JP3741571B2 - 基地局受信装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セルが複数のセクタに分割され、各セクタについて複数のアンテナを有する基地局受信装置に関し、例えば、CDMA(符号分割多元接続)通信方式に従う基地局に適用し得るものである。
【0002】
【従来の技術】
CDMA通信方式に従う移動体通信システムにおいても、基地局に収容可能な移動局の数を増加させる方法として、その基地局に係る管轄セルを複数のセクタ(サブセル領域)に分割し、セクタ毎に異なるアンテナを設ける方法が既に提案されている。また、各セクタに対して複数のアンテナを設け、アンテナダイバーシチにより、受信感度などを高めることも提案されている。
【0003】
このような移動体通信システムにおいては、移動局の移動に伴い、基地局間のハンドオフ(ハンドオーバとも呼ばれる)だけでなく、同一基地局に係るセクタ間のハンドオフも適宜実行される。
【0004】
従来においては、基地局は、ハンドオフ元セクタの各アンテナの受信信号に対応したサーチャ回路(同期捕捉回路)に加えて、ハンドオフ先セクタの各アンテナの受信信号に対応したサーチャ回路を備えている。そして、セクタ間ハンドオフの際には、ハンドオフ先セクタの各アンテナの受信信号に対応したサーチャ回路を用いてサーチ動作(同期捕捉動作)を行い、得られた1又は複数のパスの同期位置をいくつかのフィンガ回路(パス対応の復調回路)に割り当て、さらにその後のサーチ動作によって、ハンドオフ元のアンテナの受信信号が割り当てられていたフィンガ回路の全てにハンドオフ先のアンテナの受信信号を割り当てる(又は、一部若しくは全てのフィンガ回路を停止する)ことによって、復調信号の連続性をほぼ充足するセクタ間のソフトハンドオフを実現していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の構成では、基地局中にセクタ間ハンドオフ時のみに使用するサーチャ回路が存在しているため、回路規模が大きくなっていた。そのため、より少ないサーチャ回路でセクタ間ハンドオフを実現できる基地局受信装置が望まれている
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、第1の本発明は、自基地局の管轄セルが複数のセクタに分割されており、1セクタ当たりのアンテナ数が2本以上である基地局受信装置において、(1)いずれかのアンテナに係る入力された受信信号に対して同期捕捉、追従動作を行う、1セクタ当たりのアンテナ数に等しい数だけ、又は、それより少ないが複数設けられたサーチャ手段と、(2)異なるアンテナに係る複数の受信信号が入力され、サーチャ入力セレクト信号に応じてそのうちの1個の受信信号を選択して、対応する上記サーチャ手段に出力する複数のサーチャ入力セレクタ手段と、(3)異なるアンテナに係る複数の受信信号を、上記サーチャ手段による同期捕捉、追従した結果を利用して復調処理して最終的な復調信号を得る復調手段と、(4)セクタ間ハンドオフ動作を多段階の切り替え動作で実行するように上記各サーチャ入力セレクタ手段及び上記復調手段を制御するものであって、最終段階以前の切り替え段階の終了時では、一部のサーチャ手段に、ハンドオフ元セクタに係る受信信号が入力され、残りのサーチャ手段に、ハンドオフ先セクタに係る受信信号が入力されるように、上記各サーチャ入力セレクタ手段を制御すると共に、上記復調手段が、それら同期捕捉、追従対象の複数の受信信号から最終的な復調信号を得るように上記復調手段を制御する制御手段とを有し、上記復調手段は、最終的な復調信号を得る のに利用する複数の受信信号のそれぞれに対し、フィンガ数が不均等なレイク合成方法を適用しているものであり、上記制御手段は、ハンドオフ元セクタの複数の受信信号のうち、フィンガ数が少ない受信信号ほど、早い時期の切り替え段階でハンドオフ先セクタの受信信号に切り替える対象とすることを特徴とする。
【0007】
また、第2の本発明は、自基地局の管轄セルが複数のセクタに分割されており、1セクタ当たりのアンテナ数が2本以上である基地局受信装置において、いずれかのアンテナに係る入力された受信信号に対して同期捕捉、追従動作を行う、1セクタ当たりのアンテナ数に等しい数だけ、又は、それより少ないが複数設けられたサーチャ手段と、異なるアンテナに係る複数の受信信号が入力され、サーチャ入力セレクト信号に応じてそのうちの1個の受信信号を選択して、対応する上記サーチャ手段に出力する複数のサーチャ入力セレクタ手段と、異なるアンテナに係る複数の受信信号を、上記サーチャ手段による同期捕捉、追従した結果を利用して復調処理して最終的な復調信号を得る復調手段と、セクタ間ハンドオフ動作を多段階の切り替え動作で実行するように上記各サーチャ入力セレクタ手段及び上記復調手段を制御するものであって、最終段階以前の切り替え段階の終了時では、一部のサーチャ手段に、ハンドオフ元セクタに係る受信信号が入力され、残りのサーチャ手段に、ハンドオフ先セクタに係る受信信号が入力されるように、上記各サーチャ入力セレクタ手段を制御すると共に、上記復調手段が、それら同期捕捉、追従対象の複数の受信信号から最終的な復調信号を得るように上記復調手段を制御する制御手段とを有し、上記復調手段は、最終的な復調信号を得るのに利用する複数の受信信号のそれぞれについて、復調精度への影響を示すパラメータを経て上記制御手段に与えるものであり、上記制御手段は、ハンドオフ元セクタの複数の受信信号のうち、復調精度への影響が良い受信信号ほど、遅い時期の切り替え段階でハンドオフ先セクタの受信信号に切り替える対象とすることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による基地局受信装置を、CDMA通信システムの基地局に適用した第1の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0009】
(A−1)第1の実施形態の構成
ここで、図1が、この第1の実施形態の基地局受信装置10の要部構成例を示すブロック図である。
【0010】
なお、図1に示した基地局受信装置10は、図2に示すように、自基地局の管轄セルCELLが2個のセクタSEC1及びSEC2に分割され、各セクタSEC1、SEC2のそれぞれに対応して2本の指向性の受信アンテナ(送受共用アンテナであっても良い)10A及び10B、10C及び10Dが設けられている場合のものである。
【0011】
図1において、第1の実施形態の基地局受信装置10は、サーチャ入力セレクタ回路111、112、サーチャ回路121、122、制御回路131、フィンガ入力セレクタ回路141、142、143、144、フィンガ回路151、152、153、154、及び、コンバイナ161を備え、受信信号S10A、S10B、S10C、S10Dを入力として、復調信号S17を出力するものである。
【0012】
各サーチャ入力セレクタ回路111、112には、各アンテナ10A、10B、10C、10Dからの受信信号S10A、S10B、S10C、S10Dが全て入力されている。ここで、受信信号S10A、S10B、S10C、S10Dは、無線周波数帯からダウンコンバートされた後のベースバンド信号である。
【0013】
サーチャ入力セレクタ回路111は、制御回路131から与えられたサーチャ入力セレクト信号S13Aに基づいて、いずれかの受信信号S10A、S10B、S10C又はS10Dを選択して、サーチャ入力信号S11Aとして対応するサーチャ回路121に出力するものである。同様に、サーチャ入力セレクタ回路112は、制御回路131から与えられたサーチャ入力セレクト信号S13Bに基づいて、いずれかの受信信号S10A、S10B、S10C又はS10Dを選択して、サーチャ入力信号S11Bとして対応するサーチャ回路122に出力するものである。
【0014】
サーチャ回路121は、入力されたサーチャ入力信号S11Aに対する同期捕捉動作を行い、同期位置信号S12Aを制御回路131に出力するものである。同様に、サーチャ回路122は、入力されたサーチャ入力信号S11Bに対する同期捕捉動作を行い、同期位置信号S12Bを制御回路131に出力するものである。
【0015】
なお、サーチャ回路121、122としては、マッチトフィルタやスライディング相関器を適用することができる。
【0016】
この第1の実施形態の場合、サーチャ回路121、122の数(2個)は、1セクタ当たりのアンテナの数に選定されている。また、後述するように、各サーチャ回路121、122には、ハンドオフ元セクタのアンテナの受信信号が入力されることもあれば、ハンドオフ先セクタのアンテナの受信信号が入力されることもある。すなわち、この第1の実施形態の場合には、ハンドオフ元セクタの各アンテナの受信信号に対応した専用のサーチャ回路も存在しなければ、ハンドオフ先セクタの各アンテナの受信信号に対応した専用のサーチャ回路も存在しない。
【0017】
制御回路131は、外部からセクタ間ハンドオフ指令信号S18が入力されるものであり、制御回路131は、セクタ間ハンドオフ指令信号S18が入力されたときに、図1に示した各部を制御してセクタ間ハンドオフ動作を実行させるものである。
【0018】
セクタ間ハンドオフ指令信号S18は、複数の基地局を収容して有線網との接続を制御する、基地局の上位装置である移動通信制御局から与えられるものであっても良く、また、当該基地局が、セクタSEC1の両アンテナ10A及び10Bの受信電力の総和又は平均と、セクタSEC2の両アンテナ10C及び10Dの受信電力の総和又は平均とを比較した結果に基づいて発生するものであっても良い。
【0019】
制御回路131によるセクタ間ハンドオフ時の制御機能については、後述する動作説明で明らかにする。
【0020】
各フィンガ入力セレクタ回路141、142、143、144には、各アンテナ10A、10B、10C、10Dからの受信信号S10A、S10B、S10C、S10Dが全て入力されている。
【0021】
フィンガ入力セレクタ回路141は、制御回路131から与えられたフィンガ入力セレクト信号S13Cに基づいて、いずれかの受信信号S10A、S10B、S10C又はS10Dを選択して、フィンガ入力信号S14Aとして対応するフィンガ回路151に出力するものである。同様に、他のフィンガ入力セレクタ回路142、143又は144も、制御回路131から与えられたフィンガ入力セレクト信号S13D、S13E又はS13Fに基づいて、いずれかの受信信号S10A、S10B、S10C又はS10Dを選択して、フィンガ入力信号S14B、S14C、S14Dとして対応するフィンガ回路152、153又は154に出力するものである。
【0022】
各フィンガ回路151、152、153又は154は、自己へのフィンガ入力信号(受信信号)S14A、S14B、S14C又はS14Dに対して逆拡散処理や直交復調などの復調処理を行って、復調信号S15A、S15B、S15C又はS15Dをコンバイナ161に出力するものである。ここで、各フィンガ回路151、152、153又は154は、制御回路131から与えられた追従位置信号S13G、S13H、S13I又はS13Jが指示する追従位置で(例えば逆拡散用の拡散符号の位相を制御して)復調処理を行い、入力されたフィンガ入力信号(受信信号)S14A、S14B、S14C又はS14Dがマルチパス信号であっても所定のパスについての復調信号S15A、S15B、S15C又はS15Dを得る。
【0023】
なお、フィンガ回路151、152、153、154に与えられる追従位置信号S13G、S13H、S13I、S13Jは、位置を特定しない追従停止命令を内容とすることもあり、この場合には、フィンガ回路151、152、153、154は復調信号S15A、S15B、S15C、S15Dを出力しない。
【0024】
コンバイナ161は、フィンガ回路151、152、153及び又は154から与えられた復調信号S15A、S15B、S15C及び又はS15Dを選択合成して統合した復調信号S17を得て次段に出力するものである。ここで、選択合成に係る1又は複数の復調信号の特定は、制御回路131からの合成指示信号S16によっている。また、合成時の復調信号S15A、S15B、S15C及び又はS15Dの位相合わせは、制御回路131から与えられた追従位置信号S13G、S13H、S13I及び又はS13Jによっている。なお、合成比は、コンバイナ161が、既存の合成方法(例えば最大比合成)によって定めても良く、また、制御回路131が、入力された合成比率を定めるためのパラメータ(例えば同期位置信号S12A、S12B)に基づいて定めるようにしても良い。
【0025】
(A−2)第1の実施形態の動作
まず、セクタ間ハンドオフが実行されない場合での通常動作を、図示しない移動局がセクタSEC1に属しているとして説明する。
【0026】
この場合には当然に、セクタSEC1用のアンテナ10A、10Bに係る受信信号S10A及びS10Bが復調に使用される。
【0027】
この第1の実施形態の場合、通常動作時には、移動局が属するセクタについての2つのアンテナに係る受信信号S10A、S10Bがそれぞれ、サーチャ回路121、122で処理される。
【0028】
制御回路131からのサーチャ入力セレクト信号S13Aに基づいて、サーチャ入力回路111によって、アンテナ10Aに係る受信信号S10Aが選択されてサーチャ回路121に入力され、このサーチャ回路121によって、同期捕捉、同期追従動作が継続的に実行され、得られた1又は複数(ない場合もある)の同期位置を特定する同期位置信号S12Aが制御回路131に入力される。
【0029】
また、制御回路131からのサーチャ入力セレクト信号S13Bに基づいて、サーチャ入力回路112によって、アンテナ10Bに係る受信信号S10Bが選択されてサーチャ回路122に入力され、このサーチャ回路122によって、同期捕捉、同期追従動作が継続的に実行され、得られた1又は複数(ない場合もある)の同期位置を特定する同期位置信号S12Bが制御回路131に入力される。
【0030】
制御回路131は、同期位置信号S12A及びS12Bの双方によって特定される同期位置の中から任意の4個を選択し(但し、アンテナダイバーシチを考慮すると同期位置信号S12Aによる同期位置と同期位置信号S12Bによる同期位置が4個の中に共に含まれていることが好ましい)、選択した各同期位置により4個の追従位置信号S13G、S13H、S13I、S13Jを形成してフィンガ回路151、152、153、154に与える。
【0031】
また、制御回路131は、同期位置信号S12A及びS12Bの双方によって3個の同期位置しか特定されていない場合には、特定した各同期位置により3個の追従位置信号S13G、S13H、S13Iを形成してフィンガ回路151、152、153に与えると共に、同期位置が存在しない旨の追従位置信号S13Jを形成してフィンガ回路154に与える。
【0032】
さらに、制御回路131は、同期位置信号S12A及びS12Bの双方によって2個の同期位置しか特定されていない場合には、特定した各同期位置により2個の追従位置信号S13G、S13Hを形成してフィンガ回路151、152に与えると共に、同期位置が存在しない旨の追従位置信号S13I、S13Jを形成してフィンガ回路153、154に与える。
【0033】
さらにまた、制御回路131は、同期位置信号S12A及びS12Bの双方によって1個の同期位置しか特定されていない場合には、特定した同期位置により1個の追従位置信号S13Gを形成してフィンガ回路151に与えると共に、同期位置が存在しない旨の追従位置信号S13H、S13I、S13Jを形成してフィンガ回路152、153、154に与える。
【0034】
また、制御回路131は、同期位置信号S12A及びS12Bの双方によって1個の同期位置も特定されていない場合には、同期位置が存在しない旨の追従位置信号S13G、S13H、S13I、S13Jを形成してフィンガ回路151、152、153、154に与える。
【0035】
制御回路131は、上述した追従位置信号S13G、S13H、S13I、S13Jの形成に並行して、フィンガ入力セレクト信号S13C〜S13Fを以下のように形成する。
【0036】
制御回路131は、フィンガ回路151に与えた追従位置信号S13Gが示す同期位置が同期位置信号S12A(言い換えると、受信信号S10A)によるものであれば、受信信号S10Aを指示するフィンガ入力セレクト信号S13Cをフィンガ回路151に出力し、一方、同期位置が同期位置信号S12B(言い換えると、受信信号S10B)によるものであれば、受信信号S10Bを指示するフィンガ入力セレクト信号S13Cをフィンガ回路151に出力する。
【0037】
同様に、制御回路131は、他のフィンガ回路152〜154に与えるフィンガ入力セレクト信号S13D〜S13Fも、そのフィンガ回路152、153、154に与えた追従位置信号S13H、S13I、S13Jが示す同期位置が同期位置信号S12A(言い換えると、受信信号S10A)によるものであれば、受信信号S10Aを指示する内容にし、一方、追従位置信号S13H、S13I、S13Jが示す同期位置が同期位置信号S12B(言い換えると、受信信号S10B)によるものであれば、受信信号S10Bを指示する内容にする。
【0038】
各フィンガ入力セレクタ回路141、142、143、144は、制御回路131からの対応するフィンガ入力セレクト信号S13C、S13D、S13E、S13Fに基づいて、受信信号S10A及びS13Bから、フィンガ入力セレクト信号S13C、S13D、S13E、S13Fが指示する受信信号S10A又はS13Bを選択して、対応するフィンガ回路151、152、153、154に与える。
【0039】
各フィンガ回路151、152、153、154は、制御回路131からの対応する追従位置信号S13G、S13H、S13I、S13Jが指示している位置関係(位相関係)で、対応するフィンガ入力セレクト信号S13C、S13D、S13E、S13Fに基づいて対応するフィンガ入力セレクタ回路141、142、143、144から与えられる受信信号S10A又はS13Bに対して同期追従動作及び復調動作を行い、得られた復調信号S15A、S15B、S15C、S15Dをコンバイナ161に与える。なお、追従位置信号S13G、S13H、S13I、S13Jが同期位置を特定していない信号の場合には、フィンガ回路151、152、153、154からは、復調信号S15A、S15B、S15C、S15Dは出力されない。
【0040】
コンバイナ161は、このようにして入力された復調信号S15A、S15B、S15C及び又はS15Dを位相を合わせて結合して最終的な復調信号S17を得て出力する。なお、有効な復調信号になっていない場合には(同期位置ではないために出力されていない)、その復調信号は結合の対象外となる。
【0041】
以上のように、コンバイナ161は、最大で4種類の復調信号S15A、S15B、S15C及び又はS15Dを結合しており、各アンテナ10A又は10Bに係る受信信号S10A又はS10Bからみればフィンガ数1〜4のレイク合成を実行しており、両アンテナ10A及び10Bに係る受信信号S10A及びS10Bからみればアンテナダイバーシチを実現している。
【0042】
次に、セクタ間ハンドオフ時の動作を説明する。なお、セクタ間ハンドオフ動作を開始する前の状態は、移動局がセクタSEC1に属しており、移動局が属するセクタSEC1のアンテナ10Aに係る受信信号S10Aには有効なパスが1個存在し、フィンガ回路151において同期追従動作及び復調動作が行われており、また、アンテナ10Bに係る受信信号S10Bには有効なパスが3個存在し、フィンガ回路152、153、154において同期追従動作及び復調動作が行われているとして説明する。
【0043】
図1に示す基地局受信装置10の要部構成は、セクタ間ハンドオフ指令信号S18が到来したときに、セクタ間ハンドオフ動作を開始する。ここでは、セクタSEC1からセクタSEC2へのハンドオフであり、従って、最終的な復調信号S17を得るために用いる受信信号を、受信信号S10A及びS10Bから、受信信号S10C及びS10Dに切り替える処理を行う。
【0044】
この第1の実施形態の場合、セクタSEC1に係る受信信号S10A及びS10Bから、セクタSEC2に係る受信信号S10C及びS10Dへ一気に切り替えるのではなく、サーチャ回路の数が少ないことに鑑みて、2段階に分けて切り替えを行うようにしている。以下、各段階の切り替えを、第1次切り替え、第2次切り替えと呼ぶこととする。
【0045】
第1次切り替えは、ハンドオフ元セクタSEC1に係る受信信号S10Aからハンドオフ先セクタSEC2に係る受信信号S10Cへの切り替えであり、この切り替え直後は、最終的な復調信号S17を得るための受信信号として、セクタSEC1に係る受信信号S10Bと、セクタSEC2に係る受信信号S10Cとが用いられる。
【0046】
第2次切り替えは、ハンドオフ元セクタSEC1に係る残りの受信信号S10Bからハンドオフ先セクタSEC2に係る受信信号S10Dへの切り替えであり、この切り替えにより、最終的な復調信号S17を得るための受信信号が、ハンドオフ元セクタSEC1に係る受信信号S10A及びS10Bから、ハンドオフ先セクタSEC2に係る受信信号S10C及びS10Dへ完全に切り替わる。
【0047】
図3は、セクタ間ハンドオフ時の第1次切り替え動作の流れ例を示すフローチャートであり、図4は、セクタ間ハンドオフ時の第2次切り替え動作の流れ例を示すフローチャートであり、セクタ間ハンドオフ時の動作を、これら図3及び図4をも参照しながら具体的に説明する。
【0048】
セクタSEC1からセクタSEC2へのセクタ間ハンドオフ時の第1次切り替えでは、上述のように、受信信号S10Aを切替受信信号、受信信号S10Bを継続受信信号とし、また、受信信号S10Cを選択受信信号、受信信号S10Dを非選択受信信号とする。
【0049】
制御回路131はまず、ハンドオフ元セクタSEC1の受信信号S10Aに対して同期捕捉動作を行っているサーチャ回路121に、セクタSEC2の受信信号である受信信号S10Cに対しての同期捕捉動作をさせるため、サーチャ回路121の入力前段のサーチャ入力セレクタ回路111に対して、サーチャ入力セレクト信号S13Aによって、サーチャ入力信号S11Aとしての受信信号S10Aを受信信号S10Cへ切り替えさせる(ステップST100)。
【0050】
サーチャ回路121は、受信信号S10Aから切り替わった受信信号S10Cに対して同期捕捉動作を行い、得られた1又は複数の同期位置を同期位置信号S12Aを用いて制御回路131に出力する(ステップST101)。なお、同期捕捉動作の結果、同期位置が存在しない場合は、サーチャ回路121は、同期位置が存在しないことを同期位置信号S12Aを用いて制御回路131に通知する(ステップST101)。
その後、制御回路131は、入力された同期位置信号S12Aに基づいて、同期位置が存在するか否か、言い換えると、切り替えられた受信信号S10Cに対し、サーチャ回路121が同期捕捉をできたか否かを判別する(ステップST102)。
【0051】
制御回路131は、同期位置が存在しない場合(サーチャ回路121が受信信号S10Cに対し、同期捕捉できない場合)には、第1次切り替えでのハンドオフ失敗処理を行う(ステップST103)。第1次切り替えでのハンドオフ失敗処理は、例えば、セクタ間ハンドオフ指令信号S18の送信元の外部装置へ失敗の旨を通知する処理や、サーチャ回路121の同期捕捉対象の受信信号を、セクタ間ハンドオフ指令前の受信信号S10Aに復帰させて、これ以上のセクタ間ハンドオフ動作を中止する処理などである。なお、第1次切り替えでのハンドオフ失敗時に移動局とのコネクションを切断するようにしても良い。
【0052】
一方、制御回路131は、同期位置が存在した場合(サーチャ回路121が受信信号S10Cに対し、同期捕捉できた場合)には、まず、コンバイナ161に対して、フィンガ回路151からの復調信号S15Aを結合処理に利用しないことを合成指示信号S16によって通知してから(ステップST104)、フィンガ入力セレクト信号S13Cによって、フィンガ入力セレクタ回路141が選択する受信信号をハンドオフ元セクタSEC1の受信信号S10Aからハンドオフ先セクタSEC2の受信信号S10Cに変更させる(ステップST105)。また、制御回路131は、同期位置信号S12Aによって選られた同期位置の内の1個の位置を追従位置信号S13Gを用いてフィンガ回路151に出力し、これにより、フィンガ回路151は、受信信号S10Cに対して追従位置信号S13Gが指示する同期位置関係(位相関係)で復調を行って復調信号S15Aを得る(ステップST106)。
【0053】
制御回路131は、切り替わった受信信号S10Cに対するフィンガ回路151の復調動作が安定したタイミングで、コンバイナ161に対して、フィンガ回路151からの復調信号S15Aを結合処理に利用することを合成指示信号S16によって通知する(ステップST107)。これにより、受信信号S10Cに基づいて得られた復調信号S15Aも最終的な復調信号S17に反映される。ここで、切り替わった受信信号S10Cに対するフィンガ回路151の復調動作が安定したタイミングを、制御回路131は、例えば、所定時間の計時によって捉えるようにしても良く、また例えば、フィンガ回路151から相関出力(例えば、拡散符号を用いた逆拡散処理後の信号パワー平均)を取り込んで捉えるようにしても良い。
【0054】
以上のような処理により第1次の切り替え動作が完了し、ハンドオフ失敗以外では、第2次の切り替え動作に移行する。第2次の切り替え動作では、上述のように、受信信号S10Bを切替受信信号、受信信号S10Cを継続受信信号とし、また、受信信号S10Dを選択受信信号、受信信号S10Aを非選択受信信号とする。
【0055】
制御回路131はまず、ハンドオフ元セクタSEC1の残りの受信信号S10Bに対して同期捕捉動作を行っているサーチャ回路122に、ハンドオフ先セクタSEC2の受信信号である受信信号S10Dに対しての同期捕捉動作をさせるため、サーチャ回路122の入力前段のサーチャ入力セレクタ回路112に対して、サーチャ入力セレクト信号S13Bによって、サーチャ入力信号S11Bとしての受信信号S10Bを受信信号S10Dへ切り替えさせる(ステップST108)。
【0056】
サーチャ回路122は、受信信号S10Bから切り替わった受信信号S10Dに対して同期捕捉動作を行い、得られた1又は複数の同期位置を同期位置信号S12Bを用いて制御回路131に通知する(ステップST109)。一方、同期捕捉動作の結果、同期位置が存在しない場合は、サーチャ回路122は、同期位置が存在しないことを同期位置信号S12Bを用いて制御回路131に通知する(ステップST109)。
【0057】
なお、第2次の切り替え動作では、第1次の切り替え動作で、ハンドオフ先セクタSEC2の受信信号S10Cに対し、他のサーチャ回路111が同期位置を捉えているので、実際上、サーチャ回路122がハンドオフ先セクタSEC2の他の受信信号S10Dの同期位置を1個も検出できないことは実際上ないであろう。
【0058】
制御回路131は、ハンドオフ先セクタSEC2の受信信号S10Dに対する同期位置信号S12Bが入力されると、まず、コンバイナ161に対して、フィンガ回路152〜154からの復調信号S15B〜S15Dを結合処理に利用しないことを合成指示信号S16によって通知してから(ステップST110)、フィンガ入力セレクト信号S13D〜S13Fによって、フィンガ入力セレクタ回路142〜144が選択する受信信号をハンドオフ元セクタSEC1の受信信号S10Bからハンドオフ先セクタSEC2の受信信号S10Dに変更させる(ステップST111)。また、制御回路131は、同期位置信号S12Bに基づいて、同期位置の内の1個の位置を含む、又は、復調停止を指示する追従位置信号S13H〜S13Jを形成して、対応するフィンガ回路152〜154に与え、フィンガ回路152〜154に、対応する追従位置信号S13H〜S13Jが指示する同期位置関係(位相関係)で受信信号S10Dに対する復調動作を実行させる(ステップST112)。なお、復調停止を指示する追従位置信号S13H、S13I又はS13Jが与えられたフィンガ回路152、153又は154は復調動作は実行しない(ステップST112)。また、同期位置数に応じて、どの追従位置信号S13H〜S13Jに同期位置を盛り込み、その追従位置信号S13H〜S13Jに復調停止を盛り込むかは、上述した通常動作時と同様である。
【0059】
制御回路131は、切り替わった受信信号S10Dに対するフィンガ回路152、153又は154の復調動作が安定したタイミングで、コンバイナ161に対して、フィンガ回路152〜154からの復調信号S15B〜S15Dを結合処理に利用することを合成指示信号S16によって通知する(ステップST113)。これにより、受信信号S10Dに基づいて得られた復調信号S15B〜S15Dも最終的な復調信号S17に反映される。なお、フィンガ回路152、153又は154から復調信号S15B、S15C又はS15Dが出力されていない場合に、コンバイナ161がそれを結合に用いないことは当然である。
【0060】
以上のような処理により第2次の切り替え動作が完了し、従って、セクタ間ハンドオフ動作の全体も完了し、移動局が移動した先のセクタSEC2だけを考慮した上述したような通常動作に移行する。この場合での通常動作は、当然に、セクタSEC2についての受信信号S10C及びS10Dだけが復調(当然に同期捕捉、追従も)に用いられる。
【0061】
(A−3)第1の実施形態の効果
第1の実施形態の基地局受信装置及びセクタ間ハンドオフ方法によれば、以下の効果を奏することができる。
【0062】
1セクタ当たりのアンテナ数に等しい数のサーチャ回路を設け、各サーチャ回路の前段に設けたサーチャ入力セレクタ回路によって、各サーチャ回路に各セクタの各アンテナからの受信信号を切り替えて入力し得るようにしてセクタ間ハンドオフを実行できるようにしたので、セクタ間ハンドオフ時にのみ動作するサーチャ回路が不要となって従来よりサーチャ回路を少なくでき、基地局受信装置の回路規模を小さくすることができる。
【0063】
なお、サーチャ入力セレクタ回路が必要となるが、これは選択構成であるので回路を実現するときにごく僅かな規模しか必要でなく、マッチトフィルタやスライディング相関器でなるサーチャ回路を減少させることによる回路規模の削減効果の方がはるかに大きいものである。
【0064】
また、セクタ間ハンドオフ動作を2段階の切り替え動作に分け、第1段階の切り替え動作である第1次切り替え動作時において、フィンガ回路151が切り替えられた受信信号について同期位置の割当動作が新たに行われて、復調動作が一旦停止するものの、他のフィンガ回路152〜154は復調動作を継続的に行っているため、全体での復調動作が途切れることがない。
【0065】
このような第1次切り替え動作時においては、ハンドオフ元セクタに係る2個の受信信号S10A及びS10Bのうち、追従しているフィンガの数が少ない方の受信信号S10Aを切替受信信号にするようにしたので、この受信信号S10Aに対しては同期捕捉動作が行われないが、より多くのフィンガ回路152〜154が追従している受信信号S10Bに対してはハンドオフ前と同様に同期捕捉動作が継続的に行われ、その結果、この面からも、第1次切り替え動作中において復調動作が途切れる可能性は低くなる。なお、フィンガ数が同一の場合には、予め定められている受信信号を、切替受信信号とするようにすれば良い。
【0066】
また、第1次切り替え動作時においては、ハンドオフ元セクタに係る2個の受信信号S10A及びS10Bのうち、追従しているフィンガの数が少ない方(1個)の受信信号S10Aを切替受信信号にするようにしたので、第1次切り替え動作時において1個の同期位置を捕捉できれば良く、第1次切り替え動作時におけるハンドオフ失敗の可能性を低くすることができる。
【0067】
なお、第1次切り替え動作で、追従しているフィンガの数が多い方(3個)の受信信号S10Bを切替受信信号にすることは、本発明の他の実施形態を構成する。
【0068】
また、第2次切り替え動作時においては、フィンガ回路152〜154は、切り替えられた受信信号に対する同期位置の割当動作が新たに行われて、復調動作が一旦停止するものの、フィンガ回路151は復調動作を継続的に行っているため、全体での復調動作が途切れることがない。
【0069】
(B)第2の実施形態
次に、本発明による基地局受信装置を、CDMA通信システムの基地局に適用した第2の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0070】
(B−1)第2の実施形態の構成
ここで、図5が、この第2の実施形態の基地局受信装置11の要部構成例を示すブロック図であり、第1の実施形態に係る図1との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0071】
この図5から明らかなように、第2の実施形態の基地局受信装置11も、構成要素は、第1の実施形態の基地局受信装置10と同様である。すなわち、第2の実施形態の基地局受信装置11も、サーチャ入力セレクタ回路111、112、サーチャ回路121、122、制御回路131、フィンガ入力セレクタ回路141、142、143、144、フィンガ回路151、152、153、154、及び、コンバイナ161を備えている。
【0072】
第2の実施形態の基地局受信装置11が、第1の実施形態の基地局受信装置10と異なる点は、各フィンガ回路151、152、153、154が制御回路131に対して相関電力信号S15E、S15F、S15G、S15Hを出力する点と、制御回路131の制御機能である。
【0073】
相関電力信号S15E、S15F、S15G、S15Hは、各フィンガ回路151、152、153、154での復調の度合(精度)を表すものであり、この電力値が高いほど復調が良好に行われていると捉えることができる。逆拡散処理では、拡散符号と入力受信信号との乗算を行っているが、この乗算は相関をとっていることに相当し、その所定期間での平均電力などが相関電力信号S15E、S15F、S15G、S15Hとなっている。
【0074】
第2の実施形態の基地局受信装置11における制御回路131の制御機能については、動作説明の項で明らかにする。
【0075】
(B−2)第2の実施形態の動作
まず、セクタ間ハンドオフが実行されない場合での通常動作を、図示しない移動局がセクタSEC1に属しているとして説明する。
【0076】
この場合には当然に、セクタSEC1用のアンテナ10A、10Bに係る受信信号S10A及びS10Bが復調に使用される。
【0077】
この第2の実施形態の場合、通常動作時には、移動局が属するセクタについての2つのアンテナに係る受信信号S10A、S10Bがそれぞれ、サーチャ回路121、122で処理される。
【0078】
制御回路131からのサーチャ入力セレクト信号S13Aに基づいて、サーチャ入力回路111によって、アンテナ10Aに係る受信信号S10Aが選択されてサーチャ回路121に入力され、このサーチャ回路121によって、同期捕捉、同期追従動作が継続的に実行され、得られた1又は複数(ない場合もある)の同期位置を特定する同期位置信号S12Aが制御回路131に入力される。
【0079】
また、制御回路131からのサーチャ入力セレクト信号S13Bに基づいて、サーチャ入力回路112によって、アンテナ10Bに係る受信信号S10Bが選択されてサーチャ回路122に入力され、このサーチャ回路122によって、同期捕捉、同期追従動作が継続的に実行され、得られた1又は複数(ない場合もある)の同期位置を特定する同期位置信号S12Bが制御回路131に入力される。
【0080】
制御回路131は、同期位置信号S12A及びS12Bの双方によって特定される同期位置の中から任意の4個を選択し(但し、アンテナダイバーシチを考慮すると同期位置信号S12Aによる同期位置と同期位置信号S12Bによる同期位置が4個の中に共に含まれていることが好ましい)、選択した各同期位置により4個の追従位置信号S13G、S13H、S13I、S13Jを形成してフィンガ回路151、152、153、154に与える。
【0081】
また、制御回路131は、同期位置信号S12A及びS12Bの双方によって3個の同期位置しか特定されていない場合には、特定した各同期位置により3個の追従位置信号S13G、S13H、S13Iを形成してフィンガ回路151、152、153に与えると共に、同期位置が存在しない旨の追従位置信号S13Jを形成してフィンガ回路154に与える。
【0082】
さらに、制御回路131は、同期位置信号S12A及びS12Bの双方によって2個の同期位置しか特定されていない場合には、特定した各同期位置により2個の追従位置信号S13G、S13Hを形成してフィンガ回路151、152に与えると共に、同期位置が存在しない旨の追従位置信号S13I、S13Jを形成してフィンガ回路153、154に与える。
【0083】
さらにまた、制御回路131は、同期位置信号S12A及びS12Bの双方によって1個の同期位置しか特定されていない場合には、特定した同期位置により1個の追従位置信号S13Gを形成してフィンガ回路151に与えると共に、同期位置が存在しない旨の追従位置信号S13H、S13I、S13Jを形成してフィンガ回路152、153、154に与える。
【0084】
また、制御回路131は、同期位置信号S12A及びS12Bの双方によって1個の同期位置も特定されていない場合には、同期位置が存在しない旨の追従位置信号S13G、S13H、S13I、S13Jを形成してフィンガ回路151、152、153、154に与える。
【0085】
制御回路131は、上述した追従位置信号S13G、S13H、S13I、S13Jの形成に並行して、フィンガ入力セレクト信号S13C〜S13Fを以下のように形成する。
【0086】
制御回路131は、フィンガ回路151に与えた追従位置信号S13Gが示す同期位置が同期位置信号S12A(言い換えると、受信信号S10A)によるものであれば、受信信号S10Aを指示するフィンガ入力セレクト信号S13Cをフィンガ回路151に出力し、一方、同期位置が同期位置信号S12B(言い換えると、受信信号S10B)によるものであれば、受信信号S10Bを指示するフィンガ入力セレクト信号S13Cをフィンガ回路151に出力する。
【0087】
同様に、制御回路131は、他のフィンガ回路152〜154に与えるフィンガ入力セレクト信号S13D〜S13Fも、そのフィンガ回路152、153、154に与えた追従位置信号S13H、S13I、S13Jが示す同期位置が同期位置信号S12A(言い換えると、受信信号S10A)によるものであれば、受信信号S10Aを指示する内容にし、一方、追従位置信号S13H、S13I、S13Jが示す同期位置が同期位置信号S12B(言い換えると、受信信号S10B)によるものであれば、受信信号S10Bを指示する内容にする。
【0088】
各フィンガ入力セレクタ回路141、142、143、144は、制御回路131からの対応するフィンガ入力セレクト信号S13C、S13D、S13E、S13Fに基づいて、受信信号S10A及びS13Bから、フィンガ入力セレクト信号S13C、S13D、S13E、S13Fが指示する受信信号S10A又はS13Bを選択して、対応するフィンガ回路151、152、153、154に与える。
【0089】
各フィンガ回路151、152、153、154は、制御回路131からの対応する追従位置信号S13G、S13H、S13I、S13Jが指示している位置関係(位相関係)で、対応するフィンガ入力セレクト信号S13C、S13D、S13E、S13Fに基づいて対応するフィンガ入力セレクタ回路141、142、143、144から与えられる受信信号S10A又はS13Bに対して同期追従動作及び復調動作を行い、得られた復調信号S15A、S15B、S15C、S15Dをコンバイナ161に与える。なお、追従位置信号S13G、S13H、S13I、S13Jが同期位置を特定していない信号の場合には、フィンガ回路151、152、153、154からは、復調信号S15A、S15B、S15C、S15Dは出力されない。
【0090】
また、各フィンガ回路151、152、153、154は、それぞれ復調動作における逆拡散処理などによって得られる相関電力値を特定する相関電力信号S15E、S15F、S15G、S15Hを制御回路131に出力する。
【0091】
コンバイナ161は、このようにして入力された復調信号S15A、S15B、S15C及び又はS15Dを位相を合わせて結合して最終的な復調信号S17を得て出力する。なお、有効な復調信号になっていない場合には(同期位置ではないために出力されていない)、その復調信号は結合の対象外となる。また、コンバイナ161は、相関電力信号S15E、S15F、S15G、S15Hを取り込み、復調信号S15A、S15B、S15C及び又はS15Dが入力されていても、それに対応する相関電力信号S15E、S15F、S15G、S15Hが指示する層電力値が小さいときには結合の対象外とするようにしても良い。
【0092】
次に、セクタ間ハンドオフ時の動作を説明する。なお、セクタ間ハンドオフ動作を開始する前の状態は、移動局がセクタSEC1に属しており、移動局が属するセクタSEC1のアンテナ10Aに係る受信信号S10Aには有効なパスが2個存在し、フィンガ回路151、152において同期追従動作及び復調動作が行われており、また、アンテナ10Bに係る受信信号S10Bにも有効なパスが2個存在し、フィンガ回路153、154において同期追従動作及び復調動作が行われているとして説明する。
【0093】
図5に示す基地局受信装置11の要部構成は、セクタ間ハンドオフ指令信号S18が到来したときに、セクタ間ハンドオフ動作を開始する。ここでは、セクタSEC1からセクタSEC2へのハンドオフであり、従って、最終的な復調信号S17を得るために用いる受信信号を、受信信号S10A及びS10Bから、受信信号S10C及びS10Dに切り替える処理を行う。
【0094】
この第2の実施形態の場合、セクタSEC1に係る受信信号S10A及びS10Bから、セクタSEC2に係る受信信号S10C及びS10Dへ一気に切り替えるのではなく、サーチャ回路の数が少ないことに鑑みて、2段階に分けて切り替え(第1次切り替え、第2次切り替え)を行うようにしている。
【0095】
図6は、セクタ間ハンドオフ時の第1次切り替え動作の流れ例を示すフローチャートであり、図7は、セクタ間ハンドオフ時の第2次切り替え動作の流れ例を示すフローチャートであり、第2の実施形態のセクタ間ハンドオフ時の動作を、これら図6及び図7をも参照しながら具体的に説明する。
【0096】
セクタ間ハンドオフ指令信号S18が到来したときに、セクタ間ハンドオフ動作、すなわち、第1次切り替え動作が開始される。
【0097】
制御回路131は、第1次切り替え動作を開始すると、各フィンガ回路151、152、153、154からの相関電力信号S15E、S15F、S15G、S15Hに基づいて、相関電力値が最大のフィンガ回路を認識し、第1次切り替え動作での切替受信信号、継続受信信号、選択受信信号、非選択受信信号を決定する(ステップST200)。
【0098】
以下では、フィンガ回路153が相関電力値が最大のフィンガ回路として説明を行う。この場合、最大の相関電力値を持つフィンガ回路153が復調している受信信号S10Bを継続復調させることとし、ハンドオフ元セクタSEC1については受信信号S10Aを切替受信信号、受信信号S10Bを継続受信信号とし、また、ハンドオフ先セクタSEC2については受信信号S10Cを選択受信信号、受信信号S10Dを非選択受信信号とする。
【0099】
制御回路131は、ハンドオフ元セクタSEC1の受信信号S10Aに対して同期捕捉動作を行っているサーチャ回路121に、セクタSEC2の受信信号である受信信号S10Cに対しての同期捕捉動作を実行させるため、サーチャ回路121の入力前段のサーチャ入力セレクタ回路111に対して、サーチャ入力セレクト信号S13Aによって、サーチャ入力信号S11Aとしての受信信号S10Aを受信信号S10Cへ切り替えさせる(ステップST201)。
【0100】
サーチャ回路121は、受信信号S10Aから切り替わった受信信号S10Cに対して同期捕捉動作を行い、得られた1又は複数の同期位置を同期位置信号S12Aを用いて制御回路131に出力する(ステップST202)。なお、同期捕捉動作の結果、同期位置が存在しない場合は、サーチャ回路121は、同期位置が存在しないことを同期位置信号S12Aを用いて制御回路131に通知する(ステップST202)。
その後、制御回路131は、入力された同期位置信号S12Aに基づいて、同期位置が存在するか否か、言い換えると、切り替えられた受信信号S10Cに対し、サーチャ回路121が同期捕捉をできたか否かを判別する(ステップST203)。
【0101】
制御回路131は、同期位置が存在しない場合(サーチャ回路121が受信信号S10Cに対し、同期捕捉できない場合)には、第1次切り替えでのハンドオフ失敗処理を行う(ステップST204)。第2の実施形態においても、第1次切り替えでのハンドオフ失敗処理は、例えば、セクタ間ハンドオフ指令信号S18の送信元の外部装置へ失敗の旨を通知する処理や、サーチャ回路121の同期捕捉対象の受信信号を、セクタ間ハンドオフ指令前の受信信号S10Aに復帰させて、これ以上のセクタ間ハンドオフ動作を中止する処理などである。なお、第1次切り替えでのハンドオフ失敗時に移動局とのコネクションを切断するようにしても良い。
【0102】
一方、制御回路131は、同期位置が存在した場合(サーチャ回路121が受信信号S10Cに対し、同期捕捉できた場合)には、まず、コンバイナ161に対して、フィンガ回路151、152からの復調信号S15A、S15Bを結合処理に利用しないことを合成指示信号S16によって通知してから(ステップST205)、フィンガ入力セレクト信号S13C、S13Dによって、フィンガ入力セレクタ回路141、142が選択する受信信号をハンドオフ元セクタSEC1の受信信号S10Aからハンドオフ先セクタSEC2の受信信号S10Cに変更させる(ステップST206)。また、制御回路131は、同期位置信号S12Aが特定する同期位置の内の異なる1個の位置をそれぞれ追従位置信号S13G、S13Hを用いてフィンガ回路151、152に出力し、これにより、各フィンガ回路151、152は、受信信号S10Cに対して追従位置信号S13G、S13Hが指示する同期位置関係(位相関係)で復調を行って復調信号S15A、S15Bを得る(ステップST207)。
【0103】
なお、制御回路131は、同期位置信号S12Aが1個の同期位置しか特定していないときには、追従位置信号S13Iをその同期位置に係る信号として、フィンガ回路153から復調信号S15Cを出力させ、一方、追従位置信号S13Jを復調停止を指示する信号として、フィンガ回路154から復調信号S15Dを出力させない(ステップST207)。
【0104】
制御回路131は、切り替わった受信信号S10Cに対するフィンガ回路151及び又は152の復調動作が安定したタイミングで、コンバイナ161に対して、フィンガ回路151及び又は152からの復調信号S15A及び又はS15Bを結合処理に利用することを合成指示信号S16によって通知する(ステップST208)。これにより、受信信号S10Cに基づいて得られた復調信号S15A及び又はS15Bも最終的な復調信号S17に反映される。
【0105】
以上のような処理により第1次の切り替え動作が完了し、ハンドオフ失敗以外では、第2次の切り替え動作に移行する。第2次の切り替え動作では、受信信号S10Bを切替受信信号、受信信号S10Cを継続受信信号とし、また、受信信号S10Dを選択受信信号、受信信号S10Aを非選択受信信号とする。
【0106】
制御回路131はまず、ハンドオフ元セクタSEC1の残りの受信信号S10Bに対して同期捕捉動作を行っているサーチャ回路122に、ハンドオフ先セクタSEC2の受信信号である受信信号S10Dに対しての同期捕捉動作をさせるため、サーチャ回路122の入力前段のサーチャ入力セレクタ回路112に対して、サーチャ入力セレクト信号S13Bによって、サーチャ入力信号S11Bとしての受信信号S10Bを受信信号S10Dへ切り替えさせる(ステップST209)。
【0107】
サーチャ回路122は、受信信号S10Bから切り替わった受信信号S10Dに対して同期捕捉動作を行い、得られた1又は複数の同期位置を同期位置信号S12Bを用いて制御回路131に通知する(ステップST210)。一方、同期捕捉動作の結果、同期位置が存在しない場合は、サーチャ回路122は、同期位置が存在しないことを同期位置信号S12Bを用いて制御回路131に通知する(ステップST210)。
【0108】
なお、第2次の切り替え動作では、第1次の切り替え動作で、ハンドオフ先セクタSEC2の受信信号S10Cに対し、他のサーチャ回路111が同期位置を捉えているので、実際上、サーチャ回路122がハンドオフ先セクタSEC2の他の受信信号S10Dの同期位置を1個も検出できないことは実際上ないであろう。
【0109】
制御回路131は、ハンドオフ先セクタSEC2の受信信号S10Dに対する同期位置信号S12Bが入力されると、まず、コンバイナ161に対して、フィンガ回路153、154からの復調信号S15C、S15Dを結合処理に利用しないことを合成指示信号S16によって通知してから(ステップST211)、フィンガ入力セレクト信号S13E、S13Fによって、フィンガ入力セレクタ回路143、144が選択する受信信号をハンドオフ元セクタSEC1の受信信号S10Bからハンドオフ先セクタSEC2の受信信号S10Dに変更させる(ステップST212)。また、制御回路131は、同期位置信号S12Bに基づいて、同期位置の内の1個の位置を含む、又は、復調停止を指示する追従位置信号S13I、S13Jを形成して、対応するフィンガ回路153、154に与え、フィンガ回路153、154に、対応する追従位置信号S13I、S13Jが指示する同期位置関係(位相関係)で受信信号S10Dに対する復調動作を実行させる(ステップST213)。なお、復調停止を指示する追従位置信号S13I又はS13Jが与えられたフィンガ回路153又は154は復調動作は実行しない(ステップST213)。また、同期位置数に応じて、どの追従位置信号S13I、S13Jに同期位置を盛り込み、その追従位置信号S13I、S13Jに復調停止を盛り込むかは、上述した通常動作時と同様である。
【0110】
制御回路131は、切り替わった受信信号S10Dに対するフィンガ回路153及び又は154の復調動作が安定したタイミングで、コンバイナ161に対して、フィンガ回路153及び又は154からの復調信号S15C及び又はS15Dを結合処理に利用することを合成指示信号S16によって通知する(ステップST214)。これにより、受信信号S10Dに基づいて得られた復調信号S15C、S15Dも最終的な復調信号S17に反映される。なお、フィンガ回路153又は154から復調信号S15C又はS15Dが出力されていない場合に、コンバイナ161がそれを結合に用いないことは当然である。
【0111】
以上のような処理により第2次の切り替え動作が完了し、従って、セクタ間ハンドオフ動作の全体も完了し、移動局が移動した先のセクタSEC2だけを考慮した上述したような通常動作に移行する。この場合での通常動作は、当然に、セクタSEC2についての受信信号S10C及びS10Dだけが復調(当然に同期捕捉、追従も)に用いられる。
【0112】
(B−3)第2の実施形態の効果
第2の実施形態の基地局受信装置及びセクタ間ハンドオフ方法によれば、以下の効果を奏することができる。
【0113】
1セクタ当たりのアンテナ数に等しい数のサーチャ回路を設け、各サーチャ回路の前段に設けたサーチャ入力セレクタ回路によって、各サーチャ回路に各セクタの各アンテナからの受信信号を切り替えて入力し得るようにしてセクタ間ハンドオフを実行できるようにしたので、セクタ間ハンドオフ時にのみ動作するサーチャ回路が不要となって従来よりサーチャ回路を少なくでき、基地局受信装置の回路規模を小さくすることができる。
【0114】
また、セクタ間ハンドオフ動作を2段階の切り替え動作に分け、第1段階の切り替え動作である第1次切り替え動作時において、フィンガ回路151、152が切り替えられた受信信号について同期位置の割当動作が新たに行われて、復調動作が一旦停止するものの、他のフィンガ回路153、154は復調動作を継続的に行っているため、全体での復調動作が途切れることがない。
【0115】
このような第1次切り替え動作時においては、ハンドオフ元セクタに係る2個の受信信号S10A及びS10Bのうち、復調信号での相関電力値が小さい方の受信信号を切替受信信号にするようにしたので、安定した復調動作を行っている一部のフィンガ回路が追従している受信信号に対してはハンドオフ前と同様に同期捕捉動作が継続的に行われ、その結果、この面からも、第1次切り替え動作中において復調動作が途切れる可能性は低くなる。
【0116】
なお、上記の動作説明例では、受信信号S10A及びS10Bに対するフィンガ数が等しい状態からのセクタ間ハンドオフ動作を説明したが、受信信号S10A及びS10Bに対するフィンガ数が不均等な状態からも当然にセクタ間ハンドオフを実行でき、第1次切り替え動作では、最大の相関電力値に係るハンドオフ元セクタの受信信号を継続受信信号とし、ハンドオフ元セクタの他の受信信号を切替受信信号とする。
【0117】
また、第2次切り替え動作時においては、一部のフィンガ回路は、切り替えられた受信信号に対する同期位置の割当動作が新たに行われて、復調動作が一旦停止するものの、他のフィンガ回路は復調動作を継続的に行っているため、全体での復調動作が途切れることがない。
【0118】
(C)他の実施形態
上記第1及び第2の実施形態の動作説明においては、第1次の切り替え動作において、選択受信信号が固定的に定まっているように説明したが、ハンドオフ先の複数の受信信号の中から、受信信号の強度などに応じて適応的に定めるようにしても良い。なお、第1の実施形態の場合において、第1次の切り替え動作における選択受信信号を固定的に定めた場合には、サーチャ入力セレクタ回路やフィンガ入力セレクタ回路への選択入力を図示のものより少なくすることができる。例えば、サーチャ入力セレクタ回路111に対して受信信号S10A及びS10Cだけを選択候補として入力するようにしても良い。
【0119】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、第1次の切り替え動作にいて切り替えた受信信号の同期捕捉ができない場合にはハンドオフ失敗とするものを示したが、ハンドオフ先セクタの他の受信信号に同期捕捉対象を切り替えて、第1次の切り替え動作をやり直すようにしても良い。
【0120】
さらに、上記第1及び第2の実施形態においては、1又は2個の受信信号に対してフィンガ数が2以上のレイク合成を行うものを示したが、各受信信号のそれぞれに対して1個の復調回路を備える基地局受信装置(レイク合成機能を有しない装置)に対しても本発明を適用することができる。
【0121】
さらにまた、上記第1及び第2の実施形態においては、コンバイナが復調信号の段階で選択合成を行うものを示したが、受信信号の段階で選択合成を行い、統合された受信信号に対して復調処理を行うようにしても良い。
【0122】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、基地局の管轄セルが2個のセクタに分かれている場合について示したが、3以上に分かれている場合に対しても本発明を適用することができる。この場合に、ハンドオフ元セクタとハンドオフ先セクタが定まっていれば、上記と同様に動作する。
【0123】
さらに、上記第1及び第2の実施形態においては、1セクタ当たりのアンテナ数が2本の場合を示したが、3本以上を備える基地局受信装置にも本発明を適用することができる。
【0124】
この場合において、サーチャ回路の数をアンテナ数と同数にすることができる。このようにした場合でも、セクタ間ハンドオフを2段階で行うようにしても良く、また、3段階以上で切り替えるようにしても良い。
【0125】
また、1セクタ当たりのアンテナ数が3本以上の場合において、サーチャ回路をアンテナ数より少ない複数個とすることもできる。すなわち、同一セクタに係る3以上の受信信号のうち、通常動作でも、2以上の受信信号を復調に利用するようにしても良い。
【0126】
さらに、第1の実施形態のようなフィンガ数に基づいて第1次切替動作での切替受信信号や継続受信信号を定めるという技術思想と、第2の実施形態のような相関電力値に基づいて第1次切替動作での切替受信信号や継続受信信号を定めるという技術思想とは相反する関係に有るものではなく、これを併用するようにしても良い。例えば、セクタ間ハンドオフ動作の指令時において、フィンガ数が異なっていれば、第1の実施形態で説明した技術思想を適用し、セクタ間ハンドオフ動作の指令時において、フィンガ数が同一であれば、第1の実施形態で説明した技術思想を適用し、第1次切替動作での切替受信信号や継続受信信号を定める用にしても良い。
【0127】
さらにまた、第1及び第2の実施形態のような多段階の切り替えによるセクタ間ハンドオフ方法は、セクタ間ハンドオフ時にのみ動作するサーチャ回路を有する基地局受信装置であっても適用可能なものである。
【0128】
また、上記第1及び第2の実施形態においては、本発明による基地局受信装置を、CDMA通信システムの基地局に適用しものを示したが、他の移動体通信システムに対しても本発明を適用することができる。すなわち、管轄セルが複数のセクタに分割され、各セクタについてのアンテナ数が2本以上である通信システムであれば、本発明を適用することができる。
【0129】
【発明の効果】
以上のように、本発明の基地局受信装置によれば、1セクタ当たりのアンテナ数に等しい数だけ、又は、それより少ないが複数設けられたサーチャ手段でセクタ間ハンドオフを実現でき、基地局受信装置の回路規模を小さくでき、また、ハンドオフ元セクタの受信信号から、ハンドオフ先セクタの受信信号への切り替えを多段階で行うようにしているので、切り替え動作の全区間を通じて、復調処理に供している少なくとも一部の受信信号は安定した良好なものとなっており、その結果、セクタ間ハンドオフ時での復調信号の良好な連続性を達成することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の基地局受信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】 セル及びセクタの説明図である。
【図3】 第1の実施形態でのセクタ間ハンドオフ動作を示すフローチャート(その1)である。
【図4】 第1の実施形態でのセクタ間ハンドオフ動作を示すフローチャート(その2)である。
【図5】 第2の実施形態の基地局受信装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】 第2の実施形態でのセクタ間ハンドオフ動作を示すフローチャート(その1)である。
【図7】 第1の実施形態でのセクタ間ハンドオフ動作を示すフローチャート(その2)である。
【符号の説明】
111、112…サーチャ入力セレクタ回路、
121、122…サーチャ回路、
131…制御回路、
141〜144…フィンガ入力セレクタ回路、
151〜154…フィンガ回路、
161…コンバイナ。

Claims (3)

  1. 自基地局の管轄セルが複数のセクタに分割されており、1セクタ当たりのアンテナ数が2本以上である基地局受信装置において、
    いずれかのアンテナに係る入力された受信信号に対して同期捕捉、追従動作を行う、1セクタ当たりのアンテナ数に等しい数だけ、又は、それより少ないが複数設けられたサーチャ手段と、
    異なるアンテナに係る複数の受信信号が入力され、サーチャ入力セレクト信号に応じてそのうちの1個の受信信号を選択して、対応する上記サーチャ手段に出力する複数のサーチャ入力セレクタ手段と、
    異なるアンテナに係る複数の受信信号を、上記サーチャ手段による同期捕捉、追従した結果を利用して復調処理して最終的な復調信号を得る復調手段と、
    セクタ間ハンドオフ動作を多段階の切り替え動作で実行するように上記各サーチャ入力セレクタ手段及び上記復調手段を制御するものであって、最終段階以前の切り替え段階の終了時では、一部のサーチャ手段に、ハンドオフ元セクタに係る受信信号が入力され、残りのサーチャ手段に、ハンドオフ先セクタに係る受信信号が入力されるように、上記各サーチャ入力セレクタ手段を制御すると共に、上記復調手段が、それら同期捕捉、追従対象の複数の受信信号から最終的な復調信号を得るように上記復調手段を制御する制御手段とを有し、
    上記復調手段は、最終的な復調信号を得るのに利用する複数の受信信号のそれぞれに対し、フィンガ数が不均等なレイク合成方法を適用しているものであり、
    上記制御手段は、ハンドオフ元セクタの複数の受信信号のうち、フィンガ数が少ない受信信号ほど、早い時期の切り替え段階でハンドオフ先セクタの受信信号に切り替える対象とする
    ことを特徴とする基地局受信装置。
  2. 自基地局の管轄セルが複数のセクタに分割されており、1セクタ当たりのアンテナ数が2本以上である基地局受信装置において、
    いずれかのアンテナに係る入力された受信信号に対して同期捕捉、追従動作を行う、1セクタ当たりのアンテナ数に等しい数だけ、又は、それより少ないが複数設けられたサーチャ手段と、
    異なるアンテナに係る複数の受信信号が入力され、サーチャ入力セレクト信号に応じてそのうちの1個の受信信号を選択して、対応する上記サーチャ手段に出力する複数のサーチャ入力セレクタ手段と、
    異なるアンテナに係る複数の受信信号を、上記サーチャ手段による同期捕捉、追従した結果を利用して復調処理して最終的な復調信号を得る復調手段と、
    セクタ間ハンドオフ動作を多段階の切り替え動作で実行するように上記各サーチャ入力セレクタ手段及び上記復調手段を制御するものであって、最終段階以前の切り替え段階の終了時では、一部のサーチャ手段に、ハンドオフ元セクタに係る受信信号が入力され、残りのサーチャ手段に、ハンドオフ先セクタに係る受信信号が入力されるように、上記各サーチャ入力セレクタ手段を制御すると共に、上記復調手段が、それら同期捕捉、追従対象の複数の受信信号から最終的な復調信号を得るように上記復調手段を制御する制御手段とを有し、
    上記復調手段は、最終的な復調信号を得るのに利用する複数の受信信号のそれぞれについて、復調精度への影響を示すパラメータを経て上記制御手段に与えるものであり、
    上記制御手段は、ハンドオフ元セクタの複数の受信信号のうち、復調精度への影響が良い受信信号ほど、遅い時期の切り替え段階でハンドオフ先セクタの受信信号に切り替える対象とする
    ことを特徴とする基地局受信装置。
  3. 移動局との通信方式がCDMA通信方式に従っていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基地局受信装置。
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