JP3742769B2 - 還元水の製造装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は還元水の製造装置に関するものである。すなわち、水道水、雨水、川水、井戸水或いは海水等の原水の還元電位を降下させ、所望の還元電位の還元水を得る装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、水道水を還元電位を降下させ、pH値を増加させると飲料水として好適な還元水となることは理論的に知られていることであるが、この水道水や雨水、川水、井戸水或いは海水などの水(原水)をその状態時より還元電位を降下させると、例えば、0〜−250ミリボルトにすると飲料水(海水の場合はともかく)に適し、また、−600ミリボルト以下にすると殺菌抗菌水として機能し、さらに、−800ミリボルト以下に下げると燃料水として機能することが知られているが、これまで、原水の還元電位を自在に変えられる方法は知られていず、市販されている各種の飲料水の製造方法が精々で、該方法にしても飲料水を得るためだけの方法にすぎない。
【0003】
本発明は、飲料水や殺菌水として使用する水の還元電位を自由にコントロールできる装置を提供するために創案したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
ドラバイトセラミックスの影響下にある原水中に配置した一対の電極と、該一対の電極間に印加して前記原水を変質させる(原水の還元電位を変える)電圧の変圧装置を備えたことを基本的手段とし、原水が海水で、電圧が交流電圧にすることにより海水を無尽蔵の資源として適用できる。
【0005】
【実施例】
図1は本発明を適用した一装置例の略示説明図を示し、図中、1は操作タンクで、操作タンク1には雨水、水道水、川水、井戸水或いは海水などの、還元水を得るための原水2を収容し、該原水は操作タンク1に適量収容したドラバイトセラミックス3の影響下におかれるようにしてある。
【0006】
なお、ドラバイトセラミックスはマグネシウムを含む電気石を1250度で焼成したセラミックで、水に接触させると水のイオン化を促進し、還元電位が下がることが知られている触媒であるが、「ドラバイトセラミックスの影響下におかれる」とは、原水がこの触媒作用を受ける状態にあることを意味し、従って、ドラバイトセラミックスが粉末状の場合は、影響下におかれるまでの時間の経過を必要とせず、図示のように、水(原水)底に当該ドラバイトセラミックスがある必要はないし、ドラバイトセラミックスに接触させた原水を図示の操作タンク1に移し換えた場合も含まれるのである。
【0007】
前記原水2中には一対の電極4,4´を配置し、電極4,4´は切替スイッチ5の切替により交流電源6からの交流電圧(通常100ボルト)を整流器7を介して直流電圧も印加できるようになっており、前記切替スイッチ5は変圧器8および周波数変換器9を介して前記交流電源6に接続してある。
【0008】
また、前記原水2中には、酸化還元電位計10のセンサー10aが配置され、電極4,4´間に印加された電圧による原水の還元電位の変化を検出して、その検出量が電位計10に現われるようにしてある。
【0009】
なお、切替スイッチ5は、交流電圧と直流電圧を選択的に電極4,4´間に印加させるための装置で、電源6からの交流電圧は、この切替スイッチ5を通して整流器7で整流されて電極4,4´間に直流電圧となって現われる。
【0010】
変圧器8は、前記電極4,4´間の印加電圧を上下させるもので、この印加電圧値を適宜選択することにより後記する還元電位を備え、用途に適合した種々の還元水を得られることになる。
【0011】
また、周波数変換器9は、電源6からの交流周波数を通常では−900ミリボルト以下に下がらない還元電位を更に低く(変化させる)させる装置で、この装置と変圧器8とを必要に応じて併用することによりより低い還元電位の還元水を得られる(−1008ミリボルトという還元電位の還元水が得られた)。
【0012】
そして、操作タンク1内で得られた還元水(製品)は、当該還元水に適合した用い方をするようにしてあり、図示11はポンプ、11aはそのノズルである。例えば、ノズルは飲料水の蛇口や魚処理場の洗浄用のノズル等目的に合わせて用いられる。
【0013】
上記装置において、操作タンク1に水道水10リットルとドラバイトセラミックス3キログラムを収容して(水とドラバイトセラミックスの重量比をほぼ3:1にして)、交流電源6(100ボルト・60サイクル)の電圧を変圧器8で12ボルトに降下して電極4,4´間に交流電圧を印加したところ、操作タンク1内の原水は還元電位が15分以内に−250ミリボルトに変質した還元水となり、かつ、該還元水はpH値が7〜8で、アルカリイオン水としても理想的な飲料水であることが判明した。また、操作タンク1の原水2およびドラバイトセラミックス3を同条件下にして、切替スイッチ5を切替えて、前記交流電源6の電圧を変圧器8で12ボルトに低下して、電極4,4´間に直流電圧を印加したところ、交流電圧の場合と同様、15分以内に還元電圧が−250ミリボルト、pH値が7〜8の還元水を得られた。
【0014】
そして、同様にして、前記電極4,4´間に30ボルトの電圧をかけたところ、直流の場合も交流の場合も5分以内に−600ミリボルトの還元電位の水を得られ、この還元水は腸炎ビブリオ菌やサルモネラ菌他一般細菌が1分間で死滅することが証明された。
【0015】
また、試みに、水道水を海水に代え、該海水とドラバイトセラミックスの重量比を前記の場合と同様にほぼ3:1にして30ボルトの直流電圧をかけたところ、電圧は9ボルトに下がり、多量の沈殿物が生じ、還元電位は1分以内に−600ミリボルトに達したが、沈殿物を濾過する装置を追加する必要があった。そこで、同条件下で30ボルトの交流電圧をかけたところ、沈殿物が生ずることなく還元電位が1分以内に−600ミリボルト以下になり、海水を還元殺菌水として利用できることが判明した。これは、直流の場合には、陰極に陽イオンが付着し電子を得て折出するから、特定の物質が沈殿するに対し、交流の場合は電極間の電位差が常時交替するから物質が沈殿しない結果と思われる。
【0016】
さらに、前記装置において、水道水とドラバイトセラミックスの重量比を2:1(水道水2リットルにセラミックス1キログラム)にして、30〜50ボルトの電圧をかけたところ、−800〜−900ミリボルトの還元電位の水を作ることができ、この場合、電気の周波数を徐々に低くしていくことにより還元電位が下がり、20分で−1008ミリボルト(5〜8サイクルのとき)に下げることができた。
【0017】
図面1に示したような装置で、還元電位の異なる様々な還元水が自由に製造することができ、タンク内に1分以上水が滞留することが条件で、毎時10トン以上の海水還元殺菌水を製造するように設計できるものと思われる。
【0018】
なお、実施例は、交流電源から交流電圧とこれを整流して直流電圧を選択的に用いるようにしたが、整流器は省略しても良いし、直流電源のみを用いるようにしても良く、この場合、電池又はバッテリの数を増減することによって電圧を変えられ、「請求項」でいう「変圧装置」とはこのような場合も含み、実施例の場合は、交流電源6を利用するものであるから、変圧器8は勿論、切替スイッチ5および整流器7を利用してはじめて直流電圧を変圧でき、「変圧装置」とは、要は、電極4,4´間の印加電圧を変えるために必要な装置を意味する。
【0019】
【発明の効果】
本発明は前記の通りの構成であるから、印加電圧を変えることにより様々な還元水を得られ、様々な分野に適用できる汎用性の有る、還元水の製造器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】略示説明図。
【符号の説明】
2 原水
3 ドラバイトセラミックス
4,4´ 電極

Claims (3)

  1. ドラバイトセラミックスの影響下にある原水中に配置した一対の電極と、該一対の電極間に印加して前記原水を変質させる電圧の変圧装置を備えた、還元水の製造装置。
  2. 原水が海水で、電圧が交流電圧であることを特徴とする請求項1記載の還元水の製造装置。
  3. 電源を交流電源とし該交流電源と変圧装置との間に周波数変換器を配置した、請求項1又は2記載の還元水の製造装置。
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