JP3742491B2 - 光波形計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微弱な繰り返し光の光強度の時間変化を表す光波形を計測する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
微弱な繰り返し光の光波形を計測する装置として、時間相関光子計数装置が知られている。この装置のブロック図を図9に示す。被測定光源1から出射された被測定光の一部が、光電子増倍管などからなる光検出器2に入射される。光検出器2は、光子1個を検出した際に、十分な振幅を有した電気信号を出力するので、入射光波形を構成するそれぞれの光子検出に対応する電気信号パルスが出力される。この出力信号パルスは、プリアンプ3で増幅された後に、ディスクリミネータ10で、ノイズと弁別され信号として、時間−電圧変換器(TAC:Time to Amplitude Converter)11に送られる。TAC11は、被測定光源1と同期回路8により同期させられており、その周期の開始時刻から起算した入力信号パルスの到達時刻に対応した電気信号を出力する。この出力結果をマルチチャンネルアナライザー12で集積することにより、被測定光の光波形を再現する。
【0003】
具体的にいうと、被測定光の繰り返し周期Tを例えば、n個のチャンネルに分割して、それぞれのチャンネルで検出した光子数、すなわち光子の発生頻度情報を集積する。チャンネルiの平均検出光子数をμi、1周期の平均検出光子数をμとすると、サンプル数が充分に多ければ、各チャンネルのμiは、そのチャンネルでの被測定光の光強度に対応し、μiの分布波形が被測定光の光波形に対応するので、被測定光の光波形を再現することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この装置では、1周期に複数の光子が入射した場合にそれぞれの光子をどのチャンネルで検出したかを弁別することができないという欠点がある。これは、通常の光電子増倍管では、光子が到達しているか否かは判断できるが、到達した光子の個数を厳密に判定できないことによる。到達した光子の個数を正確に判定できる光電子増倍管としては、特開平8−148113号公報に記載されているいわゆるハイブリッド光検出器(HPD)がある。しかし、このHPDを用いた場合でも、TACが周期内の複数の光子の到達時刻を別々に検出処理することができないため、この欠点を解消することはできなかった。
【0005】
従来のTACを用いた時間相関光子計数装置では、1周期に複数の光子が入射した場合についても、周期中の最初に検出した光子が検出された時に1個の光子を検出した場合と同様に取り扱われていた。すなわち、複数の光子が入射した場合には、後に入射した光子は発生頻度のデータから数え落とされてしまっていた。
【0006】
この結果、図10に示されるように、複数の光子が入射してこうした数え落としが多くなる場合には、本来なら同図中実線Aで示されるべき測定波形は、破線Bで示される波形として測定され、光強度の時間的な減衰が大きくなり、波形が歪むことになる。
【0007】
これを防ぐためには、1周期中の平均検出光子数を少なくして、1周期中に複数の光子が光検出器に入射する確率を減らし、数え落としが起こらないようにする必要がある。この数え落としを実際に検出した光子のうちの1%以内にするためには、1回の周期中で検出される平均光子数を約0.02程度とすることが必要だった。このため、一般には、光検出器に到達する光量を減らして、この平均光子数を0.01程度とする測定が行われていた。一方、計測した光波形のμiの精度を上げるには検出光子の総数、すなわちサンプル数を増加させる必要がある。このためには、従来、計測の時間を長くして周期数を増やすことで対応していた。この結果、光波形の測定に時間がかかり、それでも波形後部の減衰部分を正確に測定することは困難だった。
【0008】
これらの問題点を解消する技術として、特開平1−227948号公報に開示されたマルチチャンネル蛍光減衰波形測定装置や特開平8−38480号公報に開示された生体測定装置が知られている。前者は、2値化した光検出器出力の時間波形を時間分割した1次元のシフトレジスタに蓄積することにより、後者は、1周期をさらに細かい時間領域に分けることにより、いずれも1周期で複数の光子の発生頻度情報を測定することを可能にして、前述の数え落としを低減し、波形歪みを少なくしている。
【0009】
しかし、これらの装置はいずれも回路構成が複雑で、波形測定の時間分解能を上げることが困難であるなどの欠点があった。しかもこれらの装置でも、細分化された時間領域の同一の時間領域に複数の光子が入射した場合は、これらを弁別することができないため、光子の数え落としを完全に解消することはできない。光強度が相対的に大きな時点ほど同一の時間領域に複数の光子が入射する可能性が大きくなるため、こうした数え落としが増し、波形歪みの要因となる。これを低減するためには、波形の解析時に必要な時間分解能より細かい時間分解能で測定する必要があるが、前述したように、これらの装置では時間分解能をあげること自体が困難であるため、こうした数え落としを解消することができず、結果として波形歪みを解消することが難しかった。
【0010】
本発明は、これらの問題点を解決して、構成が簡単で高計数率においても波形歪みの少ない高精度の測定が可能な光波形計測装置を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定の繰り返し周期を有する被測定光の光強度の時間変化を表す光波形を計測する光波形計測装置であり、(1)被測定光の一部が入射され、光子の到達に対応してパルス幅が繰り返し周期より十分に短く、1個以上の略同時に到達した光子数に対応する電荷量の短パルス信号を出力する光検出器と、(2)短パルス信号を電圧信号に変換するプリアンプと、(3)プリアンプの出力電圧を1つあるいは複数の予め設定されたしきい値と比較して、それぞれのしきい値を超えている間、それぞれのしきい値に対応して設けられた出力端から所定のパルス信号を出力することにより、電圧信号を多値化処理する多値化処理回路と、(4)所定の繰り返し周期を細分化した時間領域に対応して個別に設けられた複数の記憶領域を備えるメモリ部と、(5)細分化された時間領域のそれぞれの領域ごとに、多値化処理回路の複数の出力信号を基に同一の時間領域内で検出された光子数を算出する演算処理を行い、計算した光子数をメモリ部の対応する記憶領域に蓄積記憶させる演算部と、(6)メモリ部の各記憶領域に蓄積された検出光子の総数を時間領域ごとに順次読み出して統計処理することにより、被測定光の光波形を再現して出力する光波形出力部と、を備えることを特徴とする。
【0012】
これによれば、所定の繰り返し周期を有する被測定光は、その一部が光検出器に入射され、被測定光に含まれる光子が光検出器に達する。光検出器は、この光子の到達に応じて光子数に対応する電荷量のパルス幅が十分に短い短パルス信号を発する。この短パルス信号は、プリアンプによって電圧信号に変換される。そして、多値化処理回路は、この電圧信号の電圧値を予め設定された1つあるいは複数のしきい値と比較して、電圧値がそれぞれのしきい値を超えている間、それぞれのしきい値に対応して設けられた出力端から所定のパルス信号を出力する。この電圧値は光検出器の出力電荷量に対応しており、この出力電荷量は略同時に光検出器に到達した光子数に対応しているので、電圧値をしきい値で多値化することによって光検出器に到達した光子数に対応するパルス信号が得られる。細分化された時間領域ごとにこのパルス信号の演算処理を行うことにより、この時間領域ごとに検出された光子数が算定され、これは、時間領域ごとに設けられたメモリに光子の発生頻度情報として蓄積されていく。サンプリング数が十分多ければ、このメモリに蓄積された光子の発生頻度情報は、被測定光の光波形に相当するヒストグラムに近づいていく。したがって、メモリに蓄積された情報を読み出すことにより被測定光の光波形が再現される。
【0013】
この光波形計測装置の光検出器は、半導体ターゲット、ホトダイオード、アバランシェホトダイオード、あるいは/及びマイクロチャネルプレートを増倍部に備える光電子増倍管であることが好ましい。
【0014】
これらによれば、光検出器は、微弱光を増幅して検出でき、増倍率を大きくとることができる。つまり、1個の入射光子に対して多数の光電子が発生して、出力電圧も大きくなる。したがって、光検出器に入射した光子数の弁別が容易である。
【0015】
または、光検出器の出力信号の総電荷量を1周期内で積分して、積分した総電荷量の範囲に応じた値を光子数として出力する光子数解析装置をさらに備え、演算部は繰り返し周期ごとに演算部内で計算した光子数をこの光子数出力と比較して演算部内で計算した光子数に所定の処理を行ってメモリ部の各領域に記憶させることを特徴とするものでもよい。
【0016】
これによれば、光検出器は、到達した光子数に応じた電荷を出力するので、周期中の総電荷量はすなわち周期中に光検出器に到達した全光子数に対応する。したがって、光検出器の出力信号を1周期内で積分することにより、光子数解析装置は、光検出器に1周期に到達した光子数を弁別できる。ここで求めた光子数と演算部で算出した光子数を比較することにより、多値化処理による弁別した光子数が検証される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
図1は、本発明の1実施形態のブロック構成図である。被測定光源1は、所定の繰り返し周期Tで同一の光波形の光を射出する光源であり、具体的には、パルスレーザやパルスレーザを照射されて光励起で蛍光を発する被測定サンプルなどが挙げられる。被測定光源1から射出された被測定光の光路上には、光検出器が配置されている。光検出器2は、所定時間内に入射した光子数に対応した電気信号を出力するものであり、出力信号は一般にパルス波形を有する。この光検出器2は、増倍部にアバランシェホトダイオード等を内蔵した光電子増倍管であるいわゆるHPDである。
【0019】
ここで、図2〜図5を参照して、この光検出器2について、詳しく説明する。
【0020】
図2は、この光検出器2の断面構成図である。図2に示されるように、光検出器2は、中空円筒状の外囲器20の両端にそれぞれ入射窓30とステム50とにより気密に封止させ、圧力10-8Torr程度の高真空に内部を保持している。そして、この光検出器2の内部には、電子レンズ80として2個のフォーカス電極81,82がそれぞれ光電陰極0及びステム50に近接して設置され、半導体素子60がステム50上に設置されている。
【0021】
ここで、外囲器20は、中空円筒状のガラス製側管である。この外囲器20の両端には、2段に折り曲げられた中空円筒状のコバール金属製の取付材21,22がそれぞれ設置されている。
【0022】
また、入射窓30は、測定対象の光波長を透過しうる円板状のガラス製面板であり、大気側及び真空側の各表面はそれぞれ平面及び凹面を有している。この入射窓30の真空側周縁部には、2段に折り曲げられた中空円筒状の取付材23が設置されている。2個の取付材21,23の各端部を部分的に溶接することにより、外囲器20と入射窓30とは一体に構成されている。
【0023】
一方、ステム50は、円板状のコバール金属製面板であり、真空側に設けられた凹部に半導体素子60が設置されている。このステム50の真空側周縁部と取付材22の端部とを部分的に溶接することにより、外囲器20とステム50とは一体に構成されている。また、ステム50の中央部付近には、半導体素子60の後述する端子棒72を挿通する貫通穴58が形成されている。そして、貫通穴58と端子棒72との間には、円筒状の絶縁材59が気密に封止して設置されている。
【0024】
また、入射窓30の真空側表面には、薄膜状の光電陰極40が蒸着して形成されている。この光電陰極40は、外部電圧源(図示しない)から取付材23を介して所定の電圧、例えば電位約−15kVを印加されている。なお、光電陰極40は、アルカリ金属、例えばK,Na,Cs,Sb等で形成されている。また、光電陰極40において、入射光hνを受容して所定の量子効率で光電変換して光電子e-を生成する口径φ1は、約16mmである。
【0025】
取付材21の端部には、中心に開口を有する椀状のステンレス製フォーカス電極81が、一方、取付材22の端部には、同様に中心に開口を有する中空円錐台状のステンレス製フォーカス電極82がそれぞれ部分的に溶接によって接合されている。このフォーカス電極81、82は、それぞれ開口部を近接させた形で設置されている。これらのフォーカス電極81、82は、外部電圧源(図示しない)からそれぞれ取付材21、22を介して所定の電圧を印加され、例えばフォーカス電極81が電位約−15kVに、フォーカス電極82が電位約0Vに保持されている。
【0026】
ステム50の真空側の中央に設けられた凸部上には、半導体素子60が後述する受容部65を光電陰極50に対向させて設置されている。この半導体素子60の後述する電極層66と、ステム50の貫通穴58を気密に挿通した金属製の端子棒72とは、金属製のワイヤー71の端部をそれぞれボンディングすることにより、電気的に接続されている。半導体素子60の表面側は、外部電圧源(図示しない)から端子棒72及びワイヤー71を介して所定の電圧を印加され、例えば電位約−145Vに保持されている。また、半導体素子60の裏面側は、外部電圧源(図示しない)からステム50を介してフォーカス電極81の印加電圧と同一の電圧を印加され、例えば電位約0Vに保持されている。これにより、半導体素子60は全体として逆バイアス電圧を印加されている。端子棒72は、半導体素子60から出力した検出信号を出力する。半導体素子60の光電子e-を受容して所定の増倍率で有効に増幅する部分の口径φ2は、約3mmである。
【0027】
図3は、この半導体素子60の断面構造を示した図である。この半導体素子60は、光電陰極0から放出されて電子レンズ80によって収束された光電子e-を後述する受容部65に照射され、後述するアバランシェ増倍領域で増幅して検出するいわゆるアバランシェホトダイオードである。
【0028】
平板状の半導体基板61の中央部上には、円板状のキャリア増倍層62が形成されている。この半導体基板61の周辺部上には、円環状のガードリング層63がキャリア増倍層62と同一の層厚を有して形成されている。キャリア増倍層62の表面中央領域には、円板状の降伏電圧制御層64が形成されている。
【0029】
半導体基板61は、n+型のSiで形成された高濃度単結晶ウエハである。この半導体基板61は、層厚約500μmを有し、n型ドーパントとしてPを濃度約1019cm-3でドープされ、比抵抗約0.01Ω・cmを有している。キャリア増倍層62は、p型のSiを半導体基板61上にエピタキシャル成長して形成された低濃度半導体層である。このキャリア増倍層62は、層厚約10μmを有し、p型ドーパントとしてBを濃度約1014〜1016cm-3でドープされ、比抵抗約1〜100Ω・cmを有している。キャリア増倍層62のドーパント濃度は、降伏電圧に接近した電圧を印加したときに半導体基板61との接合面から拡がる空乏層が降伏電圧制御層64に到達する値である。
【0030】
なお、このキャリア増倍層62において良好な結晶性を保持してエピタキシャル成長させる層厚dは、約5μm〜約50μmの範囲に含まれるように設定することが好適である。もし、層厚dが約50μmよりも大きい場合、層厚方向のドーパント濃度の不均一性が顕著になるので、光電子e-に対するアバランシェ増倍ゲインのユニフォミティをキャリアの発生位置に依存して劣化させてしまう。一方、層厚dが約5μmよりも小さい場合、半導体基板61から伸びて拡がる空乏層が薄くなるので、光電子e-に対する電子照射ゲインを低減させてしまう。
【0031】
ここで、層厚dを約10μmに設定した理由は、加速エネルギー約15keVで照射された光電子e-の最大飛程約3μmと、後述するアバランシェ増倍領域の層厚約3μmとに対して、光電子e-に対する電子照射ゲインの揺らぎを最低限に押さえるためにそれぞれ若干の余裕を考慮したからである。
【0032】
ガードリング層63は、第1導電型のドーパントとしてn型ドーパントをキャリア増倍層62の周辺部に熱拡散して形成された高濃度半導体層である。このガードリング層63は、キャリア増倍層62の層厚と同一の層厚約10μmを有し、n型ドーパントとしてPを半導体基板61の濃度と同一の濃度約1019cm-3でドープされている。
【0033】
降伏電圧制御層64は、p型ドーパントをキャリア増倍層62の表面中央領域に熱拡散して形成された高濃度半導体層である。この降伏電圧制御層64は、層厚約1μmを有し、p型ドーパントとしてBを半導体基板61の濃度と同一の濃度約1019cm-3でドープされている。この降伏電圧制御層64の表面中央部には、円形状の受容部65が光電陰極40に対向して露出されている。
【0034】
なお、この受容部65において、光電子e-を受容して所定の増倍率で増幅する口径φ2は、約10mm以下の範囲に含まれるように設定することが好適である。もし、口径φ2が約10mmよりも大きい場合、表面方向のドーパント濃度の不均一性が顕著になるので、光電子e-に対するアバランシェ増倍ゲインのユニフォミティをキャリアの発生位置に依存して劣化させてしまう。また、アバランシェ増倍領域の容量が大きくなるので、動作速度が低減してしまう。
【0035】
受容部65の周辺部に位置する降伏電圧制御層64の表面周縁部上の大部分と、ガードリング層63の表面全体上とには、2種類の絶縁層66,67が順次積層して形成されている。絶縁層66は、Siの酸化物で形成された絶縁性薄膜である。この絶縁層66の層厚は約200nmである。絶縁層67は、Siの窒化物で形成された絶縁性薄膜である。この絶縁層67の層厚は約50nmである。
【0036】
なお、絶縁層66は、ガードリング層63及び降伏電圧制御層64を形成する際にキャリア増倍層62の結晶性を良好に保持するために、あらかじめキャリア増倍層62の表面領域を酸化させて形成するものである。また、絶縁層67は、光電陰極40を形成する際にキャリア増倍層62、ガードリング層63及び降伏電圧制御層64の半導体特性を劣化させないために、絶縁層66上に堆積させて形成するものである。
【0037】
絶縁層67上には、円環状のオーミック電極層68が形成されており、絶縁層66,67の側壁に沿って降伏電圧制御層64の表面周縁部に接触している。このオーミック電極層68は、Alで形成された金属薄膜であり、降伏電圧制御層64に対して良好なオーミック接触性を有している。
【0038】
なお、オーミック電極層68は、ワイヤー71のボンディングによって外部電圧源(図示しない)から端子棒72を介して所定の電圧を印加され、例えば−145Vの負電位に保持されている。また、半導体基板61は、ステム50上の設置によって外部電圧源(図示しない)から所定の電圧を印加され、例えば0Vのグランド(GND)電位に保持されている。これにより、n+型の半導体基板61とp+型の降伏電圧制御層64との間に、すなわちキャリア増倍層62に空乏層がアバランシェ増倍領域として生成される。
【0039】
ここで、受容部65に入射した光電子e-がアバランシェ増倍領域に到達するまでの電子照射ゲインは、約4×103である。これらのキャリアがアバランシェ増倍領域を通過して半導体基板61に到達するまでのアバランシェ増倍ゲインは、約30である。これにより、半導体素子60の全体として光電子e-に対する二次電子のゲインは、105程度に達する。
【0040】
この光検出器2の出力端である端子棒72は、図1に示されるように、電流信号を電圧信号に変換するプリアンプ3に接続されている。プリアンプ3の出力側は、この出力信号の電圧値を予め設定された複数のしきい値と比較し、それぞれのしきい値を超えている間、それぞれのしきい値に対応して設けられた出力端から所定のパルス信号を出力する多値化処理回路4に接続されている。多値化処理回路4の出力は、この出力パルス信号間で所定の演算処理を行う演算部5にそれぞれ接続されている。そして、演算部5には、周期Tをnチャンネルの時間領域に分割し、それぞれの時間領域で発生した光子数を蓄積記憶するnチャンネルのメモリ部6に接続されている。このメモリ部6はさらに、このメモリ部6に蓄積された情報をもとに被測定光の光波形を再現する波形出力装置7に接続されている。また、多値化処理回路4、演算部5はそれぞれ被測定光源1に同期させるトリガー信号を発する同期装置8に接続されている。
【0041】
本実施形態の動作説明に先立ち、図2、図3により、光子が入射した際の光検出器2の動作について詳しく説明する。
【0042】
外部電圧源から所定の電圧が印加されると、光電陰極40及び電子レンズ81に所定電位が生成されるとともに、電子レンズ82及びステム50により高い電位が生成される。これにより、真空容器20の内部には、半導体素子60から電子レンズ81,82の各開口を通過して光電陰極40に向かう電界が発生する。
【0043】
また、オーミック電極層68には所定電位が生成されるとともに、半導体基板61により高い電位が生成される。これにより、半導体素子60の内部には、逆バイアス電圧が印加されているので、半導体基板61とキャリア増倍層62との接合面から降伏電圧制御層64に向かって延びた空乏層がアバランシェ増倍領域を生成する。
【0044】
ここで、外部から微弱光の光子hνが入射窓30の受光部に入射すると、この光子hνは入射窓30の内部を透過して光電陰極40に吸収される。そのため、光電陰極40の価電子帯に位置した電子が伝導帯に励起され、負の電子親和力作用によって光電子e-として真空中に放出される。このようにして光電陰極40から放出された光電子e-は、図2の斜線で示す範囲に形成されたステム50から電子レンズ80を介して光電陰極40に向かって開放された電界に対向して移動し、半導体素子60の受容部65に入射する。
【0045】
なお、電子レンズ80によって光電陰極40から放出された光電子e-を受容部65上の一点に収束させることは原理的に不可能であるが、受容部65の口径φ2 程度に収束させることは可能である。そのため、個々の光電子e-は受容部65の異なる位置に入射することになる。
【0046】
半導体素子60の受容部65に入射した光電子e-は、キャリア増倍層62の内部でエネルギー約3.6eVを失う毎に一対の電子−正孔対を生成する。そのため、単一の光電子e-の入射によって、数千組の電子−正孔対が二次キャリアとして発生する。このように増倍した二次キャリアは、半導体基板61から降伏電圧制御層64に向かう電界に対向してドリフトする。この中で電子は、キャリア増倍層62の内部に生成したアバランシェ増倍領域に到達する。このとき、光電子e-に対する電子照射ゲインは約4×103に達する。
【0047】
アバランシェ増倍領域にドリフトした電子は、キャリア増倍層62を構成する分子に衝突してイオン化を起こすアバランシェ増倍過程を繰り返す。このように増倍した電子は、半導体基板61からキャリア増倍層62に向かう電界に対向してドリフトして半導体基板61に到達する。このとき、アバランシェ増倍ゲインは約30であり、光電子e-に対する電子のトータルゲインは105程度に達する。
【0048】
ここで、p型のキャリア増倍層62のドーパント分布は非常に均一に制御されている。そのため、アバランシェ増倍ゲインは、アバランシェ増倍領域中における二次電子の発生位置に対する依存を低減しており、良好なユニフォミティを得ている。
【0049】
このような二次電子の増倍量に対応した逆方向電流が、オーミック電極層68からワイヤー71及び端子棒72を介して外部に出力される。そのため、光検出器2に入射した光子の個数を順次個別に検出することができる。
【0050】
ここで、図4、5を参照して、本実施形態の光検出器2と、従来型の光電子増倍管とでパルス波高分解能を比較した結果について説明する。図4は、本実施形態の光検出器2の出力パルス波高分布図であり、図5は、従来型の光電子増倍管の出力パルス波高分布である。これらのグラフにおいては、横軸は出力電子数、縦軸は各出力電子数に対する検出回数、グラフ中の数字は、光電変換された光電子数をそれぞれ表している。
【0051】
図4、5より本実施形態の光検出器2は、従来型の光電子増倍管に比較して、それぞれの出力電子数に対応する検出回数のピークがはっきりしており、光電子パルスのパルス波高分解能が高く、光子数を弁別することができる。単一光子のパルス波高分解能は、従来型では30〜100%であるのに対し、本実施形態の光検出器2では、通常のアンプノイズを加味しても7.6%と大幅に改善されている。これは、従来型の光電子増倍管では、増幅部の1段あたりの増幅率が10程度と低いため、増幅部を多段化することにより高い増幅率を得ているが、各段の増幅率が一定していないために、増幅の結果、入射光子1個あたりに得られる電子の数が変動するためである。一方、本実施形態の光検出器2は、初段の増幅率が1000程度と高く、安定しているため、入射光子1個あたりに得られる最終的な電子の数が一定に近いので、高いエパルス波高分解能が得られる。
【0052】
次に、図1及び図6、図7を参照して、本実施形態の動作を説明する。図6、図7は、本発明の多値化処理回路4における多値化処理内容を説明する図である。
【0053】
被測定光源1から繰り返し周期Tで発せられた光子の一部が光検出器2に入射する。光検出器2では、前述した動作により、到達した光子数に応じてパルス信号が出力される。この信号は、プリアンプ3で図6(a)に示されるような電圧信号に変換され、多値化処理回路4に送られる。
【0054】
多値化処理回路4では、送られてきた電圧信号を予め設定されたしきい値と比較する。ここでは、説明を簡単にするため、しきい値が1つの2値化処理の例について述べる。このしきい値はノイズレベルより高く、確実に光子が検出されたときの出力電圧がこのしきい値を上回る値を設定しておく。多値化処理回路4は、比較の結果、この電圧信号がしきい値を上回っている時点に所定の電圧を出力する(同図(b)参照)。例えば、2個の光子が重なって光検出器2に到達したような場合には、多値化処理回路4に入力される信号は、1個の光子が到達したときに比べて、電荷量が大きく、信号の継続時間も長くなる。このため、多値化処理回路4から出力される信号の持続時間も光子数に応じて長くなる。
【0055】
こうして生成したパルス信号は演算部5に送られる。演算部5では、このパルス信号の状態を監視して、この信号がオフからオンに切り替わったあと所定の時間経過ごとにその時間領域に対応するメモリ6に蓄積された光子数のカウンターを1つ増加させることにより、光子数をカウントしていく(同図(c)参照)。同図(a)中右側の信号で示されるように2個の光子が重なって到達しているときには、同図に示されるようにパルス信号のオン状態が長いので、同図(c)に示されるようにオン状態の途中でさらにもう1度光子数のカウンターが増加され、2個の光子をカウントすることができる。
【0056】
あるいは、演算部5はパルス信号のパルス幅を監視してもよい。この場合は、パルス幅が所定の幅以下の同図(b)の左側に示されるような光子数1個に対応する信号の場合は、そのパルス波形の中心にあたる時間領域に対応するメモリ6の光子数カウンターを一つ増加させる。そして、パルス幅が所定の幅以上の同図(b)の右側に示されるような光子数2個に対応する信号の場合は、そのパルス波形の中心にあたる時間領域に対応するメモリ6の光子数カウンターを2つ増加させればよい。
【0057】
一方、3値化処理する場合には、2つのしきい値を設定しておく。このしきい値としては、前述の2値化処理と同様に1個の光子が検出されたときにこのしきい値を必ず上回る下側のしきい値1と、これとは別に1個の光子だけが検出されたときの電圧値よりも高く、2個以上の光子が検出されたときの電圧値よりも低い上側のしきい値2との2種類のしきい値を設定しておく。図7(a)に示されるように、多値化処理回路4に入力した電圧値をこれらのしきい値のそれぞれと比較して、それぞれのしきい値を上回っている時点で同図(b)(c)に示されるようにしきい値1、しきい値2のそれぞれに対応した出力端に所定の電圧信号を出力する。この場合は、しきい値1に対応した出力端から信号が出力されると、1個以上の光子が検出されていることを示し、しきい値2に対応した出力端から信号が出力されると、2個の光子が検出されていることを表すことになる。したがって、演算部5では、それぞれの信号を監視しておき、それぞれの信号がオフ状態からオン状態に変わった時点で、同期回路8からのトリガー信号に基づいてその時間領域に対応するメモリ6のカウンターを1個増加させれば、光子数をカウントすることができる。
【0058】
この場合も、ノイズを除去して正確な検出を行うため、オン状態が一定時間継続した後でカウンターへの積算処理を行うことが好ましい。
【0059】
多値化処理はここで例示した2値化、3値化に限られるものではなく、4値化以上の多値化処理も同様の手法で行うことができる。また、多値化処理で出力される信号は、前述したようにしきい値に1対1に対応した出力端を設けるのではなく、例えば、複数の出力端が2進数で示した各ビットを表すようにしてどのしきい値を超えているかを表すようにしてもよい。具体的には、低いほうからしきい値1、2、3の3つのしきい値が存在し、A、B2つの出力端がある場合を考えると、しきい値1を超えていない状態では、A、B両方をオフにし、しきい値1以上しきい値2未満の状態では、Bのみをオンにし、しきい値2以上しきい値3未満の状態では、Aのみをオンにし、しきい値3以上の状態では、AB共オンにすれば、2つの出力端の信号でそれぞれの状態を表示することができる。
【0060】
こうして測定を繰り返すことにより、時間領域に分割されたメモリ6には、それぞれの時間領域で検出された光子数の積算値が蓄積されていく。これが光子検出の頻度情報となる。測定回数を充分にとり、検出した光子数のサンプル数が十分に多くなれば、この光子検出頻度のヒストグラムは、被測定光の光強度を表す光波形にほぼ対応することになる。したがって、波形出力装置7は、メモリ6からこの光子発生検出頻度情報を読み出して表示することにより光波形を表示することができる。
【0061】
このように、細分化された時間領域の同一の時間領域中に複数の光子が検出された場合でも、多値化処理により検出された光子数を正確に検出することが可能である。したがって、繰り返し周期中に検出される光子の総数を制限する必要がないので、1回の繰り返し周期で多数の光子検出情報を取得できる。つまり、光波形計測に必要な光子検出情報を取得するのに必要な繰り返し周期が少なくて済み、短時間で計測が可能になる。さらに、同一の時間領域に複数の光子が到達してもその個数を正確に把握できるので、時間領域を必要以上に細かくとる必要がなく、装置の構成が簡単で済み、なおかつ波形歪みのない正確な測定が可能となる。
【0062】
図8は、本発明の他の実施形態のブロック構成図を示している。説明を簡略化するため、前述の実施形態と共通する部分については説明を省略する。
【0063】
本実施形態では、プリアンプ3からの信号を分離して光子数解析装置9に導いている。光子数解析装置9は、プリアンプ3からの出力信号を積分する積分回路91と、積分信号を整える波形整形回路92、電圧値を調べる波高解析装置93を直列に接続して構成している。また、本実施形態の演算部5には、時間領域に対応して設けられた一時メモリ51が併設されている。
【0064】
次に、本実施形態の動作を説明する。本実施形態では、演算部5は、繰り返し周期T中の各時間領域で検出された光子数を一旦それぞれの時間領域に対応する一時メモリ51に格納する。一方、プリアンプ3からの出力信号の一部は積分回路91に送られて繰り返し周期Tの間積分され、波形整形回路92で波形を整えられる。この結果、出力される電圧値は、繰り返し周期T中に光検出器2から出力された総電荷量に相当する、つまり、繰り返し周期T中に光検出器2で検出された光子の総数に相当する。波高解析装置93では、この繰り返し周期Tの終了時点の電圧値に基づいて光子の総数に対応する信号を出力する。演算部5は、この光子の総数と一時メモリ51に格納されている繰り返し周期T中に検出した光子の総数を比較する。両者が一致する場合は、一時メモリ51の内容をメモリ6に転送して積算する。両者が一致しない場合は、多値化処理時に数え間違いがあったと判断して、一時メモリ51の内容を破棄する。このようにすることで、メモリ6には、数え落とし等のない正確な光子数頻度情報が蓄積される。したがって、歪みのない光波形が得られる。
【0065】
演算部5は、一時メモリ51と光子数解析装置9の出力に差がある場合、一時メモリ51の格納内容を破棄するのではなく、両者の結果をもとに一時メモリ51に格納された光子数を補正したうえでメモリ6に出力してもよい。この補正処理としては、例えば、数え落としがあった場合に、数え落としの起こりやすい信号の重なり部を判断してその時点の光子数を増加させる手法などがある。
【0066】
また、一時メモリ51を使用せずに、直接メモリ6に出力した上で、光子数解析装置9からの出力と演算部5の計算結果が異なる場合には、メモリ6の内容を書き換えるようにしてもよい。
【0067】
以上の説明では、光検出器として増倍部にアバランシェホトダイオードを用いた光電子増倍管を例として説明したが、光電子増倍管の増倍部はホトダイオード等の半導体ターゲットであっても、同様に安定した高い増倍率を備えるので、光子数の弁別が可能であり、本発明の光波形計測装置に利用できる。
【0068】
また、同様に安定した高い増倍率を備えていれば、マイクロチャネルプレートを増倍部として用いた光電子増倍管でもよい。さらに、光検出器は光電子増倍管に限られるものではなく、光子の到達時間と到達した個数を弁別可能な出力信号を発するものであれば、様々な形式の光検出器を使用することができる。
【0069】
また、光検出器2からの電荷信号を電圧信号に変換するプリアンプ3は、電気抵抗を用いることができる。
【0070】
さらに、多値化処理回路4としては、コンパレータ等が使用できる。あるいは、多値化処理回路4で、プリアンプ3を兼ねてもよい。
【0071】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、光検出器からの出力信号を多値化処理して繰り返し周期を細分化した時間領域ごとに設けたメモリに積算しているので、1度の繰り返し周期の同一の時間領域中に多数の光子が到達した場合でも、数え落としを生ずることなく信号を積算することができるので、歪みのない波形計測が可能となる。また、1回に検出される光子数が少なくなるよう制限する必要がないので、繰り返し周期中に多数の光子を検出することができ、光波形の測定時間を短くすることができる。
【0072】
また、光検出器に半導体ターゲット等を増倍部に用いた光電子増倍管を使用すれば、検出器に到達した光子数の弁別が容易になるので、光子の数え落としや光子数の数え間違いによる光波形の歪みをなくすことができる。
【0073】
さらに、周期中の光子数を解析する光子数解析装置をさらに備えれば、多値化処理による光子数の解析結果を検証できるので、数え間違いをさらに低減することができ、より確実な光波形計測が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態のブロック構成図である。
【図2】図1の実施形態で使用する光検出器の断面構成図である。
【図3】図2の光検出器の半導体素子の断面構成図である。
【図4】図2の光検出器の出力パルス波高分布図である。
【図5】従来型の光電子増倍管の出力パルス波高分布図である。
【図6】図1の多値化処理回路における2値化処理の説明図である。
【図7】図1の多値化処理回路における3値化処理の説明図である。
【図8】本発明の他の実施形態のブロック構成図である。
【図9】従来の時間相関光子計数装置のブロック図である。
【図10】従来の時間相関光子計数装置における波形歪みの一例を示す図である。
【符号の説明】
1…被測定光源、2…光検出器、3…プリアンプ、4…多値化処理回路、5…演算部、6…メモリ部、7…波形出力装置、8…同期装置、9…光子数解析装置、10…ディスクリミネータ、11…TAC、12…マルチチャンネルアナライザー、51…一時メモリ、60…半導体素子、91…積分回路、92…波形整形回路、93…波高解析装置。

Claims (6)

  1. 所定の繰り返し周期を有する被測定光の光強度の時間変化を表す光波形を計測する光波形計測装置において、
    前記被測定光の一部が入射され、光子の到達に対応して短パルス信号を出力し、前記短パルス信号のパルス幅は前記繰り返し周期より十分に短く、その電荷量は1個以上の略同時に到達した光子数に対応している光検出器と、
    前記短パルス信号を電圧信号に変換するプリアンプと、
    前記プリアンプの出力電圧を1つあるいは複数の予め設定されたしきい値と比較して、それぞれのしきい値を超えている間、それぞれのしきい値に対応して設けられた出力端から所定のパルス信号を出力することにより、電圧信号を多値化処理する多値化処理回路と、
    前記所定の繰り返し周期を細分化した時間領域に対応して個別に設けられた複数の記憶領域を備えるメモリ部と、
    前記細分化された時間領域のそれぞれの領域ごとに、前記多値化処理回路の複数の出力信号を基に同一の時間領域内で検出された光子数を算出する演算処理を行い、計算した光子数を前記メモリ部の対応する記憶領域に蓄積記憶させる演算部と、
    前記メモリ部の各記憶領域に蓄積された検出光子の総数を前記時間領域ごとに順次読み出して統計処理することにより、前記被測定光の光波形を再現して出力する光波形出力部と、
    を備えることを特徴とする光波形計測装置。
  2. 前記光検出器は、半導体ターゲットを増倍部に備える光電子増倍管であることを特徴とする請求項1記載の光波形計測装置。
  3. 前記光検出器は、ホトダイオードを増倍部に備える光電子増倍管であることを特徴とする請求項1記載の光波形計測装置。
  4. 前記光検出器は、アバランシェホトダイオードを増倍部に備える光電子増倍管であることを特徴とする請求項1記載の光波形計測装置。
  5. 前記光検出器は、マイクロチャネルプレートを増倍部に備える光電子増倍管であることを特徴とする請求項1記載の光波形計測装置。
  6. 前記光検出器の出力信号の総電荷量を前記1周期内で積分して、積分した総電荷量の範囲に応じた値を光子数として出力する光子数計測装置をさらに備え、前記演算部は前記繰り返し周期ごとに演算部内で計算した光子数をこの光子数出力と比較して、演算部内で計算した光子数に所定の処理を行って前記メモリ部の各領域に記憶させることを特徴とする請求項1記載の光波形計測装置。
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