JP3740665B2 - 熱交換部品の製造方法並びに製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の目的】
【産業上の利用分野】
本発明はマイクロプロセッサやインバータ等の放熱を促す金属製の熱交換部品の製造方法並びに製造装置に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
集積回路など電子部品用の熱交換部品としては、金属製の基板部上に多数の放熱突起を形成したものがあり、これら突起物によって放熱作用面積の増大を図るようにしている。
ところでこのような熱交換部品の製造手法としては、精密性や生産効率において塑性加工によるものが優れる。
【0003】
塑性加工による熱交換部品の製造手段としては、例えば本発明者がすでに提案している特願平7−21212号に示されるものがある。このものは図12(a)に示すように、放熱突起成形型2′によって掴持型4′等により保持された出発素材(金属素材W′)を押圧し、成形孔21′内に出発素材(金属素材W′)の一部を絞り込み基板部H1′の表面に放熱突起H2′を多数成形するものであって、このような熱交換部品の製造手段を採ると、例えば細く長い放熱突起H2′を形成できる。
【0004】
しかし、このような熱交換部品の製造手段によって、上述したような方法により成形を行うと、放熱突起成形型2′の外壁面と成形孔21′との間の厚み寸法が極めて薄くなってしまい且つその高さは放熱突起H2′の高さより高くなってしまうため、圧力をかけた際に損傷がしやすく、また型の寿命が短くなるという欠点があった。特にこのような欠点は図12(b)に示すような翼板状の放熱突起H2′を形成する放熱突起成形型2′の場合に顕著に表れる。
そこで、図12(c)に示すように放熱突起成形型2′の外壁面を厚くなるように形成すれば、このような型の損傷等は生じなくなるが、単に外壁面を厚くしたのでは、同一面積上に成形される放熱突起H2′の本数が少なくなり、これでは狭い面積上により多数の放熱突起H2′を形成するという根本的なこの種の熱交換部品の技術目標に反する。
【0005】
【開発を試みた技術的事項】
本発明はこのような背景からなされたものであって、成形される放熱突起の本数等を減らすことなく、放熱突起成形型の外壁部分の損傷を無くし、また放熱突起成形型の型寿命を延ばす熱交換部品の製造方法並びに製造装置の開発を試みたものである。
【0006】
【発明の構成】
【目的達成の手段】
すなわち請求項1記載の熱交換部品の製造方法は、放熱突起を成形するための多数の成形孔が穿孔された成形孔部、及びこの成形孔部の周囲に設けられ成形時に掴持型に当接し、且つ外面方向にかかる圧力に対し耐え得る補強壁部から成る放熱突起成形型と、この放熱突起成形型と同一方向に移動自在に係止されるとともに、放熱突起成形型の押圧反対方向に付勢される掴持型、及びこの掴持型内を摺動して製品素材を押し出す押出型から成り金属製のブロック状の出発素材を保持する保持型とを用い、基板部の表面に多数の放熱突起が形成される熱交換部品を塑性加工により成形する製造方法において、出発素材を押出型に載置した後放熱突起成形型を保持型方向へ移動し、補強壁部を掴持型に当接して掴持型を放熱突起成形型の押圧方向へ摺動させながら成形孔部を出発素材に押し当てて圧縮することにより出発素材の一部を成形孔内に絞り込み、放熱突起を成形することを特徴として成るものである。
【0007】
更に請求項2記載の熱交換部品の製造方法は、前記請求項1記載の要件に加え、前記放熱突起成形型の成形孔部の成形孔は、絞り部と、この絞り部の奥方に在りこの絞り部よりは大きな孔径の拡開部とから成り、成形終了時に放熱突起の先端が当接しない余剰スペースを有していることを特徴として成るものである。
【0008】
更にまた請求項3記載の熱交換部品の製造方法は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記放熱突起成形型の押圧面には、各成形孔を個別に仕切る仕切リブが形成されていることを特徴として成るものである。
【0009】
更にまた請求項4記載の熱交換部品の製造方法は、前記請求項1または2記載の要件に加え、前記放熱突起成形型の押圧面には、各成形孔を個別に仕切る案内溝が形成されていることを特徴として成るものである。
【0010】
更にまた請求項5記載の熱交換部品の製造装置は、金属製のブロック状の出発素材を保持する保持型と、この保持型に対向し、放熱突起を成形するための成形孔を多数有する放熱突起成形型とを具え、基板部の表面に多数の放熱突起が形成される熱交換部品を塑性加工により成形するための製造装置において、前記保持型は保持凹部を有する掴持型と、この掴持型内を摺動して製品素材を押し出す押出型とから成り、前記掴持型は前記放熱突起成形型の移動方向と同一方向に移動自在に係止されるとともに、放熱突起成形型の押圧反対方向に付勢されており、更に前記放熱突起成形型は、多数の成形孔が穿孔された成形孔部と、この成形孔部の周囲に設けられ成形時に前記掴持型に当接し、且つ外面方向にかかる圧力に対し耐え得る補強壁部とから成ることを特徴として成るものである。
【0011】
更にまた請求項6記載の熱交換部品の製造装置は、前記請求項5記載の要件に加え、前記放熱突起成形型の成形孔部の成形孔は、絞り部と、この絞り部の奥方に在りこの絞り部よりは大きな孔径の拡開部とから成り、成形終了時に放熱突起の先端が当接しない余剰スペースを有していることを特徴として成るものである。
【0012】
更にまた請求項7記載の熱交換部品の製造装置は、前記請求項5または6記載の要件に加え、前記放熱突起成形型の押圧面には、各成形孔を個別に仕切る仕切リブが形成されていることを特徴として成るものである。
【0013】
更にまた請求項8記載の熱交換部品の製造装置は、前記請求項5または6記載の要件に加え、前記放熱突起成形型の押圧面には、各成形孔を個別に仕切る案内溝が形成されていることを特徴として成るものである。
これら発明により前記目的を達成しようとするものである。
【0014】
【発明の作用】
請求項1、5記載の熱交換部品の製造方法並びに製造装置によれば、放熱突起成形型の成形孔部の周囲に補強壁部が設けられ肉厚が厚いため、強度性に優れ、加工時に破損するようなことが極めて少ない。またこの補強壁部は出発素材に当接せず、掴持型に当接してこの掴持型を押すようにして移動し、出発素材には成形孔部のみが当接する。従って基板部の縁付近にまで目一杯放熱突起が形成できるものであって、型の強度性を保つために放熱突起の本数を減らさなければならないなどの放熱作用面積を減少させる必要がない。
【0015】
請求項2、6記載の熱交換部品の製造方法並びに製造装置によれば、成形孔における絞り部のみが出発素材、製品素材、そして出発素材から製品素材に至るまでの中間素材(以下これらを特に区別して指さない場合には、総称して金属素材と呼称する)に接触し、拡開部は接触しないため、放熱突起の成形時に金属素材から受ける抵抗が従来の塑性加工に比べて非常に少ない。従って、基板部に対し細くて断面が複雑なものなど精巧な放熱突起を単位面積当たりに多数本塑性成形することもできる。
また放熱突起成形型の成形孔は成形終了時に放熱突起の先端が当接しない余剰スペースを有しているため、従来の密閉型の手法のように遅く成形される放熱突起のために大きな成形加圧を必要とせず、遅く成形される放熱突起以外の放熱突起にとっては不必要に充満密着されることもなく、型部材の負荷が小さい。また出発素材の体積誤差や素材硬度、また放熱突起成形型等の作製誤差や成形のための潤滑膜の不均一などが従来ほど問題とならない。
【0016】
請求項3、7記載の熱交換部品の製造方法及び製造装置によれば、放熱突起成形型の押圧面における各成形孔の周縁には、これらを個別に仕切る仕切リブが形成されているため、出発素材が抵抗の少ない成形孔の方へ不規則に流れ込むことがない。従って放熱突起の長さが不揃いとならない。
【0017】
請求項4、8記載の熱交換部品の製造方法及び製造装置によれば、放熱突起成形型の押圧面における各成形孔の周縁には、これらを個別に仕切る案内溝が形成されているため、押圧面が平坦なものと比べて出発素材の表面に設けられる潤滑材の流動が全体的に規制される。また案内溝の案内傾斜面を徐々に潤滑材が移動して成形孔内に送り出されるため、特に長い放熱突起を形成する場合に成形初期時に成形孔内に流れ過ぎて、成形完了前に潤滑不足となるようなことがない。従って放熱突起の成形が成形初期時から成形完了時まで常にスムーズに行われ、放熱突起の長さも不揃いとならない。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の熱交換部品の製造方法並びに製造装置について図面に基づいて具体的に説明する。なお以下の説明にあたっては、まず熱交換部品Hについて説明し、次いでこのような熱交換部品Hを成形するのに使用される本発明の熱交換部品の製造装置1について説明する。そしてその後、このような熱交換部品の製造装置1の作用状態を説明しながら併せて本発明の熱交換部品の製造方法について説明する。
なお本発明においては、前記熱交換部品の製造装置1で成形を全く施していない状態の金属製の材料を出発素材W0 、加工途中のものを中間素材W1 、成形が終了した時点のものを製品素材W2 と定義する。そしてこれらすべてを特に区別して説明しない場合には金属素材Wと総称する。また製品素材W2 の放熱突起H2の上端を適宜切り揃え、全体にアルマイトまたはメッキ等の表面処理を施したもの、あるいはこのような加工処理を行わない製品素材W2 そのままのものを含んで熱交換部品Hと呼称する。
【0019】
まず図1に示すものは、熱交換部品Hの使用状態を示すもので、発熱が著しい電子部品Eを基板部H1にて支持して配線用基板B上に取り付けられている。このように熱交換部品Hは電子部品Eを支持することにより電子部品Eから発生する熱を放熱して電子部品Eの冷却を図っている。
【0020】
熱交換部品Hについて詳細に述べると、図2、3に示すように矩形状の基板部H1上に多数の翼板状の放熱突起H2がほぼ垂直に立ち上がるように塑性成形されている。因みにこの熱交換部品Hはアルミニウムから成り、基板部H1の放熱突起H2の形成された面は縦が60mm、横が60mmで、面積が3600mm2 である。また放熱突起H2は、一例として一本が中心厚さ1mm、幅9mm、長さ26mmで、合計100本形成されている。
熱交換部品Hは以上のように放熱突起H2の単位面積当たりの本数が多くて表面積が大きいため、放熱作用面積が大きい。従って支持した電子部品Eの放熱作用に非常に優れる。
【0021】
次にこのような熱交換部品Hを成形するに際し、使用される本発明の熱交換部品の製造装置1について説明する。熱交換部品の製造装置1は、図4に示すように出発素材W0 を押圧して放熱突起H2を成形する放熱突起成形型2と、前記出発素材W0 を保持する保持型3とを具備して成る。
【0022】
まず放熱突起成形型2について説明する。放熱突起成形型2は、放熱突起H2を成形するための成形孔21を多数有した成形孔部2Aと、この成形孔部2Aの周囲に設けられる補強壁部2Bとを具えて成る。
成形孔部2Aは、金属ブロックに多数の成形孔21が穿孔されて成るものである。成形孔21は図4の拡大図に示すように出発素材W0 に最初に当接する側(図4(a)において下方)が、放熱突起H2の径を設定するための偏平円筒形状の絞り部21Aとなっている。そしてこの絞り部21Aの奥方(図4(a)において上方)が、絞り部21Aより孔径の大きい拡開部21Bとなっている。なおこの絞り部21Aの横断面形状は、本実施例では図1〜3で示される熱交換部品Hの放熱突起H2の横断面形状に合わせて翼板形状としたが、円形や四角形また三角形など成形したい放熱突起H2の形状に応じて、種々改変されるものである。
【0023】
また図4(b)(c)の拡大図に示すように、放熱突起成形型2の成形孔21の周縁の押圧面22には、これら成形孔21を個別に仕切る仕切リブ23が形成されている。この仕切リブ23は、各成形孔21内へ出発素材W0 及び中間素材W1 の一部が均等に流れ込むようにするものである。このような仕切リブ23を設けることによって、出発素材W0 及び中間素材W1 の抵抗の少ない方へ流れ込むという性質が規制され、放熱突起H2の長さが揃う。
【0024】
また長さの長い放熱突起H2を成形する場合に、出発素材W0 の表面に塗布した潤滑材が成形初期時に成形孔へ多量に流れ込み、成形完了前に潤滑不足となって成形後半にスムーズな成形が行われないということがあった。
そこでこのような場合には、図5に示すように放熱突起成形型2の成形孔21の周縁の押圧面22に、これら成形孔21を個別に仕切る案内溝24を形成しておいてもよい。なおこの案内溝24の案内傾斜面24aは、傾斜角度が1〜5°の範囲内に設定することが好ましい。
このように案内溝24を形成しておくと、まず押圧面22が平坦なものと比べて潤滑材、出発素材W0 及び中間素材W1 の成形孔21への不均等な流れ込みが規制される。そして加圧とともに案内溝24の案内傾斜面24aを徐々に潤滑材が移動して成形孔21内に送り出されるため、特に長い放熱突起H2を形成する場合に成形初期時に成形孔21内に流れ過ぎて、成形完了前に潤滑不足となるようなことがない。従って放熱突起H2の成形が成形初期時から成形完了時まで常にスムーズに行われ、放熱突起H2の長さも不揃いとならない。
【0025】
次に補強壁部2Bについて説明する。補強壁部2Bは上記成形孔部2Aを囲うように形成されるもので、成形時に成形孔部2Aにかかる外面方向の圧力に耐え得るようにし、放熱突起成形型2の破損を防ぐためのものである。この補強壁部2Bは、成形時に出発素材W0 には当接せず、後述する保持型3の掴持型4にのみ当接する。なお図4(a)に示す補強壁部2Bは、一例として保持型3から見て成形孔部2Aよりも後退させて形成しているが、成形孔部2Aと補強壁部2Bの前端面(図4(a)において下面)は、このように段状に形成せず、フラットになるように形成しておいても構わない。
【0026】
次に保持型3について説明する。保持型3は、掴持型4と押出型5とから成る。
掴持型4は出発素材W0 の側面を保持するものであって、前記放熱突起成形型2の移動方向、すなわち図4(a)において上下方向に適宜の部材によって摺動自在に係止されている。そして、一例としてコイルスプリング11を適用した付勢部材により放熱突起成形型2の押圧反対方向、すなわち図4(a)において上方に付勢されている。なおこの付勢部材としては油圧やエア等のシリンダを適用することができるし、図4(a)のように下方から押し上げるように付勢するほか、上方から引っ張り上げるように付勢することも可能である。
また掴持型4は内壁面に保持凹部4aを有しており、この保持凹部4aは成形後の製品素材W2 の取出方向に逆テーパ状となっている。なお、符号12は一例としてボルトを適用するストッパであって、掴持型4の上限位置を規制する。
押出型5は、上記掴持型4に嵌合し、昇降移動し得るものであって、加工時には金属素材Wの下面を支承するとともに、加工終了後には製品素材W2 を掴持型4から押し出す。
【0027】
本発明の熱交換部品の製造装置1は以上のような構成を有し、以下この使用状態を説明しながら、併せて本発明の熱交換部品の製造方法について説明する。
(i)成形開始前(出発素材W0 )
まず図6(a)に示すように、アルミニウムから成るブロック状の出発素材W0 を押出型5上に載置する。
【0028】
(ii)成形開始時(出発素材W0 →中間素材W1 )
そして放熱突起成形型2を下降させ、成形孔部2Aを出発素材W0 に押し当てて、出発素材W0 を圧縮する。すると出発素材W0 は、一部が成形孔部2Aの成形孔21内に絞り込まれるようにして変形し、図6(b)に示すような中間素材W1 に成形されていく。なお放熱突起成形型2の補強壁部2Bは掴持型4に当接し、当接した状態で掴持型4を押すようにして下降させる。また成形孔21の周縁の仕切リブ23により、各成形孔21へ均等な量の金属素材Wが流れ込む。
【0029】
(iii)成形途中時(中間素材W1 →製品素材W2 )
そして更に中間素材W1 は、絞り部21Aにより更に放熱突起H2が形成されていき、図6(c)に示すような製品素材W2 に成形されていく。なお絞り部21Aの上方は拡開部21Bとなっていて、放熱突起H2が上方に形成されていくとき接触しないため、加工時の抵抗が少ない。そして本発明の特徴として成形孔部2Aの周囲に補強壁部2Bが具えられているため、型の強度性が高く、特に従来生じた放熱突起成形型2の外周部位が成形時の負荷により破損したりするようなことがない。
一方、放熱突起成形型2の成形孔部2Aに押圧されることにより、掴持型4の保持凹部4aにも中間素材W1 の下部の一部が押し出されるようにして移動し、製品素材W2 と掴持型4とのチャッキング状態が得られるようになる。なお放熱突起成形型2の押圧は多数の放熱突起H2のいずれかの先端が、放熱突起成形型2の拡開部21Bの最奥部に当接しない範囲とする。
【0030】
(iv)成形終了時(製品素材W2 )
そして以上のようにして放熱突起H2が形成されたら、図7(a)に示すように放熱突起成形型2を上方に持ち上げる。すると掴持型4は図6(a)の成形開始位置にまで戻る。更に放熱突起成形型2が上方に持ち上げられると、基板部H1が掴持型4の保持凹部4aに保持された状態で製品素材W2 は放熱突起成形型2から離型される。
また放熱突起成形型2が放熱突起H2と接触している部位は、絞り部21Aだけであるため、抵抗が少なく非常にスムーズに離型することができる。
【0031】
(v)成形終了後(製品素材W2 →熱交換部品H)
そして図7(b)に示すように、押出型5で成形された製品素材W2 を上方に押し出すことにより取り出す。因みに保持凹部4aが逆テーパ状であるため、保持凹部4aに押し込まれた製品素材W2 の基板部H1の部位は取出方向にテーパ状となってる。このため製品素材W2 は比較的スムーズに取り出すことができる。そしてこのように取り出された製品素材W2 を適宜放熱突起H2の上端を切り揃え、全体にアルマイトやメッキ等の表面処理を施すことにより熱交換部品Hを得る。
【0032】
【他の実施例】
本発明は以上のものを基本とするもので、以下のような改変が行える。
<熱交換部品の他の実施例>
まず製造される熱交換部品Hの他の実施例を説明する。すなわち、基板部H1の形状としては、矩形状のほか、円形、多角形、その他種々の形状に形成しても構わず、また平板状のほか、折れ曲がったような形状や、その他適宜の立体形状でも構わない。
また放熱突起H2の形状も翼板状のほか、図8(a)(b)(c)に示すように角柱状、円柱状、波板状など適宜の形状で形成しても構わない。また更に図9に示すような円筒状の本体部の周縁に放射状にフィンH2aが形成され、中心に芯孔H2bが貫通されるような放熱突起H2でもよい。このように放熱突起H2を形成した場合、放熱突起H2の外部表面積に加え、芯孔H2b内の内面積が加わるため、非常に放熱作用面積が大きい。そしてこの芯孔H2b内に例えば流体を流すことにより、熱交換率を自然放熱よりも更に増大することもできる。また図8(d)に示すものは熱交換部品Hの平面図であって、このものは内部方向へ空気を受け入れやすいように、外周端の放熱突起H2を横断面が砲弾状に形成した熱交換部品Hである。
【0033】
<熱交換部品の製造方法並びに製造装置の他の実施例>
次に図9に示されるような熱交換部品を成形するための熱交換部品の製造方法並びに製造装置の他の実施例について説明する。
図10に示すものが、図9に示されるような芯孔H2bを有する熱交換部品Hを成形するための熱交換部品の製造装置1である。このものは放熱突起成形型2と、掴持型4及び押出型5から成る保持型3に加え、前記放熱突起H2の芯孔H2bを成形するための芯孔成形型7を具えて成る。この芯孔成形型7は基台D上に固定して設置される。以下各部材について詳細に説明する。
【0034】
放熱突起成形型2について説明する。放熱突起成形型2は成形孔部2Aの周囲に補強壁部2Bを有し前記実施例のものとほぼ同様構成のものであるが、絞り部21Aの形状が図11に示すように異なる。すなわち本実施例の絞り部21Aの孔は、円形の孔の周囲に前記フィンH2aを形成するために対応した凹部が六つある形状をしている。
【0035】
次に保持型3について説明する。このものは掴持型4と押出型5とから成る。掴持型4は前記実施例1とほぼ同様構成のものであり、上下方向に移動自在となている。
押出型5は金属素材Wを載置する載置台13と、適宜シリンダに固定して設けられる押出板14と、これら載置台13と押出板14とを連結する連結ロッド15とから成っている。載置台13はピン孔13aを多数有し、後述する芯孔成形型7のピン7Bをこの中に受け入れる。
【0036】
次に芯孔成形型7について説明する。このものは、平板状のピン台7Aにピン7Bが多数設けられて成り、このピン台7Aが基台D上に固定して設けられ、ピン7Bは前記押出型5の前記載置台13のピン孔13aに挿入される。
【0037】
熱交換部品の製造装置1は以上のような構造に構成し得るものであるが、この熱交換部品の製造装置1を用いた熱交換部品の製造方法は前記実施例のものとほとんど変わらない。異なる点としては、最初に出発素材W0 として貫通孔W0 aを多数有するものを使用する。そしてこのような出発素材W0 を、前記芯孔成形型7のピン7Bに貫通孔W0 aにおいて嵌挿して載置台13上に載置する。なおこのとき、芯孔成形型7のピン7Bは一例として出発素材W0 の上端から少し突出した状態である。そして後は基本実施例の如く放熱突起成形型2を出発素材W0 に押し当てて放熱突起H2を形成する。そして製品素材W2 に成形されたら放熱突起成形型2を上方に持ち上げ離型した後、製品素材W2 を押出型5で上方に押し出すことにより掴持型4及び芯孔成形型7から取り出す。
【0038】
【発明の効果】
請求項1、5記載の熱交換部品の製造方法並びに製造装置によれば放熱突起成形型2の成形孔部2Aの周囲に補強壁部2Bが設けられ肉厚が厚いため、強度性に優れ、加工時に破損するようなことが極めて少ない。またこの補強壁部2Bは出発素材W0 に当接せず、掴持型4に当接してこの掴持型4を押すようにして移動し、出発素材W0 には成形孔部2Aのみが当接する。従って基板部H1の縁付近にまで目一杯放熱突起H2が形成できるものであって、型の強度性を保つために放熱突起H2の本数を減らさなければならないなどの放熱作用面積を減少させる必要がない。
【0039】
請求項2、6記載の熱交換部品の製造方法並びに製造装置によれば、成形孔21における絞り部21Aのみが出発素材W0 や製品素材W2 等の金属素材Wに接触し、拡開部21Bは接触しないため、放熱突起H2の成形時に金属素材Wから受ける抵抗が従来の塑性加工に比べて非常に少ない。従って、基板部H1に対し細くて断面が複雑なものなど精巧な放熱突起H2を単位面積当たりに多数本塑性成形することもできる。
また放熱突起成形型2の成形孔21は成形終了時に放熱突起H2の先端が当接しない余剰スペースを有しているため、従来の密閉型の手法のように遅く成形される放熱突起H2のために大きな成形加圧を必要とせず、遅く成形される放熱突起H2以外の放熱突起H2にとっては不必要に充満密着されることもなく、型部材の負荷が小さい。また出発素材W0 の体積誤差や素材硬度、また放熱突起成形型2等の作製誤差や成形のための潤滑膜の不均一などが従来ほど問題とならない。
【0040】
請求項3、7記載の熱交換部品の製造方法及び製造装置によれば、放熱突起成形型2の押圧面22における各成形孔21の周縁には、これらを個別に仕切る仕切リブ23が形成されているため、出発素材W0 が抵抗の少ない成形孔21の方へ不規則に流れ込むことがない。従って放熱突起H2の長さが不揃いとならない。
【0041】
請求項4、8記載の熱交換部品の製造方法及び製造装置によれば、放熱突起成形型2の押圧面22における各成形孔21の周縁には、これらを個別に仕切る案内溝24が形成されているため、押圧面が平坦なものと比べて出発素材W0 の表面に設けられる潤滑材の流動が全体的に規制される。また案内溝24の案内傾斜面24aを徐々に潤滑材が移動して成形孔21内に送り出されるため、特に長い放熱突起H2を形成する場合に成形初期時に成形孔21内に流れ過ぎて、成形完了前に潤滑不足となるようなことがない。従って放熱突起H2の成形が成形初期時から成形完了時まで常にスムーズに行われ、放熱突起H2の長さも不揃いとならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱交換部品の使用状態を示す斜視図である。
【図2】 熱交換部品を示す斜視図である。
【図3】 同上平面図である。
【図4】 本発明の熱交換部品の製造装置を示す縦断正面図並びに押圧面周辺を拡大して示す縦断正面図並びに縦断側面図である。
【図5】 同上押圧面に案内溝を形成した実施例を示す縦断正面図である。
【図6】 本発明の熱交換部品の製造方法の成形開始から成形終了までの過程を段階的に示す縦断正面図である。
【図7】 同上放熱突起成形型からの離型の様子及び保持型からの離型の様子を併せ示す縦断正面図である。
【図8】 放熱突起の横断面形状を異ならせた種々の実施例を示す斜視図並びに平面図である。
【図9】 同上更に他の実施例を示す斜視図である。
【図10】 本発明の熱交換部品の製造装置の他の実施例を示す縦断正面図である。
【図11】 同上成形孔を拡大して示す縦断斜視図である。
【図12】 従来の熱交換部品の製造装置を示す縦断正面図並びにこれを使用した場合の二つの問題点を示す斜視図並びに縦断正面図である。
【符号の説明】
1 熱交換部品の製造装置
2 放熱突起成形型
2A 成形孔部
2B 補強壁部
3 保持型
4 掴持型
4a 保持凹部
5 押出型
7 芯孔成形型
7A ピン台
7B ピン
11 コイルスプリング
12 ストッパ
13 載置台
13a ピン孔
14 押出板
15 連結ロッド
21 成形孔
21A 絞り部
21B 拡開部
22 押圧面
23 仕切リブ
24 案内溝
24a 案内傾斜面
B 配線用基板
D 基台
E 電子部品
H 熱交換部品
H1 基板部
H2 放熱突起
H2a フィン
H2b 芯孔
W 金属素材
W0 出発素材
W0 a 貫通孔
W1 中間素材
W2 製品素材
Claims (8)
- 放熱突起を成形するための多数の成形孔が穿孔された成形孔部、及びこの成形孔部の周囲に設けられ成形時に掴持型に当接し、且つ外面方向にかかる圧力に対し耐え得る補強壁部から成る放熱突起成形型と、この放熱突起成形型と同一方向に移動自在に係止されるとともに、放熱突起成形型の押圧反対方向に付勢される掴持型、及びこの掴持型内を摺動して製品素材を押し出す押出型から成り金属製のブロック状の出発素材を保持する保持型とを用い、基板部の表面に多数の放熱突起が形成される熱交換部品を塑性加工により成形する製造方法において、出発素材を押出型に載置した後放熱突起成形型を保持型方向へ移動し、補強壁部を掴持型に当接して掴持型を放熱突起成形型の押圧方向へ摺動させながら成形孔部を出発素材に押し当てて圧縮することにより出発素材の一部を成形孔内に絞り込み、放熱突起を成形することを特徴とする熱交換部品の製造方法。
- 前記放熱突起成形型の成形孔部の成形孔は、絞り部と、この絞り部の奥方に在りこの絞り部よりは大きな孔径の拡開部とから成り、成形終了時に放熱突起の先端が当接しない余剰スペースを有していることを特徴とする請求項1記載の熱交換部品の製造方法。
- 前記放熱突起成形型の押圧面には、各成形孔を個別に仕切る仕切リブが形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の熱交換部品の製造方法。
- 前記放熱突起成形型の押圧面には、各成形孔を個別に仕切る案内溝が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の熱交換部品の製造方法。
- 金属製のブロック状の出発素材を保持する保持型と、この保持型に対向し、放熱突起を成形するための成形孔を多数有する放熱突起成形型とを具え、基板部の表面に多数の放熱突起が形成される熱交換部品を塑性加工により成形するための製造装置において、前記保持型は保持凹部を有する掴持型と、この掴持型内を摺動して製品素材を押し出す押出型とから成り、前記掴持型は前記放熱突起成形型の移動方向と同一方向に移動自在に係止されるとともに、放熱突起成形型の押圧反対方向に付勢されており、更に前記放熱突起成形型は、多数の成形孔が穿孔された成形孔部と、この成形孔部の周囲に設けられ成形時に前記掴持型に当接し、且つ外面方向にかかる圧力に対し耐え得る補強壁部とから成ることを特徴とする熱交換部品の製造装置。
- 前記放熱突起成形型の成形孔部の成形孔は、絞り部と、この絞り部の奥方に在りこの絞り部よりは大きな孔径の拡開部とから成り、成形終了時に放熱突起の先端が当接しない余剰スペースを有していることを特徴とする請求項5記載の熱交換部品の製造装置。
- 前記放熱突起成形型の押圧面には、各成形孔を個別に仕切る仕切リブが形成されていることを特徴とする請求項5または6記載の熱交換部品の製造装置。
- 前記放熱突起成形型の押圧面には、各成形孔を個別に仕切る案内溝が形成されていることを特徴とする請求項5または6記載の熱交換部品の製造装置。
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JPH08300080A JPH08300080A (ja) | 1996-11-19 |
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JP12912895A Expired - Lifetime JP3740665B2 (ja) | 1995-04-28 | 1995-04-28 | 熱交換部品の製造方法並びに製造装置 |
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-
1995
- 1995-04-28 JP JP12912895A patent/JP3740665B2/ja not_active Expired - Lifetime
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