JP3740036B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロコンピュータを用いた娯楽機械に関し、特に、運が良い状況であれば、短期間のうちに大当り状態を連続して発生させることのできるスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
スロットマシンでは、特定の大当り図柄が停止ライン上に揃うと、その後は当選確率が格段に増加するボーナスゲームが開始され、このボーナスゲーム中は、通常ゲームとは比較にならない多数のコインの取得を期待できるようになっている。通常、ボーナスゲームとしては、ゲーム価値の異なる二種類が用意されており、それぞれ、ビッグボーナスゲーム(以下、BBと略す)及びレギュラーボーナスゲーム(以下、RBと略す)と呼ばれている。
【0003】
そして、遊技者は、ボーナスゲームへの突入図柄となるBB図柄やRB図柄を停止ライン上に揃えることを目標にゲームを進行させており、習熟した遊技者にあっては「目押し」と称される遊技技能をもってゲームに望んでいる。なお「目押し」とは、高速回転している回転リール上の目標図柄を識別して、最適なタイミングで停止ボタンを押すことのできる能力である。
【0004】
従来のスロットマシンでは、機器内部の抽選処理によってボーナス当選状態(BB図柄やRB図柄の当選状態)になると、停止操作のタイミングさえ正しければ該当図柄が必ず停止ライン上に揃うよう単純に停止制御されていたので、目押し技能を体得している者は、余分なゲーム数を消費することなく迅速にボーナスゲームに突入することが可能であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来のスロットマシンは、所定確率で決定される当選結果に基づいて単純に動作させているので、ボーナスゲームへの突入図柄の当選確率が1/Nであるとすると、N回のゲーム中、N−1回はBB図柄やRB図柄にハズレ続けることになり、ゲームとしての単調さが避けられないという問題点があった。すなわち、例えばボーナスゲームの終了後は、確率的にみて当分はBB図柄やRB図柄に当選することがなく、スランプ状態としてコインを減らし続けるしかないという退屈さがある。
【0006】
上記の実情に鑑み、運が良い状況では、短期間のうちにボーナスゲームが繰り返されるいわゆる連チャン動作も実現可能な遊技機が望まれるところである。この発明は、上記の要請に基づくものであって、遊技ホールの収支を悪化させることなく、運の良い状況下では短期間にボーナスゲームを連続させることもできるスロットマシンを提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係るスロットマシンは、停止操作の適否に係わらず特定の当選状態に対応する図柄を停止ライン上に整列させることが不可能か又は殆ど不可能なゲームモードAと、適切な停止操作に基づいて前記特定の当選状態に対応する図柄を容易に停止ライン上に整列させることができるゲームモードCとを設けると共に、機器内部の抽選処理によって特定の当選状態になると、停止操作に起因して前記特定の当選状態に対応する図柄が停止ライン上に整列されるまで前記特定の当選状態を維持する維持手段と、前記維持手段が機能している場合にも、前記特定の当選状態を発生可能に構成された抽選手段と、前記維持手段が機能している状態における前記特定の当選状態を順次貯留する貯留手段と、前記維持手段が機能していない状態では、貯留されている前記特定の当選状態を読み出して実行化を図る消化手段とを備え、前記ゲームモードCは、前記ゲームモードAでの移行抽選結果に基づいて移行したゲームモードBで前記特定の当選状態を実現させた後、前記ゲームモードBでの移行抽選結果に基づいて移行するよう構成される一方、前記ゲームモードCでの移行抽選では、前記ゲームモードCを維持するか又は前記ゲームモードAに戻るよう構成され、前記ゲームモードBは、前記維持手段が機能している状態では、更に別の所定の当選状態になった場合に、適切な遊技操作に基づいて容易に前記特定の当選状態に対応する図柄を停止ライン上の整列できるよう設定されていることで前記ゲームモードCへの移行が実現され、前記貯留手段の貯留した前記特定の当選状態が、前記ゲームモードCにおいて容易に実現されるようになっている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、実施例に基づいて、この発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明に係るスロットマシンについて、その一例を示した外観図である。図示のスロットマシンSLは、複数種類の図柄を描いた3個の回転リール1a〜1cを備えており、表示窓2には、各回転リール1a〜1cの図柄が、回転方向に3列程度だけ見えるようになっている。
【0011】
表示窓2には、水平方向に3本(L1〜L3)、斜め方向に2本(L4,L5)の停止ラインが設けられていて、メダル投入口3からのメダル投入枚数に応じて有効な停止ラインの本数が変わるようになっている(図2参照)。また、表示窓2の左側には、5つの表示ランプLP1〜LP5が設けられていて、有効な停止ラインを明示している。
【0012】
例えば、1枚目のメダルを投入すると表示ランプLP1が点灯され、2枚目のメダルを投入すると表示ランプLP2,LP3が更に点灯され、3枚目のメダルを投入すると表示ランプLP4,LP5が更に点灯される。なお、ゲーム開始に先立って、多数のメダルをメダル投入口3に投入するのが通例であるが、そのような場合には、3枚目以降のメダル投入枚数は、クレジット表示部CRに表示される。
【0013】
このような準備の後でスタートレバー4を操作すると、3個の回転リール1a〜1cが一斉または順次に回転を開始し、ストップボタン5a〜5cが押される毎に該当する回転リール1a〜1cが停止する。そして、停止ライン上に図柄が揃ったか否かに応じて、受け皿6から所定枚数のメダルが払い出されるようになっている。
【0014】
図3は、図1に示す装置の内部構成図であり、このスロットマシンSLは、ROM7、RAM8、CPU9によるマイコン制御によって上記の動作を実現している。また、このスロットマシンSLは、各回転リール1a〜1cをステッピングモータMによって回転させるモータ駆動部10と、位置センサの出力に基づいて各回転リール1a〜1cの回転位置を検出する位置検出部11と、メダル投入口3からのメダル投入枚数を検出する枚数検出部12と、ストップボタン5a〜5cの操作を検出するストップ信号入力部13と、受け皿6にメダルを払い出すメダル払出部14と、乱数発生部15とを備えている。
【0015】
乱数発生部15は、詳細には、パルス発振器16と、発振パルスを計数するカウンタ17と、ラッチ信号LATCHに同期してカウンタ17の計数値を取り込むラッチ回路18とからなる。なお、位置センサ(図示せず)は、各回転リール1a〜1c毎に設けられており、各回転リール1a〜1cが基準位置を通過するタイミングを検出するようになっている。したがって、CPU9は、この位置センサの出力と、ステッピングモータMに供給されるパルス数とによって、各回転リール1a〜1cの現在位置を知ることができる。
【0016】
図4は、図1に示すスロットマシンSLについて、各回転リールの図柄配列を図示したものであり、それぞれ21個の当選図柄がコマ番号の順に配置されている。なお、コマ番号1〜21は、回転リールの基準位置からの偏差を示している。回転リール上の図柄は、遊技者から見て図示の下向きに回転するが、以下の説明では、コマ番号で図柄を表すこととし、例えば、第1回転リールのコマ番号12は「セブン(7)」図柄を意味している。
【0017】
図5は、当選図柄が揃った場合の配当コイン数を示したものである。この実施例では、ボーナス図柄として、ビッグボーナスゲーム突入用のBB図柄である「セブン(7)」図柄と、レギュラーボーナスゲーム突入用のRB図柄である「BAR」図柄とが用意されている。そして、「7−7−7」が揃うとコイン払出しの後にビッグボーナスゲームが開始され、「BAR−BAR−BAR」が揃うとコイン払出しの後にレギュラーボーナスゲームが開始されることになる。
【0018】
その他、この実施例では、コインを消費しないで再ゲームができる「リプレイ」図柄の他、「すいか」図柄、「Bell」図柄、「バナナ」図柄、「チェリー」図柄も用意されており、これらの図柄が有効停止ライン上に揃うと、図5に示す配当コインが払出されるようになっている。
【0019】
図6及び図7は、3つの決定テーブルDecision A〜Decision Cの内容を示している。この実施例では、どの図柄を中央停止ラインL1に停止させるかは、機器内部での抽選結果と遊技者の停止操作タイミングとに対応して、参照テーブルCi,Tiに基づいて決定される。先ず、優先停止テーブルCiを参照して停止図柄を決定し、決定できない場合には停止処理マスクテーブルTiを参照して停止図柄を決定し、それでも決定できない場合には、停止可能な図柄を均等抽選して停止図柄を決定している。
【0020】
なお、3つの決定テーブルDecision A〜Decision Cの何れを使用するかは、毎回のゲーム終了後の抽選処理によって決定しており、決定された決定テーブル(Decision A〜Decision C)に応じて、次回ゲームが、ゲームモードA〜Cの何れかに移行する。
【0021】
図6、図7に示すように、決定テーブルDecisionでは、具体的には、それぞれ複数種類が用意されている優先停止テーブルCiと、停止処理マスクテーブルTiと、初期値ANDコードAiについて、これらをどのように組み合わせて停止制御動作を実現するかを規定している。但し、この実施例では、初期値ANDコードが全ての場合に共通して0FFFFHとされているので、結局、優先停止テーブルCiと停止処理マスクテーブルTiとによって停止制御の内容が確定されることになる。
【0022】
例えば、決定テーブルDecision A(図6)を用いるゲームモードAでは、BB図柄に当選したその回のゲームでは(C1,T1)の組み合わせで停止制御動作が行われ、RB図柄に当選したその回のゲームでは(C2,T1)の組み合わせで停止制御動作が行われ、「チェリー」図柄に当選したゲームでは(C3,T1)の組み合わせで停止制御動作が行われる。一方、ハズレゲームの場合には(C4,T1)の組み合わせで停止制御動作が行われる。なお、これら一般ゲーム動作中の停止制御動作については、図7に示す動作モードBや動作モードCの場合も全く同一である。
【0023】
ボーナス突入図柄であるBB図柄やRB図柄に当選した場合には、この当選状態が内部フラグHITに記憶され、該当する図柄が停止ライン上に揃うまで何ゲームでも当選状態が維持されるが、図6における内部当りゲームとは、この内部フラグHITがセットされている状態を意味している。図6や図7の右欄に示すように、BB図柄かRB図柄の当選状態であるが、前回のゲームで該当する図柄を揃えることができなった内部当りゲームの場合には、今回ゲームの抽選で「チェリー」図柄に当選すると、このときが動作モードAの状態なら(C3,T1)の組み合わせで停止制御され、動作モードBやCの状態なら(C3,T2)の組み合わせで停止制御されることになる。
【0024】
ところで、この実施例では、内部当りゲーム中も一般ゲーム中と全く同様の抽選処理を行っており、ボーナス突入図柄の当選状態を持ち越している内部当りゲーム中にも、重複してBB図柄やRB図柄に当選するように構成している。但し、これらの当選状態は、メモリの貯留エリアAREに順次蓄積することとし、内部当りゲーム中の停止制御としては、ハズレゲームの場合と同様の制御を行っている。そして、蓄積された当選回数は、貯留カウンタCTでカウントしている。
【0025】
一方、一般ゲーム中は、貯留カウンタCTの値を毎回チェックし、ボーナス突入図柄の当選状態が貯留されている場合には(CT≠0)、貯留エリアAREから当選状態を読み出し、BB図柄やRB図柄の当選状態を復元するようにしている。図31(c)は、1バイト長の貯留カウンタCTと、TOP番地から始まる貯留エリアARE(本実施例では32バイト長)とを図示したものである。図示例では、BB図柄→RB図柄→RB図柄→RB図柄の4回の当選状態が、この順番に貯留エリアAREに蓄積されている。なお、これらボーナス突入図柄の貯留動作と読出動作の詳細は、図29のフローチャートに関して後述する。
【0026】
何れにしても、ボーナス突入図柄(BB図柄、RB図柄)の内部当りゲーム中の抽選によって改めてBB図柄やRB図柄に当選しても、今回ゲームの抽選でハズレ状態となった場合と同様、動作モードA,B,Cに係わらず(C1,T1)か(C2,T1)の組み合わせで停止制御される(図6、図7)。なお、BB図柄の内部当りゲーム中は(C1,T1)の組み合わせで停止制御され、RB図柄の内部当りゲーム中は(C2,T1)の組み合わせで停止制御される。
【0027】
図6と図7の対比から明らかなように、決定テーブルDecision Aと決定テーブルDecision B,Decision Cとは、内部当りゲーム中に「チェリー」図柄に当選した場合だけに差異がある。したがって、この実施例では、ゲームモードAとゲームモードB,Cとの違いは、内部当りゲーム中に「チェリー」図柄に当選した際の停止制御動作にだけ生じることになる。なお、実際の決定テーブルDecisionには、「リプレイ」図柄、「すいか」図柄、「Bell」図柄、「バナナ」図柄の停止制御方法を規定する部分も設けられるが、便宜上、図示を省略している。
【0028】
先に説明したように、本実施例では、優先停止テーブルCiと停止処理マスクテーブルTiとを、決定テーブルDecisionに基づいて参照して停止制御動作を行っている。そして、優先停止テーブルCiによって停止図柄を決定できる場合には、決定された図柄を中央停止ラインL1に停止させるが、優先停止テーブルCiでは停止図柄を決定できない場合には、停止処理マスクテーブルTiのマスクコードDiによって停止図柄を決定している。このような停止制御方法を採るのは、優先停止テーブルCiのみによって停止図柄を決めたのでは、停止パターンが画一化してしまい、面白みに欠けるゲームになってしまうからである。
【0029】
停止処理マスクテーブルTiのマスクコードDiによって停止図柄を決定する際には、各図柄に付されたマスクコードDiと停止コードSiとのAND演算によってゼロ以外の演算結果となる図柄を停止図柄として選出している。すなわち、初期値ANDコードAiを停止コードSiの初期値とし(Si←Ai)、ストップボタンが押された瞬間の中央停止ラインLの図柄から5コマ範囲内の各図柄のマスクコードDiと、停止コードSiとをそれぞれAND演算し(Si←Si AND Di)、その結果、ゼロ以外の演算結果となるものを停止図柄としている。
【0030】
なお、全ての図柄についてAND演算結果がゼロとなる場合は、5コマ範囲内の図柄を均等抽選して停止図柄を決定している(図8(c))。したがって、例えば、図8(a)のように、第1回転リールの停止操作において、コマ番号6番の「Bell」図柄が中央停止ラインL1に位置するタイミングでストップボタンが押されたと仮定すると、マスクコードDiによって停止図柄が決定されるか否かに係わらず、5コマずれたコマ番号1の「セブン」図柄が上段の停止ラインに停止されることが限度となる。
【0031】
図9〜図12は、優先停止テーブルC1〜C4の具体的内容を例示したものである。優先停止テーブルCiは、コマ番号1〜21で規定される図柄のうち、何を中央の停止ラインL1に停止させるかを規定したテーブルであり、遊技者がストップボタンを押した瞬間に位置する、中央停止ラインL1の図柄を基準にして規定されている。なお、優先停止テーブルの「メダル投入枚数」の欄では、実際には、メダル投入枚数(1枚〜3枚)に応じて優先停止制御の有無を規定しているが、図示の例では、3枚投入時のみを○印で表記している。すなわち、以下の説明では、便宜上、遊技者が必ず3枚のコインを投入してゲームを開始させることにしている。
【0032】
そのため、優先停止テーブルCiの○印に該当すれば優先停止制御が行われ、○印に該当しなければ、初期値ANDコードAiと停止処理マスクテーブルTiのマスクコードDiとによって停止図柄が決定されることになる。なお、☆印のタイミングでストップボタンが押されると、形式上、BB図柄やRB図柄が揃う可能性が生じるが、チェリー図柄との重複当りを避けるため、有効停止ライン上にBB図柄やRB図柄が停止しないよう別に停止制御している。また、便宜上、第1回転リール→第2回転リール→第3回転リールの順番に遊技者が停止操作するとして、図9に示す優先停止テーブルC1から説明する。
【0033】
例えば、第1回転リールに対するストップボタンの押圧時、中央停止ラインL1にコマ番号1の図柄「セブン」が位置した場合には、優先停止テーブルC1のデータにしたがい、コマ番号20の「リプレイ」図柄を中央停止ラインL1に停止させることになる。また、例えば、第1回転リールに対するストップボタンの押圧時、中央停止ラインにコマ番号21の「Bell」図柄が位置した場合には、優先停止テーブルC1のデータにしたがい、コマ番号21,20,19,18,17の何れかの図柄を中央停止ラインL1に停止させることになる。なお、コマ番号21,20,19,18,17の図柄である「Bell」、「リプレイ」、「すいか」、「バナナ」、「Bell」の何れを停止させるかは1/5の均等抽選によって決定される。
【0034】
以上の通り、第1回転リールに対する停止操作の場合、○印の付されたコマ番号1〜4、13〜17、21の図柄が中央停止ラインL1に位置する瞬間にストップボタンが押されると、優先停止テーブルC1で規定されている図柄が中央停止ラインL1に停止するように停止制御される。従来のスロットマシンの場合なら、コマ番号21、コマ番号1〜4、コマ番号13〜17のように「セブン(7)」図柄に近接した位置でストップボタンが押されると、上・中・下の停止ライン上の何れかに必ず「セブン」図柄を停止させていたが、この実施例では、必ずしも「セブン」図柄が停止されない。
【0035】
すなわち、図示例の場合に、優先停止テーブルC1に制御されて上・中・下の停止ラインの何れかに「セブン」図柄が停止するのは、コマ番号17のタイミングでストップボタンが押され、且つ1/5の均等抽選の結果、コマ番号13が選択された場合(図13(a))と、コマ番号21のタイミングでストップボタンが押され、且つ1/5の均等抽選の結果、コマ番号21が選択された場合(図13(b))だけである。なお、コマ番号5,6やコマ番号11,12のタイミングでストップボタンが押された場合、チェリー図柄との重複当りを避けるため「セブン」図柄を有効ライン上に停止させないのは前述の通りである。
【0036】
第2回転リールに対する停止操作についても同様であり、優先停止テーブルC1に基づいて「セブン」図柄が揃うのは、図13(a)(b)の状態に対応して、図14(a)(b)(c)(d)の場合だけである。具体的には、中央停止ラインL1にコマ番号1の図柄が存在するタイミングでストップボタンを押し、且つ、コマ番号1,20,19についての1/3の均等抽選の結果、コマ番号1の図柄に当選した場合である(図14(a)(c)参照)。また、中央停止ラインL1にコマ番号2の図柄が存在するタイミングでストップボタンを押し、且つ、コマ番号2,20,19についての1/3の均等抽選の結果、コマ番号2の図柄に当選した場合(図14(b))と、中央停止ラインL1にコマ番号21の図柄が存在するタイミングでストップボタンを押し、且つ、コマ番号21,20,19についての1/3の均等抽選の結果、コマ番号21の図柄に当選した場合(図14(d))である。
【0037】
図14(a)(d)の状態に対応して、優先停止テーブルC1に基づいて「セブン」図柄が3つ揃うのは、中央停止ラインL1にコマ番号1の図柄が存在するタイミングでストップボタンを押し、且つ、コマ番号1,21,20についての1/3の均等抽選の結果、コマ番号21の図柄に当選した場合だけである(図15(a)(d))。また、図14(b)(c)の状態に対応して、優先停止テーブルC1に基づいて「セブン」図柄が3つ揃うのは、中央停止ラインL1にコマ番号2の図柄が存在するタイミングでストップボタンを押し、且つ、コマ番号2,1,19についての1/3の均等抽選の結果、コマ番号2の図柄に当選した場合だけである(図15(b)(c))。
【0038】
この実施例では、BB絵柄に当選した場合には以上のように、先ずは優先停止テーブルC1に基づいて停止制御動作が行われているので、例え、1/Nの確率でBB図柄に当選して「目押し」技能を駆使しても、一般ゲーム中にBB図柄を直ちに停止ライン上に整列させることは困難となる。なお、この点は、動作モードA,B,Cに係わらず同じである(図6、図7参照)。RB図柄に当選した場合も同様であり、何れの動作モードA,B,Cであっても、優先停止テーブルC2が選択されるので(図6、図7参照)、「目押し」技能を駆使しても、RB図柄である「BAR」図柄は、一般ゲーム中であれば、殆ど揃わないように停止制御されている。
【0039】
一般ゲーム中に優先停止テーブルC2による制御でRB図柄が3つ揃う例外的な場合を以下に確認する。図10の優先停止テーブルC2によれば、RB図柄を揃えるには、第1回転リールについて、中央停止ラインL1にコマ番号8の図柄が存在するタイミングでストップボタンを押し、且つ、コマ番号8,7,6,5,4についての1/5の均等抽選の結果、コマ番号4の図柄に当選することが先ず必要である。
【0040】
次に、第2回転リールについて、中央停止ラインL1にコマ番号13の図柄が存在するタイミングでストップボタンを押し、且つ、コマ番号13,11,10についての1/3の均等抽選の結果、コマ番号13の図柄に当選するか、或いは、中央停止ラインL1にコマ番号14の図柄が存在するタイミングでストップボタンを押し、且つ、コマ番号14,11,10についての1/3の均等抽選の結果、コマ番号14の図柄に当選することが必要である。
【0041】
第3回転リールについては、中央停止ラインL1にコマ番号12か13の図柄が存在するタイミングでストップボタンを押し、且つ、コマ番号12,11,10かコマ番号13,12,11についての1/3の均等抽選の結果、コマ番号12の図柄に当選するか(図16(a))、或いは、中央停止ラインL1にコマ番号14の図柄が存在するタイミングでストップボタンを押し、且つ、コマ番号14,11,10の1/3の均等抽選の結果、コマ番号14の図柄に当選すること(図16(b))が必要である。
【0042】
以上の関係から明らかなように、RB図柄に当選しても、一般ゲーム中の停止操作によって「BAR」図柄を揃えることは動作モードA,B,Cに係わらず殆ど不可能であり、通常は、内部フラグHITをセットした状態で、一般ゲームから内部当りゲームに移行することになる。
【0043】
続いて、一般ゲーム中の「チェリー」図柄当りの場合について確認する。図6、図7の決定テーブルDecisionに示すように、一般ゲーム動作中に「チェリー」図柄の当選状態となった場合、その時の動作モードA,B,Cに係わらず、優先停止テーブルC3が選択される。図5の配当表に示す通り、「チェリー」図柄が第1回転リールの中央停止ラインL1に停止すると配当コインが得られるが、動作モードA,B,Cに係わらず優先停止テーブルC3が選択されるので、配当が得られるのは極めて稀なケースである。
【0044】
すなわち、配当が得られるのは、中央停止ラインL1にコマ番号2の図柄が存在するタイミングでストップボタンを押し、且つ、コマ番号2,21,20についての1/3の均等抽選の結果、コマ番号2の図柄に当選するケースか、中央停止ラインL1にコマ番号11の図柄が存在するタイミングでストップボタンを押し、且つ、コマ番号11,9,8についての1/3の均等抽選の結果、コマ番号11の図柄に当選したケースだけであり、それ以外は「チェリー」図柄の当選状態を逃すことになる。なお、内部当りゲーム中も優先制御テーブルC3が選択されるので(図6、図7の右欄参照)、BB図柄やRB図柄の当選状態を持ち越している内部当りゲーム中も、「チェリー」図柄の当選状態を殆ど逃してしまうことになる。但し、「チェリー」図柄の当選による配当は少ないので弊害はない。
【0045】
先に説明したように、BB図柄やRB図柄の当選しても、(内部当りゲームに移行する前の)一般ゲーム中にBB図柄やRB図柄を揃えることは殆ど不可能である。そのため、通常は、次回以降のゲームは内部当りゲームとなり、その時のゲームモードA,B,Cに応じて、図6の右欄か図7の右欄が参照されることになる。今、ゲームモードAの場合を考えると、BB図柄かRB図柄の当選状態を持ち越している内部当りゲーム中の抽選処理の結果「チェリー」図柄に当選すると、決定テーブルDecision Aの右欄より(C3,T1)の組み合わせによって停止制御動作が実行されることになる。
【0046】
図17は、停止処理マスクテーブルT1を図示したものであり、中央停止ラインL1に停止した特定の図柄に対するマスクコードDiが示されている。なお、停止処理マスクテーブルTiは、優先停止テーブルCiでは停止図柄を決定できない場合に、初期値ANDコードAiと共に参照される。改めて確認すると、停止処理マスクテーブルTiによって停止図柄を決定するに当っては、初期値ANDコードAiを停止コードSiの初期値とする(Si←Ai)。そして、ストップボタンが押された瞬間の中央停止ラインL1から所定範囲内の図柄のマスクコードDiと、停止コードSiとをAND演算し(Si←Si AND Di)、その結果、ゼロ以外の演算結果となるものを停止図柄とする。
【0047】
このようにして選択された停止図柄とのAND演算の演算結果は、次の回転リールの停止制御に関して停止図柄を決定する際の停止コードSiとされる。なお、該当する図柄が複数個存在する場合には均等抽選によって1つを選択することとし、一方、AND演算してゼロにならない図柄が存在しない場合には、5コマの範囲内の図柄を均等抽選して停止図柄を決定している。以上を踏まえて、内部当りゲーム中の抽選処理の結果「チェリー」図柄に当選した場合について説明を続ける。
【0048】
現在、ゲームモードAであると仮定すると、内部当りゲーム中に「チェリー」図柄に当選した場合、図6の右欄より、(C3,T1)の組み合わせが選択される。優先停止テーブルC3においては、通常、第1回転リールの中央停止ラインL1には「チェリー」図柄が揃わないのは先に説明した通りである。そして、その後は、第2回転リールや第3回転リールの停止操作に移行するが、図11の第2欄及び第3欄には優先停止図柄が規定されていないので、停止処理マスクテーブルT1に規定されたマスクコードDiと初期値ANDコードA1とによって停止図柄が決定される。
【0049】
いま、第1回転リールの停止状態が図19(a)の通りであったと仮定する。図示の通り、中央停止ラインには、第1回転リールのコマ番号2の「チェリー」図柄が停止したので、初期値ANDコード0FFFFHと停止マスクテーブルT1のマスクコードのAND演算によって0005Hが第1回転リール停止時の停止コードとなる。続いて、第2回転リールの停止操作が行われると仮定すると、「目押し」技能を有する遊技者は、「セブン」図柄が停止ラインに近接するタイミングに合わせてストップボタンを押すと考えられる。
【0050】
ここで、第2回転リールのコマ番号21,1,2のマスクコードは、全て0003Hであり、第1回転リール停止時の停止コードとのAND演算によってゼロ以外の値になる。一方、「セブン」図柄に近接する他の図柄のマスクコードは、全て0000Hであるので、第1回転リール停止時の停止コードとのAND演算によってゼロ以外の値を持つことができない。そのため、第2回転リールの停止制御においては、「バナナ」図柄と、「セブン」図柄と、「すいか」図柄の1/3の均等抽選によって中央停止ラインに停止される図柄が決定されることになる。なお、ここでは、図19(b)のように停止したことにする。
【0051】
図19(b)の状態で第2回転リールの中央停止ラインの「セブン」図柄のマスクコードは0003Hであるので、その時の停止コード0005HとのAND演算によって0001Hが第2回転リール停止時の停止コードということになる。続いて行われる第3回転リールの停止操作では、目押し技能を有する遊技者は、「セブン」図柄が下段の停止ラインに近接するタイミングに合わせてストップボタンを押すと考えられる。
【0052】
しかし、この段階の停止コード0001HとAND演算してゼロ以外の値を持つのは、マスクコード0001Hを付与されているコマ番号1の「セブン」図柄だけであるから、結局、図19(c)の停止状態に落ち着くことになり、BB図柄の内部当り中であるにも係わらす、「セブン」図柄を揃えることができない。
【0053】
図20(a)のように第1回転リール停止時に「セブン」図柄が中央停止ラインに停止した場合も同様であり、せいぜい、図20(b)、図20(c)のように停止するに過ぎない。同様に、図21(a)のように第1回転リール停止時に「セブン」図柄が下段の停止ラインに停止した場合も、せいぜい図21(b)、図21(c)のように停止するに過ぎない。
【0054】
以上説明したBB図柄についての制御は、RB図柄についての制御にも共通し、要するに、決定テーブルDecision Aの選択されるゲームモードAの状態では、停止処理マスクテーブルT1が選択されるので(図6右欄参照)、内部当りゲーム中といえどもBB図柄やRB図柄が揃うことが全くない。一方、内部当りゲーム中のハズレゲームでは、優先停止テーブルC1(BB図柄の内部当り中)や優先停止テーブルC2(RB図柄の内部当り中)に基づいて停止制御されるので(図6右最下欄参照)、BB図柄やRB図柄が非常に低い確率でしか揃わない。
【0055】
以上の通りであり、ゲームモードAの状態では、BB図柄やRB図柄の当選確率が如何に高く設定してあっても、また、遊技者が目押し技能を駆使したとしても、優先停止テーブルC1やC2による優先停止制御によって例外的に該当図柄が揃う場合を除き、ボーナスゲームに突入することはできずゲーム回数を消化しつづけることになる。
【0056】
続いて、決定テーブルDecision BやDecision Cの選択されるゲームモードBやゲームモードCにおける停止制御動作を説明する。内部当りゲーム中に「チェリー」図柄に当選した場合、決定テーブルDecision B、Decision Cに基づき、優先停止テーブルC3と停止処理マスクテーブルT2の組み合わせが選択される(図7右欄参照)。優先停止テーブルC3による停止制御では、第1回転リールの中央停止ラインL1に「チェリー」図柄を殆ど停止できないのは前述した通りである。そこで、仮に、第1回転リールの停止時には、図22(a)のように上段に「セブン」図柄が停止したことにする。
【0057】
停止処理マスクテーブルT2によれば、第1回転リールのコマ番号13(Bell図柄)のマスクコードは000CHであるから、第1回転リール停止時の停止コードは初期値ANDコードFFFFHとのAND演算結果である000CHである。続いて、第2回転リールの停止操作が行われると仮定すると、「目押し」技能を有する遊技者は、「セブン」図柄が停止ラインに近接するタイミングに合わせてストップボタンを押すと考えられる。
【0058】
ここで、第2回転リールのコマ番号21,1,2のマスクコードは、0002H、0015H、0008Hであるから、コマ番号1と2の「セブン」図柄と「すいか」図柄の均等抽選によって第2回転リールの中央停止ラインの停止図柄が決定される。したがって、いずれの場合も「セブン」図柄が2つ揃うことになるが、ここでは、図22(b)のように停止したとする。この場合には、停止コードは、000CHと0015HとのAND演算によって0004Hに変わる。
【0059】
続いて行われる第3回転リールの停止操作では、目押し技能を有する遊技者は、「セブン」図柄が下段の停止ラインに近接するタイミングに合わせてストップボタンを押すと考えられる。停止処理テーブルT2では、「セブン」図柄の前後の図柄についてマスクコードは、コマ番号21,1,2の図柄について、0006H、0010H、0009Hである。このうち第2回転リール停止時の停止コード0004HとのAND演算でゼロ以外の値を持つのは、コマ番号21の「Bell」図柄だけであるから、図22(c)のように「7−7−7」のBB図柄が揃うことになる。
【0060】
なお、第1回転リールの停止状態が図23(a)や、図24(a)の状態の場合も同様であり、停止処理テーブルT2は、BB図柄が整列可能なマスクコードが設けられているので、それぞれ、図23(c)や図24(c)のように「7−7−7」の図柄が整列する。なお、RB図柄についても同様であり、ゲームモードB,Cの状態であれば、目押し技能によって迅速に「BAR−BAR−BAR」の図柄が揃うように、停止処理テーブルT2が構成されている。
【0061】
以上の通り、決定テーブルDecision B Decision Cを使用するゲームモードB、Cの場合には、一般ゲームから内部当りゲームに移行して「チェリー」図柄に当選すれば極めて容易にBB図柄やRB図柄を揃えることが可能となる。
【0062】
次に、決定テーブルDecision B Decision Cを使用するゲームモードB、Cにおいて、内部当りゲーム中の抽選によってハズレであった場合を説明する。この場合には図7の右最下欄に記載のように、優先停止テーブルとしてC1(BB図柄当りの場合)かC2(RB図柄当りの場合)が選択される。そのため、例外的にBB図柄やRB図柄を揃えることができるだけである。
【0063】
以上の通り、ゲームモードB、Cであっても、内部当りゲーム中において「チェリー」図柄に当選しない限り、BB図柄やRB図柄を揃えることが困難である。但し、チェリー図柄の当選確率は高く設定されているので(図6、図7では当選確率99%)、内部当りゲームに移行すれば素早く「チェリー」図柄に当選することになり、その結果、BB図柄やRB図柄を揃えることが可能となる。
【0064】
図25〜図27は、各回のゲームの終了時に行われる決定テーブル移行抽選に用いる参照テーブルTransfer A〜 Cを図示したものである。決定テーブルDecision Aを参照するゲームモードAの終了時には図25のTransfer Aを使用し、決定テーブルDecision Bを参照するゲームモードBの終了時には図27のTransfer Bを使用し、決定テーブルDecision Cを参照するゲームモードCの終了時には図27のTransfer Cを使用する。
【0065】
各参照テーブルTransfer A〜 Cには、選択される決定テーブルDecisionについての抽選値を規定する抽選テーブルLOTiが規定されている。例えば、ゲームモードAで動作している一般ゲームでは、抽選テーブルLOT1が選択されるので(図25参照)、殆どの場合(65535/65536)ゲームモードAのままに維持されることになる(図28(a)参照)。一方、ゲームモードAの状態のまま内部当りゲームに移行すると、抽選テーブルLOT2が選択されるので(図25参照)、かなりの確率(440/65536)でゲームモードBに移行することになる(図28(b)参照)。なお、(稀なケースであるが)ゲームモードAの状態でボーナスゲームに突入した場合には、ボーナスゲーム終了後に抽選テーブルLOT6によって移行抽選が行われ、1/10程度の確率(6554/65536)でゲームモードCに移行する(図28(f)参照)。
【0066】
図26に示すように、ゲームモードBで動作している一般ゲームでは、抽選テーブルLOT1が選択されるので、殆どの場合(65535/65536)ゲームモードAに移行される(図28(a)参照)。一方、ゲームモードBの状態のまま内部当りゲームに移行すると、抽選テーブルLOT3が選択されるので、殆どの場合(65535/65536)ゲームモードBのままに維持される(図28(c)参照)。なお、ゲームモードBの状態でボーナスゲームに突入した場合には、ボーナスゲーム終了後に抽選テーブルLOT6によって移行抽選が行われ、1/10程度の確率(6554/65536)でゲームモードCに移行することになる(図28(f)参照)。
【0067】
図27に示すように、ゲームモードCで動作している一般ゲームでは、抽選テーブルLOT5かLOT4が選択されるので、抽選処理によってハズレ状態となると、1/10程度の確率(6554/65536)でゲームモードAに移行される(図28(d)参照)。但し、ハズレゲームの可能性は低いので(図7の場合、確率は20/10000)、実際には殆どの場合、ゲームモードCの状態に維持される。また、ゲームモードCの状態のまま内部当りゲームに移行した場合には、抽選テーブルLOT5が選択されるので、殆どの場合(65535/65536)ゲームモードCのままに維持される(図28(e)参照)。ゲームモードCの状態でボーナスゲームに突入した場合は、ボーナスゲーム終了後に移行抽選が行われるが、抽選テーブルLOT4が選択されるので9/10程度の高確率(58982/65536)でゲームモードCの状態に維持される(図28(f)参照)。
【0068】
図29は、本スロットマシンSLの動作を示したフローチャートである。コイン投入動作の後、遊技者がスタートレバーを操作すると、3つの回転リールは一斉または順次に回転を開始する(ST1)。また、スタートレバーが操作されると、このタイミングに合わせて抽選動作が行われ、今回のゲームが当否結果及び当選図柄が内部的に決定される(ST2)。
【0069】
図30は、抽選処理(ST2)の具体的内容を例示したフローチャートである。抽選処理では、先ず、ラッチ回路18から乱数値が取得され(ST20)、この乱数値が抽選テーブル(不図示)に記憶されている当選値と比較され、今回ゲームの当否が決定される(ST21)。この実施例では、セブン図柄、BAR図柄、リプレイ図柄、すいか図柄、Bell図柄、バナナ図柄、チェリー図柄の当選状態が用意されているが(図5)、その何れかに当選したかが決定される。先に説明したように、ビッグボーナスゲーム中やレギュラーボーナスゲーム中でない限り、一般ゲーム中であるか内部当りゲーム中であるかに係わらず、同一の抽選処理が行われる。なお、この点は、動作モードA,B,Cに係わらず共通する。
【0070】
ステップST21の処理によって当否結果が決定されると、今回の抽選結果がFG番地に格納される(ST22)。なお、抽選結果は、セブン、BAR、リプレイ、すいか、Bell、バナナ、チェリーの各当否状態を1ByteデータのBit7〜Bit1のBitデータ(1又は0)で表現することとし、ハズレの場合にはFG番地には00000000が格納される。
【0071】
次に、現在のゲームが内部当りゲーム中であるか否かが判定され(ST23)、内部当りゲーム中であれば、今回の抽選によってボーナス突入図柄(BB図柄かRB図柄)に当選したか否かが判定される(ST24)。ここでは内部当りゲーム中の処理を行っているので、ボーナス突入図柄に当選した場合とは、ボーナス突入図柄への重複当選を意味する。そこで、この実施例では、過去の当選状態から順番に実行化することにして、今回の当り状態を貯留エリアAREに貯留している(ST25)。
【0072】
具体的には、図33(a)に示すように、TOP+(CT)番地(図示例ではTOP+4番地)にFG番地の内容を格納し(ST30)、CT番地の内容をインクリメント処理する(ST31)。その後、今回のゲームをハズレ状態として扱うためにFG番地にゼロを格納する(ST32)。なお、内部当りゲーム中のハズレゲームでは、ゲームモードA,B,Cに係わらず、優先停止テーブルとしてC1かC2が選択されるため(図6、図7)、例外的にBB図柄やRB図柄を揃えることができるだけである。
【0073】
以上、内部当りゲーム中の処理について説明したが、ステップST23において、一般ゲーム中であると判定された場合には、最初に貯留カウンタCT(CT番地の内容)がチェックされる(ST26)。ステップST31に関して説明したように、貯留カウンタCTには、ボーナス突入図柄の当選貯留回数が記憶されているので、貯留カウンタCTがゼロでない場合には、引き続き、今回の抽選結果がBB図柄かRB図柄に当選しているか否かが判定される(ST27)。
【0074】
ステップST27の判定時には、当選貯留回数はゼロではないが、今回の抽選によってボーナス突入図柄に当選していた場合、過去の当選状態を優先処理するため、今回の当選状態を貯留エリアAREに貯留している(ST28)。なお、具体的な処理内容は、図31(a)のステップST30〜ST32の通りである。
【0075】
ステップST30〜ST32の処理によって今回ゲームの当選状態の貯留が終われば、次に、貯留されている最古の当選状態を読み出す(ST29)。具体的には、図33(b)のステップST40〜ST42の通りであり、先ずTOP番地の内容(最古の当選状態)を読み出し、FG番地の内容とOR演算し、その演算結果をFG番地に格納する(ST40)。続いて、貯留エリアAREの内容を順次1番地づつ上位アドレスに移動させ(ST51)、最後に貯留カウンタCTをデクリメント処理する(ST52)。
【0076】
読出し処理は上記のように行われるので、例えば、図31(c)の状態で、今回の抽選処理で「すいか」図柄に当選している場合には、TOP番地からBB図柄の当選状態を示す「10000000」が先ず読み出され、「すいか」図柄の当選状態を示すFG番地のデータ「00010000」とのOR演算結果「10010000」がFG番地に格納されることになる。
【0077】
以上のようにしてFG番地には、今回ゲームで整列可能な図柄(上記の例ではすいか図柄とBB図柄)に関するデータが記憶されることになる。但し、このことは遊技者には不明であるので、遊技者は、当選状態であることを祈りつつ、狙いを定めた図柄が停止するようなタイミングで停止ボタンを押圧することになる(ST3)。
【0078】
この停止操作に対応して、ゲームモードごとに相違する決定テーブルDecisionを参照し、決定テーブルに規定されている優先停止テーブルCiと停止処理マスクテーブルTiに基づいて停止制御が行われる(ST4)。従来の機器とは異なり、このスロットマシンでは、ゲームモードAの状態にある限りBB図柄やRB図柄を殆ど揃えることはできないので、BB図柄やRB図柄に当選しても、通常は、ゲームモードAからゲームモードBに移行してボーナスゲームに突入することなる。
【0079】
何れにしても3つの回転リールについての停止操作が終了したか否が判定され(ST5)、全リールが停止状態であればボーナスゲーム突入図柄が整列したか否か判定される(ST6)。判定結果がNoであれば、当選状態の場合だけコインが払い出され(ST7)、決定テーブルの移行抽選が行われ、次回のゲームに移行する(ST8)。
【0080】
一方、BB図柄やRB図柄が揃った場合には、コイン払出しの後(ST9,ST12)ビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスを開始させる(ST10、ST13)。ボーナスゲームの内容は特に限定されないが、例えば、図32、図33のような内容である。そして、ボーナスゲームが終了したら、決定テーブルの移行抽選が行われ、次回のゲームに移行する(ST11、ST14)。
【0081】
最後に図34及び図35を参照しつつ本実施例の動作を確認的に説明する。なお、図34、図35には、このスロットマシンの典型的な動作内容の推移を図示しているが、ボーナスゲーム中にゲームモードが変更されることはない。
【0082】
ゲーム価値の低いゲームモードAで動作している場合、一般ゲーム中は、ほぼ間違いなくゲームモードAの状態のまま維持される。したがって、BB図柄やRB図柄に当選したとしても、その図柄を揃えることは殆どできない(S1)。その結果、一般ゲームから内部フラグHITのセットされた内部当りゲームに移行するが、この内部当りゲームでは、1/150程度の確率でゲーム価値の高いゲームモードBに移行する(S2)。
【0083】
一方、149/150程度の確率でゲームモードAのまま維持されるが、(ボーナス突入図柄を殆ど揃えることができない)ゲームモードAの内部当りゲーム中も、毎回、一般ゲーム中と同様の抽選処理が行われるので、BB図柄やRB図柄に重複して当選することもあり、その場合には貯留エリアAREに当選状態が貯留される(図31(c)参照)。
【0084】
このようにして確率的に150回程度、ゲームモードAの状態でゲームを消化すると、ゲーム価値の高いゲームモードBに移行する(S2)。そして、チェリー図柄に当選すれば(99%の確率で当選する)、BB図柄やRB図柄を揃えることが可能となる(S3)。
【0085】
その後ボーナスゲームが開始されるが(S4)、ゲームモードBの状態でボーナスゲームが終了すると、9/10の確率でゲーム価値の低いゲームモードAの状態に戻るが、1/10の確率でゲーム価値の高いゲームモードCに移行することになる。いま、ゲームモードCに移行したとすると(S5)、その後はゲームモードCの状態で一般ゲームが開始される。
【0086】
ゲームモードCで一般ゲームが開始されると、毎回の抽選動作に加えて貯留エリアのチェック処理が行われる(図30のST26参照)。そのため、ゲームモードAでの動作中にBB図柄やRB図柄の当選状態が貯留されていた場合には、ゲームモードCの一般ゲームにおいて、ボーナス突入図柄の当選状態が読み出されることになる。図7に関して既述したように、ゲームモードCにおいても一般ゲーム中に該当図柄が揃う可能性は殆どないが、内部当りゲームに移行した後、図10に示す優先停止テーブルと停止処理マスクテーブルの組み合わせ(C3,T2)によって、ボーナス図柄が揃うことになる(S5)。
【0087】
ゲームモードCの場合には、内部当りゲーム中にゲームモードが移行することは殆どないので、例えば、貯留カウンタCTの値が4であった場合には、ゲームモードCの状態で、連続的に4回のボーナスゲームが行われることになり、遊技者に格別の喜びと興奮を与えることが可能となる。
【0088】
以上説明したように、この実施例では、内部当りゲーム中も一般ゲーム中と同様にBB図柄やRB図柄の当否抽選処理を行っているので、ゲームモードAの状態では、当選図柄を殆ど揃えられない代わりに、当選状態が貯留されつづけることになる(図35の「貯留サイクル」参照)。一方、ゲームモードAからゲームモードBを経由してゲームモードCに移行すれば、後は、高確率でゲームモードCの状態が持続されるので、貯留されていた当選状態が実行化されて連続的なボーナスゲームも可能になる。
【0089】
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、例示を示したに過ぎず、記載内容は特に本発明を限定するものではない。すなわち、本発明の趣旨を逸脱することなく各種の改変が可能であり、それらは全て本発明の範囲に含まれる。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、遊技ホールの収支を悪化させることなく、運の良い状況下では短期間にボーナスゲームを連続させることのできるスロットマシンを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係るスロットマシンの外観図である。
【図2】停止ラインを図示したものである。
【図3】図1のスロットマシンの内部構成図である。
【図4】回転リールに描かれる図柄配置である。
【図5】当選状態の配当コインを例示したものである。
【図6】決定テーブルAを図示したものである。
【図7】決定テーブルB,Cを図示したものである。
【図8】停止制御の限界を説明する図面である。
【図9】優先停止テーブルC1を図示したものである。
【図10】優先停止テーブルC2を図示したものである。
【図11】優先停止テーブルC3を図示したものである。
【図12】優先停止テーブルC4を図示したものである。
【図13】BB図柄の停止制御を説明する図面である。
【図14】BB図柄の停止制御を説明する図面である。
【図15】BB図柄の停止制御を説明する図面である。
【図16】RB図柄の停止制御を説明する図面である。
【図17】停止処理マスクテーブルT1を図示したものである。
【図18】停止処理マスクテーブルT2を図示したものである。
【図19】停止処理マスクテーブルT1に基づく停止制御を説明する図面である。
【図20】停止処理マスクテーブルT1に基づく停止制御を説明する図面である。
【図21】停止処理マスクテーブルT1に基づく停止制御を説明する図面である。
【図22】停止処理マスクテーブルT2に基づく停止制御を説明する図面である。
【図23】停止処理マスクテーブルT2に基づく停止制御を説明する図面である。
【図24】停止処理マスクテーブルT2に基づく停止制御を説明する図面である。
【図25】動作モード移動用の参照テーブルAを図示したものである。
【図26】動作モード移動用の参照テーブルBを図示したものである。
【図27】動作モード移動用の参照テーブルCを図示したものである。
【図28】動作モード移動抽選で参照される抽選テーブルである。
【図29】スロットマシンの動作を説明するフローチャートである。
【図30】図29の一部を詳細に示すフローチャートである。
【図31】図30の一部を詳細に示すフローチャートである。
【図32】ビッグボーナスゲームを説明するフローチャートである。
【図33】レギュラーボーナスゲームを説明するフローチャートである。
【図34】動作モードの違いを説明する図面である。
【図35】動作モードの違いを説明する図面である。
【符号の説明】
SL スロットマシン
L1 停止ライン
ST21 抽選手段(当否決定処理)
ST25 貯留手段(貯留処理)
ST29 消化手段(読出し処理)

Claims (2)

  1. 停止操作の適否に係わらず特定の当選状態に対応する図柄を停止ライン上に整列させることが不可能か又は殆ど不可能なゲームモードAと、適切な停止操作に基づいて前記特定の当選状態に対応する図柄を容易に停止ライン上に整列させることができるゲームモードCとを設けると共に、
    機器内部の抽選処理によって特定の当選状態になると、停止操作に起因して前記特定の当選状態に対応する図柄が停止ライン上に整列されるまで前記特定の当選状態を維持する維持手段と、
    前記維持手段が機能している場合にも、前記特定の当選状態を発生可能に構成された抽選手段と、
    前記維持手段が機能している状態における前記特定の当選状態を順次貯留する貯留手段と、
    前記維持手段が機能していない状態では、貯留されている前記特定の当選状態を読み出して実行化を図る消化手段とを備え、
    前記ゲームモードCは、前記ゲームモードAでの移行抽選結果に基づいて移行したゲームモードBで前記特定の当選状態を実現させた後、前記ゲームモードBでの移行抽選結果に基づいて移行するよう構成される一方、前記ゲームモードCでの移行抽選では、前記ゲームモードCを維持するか又は前記ゲームモードAに戻るよう構成され、
    前記ゲームモードBは、前記維持手段が機能している状態では、更に別の所定の当選状態になった場合に、適切な遊技操作に基づいて容易に前記特定の当選状態に対応する図柄を停止ライン上の整列できるよう設定されていることで前記ゲームモードCへの移行が実現され、前記貯留手段の貯留した前記特定の当選状態が、前記ゲームモードCにおいて容易に実現されるようになっている
    ことを特徴とするスロットマシン。
  2. 停止ライン上に優先的に停止させるべき図柄を規定した複数種類の停止制御テーブル(Ci,Ti)と、動作モードに基づいて前記停止制御テーブルの組み合わせを決定するテーブル選択手段と、前記テーブル選択手段によって選択された停止制御テーブルの組み合わせと、機器内部の抽選処理の結果と、遊技者による停止操作のタイミングとに基づいて決定される停止図柄を、停止ライン上に停止させる停止制御手段とを備える請求項1に記載のスロットマシン。
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