JP3740852B2 - Control device for electric power steering device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車速に関係なく希望するモータ制御特性を維持することができ、制御系の安定性を失うことがない電動パワーステアリング装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の電動パワ−ステアリング装置は、操向ハンドルの操作によりステアリングシャフトに発生する操舵トルクを検出すると共に、車速を検出し、これら検出信号に基づいてモ一夕を駆動して操向ハンドルの操舵力を補助するものである。このような電動式パワーステアリング装置の制御はコントロ−ルユニットで実行され、トルクセンサで検出された操舵トルク及び車速センサで検出された車速に基づいてモータに供給する電流の大きさを演算し、その演算結果に基づいてモータに供給する電流量を制御する。即ち、コントロ−ルユニットは、操向ハンドルが操作されて操舵トルクが発生しているときに、検出された車速が零あるいは低速の場合は大きな操舵補助力を供給し、検出された車速が速い場合は小さな操舵補助力を供給するように操向ハンドルの操舵力及び車速に応じて操舵補助指令値を設定し、モータに供給する電流を制御することで、走行状態に応じた最適な操舵補助力を与えることができる。更に、車速が速い場合には車両の安定感を増すように、モータ角速度に比例した値を操舵補助指令値より減算することにより疑似的な摩擦を与え、安定感を向上することが行なわれている。
【0003】
このような従来の制御装置では、操舵トルクや車速、モータ角速度などに基づいてモータ電流の制御目標値を演算し、演算結果であるモータ電流の制御目標値と、実際にモータに流れる電流の差が零になるように電流フィードバック制御が行なわれていた。かかる電流フィードバック制御システムでは、操舵トルクの変動を補償し、且つ高速応答特性が得られるように制御システムの設計が行なわれると共に、制御に必要なモータ角速度の情報を得るため、制御回路の出力と実際にモータに流れる電流の検出値とから操舵角速度を推定する手法が使用されていた(特開平3−176271号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような電流フィードバック制御システムにおいて、操舵角速度を推定するには電流フィードバック制御システムの応答特性を適度に遅くしなければならない。何故ならば、電流フィードバック制御システムの応答特性が速い場合は、モータに発生する逆起電力に迅速に応答して逆起電力を補償してしまい、角速度を推定するために必要な逆起電力を正確に検出することができなくなってしまうからである。このように、電流フィードバック制御システムでは、操向ハンドルの戻り特性を改善するために、逆起電力を補償するべく高速の応答特性を与えると角速度を推定することが困難になり、また、角速度を推定するために応答特性を適度に遅くすれば、操向ハンドルの戻り特性の改善や、操舵トルクの変動を十分に補償することができない結果となる。かかる問題は、実現できる周波数特性がサンプリング時間により制限されるデイジタル制御系では特に重大である。
【0005】
また、電動パワーステアリング装置の動作補償範囲は極めて広く、例えばバッテリ電圧、モータの端子間抵抗、モータトルク定数などの変動に対し、電流フィードバック制御システムの設計時の性能を維持することは非常に困難である。上記定数の変動があると、電流フィードバック制御システムの応答が遅くなるばかりでなく、制御システムの安定性を失い、発振動作を起こす恐れもある。電動パワーステアリング装置では据え切りや低車速では操舵の滑らかさが要求され、中速若しくは高速では制御の応答性を高めたすっきりした操舵感が要求される。一方、滑らかさを得るためには、電流制御の応答性を低く設定することが有利であり、すっきりした操舵感を得るためには、逆に電流制御の応答性を高く設定する必要がある。
【0006】
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、車速に関係なく希望するモ−タ制御特性を維持することができ、高速でも制御系の安定性を失うことがない電動パワーステアリング装置の制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ステアリングシヤフトに発生する操舵トルク信号に基づいてステアリング機構に操舵補助力を与えるモー夕の出力を制御するようになっている電動パワーステアリング装置の制御装置に関するもので、本発明の上記目的は、モータ出力の制御目標値である電流指令値を演算する演算手段と、前記電流指令値を車速に応じて近似微分し、減算器を経て前記モ−タに印加するフィ−ドフォワ−ド補償器と、前記モータに流れるモータ電流値を検出するモータ電流検出手段と、前記モータ電流値を入力とするモータ逆特性回路要素と、前記逆特性回路要素の出力及び前記減算器の出力の偏差値を入力してその出力を前記減算器に入力するフィルタとを設けることによって達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明による電動パワーステアリング装置の制御装置では、モータ出力の制御目標値である電流指令値を演算する演算手段と、前記電流指令値を車速に応じて近似微分し、減算器を経て前記モ−タに印加するフィ−ドフォワ−ド補償器と、前記モータに流れるモータ電流値を検出するモータ電流検出手段と、前記モータ電流値を入力とするモータ逆特性回路要素と、前記逆特性回路要素の出力及び前記減算器の出力の偏差値を入力してその出力を前記減算器に入力するフィルタとを具備する。そして、電流指令値とモータ電流値に基づいて、制御系の出力基準における所望のモータ制御特性と実際のモータ制御特性との差を演算してフィードバック制御する。このため、バッテリ電圧やモータの端子間抵抗、モータのトルク定数などの特性定数が変動しても、車速に関係なく希望するモータ制御特性を維持することができ、制御系の安定性を失うことがない。
【0009】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0010】
図1は、本発明を実施するに適した電動パワーステアリング装置の構成の概略を説明する図で、操向ハンドル1の軸2は減速ギア3、ユニバーサルジョイント4a及び4b、ピニオンラック機構5を経て操向車輪のタイロッド6に結合されている。軸2には操向ハンドル1の操舵トルクを検出するトルクセンサ10が設けられており、操向ハンドル1の操舵力を補助するモータ20がクラッチ21、減速ギア3を介して軸2に結合されている。パワーステアリング装置を制御するコントロ−ルユニット30には、バッテリ14からイグニションキ−11を経て電力が供給され、コントロ−ルユニット30は、トルクセンサ10で検出された操舵トルクTと車速センサ12で検出された車速Vとに基づいてアシスト指令の操舵補助指令値Iの演算を行ない、演算された操舵補助指令値Iに基づいてモータ20に供給する電流を制御する。クラッチ21はコントロ−ルユニット30でON/OFF制御され、通常の動作状態ではON(結合)されている。そして、コントロ−ルユニット30によりパワーステアリング装置が故障と判断された時、及びイグニションキ−11によりバッテリ14の電源(電圧Vb)がOFFとなっている時にOFF(切離)される。
【0011】
コントロ−ルユニット30は主としてCPUで構成されるが、そのCPU内部においてプログラムで実行される一般的な機能を示すと図2のようになる。例えば位相補償器31は独立したハードウエアとしての位相補償器を示すものではなく、CPUで実行される位相補償機能を示している。コントロ−ルユニット30の機能及び動作を説明すると、トルクセンサ10で検出されて入力される操舵トルクTは、操舵系の安定性を高めるために位相補償器31で位相補償され、位相補償された操舵トルクTAが操舵補助指令値演算器32に入力される。また、車速センサ12で検出された車速Vも操舵補助指令値演算器32に入力される。
【0012】
操舵補助指令値演算器32は、入力された操舵トルクTA、車速V及びモー夕角速度ωに基づいて所定の演算式により、モータ20に供給する電流の制御目標値である操舵補助電流指令値Iを車速Vをパラメ−タとして決定する。操舵補助電流指令値Iは減算器30Aに入力されると共に、応答速度を高めるためのフィードフォワ−ド系の微分補償器34に入力され、その比例出力は加算器30Bに入力され、減算器30Aの出力は比例演算器35及びフィ−ドフォワ−ド系の特性を改善するための積分演算器36に入力される。微分補償器34、比例演算器35及び積分演算器36の出力も加算器30Bに加算入力され、加算器30Bでの加算結果である電流制御値Eが、モータ駆動信号としてモ−タ駆動回路37に入力される。モ一夕20のモ−タ電流値iは減算器30Aに入力されてフィードバックされる。
【0013】
モータ駆動回路37の構成例を図3に示して説明すると、モータ駆動回路37は加算器30Bからの電流制御値Eに基づいて電界効果トランジスタ(FET)FET1〜FET4の各ゲートを開閉駆動するFETゲ一ト駆動回路371、FET1〜FET4で成るHブリッジ回路、FET1及びFET2のハイサイド側を駆動する昇圧電源372等で構成されている。FET1及びFET2は、電流制御値Eに基づいて決定されるデュ−ティ比D1のPWM(パルス幅変調)信号によってON/OFFされ、実際にモ−タ20に流れる電流iの大きさが制御される。FET3及びFET4は、デュ−ティ比D1の小さい領域では所定1次関数式(a,bを定数としてD2=a・D1+b)で定義されるデュ−ティ比D2のPWM信号で駆動され、デュ−ティ比D2も100%に達した以降、PWM信号の符号により決定されるモ−タ20の回転方向に応じてON/OFFされる。以上説明したコントロ−ルユニット30は、操向ハンドル1が操作されて操舵トルクTが発生しているときに、検出された操舵トルクTが大きく、車速Vが零あるいは低速の場合は操舵補助電流指令値Iを大きく設定し、検出された操舵トルクTが小さく、車速Vが高速の場合は操舵補助電流指令値Iを小さく設定するから、走行状態に応じた最適の操舵補助力を与えることができる。
【0014】
本発明を説明する前に、先ず従来の電流フィードバック制御について簡単に説明する。
【0015】
図4は従来のフィードバック制御系の構成を、図2に対応させて伝達関数で示すブロック図であり、微分補償器34の係数がKDS、比例演算器35の係数がKp、積分演算器36の係数がKtであることを示し、フィードバック制御部310は以上の回路要素と減算器30A、加算器30Bとにより構成されている。また、200は制御対象であるモータ20を示しており、201は比例定数Ka、201はモータ要素1/(L・s+R)(Lはモータ20のインダクタンス、Rはモータ20の内部抵抗、sはラプラス演算子)である。また、図4では、減算器321を介して制御対象の入力側に逆起電力KT・ω(KTはモータの逆起電力定数)が印加されているが、これはモータ20の回転により発生する逆起電力の影響を等価的に示すもので、モータ20の回転により発生する逆起電力が入力側の電流制御値Eに現れることを示している。角速度/角加速度推定手段320は、加算器30Bの出力及びモ−タ電流値iを入力として、角速度ω及び角加速度ωaを推定するようになっている。
【0016】
図4のフィードバック制御系では、操舵補助電流指令値Iを入力信号とし、この入力信号に制御対象であるモー夕20に流れるモータ電流値iをフィードバックして、両者の偏差信号の微分値、比例値及び槓分値を加算して電流制御値Eを得、この電流制御値Eにより制御対象であるモータ20を駆動している。しかし、この制御系ではモータの逆起電力KT・ωが電流制御値Eに現れるが、速い応答特性をもつフィードバック制御系の場合には、逆起電力KT・ωが補償されて実際よりも小さい値しか電流制御値Eに含まれない。このため、制御対象の入出力信号からモ−タ20の逆起電力KT・ωを検出し、検出信号に基づいて角速度ω及び角加速度ωaを推定する角速度/角加速度推定手段320を設けても、その推定が困難となる。
【0017】
そこで、本発明では、上記フィードバック制御系に代えて図5に示すロバスト制御系を構成し、車速Vに応じて制御系の応答特性を高めると同時にモータの逆起電力KT・ωの検出を可能とし、更にバッテリ電圧の変動や温度変化などの変動要素を補償して、上述した従来の不都合を解決している。
【0018】
図5は本発明のロバスト制御系の構成を図4に対応させて伝達関数で示しており、モ−タ200の比例定数Kaはバッテリの基準電圧VBSに対するその時点のバッテリの電圧VBAの比で、バッテリ電圧の変動により生じるPWM信号のデューティ比に対する印加電圧のゲインを表している。バッテリの電圧VBAが基準電圧VBSに等しい場合は比例定数Ka=1となる。フィードフォワード補償器330は、操舵補助電流指令値Iに対するモータ電流値iの応答特性を車速Vに応じて定義するための要素であり、減算器331は、フィードフォワード補償器330の出力U1から後述するフィルタ332の出力da´(s)を減算して偏差U2を得、偏差U2は減算器321及び333に入力される。減算器333の出力da(s)がフィルタ332を経て減算器331にフィードバックされて、これにより制御対象のモータ200がもつ変動分と、モータ200の回転により発生する逆起電力の変動分とは補償される。減算器321は、制御対象の入力側にモータ200の回転により発生する逆起電力KT・ωが偏差U2に加算されて電流制御値Eに現れることを示し、電流制御値Eに現れる逆起電力KT・ωの影響を等価的に示したものである。また、加算器334は測定ノイズや電流脈動ノイズなどのノイズξがモータ電流値iに加算され、フィードバックされる影響を等価的に示したものである。但し、以下の検討ではノイズξは無視するものとする。加算器334の出力はモータ逆特性回路要素335に入力され、モータ逆特性回路要素335の出力は減算器333に入力される。モータ逆特性回路要素335は希望するモータ特性の逆特性を示す回路要素で、本実施例ではモータ200の逆起電力の影響を防ぐ目的から、逆起電力の項を除いた電気的特性の数学モデルを採用して設計しており、L*はモータ200のインダクタンスの設計値、R*はモータ200の内部抵抗の設計値である。
【0019】
本発明のフィードフォワード補償器330は車速Vを入力し、車速Vをパラメ−タとして時定数T2を下記数1のように変化させる。
【0020】
【数1】
0<V<α のとき T2=t1
V≧α のとき T2=t2(≦t1)
ここにおいて、時定数T2を切り換えるとき、伝達関数1/(T2・s+1)の演算過程で不連続な符号を発生するため、連続的に切り換えるよう本発明では次の処理を行なう。即ち、伝達関数1/(T2・s+1)を離散化すると図6のようになり、図6において時定数T2を切り換えることは下記数2に対応する。
【0021】
【数2】
0<V<α のとき a1=a10,b0=b00
V≧α のとき a1=a11,b0=b01
時定数T2を切り換えたとき、W(k−1)は切り換える前に時定数T2を基に計算されているので、このままでは不連続な出力を発生する。従って、以下のように切り換える前の出力Y(k−1)を用いてW(k−1)を再定義し、このW(k−1)を用いてY(k)を演算することにより、不連続な信号の発生を防ぐことができる。
【0022】
図6より下記数3が成り立つ。
【0023】
【数3】
上記数3より、例えばV≧αとなったとき、Yk=b0{W(k)+W(k−1)}であり、a1=a11,b0=b01に変更し、a1=a11,b0=b01でU(k)を入力した場合、Y(k)となるように下記数4に従ってW(k−1)を計算する。
【0024】
【数4】
減算器333はモータ逆特性回路要素335の出力と減算器331からの偏差U2との差da(s)、即ち、制御器出力基準における希望するモータ制御特性と実際の制御特性の差を演算するものである。減算器333の出力da(s)は下記数5で表される。
【0025】
【数5】
上記数5より、減算器333の出力da(s)は制御対象の変動分と逆起電力の和であることが分かる。
【0026】
一方、フィルタ332は減算器333の出力da(s)をフィードバックする制御系の動作を安定させるために設けられ、その特性はQ(s)で表される。本実施例では1次のローパスフィルタを用いており、図5のブロックにおける特性Q(s)=1/(T1・s+1)は、伝達関数で表されたフィルタの特性Q(s)の一例を示している。このような特性Q(s)を有するフィルタ332の出力をフィードバックすることにより、制御対象の変動と逆起電力を押さえ、定義した数学モデルの特性と一致させるように構成されている。以下、これについて説明する。
【0027】
フィルタ332を通過してフィードバックされた場合、モータ電流値i(s)は下記数6で表される。
【0028】
【数6】
そして、上記数6におけるΔ(s)は下記数7で定義される。ここで、Δ(s)は数学モデルと実際の特性との差を乗法的摂動モデルを用いて表したときの摂動分である。尚、乗法的摂動モデルは、実際の特性が設計値による特性に乗法的誤差を加えて表される場合の誤差を示しており、これは下記数8となる。
【0029】
【数7】
【数8】
ここで、K/(L・s+R)は実際の特性、I/(L*・s+R*)は設計値の特性であり、数8を解くと数7になる。上記数5及び数7より、フィルタ332の特性Q(s)が近似的に1の場合は、モータ電流値i(s)は下記数9で表される。
【0030】
【数9】
数9の右辺には、モータ200のインダクタンスの設計値L*及び内部抵抗の設計値R*しか含まれていないため、特性Q(s)のフィルタのカットオフ周波数までは、特性Q(s)はほぼ1になるので、結局数9は制御対象の摂動分と逆起電力をほぼ完全に補償でき、且つ設計時の特性に一致させることができることを示している。
【0031】
一方、乗法的摂動を受ける制御系が安定であるための十分条件として、下記数10に示す最小ゲイン定埋がある。
【0032】
【数10】
|T(s)・Δ(s)|<1
ここで、T(s)は制御対象及びその数学モデルが一致しているときの相補感度関数、即ち、図5においてL*=L、R*=R、Ka=1のときの、ノイズξからモ−タ電流値iに至るまでの伝達特性である。本実施例ではT(s)=Q(s)であるから、下記数11になるように特性Q(s)のフィルタの時定数T1を決定すればよい。
【0033】
【数11】
|Q(s)・Δ(s)|<1
本実施例では、予想されるモータ200のインダクタンスL、内部抵抗R及び定数Kaの変動幅を考慮して数7で定義される摂動分Δ(s)の範囲を定め、摂動分Δ(s)の全範囲において上記数6が満たされるように特性Q(s)のフィルタの時定数T1を定めれば、ロバスト安定性を確保することができる。更に、フィルタの時定数T1は、ノイズξのモ−タ電流値iに及ぼす影響も考慮して決定することができる。即ち、ノイズξからモ−タ電流値iに至るまでの伝達特性はフィルタの特性Q(s)に等しいから、特性Q(s)のフィルタはノイズフィルタとしても動作することが分かる。従つて、ノイズξを考慮してフィルタの時定数T1を決定することによりノイズフィルタを省くことができ、コストを低減させることができる。
【0034】
以上の検討により、図5に示す制御系はフィルタ332の特性Q(s)のカットオフ周波数以下であれば、図6(A)に示す等価ブロック図で表すことができ、更に同図(B)のように簡略化して表すことができる。即ち、図5のフィードフォワード補償器330の特性式の分子に数学モデルの逆特性を与え、分母にフィルタ332の時定数T1よりも大きい時定数T2を与えることにより、時定数T2で定義される応答特性を実現することができる。
【0035】
次に、モータ角速度ω及びモータ角加速度ωaの推定値を演算する加速度/角加速度推定手段336について説明する。加速度/角加速度推定手段336はモータ角速度ω及びモータ角加速度ωaの推定値を演算して求める演算手段で、制御器出力基準における希望するモータ制御特性と実際の制御特性との差を演算する減算器333の出力da(s)がフィルタ332を通過した信号を入力とし、入力信号da(s)に含まれる角速度成分ωを求める。数5で示すように、減算器333の出力da(s)は制御対象の摂動分と逆起電力の和で表される。従つて、出力da(s)を用いてモータ角速度ωを推定するためには、制御対象の変動分を補償しなければならない。前述のように変動を受けるパラメータはインダクタンスL、内部抵抗R、比例定数Ka、逆起電力定数KTであり、本実施例では特にパラメータR、Ka、KTの変動分が数5の中で支配的である。そこで、パラメータR、Ka、KTを求めて補正すれば良い。比例定数Kaはバッテリの基準電圧VBSに対するその時点のバッテリの電圧VBAの比を表す比例定数であり、バッテリ電圧で変動する。また、内部抵抗R及びモータの逆起電力定数KTはモータの巻線温度により変動する。以下、パラメータR、Ka、KTの補正方法の一例について述べる。
【0036】
比例定数Kaは、メモリに記憶してあるバッテリの基準電圧VBSと検出したバッテリ電圧VBAとの比を演算して得ることができ、モータの内部抵抗R及び逆起電力定数KTは、温度の関数として以下の式で与えられる。即ち、内部抵抗R及び逆起電力定数KTはモータの巻線温度tを検出し、下記数12により演算して求めることができる。
【0037】
【数12】
R={1+0.002(t−t0)}・R*
KT={1+0.003(t−t0)}・KT*
ここで、t0は巻線の基準温度、R*及びKT*は基準温度
t0における内部抵抗及び逆起電力定数である。
【0038】
モータの角速度推定値ωは数5から得られるが、更に特性F(s)のロ一パスフィルタを通過させるものとして、下記数13により求めることができる。
【0039】
【数13】
上記数13では、特性F(s)のローパスフィルタのカットオフ周波数を、ノイズξと(L*−L/K)・i(s)の項の周波数帯域に対して十分に低く設定しているため、ノイズξと(L*−L/K)・i(s)の項は省略している。尚、モータの角加速度ωaを推定したい場合は、モータの角速度推定値ωを微分して得ることができる。
【0040】
以上のように制御系を構成することにより、次のような利点がある。即ち、本発明の制御系ではモータの角速度ωの情報を含む減算器333の出力da(s)を求め、それをフィードバックすることによりモ一夕電圧の制御を行なっている。従って、出力da(s)を求める過程で、例えば従来の電流フィードバック制御系のようにda(s)の値を変化させるような要素がないため、正確なモータの角速度ωを推定することができる。
【0041】
一方、従来の電流フィードバック制御系における操舵トルクの変動、即ちモー夕電流値の変動については、数6及び数10で示されるように補償される。また、応答性の速さについては、図7で示すように特性Q(s)のフィルタの時定数T1よりも大きい時定数T2で定める任意の範囲で設定することができ、実用上十分な応答特性を実現することができる。更に、従来の電流フィードバック制御系とは異なり、数10で示したようにバッテリ電圧、モータ端子間抵抗、モータトルクの変動に対し、特性Q(s)のフィルタのカットオフ周波数までは設計性能を維持し、且つ数10で示したように安全性も確保できるという利点を有する。
【0042】
次に、上記制御系をCPUで実現する場合の処理について説明する。上記制御系をCPUで実現する手段は複数考えられるが、ここではブロック毎に実現する方法について説明する。
【0043】
まず、図5に示すブロック図を図8に示す等価ブロック図に置き換え、これを離散時間系に変換すべくz変換を行なう。例えばhをサンプリング時間として、伝達関数sはs=2/h・(z−1)/(z+1)と表すことができる。上記s(=2/h・(z−1)/(z+1))を図8に示す等価ブロック図の伝達関数に代入する。この結果、例えば、da´(s)/da(s)=1/(T1(s)十1)は
【数14】
da´(z−1)/da(z−1)
=(b1+b2・z−1)/(1十a2・z−1)
と表すことができる。ここで、z−1は1サンプル遅れのオペレータと解釈できるから、z変換後の式から公知の方法によりプログラムで記述可能な式を導く。例えば、下記数15と表すことができる。
【0044】
【数15】
da´(z−1)=bl・da(k)+b2・da(k−1)
−a1・da´(k−1)
ここで、kはk番目のサンプル、k−1はk−1番目のサンプル
を表す。
【0045】
他のブロックについても同様の変換を行なう。
【0046】
【発明の効果】
上述のように本発明の電動パワーステアリング装置の制御装置は、制御系に入力される電流指令値と出力であるモータ電流値に基づいて、制御器出力基準における希望するモータ制御特性(モータの設計特性)と実際のモータ制御特性との差を演算し、その差を補正するようにフィードバックするものであるから、バッテリ電圧やモータの端子間抵抗、モータのトルク定数などの特性定数が温度その他の環境の変化等により変動しても、希望するモータ制御特性を維持することができ、制御性の安定性を失うこともない。
【0047】
そして、従来のフィードバック制御系のように、検出されたモータ電流値を制御器の入力側に直接フィードバックするものでないから、制御系の応答特性を下げることなく確実にモータの角速度や角加速度を推定することができる。さらに、制御器自体がノイズフィルタとして機能するから、モータ電流検出回路から紛れ込む測定ノイズを除くためのノイズフィルタを省くことができるなど、従来の制御装置には見られない顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】電動式パワーステアリング装置の一般的構成を示す図である。
【図2】コントロ−ルユニットの構成例を示すブロック図である。
【図3】モ−タ駆動回路の構成例を示す結線図である。
【図4】従来のフィ−ドバック制御系のブロック図である。
【図5】本発明の一実施例を示すブロック図である。
【図6】本発明による時定数の切り換えを説明するための図である。
【図7】図5の等価回路の伝達関数によるブロック図である。
【図8】図5の等価回路のブロック図である。
【符号の説明】
1 操向ハンドル
10 トルクセンサ
20、200 モ−タ
30 コントロ−ルユニット
31 位相補償器
37 モータ駆動回路
32 操舵補助電流指令値演算器
330 フィードフォワード補償器
332 フィルタ
335 モータ逆特性回路要素
320、336 角速度/角加速度推定手段[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a control device for an electric power steering device that can maintain desired motor control characteristics regardless of vehicle speed and does not lose the stability of a control system.
[0002]
[Prior art]
An electric power steering apparatus for a vehicle detects a steering torque generated in a steering shaft by operating a steering handle, detects a vehicle speed, and drives the motor based on these detection signals to drive the steering handle. It assists the steering force. Such control of the electric power steering apparatus is executed by the control unit, and the magnitude of the current supplied to the motor is calculated based on the steering torque detected by the torque sensor and the vehicle speed detected by the vehicle speed sensor. The amount of current supplied to the motor is controlled based on the calculation result. That is, when the steering wheel is operated and steering torque is generated, the control unit supplies a large steering assist force when the detected vehicle speed is zero or low, and the detected vehicle speed is high. The steering assist command value is set according to the steering force of the steering wheel and the vehicle speed so as to supply a small steering assist force, and the current supplied to the motor is controlled, so that the optimum steering assist force according to the driving state is set. Can be given. Furthermore, in order to increase the vehicle stability when the vehicle speed is high, by subtracting a value proportional to the motor angular speed from the steering assist command value, pseudo friction is given to improve the stability. Yes.
[0003]
In such a conventional control device, the control target value of the motor current is calculated based on the steering torque, the vehicle speed, the motor angular velocity, etc., and the difference between the control target value of the motor current as the calculation result and the current actually flowing to the motor is calculated. Current feedback control is performed so that becomes zero. In such a current feedback control system, the control system is designed so as to compensate for fluctuations in the steering torque and to obtain a high-speed response characteristic, and to obtain information on the motor angular speed necessary for control, A method of estimating the steering angular velocity from the detected value of the current actually flowing through the motor has been used (Japanese Patent Laid-Open No. 3-176271).
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the current feedback control system as described above, in order to estimate the steering angular velocity, the response characteristic of the current feedback control system must be moderately delayed. This is because when the response characteristic of the current feedback control system is fast, the counter electromotive force is compensated by quickly responding to the counter electromotive force generated in the motor, and the back electromotive force necessary for estimating the angular velocity is reduced. This is because it cannot be detected accurately. As described above, in the current feedback control system, in order to improve the return characteristic of the steering handle, it is difficult to estimate the angular velocity if a high-speed response characteristic is given to compensate for the back electromotive force. If the response characteristic is moderately delayed for estimation, the return characteristic of the steering wheel cannot be improved and the fluctuation of the steering torque cannot be sufficiently compensated. Such a problem is particularly serious in a digital control system in which the frequency characteristics that can be realized are limited by the sampling time.
[0005]
In addition, the operation compensation range of the electric power steering device is extremely wide. For example, it is very difficult to maintain the performance at the time of designing the current feedback control system against fluctuations in the battery voltage, the resistance between the terminals of the motor, the motor torque constant, etc. It is. If the constant varies, not only will the response of the current feedback control system become slow, but the stability of the control system may be lost and oscillation operation may occur. The electric power steering device requires smooth steering at a stationary or low vehicle speed, and requires a clear steering feeling with improved control response at medium or high speed. On the other hand, in order to obtain smoothness, it is advantageous to set the current control response low, and in order to obtain a clear steering feeling, it is necessary to set the current control response high.
[0006]
The present invention has been made under the circumstances described above, and an object of the present invention is to maintain a desired motor control characteristic regardless of the vehicle speed, and to lose the stability of the control system even at a high speed. There is no need to provide a control device for an electric power steering device.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a control device for an electric power steering apparatus configured to control the output of a motor that applies a steering assist force to a steering mechanism based on a steering torque signal generated in a steering shaft. The purpose is to calculate a current command value that is a control target value of the motor output, and a feed forward that approximates the current command value according to the vehicle speed and applies it to the motor via a subtractor. Compensator, motor current detecting means for detecting a motor current value flowing through the motor, a motor reverse characteristic circuit element that receives the motor current value as input, and a deviation between the output of the reverse characteristic circuit element and the output of the subtractor This is achieved by providing a filter that inputs a value and inputs its output to the subtractor.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In the control device for the electric power steering apparatus according to the present invention, the current command value which is a control target value of the motor output, the current command value is approximately differentiated according to the vehicle speed, and the mode is passed through the subtractor. A feedforward compensator to be applied to the motor, a motor current detecting means for detecting a motor current value flowing through the motor, a motor reverse characteristic circuit element having the motor current value as an input, and the reverse characteristic circuit element A filter for inputting an output and a deviation value of the output of the subtractor and inputting the output to the subtractor. Then, based on the current command value and the motor current value, the difference between the desired motor control characteristic and the actual motor control characteristic in the output reference of the control system is calculated and feedback controlled. Therefore, even if characteristic constants such as battery voltage, motor terminal resistance, and motor torque constant fluctuate, the desired motor control characteristics can be maintained regardless of the vehicle speed, and the stability of the control system is lost. There is no.
[0009]
Examples of the present invention will be described below.
[0010]
FIG. 1 is a diagram for explaining the outline of the configuration of an electric power steering apparatus suitable for carrying out the present invention. It is connected to the
[0011]
The
[0012]
The steering assist
[0013]
A configuration example of the
[0014]
Prior to describing the present invention, first, conventional current feedback control will be briefly described.
[0015]
FIG. 4 is a block diagram showing the structure of a conventional feedback control system as a transfer function corresponding to FIG. 2, and the coefficient of the
[0016]
In the feedback control system of FIG. 4, the steering assist current command value I is used as an input signal, and the motor current value i flowing in the
[0017]
Therefore, in the present invention, a robust control system shown in FIG. 5 is configured in place of the feedback control system, and the response characteristic of the control system is enhanced according to the vehicle speed V, and at the same time, the back electromotive force K of the motor. T The detection of ω is possible, and the above-mentioned conventional disadvantages are solved by compensating for fluctuation factors such as battery voltage fluctuation and temperature change.
[0018]
FIG. 5 shows the structure of the robust control system of the present invention as a transfer function corresponding to FIG. 4, and the proportionality constant Ka of the
[0019]
The
[0020]
[Expression 1]
When 0 <V <α T2 = t1
When V ≧ α T2 = t2 (≦ t1)
Here, when the time constant T2 is switched, a discontinuous code is generated in the calculation process of the
[0021]
[Expression 2]
When 0 <V <α a1 = a10, b0 = b00
When V ≧ α a1 = a11, b0 = b01
When the time constant T2 is switched, W (k-1) is calculated based on the time constant T2 before switching, so that a discontinuous output is generated as it is. Therefore, by redefining W (k-1) using the output Y (k-1) before switching as follows and calculating Y (k) using this W (k-1), Generation of discontinuous signals can be prevented.
[0022]
From FIG. 6, the following
[0023]
[Equation 3]
From the
[0024]
[Expression 4]
The subtracter 333 calculates the difference da (s) between the output of the motor inverse
[0025]
[Equation 5]
From the
[0026]
On the other hand, the
[0027]
When fed back through the
[0028]
[Formula 6]
And Δ (s) in the
[0029]
[Expression 7]
[Equation 8]
Here, K / (L · s + R) is an actual characteristic, and I / (L * · s + R *) is a characteristic of a design value. From the
[0030]
[Equation 9]
Since the right side of Equation 9 includes only the design value L * of the inductance of the
[0031]
On the other hand, as a sufficient condition for a control system that is subject to multiplicative perturbation to be stable, there is a minimum gain fixed filling as shown in the following
[0032]
[Expression 10]
| T (s) · Δ (s) | <1
Here, T (s) is a complementary sensitivity function when the controlled object and its mathematical model match, that is, from the noise ξ when L * = L, R * = R, and Ka = 1 in FIG. This is the transfer characteristic up to the motor current value i. In this embodiment, since T (s) = Q (s), the time constant T1 of the filter having the characteristic Q (s) may be determined so as to satisfy the following formula 11.
[0033]
## EQU11 ##
| Q (s) · Δ (s) | <1
In this embodiment, the range of perturbation Δ (s) defined by Equation 7 is determined in consideration of the expected fluctuation range of the inductance L, internal resistance R, and constant Ka of the
[0034]
From the above examination, if the control system shown in FIG. 5 is below the cutoff frequency of the characteristic Q (s) of the
[0035]
Next, the acceleration / angular acceleration estimation means 336 for calculating estimated values of the motor angular velocity ω and the motor angular acceleration ωa will be described. The acceleration / angular acceleration estimation means 336 is an arithmetic means for calculating the estimated values of the motor angular velocity ω and the motor angular acceleration ωa, and is a subtraction for calculating the difference between the desired motor control characteristic and the actual control characteristic in the controller output standard. A signal obtained by passing the output da (s) of the filter 333 through the
[0036]
The proportionality constant Ka is the battery reference voltage V stored in the memory. BS Detected battery voltage V BA The motor internal resistance R and the counter electromotive force constant K T Is given by the following equation as a function of temperature. That is, the internal resistance R and the back electromotive force constant K T Can be obtained by detecting the winding temperature t of the motor and calculating the following equation (12).
[0037]
[Expression 12]
R = {1 + 0.002 (t−t0)} · R *
K T = {1 + 0.003 (t−t0)} · K T *
Where t0 is the reference temperature of the winding, R * and K T * Reference temperature
It is an internal resistance and a counter electromotive force constant at t0.
[0038]
The estimated angular velocity value ω of the motor can be obtained from the following equation (5). Further, it can be obtained by the following equation (13) as passing through a low-pass filter having the characteristic F (s).
[0039]
[Formula 13]
In the above equation 13, the cutoff frequency of the low-pass filter having the characteristic F (s) is set sufficiently low with respect to the noise ξ and the frequency band of (L * −L / K) · i (s). Therefore, the terms of noise ξ and (L * −L / K) · i (s) are omitted. When it is desired to estimate the angular acceleration ωa of the motor, it can be obtained by differentiating the estimated angular velocity value ω of the motor.
[0040]
By configuring the control system as described above, there are the following advantages. That is, the control system of the present invention obtains the output da (s) of the subtracter 333 including information on the angular velocity ω of the motor and feeds it back to control the voltage. Therefore, since there is no element that changes the value of da (s) in the process of obtaining the output da (s), for example, unlike the conventional current feedback control system, the accurate angular velocity ω of the motor can be estimated. .
[0041]
On the other hand, the fluctuation of the steering torque in the conventional current feedback control system, that is, the fluctuation of the motor current value is compensated as shown in the equations (6) and (10). Further, as shown in FIG. 7, the speed of response can be set within an arbitrary range determined by a time constant T2 larger than the time constant T1 of the filter of the characteristic Q (s), and a response sufficient for practical use. Characteristics can be realized. Furthermore, unlike the conventional current feedback control system, the design performance is improved up to the cutoff frequency of the filter of the characteristic Q (s) with respect to fluctuations in battery voltage, motor terminal resistance, and motor torque as shown in equation (10). This is advantageous in that it can be maintained and safety can be ensured as shown in
[0042]
Next, processing when the control system is realized by a CPU will be described. There can be a plurality of means for realizing the control system with a CPU. Here, a method for realizing each control block will be described.
[0043]
First, the block diagram shown in FIG. 5 is replaced with the equivalent block diagram shown in FIG. 8, and z conversion is performed to convert this into a discrete time system. For example, the transfer function s can be expressed as s = 2 / h · (z−1) / (z + 1), where h is the sampling time. The above s (= 2 / h · (z−1) / (z + 1)) is substituted into the transfer function of the equivalent block diagram shown in FIG. As a result, for example, da ′ (s) / da (s) = 1 / (T1 (s) +11) is
[Expression 14]
da '(z-1) / da (z-1)
= (B1 + b2 · z-1) / (10 + a2 · z-1)
It can be expressed as. Here, since z-1 can be interpreted as an operator with a delay of one sample, an equation that can be described by a program is derived from the equation after z conversion by a known method. For example, it can be expressed as the following formula 15.
[0044]
[Expression 15]
da ′ (z−1) = bl · da (k) + b2 · da (k−1)
-A1 · da '(k-1)
Where k is the kth sample and k-1 is the k-1th sample.
Represents.
[0045]
Similar conversion is performed for other blocks.
[0046]
【The invention's effect】
As described above, the control device for the electric power steering apparatus according to the present invention is based on the current command value input to the control system and the output motor current value, and the desired motor control characteristic (motor design) in the controller output standard. Characteristic) and the actual motor control characteristics, and feedback is performed to correct the difference. Therefore, characteristics constants such as battery voltage, resistance between motor terminals, and torque constant of the motor Even if it fluctuates due to environmental changes or the like, the desired motor control characteristics can be maintained, and the stability of controllability is not lost.
[0047]
And unlike the conventional feedback control system, the detected motor current value is not directly fed back to the input side of the controller, so the angular velocity and angular acceleration of the motor are reliably estimated without degrading the response characteristic of the control system. can do. In addition, since the controller itself functions as a noise filter, it is possible to omit a noise filter for removing measurement noise mixed in from the motor current detection circuit.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a general configuration of an electric power steering apparatus.
FIG. 2 is a block diagram illustrating a configuration example of a control unit.
FIG. 3 is a connection diagram illustrating a configuration example of a motor drive circuit.
FIG. 4 is a block diagram of a conventional feedback control system.
FIG. 5 is a block diagram showing an embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a diagram for explaining switching of a time constant according to the present invention.
7 is a block diagram of a transfer function of the equivalent circuit of FIG.
8 is a block diagram of the equivalent circuit of FIG.
[Explanation of symbols]
1 Steering handle
10 Torque sensor
20,200 motor
30 control units
31 Phase compensator
37 Motor drive circuit
32 Steering assist current command value calculator
330 Feedforward Compensator
332 filters
335 Motor reverse characteristic circuit element
320, 336 Angular velocity / angular acceleration estimating means
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