分されてミキサ11に入力されるが、その中の一方は90度移相器で移相されてからミキサ11へ入力される。ここで局部発振器12の周波数が受信信号の中心周波数と同じに設定されており、そのため受信信号はミキサ11でベースバンド信号に周波数変換される。2つのミキサ11の出力はコンデンサ16とローパスフィルタ17を通じてから復調器15へ入力される。この復調器15で復調が行われる。以上が直接変換受信機の基本動作である。
【0004】
直接変換受信機では、上記のように局部発振器の周波数が受信信号の中心周波数とほぼ同じに設定されるために、局部発振器の信号漏れ、すなわちローカルリークによりミキサ出力に不要な直流成分が発生する。また、直接変換受信機ではミキサに大きな変換利得が必要であるが、このために生じるミキサ出力の直流オフセット電圧も問題になる。この直流電圧成分を取り除かないと復調が困難である。そこで、ミキサ出力にコンデンサ等を挿入し直流成分を取り除いてから復調器に入力している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の、直接変換受信機においては、取り除いた直流成分には受信信号の成分も含まれているので、直流成分を取り除いた後の信号は必要な情報が一部失われることになる。そして、この信号を用いた復調では十分な復調データが得られない。これは特に、周波数変調信号で周波数変位が小さい場合、つまり変調指数が小さいときに問題になる。また、2値FSK信号のように中心周波数付近にスペクトラム成分のピークをもたない変調信号では、直流成分を取り除いたための情報欠損の影響は比較的小さいが、局部発振器の周波数が受信信号の中心周波数に対してずれた場合には影響が大きくなる。そして、この周波数のずれが変調波の周波数変位量と同程度のときには影響が深刻なものとなる。本発明は上記の課題を解決するものであり、直流成分の欠損による影響を抑え、変調指数が小さい変調信号の場合や局部発振器に周波数ずれが生じた場合でも安定して復調を行える直接変換受信機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の直接変換受信機においては、信号源からの信号により周波数変調された局部発振器と、この局部発振器からの出力とアンテナからの信号を入力するミキサと、このミキサの出力を入力する復調手段と、復調手段の出力から信号源の電圧変化に対応した電圧変化成分を除去する除去手段を備えている。そして、除去手段は復調手段からの出力と信号源からの信号の位相および振幅を調整して差を取ることにより、復調手段の出力から信号源の電圧変化成分をキャンセルしている。この本発明によれば、受信信号の変調指数が小さい場合や、局部発振器の周波数がずれた場合でも安定して復調が行われるという効果がある。
【0008】
【発明の実施の形態】
この目的を達成するために、本発明による直接変換受信機では、信号源と、信号源からの信号により周波数変調された局部発振器と、局部発振器の出力とアンテナからの入力信号を入力するミキサと、ミキサの出力を入力する復調手段と、復調手段の出力から信号源の電圧変化に対応した電圧変化成分を除去する除去手段を備えている。
【0009】
そして、除去手段は復調手段からの出力と信号源からの信号の位相および振幅を調整して差を取ることにより、復調手段の出力から信号源の電圧変化成分をキャンセルしている。
【0011】
また、信号源と、信号源からの信号により周波数変調された第1の局部発振器と、第1の局部発振器の出力とアンテナからの入力信号を入力する第1のミキサと、信号源からの信号により周波数変調された第2の局部発振器と、第2のミキサと、復調手段を備え、第1のミキサの出力と第2の局部発振器の出力を前記第2のミキサに入力することにより前記第1のミキサの出力から前記信号源の周波数成分を除去し、前記第2のミキサの出力を前記復調手段に入力するものである。
【0012】
また、信号源と、信号源からの信号により周波数変調された第1の局部発振器と、第2の局部発振器と、第1の局部発振器の出力と第2の局部発振器の出力を入力する第1のミキサと、第1のミキサの出力とアンテナからの入力信号を入力する第2のミキサと、第3のミキサと復調手段を備え、前記第3のミキサに前記第2のミキサの出力と第1の局部発振器の出力を入力することにより前記第1のミキサの出力から前記信号源の周波数成分を除去し、前記第3のミキサの出力を前記復調手段に入力するものである。
【0013】
また、アンテナからの入力信号または復調手段からの信号を用いて受信状態または入力信号の種類を識別し、識別結果に応じて信号源の周波数または振幅を変化させている。
【0014】
また、アンテナからの入力信号または復調手段からの信号を用いて受信状態または入力信号の種類を識別し、識別結果に応じて局部発振器に周波数変調を行うかどうかを選択している。
【0015】
周波数変調された信号をミキシングして受信信号をベースバンド信号周波数に変換すると同時に、受信信号のスペクトラムを周波数的に拡散することにより直流成分除去で信号の情報が失われることを抑え、その後、拡散した信号を除去手段で拡散の効果を除去してから復調を行う。
【0016】
また、上記のように拡散された信号を復調器に入力し、その後、除去手段で復調器の出力から拡散の効果の除去を行う。
【0017】
また、復調器出力から周波数変調のもととなる信号源の電圧変化分を引き算することにより拡散の効果の除去を行う。
【0019】
また、入力信号の種類または状態を制御回路で識別し、これにより周波数変調の状態を変化させる。
【0020】
また、入力信号の種類または状態を制御回路で識別し、周波数変調を行うか判断し、スイッチがオンされることにより周波数変調がかけられる。
【0021】
以下、本発明の実施例について図面を参照し説明する。
まず、本発明による直接変換受信機で直流成分除去により信号の情報が失われることが抑えられる原理について説明し、次に、本発明の直接変換受信機の実施例について述べる。
【0022】
図1は本発明の実施例の直接変換受信機の原理を示すブロック図である。ここでは受信信号の例として2値FSK信号の場合について考える。図1において、1は2値FSK信号源、2は局部発振器、3はミキサ、4はコンデンサ、5は除去手段、6は復調器である。2値FSK信号源1からの信号はミキサ3に入力される。また、局部発振器2からの信号もミキサ3に入力される。ここで、FSK信号源1の中心周波数と局部発振器2の中心周波数はほぼ同じに設定されているため、FSK信号源1からの信号はミキサ3でベースバンド信号周波数に変換される。ミキサ3の出力は直流成分除去のためのコンデンサ4に入力される。
【0023】
図2は2値FSK信号のスペクトラムを示す図である。図2において(a)は2値FSK信号の代表的なスペクトラムを示している。中心周波数f0で周波数変位量は約1.5kHzである。周波数f1とf2にスペクトラムのピークが見られる。この場合、中心周波数f0近傍のレベルはこれらのピークより15dB低くなっている。
【0024】
まず、図1において、局部発振器2から周波数f0の無変調波が出力される場合を考える。この場合、FSK信号源1からの信号はミキサで中心周波数0Hzの信号に変換されるが、スペクトラムの形は変わらない。そして、コンデンサ4を通ることににより図2(a)の(ア)に示す領域の周波数成分が取り除かれる。ここでは、コンデンサによって0〜300Hzの成分が取り除かれている。従ってコンデンサ4を通過する信号は情報が一部分失われている。局部発振器2の周波数がf0の時には失われる情報は比較的小さいため復調は実際上は可能であるが、局部発振器2の周波数がずれてf1またはf2となったときには図2(a)の(イ)に示す領域が取り除かれる。この場合には失われる情報が非常に大きいために復調が困難となる。
【0025】
次に、局部発振器2に周波数変調を与えた場合を考える。2値FSK信号源1の信号は局部発振器2からの信号とミキシングされることによりスペクトラムが拡散される。つまりミキサ3の出力は図2(b)のようになる。図2(a)と比較してわかるように、スペクトラムの急峻なピークがなくなり、フラットな形となっている。コンデンサ4によって失われる成分は、局部発振器2の中心周波数がf1のときには図2(b)の(ア)の領域、f2のときには(イ)の領域である。いずれの場合も図2(a)の(イ)に比べて、失われる情報量が小さいことがわかる。従ってこの信号を用いて復調が十分に可能である。
【0026】
ただし、上述の出力をそのまま復調したのでは元の情報が得られない。つまり、局部発振器2の変調信号によってスペクトラムを拡散した効果を除去する除去手段5を設ける必要がある。除去手段5のより、上記の効果を除去してから復調器6で復調が行われる。
【0027】
(実施例1)
図3は、本発明による直接変換受信機の第1の実施例の構成を示すブロック図である。図3において、10はアンテナ、11はミキサ、12は局部発振器、13は信号源、14は除去手段、15は復調器、16はコンデンサ、17はバンドパスフィルタ、18は90度移相器である。
【0028】
アンテナ10からの受信信号は2分され、2つのミキサ11にそれぞれ入力される。また、局部発振器12は信号源13からの信号により周波数変調された信号を出力する。ここで、信号源13の信号は正弦波を用いることもできるが、任意の信号を用いることができる。また、信号源13の周波数および振幅も任意に設定できる。ただし、効果的にスペクトラムの拡散を行うためには受信信号の変調周波数および周波数変位量に対応した最適値がある。局部発振器12の出力は2分されてミキサ11に入力されるが1方は90度移相器で移相されてからミキサ11へ入力される。ここで局部発振器12の中心周波数が受信信号の中心周波数と同じに設定されており、そのため受信信号はミキサ11でベースバンド信号に周波数変換される。ミキサ11の出力はコンデンサ16とローパスフィルタ17を通じてから除去手段14に入力される。ローパスフィルタ17は隣接チャンネルの成分を取り除くために挿入されている。除去手段14は信号源13により変調された局部発振器12の信号をミキシングしたための効果を取り除くために設けられている。上述のように信号源13の信号は任意に選ぶことができ、しかもこれは予め分かっているので、上記の効果を除去するように除去手段14を設定できる。除去手段14の出力は復調器15へ入力され復調が行われる。
【0029】
(実施例2)
図4は、本発明による直接変換受信機の第2の実施例の構成を示すブロック図である。図4において、図3と同じ構成要素には同一の番号を付けてある。
【0030】
第1の実施例との違いは、復調器15の出力を除去手段に入力する点である。実施例1では、ミキサの出力すなわち復調前の信号を用いて、信号源13の効果を除去する操作を行っているが、第2の実施例では復調後に除去操作を行う。復調器15の出力は、復調器15の入力の周波数変化に対応した電圧変化となっている。この電圧変化から信号源13による効果分を除去することにより元の信号を得ることができる。本実施例では復調器出力の電力変化から除去操作を行うため、除去手段の回路が簡単に構成できるという利点がある。
【0031】
(実施例3)
図5は、本発明による直接変換受信機の第3の実施例の構成を示すブロック図である。図5において、図4と同じ構成要素には同一の番号を付けてある。また図5において、19は可変減衰器、20は遅延線、21は引き算器、22は出力端子である。第2の実施例との違いは、スペクトラムを拡散した効果の除去に信号源13からの信号を用いていることである。信号源13からの信号は可変減衰器19および遅延線20を通じて引き算器21に入力される。一方、復調器15の出力も引き算器21に入力される。引き算器21からは、これらの2信号の電圧の差が出力され、出力端子22に出力信号を得ることができる。このとき復調器15の出力から信号源13の成分がキャンセルされるように可変減衰器19と遅延線20が調整されている。本実施例では次のような利点がある。すなわち、信号源13をもとにしてスペクトラムの拡散とその効果の除去を行っているため複雑な除去手段が不要で、簡単に構成できる。また、除去が高精度で行える。さらに信号源を任意に変化させても除去手段の調整が不要である。たとえば、信号源13の周波数や振幅を変えた場合、引き算器21に入力される信号も同様に変化するため引き算器21の調整は不要である。なお、引き算器21は、オペアンプ等の差動増幅器で容易に構成できる。さらに簡単にはいくつかの抵抗器を組み合わせて構成することもできる。
【0032】
(実施例4)
図6は、本発明による直接変換受信機の第4の実施例の構成を示すブロック図である。図6において、図4と同じ構成要素には同一の番号を付けてある。図6において、30はローパスフィルタである。第2の実施例との違いは、スペクトラムを拡散した効果の除去にローパスフィルタ30を用いていることである。ローパスフィルタ30のカットオフ周波数を信号源13の周波数よりも低く設定することにより、復調器15の出力から信号源13の成分を除去することができる。本実施例では、除去手段がフィルタのみで構成できるという利点がある。ただし、復調器15の出力から信号源13の成分を選択的に取り除くためには、受信信号の変調周波数と信号源13の周波数は異なった値とする必要がある。上記のようにローパスフィルタを用いる場合には信号源の周波数は受信信号の変調周波数より高い必要がある。ローパスフィルタはLCフィルタ、RCフィルタまたはアクティブフィルタ等が採用でき、実現も容易である。また、ローパスフィルタの他にバンドストップフィルタを用いることもできる。
【0033】
(実施例5)
図7は、本発明による直接変換受信機の第5の実施例の構成を示すブロック図である。図7において、図3と同じ構成要素には同一の番号を付けてある。図7において、40は第1の局部発振器、41は第2の局部発振器、42はミキサである。本実施例の特徴は、信号源13からの信号で受信信号のスペクトラムを拡散した効果を除去する方法にある。すなわち、ミキサ11の出力と、信号源13からの信号で周波数変調された第2の局部発振器の出力をミキサ11に入力することにより除去が行われる。ここで、第1の局部発振器40と第2の局部発振器41は信号源13からの信号により同一の周波数変調をうけた信号を出力している。ただし、第1の局部発振器40の中心周波数は受信信号の中心周波数とほぼ同一に設定されるが、第2の局部発振器42の中心周波数は任意に設定することができる。しかし、復調器15での復調操作を考慮すると、数十kHzないし数百kHz程度に設定するのが適当である。上述のように、第1の局部発振器40と第2の局部発振器41は同一の信号源13により周波数変調をうけているためミキサ42で信号源13の成分の除去が確実に行える利点がある。また、第2の局部発振器42の周波数を、復調器15での復調操作に都合の良い周波数に設定することができるという利点がある。
【0034】
(実施例6)
図8は、本発明による直接変換受信機の第6の実施例の構成を示すブロック図である。図8において、図7と同じ構成要素には同一の番号を付けてある。図8において、50はミキサである。第5の実施例との違いは、ミキサ11に入力する周波数変調信号の発生方法にある。すなわち、信号源13の信号で周波数変調された第1の局部発振器51の出力は、ミキサ50で第2の局部発振器52の出力とミキシングされることにより受信信号と同一の中心周波数に変換されてミキサ11に入力される。また、第1の局部発振器40の出力がミキサ42にも入力される。本実施例では周波数変調されているのは第1の局部発振器40のみである。したがって、ミキサ11に入力される信号と、ミキサ42に入力される信号は、全く同じ変調を受けている。つまり、ミキサ42で行う信号源13の成分の除去操作がより正確になるという利点がある。また、受信機の受信周波数を幾つかのチャンネルに変更して使う場合には、第2の局部発振器41をチャンネル切り替え用に用いて、第1の局部発振器40を変調信号発生用に用いることにより機能を分担できるという利点がある。
【0035】
(実施例7)
図9は、本発明による直接変換受信機の第7の実施例の構成を示すブロック図である。図9において、図3と同じ構成要素には同一の番号を付けてある。図9において、60は制御回路である。第1の実施例との違いは、復調器15の出力信号を制御回路60に入力し、制御回路60からの制御信号により信号源13の設定を変えることにある。本実施例は、直流成分除去用のコンデンサ16により受信信号の情報が一部失われてしまうことを抑えるのが目的であるが、実際には受信信号の種類または状態によって失われる情報量が異なっている。特に周波数変位が小さな変調を受けている場合には、コンデンサの影響により失われる情報量が大きくなる。また、変調の種類によっても違いがある。これに応じて、信号源13の周波数および振幅を最適に設定するものである。受信信号の種類および状態は復調器15からの出力を用いて、制御回路60で識別され、信号源13の周波数および振幅が決定される。これにより、受信信号の種類および状態が変わったときにも安定して復調することができる。
【0036】
(実施例8)
図10は、本発明による直接変換受信機の第8の実施例の構成を示すブロック図である。図10において、図9と同じ構成要素には同一の番号を付けてある。図10において、70はスイッチである。第7の実施例との違いは、制御回路60からの制御信号によりスイッチ70を動作させていることである。スイッチ70が、オンの時には信号源13からの信号により局部発振器12が周波数変調をうける。たとえば2値FSK信号では、図2(a)に示したように、局部発振器12の周波数が受信信号の中心周波数付近にあるときは局部発振器12に変調を加えなくても復調が可能であるが、周波数がずれたときには急激に復調が困難になる。従って、局部発振器13の周波数がずれていることを復調器15からの信号を用いて制御回路60が識別し、制御回路60はスイッチ70をオンすることにより局部発振器12に変調がかかる。これにより、復調が可能になる。つまり、復調が困難なときにのみ動作させ、復調を可能にすることができる。ただし、復調器15の構成によっては局部発振器12の周波数がずれたとき出力を出さないものあるが、この場合にはアンテナ10での受信信号またはミキサ11の出力を用いて、制御回路60で判断を行うこともできる。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から明らかのように本発明の直接変換受信機によれば次の効果が得られる。信号源と、信号源からの信号により周波数変調された局部発振器と、局部発振器の出力とアンテナからの入力信号を入力するミキサと、ミキサの出力を入力する復調手段と、復調手段の出力から信号源の電圧変化に対応した電圧変化成分を除去する除去手段を備えることにより、除去手段の回路が簡単に構成できる。
【0039】
そして、除去手段は復調手段からの出力と信号源からの信号の位相および振幅を調整して差を取ることにより、復調手段の出力から前記信号源の電圧変化成分をキャンセルすることにより、上記の効果に加えて、除去操作が高精度で行える。さらに信号源を任意に変化させても除去手段の調整が不要になる。
【0041】
また、信号源と、信号源からの信号により周波数変調された第1の局部発振器と、第1の局部発振器の出力とアンテナからの入力信号を入力する第1のミキサと、信号源からの信号により周波数変調された第2の局部発振器と、第1のミキサの出力と前記第2の局部発振器の出力を入力する第2のミキサと、第2のミキサの出力を入力する復調手段を備えることにより、除去操作がさらに確実に行え、第2の局部発振器の周波数を、復調器での復調操作に都合の良い周波数に設定することができる。
【0042】
また、信号源と、信号源からの信号により周波数変調された第1の局部発振器と、第2の局部発振器と、第1の局部発振器の出力と第2の局部発振器の出力を入力する第1のミキサと、第1のミキサの出力とアンテナからの入力信号を入力する第2のミキサと、第2のミキサの出力と第1の局部発振器の出力を入力する第3のミキサと、第3のミキサの出力を入力する復調手段を備えることにより、上記の効果に加えて、第1の局部発振器と第2の局部発振器で機能を分担できる。
【0043】
また、アンテナからの入力信号または復調手段からの信号を用いて受信状態または入力信号の種類を識別し、識別結果に応じて信号源の周波数または振幅を変化させることにより、受信信号の種類および状態が変わったときにも安定して復調することができる。
【0044】
また、アンテナからの入力信号または復調手段からの信号を用いて受信状態または入力信号の種類を識別し、識別結果に応じて局部発振器に周波数変調を行うかどうかを選択することにより、復調が困難なときにのみ動作させ、復調を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の直接変換受信機の原理を示すブロック図
【図2】(a)FM変調なしの場合の2値FSK信号のスペクトラムを示す図
(b)FM変調ありの場合の2値FSK信号のスペクトラムを示す図
【図3】本発明による直接変換受信機の第1の実施例の構成を示すブロック図
【図4】 本発明による直接変換受信機の第2の実施例の構成を示すブロック図
【図5】本発明による直接変換受信機の第3の実施例の構成を示すブロック図
【図6】本発明による直接変換受信機の第4の実施例の構成を示すブロック図
【図7】本発明による直接変換受信機の第5の実施例の構成を示すブロック図
【図8】本発明による直接変換受信機の第6の実施例の構成を示すブロック図
【図9】本発明による直接変換受信機の第7の実施例の構成を示すブロック図
【図10】本発明による直接変換受信機の第8の実施例の構成を示すブロック図
【図11】従来の直接変換受信機の構成を示すブロック図
【符号の説明】
10 アンテナ
11 ミキサ
12 局部発振器
13 信号源
14 除去手段
15 復調器
16 コンデンサ
17 ローパスフィルタ
18 90度移相器
19 可変減衰器
20 遅延線
21 引き算器
30 ローパスフィルタ
40 第1の局部発振器
41 第2の局部発振器
42 ミキサ
50 ミキサ
60 制御回路
70 スイッチ
Claims (5)
- 信号源と、前記信号源からの信号により周波数変調された局部発振器と、前記局部発振器の出力とアンテナからの入力信号を入力するミキサと、前記ミキサの出力を入力する復調手段と、前記復調手段の出力を入力する除去手段を備え、前記除去手段は前記復調手段からの出力と信号源からの信号の位相および振幅を調整して差を取ることにより、前記復調手段の出力から前記信号源の電圧変化成分をキャンセルする直接変換受信機。
- 信号源と、前記信号源からの信号により周波数変調された第1の局部発振器と、前記第1の局部発振器の出力とアンテナからの入力信号を入力する第1のミキサと、前記信号源からの信号により周波数変調された第2の局部発振器と、第2のミキサと、復調手段とを備え、前記第1のミキサの出力と前記第2の局部発振器の出力を前記第2のミキサに入力することにより前記第1のミキサの出力から前記信号源の周波数成分を除去し、前記第2のミキサの出力を前記復調手段に入力する直接変換受信機。
- 信号源と、前記信号源からの信号により周波数変調された第1の局部発振器と、第2の局部発振器と、前記第1の局部発振器の出力と前記第2の局部発振器の出力を入力する第1のミキサと、前記第1のミキサの出力とアンテナからの入力信号を入力する第2のミキサと、第3のミキサと復調手段とを備え、前記第3のミキサに前記第2のミキサの出力と前記第1の局部発振器の出力を入力することにより前記第1のミキサの出力から前記信号源の周波数成分を除去し、前記第3のミキサの出力を前記復調手段に入力する直接変換受信機。
- アンテナからの入力信号または復調手段からの信号を用いて受信状態または入力信号の種類を識別し、前記識別結果に応じて信号源の周波数または振幅を変化させる請求項1〜3のいずれか1項に記載の直接変換受信機。
- アンテナからの入力信号または復調手段からの信号を用いて受信状態または入力信号の種類を識別し、前記識別結果に応じて局部発振器に周波数変調を行うかどうかを選択する請求項1〜3のいずれか1項に記載の直接変換受信機。
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